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涙たちの物語4 『旅は道連れ』
1 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 09:41 [ 2t./LLiI ]
前スレ:涙たちの物語3 『旅の流れ』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1058854769&LAST=100

涙たちの物語2 『旅の続き』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1054164056&LAST=100

涙たちの物語 『旅は終わらない』
http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790

前スレ涙たちの物語 『旅は終わらない』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1048778787

倉庫等
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

2 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 09:43 [ FnC2qDTU ]
2

3 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 09:46 [ Kr8XJLQ. ]
3

4 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 10:32 [ PQxOC4/U ]
4

5 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 10:45 [ 1Fvo.Nso ]
5

6 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 10:49 [ hg3FaLRk ]
6

7 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 10:52 [ riYfWHq. ]
7

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 11:53 [ DKMu9Rwc ]
スレ立ておつです。
8?

9 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 14:24 [ Iy0XzJTU ]
空に奏でる2日連続更新キターー!
応援してます。

10 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 20:53 [ 1Dd64aO2 ]
10ゲッチュ

11 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 21:16 [ aSyAwgTg ]
11age

12 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 21:16 [ S.2SiOHU ]
ほんまよかった・・・!!
http://navi-on.jp/0.php?p=25

13 名前: to 投稿日: 2003/09/30(火) 23:27 [ w0tlus6k ]
http://www.miracle-key.gr.jp/white/

14 名前: とある作品の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 23:29 [ w0tlus6k ]
ぎゃーーーーーーー

直リンしてしまった……。
白き探求者様のまとめサイトができたそーです。
ので、URL張っておきますね。

ってやろうとしたら直リン……。

つってくる


ttp://www.miracle-key.gr.jp/white/

15 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/01(水) 02:00 [ 6tV7Szd2 ]
[ ようこそ、ハウスへ ]

一日目。

「それじゃあ、行って来るよ。」
「クポー!ご主人様、ちょっと待って欲しいクポー!」

僕がいつものようにハウスを出ようとすると、
モーグリが僕を呼び止めた。

「何?何かあるの?」
「クポ!モグ祭りが近いクポ!
モグはお土産を持って故郷に戻るから、
しばらくハウスを留守にするクポ!」

「ああ、そうなの?でも、そしたらモーグリが留守の間、
ハウスの管理は?金庫とか栽培とか、どうなるの?」
「それは大丈夫クポ。ちゃんと手を打っておいたから、
心配無用クポ〜。」

「ん〜?何だか分かんないケド、大丈夫なのね?」
「もちろんクポ。」

「ああ、そう。じゃ、行って来るよ。」
「行ってらっしゃいクポ〜。」

僕はモーグリに見送られハウスを出た。
外は快晴、太陽がまぶしい。

16 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/01(水) 02:01 [ 6tV7Szd2 ]
僕は冒険者だ。
と言っても、まだ駆け出しなのだが・・・。
冒険者には、国からハウスと呼ばれる住居を
使用する権利が与えられている。
僕もハウスを使っていて、
モーグリはハウスの管理者(ハウスキーパ)である。
モーグリはハウスの管理の他にも、炊事、洗濯などの
僕の身の回りの世話までもしてくれる。
僕がこうして冒険者としてやっていけるのも、
実はモーグリのおかげなのかもしれない。

「ん〜。モーグリは大丈夫って言ってたケド、
ホントに大丈夫かな?
でも、まあ、心配してもしょうがないか・・・。」

僕は小さな不安を胸に押し込めると、
クエストを探しに森の区へと歩き出した。

ここはウインダス。
水と緑に囲まれた魔法大国。
僕の大好きな故郷だ。

今日の僕は、運が良かった。
程なくクエストを受けられたし、
クエストの報酬は予想より多かった。
もうすっかり日も暮れてしまった。
僕は満足してハウスに戻った。

「ただいま。」

僕はいつものように挨拶をしてから、
モーグリが留守であることを思い出した。

17 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/01(水) 02:02 [ 6tV7Szd2 ]
「あ・・・。そうか。誰もいないのか・・・。」

とてとて!

「ご主人サマ、おかえりなさいですにゃ!」
「うわぁ!」

「にゃ?ご主人サマ、どうかしましたかにゃ?」
「え?!えっと、キミは誰?!」

「にゃ!ご紹介が遅れましたにゃ。ごめんですにゃ。
アタシ、エマ・ワトソンですにゃ。
オーサワ家政婦紹介所から参りましたにゃ。
これからご主人サマのお世話をさせていただきますにゃ〜。」
「え、エマ?か、家政婦?お、お世話?」

「はいにゃ!」

僕は僕に言い聞かせる。落ち着け、冷静になれと。
え〜と、彼女はエマ。ミスラの少女だ。
家政婦といっていたが、その格好はメイド?のようだ。

お世話・・・。そうか。

モーグリの言っていた『手を打った』とは、このことだったのか。

「にゃ?ご主人サマ、どうかしましたかにゃ?」
「あ、いや。なんでもない、少し混乱してたダケ。
もう落ち着いたから。」

18 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/01(水) 02:03 [ 6tV7Szd2 ]
「にゃ。それではご主人サマ、これから何になさいますかにゃ?
お食事ですかにゃ?お風呂ですかにゃ?それとも・・・にゃ?」
「あ、外で食べてきたから、食事はいらない。
それに今日は疲れたから、風呂に入ってスグに寝るよ。」

「はいにゃ。お風呂、準備できてますにゃ。」
「あ、ありがとう。」

ちゃぽ〜ん。

「ふ〜。」

いい湯だ。
僕は両手で湯をすくい顔を洗う。
頭をすっきりさせ、今日の出来事を思い出してみる。
モーグリの里帰り、クエスト、それにエマ・・・。
予想外の出来事ばかりで疲れた。

「そろそろ、出るか・・・。」

ガラガラ!

「お背中、お流ししますにゃ〜!」
「うわぁ!」

エマが風呂場に乱入してきた!
エマは体にはバスタオルを巻いているので、隠すところは隠されている。

だが、不意打ちを喰らった僕は・・・。

今日はイベントフラグが起ち過ぎだ。

19 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/01(水) 07:42 [ OjHQV1sI ]
冗長になります。
過去にあったっぽい話ですが。

20 名前: 1 投稿日: 2003/10/01(水) 07:47 [ OjHQV1sI ]
一通の手紙がリノナノに届いた。
タルタル族のリノナノはモグからその手紙を受け取り、魔法の刻印を見てゴタルル団長からだと知り顔をしかめた。
「ちっ。団長の手紙か…どうせ面倒ごとだろうな」
呟いてはみたが、ゴタルル団長には一応の恩がある。
読まずに捨てる事はには出来ない。
リノナノはウィンダスの部屋に座り手紙を開いた。
そこには簡単な挨拶を飛び越え本題が書いてあった。

『どうしようもない新人が魔戦隊と庸兵隊に入ってきた。
ウィンダスを守る兵士は大切に育てなければならない。
しかし彼らはあまりにも未熟だ。
すまないが時間のある面倒見のいい庸兵の君に三人をジュノまで連れて行ってもらって鍛えあげて欲しい。
他のものは自力でジュノまでたどり着けたのだが…彼らは本入隊試験中5回も瀕死の重傷で
ウィンダスに戻ってきた。随行者として、よろしく頼む。
森の区チョコボ屋明朝9時出発』

21 名前: 2 投稿日: 2003/10/01(水) 07:51 [ OjHQV1sI ]
リノナノは読み終わった手紙をビリビリと破り捨てた。
「誰がっ、誰が面倒見のいい庸兵だってっ!
お荷物なんか引き受けられっこねぇだろうっ。俺はそんなおせっかいじゃねぇぞ!!第一庸兵でもない、暇だってねぇ」
叫んで、その手紙を撒いた。
モグはクポクポいいながら、部屋に散った手紙を拾った。
「でも、行くクポ?ご主人様の荷作りは任せるクポ」
モグに性格が読まれている事に舌打ちし、リノナノは立ち上がった。
「競売行って荷物そろえてくるわ」
もう夜9時だって言うのになにが悲しくて、こんな時間に競売まで行かなきゃいけないのか…ぶつぶつ言いながらリノナノは噴水のまえを走って行った。
「っとに、ジュノ行きに5回の重傷ってどんな馬鹿だよったく。サポどうするかな〜」
そう呟きながら、ふいに乾燥マージョラムが足りない事に気付き、水の区までデジョンを求めに行く。
チョコ前に大きなガルカが所在無さ下に立っていて、ウィンダスでは珍しいとリノナノは考えた。

22 名前: 3 投稿日: 2003/10/01(水) 07:55 [ OjHQV1sI ]
翌朝、寝過ごしたリノナノは慌てて荷物だけ持って走ってゆく。
15分の遅刻は随行者であれば許容範囲内だろう。
チョコ前には昨日から立っていたガルカがいた。ほかに若いミスラ。
尻尾が揺れている。その他の人は行き過ぎるばかりだ。
ミスラとガルカがリノナノの前に立つ。
タルタル族の中でも小さなリノナノには目の前に壁が出来たのと一緒だった。
「リノナノ殿…ですか?」
「えっと、ジュノまで指導してくださる教官さんですにゃ?」
案の情にリノナノはクラーイ顔で吐息をついた。
「リノナノだ。俺は手出しはするつもりはない。
随行者としてついていってやるだけだ」
リノナノはキッと顔をあげる。
ガルカとミスラはひざまずいて、リノナノに礼をとろうとする。
「テメーらっ!身長がでかいからっていい気になるなよっ。
そこのっ二度とひざまずくなっ!!」
ガルカを指差しびしっと言う。
別にいい気にはなってないだろうが…
ガルカがリノナノの気分を害してしまったことに困ったようにつぶやいた。
「リノナノ殿。私の名はラナウェイ。魔戦隊で黒魔法を学んでいます。
サポは白魔法です」

23 名前: 4 投稿日: 2003/10/01(水) 07:58 [ OjHQV1sI ]
ブッとリノナノは噴出す。
「ガルカが黒魔道師やってんじゃねえええぇぇ。
MPとか種族差ってもんがあんだろっ」
血管が切れんばかりに叫ぶ。
「皆さんにそういわれますが…私は黒の古代魔法をいつか手に入れたいのです」
「第一、何でテメーは昨日からここにいたんだっ!」
「間違って遅刻しては大変ですから…。
御心配には及びません。ガルカは頑丈ですから」
ラナウェイはおおらかに笑う。
「心配なんかしてねぇが、休める時にきっちり休め!身体は横にしろ」
吐き捨てるリノナノの言葉にラナウェイはすまなそうに身体を丸めた。
リノナノは吐息をついてちろっとミスラを見あげる。
「あいあ〜い。リノナノ教官、
私はルリ・ペンディ白魔導師でサポは黒魔ですにゃっ」
びしっと敬礼するルリにリノナノの深い溜息。
普通ウィンダスのミスラなら戦闘屋だろうに…
「そういや、後一人は…」
リノナノの視線の先にダッシュかまして走ってくるのはタルタルの少女だった。
「おくれました〜〜〜すみませんですっ。
朝の修行はいつもの事で、やりすぎてしまいましたわっ」

24 名前: 5 投稿日: 2003/10/01(水) 08:03 [ OjHQV1sI ]
息も切らさずリノナノの前に立ち、にこっと笑う金の髪の愛らしいタルタル少女。
「自己紹介しろっ」
「ルクルル、戦士です」
「サポは?」
ちろんと見るリノナノにルクルルは元気よく答えた。
「サポはまだ、とっていませんっ!!」
リノナノの血管は二・三本ブッ千切れたようだった。
「サポぐらいとってから、庸兵隊に入隊しろッッッ!!」
戦士レベル21の彼女にリノナノは大声で怒鳴った。
瀕死の重傷で彼らが5回帰ってきた理由が、よくわかる…。
そして、それでも彼らは修行を止めていない…。
「前途…多難」
リノナノは呟いてしゃがみこんだ。
「教官どの〜具合でも悪いですにゃ?」
「すみません。黒魔で」
「????」
3人がリノナノを心配げに屈んで覗き込む。
リノナノはそれに爆発したように飛び上がった。
「だからっ!!!ひざまずいて覗き込むんじゃねええぇっ!」
「あ、元気そう、よかったにゃあ♪」
ルリの声に吐息をついた。
「行くぞ。歩きながら日程を話す」
「あいあいさー」
「了解」
「はいですわ」
リノナノは数え切れない吐息をついた。

25 名前: 6 投稿日: 2003/10/01(水) 08:06 [ OjHQV1sI ]

サルタバルタは心地よい風が吹いていた。
「おまえ達、どこまでいけた?」
リノナノの言葉にガルカのラナウェイは目を伏せた。
「メリファト山地…までしか」
「ぜんっぜん進めてねぇじゃねぇか」
リノナノの言葉は、きつい。
「そう…ですわね」
ルクルルはしおんっと金の髪をしおらせた。
「でっ、でもでも、オズトロイヤ城にはいったにゃw」
みなを元気付けるようにルリが明るく行った。
「方向、ちげーよ」
「あぅ」
ルリの尻尾が力なく地面に下がった。
「ふん。旅は2泊3日予定だ。
キャンプ場所はタロンギ大峡谷の先とソロムグの入り口。
食料、持ってきたか?」
リノナノの言葉にこくこくとルリが頷く。
「お魚いっぱい持ってきたにゃ。
今日はおやつにブルーテール、明日はバストアサーディンにゃ」
「没収」
「え?」
「食料は俺が預かる。全員全部出せ」
「「ええええええ〜〜〜〜」」
2人の少女のブーイングをものともせず、食料を差し出させる。

26 名前: 7 投稿日: 2003/10/01(水) 08:15 [ OjHQV1sI ]
ただ一人心配げなのは、ガルカのラナウェイ。
「俺の食料…重いですけど持てますか?」
「ぐぅ」
渡された食料は大量の肉でリノナノは荷物を持った瞬間蛙のつぶれた声を出した。
「あの、食料勝手に食べませんから…俺…持ちましょうか」
ラナウェイの言葉にリノナノは馬鹿にするなと叫び、
重い荷物を引きずるように歩き出した。

「ヤクード族に気をつけろよ。それとお前らメアのテレポ石持ってるか?」
タロンギ大渓谷でのリノナノの言葉にルリはびしっと敬礼する。
「はいですにゃ!教官殿」
「いえ。それはどのようなものなのでしょう…」
「何かはわかりませんが大事な所にいれてありますわ。
ところであの、リノナノ教官殿…私すこし、そのお腹がすきましたの」
つんつんとリノナノの袖を掴むルクルルに、リノナノは太陽を見上げた。
「もう、1時か」
「お腹すいたにゃっ。お魚にゃっ!」
その言葉にリノナノは宣言した。
「食うもんは自分で仕入れて来いっ。旅の掟だ。ここなら平気だろう」
「釣り…するですにゃ?」
ルリの言葉にリノナノは吐息をついた。

27 名前: 8 投稿日: 2003/10/01(水) 08:18 [ OjHQV1sI ]
「ルクルル、ルリと野ウサギ倒して10匹分の肉あつめてこい」
「そんなっ」
「おなかペコペコで動けないにゃ〜」
「殴られたいのか?」
ちろん、と睨みつけられ、二人は慌てて走り出した。
「あの、私は…」
「お前は俺とテレポ石を取りに行く
俺も一緒に行ってやるから、来いっ」
「……はい」
「いいか。周囲に気をつけろ」
リノナノは気楽に渇いた大地を歩いてゆく。
「テレポ石とは…なんですか?」
「ん?ああ。高位白魔道師がテレポでお前を飛ばすために必要な石だ」
「テレポ…」
「ああ。あそこの蒼い所だ」
指差す先には、白い台座と青いクリスタルがあった。

28 名前: 9 投稿日: 2003/10/01(水) 08:24 [ OjHQV1sI ]
ラナウェイは両手をクリスタルに差し出し、
場所の記憶をとどめた石を手にする。
そして、ラナウェイはひざまずいて視線をあわせる。
「あのっ。ありがとうございました。俺達は…」
言いかけた言葉をリノナノは怒鳴って言葉を止めた。
「ひざまずくなって言ってるだろうッッ!」
「あ…す、すみません」
ラナウェイは慌てて立ち上がる。
「で?」
「あ、その。俺ら実は教官についていただくのはリノナノ教官で3人目なんです。
でも、今までどの教官もここまで連れてきてくださったりはしなくて…あの、
だから。ありがとうございますっ。俺、がんばりますっ」
がばっと頭を下げるラナウェイにリノナノは背を向けあるきながら呟いた。
「別に…がんばる必要はねぇ。俺がお前らに言いたいことは3つだけだ
 ―――生きろ。なにがあっても生きろ。生きぬけ」
「っ…教官」
「だあああああぁぁぁっ!!うぜえ!ガルカはくそ真面目でいけねぇ。
俺達タルタルみたいにかろやかにスマートに生きらんねぇのかよ。まったく」
タルタルは、確かにガルカに較べれば空気のように軽い。
ちろんとリノナノはラナウェイを睨み歩き出した。

29 名前: 10 投稿日: 2003/10/01(水) 08:27 [ OjHQV1sI ]

「やっほー!リノナノ教官、大漁にゃにゃにゃん♪」
「兎のお肉17個ですわっ」
誇らしげな二人にリノナノはバックから様々な荷物と
クリスタルをザラリと取り出した。
「調理スキル、上げてる奴はいるか?」
「それ、美味しいにゃ?」
その言葉にリノナノは突っ込む気力もなくルクルルの手を取った。
「炎のクリスタルで熱を作って、兎の肉と乾燥マージョラムで
兎のグリルができる」
ルクルルはぐぐぐっと念を込めて調理をするが、
パリンっとクリスタルは割れた。
「出来ませんわ…」
「全員できるまで、やれ」
「ええ〜〜〜!横暴にゃ!!」
「いいからやれっ」
そういいながら、リノナノもクリスタルで調理をはじめる。
「ラナウェイ、お前はそれにアップルパイも食え」
ラナウェイは眉間にたてじわをよせる。
「あの、リノナノ教官…俺、甘いもの…苦手で」
「苦手でも食え!」
そういって、無理やりラナウェイの前に置く。

30 名前: 11 投稿日: 2003/10/01(水) 08:30 [ OjHQV1sI ]
「ルリ、お前はキノコのスープだ」
「うにゃにゃ。味のないキノコ嫌いにゃぁ。お魚のほうがいいにゃぁ」
ルリは尻尾を落として弱弱しく抗議する。
「キノコがなきゃ生きていけないくらいキノコ大好きに、
今すぐなれ!!」
「はうっ。横暴反対にゃ〜」
無理やりリノナノはルリにスープのカップをもたせる。
ルクルルは両手をリノナノに差し出しキラキラした瞳を見せる。
「私はなんですの?好き嫌いはありませんわっ」
「ん?ん〜、ん、ルクルルは兎のグリルだけでいいか」
「ひどいひど〜い」
ルクルルの言葉にリノナノは肩をすくめた。
パリン、パリンと壊れてゆくクリスタルの中、
5つの兎のグリルがなんとか出来たようだった。
リノナノがその配分を興味深く見ていると、
リクルルとルリは自然にガルカのラナウェイの前に二つおき、
リノナノに一つ手渡した。
大地と星の神子さまに感謝をささげ、食す。
「まずいな…だれだ、これ焼いたの」
リノナノの言葉にルリは手を上げる。
「うにゃあ。初めてだから仕方ないにゃ…。次はがんばるにゃ」
「ああ、頼む」
リノナノはそういって味の薄いこげたグリルを食べた。

31 名前: 12 投稿日: 2003/10/01(水) 08:33 [ OjHQV1sI ]
夕暮れには焚き木を囲めた。
「夜警は3人で交代に行なえ。
一番手はルリ、二番手はラナウェイ、3番手はルクルルだ」
夕食後リノナノは言い、早々に毛布をかぶって寝てしまった。
三人は興奮しているのか眠りもせず自然焚き火の周囲で小さな声で話し始めた。
「でも、リノナノ教官横暴ですわ」
「うにゃにゃ。お魚はかえして欲しいにゃ…
でも、もう旅の終りには傷んで食べられないにゃぁ」
ルリは耳をぺたんと頭につけてしょげかえる。
「でもみんなばかりいいもの食べて、教官私にはくださらないのは何故かしら。
私もアップルパイ…食べたかったですわ」
ルクルルはどうやらそれが不満らしい。
「うにゃにゃ。でも、もういいかげんこの試験に合格しないと…
本隊に入隊して魔戦士としてみんなにケアルしたいにゃ」
ルリの言葉に3人はしゅんとする。
おちこぼれのレッテルを貼られていることは自分達が一番よく知っていた。
それを振り払うかのようにルクルルはリノナノの毛布を見声を潜めた。
「第一、リノナノ教官は自分のレベルもジョブもお隠しになってるのは、
私たちを信頼していない証拠ですわ」
夜がすぎていた。

32 名前: 13 投稿日: 2003/10/01(水) 08:36 [ OjHQV1sI ]

深夜、ぱちんっと薪がはぜる音がした。
見張りのラナウェイがぼんやり空を見る。もう、みんな寝静まっていた。
ふいに音もなくリノナノの毛布がバッと舞った。
「え?」
ラナウェイが呟く一瞬の間に、
シャッと鞘を鳴らし片手剣を取り出し闇の中を横一閃、切り裂く。
「精礼の印、バインド、ファイアーだ」
大声ではないが、ラナウェイの耳にしっかり響いた。
闇にとけたゴブリンが一体倒れる。
が、その後にはゴブリンブッチャー。
「精礼の印っ!!…氷の精霊よ、
かのものの足を絡め動きを止めよ、バインドっ!!」
ラナウェイの低い声での詠唱が響く。
リノナノは片手剣を手にしたまま、ブッチャーの懐に飛び込んでいった。
タルタル族は、小さい。だから戦闘は敵の懐の飛び込まなくてはならない。
見ているものが危ういほどの距離だった。
ラナウェイの周囲に炎の精霊の祝福が集まる。
「炎の精霊よ、その力によって敵の魂を焼き浄化せよっ
ファイアー!」

33 名前: 14 投稿日: 2003/10/01(水) 08:50 [ OjHQV1sI ]
ザクリ。
リノナノの剣とラナウェイの精霊魔法が一緒だった。
「あ……」
ゴブの身体が崩れ落ちるのをラナウェイが見、身体をブルっとふるわせる。
一歩間違えば熟睡していたルクルルとルリは死んでいたかもしれない。
「大丈夫だ。終わった」
剣の露を払って、リノナノは片手剣を鞘に収めた。
「……―すみません。俺…見張ってた、つもりなんですが…」
ラナウェイはいまさらのように、座り込みかたかたと巨体をふるわせる。
「覚えておけ。
光の傍は敵が発見しやすい。だが、光の奥の闇は普通の闇より深い。
奥の闇の敵は発見しずらいから、目だけでなく五感を研ぎ済ませろ」
「………はい」
しょげるラナウェイの大きな肩を、リノナノは小さな手で叩いた。
「見張りご苦労さん。
俺の事が不満かもしれねぇが、あと二日の辛抱だとうるさい女どもにいっとけ。
ったく、この騒ぎで起きもしねぇし」
ルクルルの豪快な寝相を見てリノナノは、もそもそと毛布にもぐる。

34 名前: 15 投稿日: 2003/10/01(水) 08:52 [ OjHQV1sI ]
「あの、教官」
毛布に向かい低い声でラナウェイは問う。
「あん?」
「あの…なんでバインドだったんですか?」
精霊の印をわざわざ使って敵の足を止めたのに、
リノナノが敵の懐に飛び込んだ理由がわからない。
「ああ。わざわざ起こす必要もねぇだろ」
ルリとルクルルは…一日の疲れでぐっすり熟睡している。
ラナウェイは大きな手をぎゅっと握り締めた。
「………あの、俺。今度こそちゃんと見張りますから…
…敵が来たらリノナノ教官真っ先に起こしますから……―」
ラナウェイの言葉が途中でとぎれる。
「最期まで、言いたい事があるならいえよ」
「あの…―寝てください」
リノナノはその言葉に毛布から手だけ出して、答えた。

35 名前: 16 投稿日: 2003/10/01(水) 08:55 [ OjHQV1sI ]
メリファト山地は太陽が照りつける灼熱の地。
蜃気楼の中を歩く4つの影の一つが叫び声を上げた。
「教官、大変ですわ、もう私たちは絶望ですっ!!!」
「なにがどうして、そうなるんだ」
リノナノはルクルルの言葉に顔をしかめた。
「お水が…お水がもうっ」
昨日の戦闘は激しかった。今日も暑い。
水の消費が思ったより多かったのだった。
「うるさい」
「でも、お水がないとしんじゃうにゃあ。
このままじゃ全滅にゃぁあ」
この先の蜃気楼が揺れる荒野に水があるとも思えなかった。
「うるせえっつってるのがわかんねぇのかっ」
リノナノは言ってずかずかと脇によった。
そして、サボテンを片手剣で切り落とした。
小型ナイフで皮をむき、ルクルルに手渡す。
「食え」
「え?」
「食えよ」
「水が必要なのであって…」
ルクルルの言葉にギロッとリノナノはにらみつける。
ルクルルはおそるおそる、透明なサボテンに小さな歯を立てた。
シャグ。青臭いが甘い水分が口に広がった。
ルクルルの驚愕。
「美味しいですわっ!!」
「歩きながら食え」
リノナノはうながし、語る。

36 名前: 17 投稿日: 2003/10/01(水) 08:57 [ OjHQV1sI ]
「いいか、魔戦隊も庸兵隊も戦闘部隊だ。
宿屋やモグハウスがあるところに行くわけでもなければ、
店があるところに行くわけでもない。
主な任務は荒野や氷河や砂漠だ。
任務のなかで一番大事なコトは、魔力でも戦闘技術でもねぇ。
生きて自分の足でウィンダスに戻ってくる力をもつことだ」
「………」
「どんな方法でもいい。この世は生き残ったもん勝ちだ」
リノナノは静かに言った。
食と水に困らなければ、あとは敵に注意すればいいだけだ。
何度も強い敵に襲われては逃げながら、
メリファト山地を抜け一泊をし、最終日となった。

37 名前: 18 投稿日: 2003/10/01(水) 08:59 [ OjHQV1sI ]

疲れていたのは事実だ。
注意力散漫でも、あった。
そして―ルクルルの飛び降りた崖の下に、数体のイビルウエポンがいた。
「きゃあああっ!」
「だあぁぁっ!!ここまで来て、この馬鹿野郎っ」
リノナノは叫び、剣を抜く。
絶対的な力の差にルクルルの身体から血が舞う。
「ちぃいっ。挑発っ!!!」
リノナノは崖を飛び降りつつ、敵をひきつける。
「いけっ!ルクルルッ」
「でもっ、教官」
ルクルルはリノナノの脇で剣を構える。
「いいから逃げろっっ振り返るな!」
リノナノは叫んで、剣をふるい敵を自分にひきつけた。
小さな身体が、イビルウエポンに沈む。
「白き聖なる女神、我らの教官リノナノに慈愛の御手を…ケアル�兇叩�!」
「白き聖なる女神よ。我らに大いなる祝福と力をあたえよっケアルっ」
さすがに5回のジュノへの旅に失敗しただけの事はある3人だ。
迷いなく、惜しみなく、仲間のために力を使う。

38 名前: 19 投稿日: 2003/10/01(水) 09:02 [ OjHQV1sI ]
ルリとラナウェイの回復魔法にリノナノはブチキレた。
圧倒的な力の差。
イビルウエポンは魔法に振り返りルリとラナウェイを爪で引き裂いた。
2人とも一撃でひどい怪我を負う。
「逃げろっつってるのがわかんねぇのか」
あと三撃も受ければ、未熟な彼女らの命はない。
「教官を見捨てられませんわっ」
ルクルルの言葉にリノナノは舌打ちする。
「テメェら、邪魔だっつってんだ!
いいか、最期のレッスンだ!よく聞けっ!犠牲は最小限にしろッ。
効率よく仲間を殺せ」
そういってリノナノはもう一度挑発をし敵をひきつける。
「3人で固まって、敵に気をつけて油断せず走り抜けろ!!!」
傍で剣を振るっていたルクルルの背を思いっきり突き飛ばし、ルリとラナウェイの方にはじく。
そしてリノナノは反対の方向に走って逃げた。
「教官っ!」
「まってにゃああああああ」
「いやッッ!!」
追おうとして、追いきれなかった。
傷ついた3人にリノナノを走って追う力は残っていなかった。

39 名前: 20 投稿日: 2003/10/01(水) 09:03 [ OjHQV1sI ]
疲れきった足が萎え荒野にひざまずくと、
リノナノのあふれさせた血がソロムグの大地に一滴、二滴とこぼれていた。
「行こう」
ラナウェイは言う。
「でもっ!教官がっ―」
傷にしゃがみこんでしまったルクルルを軽々と抱きあげ、
ルリの手を引きずるようにガルカのラナウェイは立ちあがらせた。
「敵がくる。ここで俺達が倒れたら…教官の行動が無駄になる。行くぞ」
「ラナウェイ…」
「にゃぁ」
しおれた尻尾でルリはゆっくりと歩き出した。
大粒の涙が双眸からこぼれ落ちている。
両手の甲で涙を拭く。
「こっちだ。気をつけて」
乾いた大地の足場を確かめながら、敵との距離を測りながら3人は歩いた。
視界が風に舞う黄砂に黄色く歪む。
言葉はない。
何度も敵の影に立ち止まり迂回し街道をはずれながら、ただ歩を前に進めた。
3人の脇を数匹のチョコボが通り抜ける。
その砂と埃の先に、ジュノの大きな門が見えた。

40 名前: 21 投稿日: 2003/10/01(水) 09:07 [ OjHQV1sI ]
3人は雑踏のジュノの港に足を踏み入れる。
百戦錬磨の冒険者が飛空挺乗り場に行き、3国の兵士が通り過ぎる。
「ジュノにきても教官がいないんじゃあ…意味ないにゃあああ」
ぺたんと石畳に座り込み、必死で我慢していたルリが
堰を切ったようにしゃくりあげた。
「ルリ、そんなに泣くものではありませんわ。
それではお星様になった教官が、悲しみ…ます、わ」
そういいながらルクルルの目にも涙が浮んだ。
3人はボロボロの、身体。
砂だらけで、疲れきった表情で立ち尽くす。
周囲は奇異な目で3人を見ていた。
「憎たらしくて横暴で最低でしたけど、死ぬなんて私…私…」
「ヲイ…憎たらしくて横暴で最低で悪かったな」
ごすっと鞘のまま、ルクルルの頭に剣があたった。
「教…官?」
「御無事だったのですか?」
「嘘っ!!」
そこには、ちいさいタルタル族のなかでもさらに小さいリノナノが立っていた。
「無事、入隊本試験合格だな」
リノナノはにやりと三人に笑みを見せた。

41 名前: 22 投稿日: 2003/10/01(水) 09:09 [ OjHQV1sI ]
「教官にゃあああっ」
ルリがリノナノを抱き上げ、それをルクルルが抱きしめる。
「このっ。俺を勝手に抱き上げるんじゃねえええぇぇっ」
じたばたあばれるリノナノをルリは泣きながら抱きしめた。
泣いていたルリが何とか泣き止む頃を見計らって、
リノナノは言った。
「試験合格、おめでとよ。ルルデの大使館に報告に行ったら終りだ」
「おわり。にゃぁ」
終りは別れ…ルリはしおんとしょげて呟いた。
「なーにしおれているんだ。
最期は自分達の力でここまでこれたじゃねーか。
お前らなら、大丈夫だよ」
そういってリノナノは自分のリュックから荷物を出す。

42 名前: 23 投稿日: 2003/10/01(水) 09:11 [ OjHQV1sI ]
「オラ、羊のローストはラナウェイだ。
ミスラ風海の香草焼きはルリ、タルタルライスの鮭おにぎりはルクルルだ」
「なんですにゃ?これ」
「お前らの旅の食料だ。
俺が調理しといたが食わないなら競売にだせ。
こずかい位にはなるさ」
「にゃぁ!」
ルリの尻尾がぴんと立った。
「あ、そうそう、あと試験合格祝い」
そういって、ルリの手にもたせたのはリジェネの魔法、
ラナウェイに放り投げたのは、アストラルリング。
ワクワクしながら両手を差し出すルクルルに、リノナノは肩をすくめた。
「お前には、別もんだ」
「私には、ないのですの?」
「……次の光曜日、丁度満月だからな。ブブリムでサポアイテムゲットだ」
そういってリノナノは手を振って3人に小さな背を向けた。

                         END

43 名前: おまけ 投稿日: 2003/10/01(水) 09:13 [ OjHQV1sI ]
「くったびれたああぁぁぁ。
眠れねーし、ガキゃうるせーし、つかえねーし」
もぐハウスに入ったリノナノの第一声。
「お疲れ様クポ。あるいてジュノはたいへんクポ」
リノナノはそのままベットにたどり着く前に、
床にキッスし安らかな寝息を立てた。
「ご主人様、傷だらけくぽ」
モグは慌ててジュノにいるリノナノの友人の
白魔道師と暗黒騎士に救援を求めた。


その後リノナノは丸二日ベットから起き上がることはなかった。

44 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/01(水) 09:17 [ cRW6BTaI ]
(・∀・)イイ!

45 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/01(水) 19:56 [ 3.PHmMA6 ]
なんとなくティナナ日記を思い出した

作者さん元気かなー

46 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/01(水) 21:23 [ V2LJ9Y3U ]
>>20
今後もちょっとずつ連載キボンヌ

47 名前: 前スレ899 投稿日: 2003/10/01(水) 22:03 [ HWKzJEY. ]
読んでくださってありがとうございます.
FFXIの短編は難しいですね.
キャラの背景描写に結構量を割かなければいけなくて.
改行に関しては,これから気をつけたいと思います.

さて,前回アップする時に削った部分が短編一つ分ぐらいあったので,
それをまとめて,新作としました.と言うか,同時に書いてました.
ここにアップすると,また膨大なレスを消費するので,HTML化しました.
今度はリンツァイスの話です.
読んでいただければ幸いです.
次回は...新作の冒頭の彼を取り上げようと思ってプロットかいてますが.
いつになることやら.

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/5451/

48 名前: 空に奏でる君の歌42 投稿日: 2003/10/01(水) 22:29 [ gHxugwDg ]
みんな頑張ってー。それと新スレ乙。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

49 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/01(水) 23:30 [ G/MLyB7s ]
>48
いつも楽しみにしております。
あんな詩人に私もなりたい・・・

50 名前: 48 投稿日: 2003/10/02(木) 00:43 [ gHxugwDg ]
すいません。一度うpしたものですが微妙に手直ししました。ペコリ。

51 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 01:34 [ bd5cwGjQ ]
立替ご苦労様です。
また、様々な作品が生まれることを祈って、
そして、新たな作者様の登場を願って、

では、ルイン編、第6話です。↓

52 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 01:49 [ bd5cwGjQ ]
ルインの章 第6話、ジェイドの婚約者

「ジューノーだぁーーーー!」
サニーはそんな大声を上げながら、階段を駆け上がって行く。
ジェイドはその様子に呆れながらも、彼の後に続き、
「…ジュノだ」
と呟く。
「ジュノってなんか久々だねぇー!」
あたりを無邪気に駆け回るサニーを見て、
さらに呆れたジェイドは、ルインと共にレンタルハウスに向かった。
手続きを手早く済ませて、中に入ろうとしたその時…
「ジェイド!」
と。彼の名を呼ぶ声がした。
二人は振り返ると、そこには忍者AFを着た女性が。
ルインはジェイドにその女性のことを尋ねた。
「ねぇ、あの人は知り合い?」
「えぇ、バストゥークの幼馴染ですよ」
「それじゃ、オレは荷物整理するから、二人で積もる話でも…」
「あ、ちょっと…」
そう言い残すと、彼の体つきには不釣合いな大きな鞄を背負って
レンタルハウスへ入って行った。

53 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 02:03 [ bd5cwGjQ ]
〜レンタルハウス〜

「さてと…」
ルインは背負った鞄を自分より大きなベットの上に乗せると、
レンタルハウスの床に寝そべった。
「お帰りクポ!ご主人様!」
と、彼を歓迎するのはかれこれ長い付き合いのモーグリ。
重い鎧を脱いでるルインを手伝いながら会話を進める。
「侍の修行はどうクポ?」
「まぁまぁだね、オレより強い奴はまだまだたくさんいるけど」
「世界は広いクポ」
「そうだなぁ、広いな」
「まぁ、そのうちなんとかなるクポ」
「あ、そうだ」
脱いだ鎧を壁に立てかけ、椅子に腰掛けるルイン。
そして、ベットに飛び込んでから再度会話を進める。
「ユリノのモーグリから連絡は?」
「あったクポ。夜中にジュノのハウスを借りたみたいクポ」
「そうか…」
「あ、そうクポ!アッシュさんとクロノスさんもいたみたいクポ!」
「やっぱり…」
ルインは鞄から妖精のリンゴを2つ取り出して、
モーグリに1つ手渡してからもう一方のリンゴをかじった。

54 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 02:19 [ bd5cwGjQ ]
〜ジュノ港〜

「朝の体操、終了ー!」
だかだかと走りながら手を回しているサニー。
体操にしてはとても疲れそうである。
そんなことをしながらレンタルハウスに向かうと…
「どうして私を置いて行ったのよ!」
と、響く女性の大声。
少しドキッとしながら行くと、ジェイドの姿が。
そのすぐ近くに、忍者AF姿の女性。
その姿に気づいたサニーは、その忍者の名を呼んだ。
「あ、メアさーん!」
メアと呼ばれた忍者はくるっと振り返った。
「あ、サニーさん!お久しぶりですー!」
「あい変わらず元気そうだね!」
「ええ、ですが…」
メアはじっとジェイドを見つめながら呟いた。
「今度の旅は連れて行ってくれるって約束したのに…
 また置いて行くなんて…」
と、とたんに涙目になるメア。
「悪かった、許してくれ」
と、ジェイドはそう言いながらメアに近づく。
「どうかしたの…?」
タルタルの民族衣装を着たルインがレンタルハウスから出てきた。

55 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 02:34 [ bd5cwGjQ ]
「積もる話なら、やっぱり中でやらない?」
と、にやけながらまたレンタルハウスに入って行った。

〜レンタルハウス〜

「モーグリ、メロンジュースでも出しておいてくれる?」
「分かったクポ!」
ルインの声に反応して、くるくる回りながら飛んで行くモーグリ。
サニーは楽しそうにモーグリを追って奥に走って行った。
「んじゃ、なにかつまめる物持ってくるから待っててよ」
と、ルインもその場を後にする。
レンタルハウスの中にはジェイドとメアが残された。
ジェイドは背中のヴァザーゴサイズを床に置いた。
「すまない、また置いていってしまったな」
と、淡々とした口調で話を進める。
メアもジェイドに合わせて会話を進める。
「あなたが私のことを気遣って置いて行ったのは分かるわ…」
「なら、そのままバストゥークに戻ってくれ
 お前に危険な思いをさせたくはない」
ジェイドのその気遣いの一言にメアは首を横に振った。

56 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 02:48 [ bd5cwGjQ ]
「そんなのは嫌…もう待つのには耐えられないの…!」
「メア…」
「とても不安だった…
 あの3年間、もしあなたが戻ってこなかったらを考えると、
 もう夜も眠れなかったわ…」
「大丈夫、今回の旅も無事に帰るから」
「嫌…もう待つのは嫌なの…
 私だって冒険者、危険ぐらいは覚悟できてる。
 だから、もう私を一人にしないで。
 あなたと一緒にいたいの…」
「でも…」
「きっとあなたには分からないのよ。
 待たされることがなかったから…
 だからユリノくんも一人で旅に出たんでしょ?
 親友のコルトくんを探しに…」
「そうか…ユリノ…」

一方、部屋の奥では…

「ちょっとモーグリちゃん!そんなに押しちゃだめ!」
「クポ〜、ジェイドさんの所のモグにこのこと伝えてって、
 結構前から頼まれてるクポ〜」
「おい…なにやってんだよ」
「あ、タルタ…」
「ルインだって言ってるだろ!」
「あ、ごめん…ね」
「で?そんなとこで何やってるの?」
「しー!今いいところなんだから!」
「…?」

57 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 02:58 [ bd5cwGjQ ]
「ほら!ルインさんもこっちに来て!」
「え?え?」
「今、ジェイドくんとメアさんがいいムードに入りそうなのだぁ!」
「オレ、そういうのには興味ないし…」
「あー…お願いだから、一緒にいてよぉ」
「どうして?」
「だって、僕怒られちゃうかも…」
「はぁ…」

そして、リビングでは…

「ジェイド、お願い!私も連れて行って!」
メアの必死の説得がまだ続いていた。
そして、説得に折れたのか、ジェイドは微笑みながら言った。
「わかったよ、一緒に行こう」
その言葉を聞いたメアは、ジェイドにすがりついた。

58 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/02(木) 03:11 [ bd5cwGjQ ]
「「「おおー…」」」
部屋の奥の2人と1匹は、まだ壁に寄りかかっていた。
「メアさんもついて来る事になったのかぁ」
「メアか、実力はどれくらい?」
「僕よりは強いけど、ジェイドくんには負けるなぁ」
「へぇー」
「クポー!ジェイドさんのモグの所に行ってくるクポー!」
「「いってら〜」」

そしてその夜、新たなメンバー、メアの歓迎会が行われた。
4人のところにいるモーグリ達もやってきて、
彼らの自慢の料理がテーブルに並んだ。
サニーはまたまた部屋の中を走り回っていて、
それを追いかけているルインとモーグリ達。
そして、ジェイドとメアは、
二人寄り添って、そのまま眠りについていた。

ルインの章、第7話に続く…

また会話文が多くなってしまいました…
修正しないと…ですね…。

59 名前: 1/5 投稿日: 2003/10/02(木) 03:36 [ g9cXI85g ]
[ ようこそ、ハウスへ ]

二日目。

「背中が・・・痛い・・・。」

僕は背中の痛みで目を覚ました。
窓から差し込む太陽の光が、朝を教えてくれる。
僕はモソモソと寝袋から這い出すと、
昨夜の騒動を思い出してみた。

ハウスにはベッドがひとつしかない。
そのことでエマと騒動になったのだ。

「そんなのダメですにゃ。アタシはその辺で丸まって寝ますから、
ご主人サマがベッドで寝てくださいにゃ。」
「女の子にそんなことさせられないよ。
それに僕は冒険者だから、寝袋で寝るのには慣れてる。
じゃ、そういうことで。」

不満そうに僕をにらみつけるエマをよそに、
僕はサッサと寝袋に潜り込んで寝たふりを始めた。

「にゃ〜。ご主人サマ、それはナイですにゃ・・・。」

エマは少し困った様子だったが、
僕がこの調子なので、あきらめてベッドで寝たようだ。

という訳で、今朝の背中の痛みは、僕のプライドなのだ。
我ながら、安っぽいとは思うが・・・。

60 名前: 2/5 投稿日: 2003/10/02(木) 03:38 [ g9cXI85g ]
そういえば、先程から台所でにぎやかな音がしている。

ドン!ガシャ!ベキ!

台所には似合わない破壊音。
僕が心配になって台所を覗いてみると、
案の定、そこではエマが孤軍奮闘していた。

「えいにゃ!とうにゃ!あちぁ〜にゃ!」
「え、エマ?!」

「にゃ!ご主人サマ、おはようですにゃ!」
「あ、うん。おはよう。」

「朝食の準備、出来ましたにゃ。どぞ、召し上がれですにゃ。」
「あ、うん。ありがとう。頂くよ。」

僕はテーブルにつくと、並べられた料理をじっと見つめた。
真っ黒なゴハン。
真っ黒なサカナ。
真っ黒なスープ。
これらの強さは計り知れない!

「にゃ?ご主人サマ、どうかしましたかにゃ?」
「ああ、なんでもないよ。イタダキマス・・・。」

僕は勇気を振り絞って、真っ黒な料理に箸を伸ばす。
きっと見た目はアレだが、味は普通に違いない。
僕は自分にそう言い聞かせると、真っ黒な料理を口に運んだ。

61 名前: 3/5 投稿日: 2003/10/02(木) 03:39 [ g9cXI85g ]
シャリ、シャリ。

苦い・・・。アルカリ性だ。

「ご主人サマ、お口に合いますかにゃ?」

エマは笑顔で僕に質問する。
僕は無言で、小さく頷いた。
エマは本当に嬉しそうだ。

僕は朝食を済ませると、クエストを探しにハウスを出た。
今日も無難にクエストをこなしてハウスに戻る。
ハウスではエマが出迎えてくれた。
それからアルカリ性の夕食を済ませてから、僕は風呂に入った。
(背中は流さなくて良いと釘を刺しておいた。)

そしてまた、ベッドのことでエマと騒動になった。

「ふにゃ。今夜も寝袋で寝るつもりなんですかにゃ?」
「あ、うん。そうだよ。
だから、僕のことは気にしないで、ベッドを使って良いよ。」

「でも、やっぱり、そんなのダメですにゃ・・・。」

エマは困った顔して、僕を見つめる。
そんな顔をされると、僕も困ってしまうがしかたがない。
かまわず僕が寝袋の用意を始めると、
エマは恥ずかしそうにうつむきながらしゃべり始めた。

「あのですにゃ・・・。そのですにゃ・・・。」
「ん?何?」

62 名前: 4/5 投稿日: 2003/10/02(木) 03:40 [ g9cXI85g ]
「だったら、アタシと一緒にベッドで寝るのはダメですかにゃ?」
「ぶっ!い、いきなり、何を・・・。」

「実はアタシ、電気を消すと、
怖くてひとりで寝れないんですにゃ。
だから、一緒にベッドで寝てくださいにゃ・・・。」
「う・・・。それは、その・・・。」

嘘だ。
エマは嘘をついている。
それは、僕をベッドで休ませるために、エマが必死で考えた嘘。
優しい嘘。

「アタシと一緒じゃ、イヤですかにゃ?」
「そんなこと、ない。わかった。ベッドで寝よう。」

僕はまた、エマに騙される。

ドキ!ドキ!

僕の隣にエマがいる。体が熱くて、眠れない。
僕の熱がエマに伝わりそうで、恥ずかしい。

「ご主人サマ、もう、お休みですかにゃ?」

突然、エマが話しかけてきたが、
なんだかとても恥ずかしくて、僕は寝たふりを続けた。

63 名前: 5/5 投稿日: 2003/10/02(木) 03:41 [ g9cXI85g ]
「ご主人サマ、もう、お休みなのですにゃ。」

エマはひとり、話を続ける。

「ご主人サマ、アタシ、以前サルタバルタでお花摘みしてて、
獣人に襲われそうになったことがあるんですにゃ。」

「そのとき、冒険者の方が、アタシを助けてくれたんですにゃ。」

「アタシ、そのときはびっくりしてて、
冒険者の方にお礼、言えなかったんですにゃ。」

エマの言葉は、子守唄のように僕の心に響いてくる。
子守唄に包まれた僕の体からは、いつのまにか余分な熱は消え去り、
僕はゆっくりと眠りに落ちていった。

「そのときのこと、冒険者の方は覚えててくれますかにゃ?」

「ご主人サマ、おやすみなさいですにゃ・・・。
それと・・・ありがとう・・・です・・・にゃ・・・。」

忘れてなんかない・・・。
僕も・・・覚えて・・・る・・・。

64 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/02(木) 09:02 [ VRx6P.t2 ]
旧スレで涙目、新スレで涙…
一人職場で良かった…

65 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/02(木) 21:37 [ XEQ/Ul2E ]
白き探求者の続ききぼんぬ。。。





早く!早くーーーーーーーーっ!
待ってるよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

66 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/02(木) 21:41 [ rw7oYYYY ]
前スレよりsageってるのはどーいうことだ

67 名前: 君空の人 投稿日: 2003/10/03(金) 01:17 [ mWg7Ghiw ]
はじめまして。
みなさんの素晴らしい作品に感動して、私も書いてみました。
大作を待つ間の暇つぶしにでも、読んでいただけたら幸いです。

「君と見つけた空」

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

68 名前: 1/3 投稿日: 2003/10/03(金) 02:08 [ g9cXI85g ]
[ ようこそ、ハウスへ ]

三日目。

エマは可愛い。

「ご主人サマ、忘れ物はないですかにゃ?」
「あ、うん。大丈夫。
必要なモノは全部カバンに詰めたから。」

「あにゃ?!ご主人サマ、お弁当、忘れてますにゃ!
はいにゃ。ちゃんと食べてくださいにゃ。」
「う・・・。ご、ごめん、忘れてた。ありがとう・・・。
それじゃ、行って来ます。」

「はいにゃ。ご主人サマ、お気をつけてですにゃ。」

僕はエマに見送られてハウスを出た。
エマの笑顔は僕を元気にしてくれる。

僕はエマに惹かれている。

そして僕は後悔する。
このときのエマに違和感を覚えなかった事を。

69 名前: 2/3 投稿日: 2003/10/03(金) 02:09 [ g9cXI85g ]
今日はいつもより多くのクエストをこなした。

何気なく立ち寄った露店で、ソレを見付けたから。
ソレを買うために、僕はクエストをこなす。

ソレは銀色に輝く小さな指輪。
その輝きに一目惚れした。

もちろん、ソレを自分の指にはめるつもりはない。
僕よりずっとソレが似合うひとを、僕は知っているから。

僕はエマに恋している。

僕はなんとか銀の指輪を買うことができた。
だが、もうすぐ日が暮れる。
はやくエマに会いたい。はやくエマの笑顔が見たい。
僕は逸る気持ちを抑えきれず、ハウスへと走り出していた。

「ただいま!」

僕がハウスの扉を開く。
するとそこにはエマがいて、
いつのも笑顔で僕を出迎えてくれる。

「ご主人サマ、おかえりなさいですにゃ。」

70 名前: 3/3 投稿日: 2003/10/03(金) 02:11 [ g9cXI85g ]
でも、もう、そこには・・・。

「ご主人様、おかえりなさいクポー!」
「え?!」

「クポ?ご主人様、どうかしたクポ?」
「え、ああ。えっと、その、エマは?」

「彼女はモグが帰ってきたから、御役御免なんだクポ。」
「あ・・・。そうか・・・。」

「そうクポ!ご主人様に、お土産があるクポ。
なんと金庫が・・・クポ。」

モーグリは僕にモグ祭りのことや、
お土産のことを嬉しそうに話してくれた。
でも、そんなことは僕の心には残らなかった。

どうやら、僕の心にはポッカリと穴が開いてしまったようだ。

僕はモーグリに見せないようにして、
銀の指輪をカバンの奥へと仕舞い込んだ。

71 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/03(金) 02:48 [ 4uM9vlNk ]
>>68
エェー。これで終わらないよね?
ハッピーエンドであって欲しい・゚・(つД`)・゚・

72 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/03(金) 10:14 [ fviLeXRQ ]
今更ながら、「空に奏でる〜」のタイトルの由来に気づいたよ。(ノ∀`)タハー
チリリの「ほんとになりたいもの」って詩人だったのね。
サポジョブ編も面白かったけど、詩人ゲッツの過程もとても楽しみ。
がんばれ。超がんばれ。

73 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/03(金) 11:09 [ Y4chuOlM ]
白き探究者の続き来てるーーー!
>>14の作者さまサイトんとこね。

感想書こうかと思ったけど、ネタばれヨクナイ!!ので書きませぬ〜。

74 名前: 空に奏でる君の歌43 投稿日: 2003/10/03(金) 19:00 [ HmV4UkdI ]
(ノ∀`)タハー
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

75 名前: 1 投稿日: 2003/10/03(金) 20:27 [ fD2h0KTA ]
雪の彼方の青い空<仮題>  酒場

「ご主人様。ポストにロストさんからメモが届いてるクポ」
「ロストをさんずけにする必要なんかねぇよ」
モグの言葉にリノナノは寝ころがってメモを受け取った。
おちこぼれ3人組から解放されて、
気がつけば丸二日たってしまっていた。

『リュートが下層の詩人酒場で今日歌うらしい。
聞きに来い。
あと面倒かけたお前の奢りなので金をもってこい』

ひくひくとリノナノの頬が引きつる。
「誰のおごりだってぇぇぇ!!」
なぜかリノナノに届くメモは破り捨てられる運命にあるらしい。
「ロストさんいいエルクポ。
倒れたご主人様アンジュさんと一生懸命看病してくれたクポ」
モグの言葉にリノナノは茫然とした。
「オ、俺は意識せずあんな奴に恩を売っていたなんて・・・」
「まだ身体本調子じゃないクポ?
お酒は控え目クポ」
モグの台詞にリノナノは吐息をついた。
「とにかく、ま、いってくるわ」
下層酒場なら、モグハウスから近い。病み上がりでも十分にゆける。
「気をつけてクポ」
リノナノは下層の喧騒に身をゆだねた。

76 名前: 2 投稿日: 2003/10/03(金) 20:30 [ fD2h0KTA ]
扉を開けると、端にエル暗黒騎士のロストと、
ヒュム白姫のアンジュがカウンター隅に座って手を振っていた。
「姫も一緒かい」
リノナノのうんざりした呟きはアンジュには聞こえたようだった。
「何かいったかしら?リノナノ」
アンジュはリノナノをひょいっと抱き上げた。
「俺を抱き上げるんじゃねえええ!」
リノナノの癇癪をアンジュは面白そうに見る。
ロストも首をかしげていた。
「姫の抱っこなんて、男なら一度は望む栄光なのにどーしてお前はそうなんだ?
こう、姫の小さい胸に顔を埋めてみたいよなぁ」
にーこりアンジュは微笑んで、
裏拳でスナップきかせてロストの顔面に拳をヒットさせた。
「だーれーが小さいですって?
虫が顔に止まっていてよ。ロスト」
「た〜〜〜。鼻血でちった。
何が白姫だ。ガルカでものまねぇような強い酒を口にしてるくせに」
アンジュの前には小さなグラスの透明なキルシュ。
ヤクードチェリーの酒で、本来は薄めて飲むのをストレートでいっている。
チェイサーにビールを使っているあたり、侮れない。

77 名前: 3 投稿日: 2003/10/03(金) 20:33 [ fD2h0KTA ]
「白姫気取って、男を手玉にとるなっての」
アンジュはタルタル用の椅子にリノナノを座らせ、
ロストに今度は綺麗な生足蹴りを後頭部に入れた。
「お客さん〜。
いくらバードの知り合いでも店のもの壊すのは困ります」
店の人間が苦情を言うが、
店にいる荒くれ男どもはアンジュの生足にくぎずけだった。
「俺は、ミリオン酒を。ロックで」
リノナノの注文を、ロストはサラッと止めた。
「わり。こいつ病み上がりでね。
ブブリムグレープのワインよろ」
ウインク。
「あら、ミルクのほうがよくなぁい?」
優しさを装った意地悪い台詞にリノナノは頭を押さえた。
「っかし。相変わらず強い酒選ぶな。このちっこい身体で」
ミリオン酒はミリオンコーンの蒸留酒、
アルコール度数は90%を越える。
「ちっこいは余計だ。ウドの大木」
程なくブブリムグレープのワインが来るのと同時に、
どこまでもスレンダーで長身な銀髪エル美人のバードが舞台に上がった。

78 名前: 4 投稿日: 2003/10/03(金) 20:35 [ fD2h0KTA ]
客は彼女目当てなのか、ざわめきがやんだ。
「ヒューヒュー!リュート!
客を詩で殺すんじゃねーぞ」
ロストの冷やかしに、
舞台の上のバードはにっこり微笑んだ。
「それ以上口を開いて私の歌を汚したらぶっ殺すからね。ロスト」
「相変わらず、気ィつえぇな」
リノナノはワインを口にしながら、カウンターに寄りかかった。
リュートの竪琴と、夜の星のような綺麗な歌声が酒場に響く。
愛した女を置いて旅に出る冒険者の歌。
男が冒険から帰ると、女は他の男に惚れていて帰る場所がなくなった。
そんな悲しい歌だった。
ジュノの冒険者達に心当たりがあるのだろうか、
酒を飲みながら男たちは歌に酔う。
何曲か流し最期は、愛の歌。
振り返らない男を愛した女の歌。
リュートが好んで謳う歌が、風に消える。
拍手が散った。
リュートは優雅に礼をして、そのままカウンターに向かう。

79 名前: 5 投稿日: 2003/10/03(金) 20:38 [ fD2h0KTA ]
「リノナノ、大怪我したんですって?」
客のおごりで差し出されたワインをリュートは受け取り、
リノナノにかがみこむ。
「かがみこむなよ。
ちっと、ガキの面倒みろっていわれてな」
「それで自分が怪我してりゃ世話ねぇよ。馬鹿」
ロストに冷たく言われてリノナノはワインを煽った。
「別に、お前に言われる筋合いはねぇ」
「ったく。
このお優しい白姫アンジュ様の回復魔法でもギリだったんだぜ」
「ロスト。いちいち棘を作らなきゃ会話できないわけでもないでしょうけど、
そういうことね」
ロストはビールを口にしながらぽつんと呟いた。
「いいかげん道楽止めて、パーティー戻ってこいよ」
「道楽じゃねぇ!」
リノナノは鋭い声で制した。
「ハッ!獣やって、孤独ぶって、一人で死ぬからいいか?
お前には大いなるアルタナの女神の奇跡の祝福がある白魔道士だろうが。
もったいねぇぞ。一人じゃ稼げる金額もたかが知れてる」
「白姫なら、アンジュがいるだろ。お前の好きな生足もある」
リノナノの言葉にアンジュは肩をすくめた。

80 名前: 6 投稿日: 2003/10/03(金) 20:50 [ fD2h0KTA ]
黙ってワインを飲んでいたリュートが、ロストを睨みつける。
「リノナノに戻ってきて欲しいのは事実だけど
そうやって他ジョブおとしめるのはいただけないね。ロスト」
「うっせぇ。リュート。バードは歌だけ謳ってろ」
「バードは喋らず謳ってりゃいいって?
アンタ、スレノディ全曲+ララバイ喰らわすよ。
アンジュ、黒魔法好きなの入れていいよ」
本気のようにリュートが竪琴に指をかける。
「喧嘩っ早いのいいかげんにしろ。
俺の出る幕がねぇだろーが」
本来喧嘩っ早いリノナノが吐息をついて、酒を頼む。
今度こそミリオン酒で他の三人は顔をしかめた。

81 名前: 7 投稿日: 2003/10/03(金) 20:52 [ fD2h0KTA ]
「どんな仕事内容だったの?」
リュートの言葉にリノナノは小さく笑う。
「馬鹿で未熟で力のないガキどものジュノまでの護衛さ」
「ふぅ、ん。怪我した割に楽しんできたみたいじゃない」
「……何にも知らないガキってのは、未来だけ持ってるんだよ。
仲間ってのはいいもんだ」
リノナノの遠い目にロストは後頭部を思いっきり叩いた。
「ギロティン食らわすぞ。コラ。
俺達、仲間じゃねぇって?」
リノナノは答えず肩だけすくめた。
NOとはいえない。でもYESとも、いわない。
リュートは悲しげに指でワイングラスを弾いた。
「アンタってそういうとこあるよね」
「悪いな。
望む答えをいってやるのは簡単だけど、嘘つくの嫌いなんだ」
リノナノは酒を煽る。

82 名前: 8 投稿日: 2003/10/03(金) 21:00 [ fD2h0KTA ]
ふいに店の男たちの会話が耳に飛び込んできた。
「でさ。競売でこんなもん買ったんだ」
「へェ…」
きらっと光る赤にリノナノは目を凝らがたっと椅子を飛び降りた。
「おい!リノナノ」
ロストは条件反射のように手を差し出した。
「にいちゃん。それ、一体どこで手に入れた?」
急にリノナノに話しかけられ、男たちはちょっと臆した。
が、アンジュが優雅に立ち上がりにっこり男たちに天使の微笑を見せる。
「それ、どうしたのかしら?お兄様方」
「あ、上層のバザーで今買ってきて…」
「売ってくれ!!!それ、頼むっ!!!」
リノナノのすがるような眼差しを、
痛々しくて見てられないというようにリュートが目を伏せた。
ロストが呟く。
「兄ちゃん。いっぱい奢らせてくれ。
同じの用意するから、それコイツにゆずっちゃくれねぇか?」
ロストが男たちをカウンターに誘い、リュートが竪琴を手にする。
「あんた達のために、バードが謳うわ」
男たちは破格の扱いに、そのピアスをリノナノの小さな手に落とした。
「後でそれ、何か教えてね」
白姫アンジュはそういって男たちに笑顔と酒をふるまった。

83 名前: 9 投稿日: 2003/10/03(金) 21:06 [ fD2h0KTA ]

夜の海風。
酒場も閉まった時間。
誰かがつけた街灯の下で、リノナノは語った。
「これは、双子石のピアスなんだ…」
「みりゃ、わかるよ」
ロストは遠くを見る。
「俺のかわりに傷を負い行方不明になった奴のピアスだ…」
小さな手で、リノナノは血色のピアスを握り締める。
「……いつの、話?」
「3年前…」
「あいつら、フェインから帰ってきた冒険者のバザーっつってたな」
ロストが立ち上がるが、リノナノはロストのローブを握り締めた。
「いいっ!!余計な事すんなっ」
「でも、今捜せば情報見つかるかも知れねぇぜ」
リノナノの小さい指が、白くなるほどロストのローブをにぎる。
「いい。もう、3年もたっているんだ」
そういってリノナノは手を軽く振り、3人に別れを告げた。
「ったく」
ロストはガリガリと黒髪を掻き毟った。
リュートはぼそりと呟いた。
「まだ、リノナノが戦闘魔道団の白魔道師だった頃の話ね」
ロストは星を見上げる。
「いー加減俺はあいつに獣止めさせてパーティー組みてェんだよ」
「そうね。リノナノは危なっかしいから」
冴え冴えとした月が、4人を見守っていた。

84 名前: 雪の彼方の青い空 投稿日: 2003/10/03(金) 21:15 [ fD2h0KTA ]
スレを立ててくださった方、読んでくださった方
読みたいと言ってくださった方に感謝を。

タイトルはないと不便なので仮題を作りました。
できるだけ短くするつもりだけど、長くなりそうな予感。
とりあえずのプロローグです。
ヴァナの酒場に椅子はないけど、するとタルはカウンターに届かない、罠。。。

すばらしい作家さんたちには及びませんが、
何回かにわけスレを少し汚させていただきます。
とりあえず、今後もぽつぽつ続きます。

85 名前: とある作品の作者=妄想戦記書いてた人 投稿日: 2003/10/03(金) 21:37 [ xhv4HjRg ]
サイト開設ブームに遅れてたまるか!
……というわけではないんですが、
ようやっと自分のサイト(の中身)ができたのでご報告に上がりました。
↓以下私のサイトです
ttp://zagnovels.hp.infoseek.co.jp/
一応、このスレでも作品掲載したことがあるので報告致しました。
このスレに載せた話は……復活編の第一話と第二話になるのかな。
まだアップしてませんが(ノ∀`)タハー
新規の方々も増えて楽しみ。
月並みな言葉ながら、みんな頑張れ!

86 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/03(金) 23:43 [ pLo0nEMc ]
>>74
あいかわらずGJ!(`・ω・´)b

>>84
新たなる神作者降臨の予感(`・ω・´)
前回の話もよかったし、続き期待してます。

87 名前: 雪の彼方の青い空 投稿日: 2003/10/04(土) 01:33 [ fD2h0KTA ]
>>86応援感謝も、速くもミス
双子石は青白でした;;特殊な双子石ということで。。。

88 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/04(土) 02:01 [ g9cXI85g ]
[ ようこそ、ハウスへ ]

最終日。

「それじゃあ、行って来るよ。」
「クポー!ご主人様、ちょっと待って欲しいクポー!」

モーグリが僕を呼び止めてきたが、
僕はかまわずハウスを出る。

僕の心には穴が開いたままだった。

ハウスを出た僕は、クエストを探す気にもなれず、
フラフラと当てもなく歩いていた。
そして気が付くと、
僕はサルタバルタの草原に立っていた。

風が草の匂いを乗せて、ウインダスへと流れていく。

ここは僕とエマが初めて出逢った場所。

89 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/04(土) 02:02 [ g9cXI85g ]
僕は風に身を任せて、草の上に倒れこんだ。
空が見える。青い空。
どこまでも高く、どこまでも遠い。

ハッとした!

僕はこの空の下にいる。
エマもこの空の下にいる。
だったら、また、どこかで逢える筈だ。
だって僕達は、こうして、この空で繋がっているのだから。

もう僕の心に穴はない。
僕の心は、あの空のように青く澄んでいる。

僕はハウスへ戻った。
カバンの荷物を整理して、新しく出発するために。

「ただいま。」

「モーグリ、荷物を整理したいんだ。手伝ってくれ。」

「あれ?モーグリ?」

90 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/04(土) 02:03 [ g9cXI85g ]
モーグリがいない・・・。
僕はあたりを見回して、テーブルに置かれたメモに気付いた。

『友達とピクニックに行くクポ。
だからしばらくハウスを留守にするクポ。
PS.金庫の・・・はお土産として頂いたクポ。』

「なんじゃあ〜こりゃ〜!」

とてとてとて。

「ご主人サマ、おかえりなさいですにゃ。」
「うわぁ!」

「にゃ?ご主人サマ、どうかしましたかにゃ?」
「え?!え、エマ?!」

「はいにゃ。エマ・ワトソンですにゃ。
オーサワ家政婦紹介所から参りましたにゃ。
これからご主人サマのお世話をさせていただきますにゃ〜。」

僕の目の前にエマがいる。
僕の大好きなエマ!

91 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/04(土) 02:04 [ g9cXI85g ]
「えっと、エマ。ただいま。」
「はいにゃ。ご主人サマ、おかえりなさいですにゃ。」

「それと、エマ・・・。」
「にゃ?」

「おかえり。」
「はいにゃ。ご主人サマ、今、戻りましたにゃ。」

それから僕は慌ててカバンを探る。
あの日、渡せなかった想い。
あの日、言えなかった言葉。

「・・・?」
「・・・!」

ようこそ、ハウスへ!
ここは僕とエマのハウス!

92 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/04(土) 02:10 [ V2LJ9Y3U ]
>>84
連載化うれしー!楽しみにしてます。
ちょっとずつでもいいので、定期的に載せてくれるといいな。
リノナノ獣使いなんだ!元PTメンもクセがあっていい感じ。

93 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/04(土) 18:47 [ Da.DLeJE ]
>>84
久々に続きが楽しみな新作がきた。
作者さんがんばって。

94 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/04(土) 20:05 [ y.zuU/TE ]
>>84
リノナノ(・∀・)イイ!
抱きかかえられてジタバタする姿がこれまた(・∀・)イイネ!
無理のないペースでマターリ続けて下さいな。
楽しみに待ってまつ。

95 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/04(土) 21:59 [ 9UxqjHmw ]
>>88
居場所を取られ、仕事をとられて
仕方なく退職金を貰って実家に帰ってった
モーグリの話にしか見えないんだが。

96 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/04(土) 23:26 [ IXa.MlXc ]
>>88
かわいいお話に笑みが浮かびました。
楽しませてくれて、ありがとです。

感想はイロイロで^^

97 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/04(土) 23:34 [ eEcEtBXc ]
>>95
わはははは、ナイス解釈(^^)b

いつか「モグの実家」エリアが実装されないかなぁ。
NPCが全部モグで、うようよいて、「うちの息子がお世話に…」とか
言われて、妙なクエ掴まされたり…。

98 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 00:38 [ inyb8yw6 ]
>97
ワロタw

99 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 01:57 [ Vkkcw.iE ]
「戦士さん、挑発してください><」
「えー、だってオイラHP低いから死んじまうよwwww」
「白さん、爆弾きますからバファイラお願いします;;」
「無理wwwww買ってないしwwwwwwww」
「モンクさん、寝てる敵殴らないで〜><」
「ぱわーーーーwwwwww」
「ナイトさん!お願いですからMP使ってください!」
「五月蝿い!私はナイトという名前じゃないぞ!」
「黒さん、精霊連発は危ないからやめてー」
「ファイア〜♪ ファイガ〜♪ ウォタガ〜♪ あはは〜見て!お兄ちゃん私最強♪」
あれはそう、私が詩人の道を歩みだしてまだ間もない頃の話。
それは、とてもとても奇妙なパーティーだった。
樽戦・猫ナ・樽モ・人白・人黒… 構成的には全く普通、むしろ良編成といえます。
前衛が樽と猫なので危なっかしいと思う人がいるかもしれないが、
実際のところガルも樽も被ダメは変わらないわけで。
樽前衛だからどうこう言う人は頭が古い奴だって師匠に言われていた私としては、
何の躊躇も無く誘われるがままホイホイとついて行っちゃったのダ☆…というわけです。

100 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 02:01 [ Vkkcw.iE ]
うああああああああ! 間違えたぁぁぁぁ(;´Д⊂
嘘でつ、↑のは遊びで書いた奴で…うわあああああヽ(`Д´)ノ
コピペミスったぁぁぁぁfヴぁfヴぁが
お目汚しすいませんすいませんすいません(;´Д⊂

糞樽戦士は夢を見る 第一話 勇者降臨  

↑遊びで作った奴なんでつよ… _| ̄|○ モウダメポ。首吊ってきまつ(;´Д⊂

101 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 02:15 [ eEcEtBXc ]
>>100
詫びは不要。吊るの禁止。

続き、続き〜。締めまでちゃんと載せれ〜。

その題名はちょっとかっこわるいので修正キボンヌ

102 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 03:00 [ BBoy2zOY ]
ユリノの章 第7話 消えろ戦火

店から聞こえるガボットが終わる頃は、
そろそろ幕を閉じようとしている。
「普通の客として振舞うよ」
ルイーズの言葉に相づちをうつユリノ。
と、店に入ろうとしたその時、
「ユーリーノー!」
「「!!」」
聞こえたのはクロノスの大声。
しかもユリノのポケットからだ。
ポケットに手を入れると、
そこには真っ黒なリンクパール。
ここからクロノスの声がまた響く。
「俺たちはとりあえずジュノのクエスト屋に依頼を出した!
 コレについてはアッシュが戻ったら説明する!
 以上!」
…通信終了。
一方的な会話だった。

103 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 03:12 [ BBoy2zOY ]
「何このLS…?」
ユリノが不思議そうに呟く。
「え?知らないの?」
「うん、いつ入ってたんだろう…」
と、リンクパールに疑問をいろいろと持ちかけてるうちに
演奏は終わったらしく、中から拍手が聞こえる。
「今度こそ入りますー」
ユリノはドアノブに手をかけ。ドアを開けた。
中には顔一面に包帯を巻いたヒュームと、
その周りで拍手をしているゴブリンたち。
「あ、あのー…」
と、ユリノが声をかけると、シンと拍手の音が止み…
ギロリとこちらを睨んでくるゴブリン達。
「え…?」
ユリノが後ずさりをしたその瞬間、
ゴブリン達はナイフを構え始めた。
「ユリノ!来るぞ!」
「どうして…?」
雑貨屋が戦場に変わった瞬間だった。

104 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 03:35 [ BBoy2zOY ]
ルイーズは二つのダークピックをそれぞれの手に持ち、
殺気立ったゴブリンに一直線に向かっていった。
「ルイーズ駄目!殺さないで!」
ユリノのその叫びに近い声に相づちをつくルイーズ。
その瞬間にもゴブリンはルイーズ目掛けて攻撃を仕掛ける。
「悪いけど、少し寝ててよゴブリンさん」
ルイーズは手に持ったピックをゴブリンの肩目掛けて振り落とした。
ドスッ…
そのゴブリンは一撃でその場に座り込む。
それを見た他のゴブリンは、全員後ろに下がった。
「ルイーズ…そのゴブ…」
「大丈夫、みね打ち」
ほっとため息をつくユリノ、
しかし、その場はまだ戦場だった。
先ほどのヒュームがルイーズにナイフを向けている。
その目からは、次々と涙が流れ落ちている。
ルイーズはヒュームにピックを向けた。
「ルイーズ!ちょっと…」
「相手はやる気だ、それに答えなきゃ」
「ちょっと寝てろ!」
ベコンッ!
響き渡る打撲音。
ユリノが手にしてるのはフライパン。
それは見事にルイーズの急所をとらえていた。
「え…」
ルイーズはそのまま気を失った。

105 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 04:01 [ BBoy2zOY ]
そのままユリノはヒュームが持つナイフを叩き落した。
見たところあのナイフはビースティンガー。
そんな使い勝手が良すぎる武器を持たせているとかなり危ない。
「ごめん、店荒らしちゃって…」
気絶したゴブリンにケアルを唱えながら謝罪するユリノ。
ゴブリン達は相変わらず壁の方にいた。
「帰ってください…」
顔の包帯を破りながら呟くヒューム。
その顔は酒場で見た顔だった。
「テノース・コンシュナー…」
「お願い、これ以上この子達をいじめないで…」
テノースはまた剣を握った。
「もう帰ってよ…これ以上店荒らさないで…」
剣を構えながらユリノの方に歩み寄るテノース。
その目には絶えず涙が流れている。
「みんなそうだよ…生み出した神が違うだけなのに、
 なんでそんなに殺したがるんだよ…」
「違う…違うよテノース…」
「冒険者なんて…戦争を生む冒険者なんて…
 みんな死んじゃえばいいんだ」
「テノース!止めて!」
その言葉にも耳を傾けず、武器を振るいながらテノースは向かってくる。
「どうして…」
ユリノはフルーレに手をかけた。

106 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 04:15 [ BBoy2zOY ]
「ユリノ!伏せろ!」
後ろからの声に振り向くユリノ。
テノースはそれを見計らって剣を振り落とす。
「スリプル�供�」
………
しばらくの静寂、テノースの手から剣が滑り落ちた。
テノースもその場に蹲った。
「大丈夫か?ユリノ」
「お前がテノースなんかに手こずるとはねぇ…」
と、すっかり座り込んでいるユリノに
手を差し伸べるアッシュとクロノス。
「何があったかはハウスで聞こう。
 テノースも連れて来てくれ」
「うん…」

〜レンタルハウス〜

壁に寄りかかって寝ているテノースとルイーズ。
そんな二人を放置して話を進めるアッシュ。
「とりあえず捜査はプロじゃない俺達だけでは不可能。
 よって、ジュノで活躍しているクエスト屋なる相手に
 捜査の協力を依頼した」
しかし、そんな話はユリノの耳に入っていなかった。

107 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 04:27 [ BBoy2zOY ]
〜深夜、ジュノ下層〜

「風が行く、空を行く、
 ちっぽけな街を、ちっぽけな街へ」
深夜の街道に佇むのはテノース。
「アテもなく流されて、
 どんな場所から、
 どこへと行くの?」
一人ただ、曲を口ずさんでいる。
「自分さえ、わからなくなった、
 あぁ一人きり、ただ怯えてる」
「そんな心に呼びかける─」
はっと振り返るテノース。
その先にはユリノが楽譜を持って立っている。
「いい曲だね」
「あの時は、ごめんなさい…」
「キミの気持ち、分かるよ。
 僕も殺しは好かないし、なんで争うのかも分からない」
そんなことを言いながら苦笑いをみせるユリノ
「じゃあ、なんで冒険者なんかに?」
「それは…夢の為、コックになるためには各地の知識が必要だった」
「僕も…各地の歌を知る為だった…」
「うん、そうだよね」
二人で椅子に座って、海風に吹かれながら語っている。
ユリノはテノースに問いかけた。

108 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 04:38 [ BBoy2zOY ]
「キミの夢は何?」
「え…言えないよ、僕の夢…
 みんな聞くと笑うんだ、無理だって」
「いいよ、笑わないから」
「本当に?」
「うん、笑わない」
テノースは立ち上がり、ハープを抱えながら言った。
「僕の夢…武器を…争いを無くすこと」
「大きな夢だね、そしていい夢」
「本当に?」
「うん、いつかそんな時代が来るといいね」
「…うん」
テノースはまた涙を流した。
しかし、今の涙はあの時の涙ではない。
そんなことを思うのだった。
「ねぇ、赤魔さん」
「ユリノでいいよ」
「ユリノさん、僕にそんなことができるかなぁ…」
「きっとできるよ。でもね、
 泣いてばっかりじゃ、こんないい曲でも、
 誰も聞いてくれないよ」
「…そうですね…ごめんなさい」
彼の涙を袖で拭うユリノ。
そして、ユリノはさらに問いかけた。

109 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 04:49 [ BBoy2zOY ]
「お願いがあるんだ」
「なんですか?」
「僕の今の目的、僕の親愛なる友人を探す旅を手伝ってほしいんだ」
「…友人?」
「うん、僕を心の闇から救ってくれた人。
 でも今は行方不明でね…」
「いいですよ」
「本当に?」
「僕も、知りたいことがあるんです。
 なんで僕らは戦うのか、それを知りたいんです。
 理由を知れば、戦火を消す方法が見つかると思うんです」
「いいよ、僕もそれを知りたかったし、
 …一緒に消そう、戦火を」
「…ありがとう、ユリノさん」
「いえいえ」
また椅子に座り込む二人。
ユリノは手に持っている楽譜をまた見つめる。
「まだ、歌詞が続いてるね」
「僕が作曲しました、いい出来ではないんですけど…」
「そんなに弱気じゃ駄目だよ、
 ねぇ、最後まで歌う?」
「え…?」
「こう見えても歌は得意なんだ。
 ね?いいでしょ?」
「…はい!」
テノースはすっと目を閉じて、ハープに手をかけた。
そして、二人の声が重なった。

110 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 05:01 [ BBoy2zOY ]
「「キミに届け、僕の祈り、
  広い夜空を海の彼方まで、
  キミに届け、キミに届け、
  悲しみも喜びも温もりも、
  愛おしさまでも…」」
二人が歌い終わると、後ろから拍手が聞こえる。
アッシュとクロノスがやってきたようだ。
「いい曲だ、心に染み渡るよ」
「これ、お前が作ったの!?」
その声を聞いて、苦笑いを浮かべるテノース。
「2番が出来たら真っ先に聞かせてね」
ぽんっと彼の肩を叩きながら言うユリノ。
「今度は…みんなで歌いましょう!」
「「「もちろん!」」」
テノースは街道のたいまつを海に向かって投げた。
「いつか戦火も…消してみせる」
彼の胸の内の決意が固まった瞬間だった。

ユリノの章 第8話に続く…

111 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/05(日) 05:07 [ BBoy2zOY ]
今回も会話が主体になってしまいました。
もう、これは私の癖として見ていただければ…
もう、会話で物語を進行させてますからめ…

あと、終盤にユリノとテノースが歌ってる歌は、
自作ではありません。
もしかしたらCDショップに並んでいるかもしれない曲です。
作詞は苦手で…すいません。

以後も、「友の影を追って」ユリノ編、ルイン編ともに、
よろしくお願いします。

追記
また新たなパートが出来てしまいそうです。
ルイン編連載の時に詳しくお伝えします。

112 名前: age 投稿日: 2003/10/05(日) 07:50 [ xbw4JZcY ]
あげー!

113 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 07:51 [ xbw4JZcY ]
_| ̄|○

114 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 13:10 [ FhNbl9j. ]
おじゃまします。

聖なる涙
 
■prologue
 
「なぜ契約を…」
 
片膝をつく赤魔道士の前に立つ少年は、無表情なままその赤魔道士を見つめていた。
 
「強くなるため」
 
そう小さく言うと少年は踵を返す。
その先は夜だというのに空が紅蓮に染まっている。
 
人々の悲鳴、怒声。
獣人たちのものであろう雄叫び。
それらが二人を包み込む。
 
地鳴りが続いている。
空気が震動しているかのようにビリビリと音をたてる。
 
「待ちなさい、クリッド…」
 
少年は立ち止まらずに歩みを進める。
赤魔道士はレイピアを支えに立ち上がる。
 
「侯爵が狙われている。守るのがあなたの仕事なのでは」
 
立ち止まらず、振り返らず少年はやがて赤魔道士の視界から消える。
 
 
 
その夜、サンドリア領タブナジア公国は大爆発と共にヴァナデールから、消えた。
 
 
 
続け・・・たい。

115 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/05(日) 19:49 [ cRW6BTaI ]
ちなみに侯国な。
公国じゃないぞ。
ちょっとネタバレっぽい気もする。

116 名前: 妄想戦記書いてた人 投稿日: 2003/10/06(月) 21:50 [ mxVCCRGA ]
埋めとは言え前スレageた人がいたので
対抗してこっちage

あ >>85 にある私のサイトに、以前こちらに載せた
季節外れの雪の中で
を収録しておきました。
多少いじってありますが、ほとんど前のままです

それじゃ、作者様方待ちつつ

age

117 名前: 妄想戦記書いてた人 投稿日: 2003/10/06(月) 21:51 [ mxVCCRGA ]
あがってないし……

118 名前: 名無しさんぽ 投稿日: 2003/10/06(月) 23:45 [ OBS7c1HQ ]
皆さん、はじめまして。
前スレ>>871様
えと、禿しく遅レスで申し訳ないのですが、前スレ>>849-870は、
保管庫に保存されてる文章(=そらいろにうpしたもの)を書いた人間とは別人でする。

そもそも元のを書いたの自分なんですが……
今日久々に物語スレに立ち寄ったら、見覚えのある文章が出てきてビクーリしますた。
微妙に単語とかが違うから、更にパロディってことなのかな?(´・ω・`)

同一人物だと誤解されると困るので補足までに。お邪魔しました〜

119 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/07(火) 00:41 [ vpM1XFng ]
重いシナリオが苦手な方はお避けください。
長くなりそうなので、適当に切ります。

120 名前: 雪の彼方の青い空 投稿日: 2003/10/07(火) 00:44 [ vpM1XFng ]
雪の彼方の青い空 <リノナノ過去編 1章>

「酒持ってきたぜ!」
ロストは叫んで、ガルカナイトのガーディのモグハウスにあがりこんだ。
「大所帯だな」
後には白姫アンジュ・歌姫リュート・ミスラシーフのミュミが続いていた。
「ちっとおっさんに聞きたい事があってな」
どんっとタルタルライスの吟醸酒を置く。
「……リノナノのことか?」
ここにいない仲間の名で問う。
「ああ。俺はあいつと昔みたいにパーティーがくみてぇだけなのに。
あいつは頑固で…おっさんなら、なんか知ってんだろ」
ロストの言葉にガーディは立ち上がる。
「オイおっさん!!」
「リノナノは今日どうした?」
「ああ。金にもならねぇサポアイテムゲットとか言って、
飛空挺でウィンに飛んだ」
「だから、か」
「私は一応やめるようたしなめたんだけど…」
白姫アンジュの言葉。
それでもリノナノのいないときに、わざわざ大所帯できたという事は、
思いは一緒ということだろう。
ガーディは4人にウィンダスミルクティを出し重い口を開いた。

121 名前: 2 投稿日: 2003/10/07(火) 00:47 [ vpM1XFng ]

――三年前
「寒いですねぇ」
ミスリル銃士隊隊長のヒュム戦士ミウは雪の中呟く。
「立ち止まると、凍るぞ」
戦闘魔道師団魔戦隊隊長のリノナノは
雪にうずもれそうな小さな身体で、前へ進んでいた。
ボスティン氷河の風は強く周囲はホワイトアウトしていた。
「リノナノたちは軽いから…、
もうちょっと風が強くなったら私達と二人組でパーティーを組んでゆきましょう。
怒らないでくださいね、
飛ばされるほど強い風の時には、抱き上げさせていただきます」
ミウはバストゥークの歴戦の戦士とは思えぬほどおっとりとしていた。
不思議な縁で会議や様々な作戦をこなしていくうちに
リノナノとミウは仲を深めていた。
「ミウ。そんなのは必要ない」
リノナノの言葉にミウは柔らかに笑う。
「いけません。今にも飛ばされそうなあなたの部下が何人もいるじゃないですか」
「気合がたんねぇんだよ。
いざって時は自分にグラビデかけてでもふんばるのがウィンダスの魔道師ってやつだ」
その言葉にミウはあざやかに笑う。

122 名前: 3 投稿日: 2003/10/07(火) 00:49 [ vpM1XFng ]
――ズヴァール城探索のため、バストゥークとウィンダスの精鋭39名が
ザルカバードへ向かっていた。
バストゥークは、ラオグリムの探索という名目で、
ウィンダスはモンスターの研究と新魔法ドロップの真偽を確認するために
作られた合同部隊だった。
阻む氷河の吹雪は想像以上に厳しく、彼らの心を萎えさせた。
その度にリノナノは部下を叱咤し励まし、雪の中歩を進めた。
周囲には様々なモンスター…一瞬たりとも気が抜けない。
雪しかない場所でのキャンプは厳しい。
それでも寝なければ身体はもたないので交代に休んだ。

明日ズヴァール城突入という日の深夜。
みなが家においてきた家族に思いをはせた。
「早く寝ろよ。体調崩した奴はここにおいて行くからな」
リノナノの厳しい言葉に、魔戦部隊の精鋭は手を上げて答えた。
「リノナノ隊長。帰ったら、隊長のキノコのシチュー食べさせてくださいね」
「あ、私は焼きたて熱々のパンプキンパイで!!」
新人のリュイイとキイの言葉にリノナノは笑う。
「おう、何でも作ってやるさ」
「きゃーー約束ですよ。隊長」
喜ぶリュイイにリノナノはもう一度寝ろといった。

123 名前: 4 投稿日: 2003/10/07(火) 00:58 [ vpM1XFng ]
みなが寝静まった深夜――
リノナノが眠れず雪洞を抜け出ると、
ミウが満天の星空を白い息を吐きながら見上げていた。
「よ」
「リノナノもですか」
短く挨拶をする。
「飲みますか?あったまります」
小さな鉄の入れ物の中には、ミリオン酒が入っていた。
「さんきゅ」
ボトルを開き、一口あおってリノナノはミウに返した。
「長かったですね」
ミウの言葉にリノナノは肩をすくめる。
「ああ。でも、これからが本番だ」
「ん…―リノナノ」
ミウはひざまずいてリノナノの肩を掴み瞳をじっと見る。
「ん?なにマジになってんだ」
「ここはまだ封印された未開の闇の城…。なにがあるかわかりません」
「ああ」
「君は、白魔道士です。君達の双肩に、この隊の安否がかかっています。
だから、なにがあっても君は死んじゃいけない」
ミウはにっこりと笑う。
「馬鹿、誰も殺すつもりもねぇし、死ぬつもりもねぇ」
リノナノは視線をそらせて吐き捨てるようにいった。
「ん。それはわかっています。でも、戦士や暗黒騎士、
狩人のミスリル銃士隊には君達の力が必要です」

124 名前: 5 投稿日: 2003/10/07(火) 01:00 [ vpM1XFng ]
「お互い様だ。俺達だけじゃ戦えねぇ。
悔しいが、耐久力って点ではヒュムやガルカに遠くおよばねぇからな」
ミウは困ったように笑った。
「種族差ってだけなのですが」
リノナノは、自分の片ピアスを外す。
そしてミウの手に落とした。
「双子石のピアスだ」
「へぇ、綺麗。でも赤い…」
「この形の石はこの世に二つしかないといわれている。やるよ」
「片方だけ?」
ミウは不思議そうに首をかしげた。
「ああ」
リノナノは頷く。
この石は、約束の双子石。ウィンダスでは再会の約束に使われる。
そんなこと恥ずかしくて、いえないけれど。
ミウは自分のピアスを外し、赤い双子石をつけた。
「これが終わったら、リノナノの焼いたオレンジクーヘンが食べたいな」
「まだ作れねぇよ。――作れるようになったら、焼いてやる」
リノナノは吐き捨てるように言い、ミウはこぼれるような笑みを見せた。

125 名前: 6 投稿日: 2003/10/07(火) 01:02 [ vpM1XFng ]
ズヴァール城の探索は結果から言うと…失敗に終わった。
幾つかの新黒魔法や歌を手に入れることは出来たが、
ラオグリムの足跡を見つけることはかなわなかった。
凍てつく北の大地で、誰が悪かったわけでもないが…―
しいていうのなら緊張が途切れたのだろう。
インビジが切れ、新人のリュイイがかけなおした魔法を
闇のエレメンタルに気付かれた。
「あうっ!!」
リュイイの悲鳴。
「大丈夫かっ!!ちっ、挑発」
ガルカモンクがリュイイの前にたちエレメンタルをひきつける。
「リンクっ!!デーモンっ」
「こっちは目玉がっ」
悲鳴が上がる。
「わああああああああ!!」
傷ついた暗黒騎士が、ひざまずいた。

126 名前: 7 投稿日: 2003/10/07(火) 01:05 [ vpM1XFng ]
「白き女神よその御手で我らに癒しを、ケアル�掘�!」
「炎の精霊よ、闇を滅し悪魔の魂を浄化せよ!!ファイアー�供�
魔戦隊の魔法があちこちから詠唱される。
「きゃああああああ!!」
最初に闇のエレメンタルの強大な魔法の犠牲は、リュイイだった。
リノナノのケアルの詠唱がすんでで間に合わなかった。
「リュイイ!!!」
リノナノの絶叫。
静かな雪の積もる中、リノナノの魂を引き裂く悲鳴が響いた。
「リノナノっ!!エスケプを!!!」
ミウの指示にリノナノは一瞬泣きそうな顔でミウを見あげ歯を食いしばった。
ミスリル銃士隊も次々にデーモンの爪に引き裂かれ倒れてゆく。
「可能なものはエスケプを、白魔は回復を!!」
そう叫んで、リノナノもエスケプを唱えた。
目の前に迫る巨大なデーモン。
リノナノは心の中で舌打ちをした。
詠唱は止められない…。殺られる―とおもった。
その爪が振り下ろされる瞬間、ミウはリノナノの前に飛び込んだ。
「……―」
ザクリ…。ミウの血が、リノナノの目の前で散った。
「君は、死ぬな」
ミウが荒い息をつきながら、呟く。
それでもリノナノをその背に守り、立ちはだかる。

127 名前: 8 投稿日: 2003/10/07(火) 01:10 [ vpM1XFng ]
リノナノは叫びたかった。
『やめてくれ!!もう、守らないでくれ!!傷つかないでくれッッ!!』
自分のために誰かが盾になり血を流すのは嫌だった。
けれど、魔法の詠唱は止められない。
白魔道士が背負うのは、自分の命ではなく仲間すべての命、
私情に流される事は出来ない。
デーモンの爪がさらに、ミウを引き裂く。
「闇の精霊よ…我等の窮地を助けこの地よりかの地に
時空を越え我等の魂を運べ。エスケプ!!」
リノナノの瞳に涙が滲んだ。
敵の攻撃をかいくぐって、あちこちでエスケプの魔法がゴオォっと発動した。
空間がゆがみ、生者を飛ばす。
一人でも多くっ!!!
ズヴァールから飛んだリノナノは、ザルカの地でひざまずいた。
詠唱のし過ぎで、咽喉が痛い。
体力は限界を超えている。それでも顔をあげた。
「魔戦隊白魔道士は、みんなの傷を癒せ!
力が残っているものは人数の確認」
リノナノの足元に、赤い血が雪にジワリと広がる。
「――――っ!!!」
目の前に血塗れたミウが倒れていた。

128 名前: 9 投稿日: 2003/10/07(火) 01:13 [ vpM1XFng ]
リノナノはひざまずき、そ…とミウにふれる。
暖かいのに、鼓動がコトリとも動いていない。
一瞬前には生きていただろう…命。
手を握りリノナノは蒼白の顔色で、
雪がひたすらに振る空を仰ぎ目を閉じる。
体内のすべての魔力を、絞るように凝縮しミウに注ぎ込む。
「女神アルタナ…その世界を包む慈悲で、
我に天空に向かう友の魂を呼び戻す許しを与えたまえ。
光と闇の狭間よりいとし子に愛の息吹を吹き込み
今一度その瞳に光を宿らせよ。レイズ�供�!」
リノナノの周囲に黄金の光が広がる。
ミウの身体が空に浮び、アルタナの御手がミウの魂を撫でた。
ふわ。
ミウの瞳が開く。
「あ…生き、て?」
ミウは自分の事が信じられないというように、自分の胸に触れた。
リノナノは力を使いはたしたというように、雪の中にがくりと片膝をついた。
酷いクマが、目の下には出来ていた。

129 名前: 10 投稿日: 2003/10/07(火) 01:20 [ vpM1XFng ]
「リノナノ…」
リノナノは肩で息をしながらもよろっと立ち上がる。
「ミウは休んでろ。他にもレイズが必要な奴はっ」
リノナノは萎える足に力を込め、叫ぶ。
「リノナノ隊長っ、お願いします!!
ミスリル隊のガルカなのですが…もう回復魔法じゃ追いつかなくて」
あちこちで白魔道士が暖かなケアルの光を投げかける。
「大丈夫ですか?」
優しいタルタル少女キイが、ミウにもケアルの魔法を使う。
「ありがとう。本当に…魔法はすごいですね」
いまだ自分の状況がわかっていないミウは少女に笑みを見せた。
「はい。私たちの魔法はその強力さから本来は門外不出、
他国のものにはその慈悲すら与えるのはどうかという声もありますが…。
魔法は人を助けるものだと、隊長たちは考えています。
本当は…蘇生魔法は術者の命も削る危険な魔法ですので…
他国の人にはあまり見せてはいけないのですが…」
少女はぺこりと頭を下げて、他の者を助けに行く。
確かにこの魔法があれば…
高位白魔道士を奴隷のように扱うものも出てくるだろう。
この魔法さえあれば不死、なのだから。
ミウは小さく頭を振って、生存者の確認に走った。

130 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/07(火) 01:23 [ vpM1XFng ]

今夜はここまでで、申し訳ございませんが続かせていただきます。
皆様が期待してくださる方向と逆に走っているような気もいたします…
わずかなりとお楽しみいただければ、身に余る光栄です。

しかし・・・長い。すみません。

131 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/07(火) 02:53 [ QlF5ICCI ]
>>118
ども、前スレの871です。

そんな気がしてましたが、その通りでしたか…
説明どうもです〜
/bow 118

132 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/07(火) 05:53 [ AQg3gcBM ]
>>130
雪の彼方キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
リノナノとミウの今後の展開に激しく期待sage

133 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 05:54 [ g3ySdPbE ]
感化されて書いてみました、
処女作故に文句言われても仕方が無いのですが
暇つぶしにでも読んでいただけると嬉しいです。
作者の名前と題名は一緒になってます。

134 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 05:56 [ g3ySdPbE ]
[第一話、出会い]
ジャグナーの森を駆け抜ける影が1つ、その男の名はフェイル=ラムウェル、
サンドリア所属の冒険者でナイト/戦士である。
種族はエルヴァーン、趣味は旅、年齢21、性別男
ジュノで一仕事終えてサンドリアに戻る途中であった

事の始まりは4時間前、ジャグナー森林を抜けている最中だった。
ふと気まぐれで立ち寄った湖の側にそれは居た・・・・
15,6才のミスラの少女が一人、丸くなって寝ていたのだ。
ここは危険な獣人や獣が居る場所、このままでは危ないと思い
声をかけたのがこの物語の始まりであった・・・

フェイル:「おい、起きろ。ここで寝てると襲われるぞ?」
体を揺らしつつ話しかけてみると、そのミスラの少女は寝ぼけながら
起き上がった。

135 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 05:57 [ g3ySdPbE ]
ミスラの少女:「にゃ・・・?」
フェイル:「ここは危険だぞ?連れは居ないの・・・・」
しかしフェイルのその言葉は結局最後まで言うことは出来なかった。
なぜならそのミスラの少女がしっぽを振りつつ飛びついてきたからだ・・・
ミスラの少女:「お兄ちゃんにゃ!おかえりなさいにゃ〜!」
フェイル:「は・・・?」
思わず間抜けな声を出しつつミスラの少女を引き剥がそうとするフェイル
フェイル:「お前は誰だ?俺は知らないぞ」
ミール:「僕はミールって言うにゃお兄ちゃんの妹にゃ!」
一瞬考え込むフェイル、しかしすぐ顔を上げ
フェイル:「その『お兄ちゃん』って誰だ?」
ミール:「お兄ちゃんはお兄ちゃんにゃ」
びしっ!っとフェイルを指差すミール。その指に迷いは一切無かった・・・・

136 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 05:58 [ g3ySdPbE ]
フェイル:「・・・・・・・・・・・」
沈黙する2人・・・先に復活したのはフェイルだった。
フェイル:「俺はお前の兄ではないフェイルだ、ところでお前の家はどこだ?
送ってやる。ここは危険だからな」
ミール:「家・・・どっちかにゃ?わからないにゃ」
周りをちらっと見回し、あっけらかんと言うミール
フェイル:「・・・・・・・・・・・・・・・」
頭をかかえるフェイル・・・・しばらく考えつつふと頭を上げた
フェイル:「お前の家はどんな場所にあった?」
ミール:「わからないにゃ」
フェイル:「・・・・・何か特徴は?」
ミール:「お日様が暖かかったにゃ」
フェイル:「・・・・・・・・・・どんな人が住んでいた?」

137 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 05:59 [ g3ySdPbE ]
ミール:「優しい人がいっぱいいたにゃ」
フェイル:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
又しても頭をかかえるフェイル・・・・・・・
フェイル:「しょうがない・・・・着いて来い、安全な場所まで案内する。」
ミール:「はいにゃ!」

そうしてフェイルはその少女をサンドリアまで連れて行くことになった・・・
しかしこれがまた大変な苦労であった。
何にでも興味津々なミスラの少女はさっきも森林に生息する虎を見つけて
警戒する様子も無く『わ〜おっきいにゃぁ〜』とか言いながら近寄り・・・
結局ミールを餌だと認識して襲ってきたそのモンスター・・・・
それと戦う羽目になってしまった。ちなみにこのモンスター
見た目は黒い虎で、口の両脇に長い牙を一本ずつはやしている。
素早く普通に逃げれば確実に捕まってしまい、しかも力もある強敵であった。

138 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 06:00 [ g3ySdPbE ]
フェイルは何とかそのモンスターを退け休憩していた。
もう少しで傷も癒え、回復に使ったMPも補充が終るかどうかのそんな時・・・・
楽しそうな声が届いた。
ミール:「わ〜犬がいるにゃ〜」
フェイル:「へ?」
ここに犬なんか居たっけな?と思いつつ耳を傾けると・・・・
ミール:「数匹いるにゃ〜おっきなバック背負ってるにゃ〜」
はっ!と気が付く、犬みたいで大きなバック持ってるって事は・・・
フェイル:「こっちに来い!早く!!」
ミール:「にゃ!はいにゃ〜」
素直に戻ってきたのは良かったのだが・・・・
ミール:「犬さんと追いかけっこにゃ〜」
しっかりとゴブリン2匹に追いかけられつつ走るミールは・・・・・・
楽しそうだった・・・

139 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 06:02 [ g3ySdPbE ]
フェイル:(なんであんなのをつれて来んだよぉ・・・・)
内心疲れつつフェイルは片方のゴブリンの強盗に声を張り上げる。
フェイル:「へぼ強盗!お前に相手はそっちじゃない!この俺だ!!」
挑発されたゴブリンはすぐフェイルに向かって攻撃を仕掛けてくる。
しかしフェイルはそっちには気にも留めずもう一匹のゴブリンのやくざに
向かって剣を抜いた。
フェイル:「逃げる余裕は無い・・・・・・やるしか・・・ないか・・・・・・・・」

フェイルの振り上げた剣がゴブリンの肩口を捉える。すぐさまそのゴブリンは
怒りの炎をその目に宿しフェイルに向かってバイオを唱え始める。
同時にもう一方のゴブリンの強盗はフェイルに向かって短剣を繰り出している
フェイルはその攻撃を盾で受け流しつコブリンのやくざに再度斬りかかった。
それを避けきれずその左腕にあたり、痛みにそのゴブリンの詠唱が止まる。
それとほぼ同時にゴブリンの強盗ももう一度ナイフを振り上げ襲い掛かってきた。

140 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 06:04 [ g3ySdPbE ]
今度は避けきれず鎧で受け止める。吸収し切れなかった衝撃がフェイルを襲う
フェイル:「ち・・・喰らったか・・・だが・・・まだいける!」
そうフェイルは一声吼えると溜まっていた気を剣に集める。
するとその剣は炎を上げて燃え上がった、レッドロータスと呼ばれる技だ。
フェイル:「燃えろ!」
そのままフェイルはその剣を振り上げゴブリンのやくざに叩き付けた!
それをくらいそのゴブリンは苦悶の声を上げ倒れた。
しかしフェイルはもうそっちは見てはいなかった
ゴブリンの強盗とフェイルが対峙する、先に仕掛けたのはゴブリンの方だった。
短剣がフェイルの脇腹目がけて突き出されてくる。
フェイルは体を捻ってそれを避けた
フェイルの持つ片手剣が流れるようにゴブリンの脇腹を切りつける。
確かな手ごたえはあった、しかし、まだ倒れなかった。

141 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 06:05 [ g3ySdPbE ]
ゴブリンは斬られた箇所から手を放し、懐から紐の付いた丸い玉を取り出した。
「爆弾」である。
ジッ!と音がしたかと思うと導火線はどんどん短くなってくる。
そのまま爆弾を投げようとして・・・・落した、血で手が滑ったらしい。
フェイルは盾を正面にして顔を庇った、その途端、爆弾が爆発した。
・・・・・・後に残ったのは少し髪の焦げたフェイルと、丸焦げゴブリン、そして、
爆弾の大音響に慣れていないのか、耳を塞ぐのを忘れていたのか・・・・・・
目を回しながら気絶しているミールであった・・・

フェイル:「は〜・・・・やっと終ったか。疲れた・・・」
そのまま座って一休みしようとしたが、何かを思い出したように立ち上がった。
フェイル:「暖かき温もり、その身を癒す・・・・・・・ケアル!」
すると光がフェイルを包み、火傷の傷を治していった。
光が収まるとフェイルはミールに話しかけた。

142 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 06:06 [ g3ySdPbE ]
光が収まるとフェイルはミールに話しかけた。
フェイル:「おい、大丈夫か?」
ミール:「にゃぁぁ〜〜〜・・・・・」
まだ目を回しているらしいミールの姿確認し、フェイルはため息をつきつつ・・・・・
フェイル:「暖かき温もり、その身を癒す・・・・・・・ケアル!」
今度はミールの体を光が包む。それを確認してフェイルは座って休息を取った。

結局、休憩が終ってもまだミールは目を回したままだった。
仕方ないのでフェイルが背負って運ぶ、暫くして、ふとフェイルが喋る。
フェイル:「こいつ軽いな〜・・・俺の荷物袋とどっちが重いんだろう?」
荷物袋を片手に持ち、比べてみるが、よく分からなかったようでまた背負い直す。
しばらくして、誰かに確認するようにフェイルはつぶやいた、
フェイル:「こいつ、何であんな場所に居たんのだろうな・・・・?それに『お兄ちゃん』とはいったい誰なんだろうな・・・・」
ミール:「にゃぅ・・・お兄ちゃん・・・・」

143 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/07(火) 06:08 [ g3ySdPbE ]
背中を振り返ってみるがミールが起きている気配は無い。
フェイル:「・・・寝言か・・・・しょうがない、しばらくは俺が面倒見てやるか・・・・」
ミール:「ありがとうにゃ〜・・・・」
ミールのこたえに苦笑するフェイル、ラテーヌ高原はすぐ側まで来ていた。


2話に続く・・・・・かも?

144 名前: 永久の約束の作者 投稿日: 2003/10/07(火) 06:11 [ g3ySdPbE ]
あとがき、
うーむ・・・所々手抜きが・・・文字制限にも苦戦したし・・・
趣味で書いたから微妙だなぁ・・・・あと「age」と「sage」の違いが今ひとつ・・・
「sage」た方がイイと聞いたのでそうしましたが・・・教えていただけると嬉しいです

145 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/07(火) 06:53 [ 0MdUQiC2 ]
>雪の〜
 「祝 連載化」と、あったので前に戻って読んでみた。よかった。
 物書きは、読者の期待に応えなくていいと思う。書きたいモン書いてほしい。
 私は、それが、読みたい。

>永久の〜
 シナリオ風、ココでは新しい書き方だね。私は先が気になります。・・・お兄ちゃんって誰だっ!
 手抜きと気に病むのであれば、納得したものができてから、うpしては?続きまってるyo!
 
 で、age sage はあげると そのスレが板の上にくるでしょ?
そうなると いろんな人の目につく事によって、無頼者を呼ぶことにもなりかねません。
そういう輩を避けるためにも sage で進行してるスレがあるのです。
途中から出来てるから、 sageの仕方はダイジョブみたいですね。^^

そろそろ sage進行のテンプレ化・・・なのかな・・・。

146 名前: 前スレ899 投稿日: 2003/10/07(火) 20:31 [ HWKzJEY. ]
毎度読んでいただいてありがとうございます.

新作アップしました
週末に報告しようと思ったのですが,ホスト規制で書き込みできず.

さて,これでとりあえず持っていたネタは全部書いてしまったので
次を書くのにはだいぶ時間がかかるかもしれません.

皆様の作品,非常に楽しませて読ませていただいてます.
頑張ってください.
最近新作が多くて楽しいです.

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/5451/

147 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/07(火) 23:29 [ V2LJ9Y3U ]
>>130
リノナノキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
シリアスなのもスキスキ。
作者さんが行きたいと思う方向に走ればいいと思うので、
自由にのびのびと書いてね。

148 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/08(水) 00:21 [ eB64Khyw ]
えー、はい。はじめまして。
幾多の作者さまに感化され、不詳私めもFF11を題材に小説を書いてみました。
つきましては、やはりここに投稿するのが最も人の目に触れやすかろうと思い、
スレ汚しをさせていただきたく存じます。
それにあたりまして、エルモンク3つの誓い。

 1:一話は短く1000文字前後
 2:タイトルは明確に
 3:指差されても泣かない

さあ自分にプレッシャーをかけたところで早速いってみたいと思います。
よろしければ是非お読みください。無料です(あたりまえ)

149 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/08(水) 00:22 [ eB64Khyw ]
セイブ・ザ・アワー・ワールド:1−1・「ビフォアーザナイト」

「僕は世界を救う。君にその手助けをしてほしい」
 あいつはそういって私を戦いに巻き込んだ。巻き込まれた私はどんな感情を抱いていたのだろうか?
 判っているのは事実だけ。
 旅の最初にはその言葉は物笑いの種だったが、旅も佳境に入るころにはその言葉こそが私の人生となり、旅が終わった後ではその言葉が真実だったのか判らなくなってしまった、という事実だけだ。

150 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/08(水) 00:23 [ eB64Khyw ]

     ・
     ・
 私、ニール・ミーオはウィンダスが嫌いだ。
 もっと具体的に言うと、なんとかの院で訳のわからない研究をしているやつらだとか、星の大樹に群がって「侍女になりたい」とかぬかすやつらだとか、連邦軍に尻尾をふって道端につったってるガードだとかが嫌いだ。 
 理由?そんなのはこの際どうでもいい。話すのもいやなくらい嫌いだってことだよ。
 私を今日まで生きながらえさせたのは、港で盗んだサーディンや、競売所で突っ立っている冒険者の財布、獣人が去ったキャンプの残り火、そんな感じのものだ。他人の好意はまあ、いつもアテにはできないにせよ役には立つ。だが、まちがっても天の塔に篭ってるタルタルたちが生きるのに役に立つ事はない。

151 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/08(水) 00:24 [ eB64Khyw ]
 たいていはそこらの木の影かどこかの廃屋、お金があるときなんかは酒場で夜を過ごす。酒場で食べるピピラとホロ麦酒が大好物で、一時期は「私はこれを食べるために生まれてきたに違いない」とまで考えていた。
 そのうわさを耳にしたのも、酒場で酒を飲んでいたときだったと思う。
「サルタバルタのアウトポストに、妙な動きがある」 

 なにかキナ臭い匂いがした。
 金の匂いと言い換えてもいい。

 役人が不法な裏取引?それとも秘密裏に軍が動いているのか?どちらにせよ、ニールはウィンダスが嫌いだったから、金のためにアウトポストを襲うのも躊躇うつもりはないし、それを望んですらいた。

 もっといいたとえを思いついた。焼きたてのピピラ。あの焦げ目の匂いだ。

             ・
             ・

152 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/08(水) 00:25 [ eB64Khyw ]
アウトポストの小屋がよく見える崖の上にキャンプを張って、朝から晩までそこを見張った。食事は保存食の燻製と水で済ませ、睡眠は小屋が寝静まったのを確認してからきっちり4時間だけ取った。

 アウトポストの様子は静かなものだった。
 昼間はタルタルのガードとガーディアンが歩哨に立ち、小屋の影にはどこかかから派遣されているらしい商人が控えている。日が沈むとガーディアンを残してガードと商人は小屋に戻り、眠った。一日に4、5人冒険者がきてガードとなにやら話し、商人から何か買っていった。
 3日、そんな日が続いた。

 4日目の昼過ぎ、町から交代のガードがやってきた。
 妙だな、と思った。
 そのガードのタルタルは、相棒のガーディアンも商人もつれていなかった。
 もともとアウトポストにいたほうのガードは、そのタルタルに書類を渡されて、荷物をまとめて町のほうへ歩いていった。ガーディアンと商人もそいつと一緒に町へ帰った。
 ますます妙だな、と思った。
 今夜は寝ずに見張っていよう。

<次回:セイブ・ザ・アワー・ワールド「エンカウントメント」>

153 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/08(水) 00:30 [ eB64Khyw ]
ああ、投稿してから気付いたのですが、途中改行しないと横にながくなってしまうのですね・・・
次回から気をつけます。第一回は適当に工夫してお読みください(えらそう)

では、また

154 名前: 雪の彼方の青い空 投稿日: 2003/10/08(水) 07:45 [ W/sXzxsM ]
続きのときはちょい急ぎ目にあげさせていただきます。
1章は
>>120−129です。

自由にとのお言葉感謝。賛でもはじけず、否でも泣かず
地味に描かせていただきます。

155 名前: 雪の彼方の青い空 投稿日: 2003/10/08(水) 07:52 [ W/sXzxsM ]
<リノナノ過去編 第2章>

生命の危機が去った後…。
沈痛な空気が漂った。
生存者13名、行方不明者26名。
リノナノは立っているのも不思議なほどの顔色で、仲間にいった。
「救出に行くぞ。動ける魔戦部隊員は何名いる」
その言葉に小さなタルタル族すべての魔戦士が手を上げた。
「リノナノの方が死んでしまいそうです!!休養をっ」
ミウの言葉にリノナノは首を横に振る。
「今行かなきゃ、間に合わない」
「どういう…?」
「蘇生の魔法にも、限界はある。
長時間放置したら…蘇生の魔法すらきかない。
その先にあるのは、完全な死だ」
リノナノの言葉にミウも断固首を横に振った。
「無理です。リノナノはいま、立っているのもやっとでしょう?」
やさしくミウはさとす。

156 名前: 2 投稿日: 2003/10/08(水) 07:56 [ W/sXzxsM ]
「…それでも、行く」
「リノナノ!冷静に状況を判断して。
残った者達まで危険にさらすつもりですか!」
リノナノは泣くのをこらえるかのような表情でミウを見あげた。
「だって、助けられる可能性があるんだ!!
今行かなきゃその希望すら、ない。
俺は仲間を助けるために白魔道師になった!!
何のために俺はミウを盾にしたと思っているんだ!
仲間を守るためだッ。一人でも多く守るためだッッ!
ミスリル銃士隊はここでキャンプしていてくれ。
行くのは魔道隊だけでいい」
「無謀な作戦は、許可できません。
生き残ったものは危険にはさらせない」
ミウの強い言葉にリノナノはキッと睨みつける。
「助けたいんだ。誰かが死ぬのは嫌なんだ。
助けられるのにどうして、あきらめなきゃいけないんだッ?!」
「君たちが限界だって言っているのです!!」
「そんなの、自分で決める」
リノナノは言い争う暇すら惜しいというように、部下をまとめはじめた。

157 名前: 3 投稿日: 2003/10/08(水) 07:58 [ W/sXzxsM ]
巨躯が、ミウの肩を叩いた。
「盾に、なりましょうや」
立ち上がったのは、先ほどリノナノの魔法で生をつなぎとめた古参のガルカだった。
「……」
「タルタルの魔戦隊だけにかっこつけられるのも、アレですね」
暗黒騎士が唇の血を拭き顔をあげる。
がリノナノは首を横に振った。
「盾は、いらない。他人に守られるのはもう、沢山だ」
ミウの血が飛び散った瞬間
――リノナノの心も斬られた気がした。
所詮、タルタルの白魔道士は誰かの血の上にしか、立てない。
ひたすらに守られる存在であることが何より悔しかった。
ミウは吐息をつく。
そして、仲間を振り返った。
「行けますか?」
その言葉にあちこちから、おお!と声があがる。
リノナノは首を大きく横に振って何かいおうと口を開いた瞬間、ミウは笑った。
「一人では行かせられない。行くならみんな、一緒です。
私たちは仲間でしょう?」
ミウの笑顔に言葉が声にならず、リノナノの咽喉に凍りついた。

158 名前: 4 投稿日: 2003/10/08(水) 08:03 [ W/sXzxsM ]
体力を温存する意味でタルタル族の魔道士は、ミスリル隊の猛者に背負われた。
リノナノはそのことに文句をいう元気もなく、
ぐったりとミウに背負われた。
プライドなど、命の重さの前にはないに等しい。
戦場は血の匂いが濃く漂い、人と魔物の死骸が点在していた。
ミスリル隊が注意しながら敵を倒し足場を固める。
そして、力がつづく限り、リノナノの蘇生が行なわれた。
15名が、蘇生に耐えたが
…残りの11名は遺体の損傷の激しさと時間の壁に阻まれ、
助けることはかなわなかった。
リュイイも、レイズの魔法にその息を吹き返すことはなかった。
「生きかえれ。頼む、戻ってきてくれ!
リュイイ、帰ったらキノコのシチュー食うんだろうっ?!」
リノナノがリュイイに叫ぶ。
それでも、リュイイの鼓動が動く事はなかった。
「リノナノ隊長、あちらのヒュムをお願いします」
キイがリノナノをささえるように導く。
悲しみがあふれて、リノナノはまともな思考が追いつかなかった。
――――死にすぎた。
リノナノは、最期には朦朧とした意識のなかで詠唱を行い、
そして体力のすべてを使い果たし、倒れた。

159 名前: 5 投稿日: 2003/10/08(水) 08:05 [ W/sXzxsM ]
リノナノが目覚めたのは翌日の夜だった。
憔悴した顔で雪洞からはいだすと、
そこには凍てついたはずの大地を掘り仲間達を埋めている
ミスリル銃士隊の姿があった。
「…」
リノナノは拳を握り締める。
力がないことが何より悔しかった。
リノナノはひざまずいた。
気配に振り返り、ミウは慌ててリノナノにかけよる。
「駄目です。寝てなきゃ。
あれから君は酷い熱を出したのですから…」
リノナノは涙があふれる真赤な瞳でミウを睨みつけた。
「責めろよ」
「え?」
「仲間を助けられなかったのは、俺たちが…
俺が…未熟だったせいだ」
リノナノの言葉に、ミウは悲しげに微笑する。
「危険な任務だったのは、みんな承知の上でした。
リノナノは十分すぎるほどがんばった」
「……なんで、なんで…。
俺は誰も殺さないために、白魔道師になったのにっ!
守りたかったのにっ!!」

160 名前: 6 投稿日: 2003/10/08(水) 08:08 [ W/sXzxsM ]
ミウはひざまずくリノナノの手を取った。
「雪、冷たいですから」
そういって、小さな手を剣をにぎる手で包み込む。
「もう、盾になんかならないでくれ」
うつむいたリノナノの下の雪が、ポタポタこぼれ落ちる熱い涙に溶ける。
リノナノの苦しそうに振り絞る、声。
「それは、ゆずれません。
背後の者を守るために私は戦士になった。
君を守れることが、私の誇りです」
ミウはまっすぐに言った。


キャンプ地でもう一泊し、帰途についた。
凍りついた大地では死者に捧げる花すらない。
死後の平安の祈りだけが、北の大地にこだました。
リノナノは重い脚をひきずり、あるく。
ボスティン氷河は相変わらずの吹雪で…視界をうばった。
帰りだってけして安全な道ではない。
みなの疲労も限界を超えていた。

161 名前: 7 投稿日: 2003/10/08(水) 08:10 [ W/sXzxsM ]
切り立つ崖と剣虎族の牙や巨人族がたちはだかる。
ミスリル隊の振り払う一閃の剣。
けれど…。
剣虎族の攻撃に隊は分断された。
ここではエスケプを唱える事は出来ない。
「リノナノ!こちら側へっ」
身体の小さなタルタル族が体当たりを喰らい飛ばされたら…
崖の下は視界の届かない白い闇に包まれている。
リノナノはタッと走る。
その先に巨人が巨大な石をブンッと投げた。
カタパルトの巨石にリノナノの身体は軽々と空を舞う。
死ぬのか…とリノナノは思った。
時間がゆっくりとすぎてゆく。
ミウが泣きそうな声で叫び、顔をあげて、手を伸ばす。
リノナノの小さな身体が、ゆっくりと放物線を描き、崖の下に…。
そのリノナノの服をミウは掴む。
「死な、ないで」
ミウの呟きと、リノナノの小さな身体を崖の上に放り投げる腕。
「な…」
急に時がいそいで流れる。

162 名前: 8 投稿日: 2003/10/08(水) 08:14 [ W/sXzxsM ]
ごろごろごろ…リノナノは雪の上を転がった。
リノナノはガバッと起き上がって、崖の下を覗きこんだ。
ミウが落ちていったはずの崖は、
白い闇と横殴りの吹雪だけしか見えなかった。
「ミウッ―――!!!」
ごおおおおお。
リノナノの叫びが吹雪の風に千切れる。
「隊長、ケアルをっ!!!」
戦う仲間のために回復魔法をと魔戦隊の白魔がうながす。
リノナノは死寸前の暗黒騎士にケアルを送る。
立ち止まる暇すら…ない。
泣いている暇すら…―ない。
―――行くならみんな一緒だと
いったのはミウだったのに。
激しい戦闘の中ガルカの両手剣が、巨人の巨体を断った。
戦いが終り隊をまとめる。
ここでもミウのほかに2人の犠牲が出た。
ずたずたに裂かれた身体は、蘇生がかなわない。
蘇生の魔法も万能ではないと―リノナノは身にしみた。
吹雪が止まない。
空が見えない。
風が酷くて…伸ばした自分の指先すら見えない危うい状況で…
崖から落ちたミウの姿は見つけることは、できなかった。
そのとき初めてリノナノは自分の中のすべてが空っぽで、
涙も出ない自分に気付いた。

163 名前: 9 投稿日: 2003/10/08(水) 08:17 [ W/sXzxsM ]
隊をまとめジュノに帰りミスリル銃士隊とわかれ、
リノナノはウィンダスで星の神子様に報告を行なった。
そして、翌日の朝、
すべての仕事を終えたリノナノの咽喉は言葉を失った。
口を開いても声がでない。
話すことが、出来ない。
原因は不明。
精神的なものか肉体的なものか。
魔法詠唱の声を失った白魔道士など、お笑い種にもならない。
リノナノはその日のうちにゴルタタ団長に
戦闘魔道師団魔戦隊隊長の名を返上した。
リノナノのザルカバード探索は5院でも様々な物議をかもし出した。
―――作戦の失敗、仲間の死亡、他部族の前での高位魔法。
本来なら懲罰を受けるのが筋だった。
リノナノの心は、もうどこに傷がついてもわからないほど傷だらけだったので
…懲罰でもなんでも甘んじて受ける覚悟はあったが、
ゴルタタ団長と口の院のアジドマルジド博士の強引な口添えで、
無罪放免となった。
リノナノは自分に懲罰がないと知ると、
翌日ウィンダスから姿を消した。

164 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/08(水) 08:22 [ W/sXzxsM ]


今回はここまで。
あと1章リノナノ過去編お付き合いいただければ幸いです。
スレ汚し失礼しました。

165 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/08(水) 14:51 [ Iy0XzJTU ]
空に奏でる〜、チリリ詩人になりたかったのか、気づかなかったよw
作者さん、まったりマイペースでいいので更新楽しみにしています。

166 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/08(水) 18:16 [ V9hhVrXk ]
雪の彼方キタ━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━!!!!!
お疲れ様です、これからも頑張ってくだつぁい(=´▽`=)

167 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/08(水) 22:38 [ V2LJ9Y3U ]
うわっ、リノナノ連日で来た!すごい。
私たちはとてもうれしいけど、作者さんは無理しないでね。
余計な心配ならごめんなさい。
作者さんの作品は作者さんにしか書けないから。

168 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/08(水) 23:08 [ //2vNxfE ]
>>148
続き、楽しみにしてます。頑張って下さい (´∀`)

169 名前: 空に奏でる君の歌44 投稿日: 2003/10/09(木) 18:44 [ Y7.u3qEg ]
リノナノが気になって気になってたまりません。これが恋ですか。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

170 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/09(木) 19:16 [ ol1ZxPuM ]
空に奏でるキタ━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━!!!!!

171 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/09(木) 21:19 [ 3X2UHEsg ]
空に奏でるキテタ━━━━━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━━━━━!!!!
相変わらずええお話しです、ちとほろりときますた(´・ω・`)

172 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/09(木) 21:20 [ 3X2UHEsg ]
ageてしまった・・・_| ̄|●

173 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/10(金) 02:32 [ eB64Khyw ]
セイブ・ザ・アワー・ワールド:1−2「エンカウントメント」

 その夜は満月だったので、あたりはそこそこ明るかった。

 ニールはキャンプのある崖を降りて、小屋の物音がギリギリ
聞こえるあたりまで近づくと、草むらに腹ばいになって待った。
 小屋の中は夜遅くなってもランプの灯がともり、時折ガードの
タルタルが窓からあたりを探っているのが感じられた。
誰かを待っているらしい。

(やはり裏取引だろうか?)

 だとすると、当然大金が動くに違いない。
 期待に首の後ろの毛が逆立つ。どうやって金を奪ってやろう。
 取引相手も一人で来るなら、私一人でどうにかなるだろうか?
 いやいやここは慎重にいこう。
 なにも取引現場を押さえる必要はない。
 分かれて帰ったあと、弱そうなほうを襲えばいいのだ。
 はやる気を抑えつつ、ニールはひたすら息を殺して待った。

174 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/10(金) 02:33 [ eB64Khyw ]
 月がやや西に傾いたころ、不意に現れた黒い影が音もなくアウトポストに
近づいていった。
 あれが取引相手だろうか?だがあれは――

(ヤグートじゃないか!)
 
 あの黒く光る羽と嘴は見違えようもない。まぎれもなくヤグートだ。
 現れたヤグートは鞘に納まった刀を右手に下げ、小屋の中に入っていった。

「やぁ遅かったじゃないか!待ちくたびれたよ」
「時間ドウリダ」
「でも僕は待ちくたびれたのさ。夜がこんなにも長いものだったなんて!」
「時間に疲レルのは、心ガ急いているカラダ」
「ああ、そうだね。僕は焦っているんだ。なにしろ一時はまったくどうなる
事かと思ったから。同僚には信じてもらえないどころかバカにされ――」
「朝ガ近イ。具体的ナ話に入ろう」
「おっとごめんよ。・・・ここに来てくれたということは、頼みを
請けてくれる気はあるんだね?」
「ソウダ」
「OK。奥へ行こう」
 そうして部屋を移動した気配がして、話し声は聞き取れなくなった。

175 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/10(金) 02:34 [ eB64Khyw ]
(商取引ではなかったのか)

 ニールは驚くよりもまず落胆してしまっていた。
 タルタルがヤグートをスパイかなにかとして雇おうという筋書きらしいが、
連邦軍がなにをしていようが興味はないし、その行為による和平協定への
影響となるとなおさら興味がなかった。
 金にならないようだし引き上げようか?

(いやいや、ここまでして何も収穫がないってものね・・・)

 情報だけでも、天の塔の連中か三流雑誌記者にでも売りつければ小金ぐらいは
つかめるかもしれない。
 このネタで軍のやつらを強請ってやろう。そう考えると、少しはやる気も沸いてきた。
 だが、そのためにはせめてもう少し具体的な話がわからなくては。

176 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/10(金) 02:36 [ eB64Khyw ]
 ニールは再び声の聞こえるところまで近寄ろうと慎重に小屋ににじり寄った。
 そのとき、

 「シッ」

 ヤグートの押し殺したその声だけが、やけに鮮明に聞こえた

 「ダレカイル・・・!」

 瞬間、ニールは全身のバネで飛び起き、ポシェットから取り出した秘薬の
粉末を頭から盛大に被りながら、全速力でその場を去った。
 ああ、キャンプに置いてきた燻製はあきらめるしかない、と思った。

      ・
      ・

「夜目はきカナイノデな。よく見エナイ。何かアルカ?」
「・・・草が折れている。ここに誰か伏せて話を聞いたのか
・・・それに、これはプリズムパウダーみたいだ」
「ならばモウ捕らえるのはムリだ」
「そういうことだねぇ・・・」
 タルタルは天を見上げた。既に東の空が白んできている。
 もうここを去らなくてはならない――
「やれやれ、面倒なことになりそうだなぁ・・・」

<次回:セイブ・ザ・アワー・ワールド「メイクアゴシップ」>

177 名前: バハ鯖エルモンク 投稿日: 2003/10/10(金) 02:38 [ eB64Khyw ]
関係のない追記おば。
>>168
このスレは私のようなへたくそな書き手たちではなく、貴方のような方に支えられているのだと思います。
ありがとう。貴方こそぜひがんばってください。応援しています。

178 名前: 君と見つけた空 投稿日: 2003/10/10(金) 03:00 [ mWg7Ghiw ]
なんとか、四話まで書きました。
読んでいただいた皆様に感謝です。
初めて書いてみて、その大変さを痛感しております。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

179 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/10(金) 10:04 [ dq0hySVY ]
いい子だなあ、チリリもビアナナも。
おねーさん嬉しくなっちゃうよ。

ヴァナにチリリ(タルっ娘)を見つけてちょっと嬉しかったり。

180 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:25 [ g3ySdPbE ]
[第二話、雨の中の再会]
ラテーヌ高原に入ってからは比較的に安全な旅となった。
天候は穏やか、危険な敵も見かけない、何よりミールが大人しかったのが
安全な理由だろうか・・・・それが嵐の前の静けさだと、まだフェイルは
気が付くことは無かった・・・・・・

しばらくしてフェイル達がラテーヌの真ん中ぐらいにある湖に付いた頃、
急に雨が降り出してきた。
フェイル:「雨か・・・・・・雨宿りしていくぞ」
一気に抜けても良かったがミールの雨具が無い。
それを考えた上での選択であった、
ミールは雨が苦手なのか素直に頷いている。
しばらく湖の近くの木の下で休んでいると、遠くから何かが聞こえてきた・・・・・
耳を澄ますと誰かが助けを求める声なのがわかった、
フェイルはすぐさま声のするほうへ走り出した。

181 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:26 [ g3ySdPbE ]
そこでは1つのPTが空中に浮く水と戦っていた・・・・雨のときだけ現れる
魔法を感知して襲ってくる水の精霊であった・・・・
これは水だけで出来ているので直接攻撃の効き目が薄い、
ラテーヌで経験を積んでいる様な初心者の者が勝てる様な敵ではなかった・・・・・

フェイル:「面倒な・・・・こんな時に・・・・・」
一声愚痴るとフェイルは精霊に向かって片手剣を抜き放つ、そして、
フェイル:「貴様の相手はこの俺だ、そっちじゃない!」
そう挑発するや否や切りかかった。しかし、
形持たぬ精霊には剣は素通りするだけ思ったとおりの手応えは感じられなかった。
精霊はフェイルの挑発を受け向きを変え、すぐ体当たりして来た。
何故かフェイルの動きは鈍く、その攻撃を避ける事は出来なかった。
フェイル:「くぅ・・・・・・・」
只でさえ強力な一撃である上にエンウォーター(水魔法付与)が掛かっていた為、
ダメージが増えフェイルの口から苦悶が漏れる・・・・

182 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:28 [ g3ySdPbE ]
フェイルの持つ剣が精霊に向かって幾度と無く銀の軌跡を描く。
しかし、やはり、先程までの剣の鋭さは無かった。
フェイル:「癒しの光よ、その身を包め!」
ケアルIIの光がフェイルを包む。同時に体の傷が治る。
フェイル:「まだだ、まだ終ってないぞ!」
襲われていたPTも各々の武器を持って援護してきた。
精霊も体当たりや水系魔法で反撃してきた。
ダメージが大きくなればケアルで回復して又戦う、それがしばらく続いた。
しかし、精霊にダメージがうまく与えられないのが災いして徐々に
劣勢になっていった・・・・・
フェイル:「おい、ミール!あと、お前ら!」
隣でどうしていいかわからないミールと、一緒に戦っているPTに声を掛ける。
ミール:「にゃ!!なににゃ?」
そしてPTのリーダーらしき戦士がこたえる。

183 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:29 [ g3ySdPbE ]
そしてPTのリーダーらしき戦士がこたえる。
戦士:「何だ?」
フェイル:「このままじゃ勝てない、お前らこいつ連れて逃げてくれ。俺は、囮に
なる、大丈夫だ、なんとかなる。」
逃げ切れる可能性は極めて低かった。誰かを助けるため能率の良い方法は・・・
誰かを犠牲にするしか無いとフェイルは思っていた。
戦士:「・・・・」
その戦士はこちらの意志を汲み取ってくれたようで渋い顔をしていた、しかし
ミール:「嫌にゃ!絶対に嫌にゃ!!お兄ちゃんと一緒にゃ!!」
フェイル:「少しでも多く助かるためだ!!言うことを聞け!!」
ミール:「嫌にゃ!嫌にゃ!嫌にゃ〜〜〜!!!」
フェイル:「駄目ったら駄目!絶っっっ対に駄目!!」
一歩も引かないフェイルとミール
精霊を尻目に喧嘩を始めるフェイルとミール・・・・・心なしかその戦士も
呆れた様な顔をしている・・・・そのとき

184 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:30 [ g3ySdPbE ]
???:「あ〜〜やっぱりいるいるだ〜〜」
緊迫したムードをぶち壊しにするようなのんびりとした声が聞こえた。
その場に居たほぼ全員が周りを見回し、図ったように同時に口にした
ほぼみんな:「「いるいる(かにゃ)??」」
その中でたった一人、頭を抱えている者が居た、フェイルであった・・・・・・

???:「ここだよ〜〜、僕ここだよ〜〜〜」
一同が周りを良く見回すとすぐ側に小さな、ヒュームで言うなら子供のような、
タルタル族がいた、しかもぴょんぴょん跳ねていたw
フードを被っているので性別までは分からなかったが。
???:「積もる話はさておき〜大変そうだね〜〜、手伝おうか〜〜〜?」
ちょっぴり悩みつつも頷く一同、そのタルタルは確認すると大きく息吸い込んで
パルル:「いっくよ〜パルルおりじなる〜〜」

185 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:31 [ g3ySdPbE ]
と一声叫ぶと魔法の詠唱を始めた、サイレス(沈黙)であった。その詠唱が終ると
同時に、再度詠唱が始まる。サンダー(雷撃)の詠唱であった。形無きものでも、
何にでも強いわけではない、魔法という形無き力には逃れる術をもたない
のである。サンダーの属性は雷であり水には強い、これには精霊も危険を
感じたのかターゲットをパルルに変える。しかし、パルルも攻撃のその合間を
縫って詠唱をする。次はブリアド(氷撃)の詠唱が始まる。そして詠唱が終わり、
もう一度息を吸い込んだパルルは・・・・
パルル:「これでとどめだぁ〜いっけぇぇ〜〜〜」
と、サンダガの詠唱をはじめた。精霊はサンダガの直撃を受け、やっと、
元の形を思い出したかの様に地に落ち、動かなくなった。

全員で休憩している最中、襲われていたPTのリーダーが言い出した。
戦士:「いるいるって・・・・・・・・なんだ?」
思い出したようにミールもピンと耳を立てている。
パルル:「あ〜・・・彼のことだよ〜〜」
と、びしっと指をさす。その先に居たのは・・・・・諦めと苦りの入った顔をしている

186 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:33 [ g3ySdPbE ]
フェイルであった。
フェイル:「頼むからその呼び方やめてくれ・・・恥ずかしい」
戦士:「あ、遅れたがすまない、助かった。いるいる」
フェイル:「俺の名前はフェイル=ラムウェルだ・・・・・」
苦虫を噛み潰したような顔のままフェイルは答えた。
隣ではパルルが何か考え込んでいた。
パルル:「ん〜・・・じゃあ、頭文字取ってフェ・・・・」
フェイル:「やめろ!!!それだけは絶対に言うなぁぁぁぁぁ!!!!!」
いつの間にか雨が上がった夕焼けのラテーヌ高原に、
フェイルの叫びがこだました・・・

休憩が終わり襲われていたPTとも分かれたフェイル達とパルルは、
遅くなったこともあり、テントを張り野宿することになった。
晩御飯の野兎のグリルを食べているとき、パルルがミールに話しかけた。

187 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:34 [ g3ySdPbE ]
パルル:「自己紹介がまだだったね〜〜僕はパルル=モルルって言うんだよ〜〜
男だよ〜〜君の名前は〜〜〜?」
ミール:「僕の名前はミールにゃ。宜しくお願いしますにゃ」
パルル:「ご丁寧にどうも〜〜ところで〜いるいるとはどんな関係なのかな〜?」
ミール:「いるいるかにゃ?・・・・・・あ、いるいるはお兄ちゃんにゃ」
パルル:「そうなんだ〜〜・・・・ところで〜〜・・・・」
暗闇でもわかるぐらいにパルルの目が輝いた様に見えた。ミールは何だろうと
興味心満々な顔でパルルを見ている。
パルル:「仲良くなるためにあだ名つけてもいいかなぁ〜〜〜・・・・?」
フェイル:「やめておけ、お前がつけるのは教育上良くない気がする」
『え〜』と抗議の声を上げるパルルと不思議そうな顔をしているミールを見つつ
夜は更けていった・・・・・

一日中歩いた疲れが出たのであろうミールは晩御飯を食べた後すぐに眠って
しまった。フェイルとパルルは焚き火を挟んで、向かい合っていた。

188 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:35 [ g3ySdPbE ]
フェイル:「どうしてこんなところに居る?」
パルル:「ジュノから戻るって聞いたからお迎え〜〜〜でも、驚いたよ〜〜〜〜、
一匹狼のいるいるが彼女連れなんて〜〜〜〜」
フェイル:「あいつ・・・・ミールは迷子だ、安全な場所まで送り届けるだけだ。それ
以外、何にも無い。それに・・・・・・・」
一息ついてフェイルは空を見上げる。軽くかぶりを振りつつ・・・・・
フェイル:「俺は彼女を作るつもりは無い、それは知っているはずだ」
パルル:「う〜ん・・・・・残念〜〜〜ミール可愛いから絵になるのに〜〜」
フェイル:「そうゆう問題じゃないだろうに・・・・」
しばらく無言になる2人、しばらくして思い出した様にフェイルが口を開く。
フェイル:「そう言えば、LSのみんなは元気か?しばらく会ってなかったが」
パルル:「うん〜、元気だよ〜・・・・あ、そうだ、忘れてた!」
いつもののんびりさが消えてわてわてと慌てながらしゃべりだした。
フェイル:「どうした?」

189 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:36 [ g3ySdPbE ]
パルル:「いるいるって彫金やってたよね〜?」
フェイル:「ああ、そうだが?」
首を傾げるフェイル、パルルは少し考えてから両手を合わせ・・・・
パルル:「お願いだよ〜ミスリルが台座の指輪2つ作って〜」
フェイル:「何に使うんだ?それと、宝石には何を使う?」
パルル:「友達が結婚式でその時にプレゼントするって約束なんだよ〜〜」
今にも泣きそうな勢いでパルルが詰め寄ってくる。
フェイル:「わかった、作ってやるから泣きそうな顔をするな。ところで、
宝石は何を使えばいい?」
パルル:「えっとね〜〜・・・・フェイルに任せるよ〜〜ミスラとヒュームの結婚式
なんだよ〜」
フェイル:「異種族同士の結婚か・・・・・・・今は大して珍しいものでも無いな・・・・」
少し考え込んでからフェイルは言った。
フェイル:「ミスラにはつけた者の力を高めるというガーネットを、ヒュームには
つけた者の知性を上げるといわれているターコイズでいいな?」

190 名前: 永久の約束 投稿日: 2003/10/11(土) 10:38 [ g3ySdPbE ]
パルル:「お願いします〜〜〜」
フェイル:「材料は?」
パルル:「宝石以外ならここにあるよ〜」
そう言ってパルルが取り出したのは2つのミスリルでできた指輪であった。
フェイル:「了解、宝石は後で渡してくれ。見張りは任せたからな。」
パルル:「了解しました〜〜〜」
2つの指輪を受け取ってテントに入るフェイルをパルルが敬礼をしながら
見送った。テントに入ったフェイルはミールの乱れた毛布を掛け直し、
自分も隣で自分の毛布を被った、色々あったせいかすぐさま睡魔が襲ってきた。
フェイル:「明日は、雨降らないと良いんだがな・・・・・」
明日の旅路が平和なものであることを願いつつ、フェイルは眠るのであった。

第3話に続く・・・かも?

191 名前: 永久の約束の作者 投稿日: 2003/10/11(土) 10:47 [ g3ySdPbE ]
第二話、載せてみました、楽しみにしている人が何人居るのか
またまた、くだらないって飛ばしている人が何人居るのか、気になって
きましたが・・・・
後半、シリアス続かず笑いが入ってしまいました。良い方に転んでくれると
ありがたいのですが・・・ちょっと自信が・・・/(--;
あと、1話あたりの量としては多いのかな?数えてないからよくわからないけど・・・

192 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/12(日) 07:27 [ 7eRFnS3Y ]
想像以上に暖かく見守ってくださって感謝です。
お言葉に甘えて、ちょい時間を空けさせていただきました。

>>120-129  一章
>>155-163  2章

うまく出てくれるとよいのですがなれてないのでまた、失敗するかもです。

193 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/12(日) 07:33 [ 7eRFnS3Y ]
雪の彼方の青い空  <リノナノ過去編3章>

ガルカナイトのガーディはボスディン氷河のなかで目玉を倒していた。
お得意様の錬金術師の希望で、
アーリマンのレンズ100個という苦行に精を出していた。
氷河は過酷な場所だが競争相手がいないので、
ガーディは好んで使っていた。
リンクしないように注意をして、戦う。
ガーディのような高レベルのナイトでも、
ミスすればとても危険な場所だった。
戦ってる向こうに影が見えた。
リンクかと思ったら、向こうでもモンスターが戦っているようだった。
仲間がいないようなので、ソロ…
それもよほどの猛者だろうと54匹目のアーリマンを倒し、
レンズを手に入れガーディは顔をあげた。
しかし、見ているとあまりに攻撃を受けすぎている。
おまけに、種族はタルタル、全身傷だらけだった。
「大丈夫か?」
ガーディはのっそり近寄り話しかけるが、相手の返事はない。
衣装を見ると白魔道師なのでまあ、
そのうちケアルでもするだろうと思っていた。

194 名前: 2 投稿日: 2003/10/12(日) 07:36 [ 7eRFnS3Y ]
が、ガシガシと巨人に削られてゆき、
魔法を唱えるそぶりも見せないタルタルに見るに見かねて、
ガーディはケアル�犬鬚箸覆┐拭�
その紫の光に安堵したのか、
タルタルはそのままフラッと雪に倒れた。
「おい!!!!」
敵の巨人がニタリと笑ったような、気がした。
ガーディーは仕方なく挑発し、敵を自分にひきつけた。
尻尾で倒れたタルタルをかばいつつ、敵を倒す。
「……なんなんだ、いったい…」
ガーディは剣を収め、片手で小さなタルタルをすくいあげた。
「生きては、いるな。ふむ」
たすけてしまった。なら、ここで見捨てる事も出来ない。
仕方なく荷物の置いてある、遺跡に向かった。


火をおこしてタルタルを改めてみると、
新しい傷も古い傷もあちこちに付いていた。
ここは遊びで来る場所じゃない。
凍てつく大地、ボスディン氷河だ。
「何の理由があって…」
冷え切ったタルタルの身体を火の傍で休め、
ミルクで煮出したウィンダスティを入れる。
その香りに、タルタルは目覚めたようだった。

195 名前: 3 投稿日: 2003/10/12(日) 07:39 [ 7eRFnS3Y ]
「目が、さめたか」
ガーディは自分の状況が把握できないタルタルに説明をしながら、
暖かなウィンダスティーを差し出した。
「名前は?」
あまりに話さないタルタルにガーディーは問う。
『リノナノ』
と短くリノナノは雪に片手棍で文字を書いた。
「口が、きけないのか?」
その言葉にリノナノは苦笑で誤魔化した。
「なにを、している?」
『探しもの』
「ここは、危険だ。護衛なり庸兵なり雇って来い」
それでなくても魔法詠唱できない白魔道士など、
存在価値はカケラもない。
回復魔法・知覚遮断魔法一つ唱えられないなんて、
死ににきているようなものだ。
ガーディの言葉にリノナノはガリガリと雪に文字を書き、
カップを置いて立ち上がる。
雪には『ありがとう』とかかれていた。
ガーディの尻尾が、リノナノの前をさえぎった。
「死ぬぞ」
ガーディが振り返ると、
そこにはリノナノの微苦笑があった。
覚悟の上ってわけか…―
ガーディは吐息をついた。
さえぎる尻尾を外しリノナノを自由にする。
傷ついた身体で出てゆくリノナノに、ガーディは頭を掻いた。

196 名前: 4 投稿日: 2003/10/12(日) 07:41 [ 7eRFnS3Y ]
リノナノの傍でガーディは戦い、
リノナノが敵に絡まれたら敵を取ってやる。
甘いとは思うが、
すさんだ瞳でそれでも笑うリノナノを見捨てられなかった。
ガーディはリノナノが倒れると自分のキャンプ場所に運び介抱した。
そのなかで、リノナノは地面に文字を書きぽつぽつと事情を語った。
仲間が行方不明になったこと。
そして、捜している事。
ガーディはただ、黙ってきいた。
もう、死んでいる。
そしておそらく…剣虎族にでも食われている。
それが現実だろう。
リノナノもわかっているのだろうが、
小さな身体で必死に吹雪の中を探していた。
信じたくないと、いうように。

197 名前: 5 投稿日: 2003/10/12(日) 07:45 [ 7eRFnS3Y ]
仕事が終わった。
これで凍える大地から開放されバストゥークに
戻ってのんびり尻尾を甲羅干しできる。
けれど、今回はその喜びはなかった。
「あす、バストゥークに帰る」
ガーディの言葉にリノナノは頷くだけだった。
翌日、ガーディは荷づくりをする。
世話になった礼かリノナノはそれを手伝った。
『気をつけて』
そう雪に書かれた文字に、
ガーディは吐息をついてリノナノをさらうように抱き上げた。
「ここにいたら、死ぬぞ。お前も帰るんだ」
じたばたじたばたじたばたじたばた。
暴れながら声にならない叫びをリノナノはあげる。
リノナノの蒼い瞳から、ボロッと涙がこぼれおちた。
ここにいたいと。
友の眠る地に供に居たいと、
声なき叫びをあげるリノナノをガーディは痛い気持ちで抱えあるいた。
ガルカの肌にたてられる、リノナノの爪はあまりにも小さい。
この小さな身体の全身で暴れても、
ガルカナイトを傷をつけることは出来なかった。
その弱さが、悲しい。
抵抗にすらならないのに…必死で暴れる。

仲間なんだ。だから一緒にいなきゃいけないんだ。
リノナノの声にならない絶叫は、白い闇に消えた。

198 名前: 6 投稿日: 2003/10/12(日) 07:49 [ 7eRFnS3Y ]
ガーディはその後リノナノを無理やりバストゥークに連れ帰った。
ほっとくと、一人で北に行こうとするリノナノを
ガルカナイトのガーディがほおっておけるわけもなかった。
のちにガーディは
友人のミスリル銃士隊のツテで、リノナノの事情を知った。



ミュミが、ガーディの膝の上で、っくん、ひっくと泣いていた。
ガーディの大きな手がミュミの頭を撫でる。
「飯でも作るか」
ガーディの言葉に3人は詰めていた息を吐いた。
戦いのなかで育ってきた冒険者達にそれなりの過去はみんなある。
がリノナノの過去の重さに息がつまった。
「いいかげん、死んでるに決まってんだろ!!」
ロストが吐き捨てるように言う。
「ロスト!そんなこというもんじゃないわ」
リュートの厳しい言葉にロストは肩をすくめる。
「お前ら、いいのかよ。
そんであきらめるのかよ!
リノナノを過去にとられてそれで、納得できるのか?!
俺は出来ない」

199 名前: 7 投稿日: 2003/10/12(日) 07:52 [ 7eRFnS3Y ]
ガーディはロストを見て呟く。
「俺がこの事をお前らに話した理由は、わかるか」
「……」
「リノナノを、これ以上仲間に誘うな。
あいつにとって仲間は禁忌だ」
「だって、あいつは昔、俺らと組んでたじゃないか。
何かあれば、白魔で駆けつけてきてっ」
「それは、俺たちだけじゃヤバイ冒険だったから、
あいつは捨てたはずの白に戻って来てたんだ。
あいつがそうゆう奴だってお前は知っているだろう?ロスト」
「じゃあ、なんで今はっ」
「もう、みんな自分の身は自分で守れるようになったからな」
ロストは首を大きく横に振った。
「俺は、過去になんか負けねぇからな。
あいつをそんな見もしらねェミウって奴に捕らえられていて、
納得なんかしねぇ!!あー、ムカツク」
ロストはそういって乱暴に席を立ち、ガーディの家を出て行った。
沈痛な空気の中、ガーディの口元にはかすかな笑みが浮んでいた。
「ガーディ?」
白姫アンジュのといにガーディは肩をすくめる。
「誰だって過去には引きずられる。
でも、生きている者には未来があるからな」

200 名前: 8 投稿日: 2003/10/12(日) 07:56 [ 7eRFnS3Y ]
その言葉にアンジュもふっと笑った。
「ガーディ、ロストあおったわね」
「俺は、止めたぞ」
「ロストは駄目っていえばそっちに全力で突っ走る性格でしょう」
ガーディは料理を作るために立ち上がり、
ガルガ特有の悲しげな瞳で窓から青い空を見上げる。
「リノナノの凍りついた時間を溶かせるのは、熱い感情だけだ。
まぁ、ロストは暑苦しいくらいの性格だからな。リュート?」
リュートは考え込んでた顔をあげた。
「ああ、ね、ガーディ。リノナノの物語を謳ったら殺されるかしら」
「ったく、ほんと、貴女むくわれないわね」
アンジュは苦笑する。
「リノナノの前で歌わなきゃ、いいだろ」
ガーディの言葉にリュートは考え込みながら頷いた。


ジュノの酒場や街角で
友と共に戦った悲しい白魔道士の歌が
旅の魔道師達に好んで聴かれるようになるのは
少し未来の話となる。

<リノナノ過去編END>

201 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/12(日) 08:02 [ 7eRFnS3Y ]
スレ汚し失礼しました。
字数制限がある中で、あえて遊びの文章を多用し
長くしてしまって申し訳ないです。

空に奏でるの作家さんのお目汚しまでしていたとは
(゚-゚≡゚-゚)おろおろ
地味に200番ゲトが嬉しかったです。

202 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/12(日) 09:11 [ .pGs99Ak ]
キタ�董福ΒΑΑ法羨�
リノナノ・・・せつないねぇ。泣けた。
ロストは もしや、「修造しい」人ってことかw イイヤシダナ!

203 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/12(日) 11:38 [ 3X2UHEsg ]
雪の彼方キタ━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━!!!!!
ええお話しや、泣くねこりゃ(´・ω・`)

204 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/12(日) 16:44 [ GkJmWbVk ]
泣いたヽ(;∀;)ノ

205 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/12(日) 17:19 [ 5VlblO7w ]
リノナノこんな深い過去があったとは・・
丁寧な語りに今後の展開がますます楽しみになってきました!

206 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/12(日) 18:53 [ wlds42aQ ]
白き探求者、更新されてますよっ

いいっ

207 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/12(日) 23:32 [ ngJJangI ]
リノナノの話、良いんだけど、
所々のゲーム的な表現がちょっと気になるかも。
挑発で敵を取る とか、FFプレイヤー特有のスラングみたいのが語りに混ざってると、
文章としてはやや違和感。
まあそんなこと気にしてない読者さんも多そうだし、
話は面白いと思います。
作者さんがんばれー

208 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 02:03 [ 0MdUQiC2 ]
>>207
 ま、FF11のマターリ板だから。気にしてない人が多いってより
当たり前に思ってるんかもな。

それより、作者が増えるのはうれしいんだが
自虐的なのは なんとかならんかね?
謙遜してるっつーか、通り越しててイラッとくる。
もっと自信持っていいんだ。胸を張れよ。
ホント楽しく読んでるんだからさ。(サクシャサマ キライニナリタクナイノヨ・・・)

209 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 09:25 [ inyb8yw6 ]
>206
報告サンクス
さっそく読まねば ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄ー ̄)┘|白探|

>208
同意。
自信を持って「できました!」の一言だけで

210 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 09:35 [ I6c9VmVY ]
まぁ謙虚なのはいい事だがもう少し自信を持ってみてはどうか

>>208
イラッと来ても胸の内に閉まっておけ
どんなレスで荒れてもおかしくないのだからね

211 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 11:35 [ Y4chuOlM ]
マンセー感想を書いていいのならぎゅんぎゅん書いちゃうけどさ、
そうするとこのスレ、感想だけで浪費しちゃいます。
だから、報告系以外は自分は書かないようにしてます。

だいじょぶ、ちゃーんと読んでるし、続き待ってる読者がここに
少なくとも一人はいます。だからね!だからね!

つづきーつづきつづきーー!

212 名前: 妄想戦記書いてる人 投稿日: 2003/10/13(月) 12:41 [ z8DTmiIE ]
意見や感想を受け止めて、きちんと消化して、
あなたの物語をより活き活きとさせる糧にしてください。
あなたたちの物語で心震えた人間が、少なくともここに一人はいるのですから。

何が言いたいのかってーと、続き待ってる人間がここにもいるってこと。
旅は終わらないの頃から全部読んでるからな!まだまだ読み足りないんだからな!

……しかし、我ながらモルボルの息並みにクサイセリフのパレードだ……

213 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 15:43 [ /UcyAX3s ]
ルインの章 第7話 闇を運ぶもの

〜深夜 ル・ルデの庭〜

あいかわらずシャウトが飛び交う庭で、
1人、ベンチに座り込むメア。
そして、目を閉じて故郷を思い浮かべながら呟く。
「お父様…黙って村を飛び出してごめんなさい。
 でも…私、心に想うあの人のために、
 コルティア・ドリーンを探し出してみせるわ…」
「メア様」
ふと、ベンチの向こうから聞こえる声、
まぶたを上げると、ヒュームの忍者が二人…
「黒風団副隊長、ツクヨ・キサラギ、ただいま参りました」
「同じく、アサヒ・キサラギ、参りました」
「ご苦労様、来てくれてありがとう。
 今回のミッションは…
 行方不明の剣豪、コルティア…
 通称コルトの捜索よ」

214 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 15:51 [ /UcyAX3s ]
〜同刻、ジュノ上層〜

「お魚釣れないね」
「そだな」
「そだね」
ジュノ上層から釣り糸を垂らすルインとサニー。
サニーは眠い目を擦りながらルインに話しかける。
「ねぇ、タルタ…じゃなかったルインさん」
「何?」
「ユリノくんとは仲いいの?」
「あぁ…ここ一年は仲良くなかったかも」
「やっぱりねぇー」
サニーは確信に満ちた表情でルインの顔を覗き込む。
「だって、コルトくんのことをショージキに話さないからだよ。
 結果的にユリノくんってば、アッシュくんとクロノスくん連れて
 探しに行っちゃったしねー」
「オレ…何か間違ってたかな」
「うーん、どーだろ」
目を細くして考え込む二人。
「釣れないねぇ、ルインさん」
「うん、釣れないな」

215 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 15:58 [ /UcyAX3s ]
ぽけーっと竿を握っているだけで時間が過ぎて行く。
こんな時にも、ユリノ達は行動しているかもしれない。
そんなことを考えてはいるが、
とても眠くて探す気になれない、そんな気分の二人。
すこしでも話題を作ろうと、ルインはサニーに話しかける。
「なぁ、あのメアって忍者…」
「ジェイドくんに一目惚れした女の子だよー。
 ノーグの出身の人で、ちっちゃい頃から忍者修行してたんだって」
「そうなんだ」
うとうとと相づちをうつルイン。
サニーのゆったりとした口調が子守唄の代わりになっている。
「それでー、暗殺のお仕事とかもしててー」
「あ、暗殺!?」
一気に眠気が吹っ飛んだ。
「おい!暗殺って…」
「うん、人殺しのお仕事」
ルインの驚く顔に見向きもせず、ただ話を続けるサニー。
「で、その最初のターゲットが…」

216 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 16:12 [ /UcyAX3s ]
「最初のターゲットは…?」
興味津々といった顔で、ずいって寄るルイン。
こういう話は好きらしい。
「死神という異名で有名だった、ナイル・ヘルノート…」
「そ、それって最強とかって騒がれてた暗黒騎士!」
「の…息子の…」
「って、息子のことは聞かないなぁ」
「ジェイド・ヘルノート…」
「……え?」
淡々と進む会話の中に、聞いたことのある名前。
ルインは耳を疑いながらもう一度聞いた。
「な、名前をもう一度お願い」
「だーかーら、ジェイド・ヘルノート!
 僕らと一緒にいるでしょ!?」
「えぇーーー!」
驚きのあまり、大声で驚くルイン。
その勢いもあってか、竿がボキッとへし折れた。
「うは!竿が折れた!」
「あ!僕のも折れた!」
「複合素材の高かった竿なのにー!」
「ミスラ式の立派な竿なのにー!」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」」
二人の大声で、ジュノが大きく揺れた。

217 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 17:17 [ /UcyAX3s ]
「そうなんですよ、ルインさん」
と、後ろから聞こえるのはメアの声。
「うは!メアさん!いつの間にー!」
「うーん、私のお仕事の説明が始まったときからですね。
 …続き、知りたいですか?」
硬直しているサニーをよそ目に、
ルインに笑顔で話しかけているメア。
ルインはすぐに首を縦に振った。
「そう…あれは5年前…
 いつものように仕事が入ってきたの。
 内容は暗殺─ジェイドのね」
わくわくといった様子のルインの期待に背かないよう、
段取りを考えながら話すメア。
「そして、その哀れなターゲットのSSが届いて…」
「哀れかい…」
「その時はそう思ってたけどね…
 SSを見た瞬間…!
 胸の中で何かが弾けた様な…!」
「ほほーう、一目惚れってやつですな」
話しながらどんどん顔を赤くするメア。
「噂はいろいろ聞いていました…
 前から憧れていたあの人…
 その人が今回のターゲットだったなんて!」
「仕事と恋、どっちをとるかってやつですなぁ!」
「はい!真っ先に恋をとりました!」
「おおー!ナイスだ!」

218 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 17:36 [ /UcyAX3s ]
「ですから…私は村を離れました。
 そして、そのままジェイドに会って…」
「運命の出会いってやつですかぁ!?」
「裏で仕組んだんですけどね!」
すっかり話に夢中なルインとメア。
その様子をただつまらなそうに眺めているサニーをよそに、
話はクライマックスへと持ち込まれていた。
「で…どうやってジェイドとカップルに…?」
「それはー…話すと長くなるんですけど…」
「ねぇ、惚気話はちょっと…」
「長くなってもいいから話してみて!」
「そう…ですねぇ…」
「ジェイドくんに言いつけちゃうよ!」
はっと我に返る二人。
サニーはぷいっとレンタルハウスに向かっていった。
「言いつけてやるもーん!」
と、サニーはそのまま泣き顔で走って行った。
「ああー!ちょっと待ってー!」
メアもサニーを追って走って行く。
「オレを置いて行くなー!」
ルインもメアにがしっとつかまった。
そして、それをただ見ているだけのヒュームの忍者が二人。
「メア様…すっかり変わってしまわれた…」
「ツクヨ姉さま…恋をすると人は変わってしまうのね」
ただただ呆れていた。

219 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 18:16 [ /UcyAX3s ]
〜数時間後〜

すっかり疲れ果てて、寝入ってしまったサニーとメア。
その様子をただただ呆れるヒューム二人。
ルインの存在に気が付いたのか、二人は自己紹介を始めた。
「初めまして、私はツクヨです。
 そしてこちらは妹のアサヒです」
「オレはルインレイン。よろしく」
互いに手をとり握手を交わす。
それを割り込むように、アサヒがルインの手を握る。
「今回のコルトさん探し、私達も協力することになりました。
 以後、よろしくお願いします」
ぺこっと頭を下げる二人。
頭を下げられたことに、すこし嬉しく思うルイン。
「そうか、よろしくな」
「あ、あと私達だけでは捜索は限界なので、
 クエスト屋に依頼を申し込んで、
 合同で捜索します」
「サランドラマ・バーニンレオ経営のクエスト屋です」
「へぇ…
 あまり他人は関与させたくなかったんだが…」
「申し訳ございません。
 ですが、こちらの方が効率が良いかと」
「そうだな…仕方がない。
 新たな戦力として、しっかり働いてもらうか」
「そろそろ夜明けです。戻りましょう」
「ああ…」

ルインの章 第8話へ続く…

220 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/13(月) 18:26 [ /UcyAX3s ]
すいません。の一言ですね…
サーバーの接続がなかなかうまくいかず、
「サーバーが見つかりません」とばかり出る始末。

スレ以上に時間を多く消費してしまいました。
割り込みしまいとスレを待っていただいた皆様、
本当に申し訳ございません。

>>208様
確かにその通り…ですね。
私は今までこの作品をどの様に思われているのか、
気になって仕方がありませんでした。

そのため、次第に書き込むことに罪悪感を感じて…
でも、それはこの作品を期待してくださる人を裏切ってしまう、
そんなことが頭を過って…

皆様、これからもよろしくお願いします。

追記
ユリノの章、ルインの章と、新たにもう一つ章が加わります。
どちらの章にも話が出ている「クエスト屋」の章です。
次回からスタートです。

以後、よろしくお願いします。

221 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 20:02 [ ycJRc8ks ]
>>200-205
お前らに話がある!
ガルガじゃない!ガル『カ』だ!
間違えてるは気付かないは…
言いたい事はこれだけ!帰ってよし

222 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 21:21 [ Da.DLeJE ]
>>221
凄まじくどうでもいい事なんで、気付きもしなかったよ。

223 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/14(火) 08:23 [ dP/ERNKA ]
>>222
ガルカは気にしてる奴多いんだよ! 221以外にも俺とか!ヽ(`Д´)ノ
たまに自分で気づいてないガルカとかも居るけどね・・・(´・ω・`)

ちなみにペドーとかゲルスパとかも気になるタイプですよ、僕

224 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/14(火) 09:17 [ i67vI8ec ]
>>222
じゃあ今日からお前さんはダルダルだヽ(`Д´)ノ

225 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/14(火) 09:53 [ Iy0XzJTU ]
遅ればせながら「空に奏でる〜」読みました。
チリリとビアナナの友情に涙。
これからも期待しております。

226 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/14(火) 11:32 [ F8r.MVH2 ]
ガーディがすごい良い・・・。
渋めのセリフのくせに尻尾使いまくりで茶目っ気が出てるのが最高。

227 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/15(水) 08:02 [ F4B9CF6Y ]
<ミュミ過去編>

バストゥークでの生活はリノナノに穏やかな時間を与えた。
ここ数ヶ月でついたリノナノの傷をリノナノ自身直す努力もせず、
ガーディも医者に連れて行くことはなかった。
それでも、身体は生きろというように
時間をかけじっくりと治癒していった。

何度かリノナノはバスを抜け出そうとし、
ガーディが手を回したガードたちにつかまった。
バストゥークからでる事がかなわないと知ると、
リノナノはただ鉱山区の道の端でぼんやり空を見上げる日が続いた。

「お前なんかあっちにいけよ」
ガルカの少年にいじめられているのはミスラの少女だった。
「意地悪しないでにゃン」
「変な喋り方するなよ」
突き飛ばされたミスラの少女の尻尾がうなだれていた。
小さな手の甲で涙を拭きながらとぼとぼ歩いてゆく。
衣服は汚く、身体も汚れが目立ち、
一目で孤児なのだとリノナノはわかった。
どこの国でも、孤児はいる。
親が兵士をしていればなおの事だ。
だから国は孤児に住処と食事を補償するが
…どこの世界にも馴染めぬものもいる。
リノナノは泣きながら去るミスラの少女をただ見送った。

228 名前: 2 投稿日: 2003/10/15(水) 08:06 [ F4B9CF6Y ]
この国は空は青く、高く
のどかで、ゆったりと時流れていて…。
リノナノはただ抜け殻のようにぼんやり過ごした。


与えられたレンタルハウスに帰ると、
程なくのそりとガーディが来た。
「リノナノ、友人が来たんだが一緒に入っていいか?」
断る理由もないのでリノナノはドアを開く。
「コイツはデニ、ヒュム獣使いだ」
ガーディの後から入ってきた男は、長身の中々に美形だった。
黙っていれば好感が持てそうだった。
「やぁやぁ、リノナノかい?はじめまして、俺はデニング。
通称デニでよろしく頼む。いやいや、挨拶はいらない、
君のことはガーディからよく聞いているからね。
まあ、ゆっくり話そう。今日は競売でいい茶葉が手に入ったからお土産だ
いやなに礼はいらないよ。君が話せないことは先刻承知の上だから
君の心を癒す一匙の安らぎになってくれれば本望さ」
リノナノは最近使っているメモ帳を取り出し、
サラサラと書いてガーディに見せた。
『コイツ…頭大丈夫か?』
その言葉にガーディは苦笑した。

229 名前: 3 投稿日: 2003/10/15(水) 08:14 [ F4B9CF6Y ]
ガーディがノソリと立ち上り
勝手知ったると言う奴で、その茶葉で紅茶を入れる。
デニは相変わらず話しつづけた。
「獣使いはいいよ。うん、とてもいい。
特に君はタルタルだから実に性に合ってると思うね。
数ある前衛の中でも、なんていうか特殊だし
何より一人で高レベルと戦えるのがいい」
その言葉にリノナノは少し目を輝かせた。
「おや、興味を持ってくれたみたいだね。
そう、獣って言うのは自然と供に生き大地の悲しみの中、
モンスターと共存する素晴らしいジョブさ。
パーティーを組むのは確かに面白いが、
人数が集まらないといけないし、他人に行動も制約される。
けれど獣は一人で戦い、一人で生きる。
気楽に地の果てのフェインで稼いだかと思えば、
翌日はボヤーダ樹で勝手気ままな旅人だ。
他人の命を背負う心配もなく、
ただ一人自分だけの責任で戦闘がすぎてゆく。
どうだい、魅力的だろう」
デニの饒舌な言葉はリノナノの耳にはほとんど入っていなかった。
ただ、一人でも戦えるという事。
タルタルでも戦えるという事が魅力的だった。

230 名前: 4 投稿日: 2003/10/15(水) 08:18 [ F4B9CF6Y ]
詠唱の行なえない魔道師などありえない。
けれどミウを捜すなら、
力を身につけなければならない。
『俺でも、出来るか?』
リノナノのメモの走り書きに、デニは笑った。
「俺が手ほどきしてあげよう。
はじめはそりゃぁ、それなりには大変だろうが大丈夫、
何せ君はタルタルだ。
タルタルは獣使いに必要な魅力がある。
どんな獣だってきみにメロメロになるさ。
だって君はこんなにコロコロして美味しそうだものね」
怒りマークがリノナノの額に二つ三つと浮かび上がる。

231 名前: 5 投稿日: 2003/10/15(水) 08:25 [ F4B9CF6Y ]
「さぁ、それじゃあ早速獣使いのレッスンワンだ。
ワンレッスンで夕食一食分君のおごりでどうだい?」
その言葉にリノナノは一応こくんと頷いた。
「ガーディが君の料理は絶品だって言ってたからね、
今夜が楽しみだ。
ガルカンソーセージはもう食べ飽きたし。
いざクスタベルの地でトカゲと握手をしにゆこう、
君の魅力でトカゲもメロメロ、トカゲのアイドル間違いなしだ、
レッツゴー!リノナノ」
デニはスキップしながら外に出る。
「リノナノ」
ガーディの言葉にリノナノは振り返った。
「デニは性格に難ありだが、腕は確かだ」
『おせっかい』
リノナノはメモにそれだけ書いて、外に出た。

232 名前: 6 投稿日: 2003/10/15(水) 08:27 [ F4B9CF6Y ]
ガーディは苦笑する。
仲間と供に戦うのは今のリノナノには無理だと思った。
死にたがる者は、パーティーでは危険な存在だ。
リノナノは魔道師として生きていく見通しも今はない。
前衛でまともに出来そうなのは獣しかなかった。
たとえ、氷河に行くにしろ…戦う術は身につけさせておきたかった。
いや、本当は毎日を虚無に浸されている
小さな背中を見るのが嫌だっただけだ。
「おせっかい、としかいいようがないな」
ガーディは呟いて3杯分の残ったお茶を一人で処分した。


数日でリノナノはトカゲのアイドルに間違えなくなれた。
それがリノナノにとって幸せかはおいておいて。
デニは気ままで気まぐれよろしく、
リノナノに基本的なコトを教えると颯爽と姿を消した。
何が謎といって、
ガルカナイトのガーディとあのファンキーな獣使いが
一体どうやって友好を結んだのかが一番謎だった。

233 名前: 7 投稿日: 2003/10/15(水) 08:30 [ F4B9CF6Y ]
リノナノが地味に修行をしているといつかの少女ミスラが、
ミスラパンチでミミズと戦っていた。
パンチパンチパンチ!
バシっ。
パンチパンチ!!
うねうね、びし。
ぱんちぱんちぱんちぱんち!!
ウイナーww
ミスラは喜んで石を拾っていた。
銅鉱を売ってお金にするのだろう。
子供のお遊戯クラスの戦闘にリノナノは吐息をついた。
そして、端で休憩をする。
ミスラはとてとてと寄ってきて、
リノナノをしゃがみこんで見あげた。
「お兄ちゃん?」
リノナノは、あ?と顔をあげる。
「私、ミュミ。よろしくにゃン」
唐突に自己紹介されてリノナノはただ肩をすくめた。
「お兄ちゃんのお名前は?」
リノナノは地面に剣の鞘でリノナノと書いた。
ミュミはそれをじっと見て尻尾を振った。
ミュミの首に銀の鎖が光った。
「綺麗な模様にゃンw」
――コイツ、字が読めねぇ。
リノナノは絶望的な気分で空を見上げた。

234 名前: 8 投稿日: 2003/10/15(水) 08:33 [ F4B9CF6Y ]
話せないリノナノと、文字が読めないミュミ
コミュニケーションは成り立たない。
「お兄ちゃん前はいつも鉱山区にいたにゃ?何でにゃ?」
何もすることもなく、ただからっぽになった自分を遠くから見ていた。
理由なんてない。何もしたくなかった。
そんな難しい事子供に語ってもわかりっこない。
リノナノは髪を掻いた。
「大人にゃ?お仕事は??」
リノナノは戦闘魔導隊のころ、
年齢以上の高給をもらっていたのでお金に困る事はない。
当然ジェスチャーで説明できっこない。
できるならやってもらいたいくらいだ。
が、ミュミの表情は暗く沈んだ。
「お兄ちゃんも…ミュミのこと、嫌いにゃ?」
ミュミは悲しげな眼差しでリノナノを見て大きな瞳に涙をためる。
この国にミスラは珍しい。
子供はとかく自分と違うモノは弾く。
こないだのようにこのミスラはいつもいじめられているのだろう。

235 名前: 9 投稿日: 2003/10/15(水) 08:36 [ F4B9CF6Y ]
リノナノは小さく首を横に振った。
「でも、お兄ちゃん話してくれないにゃン」
尻尾がぺったり地面につく。
リノナノは反射的に話そうとして、
声が出ない自分を改めて知った。
―話さないんじゃなく、話せないんだっ!!
いいたいが、声にならない。
仕方なくバックをごぞごぞと捜す。
水のクリスタルとサルタオレンジ4つで
オレンジジュースを絞り、ミュミに手渡した。
「これ、なんにゃ?」
渡されてまだわからないミュミに
リノナノはもう一つジュースを絞って、自分で飲んでみせる。
「飲んで、いいにゃ?」
きゅっと開いて、愛らしい唇でこくんと飲む。
ピピピピン!!
ミュミの尻尾がぴんと立つ。
「おいしいいにゃ!!なんにゃ、これこれ」
もう一口、くぴんとのんで、瞳をキラキラさせる。
リノナノは無駄と知りつつ地面にオレンジジュースと書いた。
―――やはり、無駄だった。
「甘いにゃ、美味しいにゃ、最高にゃあww」
踊りだすミュミにリノナノはまんざらでもない気分にさせられてしまった。

<続く>

236 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/15(水) 08:40 [ LmBpS6c6 ]
キター

237 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/15(水) 08:42 [ F4B9CF6Y ]

スレ汚し、失礼。

ミュミ編は2章構成なので後一章で終わるといいなと思います。
ガルカの件に関しましては、
反省文100枚にガルカと書かせていただきます。

238 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/15(水) 11:37 [ 7qmdMEp6 ]
イイネイイネ

239 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/15(水) 19:43 [ cRW6BTaI ]
イイネイイネ

240 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/15(水) 22:03 [ i50jzPbs ]
ここはイイネイイネなインターネットですね

241 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 00:03 [ rhpqKUn. ]
リノナノはジュノへ3人連れていく話がいちばん面白かった
それ以降書くたびにつまらなくなってきた

242 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 00:24 [ FHl.2Mrs ]
>>241

そうか?
今の進行も十分おもろいと思うが・・・。

んで、ミウさんはいつ探しに行くんだろうか。
海原で死し者の骸を拾うことは、砂浜で落としたダイヤモンドを2年後に拾いに行く
位絶望的なことだが、陸で死し者の骸を拾いに行くことは、それを考えるとまだ
容易いかと思われるが・・・。

つか、生きてる?・・・?

243 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 00:31 [ dAc8rjzA ]
そうか?
俺は、最初の明るい話も今の暗い過去編もいいテンションで
書けてると思うけどな。
まあ個々の好みだね。

244 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/16(木) 01:41 [ 65Om7zko ]
[ マリーにおまかせ! 盗まれた金塊? 事件編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「松茸はいらんかね?黒くて、太くて・・・旨そうだ。」

今は八百屋でアルバイトなどをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「探しましたよ、所長!なに遊んでるんですか?
もう大変なんですよ、所長?!」
「ワトソン君、静かに。
そんなに騒いだら、お客がびっくりするじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そして、この者は吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、所長!事件ですよ、事件!」
「ふむ、事件か・・・。次元大介、なんちって。」

「うわぁ・・・。所長、それ好感度下がりますよ。
おっと、そんな事より事件です!
またヤツが、怪人二面相が出たんですよ!」
「なに!怪人二面相だと!」

245 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/16(木) 01:42 [ 65Om7zko ]
かしら?かしら?ご存知かしら?
ねぇ、聞きました?港(みなと)で噂の怪人のお話。
えぇ、もちろん!二つの顔をもつ謎の怪人のお話。
あら皆さん、もうご存知で!その名は怪人二面相。
かしら?かしら?ご存知かしら?

「そうなんです、所長!怪人二面相が出たんですよ!」
「うむ!ワトソン君、詳しく聞かせてくれたまえ!」

「あ、はい。じつはあれこれしかじか・・・。」
「ふむ。かくかくうまうまなのだね。」

事件のあらましはこうである。

ウイン・石の区の競売所に、
怪人二面相からの予告状が届いたのだ。

『明日ノ零時 金塊ヲ所望 怪人二面相 薔薇』

もちろん競売所では、GMへの応援を要請したのだが、

『原則としてユーザ間のトラブルには介入しません。
仲裁もいたしません。コーホー。』

と断られてしまった。
そこでしかたなく競売所では、所員と有志(野次馬に来た冒険者)で、
当日の警護にあたることになったのである。

246 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/16(木) 01:44 [ 65Om7zko ]
そして事件当日。
予告時間に迫る頃、怪人二面相は
なんとウイン・港区に現れたのである。

なぜ、競売所のある石の区ではなく港区なのか?

詰め掛けた所員と有志は、疑問を胸に怪人二面相を取り囲む。
そして時計が予告時間を告げたとき、
怪人二面相によるマジックショウの幕が上がったのである。

「ようこそ、皆様。今宵、皆様には
私の起こす奇跡の証人となって頂きましょう。」

「まずはじめに、私の目的をお話しましょう。
私の目的は金塊(ゴールドインゴッド)です。」

「それでは、私のQ極魔法を用いまして、
遠く離れた競売所からこの場所まで、
金塊を瞬間移動してみせましょう。」

「おっと、その前に。私のカバンの中には
金塊が無い事を確認して頂きましょう。」

「それでは It's show time ! 」

マギマギ!!

怪人二面相が奇妙な呪文を唱えると、
怪人二面相の両手から不思議な光が放たれた。

そして、その光が収束したとき、
怪人二面相の両手には金塊が握られていたのだ。

以上である。

247 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/16(木) 01:45 [ 65Om7zko ]
「所長、どうします?!
衆人環視の中で金塊を瞬間移動ですよ?!
あ?!もしかしてQ極魔法って、
テレポやデジョンの応用なんでしょうか?!
それとも、いま流行のサイキッカードレスアップとか?!」
「ワトソン君、世の中に不思議な事なんて、何もナイのだよ。」

「はぁ?」
「ワトソン君、物質は急に消えたり現れたりはしない。
怪人二面相は金塊が移動したかのように魅せただけなのだよ。」

「え?!所長、真相がわかったのですか?」
「もちろんなのだよ。
ワトソン君、君も考えてみたまえ。ヒントは3つ。」

1.怪人二面相は港区に現れた(移動していない)。
2.最初、怪人二面相のカバンの中に金塊は無かった。
3.ムーンクリスタルパワーメイクアップ。

248 名前: 空に奏でる君の歌45 投稿日: 2003/10/16(木) 04:51 [ RSAyVE0A ]
眠れないのにもうすぐ朝です。困ったな。
ところで、にゅうにゅうの作者さんは京極読者ですか。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

249 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 07:41 [ i50jzPbs ]
三番目のヒントがわからない…。

恐らく競売場を利用したのかと

250 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 08:47 [ mwHfhLIk ]
その場で合成したんじゃないのかにゃ?<金塊

251 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 08:48 [ V7/5ZdI. ]
>>241
わしはリノナノ過去編も好きなのだが。

「つまらん」だけでは批評として最低レベルだぞ。馬鹿でも言える。

252 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 10:01 [ Y4chuOlM ]
あの3人をジュノへ連れていく話の中の、
リノナノの台詞「効率よく仲間を殺せ!」。
この過去編のリノナノがそのまま獣使いとして成長しても
こんな台詞は吐かないよねぇ。

過去編は、あのままでは終らない、もう一波乱はある!と思う。
今はその波乱のための準備じゃないかな。
だから、結論はまだ早いと思われ >>241

と、めちゃ期待してしまっている読者がここに一人…。

253 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 10:19 [ xYa0P6YA ]
>>247
思いつくのは、石の区の競売所で金塊を購入し、その上のタルさんに
テレポしてもらって港区に移動なのだけど
>1.怪人二面相は港区に現れた(移動していない)。
>2.最初、怪人二面相のカバンの中に金塊は無かった。
と書いてあるので金塊購入後、タルさんテレポ移動ではないっぽい。

>怪人二面相の両手から不思議な光が放たれた。
この表現が思いっきり合成っぽいと思う。あと光と表現されているので
獣人金貨をつかった炎クリの合成ではなく雷クリの分解だと思う。

>怪人二面相の両手には金塊が握られていたのだ。
両手と書いてあるので金塊は2個の可能性がありそう。
分解で2個でそうなのは、金塊2個で合成できるゴールドピアスとかかな?

>3.ムーンクリスタルパワーメイクアップ。
これは14歳なのに金のピアスをしてコスプレする少女のセリフなので…

254 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 10:25 [ xYa0P6YA ]
A:怪人二面相は自分の装備しているゴールドピアスを分解して、
 2個のゴールドインゴットが出た。と推理してみる。

ただこれだと、
>遠く離れた競売所からこの場所まで、金塊を瞬間移動してみせましょう。
というセリフなので競売履歴からゴールドインゴットの履歴が減っていないと
いけないので、その方法が思いつかないや…

名探偵コ○ンなら毎週みてるのになぁ、難しいや。

255 名前: 妄想戦記書いてる人 投稿日: 2003/10/16(木) 11:59 [ 9TvOF6hU ]
実はカバンが金でできて(ry

推理のレベルにも達していない妄想はさておき。
まとめサイトの雑談板にあぷるるさんが戻られましたよ。
(知ってる人多いと思うけど念のため)

256 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 13:13 [ reaDeVbY ]
単に分解だろう
競売所のは二面相なだけに相方が購入したとか

257 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 14:39 [ 1kT8IQJc ]
>>237
おお、こんどはミュミの過去かー。
登場人物の背景を固めつつ、だんだん現在に近づいていくのかなあ。
これは大きな物語になりそう。

258 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/16(木) 17:45 [ VBKS1stM ]
タルタル戦士の続きまだかなー、闇を〜の作者さんも新作ださないかなー。
名無しの話も期待待ち。

あと欲をいえば、細い兄弟・・・・・・

259 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/17(金) 02:03 [ 65Om7zko ]
[ マリーにおまかせ! 盗まれた金塊? 解決編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「赤貝はいらんかね?今が旬だよ。」

今は寿司屋で花板などをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿である。
その正体は・・・。

「探しましたよ、所長!なに遊んでるんですか?
もう大変なんですよ、所長?!」
「ワトソン君、静かに。
そんなに騒いだら、ネタが起きるじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そして、この者は吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、所長!例の件、ウラが取れました!」
「ほぉ。そうか。スジは確かなのだね?」

260 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/17(金) 02:04 [ 65Om7zko ]
「はい。情報提供者は事件記者のチャボ。
その場に野次馬として居合わせたそうです。」
「む?アイツか・・・。まあ、いい。それで?」

「はい。怪人二面相のカバンの中身ですが、
最初、確かに金塊は入っていなかったそうですが、
金貨が数枚、カバンの底に入っていたそうです。
それと、クリスタルも。」
「ふむ。やはりなのだよ。」

怪人二面相はクリスタルのパワーを利用して、
金貨を金塊へと精錬したのである。
冒険者の間では合成と呼ばれる手法であり、
怪人二面相の両手から放たれた不思議な光とは、
この過程におけるクリスタルのパワーによるものである。

そして怪人二面相は、
精錬した金塊をあたかも競売所より
瞬間移動させたかのように振舞ったのだ。

まさに自作自演なのである。

「しかし、所長。なぜ、怪人二面相はそんな事をしたんですか?」
「これは、陽動作戦なのだよ。」

261 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/17(金) 02:19 [ 65Om7zko ]
「え?」
「ワトソン君。君はなぜ、ヤツが怪人二面相と
呼ばれているのか知っているかね?」

「あ、はい。二つの顔を持つからだと・・・。」
「そうなのだよ。ヤツは二つの顔、
つまり二人で一人の怪人なのだよ。」

「え?!それじゃあ!」
「うむ。片方が囮となって、競売所の所員と有志を港区に集める。
そしてもう片方が、手薄になった競売所から金塊を盗む。
おそらく、このような算段なのだよ。
それにこの算段ならば、囮はショウを演じただけなので、
タネを明かすだけで、易々と所員と有志の手から逃れられるのだよ。」

「なんてこった!」
「むははは。怪人二面相、相手として不足なしなのだよ。」

「ところで、所長・・・。
先程から気になっていたんですが・・・。」
「む?何かね?」

262 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/17(金) 02:21 [ 65Om7zko ]
「オマエの持ってるソレ!
どうみても、洗濯洗剤の計量カップじゃん!
そんなもので寿司を握るな!バカ!」
「バ、バカとはなんだ!
これは吾輩の家に伝わる伝統の握りなのだ!
それを貴様は愚弄する気か!この痴れ者め!」

「オマエこそ、寿司を愚弄すんな!
この、ちび、ちび、ち〜び!」
「む〜!この、ハゲ、ハゲ、ハ〜ゲ!」

「うるさい!ちび!」
「黙れ!ハゲ!」

この世に争いある限り、吾輩の仕事は無くならないのだ。
だがしかし、どんな謎も事件も吾輩が、見事解決してみせよう。

マリーにおまかせ!

263 名前: 0/0 投稿日: 2003/10/17(金) 02:22 [ 65Om7zko ]
>248 Si. 京極は狂骨まで読みました。
>250 >253 >256 Bravo !!!

264 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 02:28 [ LZQEt/yg ]
カザムで買ったとかw

265 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 02:30 [ LZQEt/yg ]
俺何時間リロードしてなかったんだよ・・・_| ̄|●

266 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 05:22 [ mzRDkJ0c ]
テンプレの倉庫更新されないんですね
もうあのまま放置なのかな・・・
タル戦まとめて一気に読み直したいんだけどな・・

267 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 06:20 [ dR.NxFuw ]
>>264-265
自分的にこっちの方が禿ワロタw
GJ!!

268 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:22 [ 5lCvsFXw ]
「名無しの話」の12 −陰謀−

深夜。星明かりの荒野。
人目を避け、密談する影が二つ。
「先方はアレをいたくお気に召したようでな。このような逸品は初めてだと大喜びだ」
「あたりまえだ。俺の目に狂いはない」
彼ら以外、周囲に人影は無い。
それでも低く押し殺した声で話してる。
「それでだ、次回は直に取引したいと言ってきた。万が一にも他に渡る可能性を排除したいらしい」
「依頼人と顔をあわせるのは好きじゃないんだがな…」
「そう言うな。同程度の品ならば、十倍の値で買い取ると言っている」
「ほう」
少し驚いたような声。
「頼めるかな?」
「いいだろう、引き受けよう」
声には己の技量への自信の現れが感じられる。
「では…」
「ああ…」
やや間があり
「よろしくね〜!」
「まかせてっ!」
そして、緑の帽子の小さな丸い影は互いに両手を振り合いながら、それぞれ別な方向へと別れた。

269 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:28 [ 5lCvsFXw ]
いくらかの時間がたち…。
ボコリ
二人が密談していた場所の地面が割れ、でっかい手が突き出る。
最初に右手。次に左手。
そして、やっぱりでっかい頭が出てくる。
キョロキョロと周囲を見回す。
人がいないのを確認して、一気に這い出す。
現れたのは、土にまみれた黒ずくめの巨大な影。
正装に身を包んだガルカの忍。
「くくく、さすがのタルタルシーフ共も我が土遁の術には気付きもせぬか。所詮、我ら紅忍軍の敵ではないわ。その品横取りしてくれる。ふっふっふっ…はっはっはっは…あーっはっはっはっ!」
分厚い胸をそり返らせて笑うガル忍。
「わぁーっはっはっはっはっ!」
ひたすら笑う。
夜空に野太い笑いが響き渡る。
少しして。
ドドドド…。
なにやら地響き。
「はっはっは…ん?」
それに気づいて笑いを止めるガル忍。
ドドドドド…。
土煙を上げて走ってくるものがある。
それは、夜の夜中に大声で笑う安眠妨害のバカヤロをぶっちめちゃる、とお怒りモードのトリ・イヌ・カメの三種混合団体様のご到着。

270 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:29 [ 5lCvsFXw ]
「うきゃー」
情けない悲鳴と共に、必殺技を発動するガル忍。
ちゅど〜ん!
それは深夜の荒野に不釣り合いな爆発音。

翌深夜。
塀の裏。路地の隅。
闇から闇へ、素早く、静かに。
その動きは星明かりさえ避けるよう。
敷き詰められた石畳を、足音さえなく走るのは小さなタルタル。
「どーみても目立つね」
と笑われようと
「ぽんぽん冷えない?」
と心配されようと
「この服はシーフの証!」
と胸を張り
「殺っタル!盗っタル!」
の熱い思いとともに、日夜がんばるタルタルのシーフ。

271 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:31 [ 5lCvsFXw ]
梢の先。屋根の上。
闇から闇へ、素早く、静かに。
その動きは星明かりさえ照らせない。
敷き詰められた瓦を、足音さえなく走るのは小さなタルタルと細長いエルヴァーン。
闇に溶け込む正装に身を包んだタルタルとエルヴァーンの忍。
「ちょ、センパイ早いっスよ〜」
屋根の上でへたり込むエル忍。
「馬鹿者。声が大きい」
怒るタル忍。
「そんなに早いと追いつけないっスよ」
「急がないと見失うだろう!」
ポコン
ちょっと飛び上がってエル忍の頭を叩くタル忍。
もちろん、着地の時にも音は立てない。
「あ〜暴力反対〜」
大げさに頭をかばうエル忍。
「…まったく、何故貴様のような新参と組まねばならぬのか。頭領の考えは判らぬ…」
頭を振るタル忍。
「だってしょうがないっスよ。下忍は俺たち二人しかいないんスから」
「このような任務は拙者一人で充分だ」
「ん〜、センパイだけじゃ無理だと思ったんじゃないスか〜?」
「…」
「あ、早く行きましょうよセンパイ。見失っちゃいますよ」
「…」
「ところで、今日はなに盗るんスか?」
「…」
怒っていいのか泣いていいのか判らないタル忍だった。

272 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:32 [ 5lCvsFXw ]
見上げる先には大きな建物。
タルシーフは一度この建物に挑み、貴重なレアアイテムの奪取に成功した。
その功績は、一部の人々の間でタルシーフの名を頂点にまで高めた。
そして今夜、再び挑む。
部屋の位置。アイテムの隠し場所。
確かな筋から事前の情報はもらってる。

建物の周囲に見回りはいない。
入り口にも見張りはいない。
けど油断はできない。
素早く正面の入り口へと張り付く。
深夜でも出入りのある建物だから、扉に鍵はかかってない。
蝶番や合わせ。扉の動くところ、こすれるところ全てに油を注ぐ。
多すぎてはいけない。
進入を気づかれず、それでいて、きしみが消えるぐらいという量が難しい。
耳をそばだてる。
扉の内に人の気配はない。
そっと、ほんの少し扉を開く。
きしみはない。
やはり、人の気配はない。
素早く、最小限の動きで扉の内へと入る。
少し広い空間。
すぐ脇に階段がある。目的の部屋は最上階。
気配に注意しながら、階段を上がる。
幸運にも出歩く人影は無かった。
廊下へ出て、扉の数を数える。
ここだ。

273 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:34 [ 5lCvsFXw ]
耳をそばだてる。
中に人がいる。
けど、寝てる。
安らかに寝てるらしい、やわらかな気配。
油断しきってる。
さっきと同じように、扉へ油を注ぐ。
内鍵は、用意した道具で簡単に外れた。
素早く入り込む。
気づかれた様子はない。
ここまでは順調。
問題はこれからだ。

明かりのない真っ暗な部屋。
気配は確かに寝てる。
物入れから火種入れを取り出す。
フタを一瞬開き、閉じる。
その瞬間のわずかな灯りで、部屋の内を見取る。
寝ているのは窓側。
目的の品の隠されている棚は壁側。
位置は情報通り。
そろりと移動する。
やわらかく、音を立てず。
猫足という歩き方。
だからといってミスラが得意かどうかは…タルシーフは知らない。
そろりと引き出しに手を伸ばす。
罠はないはず…。
まずは、一番下の段。
前はここに隠されていた。
取っ手の感触に違和感はない。
音を立てないように、そっと引く。
寝ている気配を確認してから、再度火種入れを使う。
あった!

274 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:35 [ 5lCvsFXw ]
一瞬の灯りの下、引き出しの内にずらりと並んだアイテムの数々。
タルシーフの鋭い目は、その中に目的のアイテムがあるのも見逃さなかった。
それを盗ろうと手を伸ばした瞬間!
部屋の空気が動いた。
一瞬の判断で、アイテムを掴み、身をひねる。
直後、
ビュッ!
タルシーフのいた空間を固い物が薙ぐ音。
「!」
アイテムを物入れへ納め、同時に短剣を抜く。
窓が開かれ、部屋に星明かりが入ってる。
低く身構えるタルシーフの前に立つのは黒ずくめの小さな影。
そして窓枠には、やはり黒ずくめの細長い影がしゃがんでる。
正装に身を包んだタルタルの忍とエルヴァーンの忍だ。
「タル忍…」
見知った相手。
とはいっても、今は敵…のよう。
「その品、こちらへ渡してもらいたい」
腰を落とし刀を脇に構えたまま、低く言うタル忍。
やはり、狙いは同じ。
「悪いな、これはもう俺の物だ」
「拒否するならば、力尽くもあり得るぞ」
ジリ…
にじり足で距離を詰めるタル忍。
「やれるものなら、やってみな」
ニヤリ
余裕を見せるタルシーフ。

275 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:36 [ 5lCvsFXw ]
「後悔するぞ」
「さあ、それはどうかな?」
タルシーフとタル忍。
奇しくも敵として出会った二人の視線が激しくぶつかる。
ジリジリと距離を詰める二人。
すでに双方の間合いに入ってる。
そして!
「よこせ!」
ポコン!
「いてっ」
タルシーフへ一撃を加えるタル忍。
「よこせ、よこせ、よこせ!」
ポコポコポコン!
さらに叩くタル忍。
「やだっ!」
パカン!
「ミィッ」
反撃するタルシーフ。
「やだやだやだ!」
パカパカパカン!
さらに反撃するタルシーフ。
「よこせっ」
「やだっ」
「いるのっ」
「わたさないっ」
「ほしいのっ」
「あげないっ」
「ちょうだいっ」
「だめっ」
「やー」
「たー」
ポコポコパカパカと激しい乱打戦を繰り広げるタル忍とタルシーフ。

276 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:38 [ 5lCvsFXw ]
「ちょ、なにやってんスかセンパイ」
我慢できなくなったのはエル忍だった。
「そんなタル一匹、ちゃっちゃと殺っちゃって盗っちゃって帰りましょうよぉ」
窓枠から降りる。真下へと。
「あ、バカ!」
タル忍が止める間もない。
ドスッ
「ふぐゅっ」
エル忍の足の下で変な感触と変な声。
「え?え?」
凍りついてるタル忍タルシーフと自分の足元を交互に見るエル忍。
つい踏みにじってしまい
「ぐぎゅむぅ〜」
さらに嫌な声。
やわらかくて、安定しない足元。
「な、なんスか、これ」
ふわふわした厚みのある布の下に、さらに何かがある。
いや、いる。
「馬鹿者、早く降りろ!」
「へ?」
エル忍は、部屋の内を正確につかんでなかった。まともに見てさえいなかった。
窓の下にベッドがある事も。
そこに部屋の主が寝てる事も。
ブワサッ!
「のわっ!?」
布団ごとはね飛ばされるエル忍。
ゴロゴロとタル忍たちの方へと転がる。
「あててて…」
頭をさすりながら起きあがったエル忍が見たのは、背に怒りの轟炎を燃え上がらせて、ゆ〜っくりと立ち上がる若いエルヴァーンの娘だった。

277 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:51 [ 5lCvsFXw ]
その瞳は闇にもギラギラと輝き、髪は炎のように天を向いて揺らめいている。
まるで「怒髪天を衝く」という伝説のように。
手には剣がある。
優秀な騎士はいつ何時たりとも剣を手放さないという。
そう言う意味では、彼女は優秀な騎士だった。
ピンクのパジャマが可愛いけど。
「きぃ〜さぁ〜まぁ〜らぁ〜」
闇の王の足の下から聞こえてきそうな不気味な声と共に
ジャラリリリ…
ヤスリでこすり上げる様な音を立てて剣が鞘から抜かれる。
ズシッ…
ズシッ…
重々しい足音と共に迫るエル騎士。
その迫力は、船上でタコと見つめ合うよりも怖い。
(どうしよう)
(ここは協力して)
目配せし合うタルシーフとタル忍。
しかし。
「えーと、んーと…」
一人混乱してるエル忍。
「逃げなきゃ、逃げよう、逃げるには…そうだ!」
こういう時のための必殺技をエル忍は思い出した。
素早く印を組み、呪を唱える。
「ちょっとまてー!」
気づいたタル忍が止めようとした時は遅かった。
「必殺!微塵がくれの術!!」

278 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:52 [ 5lCvsFXw ]
ちゅどーん!!

部屋の中での爆発は、威力が倍加する。
バキャッ グワッシャーン
弾ける扉、砕けるガラス。
「「キャー」」
その他諸々と共に窓から吹っ飛ぶタル忍とタルシーフ。
瞬間!
シパッ
かろうじて窓枠に掴まるタルシーフ。
しかし、伸ばした手はタル忍には届かなかった。
「タル忍ちゃん!」
「タルシーフちゃ〜ん…」
悲しそうな声と共に飛ばされてくタル忍。
ヒュルルル〜
と宙を飛び
ボミュン
と壁で弾け
ブミョン ブミョン パミョン
と地面で弾け
ドプン
と池に沈む。
少しあって
プカ…
まるまっちいお尻が水面に浮かんで、ちょっぴりラブリー。
一方、ガチャガチャになってしまったエル騎士の部屋。
真っ黒焦げになったエル忍が
ジワジワジワ…
這って逃げようとしてる。
ガシッ
その目の前に突き刺さる剣。
「…」
そー…っと見上げるエル忍。
その先にはプスプスと煙を上げてるエル騎士。
茶色く焦げたパジャマで。
「あはは、アフロっスか。似合いますよ〜」
「遺言は…それだけか…」

「みぎょぇ〜〜…‥」
深夜の町にエル忍の悲鳴が響き渡った。

279 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:54 [ 5lCvsFXw ]
殴る。殴る殴る、盾で殴り倒す。
蹴る。蹴る蹴る、とにかく蹴り倒す。
今日のエル騎士はと〜っても機嫌が悪い。
リンクしてしまった獣人達を相手に、一言もしゃべらず、殴り倒して蹴り倒す。
剣を抜きもしてないのがさらに怖い。
その背後で、円陣組んでしゃがみ込んでるヒュム戦たち。
「…こわいの…」
「…おこってる…」
と小さい身体をさらに小さくしてるタル白タル黒。
「昨日、宿にドロボウが入ったって?」
とヒュム戦。
「爆弾つかわれて、部屋が吹っ飛んだにゃ」
小声で説明するミスラ。
「んー物騒な世の中だぁ」
首をすくめるガル戦。
「なにかとられたのー?」
「おかねー?」
聞かれて首を振るミスラ。
「被害はわからないにゃ」
部屋がグチャグチャになったから。
「でも、お気に入りのパジャマが焦げたらしいにゃ」
「「「「「…」」」」」
キリキリキリとエル騎士を振り返る五人。
ちょうど最後の獣人が殴り倒されたところ。
グリグリグリと向き直り、顔を寄せ合う。
「それは怖い…」
ヒュム戦の言葉に、みんな無言でうなずいた。

280 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 08:57 [ 5lCvsFXw ]
いくらかの時間がたち…。
ボコボコ
二人が密談していた場所の地面が割れ、這い出てきたのは黒ずくめの巨大な影と細長い影。
土にまみれたガル忍とエル忍。
「くくく、やはり我が土遁の術には気付かぬか。シーフなど忍の敵ではないわ。はっはっはっは、あーっはっはっはっ!」
分厚い胸をそり返らせて笑うガル忍。
「…楽しいっスか?頭領」
沈んだ声のエル忍。
よく見れば、その全身は包帯でグルグル巻き。
もちろん、忍だから黒い包帯。
「馬鹿者!ここで笑わなければどこで笑う」
横取りに失敗して、エル忍重傷、タル忍は行方不明。
良いところが全然無い。
「…センパイ、どこ行っちゃったスかねぇ」
「知らん!影に生きる者の末路は野垂れ死にと決まっておる!川底にでも沈んでおるのだろう!」
明快に言い切るガル忍。
「…そうなンすか?」
「さあ、笑え!無敵の土遁の術の勝利祝いだ!わぁーっはっはっはっはっ!」
豪快に笑うガル忍。
なんか、無理矢理。
「あはははは…」
弱々しく笑うエル忍。
と、その肩が叩かれる。
「はい?」
振り向くエル忍。
そこには。

281 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 09:05 [ 5lCvsFXw ]
ピクピクピク
いつのまにか、額に血管浮かべた怒りの団体様が到着してた。
「「うきゃ〜」」
ちゅどど〜ん!
今日は二連発。

「あ、またやってる」
「やってるねー」
闇に派手な爆炎を遠くに眺めながら、チーズを摘んでる小さな影が二つ。
「必殺技だもんね」
「自分にね」
「そうそう」
うなずき合う二人。
「助けなくていいの?」
「耐えてこそ忍。忍んでこそ忍。時に見捨てるもまた忍」
「?よくわかんない」
「僕も」
言ってる本人も判ってないらしい。
「おまたせー」
そこへもう一人、小さな影。
「わたしてきたよー」
「ごくろうさまー」
「おつかれー」
座り込む影へと、チーズやソーセージの載った盆をよせる影。
「それじゃ、取引の成功を祝って」
「「「かんぱーい」」」
オレンジジュースの注がれたカップを合わせる三人。
全身黒ずくめの小さな影と、緑の帽子の小さな影たちの祝いは明るく続いた。

「名無しの話」の12  −おわり−

282 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 09:06 [ 5lCvsFXw ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
もう聞き飽きたでしょうが…長いです。
これでも減量しました。
登場人物も減らしました。
まるで小錦の減量の様です。
どこが減ったんだか…。

283 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 09:18 [ 5lCvsFXw ]
きゃ〜!!
ごめんなさい、ごめんなさい、ほんっとにごめんなさい!!
>279 と >280 の間が飛んでます。
書込がうまくできなくて気があせりました。

下が間に入ります

279.5

そして、その日の深夜。
「にゃっ」
と手を挙げるシッポのある影。
「やあ」
と挨拶を返す小さな影。
「どうだったにゃ」
「ばっちり」
「それはよかったにゃ」
「これ情報料ね」
黄金色の硬貨が何枚か、小さな影から手渡される。
「?少し多いにゃ」
「高く売れたからね」
「ありがたく頂くにゃ」
「じゃ、またよろしく」
「こちらこそにゃ」
会話を手短にすませて別な方向へと別れるシッポのある影と小さな影。

284 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/10/17(金) 09:21 [ 5lCvsFXw ]
うう…錆びたサブリガ磨いて反省します…。

285 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 09:30 [ 2t./LLiI ]
名無しの話キターーーーーーー・・・ってあ、あれ?

286 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 09:34 [ 2t./LLiI ]
>>283
あ、納得

287 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 15:58 [ wQrZvug6 ]
エルナのシールドバッシュは、バボッ!って音がする。
強靭でしなやかな体躯から生み出されるその音は、
まるで、突風が突き抜ける時のようだと思う。

サンドにナイト士官学校があって、
がんばってがんばってそこに入学した1人のタルナがいて。
いつも泣きそうな顔をしてる。

みんながバボッ!バボッ!ってしてる中で
自分だけ、ごちん…、ごちん…って。

「ごちん、でもいいじゃん」慰めてくれる人がいて、
「体がちっちぇーからなwww」と笑う人がいて、
いつも夜になると泣きながら、壁に向かって一人で。

ごちん…、ごちん…。今日も泣きながら。

288 名前: 続・名無しさん 投稿日: 2003/10/17(金) 15:59 [ wQrZvug6 ]
コンシュを通った時、
みるからに倉庫キャラのヒュムが、裸同然でひょこひょこ歩いてた。

[Ghostはファイガを唱えた]

本人は気付いてない。
タルナはそれに気付いた。止めないと、あの人は、死ぬ。

走った。だって自分が止めないと死ぬから。
涙が出てきた、どうせ、ごちん、だから。
とまらないかも、とまらないかも、とまらないよ。
そう思うと、なんでか、涙がボロボロ。
コンシュを、泣きながら走る、タルナ一人。なんて変な絵。

ごちん!

目をつぶって、顔を涙でぐしゃぐしゃにして、楯を突き出した。
涙の向こうに、ゆらゆらと見えた。

[Ghostは詠唱を中断した]

と…とまった……。

倉庫ヒュムは気付かない。そのままパシュハウに消えていった。

289 名前: 続々・名無しさん(完) 投稿日: 2003/10/17(金) 16:00 [ wQrZvug6 ]
夜のサンドリアに音がする。

ごちん…、ごちん…。
ごちん…、ごちん…。
今日は胸をはって。

ごちん。

---
すいませんageちゃいましたTT

290 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/18(土) 03:34 [ /UcyAX3s ]
新章 第7話 新装開店クエスト屋

〜ル・ルデの庭〜

いつもシャウトの飛び交う街、ジュノ。
その最上階にあるル・ルデの庭のベンチに
いつも腰をかけている少年がいる。
名前はサランドラマ。
種族、ヒューム♂、ジョブ、モンク。
ただいま現役の冒険者。
しかし、それは表の顔。
その真の姿とは…
代々伝わる「クエスト屋」の6代目である。
そう、彼は今日も己のため、クエストのために
ベンチで待ち続けている。
いつもと変わらない日々。
そんな彼の新たな物語は、今始まろうとしていた。

291 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/18(土) 03:45 [ /UcyAX3s ]
「くそ…今日も客が来ねぇ…」
飽き飽きした表情を浮かべながら、ベンチに寝そべる。
「まだ見つからないの?お仕事」
と、彼に近づいてきたのはモンクのヒューム♀。
「前はたくさん来てくれたのにね、お客さん」
「ふん、それは親父と兄貴がやってた頃だろ?
 俺様が見よう見まねで開いたクエスト屋なんぞ、
 最初から人気があるわけ無いさ」
すっかりやる気をなくした彼に、
ヒューム♀も飽き飽きと言った表情。
「そんなこと言ってたら、あの時のサラちゃんに戻っちゃうよ?」
「俺様のことはサラマと呼べ」
「はいはい。じゃあ私のことも名前で読んでくれる?」
「…ハズキだろ?」
「うん、よろしい」
満面の笑顔を浮かべながらベンチに座るハズキ。
そしてむすっとしているサラマの肩に寄りかかった。
「私も一緒に待ってあげようか?」
「ふん、俺様一人で十分だ」
「フフフ、本当は寂しかったくせに」
「寂しくなんか無い…」
と、そこへ二人のヒューム忍者がやってきた。

292 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/18(土) 03:58 [ /UcyAX3s ]
忍者は一度お辞儀をしてから口を開いた。
「サランドラマ様ですね。私の名はツクヨ。
 こちらは妹のアサヒと言います」
「…用件は?」
表情を変えずに聞き返すサラマ。
ツクヨと名乗った忍者は1枚のSSを手渡した。
「この男の捜索を依頼したいのです。
 名前はコルティア・ランティス」
「コルティア…あの侍か」
「はい、受けていただけますか?」
「…単刀直入だな」
「はい、ここでやる気を見せていただきたい。
 やる気の無いものに頼んでも結果は期待できないですからね」
「わかった、受けよう」
「ありがとうございます。
 これは連絡先です。何か分かったら伝えるように」
と、忍者二人は1枚の紙を手渡して去って行った。
「何アレ?感じ悪いね」
横で口出しせずに見ていたハズキがサラマに言う。
「仕事だ…」
「え?」
「ついに仕事が来た…!」
「え?コレがはじめてのクエスト?」
「ぃよっしゃー!」
シャウトをもかき消す怒声がジュノ中に響いた。

293 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/18(土) 04:10 [ /UcyAX3s ]
「あーあ、一足遅かったかぁ…」
「仕方が無い、他の人に頼もう」
と、遠くで聞こえる会話を彼は聞き逃さなかった。
サラマはすかさずその声の主目掛けて走り出した。
「ちょっとー!そこの黒魔と白魔ー!」
「「?」」
飛び込むサラマを難なく回避する二人。
サラマはというと、庭の花壇に埋もれていた。
すかさずハヅキが足をつかんで引き上げる。
すっかりよろよろの状態でサラマは問い詰めた。
「…用件は?」
その威圧感に圧倒され、少し下がる黒魔。
白魔は1枚の写真を取り出し…
「この男の捜索を頼みたい。
 名前はコルティア・ランティス。
 世界的にも有名な侍だ」
と、ボロボロのサラマに写真を手渡しながら言う。
「コルティアって、さっきの忍」
ここまで言いかけてはっと口を押さえるハヅキ。
プライバシーを守るため、クエストの他言は厳禁。
バーニンレオ家の決まりだった。
サラマがいつもと同じ表情に戻る。
そして、一言
「わかった、受けよう」

294 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/18(土) 04:20 [ /UcyAX3s ]
〜夕方、ル・ルデの庭〜

「運が良かったね!ターゲットが同じなんてそんなに無いことよ」
「ああ…」
「何よ!もーちょっとは嬉しそうな顔しなさい!」
クエストを受けたのにもかかわらず、冷め切っているサラマ。
それを見て苛立たしく思うハヅキ。
ため息を一度るいてからサラマが口を開いた。
「俺…怖いんだ」
「え?」
「俺…さっきの連中のクエスト、ちゃんとコンプ出来るかな…」
「大丈夫よ!お父さんにもお兄さんにも出来たんだから!
 サラマが出来ないはず無いよ!」
いつになく不安げなサラマをハヅキが励ます。
「ふ…親父か…兄貴か…
 そう、俺はいつも親の七光を浴びながら生きてきた…
 何の苦労も、何の努力も知らないこの俺が…
 このクエストをやり遂げることが出来るのか…」
「何よ!その言い草は!」
どんどんへこんで行くサラマを怒鳴りつけるハヅキ。

295 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/18(土) 04:30 [ /UcyAX3s ]
「何が苦労を知らない!?
 何で努力を知らないになるのよ!?
 確かにクエスト屋の名声がジュノ中に広がってるのは
 あなたじゃなくて、お父さん達のおかげかもしれない。
 でも、あなたのモンクAFはあなたの力で得たものでしょう!?」
「ハヅキ…」
「わかった!サラマが投げ出さないように、
 この私が見張っておくから!
 もし投げ出したらあばら骨の4本は覚悟しなさい!」
「それはちょっと…」
「いいわね!返事は!?」
「…はい」
「よろしい!」
ハヅキは手に息を吹きかけ、サラマの背中を平手で叩いた。
バシーンと、その音もまたジュノに響き渡る。
そして…
「痛ぇーーー!」
と、いうサラマの叫びも…

(新章)サラマの章 第8話に続く…

早速ですが訂正です。
ヒューム♀の名前は「ハヅキ」です。
所々「ハズキ」になってしまっているところがありますので、
脳内変換でお願いします。

296 名前: 君と見つけた空 投稿日: 2003/10/18(土) 12:27 [ 2EY4w/9I ]
何度も足を運んでいただいて、ありがとうございます。
五話です。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

297 名前: 新月0時に秘密の場所 七日月 投稿日: 2003/10/19(日) 03:43 [ jSFaZOLI ]
-タロンギ

「うわー首長いなー、背高いなー」
「む、ワシの事か?」

古い鎧と白髪を携えたエルヴァーンと
その後ろを走るタルタル2人

「違うよ!あのダルメルだよ!」
「ウィンダスのものより迫力がありますね」
「なんじゃ、さっきはワシにびっくりしとったのに」
「もう浮気とは淋しいのぉ…」
「いや、それは…じぃちゃんだってアイツに負けないくらい長いって!」
「モンスターと間違えましたもんね」
「…淋しいのぉ」

夕暮れの暗がり、岩の影に隠れたエルヴァーンはヤグードに見えて
2人は思わず武器を構えた

298 名前: 2/5 投稿日: 2003/10/19(日) 03:48 [ jSFaZOLI ]
「おじいさんはタロンギで何をなさっているのですか?」
「うむ、ワシはな、旅をしながら本を書いているのである」
「どんな本?」
「うーむ、絵の無い…絵本じゃな」
「絵の無い?…まぁいいや、後で読ませてくれよな!」
「いいじゃろう、しかーし!タダでは…だめじゃのぉ〜ぅ」
「うっ!なんだよ…」
「ワシの取材に協力してもらうぞ!」
『!?』
「…取材の協力とは何をすればいいのですか?」
「ふっふっふ、ちょっとしたゲームじゃよ」
「もったいぶるなよ!」
「うむ、ダルメルの頭にはな、黄色い毛が生えておる」
「それを”協力”して手に入れてくるのじゃぁ!!」

真っ赤に焼けた夕日と、雪の様に舞う砂はダルメルを霞めて
2人には一層大きく見えていた

299 名前: 3/5 投稿日: 2003/10/19(日) 03:50 [ jSFaZOLI ]
「本日最初の作戦はどうします?」
「よし!エイト、ダルメルの頭にエアロを撃とう!…そして逃げる」
「…随分大胆にきましたね」
「ほら、行くぞ!」
「えっ!あっ!ちょっ…」

答えは1つ、試した作戦は10以上
解けないゲームに嘘も1つ
…ニヤリと笑う老エルヴァーンも1人

「ライム、正攻法で行きましょうか…」
「!?」
「他の冒険者に手伝ってもらって、ダルメルを倒すんです」
「…バカッ!なんで早く教えてくれなかったんだよ!」
「…彼らと釣り合う力が無かったのですが、今なら補助くらいできるかと思いまして」
「そっか、よし、声かけて助けてもらおう」

右往左往している間にできた顔見知り
2人では無く多勢の”協力”
見つかった答えと見つからない…?

300 名前: 4/5 投稿日: 2003/10/19(日) 03:51 [ jSFaZOLI ]
「なんだよ!毛なんて無かったぞ!」
「うむ、嘘じゃ!すまん!!」
「むむむ!?」
「どうして嘘を?」
「うーむ、土地に不釣合いな力量で先へ進もうとしているお前達が心配での」
「どうじゃ?この辺の敵なら大分、楽に戦えるようになったじゃろ?」
「う、うん、そりゃあ…」
「…ワシの孫は遊びで遠くまで出てしまってな…目が見えなくなったんでの」
「え?」
「放っておけなかったんじゃ、ここより先に行くのじゃろ?」
「う、うん…友達が喋れなくなったから、ジュノに薬を貰いに行くんだ」
「そうか、ワシと似たようなものじゃな、声をかけてよかったわい…」

焚き火の灯の傍、静かな表情でペンを取るエルヴァーン
ゆらぐ空気のせいで、少し笑っている様にも見えた

「ふぅ、完成じゃ」
「ゲームはワシの勝ちじゃから見せてはやれんぞ…恥ずかしいんでの」
「明日はお別れじゃな、もう寝よう」

301 名前: 5/5 投稿日: 2003/10/19(日) 03:54 [ jSFaZOLI ]
本を見せてもらうのが目的だったけど
途中から忘れてたよ
お陰で1つ強くなれたし、人がたくさんいると
2人でできない事も出来るってわかった

旅をしていると惹かれあうのかもしれないね
似たような境遇の人や自分を成長させてくれる人に

ダルメルには悪いことしたなぁ
ふてくされてヤケ食いしてるみたい
パパカ草じゃ足りなくて月まで食べちゃったのかな
頭のてっぺんまで登ったら手が届きそう

タルタルと月とダルメルヴァーン 七日月

                       つづく

302 名前: 6/5 投稿日: 2003/10/19(日) 03:56 [ jSFaZOLI ]
前のカキコより600レスも空いてしまいましたが
しっかり完結させようと思いますので
引き続きよろしくおねがいします(`・ω・´)

303 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 07:21 [ iJZV2Fis ]
前の話ってどんな話だったっけ?

・・・ああ、見てくりゃいいのか・・・
スマソ(・ω・)

304 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/19(日) 08:49 [ uj.hijag ]
ミュミ編後編。

>>227-235  に前編があります。

つまらないと思う方、多々いらっしゃると思います。
すみませんがつまらない方々は『雪の彼方』と言う文字を見つけましたら
目を閉じていただけると助かります。スレ消費失礼します。

305 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/19(日) 08:54 [ uj.hijag ]
雪の彼方   <ミュミ過去編後編>

ミュミは孤児の住む家に預けられているはずだったが、
そこで暮らしていはいなかった。
ガルカやヒュムの子供らに意地悪されたり尻尾を引っ張られる事に耐えかねて、
裏路地で寝る道を選んだ。
必殺ミスラパンチという攻撃力のない技で、
ミミズをしとめ鉱石を売りその日の飢えをしのいでいた。
ミュミはリノナノをお兄ちゃんといってしたった。
リノナノはうっとおしいと思いはしたが、振り払う事もしなかった。
本当はイロイロな戦い方やら生き方を教えてやってもイイのかもしれないが、
本人が望んでいないのにあえてそちらの道を示すのもどうかと思い
必要以上の接触はしなかった。
ミュミはリノナノに様々な話をし、リノナノはただ聴いた。
明るく元気なミュミとタルタルの組み合わせは
バストゥークで不思議な組み合わせだった。

306 名前: 2 投稿日: 2003/10/19(日) 08:57 [ uj.hijag ]
時間がゆったりとすぎてゆく。
リノナノは一日の狩りを終えダングルフの枯れ谷から帰宅しようとすると、
グスタベルグの硫黄の匂いのする温泉地帯にミュミはいた。
歯を喰い縛り、ミスラパンチを繰り出しながらカニの攻撃を喰らう。
ミュミの実力では、ギリギリという所だ。
拳が甲羅に傷がついている。
名を呼べないもどかしさを感じながらリノナノはミュミの視界に入った。
パンチパンチパンチパンチ。
シザーガード
パンチパンチパンチパンチ
激しい攻防ののち、カニはふしゅう〜と倒れた。
ミュミはカクンとひざまずく。
――おいおい、怪我でもしたのか?
リノナノが慌てて駈け寄ると、ミュミはフミャアアアアアアアと泣き出した。
リノナノはミュミの体を見る。
手足ともに擦り傷打撲はあるが、骨折等してる様子はない。
「みゅ、みいいいいいいいこあかった、こわかったにゃぁぁああ」
リノナノは泣く子には勝てないというように、
ペタンと座り込んだミュミの頭を撫でる。

307 名前: 3 投稿日: 2003/10/19(日) 09:00 [ uj.hijag ]
その手に安心したためか、さらに大きな声でミュミは泣き出す。
「みゃああああああ、もおぃやあぁぁにゃぁ、帰るにゃあああ」
叫ぶミュミに苦笑し、リノナノはミュミの手を引き立たせようとする。
がミュミはイヤイヤというように立ち上がらなかった。
―帰るんだろう?
とリノナノがミュミの顔を覗き込むと、
ミュミはブンブンと首を横に振った。
――お前の実力じゃここは無理だ。
話せないリノナノはミュミの手を強く引くが、
ミュミはそれでもイヤイヤというように駄々をこねた。
「あの、ね。ひっく。指輪、落とした、にゃ。
首にかけてた、にゃ、指輪」
しゃくりあげながら、ミュミはリノナノに説明をした。
そういえば、ミュミは出会った頃から首に光るものをかけていた。
「ミミズと戦ってたら、ひっく、亀がどあわわわってきてにゃ、
あわてて、っくん、逃げたにゃ、そしたらこんな所で、
どこかわからなくて、ゴブリンとカニがにゃあああ、ひっく」
恐怖を思い出したのか大きな瞳から涙がまたあふれた。
「お金、欲しくてひっく、がんばってたらにゃ、
こんな、で、指輪なくって…見つからなくってにゃああああ」

308 名前: 4 投稿日: 2003/10/19(日) 09:04 [ uj.hijag ]
リノナノは困った。
本当に困った。
女の泣き顔も、子供の泣き顔も苦手だ。
ああゆうものは、笑ってる位の方がいい。
仕方なく自分の鞄を覗き込む。
自分の食料に持ち歩いていた最期のベークドポポトを焼いてやる。
甘い菓子の持ち合わせがあればいいのだろうが…
魔道師を辞めてそれらはリノナノのバックから消えていた。
熱々のポポト芋を、ミュミの前に差し出す。
「食べて、いいにゃ?」
おなかも減っていたのだろう。
リノナノが頷くとミュミはハフハフガツガツと食べた。
同時に涙も引っ込んでくれたようだった。
よかった、とリノナノは安堵した。
ずっとずっと泣かれたら、リノナノの方が困る。

309 名前: 5 投稿日: 2003/10/19(日) 09:09 [ uj.hijag ]
食べ終わるのを見計らい、ミュミの好きなオレンジジュースを渡す。
これで機嫌は完璧のはずだ。
さあ帰ろうとリノナノが歩き出そうとすると、
ミュミはその場から動かなかった。
「指輪、捜すにゃ」
強情な口調はまるでリノナノ自身が意地を張っている時のようで…
その意志を折るのは難しそうだとリノナノは思った。
ミュミは屈みこんで長い尻尾を振りながら、暖かいお湯の中に指をいれて捜す。
あたりはすでに夜―。
リノナノは吐息をついて荷物をおき、大地を見た。
指輪を捜すために。

深夜。
ゴブリンに絡まれたといっては戦い、
亀に見つかったといっては戦う。
まだ少女ともいえるミュミには恐怖もあるだろうし、
疲れもあったのだろう。
10匹目の亀を撃退した瞬間、ミュミはへたり込んで泣き出してしまった。
「もうやにゃ、みつからないにゃ、
父さんと母さんの指輪はもうなくなっちゃったにゃああああああああ!」
悲痛な叫びにリノナノは吐息をつき、ミュミの脇に立つ。
「もういやにゃあああ、
父さんと母さんの所に行くにゃぁ!一人はいやにゃアア」

310 名前: 6 投稿日: 2003/10/19(日) 09:12 [ uj.hijag ]
地面にうずくまるようにしてミュミは大泣きする。
耳に痛い、悲痛な声で泣く。
少女の悲鳴のような泣き声にリノナノは歯を食いしばった。
ミュミは普段よく笑うひとなつこいミスラだった。
ミスラパンチで何とか生計を立てられる強い子だった。
周囲に仲間がいなくても、それでもがんばれたのはきっと
両親の指輪という心のささえがあったからだろう。
それを失い崩れた姿は、リノナノには痛いものだった。
「こんな所嫌いにゃ、いやにゃ!!
もう、やあぁ、いやああああにゃああ」
悲鳴のような泣き声。
リノナノが目を閉じ苦しそうに唇を開く。
「もういやにゃああぁァッ」
咽喉を絞るように…呟く。
「―――泣、くなっ」
リノナノの口から言葉がこぼれおちた。
ビクン!!
ミュミの体が、固まる。
低い、苦しそうにかすれた声でリノナノは言う。
「泣くな…」
小さなタルタルの手が乱暴にミュミの頭を撫でる。
その声にミュミの涙は引っ込んでしまった。

311 名前: 7 投稿日: 2003/10/19(日) 09:14 [ uj.hijag ]
「お話し、してくれる、にゃ?」
「………ぁ」
リノナノは自分でもビックリして、唇に指を当てた。
「すごいにゃ、お話してくれるにゃ、お友達にゃ!!」
泣いたミスラが一瞬で笑みに変わる。
子供はわけがわからない。
ミュミはリノナノの身体を抱き上げるようにぎゅっと抱きしめる。
「抱きしめるなあああああ!」
リノナノの絶叫を無視し、
ミュミはきゅううっとリノナノを抱きしめた。

それから、ミュミとリノナノは指輪を捜しながら話をした。
ミュミの親のこと、今の生活の事。
リノナノは適当に相槌を打つだけだったか、
ミュミにはそれで十分だった。
話し掛ければ、答えてくれる人がいる。
ミュミにはそれだけで、よかった。

312 名前: 8 投稿日: 2003/10/19(日) 09:17 [ uj.hijag ]
翌朝、グスタベルグの渇いた地に朝日が昇る頃
指輪は見つからず、帰途についた。
「また、探しにこよう」
というリノナノにミュミは大きく頷いた。
が――
バストゥークまであとちょっとというところの岩陰に
きらっと光るものがあった。
「うにゃ?」
リノナノは屈みこんで拾う。
そこには、銀のチェーンのついた指輪が落ちていた。

「声が戻ったのか」
広場で偶然出会ったガーディは嬉しそうにいった。
リノナノは少してれているのか、
いつもにもましてぶっきらぼうだった。
「ああ。迷惑かけたな」
「いや。迷惑だと思ったら、拾ってこないさ」
ガーディははじめて聴くリノナノの声に耳を傾ける。
「ガーディ。この国では友人、多いんだろ?」
「ああ」
「悪いんだが、このチビ面倒見てやってくれないか」
そういって手を引いてミュミを引き合わせる。

313 名前: 9 投稿日: 2003/10/19(日) 09:20 [ uj.hijag ]
「公共機関は…」
ガーディの言葉をリノナノはさえぎる。
「この国じゃ子ミスラは辛いだけだ。
いつかウィンダスに連れて行ってやりたいが…
俺も今すぐウィンダスに行くのはちょっとな」
複雑すぎる心中。
声を失い出て行った国に戻るには、もう少し心の整理が必要だった。
「ふむ。どうするのがベストだと?」
「ミュミが生きていけるように
レンタルハウスを借りてやってもらえないか?
生活の手段は俺が教える」
「わかった…」
ガーディはガルカ特有の悲しげな表情でリノナノを見る。
リノナノはその目に顔をあげ言葉をうながす。
「その、な。北に…―いくのか?」

314 名前: 10 投稿日: 2003/10/19(日) 09:22 [ uj.hijag ]
ガーディは悩みながら問う。
魔法の詠唱が出来ればキャンプも難しくはない。
ただ、アレからすでに2月もたってしまった。
その時間はたぶん、取り返しがつかない。
わずかな希望を完全に断つには十分な時間だった。
足止めしたガーディをリノナノがうらんでいてもしかたがないとも思う。
リノナノは天を見あげた。
鉱山区で空を見上げながら
リノナノはずっとぼんやり考えていた。
ここの国には青い空と白い雲がある。
ミウをはぐくんだ、渇いた大地がある。
死ぬなと、ミウはリノナノに言った。
何度も、何度も。
それはきっと…。
「生きろって…いわれたの、思い出したからな」
リノナノは苦く呟いて、目を伏せた。
あの吹雪のなかで、ひたすらにたくされた思いがあった。
生きて何が見つかるとも思えないが、
ミウの望みはかなえなきゃいけない気がした。
大切な仲間との、約束だったから。
リノナノの片耳には、双子石のピアスがはめられていた。

315 名前: 11 投稿日: 2003/10/19(日) 09:24 [ uj.hijag ]
<おまけ>

「何でミュミはそんなにお金が必要だったんだ?」
リノナノはミュミのレンタルハウスで問い掛けた。
お金が必要で無茶して戦っていたと、ミュミはいっていた。
何故?
「うにゃ。リノナノに美味しいものイーパイもらったから、
お礼にミュミが一番好きなのリノナノに食べさせたかったにゃン。
この辺にいないお魚だから高いにゃ」
そういって皿に乗せて差し出すのはイエローグローブ。
「これ、喰え、と?」
ひくひく、リノナノの唇が凍る。
おまけに、フレッシュ生ぴちぴち。
「美味しいにゃンw」
ミュミのお日様のような笑みにリノナノは渇いた笑いを漏らした。
「―――逝けるかもしれねぇなぁ」
その呟きは、空に消えた。

イエローグローブ=猛毒で知られる魚 毒素の元

END

316 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/19(日) 09:27 [ uj.hijag ]

読んでくださった方、
応援と励ましをくださった方に感謝を。
わずかでも楽しんでいただければ幸いです。

317 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 10:35 [ scOiUmuU ]
とりあえずもっと自信を持て。
お前さんにはその資格がある。

318 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 11:23 [ yt9LBCuw ]
お、続ききてるな。いいぞ!

319 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 11:36 [ KijoH1Po ]
>雪の彼方の作者氏

自分は語彙が少ないので良かったとしか言えないけど
続きを楽しみにしてます。がんばってください。

ちょっと泣きました。

320 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 11:39 [ inyb8yw6 ]
>316

ガンガレ

321 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 19:19 [ 3X2UHEsg ]
>>316
GJ
俺に言えるのはこの一言だけだ

322 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 19:33 [ QAUayqaY ]
パパさん元気にしてるのかなぁ・・・

323 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 19:51 [ TkyL6RRY ]
>>268-283
遅レスですまんが、今読んだので。
相変わらず良い味を出しているタルタルたちですね。
「よろしくね〜!」「まかせてっ!」
のやりとりに、やっぱ名無しさんのタルタルだわ、と思わずにんまり。
ガル忍の伏線そう来ますかwwwやられましたwww

324 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/19(日) 19:58 [ cRW6BTaI ]
イイネ言い値

325 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 00:51 [ 0T1HL8Ok ]
パパさんもだけど、トッパも元気にしてるかなあ…。
オットーは相変わらずうじうじしてるのかなあ…(ρ_;)

326 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:23 [ Vkkcw.iE ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十一話 黒の衝撃

―― サンドリア居住区・レンタルハウス ――

「はぁ…まったくよぉ、トッパの野郎…!水臭いったらありゃしねぇよなぁ」
剣を磨きながら、ジルパケルパがぶつくさ呟いている。
「そうだね…ちょっぴり寂しいね」
その傍らでラキは鎧の手入れをしている。
「でも、ボクはトッパの気持ち、少し分かるよ。オットーやレウ、それに
 キミにだって、これからの旅があるんだ。邪魔したくないのさ」
「そりゃ、わかってるけどよ…でもよ…」
ラキはジルパケルを見てふと思う。これといって理由はないのだが、彼は随分と成長している、と。
出会ってすぐのあの頃よりも、なんというか”大人”になったような気がする。
「俺はさ、あいつの永遠のライバルなんだからな…だからなぁ…」
何時の間にライバルになったんだろうか…?という野暮な突っ込みはこの際やめておこう。
それよりも、これからが大変だ。まずは、剣の使い方を本格的に教えなければいけない。
今まで己の肉体で戦い抜いてきたジルパケルパには、変な言い方だが、癖がついてしまっているのだ。

327 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:24 [ Vkkcw.iE ]
「っと、これでいいのかい?ピカピカだぜ?」
ジルパケルパが剣を差し出した。初めてにしては、なかなかのものである。
鍛冶の素質もあるのかもしれない。
「うん、それじゃあ…始めようか。まずは、型から教えるよ」
「おう!しっかりと頼むぜ!ラキみたいなすんげぇ騎士になるからな!」
「…うん、それじゃあいいかい?今日からボクがキミの師匠というわけだ。だから、
 この前みたいな勝手な行動はとらないこと、約束できるかい?」
「う…まだ怒ってるんだな、やっぱり…」
「…当たり前だ!全く、キミってやつは、いっつも無理無茶ばっかりなんだから…」
思い出しただけで、腹が立つと同時に、何故か赤面してしまうラキがそこにいる。
…つい最近の事である。ジルパケルパ率いる男性陣が独断で行動し、色々と事件が起こった。
通りすがりの男の助けにより、事なきを得たのだが…それ以来、ラキは少々ヒステリックである。
そして、それはまた別の、最愛の女性を失ってしまった男の物語で語られているのかもしれない。

328 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:26 [ Vkkcw.iE ]
―― サンドリア居住区・レウ宅 ――

「ね、これは何処に置いたらいいかな?」
「うーんと、そうね…そこの隅なんていいんじゃないかしら?」
「後は…何が足りないだろう?」
「そうね…食器は揃ったし、後は必要になった時に揃えたらいいのかも」
「そうだね。じゃ、とりあえずこんなものかな」
レウは新しい家で生活する為の準備を始めている。彼女の旅の終着点はここなのだ。
ここから、新しい人生が始まる。少しでもその手助けができるなら、とオットーは思う。
「ねぇ、オットー。…あなたは…その、これからどうするの?」
「うん…変な話なんだけどさ、僕には目的がないんだ。何故だかよく分からないけど…」
「オットー…あのね…いえ、なんでもないわ…」
レウは手にした骨董品の壷を見つめながら呟いた。その表情から彼女が何を言いたいのか、
今のオットーにはよく分かった。

329 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:27 [ Vkkcw.iE ]
「僕は…今まで、自分の人生とかさ、そういうのよく考えた事なかったんだ。
 なんていうか…その、考えなくてもいいような生き方をしていたんだ。全てが用意されてて、
 道も決まってたんだ。…だけど、今は違う。なんにもないんだ」
「道が…見つからないの?…私もそうなのかもしれない」
「そう、だから…もしよかったら…僕と一緒に道を探してくれないかな?…僕は、頼りない男だけど…」
オットーが全てを言い終える前に、レウの体が、オットーの胸に飛び込んでいた。
「ありがとう…オットー…私、これからどうしていいかわからなくて、それで怖くて…
 皆はちゃんと目的があって、でも…私はなんにもなくて…」
「レウ…」
やさしく、レウの頭を撫でる。さらさらとした感覚が心地よいと思った。

330 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:28 [ Vkkcw.iE ]
トッパは走る。小さな体で、精一杯走る。 その先に、何かすごく懐かしい人の声が聞こえるから。
次にイメージに浮かぶのは大きな樹。大きいってもんじゃあない。
なんだっけ、なんとかの大樹っていうんだ。そこで、ふと気づく。あ〜。またこの夢か、と。
「待って、いかないで!!」 「ボクを置いて行かないで!」
そうそう、そろそろ目が覚める頃かなぁ…?
「…帰っておいで…」
「…もし……なったら…ね?」
「…だから泣かないで…トッパ」
大丈夫さ、多分知ってる優しい人、オイラはもう泣かないさ…
…そこで、暗転。辺りは暗闇に包まれる。
(…え?な、なんだ…)
…ぼんやりとしていた、その夢は突然リアルで生生しい物となる。
トッパは、立っていた。深い深い、暗闇の中に。
(なんだ…こりゃ一体…!?…いつもとちが…)

331 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:29 [ Vkkcw.iE ]
「…いつもってなんだい?」
(誰だ!?目の前にいるのか!?)
「何を恐れているんだい?」
声を出そうとしても、声にならない。その形容し難い何かが、トッパの前に迫る。
(…!!)
そいつは、何処かで見たことがあるような、何か懐かしいような…よくわからない。
…それが、忌むべき存在であるという、直感。それだけが、何となく分かった。

332 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:30 [ Vkkcw.iE ]
―― ラテーヌ高原 ――

「うわぁぁぁ!」
突如、がばっと、トッパが起き上がる。
「…どうしたのですか?」
その大声に安眠を妨げられた、その巨漢に似合わない丁寧な物腰のガルカが
目をこすりながらトッパに問いかけた。
「い、いや…なんでもないさ。起こしちゃって悪かったな…」
「ちょっと〜。なんなのよ、全く…睡眠不足はお肌の大敵ってこと、知らないの!?」
同じく、横で眠っていたエルヴァーンの女がトッパをキッと睨んでいる。
「わりぃ、ちょいと変な夢見ちまってよ」
「変な夢…ですか?それは面白そうですね。よければ教えてもらえませんか?
 よい詩が出来るかもしれませんね」

333 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:31 [ Vkkcw.iE ]
そのガルカは詩人だった。名はゼヴェン。その横で手鏡を除いているエルヴァーンの女戦士はセラフィー。
訳あって、この三人はパーティーを組み、ウィンダスを目指しているのである。
「はいはい、詩なんていいから、もう一眠りしましょ。まだ太陽が昇ってないんだらか…ふぁぁ〜」
そう言って、セラフィーは再び眠り込んでしまった。
「そうですね…それでは私も一眠り、と…」
ゼヴェンも同じく、静かに眠りについた。


辺りはまだ暗闇に包まれている。夢を思い出す…体の震えが止まらない。
(…一体なんなんだ、あれは…?)
トッパは空を見上げた。いつもは美しいと思える夜空が、とてもとても不気味な物に見えた。
                                       

                                        続く

334 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 02:58 [ dAc8rjzA ]
おろろ、FFログアウトして寝よと思ったら

キテルーーじゃありませんか。
新展開始まりましたな。

335 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 03:11 [ ylrn2uSg ]
おお
タル戦キテターーーーーーーーーー!!
オットー達とは別れちゃったのね・・・
続きが気になるー

336 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 04:12 [ xKwQFzLI ]
タル戦キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━ !!

タル戦、雪の彼方、空に奏でる、白き探求者。
毎回楽しみに読ませて頂いております。
マターリペースでガンガッテくださいな。

337 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 10:03 [ 2t./LLiI ]
タル戦キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

338 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 11:06 [ BL7xZZN6 ]
通りすがりの男の助け・・・
最愛の女性を失ってしまった男の物語・・・

両手剣勇者様リタ━━(゚∀゚)━━ン?????

339 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 12:28 [ QI1SmDwY ]
>最愛の女性を失ってしまった男の物語

…ん?…あれ?邪推しすぎ?

340 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 13:00 [ xYa0P6YA ]
>最愛の女性を失ってしまった男の物語

これって、サブリガの人かと思うんだけど。

341 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 14:13 [ GBx6VEDo ]
20鯖で最愛の女性とおぼしき人がいたぞ。暗黒騎士だったがw

342 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 16:12 [ 4RpohT2M ]
    _  
  / /|) 先生、ガルカの昔話の続きが読みたいです…
  | ̄|   
/ /

343 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 16:16 [ GBx6VEDo ]
細い兄弟あげ

344 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 19:42 [ euaa3ivk ]
きゃー。タル戦第二章突入ってカンジですか?

345 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 19:43 [ o9hyuI/M ]
おおタル戦だー、うれしー!

346 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/20(月) 19:58 [ o9hyuI/M ]
リノナノもきてるじゃん!
しゃーわせすぎ・・・
おまけにちょっとぐっときた

347 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 00:27 [ 3X2UHEsg ]
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ
タル戦キテタ━━━━━━━━━━━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━━━━━━━━━━━!!!!
パパさんエクセレント(´_ゝ`)b

348 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 01:36 [ ylrn2uSg ]
話し途中で続き書かれなくなってる作品結構多いね・・・

349 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 01:51 [ /Gxgvuzw ]
ノシ 四ヶ月ほど放置してる気がします先生!
_| ̄|○わかってるんだから書けよ俺…

350 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/10/21(火) 02:13 [ Vkkcw.iE ]
サブリガな人との繋がりいれてみますた。折角出してもらったわけですし( ´∀`)
こーいうのも楽しいもんでつね(;´Д⊂

あ、あとどーでも(・∀・)イイ!!ことですが。
…最近、エル♀(・∀・)!!に目覚めてしまいますた( ´∀`)

351 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 02:56 [ RLJrIxUc ]
白き探求者キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

352 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 03:10 [ Jrfr4DgY ]
>>350
パパさん、言い難いのですが第五十話・・・?

    _  
  / /|) 保存してるので気になってしまいました。
  | ̄|   
/ /

353 名前: 空に奏でる君の歌47 投稿日: 2003/10/21(火) 06:07 [ 3KrtsUWk ]
ヽ(´ー`)ノ
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

354 名前: 闇を背負う者(仮題)の作者 投稿日: 2003/10/21(火) 09:32 [ GBx6VEDo ]
>>350
うはwwwwwwwww もったいないお言葉wwwwwwwwwwwwwww
パパさん、私の駄文におつきあいいただいてありがとうございます。
・・・まさかとは思いましたが、パパさん直々に説明してもらえるとは・・・・
あれだ、草野球やってるところにバース様が来て打席に入ってくれたみたいな気持ちw
ありがとう! パパさん。

闇を〜の前に少し書き込んで放置したままになってる話の続きを書こうかどうし
ようか思案中。

355 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 10:15 [ ENteeAdM ]
いいね〜ここにある様な冒険がしたかった;;

356 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 10:20 [ Iy0XzJTU ]
「空に〜」更新お疲れ様です。いつも楽しみにしておりますです。

357 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 10:26 [ p4AYrq/I ]
うはwタル戦キテターーーーーーーーーww

白き探求者も?

これから仕事の隙みてチェックw

358 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 11:21 [ VpRjAZxI ]
リノナノ、タル戦、空に、白き…
キタキタキター!!(・∀・)
どーしよう、漏れしゃーわせ・・・w

359 名前: こんなの書いてみたー 投稿日: 2003/10/21(火) 11:39 [ ENteeAdM ]
「我が盾は錆びず」
隠居を考える今日この頃...
若き日の冒険を思い出しす事があり
ここに書き記す...

ジャグナー:ダボイ近郊

「..長!こっちのは....息があ....す
....他には....りません」

私が目を覚ました時最初に聞いた会話はこんな
物だった。
家業である商家のキャラバンに同行しジュノを
目指していた我々一行は、ジャグナーでオーク族の
襲撃を受けてしまったのだ。
当時子供だった私はこの襲撃で父と兄を失った。
高い料金を支払って雇っていた王立騎士団出身という
護衛の一団は我先に逃げ出し、荷を満載した馬車と非戦闘員の
我々は蹂躙されてしまった。
私はまだ運が良かったのだと思う。サンドリアでも有数の
商家であった我が家に対しての配慮とジュノ駐在大使付き武官
とその手勢の暇を解消する良い機会としてくり出された一団は
惨劇に遭遇する事になった。
--続きマス--

360 名前: こんなの書いてみたー 投稿日: 2003/10/21(火) 11:40 [ ENteeAdM ]
「我が盾は錆びず」
彼等のちょっとした散歩気分は散乱する荷物と死体によって
木っ端微塵と吹き飛んだ。
ショック状態の私を座らせ、色々と世話を焼きサンドリアまで
送ってくれた人物が王国では日の目を浴びにくい戦士団を率いる
カリウス男爵であることなど、当時の私には解るはずも無かった。

国に戻った私は父とわが子を失って意気消沈した母と帰らぬ兄の
事を聞き返す妹の相手をしてした。さぞかしふ抜けた少年だったろう。
我が家を心配した叔父が客人を伴って現れたのは、そんな夏の終わりだった。
見知った叔父は良いとして、成人のエルバーンにしては小柄で老人かと
見間違えそうな白髪、厳しい顔つきに極めつけは左目の黒い眼帯という
商家の客人に全くそぐわない人物に使用人達が慌てていた事を
今でも覚えている。私も玄関口で出迎えた時には、命の恩人である事を
咄嗟に思い出す事が出来なかった位だ。
-続きマス--

361 名前: こんなの書いてみたー 投稿日: 2003/10/21(火) 11:41 [ ENteeAdM ]
「我が盾は錆びず」
叔父は早々に母と大事な話しがあるといって、応接間に消えてしまい
私はこの厳めしい客人と二人で相対する事になった。
彼は、少しばかり腰を屈めて私を品定めしてから口を開いた。
「体つきは問題が無いようじゃの。どうだ坊主、王国戦士団幼年兵にならぬか?」
サンドリア王国に留まらず年頃の少年達はクリスタル戦争時の英雄達の物語に
憧れていた訳であるし、私は未だ消えぬ外敵の脅威を身を以て体験している。
少年を口説く事等雑作もなかった事だろう。母の説得の為にやってきた叔父が
飽きれるくらいに私の志願は決まっていた。
--とかこんなのどうかなぁ?--

362 名前: 1 投稿日: 2003/10/21(火) 13:20 [ VpRjAZxI ]
お目汚し失礼します。こんなテイストの話でもよいものでしょうか…
----------------------------------------------------------------
ゆらゆらと蜃気楼が立つ。
砂は風に流されて波のような紋様を描きながら足元を流れていく。
踏みしめればさらさらと崩れる頼り無い感触に、急速に奪われる体力を感じながらも
唇を噛みしめて歩いてゆく。
あの丘に昇れば、夕日が見えるだろうか。
わたしは、間に合うだろうか。
埃を含んだ薄茶色の汗が、ぽたりと足元に落ちた。

もう進めないのだと。
これ以上強くなることは出来ないのだと。
そういって泣き出しそうな顔で寂しそうに笑った、小さな影。
いくじなしだと。なじった。
男らしくないと。噛み付いた。
それでも彼は困ったように微笑むだけで、
ただそこに、二度と二人で肩を並べて歩くことはないのだという事実だけが
ひえびえと横たわっていた。

363 名前: 2 投稿日: 2003/10/21(火) 13:22 [ VpRjAZxI ]
気付かなかった。彼の苦しみも、何も。
「もうこれ以上、誰かの命を背負って戦い続けることは、僕には出来ない。」
わたしの目をまっすぐにみて、彼はそういった
「誰かが倒れるだろ。その人はいうんだ。逃げろって。
見えない視界で僕を探して、血まみれの指で僕をさしてそういうんだ。
踵を返して走り出す後ろで、誰かが傷付いてる。誰かが倒れる。
わかっているんだ。僕は白だから。生きなきゃいけない。だけど僕は神じゃない。
…もう、僕は進めない。これ以上、一歩も。」

くりかえされる戦いの日々の中で、生と死は限り無く近付き、
再生と消滅は区別がつかない。
とりわけ前線で剣をふるうものには。
そんな日々の中で彼の小さな柔らかい心が少しづつ傷つけられていることも。
気付かなかった。何も。そのことがただ、悔しかった。

364 名前: 3 投稿日: 2003/10/21(火) 13:24 [ VpRjAZxI ]
赤くなる。世界が。
のぼり切った砂の丘の上で見る世界は、ただ静かで、風の音だけが耳もとを通り過ぎる。
今夜のうちに会わなければ、もうヤンニは行ってしまうだろうと、分かっているのに
もう一歩も進めそうにない。疲れているのは身体じゃない。心だ。
ジェイは肩で息をしながら、どさりと砂の上に腰をおろす。
汗に濡れた鎧をのろのろと脱ぎ、抱え込んだ膝の間から落ちる日を見ていた。

目的地は目と鼻の先で、そこには小さな相棒がまっている。
「ここの静かで何もないところが好きなんだ。」
二人で並んで釣り糸を垂れた、辺境のオアシス。
ヤンニは最後の日、そこで待っているといった。
目と鼻の先。だけどどうしても、進むことが出来ない。
笑って送ることが、できそうにもなくて。

365 名前: 4 投稿日: 2003/10/21(火) 13:26 [ VpRjAZxI ]
ぐすんと鼻をすすり上げた瞬間、後頭部に衝撃が走る。
血の気が一気に引く。反射的に立ち上がって向き直れば、
緑色の小さな生き物が全身の棘を逆立てて手を振り上げている。
すこしだけ、笑った。
この世界に満ちる憎しみと敵対の歴史を、今ほど滑稽に思うことはない。
戦うことしか、選べなかった。そのことを今ほど悲しく思うことはない。
戦い続ければ、いつか変えられると思っていた。
歪んだ正義も、間違った教義も、この哀しい世界も。
だけど、ひとりではもう、世界を変えることも出来ない。ひとりでは、もう。
剣も抜かずに、ジェイはただ立ち尽くしていた。

366 名前: 5 投稿日: 2003/10/21(火) 13:27 [ VpRjAZxI ]
「なにやってんだよ!」
少年のような、声。必死で走ってくる、小さな影。
「ジェイ!剣を抜くんだよ!」
そう言いながらヤンニは立ち止まる。
その小さな両の手から、きらきらと光が立ちのぼり、わたしを癒す。
思わぬ闖入者に、わたしに攻撃を仕掛けていた緑の手を止めて、異形の怪物は
そろりと小さな影に向き直った。
ほぼ反射的に剣を抜いて挑発をうつわたしをヤンニが不思議な色の瞳で見ている。
「無理だ!にげよう!」
一瞬の静かな時間のあと、もういちどわたしに回復の光を投げかけて、
そう言って、弾かれたように踵を返す後ろ姿を、わたしは無意識に追いかけた。

367 名前: 6 投稿日: 2003/10/21(火) 13:28 [ VpRjAZxI ]
はあはあと息を切らせて飛び込んだ街の入り口で、
ヤンニはちょこんと座り込んで、俯いたまま言った。
「もう。ジェイは最後まで手がかかるんだからな。」と。
その声は笑いを含んでいて、そのことがまた、わたしの心を締め付ける。
黙り込んだままのわたしをちらっと上目で見てヤンニは笑う。
「戦士なんだからフィールドで鎧を脱ぐなよ。」
わたしはただバカみたいにぼんやりと突っ立って、そんな彼を見ていた。

「さよなら。」
そう言ってヤンニは手をふった。
一言も喋らないわたしを困ったように見上げて、ヤンニは続ける。
「生きるんだよ。ジェイ。死ぬんじゃないぞ。」
さも、重大な令のように、眉をひそめて、瞳を覗き込んで最後に彼はそう言った。

368 名前: 7 投稿日: 2003/10/21(火) 13:29 [ VpRjAZxI ]
そんなこと、言わないで。
旅から消えるお前が、相棒を捨てるお前が、そんなこと、言わないで。
標を失って、それでもただこの命を紡げと?
それほどの価値が、この命にあると?

何も言えなかった。
多分泣きそうなのを必死でこらえたみっともない表情をしているわたしに、
何度も見た優しい微笑みだけ投げかけて、
踵を返して去っていく小さな背中に、わたしはやっとのことでちいさく答えた。
「さようなら。」
さようなら、ヤンニ。いままで、ありがとう。
そう伝えるつもりだったのに、それ以上、言葉はでなかった。
涙が、出そうだったから。
小さな影は、振り向かなかった。

369 名前: 1〜7 投稿日: 2003/10/21(火) 13:31 [ VpRjAZxI ]
話には聞いていましたが文字数制限キツー(´Д⊂)
ちょっとした小咄のようなものですが、
ここ以外あげるところがみつからなくて…
スレ消費すいませんでした。

370 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 14:06 [ IKnDDSM6 ]
白き探求者は話に引き込まれて読んでいたが最近の話は
やけに説明っぽいところが多い気がする
タル戦は面白いけど久しぶりすぎて登場人物を忘れてしまった

371 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 15:13 [ Ki3RZzB2 ]
アプルル氏忙しそうだからなぁ
アプルル氏のサイト以降でまとまってない話をまとめたサイトでも開こうか?
過去ログ漁るのが結構マンドクセーが

皆さん手持ちでまとめてあるの有ったらきぼんぬぅ

372 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 17:28 [ Ki3RZzB2 ]
かちゅじゃ過去ログ漁れなかった…
既に断念…ごめんよぉ…

373 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/21(火) 18:24 [ Sk6PJxyw ]
>>359-361
題材は興味深いけど、なんか読み辛い。
改行が短かったり長かったりするせいもあるけど、一文の内容が
ちょっと多すぎて整理しながら読まなくてはならないせいかも。

374 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/22(水) 14:24 [ Y9LSlrtI ]
雪の彼方 <リュート編前編>

好きだった人がいた。
たぶん淡い初恋。
今思うと笑っちゃうような勘違いぶりだった。
初恋は実らない。
誰かが言った言葉がある。
それが本当だとしたら、みんな一度はふられた経験があるということ。
神様は残酷だ。


それはまだリュートが14歳の頃
二つ年上だったリノナノは、耳の院をスキップをして
かつ主席で卒業したという話だった。
リュートは歌を生業にしていた父親に様々な土地に連れて行かれ、
さまざまな所で謳っていたけれど。
みんな幼いエルヴァーンがバードとして謳うのが珍しかったから
お金を投げてくれていた。

375 名前: 2 投稿日: 2003/10/22(水) 14:28 [ Y9LSlrtI ]
ある日リュートは風邪をひいて、咽喉をいためて。
でも、仕事があって。
もう謳えないといってリュートは父親と喧嘩した。
天の塔の近くでぼんやりたたずんでいたリュートに
リノナノはどうしたと声をかけてくれた。
かすれた声で、謳えないというと、バードであることを悟ってくれて
ちょっと待っていろといって、甘い蜂蜜の小ビンをくれた。
リュートは嬉しかった。
甘い蜜は、咽喉を潤しその日の舞台は無事終わった。
それからリノナノは舞台を聴きにきては蜂蜜の小ビンを置いていってくれて
そのたびリュートの小さな胸は高鳴った。
話してゆくうちに親しくなって、リュートは好きになっていった。
ウィンダスで最期の舞台の日。
歌を聴きにきていたリノナノにリュートは
ありったけの思いを込めて告白をした。
「あなたが好きです。お嫁さんにしてください」
馬鹿げた話だと今ならわかるけれど、当時は真剣だった。

376 名前: 3 投稿日: 2003/10/22(水) 14:31 [ Y9LSlrtI ]
リノナノは面食らったような顔をして、苦笑した。
「俺は生涯結婚はしない。
魔戦隊に所属になっていつ死ぬかわからない身だ。
嫁さん泣かせるわけにはいかないから、
お嬢さんはもっと素敵なエルヴァーンと恋愛しなさい」
小さな身体でかっこつけるようにリノナノは言った。
リュートは真赤な顔でリノナノの頬を叩いた。
大勢の前でふられて、頭に血が上っていたリュートは叫んだ。
「あなたなんか大っ嫌い!!!!」
幼い、思い出。
渡された蜂蜜は苦く感じた。
そのまま何日も死んじゃうほど泣いた。
もう二度と誰かを好きになるものかって思った。

父親は旅の酒場で歌うバードだったけれど、リュートは戦闘庸兵詩人になった。
父親とそりが合わなかったから、独立したのはリュートの意思だった。
長い年月がすぎて、リュートはもう二度と誰も好きにならないと
心に誓っていたのに…。

377 名前: 4 投稿日: 2003/10/22(水) 14:33 [ Y9LSlrtI ]
ある日のダボイ。
パーティーで庸兵として歌を謳っていた。
みんな身勝手で、リュートは指を弾く竪琴が
こんな奴らのために消費されている事に胸糞悪くなっていた。
庸兵詩人はお金は儲かるけれど…誰よりも忙しく、
誰よりも気を使い、歌が遅いと減給だと怒鳴られる。
それでいて、みんなろくに歌なんか聴いていない。
戦闘が一段楽して、休憩を入れもう一働きしたら帰ろうか、という時間。
みんなが座って休んでいる時に、リュートは魔道士のためにバラードを歌っていた。
すると、脇のパーティーのタルタルから拍手が鳴った。
驚いてリュートは振り返る。
「オークの巣のバラードか」
「いい曲だな」
「悪くない」
そこには、昔リュートをふったタルタル族のリノナノと、
ガルカとエルヴァーンとミスラがいた。

378 名前: 5 投稿日: 2003/10/22(水) 14:41 [ Y9LSlrtI ]
遥か昔の話しだから。
恥ずかしいほどの記憶だからもう向こうは忘れているだろう。
それでもリュートがリノナノを一目でわかってしまったのは
…忘れていない証拠だった。
リュートは竪琴を抱え、優雅にリノナノ達に礼をする。
「もったいないねぇ。
こんなキレイなお嬢さんの曲は戦場ではなく酒場で聞きたいもんだ」
「確かにな。金も払っていないのに聴くのも申し訳ないな」
リュートは嬉しかった。
曲を戦闘鼓舞曲として聞き流されるのではなく、
歌として誉められたのは本当に久しぶりだ。
「ん。いい歌だ。バラードは夕暮れにぴったりだな」
リノナノが顔をあげ、リュートの顔を見る。
リュートの薄い胸は、高鳴った。
まだこんな感情を忘れていなかったのか。と自分にあきれもする。
エルヴァーンがタルタル族に恋なんて出来ない。
リュートは自分の性格が可愛げないことも知っていた。
「何やってる!戦闘はじめるぞっ。マドリガル謳え」
雇い主の言葉にリュートは口のなかで舌打ちをした。
「がんばれよ」
リノナノの言葉に、リュートは目を伏せる。
「ありがとう」
リュートは銀の髪を揺らしはにかむように微笑む。

379 名前: 6 投稿日: 2003/10/22(水) 14:44 [ Y9LSlrtI ]
ヒュ―とロストが口笛を吹き、
リノナノはロストの顎を両手棍でごすっとこずいた。
「手出しするなよ」
「ぶっきらぼうに恥らう所はかわいーじゃねーか。
好みのタイプだ」
その言葉にガーディは苦虫を噛み締めるような顔をする。
「お前の守備範囲はどれだけ広いんだ」
「なに、ガーディ興味ある?下は18から上は色気があればいくつでも。
性別女であればガルカでもおkkkkッッ」
ロストのジョークにリノナノはありえねぇと呟いた。

冒険者斡旋所
ここで仕事の仲間をそろえる。
性格はともかく仕事の腕を買われて固定でやらないかと
仲間に誘われる事もリュートは多々あったが、
そそられる事がなかったのでいつもここの世話になっていた。
その中で、クロウラーの巣の仕事がリュートの目を引いた。
「3泊の旅可能な、上級冒険者。詩人・赤魔導師どちらか1名求む。
一日1万ギル。責任者、ガーディ」
あの、軽そうなエルヴァーンはガルカナイトの事を
ガーディといっていたような気がして
リュートはそのまま斡旋所に申し込んだ。

380 名前: 7 投稿日: 2003/10/22(水) 14:49 [ Y9LSlrtI ]
初顔合わせは、詩人酒場。
リュートが行くとそこにはこの間のガルカナイトとエルヴァーン、
ミスラにリノナノがいた。
リュートは長らく忘れていた緊張感を思い出した。
「よろしくな。ああ、この間の…」
「リュートです。よろしくお願いします」
リュートの優雅な礼にミュミは酒場のカウンターにミルクを置いて、
ほわわわ〜と見あげた。
「綺麗なおねぇさんにゃ」
「背の高い女ってのもいいねぇ」
ロストが立ち上がり、リュートの手を取り手の甲にくちづけしようとする。
が、それを察知したリノナノが、片手棍で後頭部をゴッと殴った。
「わりいな。リュート。このロストってエルはちっと手癖が悪くて…。
うるさい虫でも飛んでると思って無視してやってくれ」
「なに言うんだ。リノナノ…いいか?
女性がそこにいたら口説かない方が失礼ってもんだ。
女性は場をあでやかにし、男に安らぎを与える存在だ」
「気にしなくて、いいからな」
リノナノはロスト完全無視でリュートに話しかけ、ミリオン酒を煽った。
「まぁ、そのなんだ。今回の仕事、煮詰めるか」
ガーディはぽりぽりと頬をかき、ウナギの串焼きを口に運んだ。

381 名前: 8 投稿日: 2003/10/22(水) 14:52 [ Y9LSlrtI ]
リュートは夜明けの静かな時間、ジュノ港で海を見ていた。
サラサラの銀髪を肩で揺らし、遠くを見る。
風が頬を撫でる。
恋愛なんて、忘れていた。
女としての生き方は捨てていた。
戦いの殺伐とした感覚。
余計な事を考える余裕もない、この生活が楽だった。
なのになんで、リノナノの出現でこんなに胸が熱くなるのか。
昔ふられたのに―。
それでも、どこかにあの蜂蜜の甘さが残っている気がして。
リュートは自分自身の感情を見極めたかった。


3泊のクロウラーの巣の滞在。
戦いはそれなりに苦戦もしたが、目的であるローヤルゼリーや、
おまけの蠍の甲羅など手にし、それなりに時間がすぎていった。
夜は男3人が交代で見張りに立つ。

382 名前: 9 投稿日: 2003/10/22(水) 14:55 [ Y9LSlrtI ]
ミュミは置いておいて冒険者であるリュートは見張りをできると
ガーディに言ったが、男3人はいい顔をしなかった。
ロスト曰く
「女性の素肌は、睡眠不足で荒れやすい。
こんなキレイな肌を壊すなんて俺にはとても出来ない」
ガーディ曰く
「ま、な。仲間ならともかく、
雇いの冒険者無理させるわけにもいかないしな」
リノナノ曰く
「寝ろ」
リュートはこの扱いが不満だった。
エルやガルカはともかく、
体力のないタルタル族よりはリュートはずっと頑丈なはずだ。
かばわれる事に納得いかない。
「何故!!」
というリュートにリノナノはカップを差し出した。
甘い蜂蜜のとかれた、サンドリアティ。
「バードは咽喉を大事にしろ。謳うのが仕事だろ。それ飲んで寝ろ」
そっけない、言葉。
でも渡されるカップは暖かくて…。
サンドリアティはリュートの歌いすぎた咽喉を癒した。
リノナノのぶっきらぼうな変わらぬやさしさが憎かった。
時がたつほど、思いをつのらせられる。
いっそ冷たい奴ならこんなに思いを深めたりはしないのに。

383 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/22(水) 15:01 [ Y9LSlrtI ]
今回はここまでです。次は後編になります。
どこであげちゃったのでしょう。すみません。
スレ消費失礼しました。

すべての作家さん頑張ってくださいませ。
応援いたします。
すべての応援に感謝を。

384 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/22(水) 15:46 [ 2t./LLiI ]
>>383
こんな時間に
キターーーーーー(・∀・)ーーーーーーー!!!!!!


相変わらずいいですな〜〜〜〜〜後編楽しみにしております。

385 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/22(水) 15:46 [ 0VCiloYw ]
リノナノ



キ、キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!

386 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/22(水) 16:22 [ m1n3dffU ]
リノナノ、モテモテだー!
う、うらまやしー!

387 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/22(水) 17:20 [ F8r.MVH2 ]
うおおお、雪の彼方キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

ところでタイトルは「雪の彼方」で決定なのでしょうか?
最初の仮題だったとき「雪の彼方の青い空」を略して
「雪の彼方」と呼んでるのでしょうか?

388 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/22(水) 17:31 [ Eqw.Ndu. ]
雪の彼方キチャタ━━━━━━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━━━━━━!!!!!
リノナノかっこeeeeeeeeeeeeeeeeeewwwwwwwwwwwwwwww
モテるのも不思議じゃないさwwwwwwwwwwww

389 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/22(水) 22:40 [ T7P0tqvU ]
雪の彼方キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
リノナノやっぱ(・∀・)イイ!!
後編楽しみにしてまつ(*´∀`*)

390 名前: かつて頓挫した人 投稿日: 2003/10/23(木) 00:52 [ oyi1Qd.Q ]
以前に途中で頓挫しちゃった小説を再度書きなおして、完結までストーリーは出来たんだけど
ここってミッションネタバレ内容でもいいのかな?
ありきたりな英雄物でおおまかなミッションに沿って展開するんだけど、、、

このスレ自体見るのもひさしぶりなんでその辺のことがわからないので、誰か教えてください。

391 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/10/23(木) 01:07 [ wnvhWg8A ]
>390
拙作も多分にネタバレを含んでおるわけなのですが、
スレに直接投稿してない部分で大目に見てもらっている気がします。
(拙作は個別にサイトを用意しており、更新案内のみスレに投稿しています。)
もしお話を直にスレに書かれるのであれば、ネタバレはシビアに
取り扱った方がいいのかもしれません。釘を刺すような意見で申し訳ない。
よかったら、倉庫サイトのアップロード掲示板をお借りして投稿されては
いかがでしょう?

ところで、かく言う自分も、本スレを卒業させていただくつもりでおります。
皆さん、暖かい応援、感想等ありがとうございました。
今後も自サイトの更新は続けてまいりますので、お気が向いたら
半月に一度位覗いていただけると嬉しいです。
では、一旦ROMに戻ります。どうもありがとうございました。

392 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 01:29 [ 2sAKrp5U ]
僕は、こう考えます。

僕の尺度は万国共通ではありません。
でも、万国共通の尺度なんて、どこにもありません。

だから僕は、僕の尺度で考えて行動します。
もちろん、僕の尺度は万国共通ではないので、
いろんな摩擦が生まれます。

摩擦で傷つけたり、傷ついたりします。

だから、これは僕の責任なのです。

>390 自分で考えて行動して下さい。

393 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/23(木) 01:31 [ 2sAKrp5U ]
[ マリーにおまかせ! 語る宝石 事件編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「宝石はいらんかね?おっと、琥珀と翡翠はセットなのだよ。」

今は宝石店でアルバイトなどをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「探しましたよ、所長!なに遊んでるんですか?
もう大変なんですよ、所長?!」
「ワトソン君、静かに。
そんなに騒いだら、お客がびっくりするじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そして、この者は吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、所長!事件ですよ、事件!」
「なに?どんな事件なのだね?」

「あ、はい。じつはあれこれしかじか・・・。」
「ふむ。かくかくうまうまなのだね。」

事件のあらましはこうである。

被害者は、タル田タル長。

元々は冒険者だったのだが、
合成によって富を得た成金である。
最近では高利貸しを始め、
その詐欺まがいの手口などから
多くの人から恨みを買っていたようだ。

394 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/23(木) 01:33 [ 2sAKrp5U ]
今朝、そのタル長が自宅で遺体となって発見された。
第一発見者は、タル長に雇われていたメイドのミス森ラ丸。
死亡推定時刻は昨夜、死因は脳挫傷。
遺体には鈍器のようなモノで何度も殴られた痕があり、
何者かに撲殺されたものと考えられる。

そして周囲から犯人ではないかと疑われたラ丸は、
身の潔白を示すため、ワトソンに調査を依頼したのだ。

「僕は犯人じゃないにゃ!ワトソンさん、信じてにゃ!」
「ええ。わかっていますよ、ラ丸さん。
ですから落ち着いて、昨夜の事を話して下さい。」

「わかりましたにゃ。昨夜は二人の来客が予定されていたのにゃ。」
「来客ですか?誰と誰が尋ねてくる予定だったのですか?」

「えっとにゃ。最初は聖騎士のタル智タル秀にゃ。
タル秀は、借金の返済期限延長を申し込みに来る予定だったのにゃ。」
「なるほど。では、もう一人は?」

「次は武闘家のタル臣タル吉にゃ。
タル吉は、決闘の申し込みに来る予定だったのにゃ。」
「け、決闘ですか?」

395 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/23(木) 01:35 [ 2sAKrp5U ]
「はいにゃ。タル長とタル吉は、同じ女性を巡って争っていたのにゃ。」
「なるほど。では、二人はそれぞれ、約束の時間に尋ねて来たのですか?」

「わからないにゃ。」
「え?それは、どうして?」

「僕はタル長に席を外すように指示されたのにゃ。
だから、二人が尋ねてくる前に仕事を切り上げて、
フレンド達と夜の街でハッスルしてたのにゃ。」
「はあ、そうですか。では、二人が尋ねて来たかどうかも
わからないのですね?」

「はいにゃ。あ、でも、二人には話を聞いてみたのにゃ。」
「うお!では、二人はなんと?」

「はいにゃ。二人とも『時間通りに尋ねてみたが、
タル長は留守だった。』と言ってたにゃ。」
「え?それじゃあ、昨夜は誰もタル長に会っていない?」

「ふにゃ?そうなるのかにゃ?」
「う〜ん。まいったな・・・。」

「まいってるのは、僕の方なのにゃ!ワトソンさん、助けてにゃ!」
「あ、はい。もちろんですよ。でも、手がかりが少ないなぁ・・・。
なにか、他に気付いた事とか、ありませんか?」

396 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/23(木) 01:42 [ 2sAKrp5U ]
「う〜んにゃ・・・。
にゃ!そういえば、タル長の左手に
『慰労の指輪』が握られていたのにゃ。」
「指輪ですか?それは、タル長の指輪ですか?」

「はいにゃ。タル長はいつも高そうな指輪を
指にはめて人に自慢していたのにゃ。
でもなぜか、それを左手に握っていたのにゃ。」
「どうして指輪を?う〜ん、まいったね・・・。」

「だから、まいってるのは、僕の方なのにゃ!」

以上である。

397 名前: 4/4+1 投稿日: 2003/10/23(木) 01:43 [ 2sAKrp5U ]
「所長、どうなっているんでしょうか?
タル長は、誰とも会わずに遺体となって発見されたのですか?
もしや、自殺なんでしょうか?
それと、どうして指輪を握っていたのかも謎ですよ?」
「ワトソン君、世の中に不思議な事なんて、何もナイのだよ。」

「はぁ?」
「ワトソン君、事象に矛盾が生じるのは、
そぐわぬ要素を含むからなのだよ。
それと宝石は、それぞれ意味を持つのだよ。
そうだね。例えば、ここにある琥珀には姦計、野心、
そして、この翡翠には高潔、奉仕といった意味があるのだよ。」

「えっと、所長?それはつまり、どういう意味ですか?」
「つまり、今回の事件の犯人は、既に示されたという意味なのだよ。
ワトソン君、君も考えてみたまえ。ヒントは3つ。」

1.誰かが嘘をついている。
2.指輪はダイイングメッセージ!青緑波紋疾走!!
3.所長(マリー)が説明した琥珀と翡翠の意味は大嘘。

398 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 06:54 [ komMOlsE ]
誰かが嘘をついている、と…。
嘘をついている人物…それは所長。

つまり犯人はマリうわなんだおまえぁdlごgdj;あsvdl;s

399 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 12:36 [ xYa0P6YA ]
謎なのは、ワトソンの種族がいまだに判んない…

前の話でワトソンが所長を「ちび〜」といって「ハゲ〜」といわれてたから、
ハゲヒュムかハゲガルカだとは予想できるんだけど。
見た目で面白いのは、所長ミスラで助手ガルカかな?
こっちの方が気になる。

400 名前: 君と見つけた空6 投稿日: 2003/10/23(木) 14:55 [ LB..gW4k ]
読んでいただけるたけで、感謝です。
みなさんの作品に、感動です。
六話です。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

401 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 17:02 [ Xs1Ba4m6 ]
ミスラが猫科の獣を思わせる動きでじりじりと間合いを詰める。
対するエルヴァーンは相も変わらず飄々とただ立っているだけ。
ただ時間が過ぎる。否、否、過ぎていない。時間は止まったまま、その肥大化した
時間の密度だけがミスラとそしてその光景を見守るほか無い我らガルカの周りの空間
を圧迫しているのだ。
刹那、先に動いたのはミスラ。ガルカ達の目には残像だけが見えたに違いない。
しかし次の瞬間彼らが見たものは、飄々と立っている長い首と、剣の腹で打ち据えられ、
体の自由を失ったミスラ。人を殺せるほどの憎悪の宿った目が、エルヴァーンを貫く。
「貴様! 何故殺さん!? なぶり者にする気か!? それがエルヴァーンの流儀か! 殺せ!」
だが、いつもと変わらぬ訥々とした声がそれに答えた。
「失われる命は少ない方がいい・・・」

402 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 17:10 [ j8GvxIoU ]
>二人とも『時間通りに尋ねてみたが、タル長は留守だった。』と言ってた
二人とも間違いなく訪ねたという前提だと、
先に訪ねたほうが嘘をついていて、犯人ということになる。
後に訪ねたほうが犯人なら、先に訪ねた方がタル長に会えたはずで
会えたのに会えなかったと嘘をつく必要が無いから。

ラ丸が嘘をついている可能性について。
自分が犯人あつかいされてしまう状況で、
自分の不利益になるような嘘をつくとは思えないので
ラ丸は嘘をついていないと考えられる。

二人が共犯である可能性について。
可能性はあるが、状況から判断不能。


指輪がわかんないなぁ。
慰労の指輪はターコイズリングのHQ。
ターコイズは、成功や出世などの意味を持つ。
ここまでしかわからね(´・ω・`)

403 名前: 402 投稿日: 2003/10/23(木) 17:14 [ E.D27WEI ]
あげちった。ゴメン(´・ω・`)

404 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 18:06 [ xYa0P6YA ]
>>402
本来の宝石の意味や、慰労の意味でなくて、この
>2.指輪はダイイングメッセージ!青緑波紋疾走!!
は、ジョ○ョネタみたい。

青緑波紋疾走(ターコイズブルー・オーバードライブ) 第一部で使用
呼吸ができず、呼吸法を使った波紋が打てないと思われていたが、
一瞬のひらめきにより発動させた。波紋の伝わりやすい、水中の為の技!

どっかに密室とか書いてあれば、知っているトリックは有るんですけどね…

405 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 19:14 [ fg7Sn5HM ]
なあお前ら、>>401見て何も思わないのか?

406 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 21:33 [ J47yRC0M ]
キタ━━━(´◕ฺω◕ฺ`)✪ฺД✪ฺ)◕ฺ∀◕ฺ)━━━!!

>>405
俺はたった今このスレを開いたんだよ!
来てるよぉ!!

407 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 21:55 [ ZiAnAy5s ]
>>401
え?まさか・・・・

408 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/10/23(木) 21:58 [ ay.poQDs ]
>401
【みんなでそれぞれ勝手に続きを】…という企画を
考え始めて、諦めかけていたのに…。

細い兄弟キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━!!!

409 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/23(木) 22:04 [ wnvhWg8A ]
釣られすぎだな。
なんとなく401のやり方に不快感を抱くのだが、どうでもいいことだな。

410 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/10/23(木) 22:05 [ ay.poQDs ]
>409
ものの見事に釣られますた。(´・ω・`)
でもそのくらい続きを待ってたんだよなあ…。

411 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/24(金) 02:09 [ FjraFJS2 ]
[ マリーにおまかせ! 語る宝石 解決編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「痒いところはござらんか?おっと、石鹸が目にしみたかね?」

今は銭湯で湯女などをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「探しましたよ、所長!なに遊んでるんですか?
もう大変なんですよ、所長?!」
「うるさいな、ワトソン君。ここは銭湯、声が響くのだよ。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そして、この者は吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、所長!例の事件、犯人が捕まりましたよ!」
「うむ。そうか。」

タル長を撲殺したのは、タル秀である。

タル秀は、タル長に借金の返済を迫られ、
ついカッとなって、手に持った盾でタル長を殴打。
タル長が動かなくなるまで、盾で殴り続けたという。

412 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/24(金) 02:10 [ FjraFJS2 ]
タル長は、薄れる意識の中で
自分の指輪を外し、左手に握り締めた。
それがタル長の最後の抵抗であった。

タル長の握り締めていた『慰労の指輪』には、
ターコイズという宝石がはめられていた。

ターコイズは古来より、身代わり石、
守り石と呼ばれる宝石である。
つまりタル長は、ターコイズの持つ意味によって、
犯人の職業を示したのである。

宝石は雄弁に犯人を語る。

以上である。

「でも、所長。なぜタル秀が嘘をついているとわかったのですか?」
「うむ。それは説明が面倒なので、割愛なのだよ。」

「え〜!所長、それは酷いですよ!」
「しょうがないな、ワトソン君は・・・。」

以下、解説。

もし、タル吉が嘘をついたとするならば、
タル秀はタル長に会う筈である。
となれば、タル秀の証言は嘘となり、
二人が嘘をつくことになるので、無理がある。

413 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/24(金) 02:11 [ FjraFJS2 ]
もし、ラ丸が嘘をついたとするならば、
タル秀、タル吉の証言は真実となりえるが、
ラ丸のフレンド達や夜の街は嘘となり、
これにも無理がある。

故に、タル秀が嘘をついたとすれば、
全ての証言が成り立つのである。

以上、解説。

「なるほど!納得ですよ、所長!」
「本当かね・・・?ふ〜、やれやれなのだよ。」

「ところで、所長・・・。」
「ん?なにかね、ワトソン君?」

「ここ、男湯ですよね?なんで所長がいるんですか?」
「なんだ?吾輩は湯女なのだよ?男湯にいてはおかしいのかね?」

「湯女ですか?でも、所長のその格好は・・・。」
「うむ。伝統的な湯女の衣装なのだよ。」

「いや、いや、いや!サラシにフンドシ姿の湯女なんていませんよ!
それじゃあ、三助ですっば!」
「む?貴様には、湯女と三助の違いもわからんのか!
湯女とは殿方のアレを覗ける、嬉し恥かし乙女の職業なのだよ!」

414 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/24(金) 02:12 [ FjraFJS2 ]
「だから、そんな格好の湯女はいねぇてばよ!
てゆうか、オマエ、サラシ必要ないじゃん!」
「むむむ?それは、どういう意味なのだね、ワトソン君!」

「そのままですよ!つるぺた!」
「なんだと!ハゲ!」

「ムカ!この、ちび!」
「ふん!この、ハゲ!」

この世に争いある限り、吾輩の仕事は無くならないのだ。
だがしかし、どんな謎も事件も吾輩が、見事解決してみせよう。

マリーにおまかせ!

415 名前: 0/0 投稿日: 2003/10/24(金) 02:15 [ FjraFJS2 ]
>399 ワトソンの種族はオポオポ(嘘)。

416 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 03:38 [ JF1q5cV6 ]
ユリノの章 第8話 我らトゥフィール魔術騎士団

〜ジュノ上層〜

「ねぇ、テノース」
歌を歌い終わって満足気なユリノが声をかける。
「なんですか?」
「あのさ、なんであのゴブ達が襲い掛かったのかな?」
そい聞いた途端に、テノースの顔から笑顔が消え失せた。
「あ…ごめんなさい、多分酒場で暴れたことを話したからだ…」
「いいよ、それは僕らのせいだし」
「本当にごめんなさい…」
テノースはぺこぺこと頭を下げてばかり。
あの時の自分の行為を思ってのことだろうか。
そんな考え事をしているユリノに構わず、
クロノスがはっと口を開いた。
「そういえばルイーズがソロムグで待ってるって言ってたなぁ」
全員の足がピタリと止まる。
そして、ゆっくりとクロノスの方へと振り向く一同。
アッシュは一度ため息をついてから言った。
「とりあえず、ソロムグ行くか…」
ふらふらと歩くアッシュに続いてクロノスも歩く。
「ねぇ、テノース」
「はい?」
「ルイーズさぁ、フライパンの事怒ってるかな?」
「………」
朝日が差し込む中、彼らはソロムグへ向かって歩き出した。

417 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 04:22 [ JF1q5cV6 ]
〜ソロムグ原野〜

ソロムグに続く橋の向こうに2人の人影。
1人、こちらに気が付いたらしく、てくてくと歩いてくる。
緑の装束、頭には黄色い角。
召喚士であった。
「やぁ、久しぶりだね」
彼はぽんとユリノの肩を叩いた。
「あなたは…アリマー先輩…?」
少し困惑気味のユリノをなだめる様にテノースが尋ねる。
「知り合い…ですか?」
「うん、ウィンダス魔法学園の先輩だよ。
 ロークラスで1位2位をよく争ってた」
「でも卒業する前はほとんど負けてたけどね」
苦笑いを浮かべながら呟くアリマー。
「でも…今は召喚士なんですね、先輩」
緊張が解けたのか、笑顔に戻って会話に入るユリノ。
「家の家宝のおかげでね」
「あ、みんなに紹介するよ。この人はウィ…」
と、振り返った先にあの双子の姿が無い。
「あれ…?」
彼らは竜騎士の竜をじっと眺めていた。

418 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 04:36 [ JF1q5cV6 ]
「お!首振ったぞ!」
「すっかり人に慣れてるな。この竜」
初めて見る竜に興奮しているクロノス。
「動くなよぉ〜?」
と、徐に出したのは水彩画の道具。
真っ白なキャンパスを立てて筆を構える。
そんな竜の主でもある竜騎士には目もくれていない。
アッシュもつられて羽ペンを取り出した。
「…ねぇ、僕のことは無視?」
不満そうな竜騎士、しかし声はどこかで聞いたことがある。
兜を取ると、先ほどまで戦士だった人の顔。
「お前はモテモテだなぁ、ハート」
と、言いながらくつろいでいる竜に視線を注ぐ。
「その竜、ハートって言うのか?」
筆を走らせながらクロノスは尋ねた。
「うん、僕の名字をもじったんだ」
やっと構ってもらえて笑顔になるルイーズ。
「そうか、名字か…」
今度はアッシュが尋ねる。
こちらは羊皮紙の上で羽ペンを走らせている。
「うん、ハートレスって言うの」
と答えた途端、また黙々と作業に戻る双子。
「………」
また少しいじけるルイーズだった。

419 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 04:46 [ JF1q5cV6 ]
「ルイーズ…虚しいねぇ」
と、向こうからアリマーが歩みながら言った。
「いや、いつものことだし」
まだまだいじけるルイーズ。
「「出来た!」」
と、今度は双子の声。
見事な竜の絵を掲げる二人。
「すっかり人気だね、ハートくん」
「ああ…」
とことんいじけるルイーズを、とことん慰めるアリマー。
「で…僕の自己紹介はしたほうがいいのかな?」
「一応してください…あの二人はほっといて」
と、ルイーズはユリノとテノースの方に走ってきた。
「えと、彼はアリマーって言って、ウィンダ…」
「知ってますよ」
「………」

420 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 05:02 [ JF1q5cV6 ]
「でもさぁ…」
少し不安そうにアリマーが呟く。
「このPT…構成がかなり後衛よりじゃない?」
途端にしーんとなる端の前。
竜騎士 赤魔 白魔 黒魔 召喚士 詩人…
前衛がたった1人しかいなかった。
「竜騎士と竜と召喚獣にがんがん攻撃してもらって、
 それをサポートするって感じ?」
クロノスが急に話に参加した。
「しかし、召喚獣と竜には魔法も歌も効果が無いぞ」
アッシュも続けて意見を言う。
「じゃあ…ダメージ元はオイラの魔法とルイの攻撃だけ?」
「みたいだな…」
「ちょっと待てよ!オイラが攻撃されるじゃん!」
慌てふためくクロノスをよそにテノースが口を開く。
「いえ…それ以前に問題があります」
「「「「「え?」」」」」
「このPT…7人います」
「「「「「??」」」」」
「だって…竜くん入れたら…」
「「「「「竜は数に入りません」」」」」
「あ、そうなんですか」
テノースの一言で、一気に不安感を煽られる5人。
見たところ彼はLv69の詩人…サポートジョブはなし…
まさか…とも思いつつもユリノは尋ねた。

421 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 05:12 [ JF1q5cV6 ]
「PT組んだこと…ある?」
「いえ…これが初めてのPTになります」
「えっと、サポートジョブは?」
「ありません…」
「…本当に?」
「はい…」
不安は的中した。
彼は戦闘に関して、全くの無知。
どうやってLvをここまで上げたのは謎だが、
サポートジョブを習得していない時点で無知だと分かる。
5人はただただ「変わった詩人」を見て沈黙していた。
「あの…迷惑ですか?」
「いやいやいやいや、それはあとで習得するとして…
 すこし重要なことを話そうか」
「「「「「重要なこと?」」」」」
ユリノの言葉に首をかしげる5人。
「うん…それは…」
「「「「「それは…?」」」」」
「PTリーダーとPT名決めだー!」
「「「「「………」」」」」

422 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 05:23 [ JF1q5cV6 ]
さらに長い沈黙が続く橋の前。
「やばい…外した…」
っと、こんなことを言ったことに少し後悔するユリノ。
と、そこへクロノスが…
「言いだしっぺのお前がやればいいじゃん」
っと、言うと他の4人も続いて言う。
「そうだな…お前シュミレーションとか得意だし…」
「僕は…ユリノさんでいいと思います」
「魔法学校でも…モンスターの弱点とか、
 属性とか理解するの早かったからねぇ」
「そっか、相手によって的確な支持を出せるのか…」
「んじゃ、リーダーはユリノに決定!」
「「「「さんせーい!」」」
「え…えーーー!!」
すっかり困惑気味のユリノ。
声も震えた状態で反論を述べる。
「だって…僕は命令とかしたことないし…」
「時期に慣れるさ」
「そんなぁ…」

423 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/24(金) 05:41 [ JF1q5cV6 ]
その場にぱたっと寝そべるユリノ。
しかし、しばらくするとぱっと飛び上がって大声で言い放った。
「よし!こうなったら開き直りだ!
 PTリーダーでもアライアンスリーダーでもやってやる!」
「はい、リーダーに拍手ー」
クロノスがそう言いながらぱちぱちと手を叩いた。
「んじゃ、PT名ですが…
 トゥフィール魔術騎士団でどーだぁ!」
「そこはどうでもいいや」
ルイーズは愛竜ハートの頭をなでながら言う。
「PT名ってそんなに重要じゃないかなぁ…」
「まぁとにかくよろしくな、ユリノ隊長」
アッシュはそう言うと弱気な彼に手を差し伸べた。
「僕…コンダクターの指示に従いますね」
自慢のハープを抱えながらテノースも続く。
「君の頭脳と指揮力に期待してるよ」
アリマーもにやけながらユリノに言う。
「さて…朝日が昇ってきたから帰ろうか」
ルイーズが朝日を指差しながら言った。
ユリノは自慢の剣を高々と掲げて言い放つ。
「トゥフィール魔術騎士団!
 昼から活動開始だよ!」
「「「「「了解!!」」」」」

ユリノの章 第9話に続く…

424 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/24(金) 17:28 [ inyb8yw6 ]
>409
まあ、いまはキタ事を喜ぼうじゃないか

細い兄弟キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

425 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/24(金) 17:50 [ F8r.MVH2 ]
>>424
だから・・・来てないんだってば・・・

426 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/24(金) 18:16 [ xBfscmv2 ]
>>425
いいんだよ 続きが来たんだから

ドラえもんやサザエさんがまだ続いてるのと同じ事さ

427 名前: かつて頓挫した人 投稿日: 2003/10/24(金) 18:27 [ oyi1Qd.Q ]
>>391 392
レスthx。

一部ミッションに沿って話を進める形なので、とりあえずここでの掲載は見送りとします。


暇見てHP作るかな、、、

428 名前: 409 投稿日: 2003/10/24(金) 18:28 [ KlwNYZIw ]
皆が幸せなら、それでいい。それが一番いいんだ。

429 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/25(土) 17:11 [ JF1q5cV6 ]
訂正です。
>>420
誤→途端にしーんとなる端の前
正→途端にしーんとなる橋の前

訂正のついでにユリノの章のレギュラーキャラの
簡単な紹介も添えさせていただきます。

【ユリノ】ヒューム♂ 15歳 赤魔70/戦士35
ウィンダス1にコックを目指す少年。
ふやっと物事を進める気分屋。
【アッシュ】ヒューム♂ 15歳 白魔70/黒魔35
風景画家を目指す少年。
何事も落ち着いて対応する優等生。
【クロノス】ヒューム♂ 15歳 黒魔69/白魔34
アッシュの双子の弟。
自分の力だけを信じる自信家。
【ルイーズ】ヒューム♂ 16歳 竜騎士70/戦士35
自称「気ままな冒険家」。
愛竜ハートと共に様々な地方に訪れるのが趣味。
【テノース】ヒューム♂ 15歳 詩人69/無習得
人間と獣人の和解を願う詩人。
希望を信じて止まないドリーマー。
【アリマー】ヒューム♂ 16歳 召喚士70/白魔35
精霊にこだわる召喚士。(召喚獣を呼び出せない)
仲間を第一に考えるフレンドリー。

以上、かなり後衛よりのPT紹介でした。

430 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/25(土) 21:42 [ wj11dhuw ]
>>429
みんな若いのにレベル高いんだね

431 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/25(土) 23:25 [ 0ohuU9dM ]
>>430
作者さんのレベルもそのくらいなんだろう。

が、……15歳で70か……と思わず遠い目にはなる。

432 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/25(土) 23:29 [ lUeBiw8Q ]
>>430
少年漫画だと良くあるだろ、主人公とその仲間は常に最強状態、例え幼児でも軍隊壊滅可能
俺はそういうの嫌いだから読んでないけど

433 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/25(土) 23:52 [ ScNTsDuY ]
>>432
そっか、何か思い出すと思ったらそんな感じか。
ライトノベルとかでもよくある設定だな。
…書き分けがちゃんと出来るかがポイントだね。
下手すると誰の台詞かわからんか、誰が言っても
同じになる罠。

434 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/26(日) 00:05 [ cRW6BTaI ]
血と汗の努力は関係なく才能できめられた世界ですな。
とたんにつまらなくなった…

435 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/26(日) 09:22 [ F4B9CF6Y ]

>>374-382 リュート編前編

タイトルは『雪の彼方』に決めます。
よろしくお願いいたします。

436 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/26(日) 09:31 [ F4B9CF6Y ]
<リュート編 後編>

翌日。
ミュミが敵を釣るのに失敗し、リンクを起こした。
「ちっ。この芋がっ」
ロストがざくざくと両手鎌を振り下ろすが、かすることがおおい。
「へたくそ」
「うっせ!!」
リノナノの言葉に、ロストは舌打ちをした。
「ガーディ背中借りるにゃ!フイダマッッ」
「おうよ」
さすがにいつもの仲間だけあって危なげはない。
「ララバイ、マドマドのあと、バラード歌うからリノナノ離れてて」
リノナノはすっと下がる。
綺麗なバラードがリノナノの気力を癒す。
「わりぃな」
「いえ。がんばって」
小さくコンタクトを取る。
「うりゃああああああああ。暗黒ラストリゾートボーパルサイスだあぁぁぁ!!」
「やめろって、をい。こっちの仕事増やすなボケ」
リノナノは回復魔法を詠唱する。
「ちっ、まずい!これでも死なねぇぇかあぁぁぁ」
「だぁっ」
リノナノは再度ケアルを詠唱をする。

437 名前: 2 投稿日: 2003/10/26(日) 09:34 [ F4B9CF6Y ]
「もっかいフイダマにゃっ」
とりあえず一匹倒し、あと一匹。
ガスガスと攻撃を入れさくっと倒した。
リノナノは疲れたように洞窟の端に座る。
ロストは鎌を肩にかけ、天をむいてふうっと吐息をついた。
「お疲れ様、にゃにゃにゃあああぁぁぁぁぁ」
「へ?」
ミュミの悲鳴に全員が立ち上がる。
ミュミが足を踏み外し崖を落ちてゆくところだった。
「ミュミっ!!」
反射的にロストが手をさしのべ落ち、ガーディも飛び降りる。
リノナノは上から覗き込んだ。
下は胞子の光が淡緑にぼんやり輝いていた。
「無事か?!」
「ああ…。下は敵もいない…リノナノとリュートはそこにいてくれ。1時間くらいで戻れると思う」
「りょーかい。気力回復しとく。ガーディ気をつけてな」
「おう!」
ガーディの尻尾がかすかに揺れて返事をしているのが上からでも見て取れた。
「てわけで、休憩だ。リュート」
そういってリノナノはもう一度ゆったりと座る。
「ええ…」
リュートは所在無さげに、立っていた。
まさか突然二人きりになるなんて。

438 名前: 3 投稿日: 2003/10/26(日) 09:37 [ F4B9CF6Y ]
「座って休まなくて平気か?」
リノナノが見あげる表情にリュートは心のなかで吐息をついた。
こんな身の置き所がない状況で、隣に座ったら、
鼓動の音まで聞き取られてしまいそうだった。
「バラードでも歌うわ」
竪琴を爪弾く。
癒しの歌でリノナノが癒せるというのなら百回でも謳う。
謳っていれば、言葉を交わさなくてすむわけだし。
するとリノナノの小さな手がリュートの手を引いた。
「休める時に休んどけ。なにがあるかわからないからな」
たいして力があるわけでもないのに、リュートはその手にあらがえなかった。
すとん、とリノナノの隣に座る。
痛い、沈黙。
リュートは視線を外し、淡い緑の洞窟の奥をじっと見る。
心臓が壊れそうだった。
なんで―。なんでこんな、いまさらに…感じなきゃいけないのか。
昔の幼い初恋に振り回されなきゃいけないのか。
息苦しいほどだった。
「リュート?」
「な、なに?」
リュートはリノナノの言葉にドキドキしながら答えた。
これではまるで、小娘のようだ。

439 名前: 4 投稿日: 2003/10/26(日) 09:41 [ F4B9CF6Y ]
「なんで戦闘詩人になったんだ?」
その言葉にリュートはふっと目を伏せた。
「別に……」
「リュートなら、酒場や街角のバードでもいいだろうに。
戦うわけ…」
リノナノの口調はすこしとがめるようだった。
リュートはリノナノの言葉を途中で切った。
「それって…私が女、だから?おとなしく酒場で歌っていろってこと」
過去に何度もリュートは戦う男達に言われた。
綺麗な女なんだから、傷を作る戦場に行く必要はねぇだろう?と。
それは、戦闘詩人であるリュートを侮辱する言葉でもあった。
尖ったリュートの言葉をリノナノはさらりと流した。
「や、ちがうって。お前の歌はゆったり酒場ででも聞きたいんだけどな」
「戦闘詩人として私が役に立たないとでも?」
「馬鹿。そうじゃねぇよ」
「じゃ。いったいどういうことよ?!」
エルヴァーンは強屈な民族だ。
男女の性区別なく戦えるし、リュートは戦ってきた。
いまさら男の背中になんか隠れられない。
――それにリュートには、身体を預けられる背中もない。
冒険者とは、他人に頼らず一人で戦い一人で生きれる者を言う。

440 名前: 5 投稿日: 2003/10/26(日) 09:44 [ F4B9CF6Y ]
「まいったな。どうしてこう噛みつかれるかな…」
リノナノはぽりぽりと髪を掻いて苦笑した。
リュートは可愛くなれない自分を意識しながら、視線をそらす。
「まぁ、女に嫌われるのは慣れてるけど。
俺が言いたかったのは、お前の声悪くねぇから、
もっと大勢に聴いてもらった方がいいってだけなんだけどな。
俺たちだけじゃ、もったいねぇ」
あ………。
リュートは目をきつく閉じた。
頬がかぁっと赤らむ。
薄暗い洞窟でよかったとおもう。
青い空の下だったらきっとばれてた。
誉められることがこんなに嬉しいなんて。

「きゃああああああ!!!」
洞窟の奥から、悲鳴が聞こえた。
リノナノは片手棍を手に、立ち上がる。
「リュートはそこにいろっ!!見てくる」
リノナノが叫んで駆け出す。
が、リュートがじっとしているわけもなかった。
リノナノの後を追う。
そこには蠍が暴れ、周りのものが協力し戦っていた。
「どうしたっ?!」

441 名前: 6 投稿日: 2003/10/26(日) 09:48 [ F4B9CF6Y ]
「いや、襲われて…こいつ強くてっ!!おまけにリンクがっ」
リュートが竪琴を手にとった。
「ララバイ、謳うわ!」
リノナノがやめさせるようにリュートの袖を取る。
「馬鹿っ。さがってろ!死ぬぞ、リュート!!」
「私の仕事よ!!」
「うっせぇ。下がってろ」
リノナノの言葉に、リュートはカッとした。
「アンタなんかより、私の方が強いわ!」
体格的な問題で言えば、白魔道士のタルタル族男性リノナノと
エルヴァーン詩人の女性リュート。
確かに、そうなのかもしれない。
リノナノは一瞬傷ついた目をしたが、顔をあげた。
「強い弱いは関係ねぇ、仲間はみんないないんだ。
だから今は俺がリーダーだ。お前の命の責任は俺にある。
――お前は俺が守る。
リュートを危険な目にあわせるわけにはいかない」
はっきりとそういい、片手棍を握り蠍に向かっていった。
リュートは歯を食いしばった。
目を伏せる。
口元に優美な笑みが浮んでいた。
愚かだと思う。
一度ふられた相手だ。
それに、タルタル族とエルヴァーンの恋愛が成就できる可能性なんて
万に一つもありえない。

442 名前: 7 投稿日: 2003/10/26(日) 09:52 [ F4B9CF6Y ]
が、それでも良かった。
今この瞬間が、リュートは幸せだった。
胸に幼かった時抱いた、懐かしい甘さを感じた。
可愛げのない女だと、父親からも言われた。
そんなリュートをタルタルのリノナノが守るというのだ。
どんな言葉より、リュートの胸に熱く沁みた。
リュートの細い指が、竪琴の弦を爪弾く。
やわらかな歌声が洞窟に響く。
魂を奪うララバイに、芋虫や蠍が眠った。
「ちっ」
リノナノは舌打ちをしリュートを振り返る。
敵愾心をあげて
…眠りから覚めたモンスターは一気にリュートに襲い掛かってくるというのに。
最低の守りは固めておかないといけない。
「世界を包む光の精霊よ。
我等の壁となり光の盾となって、我らを守れ。プロテア�掘�蠍からっ」
リノナノの声に、集まった冒険者達が一斉に飛び掛る。
歌が切れて起きた芋虫が一斉にリュートを攻撃してきた。
リノナノはひたすらにリュートにケアルを注いだ。
芋虫がリュートの細い身体に体当たりする。
が、リュートの指が強情にもララバイを奏でる。
「馬鹿っ」
リノナノは短くいって、回復魔法をさらに詠唱した。

443 名前: 8 投稿日: 2003/10/26(日) 09:56 [ F4B9CF6Y ]
戦いは、終った。
犠牲者はゼロだった。
「お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
言い合う中、リノナノは傷だらけのリュートを見あげた。
「勝ったわ」
膝に手おいて身体をささえているが、リュートの口元に笑みが浮んでいた。
「ばっ……。女じゃなきゃ、殴ってる所だ!!」
リノナノの言葉にリュートは満足げに笑う。
「私を女扱いしなくていい。殴ってもいい」
リノナノはふいと横を向いた。
「………んなこと、できっかよ」
「いいのに。別に」
リュートは顔をあげ、銀の髪をかきあげた。
あざやかな笑みに周囲に立っていた戦士やナイトたちがざわめいた。
「大丈夫ですか?勇気ある歌姫」
「もしなんでしたら、外までお送りいたしましょうか?」
男たちが口々にいうがリュートは笑みのまま断った。
「ありがとう。でも大丈夫です。
私を守ってくれるナイト(守護者)がいますので」
その言葉にリノナノは面食らったようだった。

444 名前: 9 投稿日: 2003/10/26(日) 09:58 [ F4B9CF6Y ]
先ほどの位置で二人で座る。
リノナノはぶつぶつ文句を言いながらセージの葉をもみこみ
リュートの傷を手当てした。
「お前、無茶無謀っぷりはロストに張るな」
「そう?」
「そっちの手も出せ。傷ついてんだろ?」
「ありがとう。リノナノ」
これで幸せだというのだから、安いものだとリュートは思う。
傷の痛みより、幸せの方が大きくて…
そして怪我の手当てのあと、差し出されたのが蜂蜜入りサンドリアティーで
リュートは笑った。
わかってしているのか、いないのか。
蜂蜜をなめて喜ぶ子供ではもうなくなってしまったのに。
それでも、口にした薫り高い紅茶は、甘くて美味しかった。

445 名前: 10 投稿日: 2003/10/26(日) 10:00 [ F4B9CF6Y ]

リノナノの恋人には、きっとなれない。
また告白してもきっとふられるだけだろう。
今のリノナノはどこか薄い膜がかかっているようで。
リノナノから差し出す手は受けられるのに
リュートから差し出す手は届かないような…そんな気がした。

でも、仲間にはなれる。
隣に立つことはできる。
そして、リノナノのために歌を謳う事はできる。
リノナノの心を、癒しの曲で満たす事はできる。
それは、バードのリュートにしかできないことだった。
はじまっていつか終わる恋愛ではなく
永遠に続く関係を築きたくて―…。

好きな人のために謳う事が、リュートの願い。
愛しい人の隣に立ち、癒しの歌を謳いつづけることが
リュートというバードの夢になった。





               END

446 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/26(日) 10:07 [ inyb8yw6 ]
>432-434
納得(゜ー゜)(。_。)ウンウン

ユリノの成長物語だったら面白いと思うのだが
みーんな成長しきっちゃってるのね。
一人、二人は天才肌の少年ってのはアリだと思うが…

〜以下妄想〜

ウィンダスの調理ギルドで見習いをしている少年ユリノ
両親は無く、兄と慕う冒険者(名前忘れた)と、暮らしている。
15歳の誕生日その彼の元に、冒険者の刀が届く
「すまん」と一言のメッセージともに…
何があっても、自分の誕生日(2人が出会った日)には帰ってきて異郷の珍しい物や、
冒険譚を語ってくれた優しい兄

そして少年は旅立ちを決意する。

〜妄想終了〜

みたいなぁ〜(コギャル風味)

そして、雪の彼方
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

途中に割り込んじゃまずいと思って、かちゅしゃのレス取得連打してもうた(;´Д`A ```

447 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/26(日) 10:07 [ Eqw.Ndu. ]
雪の彼方リアルタイムでキタ━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━!!!!!
お疲れ様です。
やっぱりリノナノイイ!(=´▽`=)

448 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/26(日) 10:08 [ F4B9CF6Y ]
スレ消費失礼しました。

すべての作家さん、応援しています。
応援感謝です。

449 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/26(日) 16:35 [ 0VCiloYw ]
リノナノ・・・
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
やっぱりリノナノ最高!(゚∀゚)神のヨカーン

頑張ってください!

450 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/27(月) 02:10 [ m1n3dffU ]
リノナノ、タイトル決定おめー!
男女の親友は永遠のテーマだよねー。
ロストの暗黒ラストリゾートボーパルサイスわらた。
次はロストの出番かな?

451 名前: 友の影を追って:謝罪 投稿日: 2003/10/27(月) 04:49 [ uT5J0Lw. ]
>>430-434様
>>446様
すみませんでした。
やはり物語前半からLv70は
どう見ても不自然でした。

でももう物語の中でクロノスはストンガ�兇覆鵑�
派手に使わせてしまっている上に、
ルイーズなんて「Lv69〜70のPT」と普通に言っている為、
今さら反省しても修正が効かない状態にまでなってしまいました。

キャラ紹介も書いておいて勝手ですがお願いがあります。
少しでも成長の様子を書けるようにするため、
10Lvほど下げさせてもらえませんでしょうか?
まだ戦ってはいない為、文章をいじってしまえば
物語に影響は出ないので…

すみませんでした。

452 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/27(月) 08:33 [ 5UFRAvn6 ]
>>451
いや、途中から設定変えるのはどうかと・・・
そういうの好きな人も居るかもしれんし、まあモチツケ
70が60になっても>>430-434の状態からあまり変わらないし

何より人の感想聞いて、途中からホイホイ変えちゃいかん、と、そう思いますよ
自分の思った物語を書くのが1番かと
謝罪する事じゃないと思う

453 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 15:45 [ uT5J0Lw. ]
>>452様
度々すみません。
もう気が動転してしまって、
とんでもない事を衝動的に書き込みしてしまいました。

お騒がせしてすみませんでした。

454 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/27(月) 16:10 [ jaaQi86g ]
本来は文面から読み取るような設定も書いちゃったからみんな萎えたんだろうな。
設定を明らかにしすぎると、妄想する部分が減ってのめり込み難くなるし。

とりあえずこのまま書いて、ダメだったら自作に生かせばいいさ。ガンガレ

455 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 16:12 [ uT5J0Lw. ]
ルインの章 第8話 「太陽」

〜ルインのレンタルハウス〜

「…疲れたぁ」
ぽてっとタルタルスツールに腰掛けるルイン。
「ご主人様、おかえりなさいクポ」
ぱたぱたと羽を鳴らせて飛んでくるモーグリ。
その手には一通の手紙をひらひらとなびかせている。
「…モグくん、手紙パス」
そう言うとモーグリはルインに手紙を手渡す。
ルインは手紙の封をビリビリと破り、
バサッと上に広げた。
「…ペンネーム…『太陽』?」
「あのお空の太陽さんクポ?」
「違うと思う…んじゃ、本文はと…」
『拝啓、ルイン殿
 あなたに決闘を申し込む。
 1人でバタリアに来るように。
 絶対に1人で来るように!!
 ジェイドくんとツクヨさんは連れてこないように!!!
 敬具 太陽』
「……書いた奴、大体分かった気がする」
「汚い字クポ〜」
ルインは椅子からぴょんと飛び降り、
様々な種類の武器を鞄に詰め込んだ。
「今日のご飯は何がいいクポ?」
「ん。お任せで。
 あとコレをユリノ宛に出しておいて」
と、ルインはモーグリに一通の手紙を渡すと、
そのままバタリアまで走っていった。

456 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 16:24 [ uT5J0Lw. ]
〜ジュノ上層入り口〜

「あ!ルインさん!」
ルインは呼び止めた声の方に目を向けた。
「たしか…アサヒ・キサラギだったかな…?」
「覚えていただいて、誠に光栄です!」
「いや…自己紹介受けたのさっきだし…」
「えへへ、そうでした」
ぽっと顔を赤くするアサヒ。
ルインは眠気眼を擦りながらアサヒに問いだした。
「オレをここに呼んだの…お前だろ?」
「え?何のことですか?」
「だって、差出人は太陽って仮名使ってたし…
 朝日も太陽のことだろ?」
「いえ…私はサニーさんに…」
「あ、サニーも太陽って意味か。
 ありがと!アサヒ」
ルインはぱんっとアサヒの手を叩いてそのまま走っていった。
「あ!待ってくださいルインさん!」
アサヒも慌ててルインの後を追った。

457 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 16:40 [ uT5J0Lw. ]
砂煙立ち込めるバタリア。
緑の広い草原に立ち尽くす1人の影。
ルインとアサヒはそれを目掛けて走った。
そして、その人影は振り返って、満面の笑顔で出迎えた。
「ルインさんにアサヒさーん!やっぱり来てくれたんだー!
 なんか嬉しいなぁー」
相変わらずの笑顔に呆れる2人。
眠そうにあくびをした後にルインは言った。
「やっぱりサニーかぁ…
 決闘なんて書かなくても名前書いてくれれば行くのに…」
その一言にサニーは珍しくキリッとした表情で答えた。
「ルインさん!僕と一戦交えるのだー!」
「…?」
「だーかーら!戦うのだー!」
「…どうして?」
「…話すと長くなるから教えてあげません」
その拍子抜けした一言にかくっと肩を落とすルイン。
そして、反撃にこの一言。
「話してくれないと戦ってあげません」
「う…」
頭を抱えて考え込んでしまったサニーを見て、
にやりと微笑むルイン。
最後にとどめの一言。
「話してくれないなら帰ります」
「話すから戦ってくださいです」
「分かればよろしい」
「心の準備をする時間をくださいまし〜」
と、サニーは剣の鞘から1枚の紙を取り出した。

458 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 16:54 [ uT5J0Lw. ]
「カンペ用意してたのね…」
「サニーさんらしいと言うか…」
すっかり拍子抜けしている二人をよそに、
サニーは淡々と紙に書いてあることを読み上げていく。
「僕はナイトですが…
 僕はいつも守られる側なのです。
 だから、誰かを守る力が欲しいのです。
 ので、戦いの練習に付き合ってください。
 …以上!」
片言の発表にぱちぱちと拍手を送るルイン。
そして、またにやりと微笑みながら問いだした。
「本当に…それだけ?」
ギクッと肩をすくめるサニー。
「ほ…本当にそれだけだぃ!」
「…これ以上いじめると泣いちゃいそうだから聞かないけど…」
「本当にそれだけだもーん!」
途端になみだ目になってしまったサニー。
それを見たアサヒはルインに怒鳴りつける。
「ルインさん酷い!またサニーさんを泣かせるなんて!」
「え?」
「サニーさん!お返しに一緒にルインさんを
 いっぱい泣かしちゃいましょう!」
「えぐ…うん…」
と、サニーは剣を、アサヒは刀をルインに向けた。
「「ルインさん!勝負!!」」
二人はルイン目掛けて突進した。

459 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 17:21 [ uT5J0Lw. ]
「眠いのに…」
ルインもそんなことを呟きながら刀を抜く。
「てーい!」
まず向かってきたのはサニー。
自慢のグラットンソードで的確に急所を狙ってくる。
ルインはその剣を難なく受け流していく。
「泣いてるワリには正確だねぇ…」
「絶対勝つもん!」
サニーは渾身の力を込めてルインに切りかかる。
しかしその刃はなかなかルインに当たらない。
「ど…どうして!?」
サニーは一瞬で困惑の表情を浮かべる。
「タルタルがそんなに敵の攻撃を受けると思ったかい!?」
ルインの一振りでサニーは大きく仰け反る。
「サニーさん!援護します!」
体勢を崩したサニーへの追い討ちを防ぐべく、
アサヒはルイン目掛けて手裏剣を投げつけた。
しかしその手裏剣もルインの刀に軽く弾かれる。
「く…手強い…」
体勢を崩したサニーを起こしながらアサヒは呟いた。

460 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 17:42 [ uT5J0Lw. ]
ルインはサニーに刀を向けて言った。
「君は単純だから思ってることが顔に出る。
 どうせこの戦いも、オレを倒したからジェイドに
 認められたいっていうやつだろ?」
サニーはその言葉にまたギクッと肩をすくめる。
「な…なんで分かるの…?」
「だから顔に出るんだって。
 アサヒも理由は同じで姉さんに認めてもらいたかった。
 それで決闘ってのを二人で実行しようと思ったんだろ?」
「う…」
その言葉にアサヒも身をすくめる。
そして、彼らは口々に語りだした。
「そうです…ルインさんの言うとおりです…
 私…お姉さまに認めてもらいたかった…
 でも…いつも半人前扱いで…」
「僕も…ジェイドくんの盾になりたかった…
 体が小さいからそれもかなわないと思ったけど、
 この戦いでアサヒさんを守りきれれば!
 ジェイドくんも僕のこと認めてくれるって…!」
「私たち…お姉さまやジェイドさんに認めてもらうため、
 あなたにここで勝ちます!」
彼らは再び立ち上がると、再び武器をルインに向けた。
ルインはふっとため息をつくと、彼らに笑顔で話しかけた。

461 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 17:59 [ uT5J0Lw. ]
「本心を言ってくれてありがとう。
 正直そこまで本気だったとは思わなかった」
てくてくと彼らに歩み寄るルイン。
しかしその剣先はルインに向けられたまま。
「忠告だ、剣を降ろせ。
 本気を出したら怪我なんかじゃ終わらないぞ」
「嫌だ…絶対勝ってジェイドくんに認めてもらうんだ…」
「私も…お姉さまに…」
二人はまた構えた。
二人の思いは同じ、自分の大切な人に認めてもらいたい。
ただその一心で構えていた。
ルインはそれを身ながら煙草に火を灯した。
火のついた煙草を口にくわえると、ゆっくりと目を閉じながら話しかけた。
「悪かった、剣を降ろせなんて言って。
 それじゃ…オレもそれに答えるとするよ」
ルインはふーっと煙を吐いた後、キッと彼らを睨みつけた。
先ほどまでの穏やかな雰囲気はもうどこにもない。
二人はただその威圧感に圧倒されていた。

462 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 18:24 [ uT5J0Lw. ]
「う…うわあああ!!」
恐怖に駆られたサニーは盾を向けたままルインに突進した。
「サニーさん駄目ぇぇ!」
アサヒに叫びも彼の耳には届かない。
ルインは手にした刀をサニーに向けた。
「四之太刀・陽炎」
ルインの振り落とした刀から、真っ赤な火柱が上がった。
「うぐ…」
苦痛の表情を浮かべ、後ずさりするサニー。
しかし、これだけでは終わらない。
すっと目を閉じ、黙想を行うと次の攻撃が行われた。
「三之太刀・轟天」
今度は電撃の帯びた刀を振り落とす。
すると、眩しい光と共に、
ドコォーーーン…と言う大きな音。
アサヒが恐る恐る目を開けると、
そこには黒くこげた鎧をまとったサニーが横たわっていた。
「こ…これが1人連携…」
「大丈夫、やっぱり手加減したから」
アサヒははっと顔を上げると、サニーの上にルインが座っている。
「さ、どうする?」
ルインは煙草を吸いながらアサヒに尋ねた。
「素直に降参するか、それとも…」
「私…やっぱり勝てません…」
「ん。素直でよろしい」

463 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 18:39 [ uT5J0Lw. ]
ルインはぴょんとサニーから飛び降りると、
いつもの「にやり」でこう言った。
「さ、このチャレンジャーを運ばなきゃ。
 オレ、まだ眠くて眠くて…」

〜ジュノ上層〜

「痛い…」
「大丈夫ですか?サニーさん」
目覚めたサニーの肩を抱えながら歩くアサヒ。
すっかり真っ黒になったサニーはぽつりと呟いた。
「僕…ジェイドくんに認めてもらえないのかなぁ…」
「そんなわけないんじゃないの?」
先頭をてくてくと歩くルインがサニーに言った。
「認めてもらってるから一緒に旅が出来てるんだろ?
 それを認めてもらってないってのは贅沢じゃないかぁ?」
「贅沢…なのかな」
「もし認められてなかったら、
 ジェイドは多分ユリノを連れて行ったんじゃない?」
と、またにやりとしながら言うルイン。
「もっと自信を持て。
 それだけの素質は十分あるから」
「…うん!」
「アサヒ、お前もな」
「…はい」
3人はゆっくりとレンタルハウスを目指した。
その日の朝ごはんもオムレツ。
その日も「太陽」は空を翔る。

464 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/27(月) 18:42 [ uT5J0Lw. ]
ルインの章 第9話に続く…

を、書き忘れてしまいました。
すみません。
以後、気をつけます;

465 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/27(月) 22:22 [ dR.NxFuw ]
>>464
読んでないから全然問題ない。
そして読む気にもなれないからこれまた全然問題ないよ。
まぁガンガレ。

466 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:20 [ DHby9.Fg ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十二話 鮮烈なる再開

―― バルクルム砂丘 ――

「おぉ〜。久しぶりの砂丘だぁ。潮風が気持ちいいなぁ」
「そうですね…この美しい景色を見ていると、心が洗われます」
「や〜ん、潮風で髪の毛、痛んじゃうじゃな〜い。さっさとセルビナ行きましょうよ〜」

ラテーヌ高原を労する事無く抜けたトッパ一行は、ほんの数日でセルビナまで到着した。
以前、サンドリアを目指した時は、途中のオークに手こずり、随分と時間が掛かったものだ。
セラフィーが優れた戦士であり、ゼヴェンの歌の恩恵があったのも事実だが、
何よりもトッパの成長が、戦士として、冒険者としての経験が貢献したのも間違いないだろう。
事実、セラフィーはトッパの戦いぶりに一目置いている。まさか、こんな小さなタルタルが
こうもやるとは、予想外だった。

…このなんとも珍妙な組み合わせの三人は、ロンフォールの森で出会った。
オークの集団がまだ未熟な冒険者のパーティーに襲い掛かったところ、たまたま3人が
それぞれ救援に駆けつけたのである。そして意気投合した三人はそのまま現在に至る、というわけだ。

467 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:21 [ DHby9.Fg ]
まだ出会って日が浅い為、お互いの事はよくわからない。
ゼヴェンは詩人として詩を書きながら世界を放浪していると言う。セラフィーは自分の事をあまり
話したがらない。トッパはただ、ウィンダスを目指している。という事ぐらいを告げている。
…ただ、それはそういうものなのではないか、とトッパは思う。
それぞれの旅人に、それぞれの目的があり、人生がある。
たまたま、同じ目的の者同士が集まり、ほんの僅かな時間を共有する。それも冒険者の生き方なのだ。
「ふむ…しかし、そろそろ夜になりますね。セラフィー。申し訳ないが、今日はここで野営
 しなければいけないかもしれませんよ?」
と、ゼヴェンが顎を掻きながら言った。

468 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:22 [ DHby9.Fg ]
「あらそう?…そっか、もう太陽が沈んじゃったのね…まったく。仕方ないなぁ」
セラフィーはそう言って、いそいそとキャンプの準備を始める。
「ん?どうしたんだ?夜になると、なんかやばいってのか?」
きょとんとしたトッパの一言に、二人は顔を見合わせた。
「トッパ…まさか、知らないのですか?砂丘の死霊を」
「死霊?骨野郎ならオイラ、楽勝だぜ?」
「あら、トッパ。知らないの?おっくれてるぅ〜」
「え?なんだ?何かすごい化け物でもいるのかよ?」

469 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:23 [ DHby9.Fg ]
丁度、同じ頃。同じように、焚き火を囲む二人の冒険者の姿がある。
一人はとても小さな体に、それ以上の大きさの漆黒の鎌を背負っているタルタルで、
もう一人は…
「クリーム。君は砂丘は始めてかい?」
「ああ、そうだよ。…でも、このへんの奴らじゃあ、あたいの敵じゃないさ」
「そうか…だが、その慢心は身を滅ぼす。僕達にはね、常に死が囁いているからね」
「ババドラバド…あんたって、いつも変な言い回しばっかりなんだね」
クリームは尻尾の手入れをしながら、月を見上げる。今宵は綺麗な満月だ。
焚き火を突きながら、飛び散る火の粉を見つめて、ババドラバドは続けた。
「…砂丘にはね、生に執着した悲しい死霊達が姿を現す。今日はいい満月だ。
 奴らは蟲のように、光を求めて姿を現すんだ。でも太陽の光は彼らの体を焦がすからね。
 …だから夜になると奴らは月を、光を求めて姿を現す」
「ふ〜ん。よくわかんないけど、襲ってきたら殺すまでさ。あたいはね」
クリームは焚き火を見つめながら考えた。このババドラバドという男、何を考えているのだろう?
何か目的があって旅をしているのは間違いないのだが…

470 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:23 [ j5C5MhwU ]
ここ2ヶ月ほどスレ見てなかったんだけど、新しい神が降臨してるねぇ。
先行きが楽しみ、楽しみ。
>>448
雪の彼方作者さん。
>スレ消費失礼しました。
この一文は必要ないかと。
奢らないのは美徳だけど、謙遜しすぎるのは見様によっては嫌味にも見える。
今までついた感想を見れば分かるように、貴方はナカナカの物語を書いているよ。
もっと自信を持って。続き楽しみにしてます。

471 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:24 [ DHby9.Fg ]
「…僕はね」
ふいに、ババドラバドが口を開いた。
「業を背負ってしまったんだよ。君と同じように。…そして、業を背負いし者として、今ここにいる」
心を見透かされたような気がして、彼女は少々はどきり、とした。
「業を背負いし者…前にもいってたね。それって、どういうことなの?」
「言葉で説明して分かるものじゃあない。…ただ、これだけは言える。
 簡単に言うと僕にも、君にも、暗き未来しか残されていない、ということかな」

472 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:26 [ DHby9.Fg ]
「…きた?」
「こちらには気付いてないようですね…しかしまさかこんなところで出会ってしまうとは」
「こら、トッパ。起きなさい!」
セラフィーは手に持った盾でトッパの頭をごつんと叩いた。
「…んん…なんだよ…?」
「シッ…声を出さないで…あそこをみてください」
ゼヴェンの視線の先に、トッパはそれを見た。
黒い、何か不気味な何かが宙に浮いている。それは、二本の手のような物が生えており、
大きなぎょろりとした、潰れた目らしきものが顔のようにも見える。
「あいつが…ボギー?…はやそうだな…ふぁぁ…」
「はぁ?こら、まだ寝ぼけてるわね」
「…厄介ですねぇ。まだ距離は離れてるので、気付かれないうちに退散しましょう。
 あれは、このへんのゴブリン達とは次元が違う強さですから…」
「そうね…くやしいけど、死にたくはないわ。さっさと離れちゃいましょう」

473 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:27 [ DHby9.Fg ]
”それ”を指さして、クリームはババドラバドに尋ねた。
「…あれが…ボギー?」
「ああ、そうだ。怨念に満ち溢れているのが分かるだろう?」
「…それじゃ、はやいとこ成仏させてあげないとね…」
クリームは両手剣を構えて、ゆっくりとボギーに近づいた。
彼女の気配を感じ取ったボギーは、くるりと振り返り、ぎょろっとした目をクリームに向ける。
「さぁ…かかっておいでよ…死霊はさっさとあの世へ行かないとね…!」

ババドラバドはそんなクリームを見て、満面の笑顔を浮かべている。
その笑顔はどこか子供じみた表情ではあるが、とてもとても不気味な笑顔だった。
それは、何か屈折した精神の現れとも言えるかもしれない。

(そうだ…もっと強く、強くなるんだ。業を背負い、己が刃に黒い輝きを…)

474 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:28 [ DHby9.Fg ]

「ねぇ、見てあれ…」
「む、あれは…まさか?襲われているのでしょうか?」
遠巻きにボギーを監視していた三人は異変に気付いた。何者かが、ボギーと戦闘を始めたのである。
「おいおい、そのボギーってのはかなりヤバイんだろ?あいつ、一人じゃないのか?」
「…は〜、仕方ない、やるしかなさそうね…」
セラフィーは鬱とした表情で、武器を構えた。
「そうですね…見殺しにするわけにはいきません。なんとかして倒しましょう」
「…へへっ、そうこなくっちゃあなぁ!最近、強い敵と戦ってなかったからウズウズしてたところだ」
トッパも背中に背負った槍を構える。
「トッパ。油断は禁物ですよ?ボギーはなかなか手ごわい相手です。心して掛かってください」
「おう!オイラこんなとこで死ぬわけにはいかないからな!」

475 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:30 [ DHby9.Fg ]
(はやい…!?)
そいつは、見た目に反して予想外のスピードで襲い掛かってきた。
二本の、気味の悪い腕のようなものが、クリームの鎧をかすめる。かすっただけなのに、
鎧は砕け、破片が飛び散っているのが分かる。
(く…こいつ、並大抵じゃあない!)
クリームが隙を見て一太刀を浴びせる、しかし、次の瞬間、彼女の体を強烈な冷気が襲う。
「うぁ…!?」
予想外の自体に、一瞬戸惑う。ボギーの腕が眼前に迫る。回避運動を取ろうとしたが…
(体が…いうことをきかな…!?)
強烈な平手打ちが炸裂した。体が崩れ、その場に膝を突く。
「く…こいつぅ!」

その時だった。…声が聞こえた。
「待ってろ!今助ける!」
(…誰だ?…手助けか…?…余計な事は…!)
暗闇の向こうから、小さな影が走ってくる。
「大丈夫か!?後ろに下がってろ!」
(…え?…この声…?)

476 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 02:31 [ DHby9.Fg ]
そこで、声の主も自分の自分の姿を見て、驚愕しているのが分かった。

「クリーム?…クリームなのかっ!?…なんでこんなとこに!」
「嘘!?…トッパ!」



トッパがバストゥークを旅立ってから、随分と時が経ち、ついに二人は再会した。
そしてこの再会から、小さなタルタル戦士の物語は、いよいよ終局を迎える事となる。


                                     続く

477 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/10/28(火) 02:41 [ DHby9.Fg ]
そろそーろ、終盤でつよ。二章っていうか終章でつゴメンナサイ(;´Д⊂
大団円って終わりにゃ程遠いかもしれないけれど。
なんか読み終わったら爽やかな気分になれる物語にしたいなぁ、と。
ずっと思ってますた(;´Д⊂
あと少しだけ時間が掛かるかもしれないけれど、最後までお付き合い頂ければコレ幸いでつ(´・ω・`)

478 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 03:08 [ Ke9YVJ7k ]
まじかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!きたああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

479 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 03:24 [ Cn2hhf3M ]
キ━━━━━━ (゚∀゚)━タ━━━━━━━ !!!!!
起きててよかった!!

眠いので寝ます。終章ですか、寂しいけど楽しみにまっておりますよ!

480 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 03:26 [ LsjVF4k6 ]
きたあああああああああああああああああああああああああああああああ

481 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 03:45 [ 3VO3fu4g ]
パパさんパパさん、
>>466のサブタイが再会じゃなくて再開になってます。

無粋な突っ込みでゴメンナサイ。
期待が大きい分、毎回しっかり読ませて頂いています。

482 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 07:56 [ XbCz6H3Y ]
>>465

483 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 07:59 [ Eqw.Ndu. ]
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!
タル戦きたあああああああああああああああああああ!!!!!!!!
もうすぐ終わるの残念ですが、今までお疲れ様でした
もう一頑張りですね、頑張ってください

484 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 08:50 [ 2t./LLiI ]
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!
タル戦キテターーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クライマックスですか・・・
楽しみにまっとります・・・

485 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 09:58 [ gFzx2q6I ]
>>465はもう来るな
お前のような奴はこのスレに必要ない。

486 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 10:27 [ p4AYrq/I ]
タル戦キテターーーーー
大好きでつ。
終章でつか、いつまでもみたいですが頑張って下さい。

487 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 10:36 [ FQLjhBdQ ]
>>466
はやそうだなワロタ

488 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/28(火) 16:07 [ 0VCiloYw ]
タル戦・・・         キタ━━━( ゚∀゚ )━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━( ゚∀゚ )━━━!!!!
とうとう終章なんですか、頑張ってください。

489 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/10/28(火) 19:29 [ DHby9.Fg ]
>>481

(ノ∀`)タハー   …脳内変換お願いしまつ。再開ではなく、再会で(・ω・)

490 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 19:32 [ uznaX3yI ]
パパさん

エル♀(・∀・)イイ!!

忘れてるよん

491 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/10/28(火) 19:37 [ DHby9.Fg ]
>>490

(ノ∀`)タハー  …エル♀(・∀・)イイ!!

492 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/28(火) 21:56 [ yEtbS7A. ]
トリビューンを読んで思い出したが、
隻腕のウェストたん、最近見かけないな、と。

493 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 00:01 [ 3KrtsUWk ]
卒業宣言したあの人の掲示板。
ベタすぎる。だがそれがいい。(*´Д`*)

494 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 12:39 [ zy3sAg4o ]
タル戦キテタ━━ヽ( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )´Д`)=゚ω゚)ノ━━!!!
もうすぐ終わってしまうのか。寂しいです。
ヤグ侍も最近みてないなー。待ってるよー。

495 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 16:07 [ uT5J0Lw. ]
ついにタルタル戦士も終盤ですか。
とても好きだったので、なんだか寂しくなります。
最後の最後まで期待しています。
がんばってください。

496 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/29(水) 16:43 [ 310KTwLo ]
雪の彼方  <六花 1章>

「いざという時、人は効率よく死ぬべきだ
ぐずぐずしていて、あるいは仲間を殺したくないという感傷で
無駄に命を落とすのは、最低な馬鹿がやることだ。
死ぬものがいたとしたらそいつのために意地でも生きろ。
効率よく仲間は殺せ」

ロストが酒によって呟いた台詞だった。
「誰の言葉だ?」
とリノナノが聴いたらロストは小さく笑った。
「昔の教官だった騎士のおっさんさ。人生これ騎士道ってやつ。
昔、いろいろあったみたいなんだが。ポニ―テールのおっさんで
馬鹿がつくほどくそ真面目で。部下になった奴には一番に教えた言葉だ」
アンジュがけだるげに頷く。
「……ふぅん」
「ま、さ。ほら、サンドの騎士団っつったらバリバリ硬派、
王とお国のために命を捧げますっつう
勘違いしたのが多い国だったから釘さしたかったんだろうな。
未熟なガキが命はっても大して意味はねぇってさ」
「………」
「殺したくなかったんだろうよ。若いのをさ。
そんでテメェが命はって死んでりゃ世話ねぇゼ」
ロストの言葉にガーディーは瞑目し静かに言う。
「真の騎士だな」

497 名前: 2 投稿日: 2003/10/29(水) 16:46 [ 310KTwLo ]
酒場では、リュートの透きとおった銀の水のような歌声が
やわらかに広がっていた。
いつも最期は、振り返らない男を愛する女の悲しい歌。
その歌声に鼻をすするものも多い。
歌が終わるとリノナノはリュートに奢りだといって
極上のサンドリアティを注文した。
「クリスタル戦争後、緩和することがあっても終わる事のない獣人との戦い、か。
ったく、世間は暗さに満ちているな」
「だからこそ、俺たちがイロイロなお仕事にありつけるんだけどな」
ロストはいって、麦酒をぐっと煽った。
「ま、昔話もいいが、今回の仕事の話だ。今回の仕事はボヤーダ樹」
「無理だ」
リノナノの即答を無視してガーディーは話を続けた。
「リノナノも知ってるだろジュノの医師からの依頼だ。
とある病気に効く薬の材料として、透けた金の羽を
なんとしてもゲットして欲しいとのことだ」
「……病人がらみ?」
リュートの言葉にガーディーは頷いた。
「急ぎの仕事だ。相手の命と引き換えだからな」
いつにない厳しい条件にリノナノは眉を寄せる。

498 名前: 3 投稿日: 2003/10/29(水) 16:50 [ 310KTwLo ]
「ミュミにはボヤーダはまだ危険だ」
「リノナノも来てくれるな?」
ガーディの言葉にリノナノは歯を食いしばった。
獣を育てながら、白魔としての術を使う。
必要だし求められている事もわかっている。でも…。
望んで白魔導師をしているわけじゃなかった。
白魔導師をするのは、正直辛かった。
他人を死なせてしまうかもしれない恐怖。
それは、白魔導師にしかわからない。
一つの魔法詠唱の遅れが…戦うものの命を左右する。
背負うのが自分の命だけならどんなに楽かと思う。
けれど、リノナノが行かなければPTの危険は大きくなる。
こうしていつも、断れない。
「明日の朝、8時出発。港のチョコボ屋前だ」
リノナノは肩だけすくめて答えた。

翌朝、リノナノはこなかった。
みんなでチョコボに乗ってソロムグにでると、そこにリノナノはいた。
「行くか」
短い言葉にみなが頷く。
「おけっ!」
「うみゃぁ」
「おう」
「ええ」
「………」
6匹のチョコボが平原をかけていった。

499 名前: 4 投稿日: 2003/10/29(水) 16:53 [ 310KTwLo ]

「ふにゃああああ。大きい樹にゃぁ」
聖地ジ・タの巨大な木々を見てミュミュは呟く。
「樹齢が半端じゃないからな。この世界を長い間見てきた樹だろう」
ガーディの言葉にミュミは空を見上げる。
「お空、見えないにゃ」
「この場所は時間が止まってるみたいね」
アンジュの言葉にリノナノは頷いた。

「透けた金の羽っていうと…フライ族、か?」
「そうだ。ただ、特殊な奴らしいがな」
「捜せってか」
ロストは乱暴に髪を掻く。
「とりあえず、ミュミにはスニークね」
「ありがとにゃんwアンジュ」
「ロストにも、オラよ」
「サンキュ」
リノナノとアンジュは短く魔法詠唱し、深い緑の中を走り出した。
とにかくフライ族の全てを、きる切る斬る。
周囲には気を抜くと襲い掛かる
クラブ族やグゥーブー族がうようよしている危険な地帯だった。

500 名前: 5 投稿日: 2003/10/29(水) 16:55 [ 310KTwLo ]
「ロスト、調子に乗るなよ」
リノナノの言葉にロストはちょっとカチンと来たようだった。
「いつもどおりの戦闘するさ」
「それがアブネェっつってるんだ。暗黒はひかえろ。
ガーディー、ロストの怪我に注意で
あんま酷いようなら即かばってやってくれ」
「わかった」
その言葉にロストは切れた。
「おっさんまで!!足手まとい扱いすんな!騎士だぜ俺ァ」
「騎士っつったって紙より薄い防御を誇るアタッカーだろうが。
深追いするな、無茶するな。
ここはお前なら死ねる」
リノナノは腕を組んで、ロストを見あげた。
「ちっ。テメェに防御力云々いわれたかぁねぇな。タル白の癖に」
「ロスト!!」
言葉より先に小気味いい頬を叩く音がリュートの指先から響いた。
パァン。
「ってぇ」
「リノナノは安全のためにいってるの。
わかるでしょう?ガキじゃないんだから」
「やめなさいよ、リュート。ロストにはわかんないわよどうせ。
攻撃命で回復する人間のことなんかちっとも考えてないんだから」
全員に言われさすがにロストも意地になってしまったようだった。

501 名前: 6 投稿日: 2003/10/29(水) 17:00 [ 310KTwLo ]
「うっせぇ、アタッカーは攻撃すんのが仕事だろ?!」
「脳みそ使って攻撃しろっつってんだ。死んでからじゃ遅いんだぞ」
「ああ?攻撃力ねぇチビは黙ってろ」
「喧嘩は嫌にゃアァァァ!!!!」
ミュミの大きな声に全員が止まった。
「喧嘩は嫌にゃ。ロスト怒っちゃ駄目にゃ」
ロストにすがりつくミュミの手に、ふんとそっぽ向いた。
「お前が捨て身で攻撃するのはかまわねぇが、それで誰が死ぬのは困る。
もちろんお前が死ぬのも迷惑だ」
リノナノの言葉にガーディーは吐息をついた。
「いいすぎだ。リノナノ。
だが言ってることは正しい。ロスト、お前が意地になるのもわかるが
暗黒はひかえろ。これはリーダー命令だ。わかったな」
ロストはつまらなそうに頷いた。
「ミュミ、敵を釣って来い。
ロストも一緒に行ってミュミが危なかったら手伝ってくれ。
ミュミはここ初めてだから、気をつけてやれ」
ガーディの言葉にロストとミュミは身軽に駆け出した。
「怒っちゃ駄目にゃ。笑顔、にゃv」
ミュミの言葉にロストはウルセーと小さく呟いた。

502 名前: 7 投稿日: 2003/10/29(水) 17:04 [ 310KTwLo ]
残ったリノナノはそっぽを向いてガーディーに呟く。
「ワリィな、空気壊して」
その言葉に澱んだ空気を払うようにガーディは尻尾を振りリノナノを見た。
「らしくないな。リノナノ、気にかかることでもあるのか?」
「そんなんじゃ、ねぇンだけど。最近夢見が悪くて」
昔の夢でも見ているのか、ガーディは困ったように吐息を吐いた。
「それで朝早くチョコボで外にいたのか。ちゃんと寝てるか?」
ガーディの差し出す手をついっとよけて、小さく笑う。
「やっぱ、一番弱いのは俺だよな」
その言葉に傍で聞いてたリュートは傷ついた顔をした。
白姫アンジュはリノナノの前で怒ったように胸を張る。
「馬鹿ね、強い弱いの規準が違うでしょ。リノナノ。
力の強さだけが強いんならガルカ族が最強になるわ。
でも、タルタル族だって立派に強いでしょう」
アンジュの言葉にリノナノはただ淡く笑った。
言ってる意味はわかる。でも…力は必要なのもほんとだ。
「白魔道師がいるから、私は安心してララバイを謳える」
リュートの言葉。

503 名前: 8 投稿日: 2003/10/29(水) 17:08 [ 310KTwLo ]
アンジュも言葉を重ねる。
「それにね。リノナノ。
たとえなにを言っても、どんな喧嘩をしても
貴方はロストにケアルをおくるでしょう。
それで気持ちは届くはずよ。
ってか、それでわかんないようなら蹴りいれてやるわ。
私達白魔がどんな気持ちで戦闘後ろから見ているのか…
わからない奴には、私がしっかりお仕置きするわ」
アンジュの言葉にガーディーは困ったように小さくなった。
「その、な。ケアル俺は少なめでいいから…っというか、
……どんな気持ちなんだ?アンジュ」
戦闘を後ろで見ているものしか、やはりわからないらしい。
アンジュがころころと楽しそうに笑う。
「ガーディーはそのままでいいのよ」
「戦闘開始にゃ!!!!」
ミュミの言葉に全員が一瞬で顔を引き締めた。

                    <続く>

504 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 17:09 [ 2t./LLiI ]
キターーーーーーーー(・∀・)イイーーーーーーーーーー!!

505 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/29(水) 17:21 [ 310KTwLo ]
<6花編>
3章で終わらせたいと思っていますが、アップが大変でしたら4章になるかもです。
今回はキャラ名でサブタイトルつけられなかったので
特別にサブタイトル名を六花とつけました。

くじけずに、地味に頑張りましょう。
いろんな作家さんが頑張ってると知れると、私もがんばれます。
多くの応援の声も感謝です。

506 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/10/29(水) 17:25 [ 310KTwLo ]
すみません。
所々が―ディの名前伸ばしてしまいました。

507 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 17:37 [ Eqw.Ndu. ]
>>雪の彼方の作者様
そんなの問題ナシ!
脳内フィルタでおkk!!
お疲れ様です!これからも頑張って!!

508 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 18:26 [ Y4chuOlM ]
六花…雪か。「効率良く〜」のくだりも出たし、
くぅ、まさに キタ---------(・∀・)-------------!!

509 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/29(水) 19:47 [ 0VCiloYw ]
キタ━━━━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!
リノナノサイコーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

510 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 22:07 [ yAUuRYKI ]
やっぱ雪の彼方(・∀・)イイ!
リュートが最後に歌う「振り返らない男を愛する女の悲しい歌」は
リノナノに向けてのメッセージだったのね…。

個人的に白姫アンジェの過去も気になるなぁ(´ー`)
作者さん、マターリペースでがんがってくだされ。

511 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/29(水) 22:15 [ yAUuRYKI ]
ぐぅ…。アンジェじゃなかった、アンジュだ…。

ロストに暗黒食らって逝ってきます ;y=ー( ゚д゚)・∵.

512 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 01:05 [ 5o8IL9tY ]
>510
いやそれ…皮肉っちゅーかなんちゅーか、ちょっと粘着っぽいし。
つか、ふられた男の前で歌うか普通、という気もちょっとするし。

513 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 01:14 [ x/j8lX8U ]
なんでだろ・・・
樽戦と空に奏でる以外読む気がしないんだよな・・・

514 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 01:42 [ QAUayqaY ]
気持ちは分かるなぁ、俺も以前から読んでるのしか見てない。
新しい小説を読み始めるのが億劫なのと同じなのかな。

最近では雪の彼方の反応が良さそうだから読んでみようかなとは思うんだけど、なかなかきっかけがね・・・

515 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 01:52 [ MEFvFrSk ]


 そ う だ 、 樽 戦 を F l a s h 化 し よ う 。

516 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 01:55 [ Bxz2HX2M ]
果てしないな

517 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 02:01 [ MEFvFrSk ]

や っ ぱ り 、 実 写 化 の 方 が 良 い か ? 。

518 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 02:12 [ dAc8rjzA ]
イイ!!とか評価あるのは、見るようにしてる。
実際良い話が多いしね。

評価どころか語られもしない話は、やっぱ見てない。

519 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 02:58 [ j5C5MhwU ]
>>513-514
別にそれでも構わないのでは?
読みたくなったら読めばいいし。
実際わたしも、過去に面白いと感想付いてた作品を、かなり後になってから読んだりもしてますしね。

そして…雪の彼方キターーーー!

520 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/30(木) 03:21 [ uT5J0Lw. ]
サラマの章 第8話 調査開始

〜ジャンク屋マックビクス〜

そろそろ朝日が差し込んでくるジュノ下層。
そこに店を構えているゴブリンの雑貨屋に、
1人の男がやってきた。
深々とチュニックのフードを被っているので
顔はよく分からない。
男は店の奥へ入って行くと、
1人の従業員の名を呼んだ。
「ハックはいるか?」
その声を聞きつけた1人のゴブリンが、
長い耳をピンとさせてから走ってきた。
ゴブリンは男の顔をじっくり見上げて確認すると
彼はぼそりと呟いた。
「…仕事か?」
男はその問いにさらに小さな声で答えた。
「ああ…またお前の力を借りることになる。
 店長にうまく言ってくれないか?
 先にロランベリーに行って待ってる」
ゴブリンはうなづくと、たかたかと店の奥へと走っていった。
男はゴブリンが奥の部屋に入ったことを確認すると、
そのまま店を出て、ロランベリーに向かった。

521 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/30(木) 03:37 [ uT5J0Lw. ]
〜ロランベリー耕地〜

ロランベリーとジュノを結ぶ橋の前に、
1人の女性がたたずんでいる。
そこへ現れたのは先ほどのチュニックの男。
男は待ちくたびれた彼女の表情を見た後、
よれよれのチュニックを脱ぎ捨て、声をかけた。
「ハヅキ、よく来てくれた」
ハヅキと呼ばれたヒュームの女性は
自分の頬をぱんと叩いた後、男を見ながら微笑んだ。
「サラマって待ち合わせの時間に5分遅れてくるよね」
「お前の時間設定が早すぎるだけだ」
と、サラマと呼ばれた青年が呟く。
「それで…調査結果はどうだ?」
サラマの問いに答えるように、ハヅキは鞄の中から
1枚のSSを取り出した。
「初めての仕事だからうまく出来てないけど…
 とりあえず資料はこれだけ」
「上出来だ。
 早速今後の予定を立てようか」
と、その時ジュノの橋の向こうから1人のゴブリンが走ってきた。

522 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/30(木) 03:51 [ uT5J0Lw. ]
「サラマ兄ちゃん、ハヅキ姉ちゃん。
 待たせてごめん」
ゴブリンはそう言うと、ぺたんと地べたに腰掛けた。
「あら、ハックも連れて行くの?」
「地図代わりだ。
 今回もよろしくな、ハック」
ハックと呼ばれたゴブリンはこくりとうなづいた。
「さて、本題に入ろう」
サラマはハヅキから手渡されたSSを地面に置いた。
写真には6人の少年達の姿が写っている。
ハヅキは写真中央に位置する少年に指を指した。
「この子が今回のターゲット、コルティア・ランティス。
 その他大勢は彼と長期PTを組んだ少年達よ」
サラマは少し間を置いてからハヅキに尋ねた。
「何年前のSSだ?」
「えっと…これは6年前…ターゲットが9歳の頃よ」
「そして今は高レベルの侍か…廃人(冒険中毒者)か…?」
「さぁ…?」

523 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/30(木) 04:08 [ uT5J0Lw. ]
サラマはふぅっと呆れた表情でため息をついた。
ハヅキもつられてため息をつく。
「まったく、酒も飲めねぇガキがLv70に近いとはな…」
「資料によれば…ターゲットが13歳の時まで
 ずーっとこの固定PTだったらしいの」
サラマは「そうか」と呟くと、SSをハックに手渡した。
ハックが見たSSは6人の内2人の顔に斜線が引いてある。
「…この2人にはなんで斜線が引いてあるんだ?」
ハックはハヅキの手を引っ張って尋ねた。
その問いにサラマが淡々と答える。
「その二人は今回の依頼人だ。
 まぎわらしいから消しておいた」
「そうか……ん?」
「どうしたの?ハック」
ハックはちょんと1人の少年を指差している。
それを見たハヅキは鞄から新たな資料を取り出した。

524 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/30(木) 04:26 [ uT5J0Lw. ]
「その少年の名前はユリノっていうらしいの。
 変わった名前だから覚えちゃった」
ハックは苦笑いを浮かべるハヅキの耳に顔を近づけて呟いた。
「この兄ちゃん知ってる。飛空挺パスがもらえたって言って
 2年前に港で騒いでた兄ちゃんだ」
「「何だって!?」」
二人の声が重なって、ビクッと体を震わせるハック。
サラマはまたため息をついてからハックに話しかけた。
「その後そいつはどうしたんだ?」
「えっと、ウィンダス行きの飛空挺に乗っていった。
 この兄ちゃんは赤魔道士。他にも5人いたけど、
 みんな立派な服着てた」
ハックは頭を抱えながら思い出したことを呟いていく。
「その兄ちゃん、確かこんなこと言ってた。
『いろんな国の料理を学べて楽しかったし、
 みんなと協力してここまで強くなれてよかった。
 でももうおしまい、僕は自分の夢のためにがんばるよ。
 だからウィンダスに遊びに来てね』って」
サラマは額に指を当てて目を閉じた。
「ウィンダスか…」

525 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/10/30(木) 04:53 [ uT5J0Lw. ]
ハヅキはハックが持っているSSをじっと見つめた。
「仕方がないね、もう一度調べてくるね」
「頼む」
サラマはそう呟くと、ハヅキはジュノへと戻って行った。
サラマはすくっと立ち上がり、ハックの手を引いた。
「俺様たちはウィンダスに行こう。
 ジュノでの情報集めはハヅキに任せたほうがいい。
 俺様たちは現地で聞き込みだ」
ハックはその突然の発言に戸惑った。
「え、ハヅキ姉ちゃん置いていくのか?」
「なるべく危ない目には合わせたくない。
 後にハヅキにはLSを通して伝えておくから大丈夫だ。
 そのためにお前を呼んだんだ、俺様はジュノ付近の地図しかないからな」
あっという間に今後の予定を言い渡され、ぽかんと立ち尽くすハック。
サラマはハックの手を引いて走った。
「早く行こう、ハヅキが戻ってくる前に」
「え…ちょっと…わっ!」
サラマはハックを引きずってソロムグへ向かった。
「ハヅキ…許してくれ。
 もうお前を危険な目に合わせまいと誓ったんだ。

 …そう…誓ったんだ」

サラマの章 第9話に続く…

526 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 10:31 [ hjmdz3iw ]
>>512
リノナノはリュートの事覚えてねーんだろうからなぁ。
リュート編でそんなそぶりまったく見せなかったし。
ニブチンに対する憂さ晴らしみたいなもんじゃね?

しかしロストアンコックすぎ…固定じゃなかったらキックされてるぞw

527 名前: 妄想戦記書き直してる人 投稿日: 2003/10/30(木) 14:24 [ td13Mw0M ]
掲示板が見つからなかったのでこちらお借りします〜。

君と見つけた空の作者様、リンク張りたいのですが張ってもよろしいですか?
リンクフリーとも書いてなかったので……。
もし良ければお返事お願いします。

私のホムペは過去レスのどっかに……。
……探すのメンドイだろうからもう一度張っときます。
ttp://zagnovels.hp.infoseek.co.jp/

528 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/30(木) 17:58 [ m1n3dffU ]
タル戦いよいよ終盤かあ。なんだか感慨深いなー。
このスレはタル戦から始まったようなもんだから。
今はいっぱい作者さんたちが増えてすごいよね。
みなさんの物語、どうぞこれからも読ませてください。

529 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:07 [ DHby9.Fg ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十三話 すれ違う、想い

―― バルクルム砂丘 ――

朝が来た。太陽の光が、ボギーの体を焦がし、それは砂と化し、魂の浄化がなされた。
その傍らでトッパとクリームは背中合わせで座っている。
お互い何かを言うでもなく、ただ、消えていくボギーをじっと見つめていた。

「全く…なんなのかしら?あの二人。言いたい事あるならはっきりいえばいいのにね?」
「ふむ、どうも過去に面識がある様子ですね…しかし、感動の対面というわけではなさそうです」

セラフィーとゼヴェンは遠巻きに二人の様子を眺めていた。熱い砂丘でのんびりするのは
御免といきたいところだが、どうにも声をかけづらい雰囲気である。

530 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:08 [ DHby9.Fg ]
「なぁ…クリーム。なんでお前がここにいるんだ?」
最初にトッパが口を開いた。
「なんでって…」
クリームはうつむいたまま、呟いた。
「トッパもお母さんも…あたいを置いて行くから…だから、だから…」
「…だって、危ないだろう?」
「危ないのは分かってるよ…でも、あたい…!」
「……ごめんな…オイラのせいなのか…?」
「…トッパは関係ないよ。…それに今はあたいだって充分強くなったんだから」
「でもよ…」
トッパが口を開いた瞬間、クリームはしびれを切らしたかのように、すくっと立ち上がった。
「…もういいじゃない!あたいは強くなったんだから!一人だって生きていける!
 さっきのボギーも、手出しなんて余計だったんだから!
 トッパよりも、あたいの方が強いんだよ!それが分からなかったの!?」
今まで、そう、トッパが旅立った日からの出来事がクリームの脳裏をよぎる。
クレイとの出会い、そして別れ…

531 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:11 [ DHby9.Fg ]
もしも、あのまま、トッパがずっと一緒に居てくれたのなら…もしそうだったら自分とクレイは
出会わずに済んだのかもしれない。そして、死ぬ事も…
「もう、ほっといてよ!あたいには家族なんていないんだ!あたいの大切な人は…
 みんなあたいを残して、何処かへ行っちゃう!遠い遠いところへ…トッパだって…!」

後ろに座るクリームの体が震えている。
彼女に何があったのかは分からない、しかし…あの時、何も言わず一人で旅立ってしまった事を
トッパは後悔した。

「ごめんな…ごめんな…」

532 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:12 [ DHby9.Fg ]
「おやおや…どうしたんだい?クリーム」
「…ババドラバド!」
クリームが泣きそうな顔をして振り返った先、そこから何かが歩み寄る。
ぞくっと背筋が凍る感触、とてつもない恐怖。砂丘の向こうから、それはやってきた。
「…!?」
それはタルタルであり、魔道士のローブを身にまとっていた。しかして、背中には
体以上の大きさを誇る漆黒の鎌。
「…やぁ、君がトッパ君か。クリームから話は聞いているが…」
(…な、なんだこいつは!?)
「どうしたのかな?体が震えているようだよ?」
(怖い…なんでだ!?オイラ、コイツの事がすごく怖い!?)
「お…お前は…」
トッパは精一杯、力を込めて喉からかすれ声を出す。
「初めまして、僕はババドラバド。クリームと一緒に旅をしている者さ」
ババドラバドはそこまで言うと、遠方のゼヴェンとセラフィーにも声をかけた。
「やぁ、そんなところで隠れてないで…折角だし一緒にお茶でも飲まないかい?」

533 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:13 [ DHby9.Fg ]
「む…どうも見つかってしまったようですね。仕方ない。とりあえず敵意は無いみたいです。
 お茶をご馳走になるとしましょうか」
「そうねぇ…でも、なんなのあいつ?只者じゃあない、気配を消しても無駄だったわね…
 いきなり襲ってくるってことはなさそうだけど…」
セラフィーは訝しげにババドラバドを見つめて言った。
「あのタルタル。どうやら暗黒の力の使い手のようですね…」
「暗黒?…聞いたことあるけど…まさかこんなところでお目にかかれるとはね」
「ええ、それにクリームという娘も同じ力を感じます」
「ふ〜ん、どうでもいいんだけどさ」
セラフィーはどっこいしょ、という感じで起き上がった。
「ゼヴェンさ、あなた、只の吟遊詩人じゃあないでしょ?
 さっきのボギーとの戦いでも、あの動きは詩人のものじゃあなかった」
ゼヴェンも起き上がり、体の砂をはらう。
「やれやれ…さすがです。見抜かれてしまいましたか…
 まぁ、それは追々話すとしましょう。今はお茶の時間ですよ」
「そうね…それにしても、あのタルタル…なんだかトッパに似てるような気がしない?」

534 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:14 [ DHby9.Fg ]
ババドラバドが沸かしたそれは、ウィンダスティーというらしい。
各地を放浪しているゼヴェンも始めて飲む茶らしく、その香りに優々としている。
「君達はウィンダスを目指しているのかな?」
「…ええ、セルビナから船に乗ってマウラまで行こうと計画していたところです」
「そうそう、でもそんな時にあのうざったいボギーちゃんが出てきて大変だったのよ」
そんな会話の中、トッパとクリームは相変わらず下を向いたままだ。
取っ手の無い、かわった形のコップ…ユノミというらしいが、
クリームはそれに浮かんだ茶柱をじっと眺めている。
「その…二人はこれから何処へいくんだ?ウィンダスか?」
トッパがババドラバドに、少々怖気づいた感じで話しかけた。
「そうだね…クリームがそう望んでいるから、僕達も後で行く事になるだろう。
 だけど、実は僕はこの砂丘で野暮用があってね」
「…野暮用?」
クリームが顔を見上げて、ババドラバドを見る。
「ああ、そうだ。まだクリームにも話していなかったかな…?
 …この砂丘である男と待ち合わせをしているんだよ。君に出会ったのもここへ来る途中だった」

535 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:16 [ DHby9.Fg ]
「そうですか…同じウィンダスが目的ならば、一緒に組みませんか?
 その用事とやらも、私達もお付き合いしますよ。旅は多いほうが楽しいでしょうし…」
ゼヴェンが、顎を掻きながら言った。
「それに、トッパとクリームさんは顔なじみの様子。ここで別れるのは何とも勿体無い話では?」
「うんうん…それもいいかもしれないね。…クリームはどうだい?」
「あたいは…ババドラバドに着いて行くよ」
「トッパはどうですか?」

…ゼヴェンの問いに、トッパは即答できなかった。
勿論、クリームとここで別れるのはまっぴら御免である。
この気まずい状況のまま彼女と別れるなんて、そんなことは出来るはずが無い。
が、しかし。このババドラバドという男。何故だかよく分からないが、危険な感じがする。
そんな奴と一緒に旅をしている彼女を放っておくわけにはいかない。
ゼヴェンも提案も、そんな自分の状況を察しての物だろう。

536 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:17 [ DHby9.Fg ]
「そうだな…ウィンダスまで何があるかわからないしな…一緒に組もうぜ」

「はは、そうこなくっちゃね…それじゃあ、これからよろしく頼むよ」

ババドラバドは嬉しそうに、トッパを見つめる。
その笑顔にやはりトッパは畏怖を感じるのだった。
(クリーム…一体どうしちまったんだ?…こいつは…一緒にいちゃあいけない…)


5人はババドラバドの目的地へと足を進める。
そこに何が待っているのか…その答えは、ババドラバドのみぞ知る。


                                        続く

537 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:29 [ DHby9.Fg ]
あ、またヤッチマッタ(ノ∀`)タハー

トッパが口を開いた瞬間、クリームはしびれを切らしたかのように、すくっと立ち上がった。
                 ↓
トッパが口を開いた瞬間、そこまで静かにしていたクリームはしびれを切らしたかのように、大声を張り上げた。
                
脳内変換お願いしまつ(つд`)

538 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:34 [ hA0lu6kE ]
タル戦キター------

539 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 02:53 [ DHby9.Fg ]
もーそろそろ終わるので…久々にキャラ紹介 〜あぼんしちゃった人達編〜

■クレイ君についてアレコレ

 えー、個人的には予想外のキャラですた。キャラの一人歩きって奴でつね(つд`)
 本当はもっと極悪な男にしたかったのでつ(つд`)
 最低野郎として降臨させたつもりが…いつの間にかいい人になってますた( `・ω・´)
 ベドーでクリーム見捨てて逃げる男の役割は実はクレイが当初の予定だっt(略

■ヴァーリュス君についてアレコレ

 赤魔道士が出したかった…あと、エル♂さんを出したかった…
 んで、当初の目的通り軽いけど格好いい男…になったかはどうかは置いといて。
 あ、でも普通のキャラだったら面白味ないし。。えい、サポ忍者にしてしまえ!
 赤/忍かよwという突込みがあったのは嬉しかったでつ(;´Д⊂
 いやま、どーでもいい設定なんですがね(・ω・)

540 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 07:36 [ 8CLhreQc ]
キタ─────(゚∀゚)─────!!

541 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 08:49 [ 2t./LLiI ]
キテル──────────(゚∀゚)───────────────────!!

542 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 11:01 [ MEFvFrSk ]
ニャ────────────────(゚∀゚)───────────────────ン!!

543 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 11:42 [ F8r.MVH2 ]
>>542
ハゲワラ

544 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 13:48 [ c3tLGSj. ]
キタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(。∀ ゚)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!

545 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 14:12 [ 1ImHTOoc ]
うほ いいタル戦・・・

546 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 16:17 [ inyb8yw6 ]
>542
イタダキマス φ(*'д'* )メモメモ

547 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 16:35 [ IKnDDSM6 ]
キタ━(°∀°)━!!

548 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/31(金) 18:23 [ 0VCiloYw ]
キタ━━━━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!

549 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/31(金) 21:33 [ cRW6BTaI ]
キタ--------------------------------

550 名前: 1/3 投稿日: 2003/10/31(金) 23:32 [ FjraFJS2 ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「ね?準備できた?お部屋に入ってもイイかな?」
「ふにゃ。もう、ちょっと、なの、にゃ。」

にゅぅにゅぅ。
お祭りなのにゃ!
ハロウィーンなのにゃ!
みんなで仮装して、街を練り歩くのにゃ!
だから、アタシは今、お部屋で仮装の準備をしてるのにゃ!

「う〜ん。まだかな?」
「にゃ!完璧にゃ!もうイイにゃ!」

「あ、じゃあ、入るね。」
「はいにゃ。」

ガチャ。

551 名前: 2/3 投稿日: 2003/10/31(金) 23:33 [ FjraFJS2 ]
「あ・・・。」
「にゃ?アタシの仮装、どうかにゃ?」

「えっと・・・。その、それは、なに・・・かな?」
「うにゃ?ハロウィーンと言えば、かぼちゃなのにゃ。
だから、大胆にかぼちゃを使ってみたのにゃ。」

「あ、うん。確かに、大胆にかぼちゃ・・・。」
「ふにゃ?この仮装、ダメかにゃ?」

「え?!あ、ダメじゃないケド・・・。」
「にゃ?」

「あ、あのね。私、二人分の衣装、用意してみたの。
ほら、可愛いでしょ?それに、ほら、二人でお揃いになるし。
ね?こっちにしない?」
「にゃ?」

「ね?ね?ね?」
「にゃ。わかったにゃ。そっちにするにゃ。
こっちはあきらめるにゃ・・・。」

「わあ。ありがとう。じゃ、早速、着替えようね。」
「はいにゃ。」

552 名前: 3/3 投稿日: 2003/10/31(金) 23:34 [ FjraFJS2 ]
にゅぅにゅぅ。
アタシの仮装、力作だったのにゃ。
もし、全日本仮装大賞にでれば、
二十点満点で、優勝間違いないハズなのにゃ。
残念なのにゃ。

「ん?何か、イッた?」
「なんでもないにゃ。」

「せっかくのお祭りなんだもん。
ちゃんとそれっぽい格好をしなくちゃね。」
「そうにゃ。形は大事なのにゃ。」

「だから、全身タイツで、かぼちゃパンツを被るなんて暴挙、
たとえ金ちゃんが許しても、私が許しません。」
「にゃ?何か、イッたにゃ?」

「なんでもないよ。着替え、終わった?」
「終わったにゃ。」

「じゃ、行こうか?」
「にゃ!イクにゃ!」

にゅぅにゅぅ。
可愛いお化け達の出来上がりなのにゃ。
街がアタシ達を呼んでいるのにゃ。

553 名前: 名無しさんぽ 投稿日: 2003/11/01(土) 01:52 [ OBS7c1HQ ]
ミスラたん!キタ──────────(゚∀゚)──────────!!
読みやすくて面白くて大好きです!

ついでに自分もハロウィーンネタで文章書いてみました。
拙文ですが、どなたか読んで下さると嬉しいです。
http://mix.pinky.ne.jp/u/blueff/img/blueff576.txt

554 名前: 1/3 投稿日: 2003/11/01(土) 02:29 [ FjraFJS2 ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「「おわぁお!わぁお!わぁお!わぁお!わあ!
おわぁお!わぁお!わぁお!わぁお!わぁあ!
わぁぁぁあ!わ!わ!わ!わぁお!わぁお!わぁお!
わぁぁぁあ!ぅわぁ!ぅわぁああ!」」

にゅぅにゅぅ。
お祭りなのにゃ!
ハロウィーンなのにゃ!
みんなで仮装して、街を練り歩くのにゃ!
それで、それで・・・にゃ!

「Trick or Treat !!」
「お菓子くれないと悪戯するにゃ!」

にゅぅにゅぅ。
たくさんの人から、いっぱいお菓子を貰うのにゃ!

「うにゃ〜。お菓子、いっぱいなのにゃ。
楽しいのにゃ、嬉しいのにゃ。」
「うん、そうだね。もう、持ちきれないかも。」

「それと・・・にゃ。」
「え?なに、なに?」

「これにゃ!」
「あ!花火!すごい・・・。
でも、こんなに沢山の花火、どうしたの?」

555 名前: 2/3 投稿日: 2003/11/01(土) 02:30 [ FjraFJS2 ]
「にゃ。お菓子と一緒に貰ったのにゃ。」
「あ、そうなんだ。いいなぁ〜。」

「はいにゃ。半分コなのにゃ。」
「あ、ありがとう。嬉しいな・・・。」

「にゃ!一緒に花火するのにゃ!」
「うん!」

にゅぅにゅぅ。
アタシ、花火って大好きなのにゃ。
あの火薬がモエたときの香り、
くぅ〜、たまらなくエキゾチックなのにゃ。

「イイにゃ?もう、イイにゃ?」
「あ、ダメ!まだ、ダメなのぉ!」

「大丈夫にゃ。怖くないにゃ?」
「でも、でも、怖いよぉ・・・。」

「う〜にゃ!もう、我慢できないにゃ!」
「あ〜ん!いや〜ん!」

「打ち上げ花火・十連発・点火なのにゃ!」
「きゃ〜。」

ビュビュビュビュビュ、ドンドンドンドンド〜ン!
ビュビュビュビュビュ、ドンドンドンドンド〜ン!

「うにゃ〜。絶景かにゃ、絶景かにゃ〜。」
「うわぁ〜。た〜まや〜。」

556 名前: 3/3 投稿日: 2003/11/01(土) 02:31 [ FjraFJS2 ]
にゅぅにゅぅ。
それと、花火ってすごい大きな音がするのにゃ。
オナカの中にドンと響いてくるのにゃ。
なんか、ちょっと、気持ちイイかも・・・にゃ。

「あ・・・。花火、全部なくなっちゃったね・・・。」
「にゃ・・・。
でも、まだ、お祭りは始まったばかりなのにゃ。」

「あ、うん。そうだね。」
「そうにゃ!お祭りはこれからなのにゃ!
もっともっと楽しむのにゃ!
だから、これから街をもう一回りなのにゃ!」

「うん!」

にゅぅにゅぅ。
近所の端から宇宙の果てまで、
可愛いお化け達がお菓子を求めて参上しますにゃ!

「あにゃ?でも、なんで、ハロウィーンはお菓子が貰えるのかにゃ?」
「あ、うん。あのね・・・。ミンメイ書房の資料によると・・・。」

557 名前: 0/0 投稿日: 2003/11/01(土) 02:32 [ FjraFJS2 ]
>553
ありがとうございます。 (;´д⊂)

文章、読ませて頂きました。
FFXI とハロウィーンが見事に融合!! (・∀・)イイ!!

558 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 08:55 [ IKnDDSM6 ]
ミスラ、毎回にゅうにゅうってしゃべり方が



uzeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!





まぁ読んでないけどな ( ´,_ゝ`)プッ

559 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 13:11 [ PVisFUuA ]
かわええ(*´Д`)

560 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 14:13 [ KXroxV9s ]
>>558
見てんじゃんw

561 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 14:57 [ LWUAyDiQ ]
雪の彼方の〜、で過去に出てくるミウって文章読んでて男みたいだけど口調は
中性的で名前は女っぽい、どっちでしょうかね?

562 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 17:17 [ inyb8yw6 ]
>561
あ、それは漏れも気になった。 どっちだろう?

563 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 19:55 [ ETdJUIys ]
あれ?ミスラじゃないんだっけ?
見間違いかな。

564 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 21:53 [ /ERBNVnI ]
鎌にローブにぁゃιぃ雰囲気…
ババドラバドってクリスタルの戦士のタルタルなの?

565 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 23:16 [ lEMfoIhc ]
>>564
イメージは私もアレです。というか他に思い浮かばない…
でもホントにそうかは、ミッションランク低いのでわかりません。

566 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 23:39 [ ZBLtyQF6 ]
女だったらリノナノモテモテすぎで憎いので男に脳内補完済み

567 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/01(土) 23:54 [ TRrr47fs ]
タル戦…ミスラ譚…
二つを同時に読めるなんて、おじさんは幸せだよ(ρ_;)

568 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/02(日) 00:34 [ xiRSSUL6 ]
白き探求者キタ───────────(゚∀゚)───────────────

569 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 03:16 [ uT5J0Lw. ]
ユリノの章 第9話 PT結成記念日

〜ユリノのレンタルハウス〜

「ただいまぁ」
ハウスに入るときにいつもしている挨拶の言葉。
しかしいつもある返事は今日は無かった。
「あ、確かピクニックに行くって言ってたっけ」
ユリノはぶつぶつと呟きながら机に向かった。
その机の上には1枚の封筒が置いてある。
宛先は自分の名前で、送り主は義理の兄の名前だった。
「……戻らないから」
ユリノはそう呟くと、封筒をキッチンのゴミ箱へと投げ捨てた。
気を取り直して椅子に座り、手紙を書く。

…手紙を全て書き終えるとユリノは競売へと向かった。
机には送り主、宛先共に自分の名前の手紙がぽつんとある。
手紙の内容はこのようなものだった。
『トゥフィール魔術騎士団結成パーティのお知らせ…
 場所 ユリノのレンタルハウス
 時間 お昼から
 内容 その時の気分で進行』

570 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 03:31 [ uT5J0Lw. ]
〜ユリノのモグハウス・昼〜

「またこの手のパーティか…」
「アイツも飽きないよなぁ」
ハウスの前で立ち尽くすアッシュとクロノス。
早めに来てしまったらしく、ドアが開くのを待っている。
「なぁアッシュ、今回もアイツの料理とか出るのかな?」
クロノスはやや不安そうな顔で呟いた。
「ああ、今回も傑作が生まれなければいいんだが」
と、表情一つ変えずに答えるアッシュ。
住宅区の入り口に目をやると、レンタルハウスを借りてるテノースの姿。
その横にはルイーズとアリマーもいた。
「全員揃ったな」
アッシュは呟くと、コンコンとハウスの扉を叩いた。
「もう入っていいよ〜!」
と、扉の向こうからユリノの声。
それを聞いたクロノスはガチャッとドアノブを回した。

571 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 03:49 [ uT5J0Lw. ]
部屋の中を覗き込むクロノスの視界に入ったのは、
テーブルの上に溢れんばかりの料理の山だった。
そしてこちらを不思議そうに眺めるユリノの姿も。
「…なんでそこで止まるの?」
「あ、いけね」
クロノスは扉を足で押し、真っ先に席に着いた。
アッシュはクロノスの隣の席に腰掛ける。
テノースは扉の前できょろきょろとあたりを見回してから席へ向かい、
ルイーズは兜を取ってから席に着き、
アリマーは扉をぱたんと閉めてからまた席へと座る。
白いカンビスンを着たユリノはマイクを持って皆を出迎えた。
「あー、本日はパーティに来てくれてありがといございました。
 内心みんな忙しそうだったから、来てくれるかなって…」
それにも関わらずパーティを開いた彼の表情は、
満面の笑みを浮かべていた。
「まぁとにかく今後の予定とかも立てちゃうんで、
 少し楽しんでくださいね〜」
と、言うとユリノはキッチンに入っていった。

572 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 04:05 [ uT5J0Lw. ]
「へぇ…」
アリマーはユリノの表情を見てくすっと笑う。
「どうかしたの?アリマー」
隣にいたルイースがアリマーの顔を覗き込んだ。
「いやぁ、ユリノって変わったなぁと思って」
アリマーはにやけながらルイーズに耳打ちする。
「あの時のユリノ、見たら背筋が凍りつくよ。
 魔法学校の中じゃ1人だけ孤立してさぁ、
 『近づいたらぶっ飛ばす』みたいなオーラ出して…」
その瞬間、なにやら黒い鉄板がテノースの帽子をかすめ、
アリマーの顔面へと突き刺さった。
テノースが振り向くとキッチンの前で顔を赤くするユリノが。
「人の恥ずかしい過去をバラさないでください!」
と、一言言うと再びキッチンの中へと入っていった。
あっという間にしーんとなる部屋の中。
「す、すごい…フライパンが突き刺さってます…」
テノースの気が抜けた発言にも、誰も耳を貸さなかった。

573 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 04:20 [ uT5J0Lw. ]
そんな中、パーティは着々と進んでいた。
クロノスはユリノの出す料理にかぶりつくばかり。
アリマーは先ほどの一撃が効いたらしく、
手で顔を覆っている。
テノースは部屋の隅でハープを奏でていた。
「そういえば…皆さんは何のために旅をしてるんですか?」
ハープをかき鳴らしながらテノースは尋ねた。
その問いに最初に答えたのはルイーズ。
「何のため?旅立った理由なんて当に忘れてるよ。
 今はハートといろんな所に行くだけで幸せかな」
と、メロンパイを頬張りながら答えた。
「そっか、旅に目的が無い人もいるんですねぇ」
「目的が無いわけじゃないよ、
 ただいろんなとこに行ってみたいだけ」
「あぅ、失礼なこと言ってすいません…」
テノースは帽子を深々と被って顔を隠した。
「いいんだよ、よく言われることだから慣れてる」
ルイーズは席を立ってぽんとテニースの肩を叩いた。

574 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 04:37 [ uT5J0Lw. ]
「えっと…他の皆さんは…?」
テノースはすこし遠慮気味に答えた。
するとクロノスがテノースに飛びついて笑顔で答える。
「オイラのは言えないけど…ユリノのなら教えてやるぞ?」
「ク…クロノスさん…ちょっと乗らないで…くださ…」
「お、悪い悪い」
すたっと立ち上がったクロノスはテノースの肩をつかんで答えた。
「アイツ…ウィンダスのコックを目指してるんだよ」
「あ、それ聞いたことあります」
「あぁ、調理ギルドで修行してるんだ、アイツ」
「あの…爪が肩に食い込んで痛いんですが…」
「うお!いけね!」
クロノスはテノースの肩を放すとそのまま部屋の壁まで下がった。
「気をつけろテノース、コイツはネコ並みの動きしやがるから」
と、アッシュはクロノスの頭を根で叩きながら言った。
「うあ!そんな叩くなバカァ!」
「誰がバカだ、剣虎が獲物に飛びつく並のスピードで
 テノース押さえつけるなバカ猫」
「痛っ!いい加減やめろよ!」
涙目のクロノスはアッシュの根をばしっと弾いた。

575 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 05:02 [ uT5J0Lw. ]
くるくると空を舞うプライドスタッフ。
これもテノースの頬をかすめてカランと落ちる。
そしてぽたっと別の何かがテノースの頬に落ちた。
そっと手で触れて見ると、なにやら赤い液体が。
そしてアッシュの手の甲に視線を送ると、
まるで何かに切り裂かれたような傷が4本もあった。
「ク…クロノスさんまさか…?」
困惑するテノースを見ながらケアルを唱えるアッシュ。
「こんなこと、ミスラもしないよな」
「だってアッシュがオイラの頭殴るから…」
「見ろ、すっかり怯えてるじゃないか、テノースが」
「あ…」
ただぽけーっと天井を見上げているテノース。
心配になったクロノスが近寄って声をかけるが…反応が無い。
どうやら気絶しているようだ。
それをただ見ていたルイーズは紙を取り出して呟いた。
「クロノスくんは…ねーこ…っと、メモメモ」
「あ!そこメモるなぁー!」
「で、たーんーき…書き込みっと」
「だからそんなこと書き込むなぁー!」
その場で追いかけっこをはじめる二人。
もうやりたい放題の状態だった。

576 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/02(日) 05:14 [ uT5J0Lw. ]
「はぁ…なんでいつもこうなる…?」
アッシュはため息をつきながら腰掛ける。
その隣に、さっきまで寝ていたアリマーも腰掛けた。
「元気だね、クロノスくん」
「元気すぎて困っている」
何を答えても無表情なアッシュを見て、
またくすっと笑うアリマー。
「まぁ、お互い元気な弟がいると飽きないよ」
「え、弟?」
「ああ、自己紹介が遅れたね。
 私はアリマー・ハートレス、ルイーズの双子の兄さ。
 よろしく、クロノスくんの双子の兄さん」
「はぁ…よろしく」
アッシュは軽くお辞儀をすると、サンドリアティーを口に含んだ。
「ちょっと、何がどうなってんの?」
そこへやって来たのは、ずっとキッチンにいたユリノ。
「ああ、もう暴れてるよ。弟達がね」
「確かに、弟達だな」
二人は合わせてくすっと笑った。
「いいから止めてくださいって!ハウスがめちゃめちゃになるって!」
このどたばたパーティは、まだまだ続きそうだ。

ユリノの章 第10話に続く…

577 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/02(日) 07:44 [ OT0rxtEE ]
>>496-503 六花  1章

六花<ろっか>と読んでいただけるとうれしいです。
2章ちょっと長くなると思います。

578 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/02(日) 07:50 [ OT0rxtEE ]
雪の彼方  <六花編  2章>

さすがに4日目のキャンプになると疲れも出てくる。
リノナノとロストは相変わらずの決別状態で、それでも戦闘の歯車はあっていた。
が。
「釣り失敗したにゃあ!」
ミュミが慌てて戻ってくる。
後ろには二匹のフライ族が続いていた。
「眠らすわ」
リュートが細い横笛に息を吹き込む。
「姫、リュートに注意していてくれ」
「了解」
「天候が、水エレ!!!」
「場所移動だ、こっちへ!!」
「そこ、クラブがっ」
「エレよりましだ」
声をあげながら、確認しあう。
「きゃっ!」
フライ族のカースドスフィアを受け、リュートがはじかれる。
「なろっ、暗黒っ!!」
「やめっ!!!」
集注攻撃を受けていたリュートの敵を、ロストがひきつける。
「ガーディ!!」
「インビンシブル」
「リノナノはさがってろ!!」
ロストが叫んで突き飛ばす。
こうやって、いつだってリノナノは意識的にも無意識的にもかばわれる。

579 名前: 2 投稿日: 2003/11/02(日) 07:56 [ OT0rxtEE ]
「うにゃにゃあぁぁ!またとんぼがきたにゃあぁ」
「パニクるな!!ミュミ」
そういいながらもリノナノは周囲を見渡す。
救援を出したくても、人もいない。
「姫、エスケ無理だな?」
「ごめっ、サポ赤」
「エスケするっ、みんな近くに集まれっ」
回復魔法の合間を縫って会話が飛び交う。
「うにゃあああ!!クラブが邪魔にゃアアイタッ、痛いにゃアァ」
ミュミがしゃがみこんでしまったのを見て、ロストが走る。
ミュミの位置は遠く、エスケプが届かない。
リノナノはエスケプを一回きってミュミにケアルを詠唱した。
リノナノの心に不吉な影がじわりとにじんだ。
あの時と同じ―
モンスターのリンク、倒れてゆく仲間…そして、戻らない友。
心臓をわしずかみにされたような苦しさがリノナノに広がった。
ロストがミュミを肩に担ぎ上げる。
リュートがララバイを奏で、ガーディが剣を振るう。
皮肉にも、透けた金の羽が、ガーディの剣によって叩ききられた。
クラブの爪が走るロストの足に刺さる。
ロストの膝が砕けた。
血。
血が、散る。

580 名前: 3 投稿日: 2003/11/02(日) 08:01 [ OT0rxtEE ]
エスケプの詠唱範囲に、みんなが入らない。
リュートとアンジュも戦っているため動けない。
赤――――
もういやだと、泣き叫んだ雪の中に散った、赤。
「リノナノ、エスケプはっ!?」
リュートの言葉にリノナノは歯を食いしばった。
ロストが、叫んだ。
「先に行け!!生き残れるやつだけでもっ!
仲間は効率よく殺すべきだっ!!!止まるなっ」
それは、ロストの師匠と呼べる騎士が言った言葉。
仲間を守るために言い放った、教訓。
ロストの声にリノナノは首を横に振った。
誰一人見捨てたくはなかった。
生かすための魔法で、何故切り捨てる人を選ばなきゃいけない。
でも、それが必要だと頭ではわかっていた。
「おっさん、ミュミの手を」
ロストがミュミの頬を叩き、背中を押す。
「やにゃあああ。ロストと一緒にゃ!」
「ちっ」
鎌を杖にすがるように、ロストが立ち上がる。
片足の裂傷が激しい…。
刻々と変化する状況のなかで、最善を選ばなければならない。
より多くの命を―守るために。
切り捨てる人間を、選ぶ。

581 名前: 4 投稿日: 2003/11/02(日) 08:03 [ OT0rxtEE ]
ガーディがミュミの手をつかみ引き寄せる。
「あきらめるな!!馬鹿やろう、早くこいっ!!!!」
リノナノは目を閉じ、腹の底から叫んだ。
そしてロストに祈るように回復魔法を投げかける。
わずかでも、動ける力を―。
引きずる足、血の跡ができる。
ロストがエスケプの範囲に入った瞬間、リノナノはエスケプを詠唱を開始した。
あと少しでたすかる…。
そう思った瞬間、水のエレメンタルがリノナノの魔法詠唱に反応した。
リノナノに襲い掛かるエレメタル…。
ガーディの挑発と、ロストの暗黒ギロティンが一緒だった。
リノナノは眼を閉じ、心のなかで叫んだ。
違うッ……―!!
リノナノはロストに歩く力を与えたかったのに…
ともに脱出するために回復魔法を投げかけたのに…
なんで暗黒を―…。
言葉にならない多くの言葉。
本当に叫びたい時、魔道師はいつだって叫べない。
ただ、謳うような詠唱の声だけが自分の耳につく。

582 名前: 5 投稿日: 2003/11/02(日) 08:05 [ OT0rxtEE ]
エレメンタルは、ガーディがかばうより先にロストに攻撃を叩きつけた。
「闇の精霊よ…我等の窮地を助けこの地よりかの地に時空を越え
我等の魂を運べ。エスケプ!!」
時空が歪む。
黒い髪のロストが、崩れてゆく。
リノナノの悲鳴は言葉にならなかった。

聖地ジ・タ。
「みんな、無事っ?!」
アンジュの言葉が虚空に、消えた。
「ロス…ト?」
ミュミが信じられないというように首を横に振った。
リノナノはただ、見下ろしていた。
ロストの体が、ピクリとも動かない…。
額と頬に血が流れている。
足も。
触れれば暖かいだろうに…。
その胸は、呼吸を刻んではいなかった。
ガーディはロストを見、歯を食いしばってリノナノを振り返った。
「リノナノ…蘇生を」
ガーディーが手を差し出す。
リノナノは震えていた。
小刻みに。

583 名前: 6 投稿日: 2003/11/02(日) 08:08 [ OT0rxtEE ]
「私が蘇生魔法、やってみるわ」
アンジュがレイズを唱えるが、
ロストの止まってしまった心臓を動かす事は出来なかった。
「起きなさいよっ!!ロスト、目覚ましなさいっ」
白姫の取り乱した声をリノナノはただ、聞いていた。
生きていて、怒って、笑っていたものが…動かない。
さっきまでの声すら耳に残っているのに。
助けたかった多くの命。助けられなかった多くの命。
そんな重さに耐えられる者が、果たしてどれだけいるのか。
リュートが細い指を竪琴にかけ爪弾いた。
魔道師のバラード。
リノナノは目を閉じ、目を開いた。
握り締めた拳に爪が突き刺さる。
女神アルタナ。
何故人は死ぬのに、生きるのか―。
絶望のなかでそれでも生きよと望む自分に矛盾を感じながらリノナノは
顔を天に向かわせ、大いなる樹々の根元で目を閉じた。
気力のすべてを凝縮し、注ぎ込む。
「女神アルタナ…その世界を包む慈悲で、
我に天空に向かう友の魂を呼び戻す許しを与えたまえ。
光と闇の狭間よりいとし子に愛の息吹を吹き込み
今一度その瞳に光を宿らせよ。レイズ�供�!」
光が、あふれた。

584 名前: 7 投稿日: 2003/11/02(日) 08:11 [ OT0rxtEE ]
ロストの身体が宙に浮び、黄金の輝きがロストに触れる。
「嘘…レイズ�兇辰董帖宗�」
白姫アンジュが喘ぐように呟いた。
ロストの胸が小さく吐息をつく。
髪が風もないのに揺れた。
「あ…?」
漆黒の瞳が開く。
ロストの整った顔がゆるやかに表情を作る。
地について、ひざまずくロストはゆっくりと顔をあげる。
目の前には、蒼白のリノナノが俯いて立っていた。
肩で粗い呼吸をしている。
ロストは手を上げ、リノナノの頬を握り拳で思いっきり殴った。
リノナノは軽々と吹っ飛ぶ。
「ちょっ!!」

585 名前: 8 投稿日: 2003/11/02(日) 08:15 [ OT0rxtEE ]
「なんで待った!!エスケプしろっつっただろうがっ」
ロストは叫んでゴロンと横になる。
ほんとは、衰弱が激しく起きているのも辛いはずなのだ。
いまさらに苦しげに顔をゆがめる。
「馬鹿やろう。リュートや姫を殺すつもりか」
唇を切ったのか、リノナノの口の端に血があふれていた。
リノナノは俯いたままちいさく呟く。
「白き女神よ。その御手でロストに癒しを、ケアル�掘�
ロストをケアルの光で包み、背後の小さなポシェットから薬の小ビンを取り出す。
ロストのズボンを破り、揉みこんだセージと霊芝、
ヘクトアイズの眼に蒸留水を振りかける。
黙々と手当てするリノナノにロストも
さすがに心配になったのか不安そうに見あげる。
普段なら遠慮のない喧嘩がここで始まるのに…。
「なんかいえよ、オイ」
ロストの言葉にリノナノは、小さく言った。
「――蘇生できて、…―よかった」
そして、リノナノは真っ白い顔でかすかに微笑んだ。
包帯を結ぼうとして、うまく結べない。
見守っていたリュートが見かねてリノナノから包帯を取り上げた。
リノナノの小刻みに震えた指が、包帯を結ぶことすら拒んでいた。

586 名前: 9 投稿日: 2003/11/02(日) 08:19 [ OT0rxtEE ]
気まずい空気が流れる。
ロストの呼吸が整いある程度回復した頃を見計らって、ガーディが立ち上がった。
「ちょ…」
「だめ、ガーディっ!!」
止める女性達の声を無視しガーディの拳がロストに振り下ろされた。
容赦のない拳はロストに振り下ろされるはずだったが…
ズシン!!
わずか数ミリで、重い拳が土に沈んだ。
「ガーディ?」
温和なガーディらしくない行動にみなが唖然とした。
ガーディの低い声。
「…リノナノに、姫たちのためにお前を切りすてろと選択させるのが…
どれほどひどい事かお前にわかるか?」
戦場では、こんな事もある。
それはみんなわかっている。
ロストが間違った事をいっていないのも、わかっている。
わかっていて―。
ガーディはゆっくりとリノナノの後を追った。

587 名前: 10 投稿日: 2003/11/02(日) 08:21 [ OT0rxtEE ]
聖地ジ・タの大樹の根元に、
小さな身体を丸めるように座り込んでいるリノナノがいた。
「リノナノ…」
ガーディの言葉にリノナノは力なく笑う。
「ワリ…ぃ…―ガーディ」
顔をあげる気力もないのか、消え入りそうな声で小さく呟く姿に
ガーディの胸は痛んだ。
「ロストは気持ち一発…ぶん殴っといたから、な」
ガーディの言葉にリノナノはかすれた声で笑った。
尻尾でリノナノの小さな身体を守るように、ガーディはリノナノの隣に座る。
「……ロストは、正しい。俺もロストの立場なら同じ言葉を言う。
ガルカは真面目すぎる。普段温和な奴が怒ると、周囲がビビるゼ」
握り締めた小さな指が血の気を失い白い。
震えが止まらないのだろう。
全身が、カタカタと小刻みに震えている。
「何か飲めそうか?」
自分のバックから炎クリとウインダス茶葉を取り出そうとするガーディに、
リノナノは首を横に振った。
「何も…」
目眩と吐気…、全身の脱力感と震え。
魔力の使いすぎもあるのだろうが…。

588 名前: 11 投稿日: 2003/11/02(日) 08:24 [ OT0rxtEE ]
眼を閉じれば、赤が広がる。
雪の中の、赤。
舞い散る六花の花。
届かない叫び。
「大丈夫か?」
ガーディの言葉にリノナノは笑う。
「狂えれば楽だと、よく思うよ。
でも、そう思ってる間は駄目なんだろうな…。
だから、大丈夫だ」
リノナノの言葉にガーディは目を伏せる。
「……―」
「ああ、愚痴っちまって、ワリィ。駄目だ、セーブがきかねぇ…」
「言いたい事があれば、言ってくれ。悪かったのは俺なんだ。
無茶な仕事を入れた。
ロストを押さえられなかったものリーダーである俺の責任だ」
ガルカ特有の悲しげな瞳で呟く。
「いや。……―冒険者やってりゃ最悪の事態は――いつだってある。
ロストはロストの最善を選ぼうとしただけだ。
さすがにちょっちきっついけど、
あと…少ししたら復活するから、ほっといてくれていい」
リノナノは顔をあげ、震えながらはぁっと深く吐息をついた。
冷たく濃い霧が、二人を包む。

589 名前: 12 投稿日: 2003/11/02(日) 08:26 [ OT0rxtEE ]
ガーディは思う。
言葉に出来ない傷がある。
そしてそれを肩代わりできる人間は、誰一人いない。
でも…乗り越えられるものならば。傍でささえる事を許されれば。
仲間として、生きて行けたら…手を伸ばしてくれたら。
そのために隣にいるのに……―。
リノナノはゆっくりと立ち上がった。
「あんまり遅くなったら怪しまれるから、水汲んでくる」
何も言わず、去ってゆく。
その小さな背中が揺れるのを、ガーディは悲しげに見送った。

幸いな事にあの最悪の状況で幸運の女神は一つだけ
アイテムドロップというプレゼントをくれた。
軽口を叩いて、笑って。
リノナノはロストの頭を殴ったりして、冒険は終わった。
ジュノへの帰り道でリノナノはろくに食事もとらず、水すら受けつけなかった。
それでも、軽口叩いて笑っていたのでみんなが誤魔化された。

<続く>

590 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/02(日) 08:32 [ OT0rxtEE ]
六花 3章で終わると思います。
暗めな区切りですみません。

作家さんみなさん頑張ってください。
少しずつ読んで楽しませていただいてます。
さまさまな応援感謝です。

591 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/02(日) 08:32 [ 7mMPZVyU ]
雪の彼方、リアルタイムで読めたーーーーーーー!

いつも釣り役&リーダーやってるから、リノナノの苦悩も分かるなぁ。

592 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/02(日) 08:38 [ zgQYMvu2 ]
キタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!!
日曜の朝に投稿してくるなんて粋ですなwwwwwww
ガーディかっこいいですね(´д`;)
PTの中のリノナノの一番の理解者とういうか・・・
その辺がとにかくイイ!(・∀・)です

593 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/02(日) 08:58 [ OT0rxtEE ]
すみませんっ;;
8の終わり、もしくは9の頭に入る文章が抜けていました。
字数規制で削って、追加せずにあっぷしてしまいました。
本当はこうです。

リノナノの小刻みに震えた指が、包帯を結ぶことすら拒んでいた。
「水、汲んでくる。ミュミとロスト頼むな。姫」
「ちょっ、リノナノ!!」
リノナノは顔をあげ笑ってその場を後にした。
気まずい空気が流れる。
ロストの呼吸が整いある程度回復した頃を見計らって、ガーディが立ち上がった。

すみませんでした。

594 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/02(日) 10:04 [ inyb8yw6 ]
>593

おk (゜∇^d) グッ!! 脳内補完完了

595 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/11/02(日) 10:07 [ 0VCiloYw ]
リノナノキタ━━━━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!

596 名前: リノナノに惚れたヒュムナイト 投稿日: 2003/11/02(日) 10:53 [ io0vicXo ]
リノナノかどうかわかりませんが、昨日Odinで双子石のピアスを片方の
耳に付けていた白タルがいましたよ。名前も少し似ています。
でも女の子でしたがw

(関係あるかわかりませんがOdinには氷河で行方が消えたあの戦士
と同じ名前の人もいたりします。この前PT組んだし。ただ男キャラでしたし
ジョブもモンクや白だった)

597 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/02(日) 15:32 [ OImJu5Oo ]
>>596
関係あるわけねーだろw

598 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/02(日) 23:51 [ m1n3dffU ]
リノナノやっぱ(・∀・)イイ!!
ヒヤヒヤしちゃったよ。読ませるねえ。

599 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/03(月) 01:02 [ T7P0tqvU ]
リノナノキタ―――――wやっぱ(・∀・)イイネ!!
白き探求者もキタ――――――wいきなり感動しますた…;;

ttp://www.miracle-key.gr.jp/white/

600 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/03(月) 03:09 [ 1ImHTOoc ]
白き探求者キタ――――――!!!!
報告サンクス

601 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/03(月) 13:44 [ zgQYMvu2 ]
白き探求者キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
やっとみんなが再開でつね、なんだかじわじわ目にきてまつよ(⊃д`;)

602 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/03(月) 17:35 [ Ke9YVJ7k ]
白き探求者と空に奏でる君の歌はこっちに報告してないだけでずっと更新してたよー(`・ω・´)

603 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:24 [ 2DSeU0zU ]
リノナノが好きだ…これが恋ってやつですね

604 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:32 [ DHby9.Fg ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十四話 決戦・バルクルム砂丘


「イルル!…来たのか!?」
「…やめろ!…それだけはやめるんだ!」

…ああ、またあの時の夢か。

「ダルバック、彼女を抑えてくれ!…うう!」

そう、あのタルタルの戦士は、白魔道士である妻が何をするつもりなのか分かっていたのだろう。
そして、俺も分かっていた。
彼女はアルタナの女神の祝福を発現させようとしていたのだ。
それがどういう結果になるか、知らない物はいないだろう。
獣人にとって、それは忌むべき力であり、強烈な憎しみの対処なのだ。

「大丈夫。いつもこの力を使うたび、あなたが守ってくれたわ。…だから、あなたを信じてるのよ。
 わかるでしょ?だから、ね…」

タルタルの戦士は、脚をやられているようだ。赤い血がどくどくと絶えず流れており、しかもなお
クゥダフは奴に止めを刺そうと攻撃の手を休めない。

605 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:34 [ DHby9.Fg ]
…そう、俺は迷っていた。この状況で彼女が祝福を発現させれば、取り返しのつかない事になるだろう。
どんなに高位の回復魔法でも、どんなに高位の蘇生魔法でも、救う事が出来ない状態になる。

「ダルバック…!頼む、彼女を…!」

自分の周りには、傷ついた仲間が大勢いる。足元にも虫の息の戦士が、目を背けたくなるほどの
悲惨な状態で倒れている。

これは選択だ、多を取るか、個を取るか…
そして、ここで多を取らなければ…力なきバストゥークの民を守る事が出来ない。

「…あなたに会えてよかった。今まで、そしてこれからも愛してるわ…ババドラバド」

…光が、アルタナの女神の祝福が俺の体を包む。

606 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:35 [ DHby9.Fg ]
―― バルクルム砂丘 ――

目を開ける。またあの夢か、と思う。
あの日から…ヒュームに付けられた名前とガルカの戦士としての名前、両方を捨てた、
あの戦いの日から何度も何度も繰り返し見てきた夢だ。
空を見上げる。美しい月の光が自分の体を照らしている。遠くに聞こえる波音が心地良い。
「やぁ…待たせたかな…?わざわざここまで来てもらって悪かったね」
振り返ると、そこにあの日から、外見は何一つ変わってないタルタルの戦士がいる。
「転生の旅に出るところだったんだろう?…後伸ばしにして悪かったね…」
「…戦士としてのケジメ、というやつだ…しかし、今のお前はあの時とは違った資質を感じるが?」
「フフフ、そうだね…あの時、僕は色々な物を失ってしまったんだ。
 だけど、その代わりに力を得る事ができた。…だから、分かるだろう?僕がここへ呼び出した理由」
「ああ…拒む理由もない」

名無しのガルカは、立ち上がった。…そこで、気付いた。どうも向こうは一人で来たわけではないらしい。
そして、その中には見知った顔があるではないか。

「おっさん!おっさんなのか!?」

607 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:36 [ DHby9.Fg ]
「おっさん!おっさんなのか!?」
「…トッパか?どうしてお前が…クリームもいるのか」
「運命というのは、つくづく不思議な物だね。どうもここには縁のある者が多く集まっているようだ。
 …だけど、それは最初からこうなるものって決まっているんだろうね。
 そう、僕達はこの世界の決められた筋書き通りにしか生きていけない存在なのさ」
ババドラバドは背負った鎌を持ち、構える。
「おい、ちょっとまってくれよ!なんでババドラバドがおっさんと戦わなけりゃいけないんだ!?
 訳が分からない!」
トッパが声を張り上げて叫ぶ。それもそうだろう。何故この場にトッパとクリームがいるのかは
分からないが、いきなりの再会でこれでは混乱するのも仕方あるまい。
「うるさいね…邪魔をされちゃかなわない。君達にはこいつの相手をしてもらおうか」
ババドラバドがその場にいる誰しもが聞いたことの無い呪文を唱える。
次の瞬間、地面から、黒い何かが這い上がってきた!
それは、エルヴァーンの様にも見えるが、全身の肌が真っ黒で、しかし目だけは不気味に輝いており、
とてもではないが、生ある者には見えなかった。

608 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:37 [ DHby9.Fg ]
「噂に聞いたことはあったが…秘術まで使いこなすとはな」
「はは、それだけ得た物も大きいという事かな」

その漆黒のエルヴァーンはトッパ達に向かって、ゆっくりと歩み寄る。
トッパ達は危険を察知してか、既に戦闘態勢に入っている。

「トッパよ!この男、ババドラバドは俺が決着をつけなければいけない!手出しは無用だ!」


トッパには、この二人の過去に何があったのかは分からない。
今はただ、目の前に迫る敵を倒す事だけを考えなければいけない。
自分の過去に関わる、数年越しの因果関係の決着が
今まさに、つけられようとしていることを彼は知る由もない。

                                        続く

609 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 01:54 [ llkxogmE ]
タル戦キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

610 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 02:15 [ KQ0zT5Q6 ]
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
こんな風に話が絡んでくるとは・・・
今更ですがあなたは神ですよ!!!!

611 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 02:52 [ xS2RokNI ]
すげぇな。。
話が繋がった

612 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 02:54 [ LsjVF4k6 ]
タル戦
キ━━━テ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━タ━━━!!!

613 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 03:07 [ 1ImHTOoc ]
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!







本にならんかな・・・

614 名前: ババドバルト=トッパ父 投稿日: 2003/11/04(火) 03:59 [ ZiAnAy5s ]
ってことでいいのかしら?(´・ω・`)

615 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 05:41 [ 71yDBShE ]
    タル戦、大好きなんすけど29話までしかみせてないっす・・;;だれかタル戦まとめたHPしりませんかーーーー;;

616 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 06:33 [ nql3zzNE ]
うぅ、、パパさんの話楽しいけど、女神の祝福の設定かぶっちゃったよ、、、
パクリと思われるかなぁ〜と心配だ、、、、

617 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 11:06 [ .p.4Lefw ]
>>615
HPはないが、倉庫に保管されていない話はテキストで保存済





タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

618 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 16:28 [ QqMjL0E2 ]
タル戦の作者さんラグナ鯖ですか
なんか下層にそれっぽいサチコメのヒュム♀いたんですが

619 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 16:56 [ m1/k.G9o ]
>>618
それっぽいサチコメだけなら俺にだってつけられる
作者の鯖を探って何とする

そんな事より
タル戦キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!

620 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 17:19 [ zgQYMvu2 ]
ニャ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ン!!!!!

621 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 18:53 [ KQ0zT5Q6 ]
空に奏でる〜もキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
最近ここのスレにくるのが楽しみです^^

622 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 19:49 [ QqMjL0E2 ]
>それっぽいサチコメだけなら俺にだってつけられる
>作者の鯖を探って何とする

本人いたらまぁ何か話そうと思っただけなんだけどな

623 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/04(火) 19:57 [ DHby9.Fg ]
>>614
ってことでいいでつよ( `・ω・´) あ、あと名前がチョト違うでつ(・ω・)
>>616
それ言い出したらもっと前に祝福ネタは出てましたから…自分もパクr(略 なのでキニシナイ!
>>622
あのキャラで居る時は必ず中の人もいるので、もしまた逢えたらお話しましょう( ´∀`)

624 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 20:54 [ /lhLw/LA ]
ラグ鯖にキャラつくろうかな…
漏れもパパさんとお話ししたいよ(;´Д`)

625 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/04(火) 21:02 [ cRW6BTaI ]
キターーーーーーーーーーーーキターーーーーーーーーーー
仕事の疲れも一気に吹っ飛ぶ

626 名前: Scrapper 投稿日: 2003/11/05(水) 01:07 [ P1a2aGhA ]
新作アップしました.

今回はタルタル暗黒の話なので,タル戦とかぶっちゃったかもしれませんが...
全く反対方向からのアプローチなので,何とかなるかな,と.

タイトル決まってないとややこしそうだったので,ページの名前をシリーズタイトルとします.
ちなみに,「喧嘩する人々」という意味を持たせてあります.

一応自サイトの形になってますが,これは読みやすくするためにHEML化しただけなので
どこか引き取っていただけるサイトがあれば,お渡ししたいです.

では,皆様頑張ってください.


http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/5451/

627 名前: Scrapper 投稿日: 2003/11/05(水) 01:10 [ P1a2aGhA ]
すいません;;
HEML化ではなくHTML化です...

628 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 01:11 [ QqMjL0E2 ]
>>623
コソーリ内緒で話しかけますね(・ω・)
キャラ名も黙っときますね(・ω・)

629 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 01:16 [ xnJlvzfw ]
白き探求者もキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!

630 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:21 [ DHby9.Fg ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十五話 狂気の鎌

―― バルクルム砂丘 ――

「トッパ!この人、ちょっと強いわよ!」
セラフィーが悲痛な叫び声を上げる。
「わかってらぁ!こいつ…今までのどんなのよりも強い!」
ババドラバドの召喚した漆黒のエルヴァーンは、その巨大な両手剣を軽々と振り回し
トッパ達に襲い掛かってきた。
「おい、クリーム!戦うんだ!どうしたんだよ!?」
トッパの怒号が響き渡る。当のクリームは、その白い耳を両手で潰して、うずくまっていた。
(なんで…なんでババドラバドとガルカさんが…どうして…?)
「放っておきなさい!足手まといはいりません!」
ゼヴェンがそれまでにない強い口調で罵る。彼はそれまでの演奏を止め、剣を持っている。
(ゼヴェン…剣を持っている!?)
トッパは、それまでの温厚なイメージではない、ガルカの一族の闘争本能を剥き出しにしている
ゼヴェンの姿を見て、驚くと同時に畏縮した。

631 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:22 [ DHby9.Fg ]
「見ておきなさい!武器とはこう使うものなのです!」
ゼヴェンの強烈な突きが、漆黒のエルヴァーンへと向けられる。
セラフィーとトッパの二人に気をとられていたそれは、まともに突きを受けてしまった。
ずぶずぶ、と剣先がめり込んでいくのが分かるが、漆黒のエルヴァーンは痛みを感じないらしく、
そのまま冷たく輝く視線をゆっくりとゼヴェンへ向けた。
そして、次の瞬間、風の様な速さで巨大な両手剣がゼヴェンの頭部へと振り下ろされる!
「ゼヴェン!」
がきん、と強烈な金属音が響く、なんと、信じられない事だが、巨大な両手剣をゼヴェンはその
細い片手剣で見事に受け止めていたのだ。
「パワーーーーーーーーー!!」
ゼヴェンの野生の咆哮が響き渡る。

632 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:24 [ DHby9.Fg ]
名無しのガルカは、ババドラバドの予想以上の力量に圧倒されていた。
見た目に反した、その鎌の一撃一撃が彼の腕を痺れさせる。
「ははは!その程度の装備と腕でこの僕の鎌に勝とうと思っているのか…ダルバック!」
ババドラバドの持つ漆黒の鎌は、まるでそれ自体が意思を持っているかのごとく、
強烈に彼の隙をついてくる。そして、受け止めている盾すらもじわじわと歪んできている。
「く…だがしかし!」
名無しのガルカは、ババドラバドが大きく振りかぶった隙を突いて、思いっきり剣を振りかざした。
「隙有り!」
…しかし、次の瞬間、名無しのガルカは地面に崩れ落ちていた。
「ク…そうくるか…」
「ふふ…頭を使わなくちゃね。ダルバック君?」
なんと、ババドラバドは振りかぶった際、その鎌をそのまま放り投げ、
仕込んでいた片手剣を名無しのガルカの腹部に突き立てていた!

633 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:25 [ DHby9.Fg ]
「さて…向こうはまだまだ頑張っているようだね…」
彼がちらりと視線を向けた先では、トッパ達が漆黒のエルヴァーンと激戦を繰り広げている。
(ふむ…クリームは動いていないか…まだまだ脆い部分があるみたいだね)
チッと舌打ちした彼は、先ほど放り投げた鎌を拾い上げた。
「…僕はね、正直君を憎んじゃあいない。お陰でこの力に目覚める事ができたからね」
冷や汗を流しながら、名無しのガルカはババドラバドを睨み付けている。
「でもね、あの時捨て切れなかった何かが、僕の心を締め付けるのさ。
 …だから、多分、君を殺せば、僕はもっと高みに上がれるんだよ…分かるだろう?」
名無しのガルカは、わかるものか、と言いたい所だったがダメージが大きく、声が声にならない。
「それに…君だってあの時から十字架を背負っている。今こそ贖罪の時なんだよ?
 …転生なんてさせない。今ここで、君を消してあげる」
ババドラバドは気味の悪い、しかし何処か子供じみた笑顔のまま、ゆっくりと鎌を持ち上げた。
そして…

634 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:28 [ DHby9.Fg ]
名無しのガルカは覚悟を決めていた。が、しかし、生の終息の引き金となる激痛は襲ってこない。
その代わり、冷たい何かが首筋へ、ぽたぽたと落ちてくるのを感じた。
「あれ?…はは、そういう行動に出るのか…やっぱり君はかわいいね」
「駄目…もう、誰かが死ぬのは…嫌…ババドラバド…ガルカさん…やめて…」
そこにはクリームが、…クリームの胸に、漆黒の鎌が食い込んでいる。
彼女の胸から赤い血が流水の如く溢れ出していた。
「クリーム!!」
トッパが叫ぶ。しかし、他所へ気をやったところを漆黒のエルヴァーンが見過ごすはずもなく、
容赦ない剣技を浴びせてくる。
「ちくしょおおおおおおお!」
「ちょっと、嘘でしょ!…なんなのよ!」
「気を散らしては駄目です!…戦いなさい!救援に行くのはこいつを片付けてからです!」

635 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:29 [ DHby9.Fg ]
「クリーム…お前…」
名無しのガルカは、ゆっくりとクリームを抱きかかえる。
「ガルカさん…よかった…」
「……」
クリームは精一杯の笑顔だった。そう、それはバストゥークの鉱山で働くガルカ達の
弁当を作っている、あの頃のクリームの笑顔だった。
…そして、ゆっくりとクリームの瞼が閉じ、全身の力が抜け、彼女の手が、ずるりと
名無しのガルカの両腕からすべり落ちた。

「おやおや…これはとんだ悲劇、というところだね…」
ババドラバドが狂気の笑みを浮かべる。
「さぁ…どうするかい…?」
刹那、ババドラバドの体が、数メートル後ろに吹き飛んだ。
「…く!?…な、なんだ…!?」
何が起こったのか、信じられないという表情で彼は名無しのガルカを見た。
名無しのガルカの手には、先ほどまで体のどの部位にも装着していなかった両手剣があった。
「貴様…貴様だけは…許さんッ!」
「砂の中に埋めて隠しておいたのか…やるじゃないかっ!」

636 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:30 [ DHby9.Fg ]
血を吐きながら、ババドラバドは嬉しそうに笑っている。
「貴様…キサマ…き…」
それが最後の一撃だった。名無しのガルカはババドラバドを睨みつけながら、
その場に崩れ落ちた。
「ははは…君の力はそこまでなのか…限界ってやつ…だね…」
ババドラバドは血が吹き出る傷口を押さえながら、呪文の詠唱を始める。
次の瞬間には、出血は止まり、彼の顔に血の気が戻ってくる。
「…こういう事もできてしまうのさ…さて、と…」
彼はトッパ達を見た。どうやらさすがの死霊も朽ち果てようとしている。
あの詩人と思われるガルカが、予想以上の活躍をしているのだ。
(…へぇ…なかなかどうして。やってくれるじゃないか…)
ババドラバドは再び鎌を手に構える。そして、ゆっくりとダルバックの元へ歩み寄る。
「それじゃあ…本当にさよならだ。ダルバック君…」
鎌を振り上げ、そのままダルバックの首へ振り落ろし…

637 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:32 [ DHby9.Fg ]
”ガキン”と鈍い音がした。指にわずかだが痛みが走り、鎌が手から離れ落ちる。
(…ん…なんだ…?)
振り向いた先には、丁度手元に戻ってきたブーメランをキャッチするトッパの姿があった。
「ババドラバド…おまえがぁぁぁ!」


トッパには、なんとなく分かっていた。何故自分がババドラバドを恐れているのか。
だが、それはあまりにも漠然としたイメージで、何がどうこうという言葉には出せない。
目の前に居るのは、強大な敵。倒さなければならない敵。考えられる事は只それだけである。


                                       続く

638 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/05(水) 01:34 [ DHby9.Fg ]
あれ、sageたのに上がった(・ω・)
アトチョットアトチョット(・ω・)
ガンバロット(・ω・)

639 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 01:37 [ KQ0zT5Q6 ]
二日連続でタル戦キタキタ━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━!!!!
でもクリームが、クリームが(ノд`)
ウワァァァァン

640 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 01:43 [ pgwKw7vo ]
クリームがあああああ
うう(ρω;)
トッパガンガレーヾ(`ω´)

641 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 02:04 [ x/j8lX8U ]
ババドラバドが何者かいまだにわからん。。。

642 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 02:17 [ B84J2Q0M ]
きーーーーてーーーーるぅーーーー
最後はHappy endでよろ 続きが早く読みたいような
もう終わってしまうのかという寂しさもある

643 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 02:57 [ LsjVF4k6 ]
タル戦キテターーーーーーーーーーー
けどクリームががががあぁぁぁ(;д;)

644 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 03:17 [ ARxTW5G6 ]
ババドラバド_トッパのとうちゃ・・ry

645 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 04:41 [ ymUYQ6qg ]
今の漏れの中のババドラバドの声のイメージはフリーザ




クリーーームゥゥゥゥゥゥゥ!!!

646 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 06:52 [ xT5tROIQ ]
タル戦。凄い面白かったけど・・・

>パワーーーーーーーーー!!
これ反則。シリアスなシーンなのに思わず笑ってしまったyp!

647 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 07:28 [ arCC8PgQ ]
>>646
まあ、ガルカの共通語ってことで(・ω・)




それはそうと
キテタ────────(゚∀゚)────────!!

648 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 07:30 [ NmTjqes6 ]
パワーーーーーーーーーってよく聞くけど、元ネタって何なの?

649 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 10:42 [ xYa0P6YA ]
トッパのブーメランかっこいい――――――!!
今日から僕もブーメラン戦士!

650 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 10:46 [ QqMjL0E2 ]
タル戦勝手に全部まとめてみたんですけど何処かあぷしていいですかね?

651 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 10:59 [ o6H73p1o ]
>>650
ネ申 降臨

652 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 12:44 [ YJqa1BvI ]
パワ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

653 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 12:46 [ 1IHQo0wk ]
>パワーーーーーーーーー!!
名台詞スレだったっけ?
また読みたくなっていたがどこ行ったのかわからん

654 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 14:22 [ 2t./LLiI ]
すれ違いだが・・・
いい話スレにコピペされた奴だな・・・
どこからのコピペか忘れたが・・・
やっぱ、いい話スレ?
http://freehost.kakiko.com/error/ff_log/1031246620.html

538 :亀レスだが490氏に捧げるコピペ :02/09/25 01:11 ID:3VWKwa88
ジュノで誘われて参加したPTに白/戦ガルさんがいた。

な ん で つ か そ の 凶 悪 な H P は ?

揃ったところでエビ狩りに向かう。
ウォーハンマー装備な白ガルさん、PTの誰よりもアタッカー
ヒュム戦士が一桁ダメージなところ、ガル白さん〜20ダメージと与えてるし・・・

毎回200げとーウマーな狩りが続く中、運悪くエビがリンク。さすがに勝てない。
白ガル「古墳に逃げろ!」
古墳入り口に誰もいないのは確認済み。みなワラワラと逃げ出す。

戦士のHPが赤になった時点で祝福を発動させるガル白さん。
                            〜つづく〜

655 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 14:23 [ 2t./LLiI ]
539 :亀レスだが490氏に捧げるコピペ :02/09/25 01:12 ID:3VWKwa88
エビ2匹がタゲを白ガルさんに向ける。
ガツン!ガツン!!
エビの猛攻。ヤバイ・・・でも祝福使用済み&MP0な漏れは何もできず。
とにかく必死で古墳に飛び込む。

数秒後、ガル白さん登場
HPは・・・・・・まだ黄色ですた。

漏れ「助かりました・・・さすがガルカさんですね」
白ガル「パワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」



何が言いたいのかよくわかんなかったけど、とにかく最高でしたよ白ガルさん。

まさしく・・・

656 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 14:29 [ pJv6r79w ]
パワーーーーーーーーーーーーーーーー

657 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/05(水) 14:54 [ Tik0blCI ]
>>496-503  六花 一章
>>578-589  六花 二章

658 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/05(水) 14:58 [ Tik0blCI ]
雪の彼方 六花編 3章

数十日後
ヒュム獣使いデニがふらりとガーディを呼び出した。
ガーディは下層詩人酒場でシチューを口にしながら話を聞いた。
年老いたのバードがやわらかな歌を奏でている。
今日はリュートは休養日だった。
「珍しいな、お前から来るなんて」
デニは人ごみをあまり得意としない。
荒野や森で獣と供に静かに生きるのを好んだ。
「ん〜。ま、なんてか。
おせっかいなんてガラじゃない事は重々承知の上なんだが、
ちっとほっとけないってか、気になって」
饒舌な男にしては、歯切れがえらく悪かった。
「お前がわざわざ来るなんて、何もないわけないだろう?」
ガーディの言葉にデニは肩をすくめた。
「リノナノ、ヤバイなぁ」
デニの言葉にガーディの巨体が揺れた。

659 名前: 2 投稿日: 2003/11/05(水) 15:00 [ Tik0blCI ]
「あん?」
「この間偶然あって話す機会があったんだけど…
あれは、身喰いする獣の眼だ」
「身喰い?」
聞き覚えのない言葉に、ガーディは眉を寄せる。
「あーと。ん、獣とかであるんだけどな。
傷とかあるだろ?
フツーはなおるまで獣ってのはじっとしてるんだ。
でも、ストレスが溜まってたり、なんか原因のある獣ってのは、
…自分で傷口いじっちまうんだよ。
獣がいじるっつったら、自分の牙か爪、だろ。
自分で自分の傷広げて…
しまいには、大抵、ほっといたら逝くな」
職業柄、デニは弱っている獣はすぐにわかった。
「………」
ガーディはスプーンをおき、ブブリムグレープのワインを注文した。

660 名前: 3 投稿日: 2003/11/05(水) 15:03 [ Tik0blCI ]
バードの悲しげな六花という歌が、酒場に響く。
『広い空の中には 罪も汚れもある
 罪とけがれを核に 六花の花びらが集う
 広い空の涙が 凍え六花の雪になる
 泣いて泣いてこごえた 六花の花が舞い散る
 降り積もれ、悲しみ。六枚の花びらのはな』
デニはその歌に目を伏せ呟いた。
「飯もろくに食ってないみたいだし、酒ばかりで身体を壊しかねない」
気にはなっていた。
でも、リノナノはいつもどおり傍にいて、じゃれあっていたから…甘く見ていた。
他人から言われて、改めて気付く。
「ちぃっと気分転換させてみたらどうかな?」
「パーティ外せ、って?そりゃこっちが困る」
リノナノはパーティーの主力だ。
冒険の質を落とせばそれも可能だろうが…。
「死なせるよりゃ、ましだろう。リノナノがあんなふうになる理由、
なんか心当たり、あるんじゃないのかい?ガーディ」
心当たりといえば、ロストの事件しかない。
人が一度死んだのだ。
生き返ってめでたしめでたし、なんてあっさりいくわけもない。
それにリノナノの過去は―――。

661 名前: 4 投稿日: 2003/11/05(水) 15:05 [ Tik0blCI ]
「……――」
心当たりのありそうなガーディに、デニは肩をすくめた。
「仕事より、友人の方が大切だろう。
ガーディ。大事なものを見あやまっちゃいけないぜ。
リノナノのことが心配なら俺様があちこち連れまわしてやる。
獣をメロメロにする新しいテクも身につけたし」
ガーディは深い吐息をついて呟いた。
「そこまで、リノナノ…酷いのか?」
「俺はそうやって死んだ獣や人を、たくさん知ってるねぇ」
デニの言葉は、重い。
リノナノはガーディとっても大切な友人であり仲間だった。
「なんで……俺は何にも出来ないんだろうな」
深い溜息のガーディにデニは肩を叩く。
「ま、生き物ってのはすべからく役割が決まってるもんだ。
トンボもクラブもモンスターの中にも生態系のなかでの役割ってのがある。
ガーディの役割はそういうんじゃないさ。
アンタは巨石か大木のようにそこにいるだけでいい。
それだけでみんなが安心し落ち着くってのも十分な役割だと思うぜ」
ウインクしてデニは甘いヤクードチェリー酒を口にした。

662 名前: 5 投稿日: 2003/11/05(水) 15:08 [ Tik0blCI ]
ガーディからのリノナノへの申し出。
「デニが一緒に行きたいといっていてな」
リノナノはちょっと顔をあげ首をかしげた。
――確かにガーディも、リノナノは顔色も悪くやつれたと思う。
冒険に供に出ても、ほとんど眠らない―。いや眠れないのかもしれない。
「ずっとってわけじゃない。ちょっとした気分転換だと思っていい。
こっちはしばらく、ジュノに腰を据えてミュミを育てながら
細かな依頼こなすつもりだから羽を伸ばして来い」
ガーディの言葉を見透かすようにリノナノは見た。
「なぁ。ガーディ」
「ああ?」
「いいのか?」
「ああ」
その言葉にリノナノは、深い吐息をついた。
眼を閉じる。

たとえ傷ついても、辛くても。
隣にいる者のために、戦わなくてはならないと思った。
身体から血を流しても、心から血を流しても。
守りたいものがあった。
守れない、力のない自分が吐気がするほど嫌で
でも、どうしようもなくて。
ただ笑っているしか出来なかった。

663 名前: 6 投稿日: 2003/11/05(水) 15:10 [ Tik0blCI ]
デニはリノナノを文字通り連れまわした。
新大陸や北の大地そして、バストゥ―クの夕日やラテ―ヌの星空。
雨が降れば洞窟に隠れてちょっとリッチな夕食を作り、食べる。
リノナノは眠りも浅く、夜はうなされ、食は細かった。
それでも自然のなかで身体を動かしていれば
眠りは訪れたし、食事も口にしないわけにはいかなかった。
デニは弱った獣を癒す術を知っていた。
デニはいつも冗談交じりに軽口を叩き、リノナノはそれを聞き流していた。
かさねてゆく時間が傷を癒す。
忘却は救いだと誰かが言っていたけれど。

664 名前: 7 投稿日: 2003/11/05(水) 15:12 [ Tik0blCI ]
ガルカンソーセージをジュウジュウとフライパンでデニが焼く。
リノナノはクリスタルを使いちょっとしたお菓子を作っていた。
「なぁ、リノナノ」
「ん?」
「冒険者やってて、楽しいかったりするかい?」
それは根源的な質問だった。
「……楽しい楽しくないは別にして、生きてゆく手段だからな」
「仕事ってか?」
「ああ」
「でも、好きな仕事についていいと思うけどなぁ。
誰も強制はしてないだろう?
金のための仕事なら、それなりにあるだろうし」
焼きあがったガルカンソーセージを白パンの上に乗せてはさみ
お互いの前に皿を置く。
「………」
「考える時間と立ち止まる時間は必要さっ。
こんなこと言ったなんてばれたら、俺がガーディに怒られちまうが…
どーもこういわずにはいられないってか、そんな感じでさ。
や、もちろん金を稼ぐ手段は大事だ。
でもな、金稼ぐのに、自分の命や心切り売りする必要もねーだろってなぁ
ノーテンキな獣使いの意見かねぇ。
――でもなぁ、しんどい事無理矢理続けたら、どこかが壊れるよ」

665 名前: 8 投稿日: 2003/11/05(水) 15:15 [ Tik0blCI ]
リノナノは目を伏せ、苦しそうに口を開いた。
「守りたい奴らがいたんだ。助ける力が欲しかったんだ。
そいつらは駄目だったけど…強くなれば、力を手にすれば
もう失わなくてすむような気がして。
もう一回手を伸ばしてみたい気にもなったんだが、うまくはいかねぇな。
やっぱり、駄目だった……」
「それでも、まだ力が欲しいのかい?」
問われる言葉にリノナノは、強いまなざしで頷く。
「男、だぁね」
デニは笑ってガルカンソーセージをカプッとかじった。
「冒険者続ける理由はある、っと。だったら次は手段、か」
「…?」
「いやなに、魔道師やるだけがのうじゃないしな。
一から手習いするのは大変でも、ジョブなんかいくらでもあるからな。
時間は死ぬまであるんだ。たっぷり考えて、進めばいいさ。
しんどかったら、立ち止まればいい。
獣の扱いもまぁ一応大目に見てさまになってきてるし、
金稼ぐだけならこれだけでも十分だろ?」
デニのウインクにリノナノは軽く笑った。

666 名前: 9 投稿日: 2003/11/05(水) 15:16 [ Tik0blCI ]
デニの大きな手が、リノナノの頭を乱暴に撫でる。
「楽んなっちまっていいんだよ。
誰かのためじゃなく、自分のために生きていいんだ」
リノナノはデニの言葉にただ笑った。
強制された人生なんかない。
自分でいつも選んでゆける未来がある。
デニのように一人で生きるのも、また道だ。




ガーディはリノナノを手放した事を
のちに激しく後悔することになった。
リノナノがそれからパーティーに帰ることは、なかった。


                  END

667 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/05(水) 15:21 [ Tik0blCI ]
だいぶアレンジしましたが、バードが歌っている歌は
『六花』という歌です。出展わかった方は同志です^^。
仲間と言う意味で、このタイトルを選ばせていただきました。
666 獣の数字をデニが取ったことが微妙に嬉しいです。

書き手の皆様頑張ってくださいませ。
多くの応援感謝です。

668 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 15:26 [ NNEWyoxY ]
リアルタイムでキター!!!

っていうかガーディもう出てこないような展開でしょぼーん。
ファンだったのに・・・(´;ω;`)ウッ…

669 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 15:45 [ Y4chuOlM ]
>>667
ノシ ドウシ!

みゆきさーーーーーーーん!!!!

おつかれ! & 続き期待!。相変わらず上手ですなぁ、おみごとです。
というか、このスレやこのスレ発端のいくつかのサイトを読んでて、
とても素人集団とは思えませぬ。プロ隠れてませんか?

670 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 16:11 [ inyb8yw6 ]
>626
フェムヨノノ ニャ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ン!!!

>669
セミプロぐらいいたりして…

671 名前: 君と見つけた空7 投稿日: 2003/11/05(水) 17:04 [ rdylkAfo ]
いつもいつも、ありがとうございます。
7話です。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

672 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 17:55 [ xBfscmv2 ]
まぁ「パワーーーーーーー!!」の本当の元ネタは中山きんにくんな訳だが。

673 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 19:16 [ dAc8rjzA ]
上手い話を書くねー

674 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/05(水) 22:52 [ fDhJtS6U ]
>>667
モツカレサマです。

初めて感想カキコするけど、全部の話のファンです。
ジュノまで随行者の話は面白いし、過去話はじんわり来るし、
ミュミ話はしみじみするし、リュート話はほんわかするし・・・
今回で始めのジュノ随行まで時間軸が揃ったと思うので、
今後の新しい展開、楽しみにさせていただきます。

ヴァナではメイン白樽なのですごい感情移入できましたw

675 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:06 [ DHby9.Fg ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十六話 宴の終わり

「とめろ!彼女をとめてくれ…!」

願い虚しく、彼女の”祝福”が発現した。
全身の傷が奇跡の如く癒え、疲労感もなくなっていく。
クゥダフ達が、一斉に光の中心に佇む、小さなタルタルの女に向かっていく。
振り下ろされる武器が、彼女の体を切り刻み、破片が辺りへと飛び散っていく。

「あああああああああああああああああ!!」

…気のせいだろうか?周囲の空気がよどんでいるように見えた。
祝福の光とは、全く正反対の憎悪と殺意に満ちた、異質な気が発せられているのだ。
異質な気の中心に、一人のタルタルが見える…そう、それは…

676 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:08 [ DHby9.Fg ]
―― セルビナ・羊飼いの溜まり場 ――

「…目が覚めたようですね」
目の前には、同じガルカが立っている。ああ、確かゼヴェンとか言ったか。
「おっと、まだ体を動かさない方がいい。回復魔法で傷は癒えてますが、魂を傷つけられています」
「俺は…どうやら悪運が強いようだな…」
「ええ、どうやらそのようで。しかして兄弟よ。運が強いのもいいことですよ」
「…奴は…ババドラバドはどうした?」
「メアへ飛びました」
「…メア…何故だ?…俺に止めを刺さなかった…刺せなかったのか?お前達が助けて…」
「それは」
ゼヴェンの表情が、少々険しい物となった。
「あなたも分かっているのでしょう?トッパとババドラバド…あの二人には絆を感じます。
 まぁ、最悪な絆ではありますが」
「…クリームは…どうした?」
「大丈夫です。一命は取り留めました。…致命傷には至らなかった、というよりも急所を外してあった、
 と言ったほうが良いでしょう」
「そうか…それは、よかった」

名無しのガルカは、再び瞼を閉じた。

677 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:09 [ DHby9.Fg ]
―― バルクルム砂丘 ――

「ババドラバド!覚悟!!」

トッパは両手斧を構え、無我夢中で猛攻をかける。
勝ち目の無い戦いなのは本能で分かっていた。しかし、怒りに満ちたトッパには
戦うという選択肢以外を選ぶ事は、彼のたぎる肉体が許さなかった。

「雑魚が…邪魔をするな!」

ババドラバドの漆黒の鎌が、トッパへと襲い掛かる。
先に仕掛けたのはトッパだった。両手斧をババドラバドの横腹目掛けて、思い切り振り回す。
がきぃん、と強烈な金属音が響く。
「な!?」
重量を誇る、トッパの両手斧はババドラバドの鎌の一撃で見事に粉砕されてしまった。
「…こん畜生がぁ!」
使えなくなった両手斧を投げ捨て、腰の片手剣を持つ。しかし、その隙を突いて、
ババドラバドの鎌が、トッパの眼前に迫ってきた。
(…やられる!?駄目か!?)
トッパは死を覚悟した。漆黒の刃が、ゆっくりと近づいてくるのが分かる。

678 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:10 [ DHby9.Fg ]
…その時だった。

”やめて”

(…え、なんだ!?)

”争わないで…”

声が聞こえた。何か、よくわからないが、とてもとても懐かしい声のような気がする。
「なんだ…!?僕の邪魔をするのはなんだ!?」
ババドラバドの様子がおかしい。
「声…この声だ…この声がいつも僕の邪魔をする!…イルルか!」
「お前も…聞こえるのか、ババドラバド!?」
ババドラバドが砂の上に膝をついた。鎌を投げ捨て、頭を抱えて叫んでいる。
「なんだ!やめろ、やめろ!…何故だ!」
トッパも突然の事態に、戦う事を忘れ、辺りを見回す。がしかし、付近に人の姿は無い。
ゼヴェン、セラフィーは依然として死霊と戦闘中であり、
今まさに止めを刺さんと、最後の追い込みをかけているようだ。
(どういうことだ…?こりゃぁ…一体…)
「…そうか…そうなんだ、な…。わかったよ…昔、そういう物が僕にもあったんだな…」
ババドラバドが、ゆっくりと立ち上がる。
「トッパ…そうか…この感覚は…以前にも感じたような気がしたが…」
「な、なんだ!?…お前、なんだっていうんだよ!」

679 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:11 [ DHby9.Fg ]
「トッパ!大丈夫!?」

ゼヴェンとセラフィーが走ってくる。あちらの方は決着が着いたようだ。
ババドラバドは、二人を見て、舌打ちをした。
「…やれやれ、興ざめてしまったよ。とんだ邪魔が入ったものだ」
彼は、そう言い放つと魔法の詠唱を始めた。詠唱を始めると同時に、彼の体が白い光に包まれていく。
「トッパ。この決着はまた後日にしよう。僕は一足先にウィンダスへ行く。メアで君を待っている」
「待て!逃げる気か!?」
「…僕は逃げも隠れもしない。そして、君も僕からは逃げられない」

”君が君として、存在する限り…僕は過去を全て抹消しなければいけないからね”

ババドラバドは、そういい残して、トッパ達の目の前から姿を消してしまった。

680 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:12 [ DHby9.Fg ]
―― セルビナ・羊飼いの溜まり場 ――

「どう?ちゃんと食べてる?」
「……」
「あらら、いけない子。ちゃんと食べなきゃ大きくなれないのよ?」
「別に…そんなに大きくなりたいわけでもないし…」
何故か、悪意の無い一言にムッと来たのは、大人の対応ということでスルーしたセラフィーだった。
「ちょっとおねーさんに見せてね〜?」
ベッドに腰掛けて、クリームの上着を脱がし、傷口を見る。丁度、白魔道士が
セルビナに滞在していた為、早急に傷の手当てをする事ができた。
「うんうん、全然痕が残ってない。女の子なんだからね〜こういうの気にしちゃうよね」
「…別に、あたいは気にしてないよ」
「もぅ、そんな強がっちゃって。かわいいんだから。
 そんなこと言ってると後で後悔しちゃうよ?・・・だから、ほらほら、シャツも脱いで。
 胸の下まで傷口あったから、その辺もきちんと見ないと」
そう言って、彼女は渋るクリームのシャツを半ば強引に脱がせ、どこにも傷跡が残ってない事を確認した。
「うん、バッチリ。後は体力が回復するのを待つだ…」

681 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/11/06(木) 02:18 [ DHby9.Fg ]
がちゃり、とドアが開く。…そこには何も知らないトッパが見舞いの果物やら何やらを抱えて立っていた。

「おぉ〜い、クリーム。大丈夫か〜?…て、うわぁぁ!何してんだお前ら!」

目の前では、ベッドの上で上半身裸になったクリームが、そしてそのクリームの体を、
特に胸元あたりを丹念に触っているセラフィーの姿が。

それはあまりにもトッパには刺激的な光景だったが・・・考える暇も無く、
トッパの頭部に強烈な激痛が走る。セラフィーが有無を言わさず投げたポットが
綺麗にトッパのおでこに命中したようである。

(あ〜…まぁ、元気そうで・・・何より・・・だ)

薄れゆく意識の中で、トッパは心底安堵した。



                                          続く

682 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 02:46 [ 59EB2apg ]
パパさん、なんで夜勤中に限ってアップしますか

仕事にならな(・∀・)イイ!!

683 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 02:53 [ Ke9YVJ7k ]
ニャ━━━━━(゜∀゜)━━━━━ン!!!!!

684 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 03:06 [ /VyOkqqw ]
ニャニャ━━━━━(゜∀゜)━━━━━ン!!!!!

685 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 03:16 [ Yx9V3EKU ]
タル戦キテタ────────(゚∀゚)────────!!

686 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 03:35 [ Cn2hhf3M ]
このまま終盤へ向かってとんずらですね!
嬉しいやら、悲しいやらで・・・なんと言うか、もう・・・



ニャ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ン!!!!!

687 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 07:55 [ zgQYMvu2 ]
ニャニャニャニャニャオ━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━ン!!!!!

688 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 09:08 [ DvjuXT1w ]
タル戦キテタ--------!!
うあああ、続きが読みたくもあり、惜しくも有り。
作者さんがんばれー!

そんでビアナナデジョンおめー!うまく絡めてあるなあ。巧い!
カンソウハイママデドオリココデイイヨネ?

689 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 11:39 [ j.CJlC/I ]
モマイラおちぃふぇhぇbfjg



タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

1-56話勝手に詰め合わせ
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/tboard007/icon/20031106113355.zip

690 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 11:43 [ rkNDSgdE ]
>>689
詰め合わせキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
・・・・アレ?落とせないよママン(´・ω・`)

691 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 12:57 [ QXBho0vg ]
>>690
直接は落とせないみたいですね。

FinalFantasyXI novel ミラー版
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
の画像upBBSにあるのでそこから落とすしかないみたいです。

692 名前: 34 投稿日: 2003/11/06(木) 14:13 [ QqMjL0E2 ]
うはwwwwwwwwwwwwwwwww
タル戦きてたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

693 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/06(木) 22:52 [ 5csQ84yg ]
タル戦、白き、空に、雪の彼方・・・。

この4人の作者さん達はプロですか?(`・ω・´)
しかも最近、更新が重なっててうれしさでお腹イパーイです。
また最初から全作読み直したけど、下手な文庫買うよか全然楽しいぞ!
漏れらは読ませてもらってるだけで何もできないけんど…

ガンガレ!全ての作者さん達!ハゲシック応援してるぞ!ヽ(`Д´)ノ

694 名前: 1/2 投稿日: 2003/11/06(木) 23:12 [ LTkpqUMw ]
初めて書き込みます。楽しんでいただけたら幸いです<m(__)m>

 とっても可愛いおいらのご主人様。
 優しくて、だいぶおてんばだ。
 おいらと同じくらいに小さいのに、無鉄砲によくいろんなところに行く。
 ちょっとでも、先に行くと、すごい剣幕でおこるから、おいらはいつもカーナの頭を見下ろしている。
 ああ、カーナはおいらのご主人様ね。
 可愛いけど、怒らせるとオークより怖いから、くれぐれも怒らせたりしないでおくれ。
 でも、カーナ、おいらに無茶いうの止めてほしいなぁ。
「私より先にいっちゃだめ!」
 …これはどうにかするようにがんばるよ。でもね……
「私より目線が高いところが許せない!」
 …カーナ、それはどうしようもないよ……。

695 名前: 2 投稿日: 2003/11/06(木) 23:14 [ LTkpqUMw ]
げふ、まだ長いと言われた;;
>>>>>>>>>>>>>>>
 南サンドリアの東寄りの小道に、甲高い金きり声がこだました。
「どういうことよ!」
 顔中に不機嫌と書きなぐったまま、彼女は目の前の背の高い相手を睨みつると、
「いや、悪いが、おまえさんはお断りだ」
 頭上のはるか上より、面倒くさそうな声が降ってくる。こんなときだけは、自分の身長を恨みたくなった。かといって、相手に座って目線をあわせてもらうなんてのは、それ以上に腹立たしいのだけれど……。
「お断りって、どういうことよ! ちゃんと説明なさい!」
「説明たってなぁ……」
「ちゃんとお金もあるって言ってるじゃない。わざわざバストゥークから歩いて戻ってきたのよ、故郷でおいしいもの食べようと思ったところで、バチはあたらないでしょ」
 その小さな体のどこにそんなパワーがあるのか、彼女は矢継ぎ早に言葉を浴びせ掛ける。
 けれどもその身長差ゆえに、相手の表情どころか顔が見上げるのが精一杯でもあった。エルヴァーンとタルタルでは、それはどうしよもない、隔たりでもある。

696 名前: 3 投稿日: 2003/11/06(木) 23:18 [ LTkpqUMw ]
「いいこと、ちゃんと納得できる説明をなさい。
 私は客として、この店に入ろうとしたの。
 どうしてそれをあなたに止められなければならないの?」
「わかった、わかった」
「そう、わかったなら、ちゃんと客としての扱いをすることね」
 小さな体をふんぞり返らせ、彼女は得意満面に、店の中に入ろうとした。
が、それはまたも阻まれる。
「待つんだ。おまえさんを客として入れるのには条件がある」
「条件?」
「そこに座っているモンスターをどうにかしてこい。
 それができなきゃ、店には入れない」
 そうして男が指差したのは、石畳の上でおとなしく座っている一匹の小竜。
総じてそれはワイバーンと呼ばれている。
が、冒険とは縁遠い人々には、ただのモンスターにしか映らないらしい。

697 名前: 4 投稿日: 2003/11/06(木) 23:19 [ LTkpqUMw ]
「Ladyをモンスター呼ばわりしないで! 立派な私の相棒よ」
「相棒だかなんだか知らんが、俺から見れば充分にモンスターだ」
「立派な小竜よ。ワイバーンよ! 私は竜騎士よ、侮辱しないで!」
「とりあえず、そいつがワイバーンだろうが、相棒だろうが、モンスターだろうが、それは俺には関係ない。
 いいか、もう一度言ってやる。そいつがいる限り、おまえはいれない。
 他の客の迷惑になる」
「いつからここは、そんなに格式ばった店になったのよ」
「さあな、おまえさんが以前来た後になったんだろうな。
 あいにくだが、別の店を探すんだな」
 彼は話すことはないとばかりに、彼女を押しやると、問答無用に扉をしめた。
「ちょ……!」

698 名前: 5 投稿日: 2003/11/06(木) 23:20 [ LTkpqUMw ]
 その小さな体躯で扉を蹴飛ばしてやろうかと思った矢先、扉が開かれる。
「衛兵には連絡しないでおいてやる。感謝しろ」
 そしてバタンッと大きな音をたて、二度と扉が開かれることはなかった。
 あまりの扱いに、彼女の頬が赤く染まる。それを感じたのか、小竜はくぅん、と小さく鳴いた。
「ううん、Ladyおまえが悪いんじゃないの。悪いのはあの石頭よ」
 小竜の傍らに腰を落として、その群青色の毛並みをなでる。
それに気をよくしたのか、まるで猫がのどを鳴らすかのような音をたてた。
けれど、その様子を見ても、彼女――カーナの心は晴れない。
長い距離をともに歩んで、ようやく故郷のサンドリアにたどり着いたものの、Ladyは始終元気がない。
 いつもならビロードのように手触りがよいはずの毛並みも、どこかけば立ったように感じる。
「おいしいものでも食べて、元気になればよいと思ったのに…・・」
 彼女の小さなため息は、そのまま石づくりの町並みに吸い込まれていった。

699 名前: 694 投稿日: 2003/11/06(木) 23:22 [ LTkpqUMw ]
うう、すいません、初めて書き込むから、2回でわけれると思ったし、
しかも、改行もこんなに見づらくなるとは思わなくて;;
3からはとりあえずなおしてみました<改行
ううう、ファイアルでつってきます(´・ω・`)

700 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/07(金) 09:48 [ FfgrD/.A ]
>>694
自分の場合は約20行を目安にしてます
過去の投稿のうち比較的行数の多いもの(例>>664)を参考にしてもいいかも
今は読む時間がないのでとりあえずこれだけ
がんばってください

701 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/07(金) 13:35 [ IKnDDSM6 ]
タル戦好きだけど・・
ババドラバドの話は現在進行しているのかと思ったら過去の話だったのね
なんかいろいろ話が飛びすぎててわからなかった

702 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/07(金) 14:29 [ 2t./LLiI ]
>>701
へ?
現在の話だろ?????

703 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/07(金) 15:31 [ Y4chuOlM ]
>>701
過去と現在を故意に混ぜて書いてあるけど、最新話は基本的に現在の話。
第47話くらいから過去を語るけど、現在に戻ってもその続きが少しずつ埋めてある模様。
ちょっと用心して読まないと混乱するかも。作者の意図を汲むべし。

なぁんてな。おいら現国激しく苦手だったよ…_| ̄|○

704 名前: (パーティメンバーがいません) 投稿日: 2003/11/07(金) 18:40 [ 0VCiloYw ]
>>699
GGGGGGJJJJJJJJJ!!!!
いい話しじゃないですか(*´д`*)

705 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/07(金) 19:51 [ rZW9CtSo ]
>>694
その竜騎士と相棒の話をシリーズ化してみてはどうかい?^^
まあ、一度はじめちまうと「まだ〜?チンチン(AA略)」とか
かかれちゃいそうだけども、マイペースで

どうよ。なんか生活日記っぽいのが読んでみたいなー、、、なんちてw

706 名前: 694 投稿日: 2003/11/07(金) 20:19 [ LTkpqUMw ]
>>700,704,705
感想および、アドバイスありがとうございます<m(__)m>

こちらの話は、実は、続きがあります。
お言葉に甘えされてもらって、アップさせていただきます('-'*)
か、改行、がんばろう(__;

707 名前: 1 投稿日: 2003/11/07(金) 21:07 [ LTkpqUMw ]
694です。
タイトルつけてみました。
「空に浮かぶ群青の軌跡」第2話

 おいら、Lady。
 聞いてくれよ。随分と見慣れた風景を見たんだ。
 高い城壁と、うっそうと茂る木々。
 ちょっと離れたところには、山だって見える。
 ああ、サンドリアなんだなぁ、と思ったら、ちょ
っと嬉しくなった。
 そう、ロンフォールさ。カーナとおいらの出発点。
 本当懐かしいよ。
 さて、カーナが買い物してる間、その辺りでも探
検してみるかな。

708 名前: 2 投稿日: 2003/11/07(金) 21:08 [ LTkpqUMw ]
>>>>>>>>>>>
 時は少し遡る。
 西ロンフォールと南サンドリアの境目、そこに到
着したとき、カーナはとても嬉しそうに、後ろを振
り返った。
「Lady、ほら、サンドリアよ。ようやく帰ってきた」
 無邪気に微笑み、彼女は傍らの竜へと手招きした。
「うんとおいしいもの食べましょう。そうね、サン
ドリアカロットのシチューに、ラム肉のステーキ。
ううん、楽しみ〜♪」
 しかし彼女は、そのままサンドリアへ向かうでも
なく、今度は東ロンフォールへの境へと進んだ。
 後ろの竜もそれに倣い、後ろを大人しくついていく。
 既に街の近くということもあり、獣人のオークの
姿もなく、順調に先へ進めた。何時間か歩いたのち
に、今度は南サンドリアと東ロンフォールの境目が
ある。が、彼女はそれすらも通り越し、壁沿いの山
のふもとへと進んだ。
「ここで、いいかしら……」

709 名前: 3 投稿日: 2003/11/07(金) 21:09 [ LTkpqUMw ]
 周囲を見回し、敵ではなく、誰もいないことを確
認する。
「Lady、いいこと? おまえはここにいてね、後で
合図を送るから」
 言い聞かせるようにすると、竜は大人しくその場
に座り込む。それを満足そうにし、カーナは今度こ
そ、南サンドリアへと門をくぐった。


 門をくぐる彼女を、エルヴァーンの門兵がじろり
とねめつける。
 不審者がこないように、モンスターがこないよう
にと、神経を張り巡らせる仕事であることは理解し
ているのだが、どうも好ましいとは言えない雰囲気
だった。
 さりとて呼び止められたりなどは一切なく、南サ
ンドリアを東へと進む。
 人気のない小道に入ると、周囲を確認してから、
おもむろに口笛を吹いた。
「Lady。今よ、おいで」

710 名前: 4 投稿日: 2003/11/07(金) 21:10 [ LTkpqUMw ]
 あくまでも小声で空へ声をかける。少したつと、
上空から羽ばたきが聞こえた。
 いつもと同じく、傍らへと位置を定めると、甘え
たような声で鳴く。その様子に自然と笑みがこぼれた。
「大丈夫よ、この先なら人はそんなにいないから、
おいしいものたくさん食べようね」
 彼女はこの竜のことをとても好きだった。だから
こそ寝るときも一緒であることも望んだし、無論、
食事も一緒にとることを望んだ。
 しかしどの国でも、竜が街中に入ることは拒否さ
れた。それにカーナは大層、憤慨したが下手にごね
すぎて、自身ごと街中からたたきだされそうになっ
てからというもの、彼女は決心したのだ。
 かつて竜騎士を多く輩出した国であるサンドリア
―――そこならば、きっと一緒に食事することはか
なえられるであろうと……。
 カーナはその想いを抱き、はるばるバストゥーク
から歩いて戻ってきたのだ。しかしそれは、無残に
も打ち砕かれてしまった。

   <続く>

711 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/11/08(土) 00:12 [ 0VCiloYw ]
>>707
GGGGGJJJJJJJJ!!!!!!!!!
続きが気になる(*´д`*)

712 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/08(土) 01:18 [ QAUayqaY ]
>>707
こ、今度は縦に縮まりすぎちゃってる・・

713 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/08(土) 01:38 [ nzZVIl2M ]
タル戦が終わっちゃったらもうこのスレには来なくなるのかなあと思ってたら…
>>694!!!!!

よすぎです!
落ち着いた語りに好感が持てます。

ゆったりと、気が向いた時でいいからこれらかも書き続けてくださいヽ(´ー`)ノ楽しみに待ってます

あと、名無しの話のひととミスラのひとも頑張って下さいヽ(´ー`)ノ

714 名前: 694 投稿日: 2003/11/08(土) 05:17 [ LTkpqUMw ]
>>712
うう、改行難しいよーヽ(><)ノ
とりあえず、見やすいように、がんばります。

>>711
>>713
感想ありがとうございます<m(__)m>
続きは明日にはアップできるかと思いますので、ゆったりとがんばります('-'*)

715 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/08(土) 08:35 [ ZMQi9.vY ]
白き探求者 キテタヨー

716 名前: 1 投稿日: 2003/11/08(土) 18:16 [ LTkpqUMw ]
続きです。楽しんでいただけたら幸いです<m(__)m>

「空に浮かぶ群青の軌跡」第3話

 おいらはLady。ご主人様はカーナさ。
 今サンドリアにいる。
 ただ、一つ困ったことがあるんだよな。
 せっかくの故郷だってのに、ご主人様が笑ってくれないんだ。
 おいら、カーナの笑顔が好きなのに。
 なんだかすごく残念だ。

717 名前: 2 投稿日: 2003/11/08(土) 18:17 [ LTkpqUMw ]
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 夜更け過ぎ、人どおりの少ない路地を選んで、彼女は一路居住区を目指す。
無論、竜も一緒だった。
 サンドリアでの美味しい食事。その夢はとうとうかなうことはなかった。
どこへ行っても、門前払い。場合によっては衛兵すら呼ばれかけた。
 失意のまま、それでも、と思い、人目を盗んで、ようやく彼女の家へとたどり着く。
そして彼女はそうと扉を開けると、
「ただいま、もぐ!」
「くぽ〜、いきなりなんだクポ」
「もぐ、私よ、私。カーナよ」
 部屋の中、食器棚の前で何かをしていたモーグリは突然入り口に現れた少女に、
たいそう驚いた。
「カーナ、久しぶりだクボ。無茶してないクボ?」
「大丈夫よ。このとおり元気なんだから」
「それはなによりクボ」
 モーグリはそのままふよふよと浮いたまま、カーナへと近づく、
そして目にとまる事実。
「カ、カーナ……」
「何よ」
「それ、どうしたクボ?」

718 名前: 3 投稿日: 2003/11/08(土) 18:18 [ LTkpqUMw ]
「それって何よ」
 モーグリは、驚いた表情を――あまり見分けはつかないが――して、
カーナの傍らにいる竜を見た。竜はといえば、退屈そうに、
座ったままあくびをしている。
「ああ、もぐに会わせるのは初めてだったかしら。Ladyよ。仲良くしてね」
「カーナ、だめだクポ。ワイバーンを中に入れちゃダメクポ」
「……! もぐまでそんなこと言うの?!」
「もぐはカーナが竜騎士になったことは知ってるクポ。
 でもそれとこれとでは話が違うクポ」
「何が言いたいの」
「人が住む場所に、ワイバーンをつれてきてはダメクポ」
「どうしてよ、Ladyはとってもおとなしいのよ? どうしてダメなんていうの」
「大人しいとかそうじゃないとかの問題じゃないクポ。
 普通の人は、ワイバーンを見たら、驚くクポ」
「Ladyはモンスターじゃないわ!」
「カーナ、お願いだから、もぐを困らせないで欲しいクポ」
 困惑したように、モーグリは頭を抱えた。
そして傍らにいる竜はいきなり怒声を上げている主人を見たまま動こうとしない。
「もぐまでそんなこと言うのね、みそこなったわ!」
「ううう……」

719 名前: 4 投稿日: 2003/11/08(土) 18:19 [ LTkpqUMw ]
「何故よ、Ladyはとても大人しいわ。そして私の相棒よ。
 人と違うなんてのは理由にならない。そもそもじゃあ人って何よ!
 ヒュームのこと? それならタルタルである私は、人ではないから、
 街に入れないってことじゃない」
「種族のことを言ってるわけじゃないクポ」
「じゃあ、何?! 
 エルヴァーンでも、ガルカでも、ヒュームでも、ミスラでも、
 タルタルでもないからってこと? 
 なら、どうしてモーグリはよくて、Ladyはダメなの?」
 怒りに体が震える。顔は赤く染まり、毅然な瞳で相手を見つめる。
「人を襲う、襲わない? 人に仕えているから? 冗談じゃないわ!
 Ladyは人を襲ったりなんかしない。大切な私の相棒よ」
「……もぐには答えられないクポ…」
「話にならない!」
 うなだれるモーグリを、睨みつける。
 責めたいわけではない。
ただ、モーグリなら竜を邪険に扱ったりはしないと信じていたのに。
 勝手に信じた己の期待が、ただ裏切られただけというのは理解しているが、
それでも彼女は憤りを隠せなかった。何よりも、自身のあさはかさに対して……。
「もぐ、また留守をお願い」

720 名前: 6 投稿日: 2003/11/08(土) 18:20 [ LTkpqUMw ]
 大きく息を吸って、平静な声を出そうと努める。
床に置いた荷物を再度とり、彼女はそのまま扉へと振り返った。
「カーナ……」
「大丈夫、二度と帰らないわけじゃないから」
「怒ってるクボ?」
「……怒ってないと言ったら嘘になるわ」
「クポ〜」
「ただそれは、もぐに対してじゃない。
 ……いいえ、もぐを含んだ全ての人に対してよ。
 自身に理解できないことを全て締め出そうとする全員に対してよ!
 そして何よりも、考えなしな自分に対しての怒りに他ならないわ!」
 小さな体で、怒りをあらわにする。それ以上に、憤りや悲しさが伝わってくる。
そんな相手をモーグリは引き止めることはできなかった。


 尖った三日月が、街を照らしていた。
深夜になれば、人の通りはさらに少ない、サンドリアの街並み。
 時折すれ違う冒険者が自分を見て、驚愕に目を見開く。
場合によっては、そのままそそくさと逃げる姿まであった。
「Lady……どこにいこうか?」

721 名前: 6 投稿日: 2003/11/08(土) 18:22 [ LTkpqUMw ]
 そんな周囲の態度にお構いなしに、彼女は傍らの竜に微笑みかける。
ただいつもの花のような笑顔ではないため、竜も寂しそうに鳴いた。
「おい、そこの…!」
 不意に怒声が耳に入る。カーナはそれをぼんやりとした表情で聞いていた。
「そこのタルタル。おまえだ!」
 無言のまま、通り過ぎようとすると、突然背負っていた槍をつかまれた。
「何するのよ」
「見たところ竜騎士のようだが……」
「だから何?」
「ワイバーンを街に連れ込むとは何事だ」
 見ると、声の主はエルヴァーンの男性。銀糸の髪が月の琥珀色によく映えていた。
格好から、どうやら衛兵らしいことが伺える。
「お望みどおり、今から外に出るわ」
「……わかったならそれでいい。即刻立ち去れ」
「だったら手を離して。監視なんかしなくても、とっとと出て行ってやるわよ!」

722 名前: 7 投稿日: 2003/11/08(土) 18:23 [ LTkpqUMw ]
 振り切るように、カーナは駆け出した。
 人のいない冷たい石の壁。いいや、人がいても、なんてここは冷たい場所なのだろう。
 竜はいきなり駆け出した、カーナを慌てて追いかけた。
静かな静かな街並みに、バッサバッサと羽ばたきが響いては消える。
 空に輝く冷たい光が、そんな二人に影を落としていた。



-------------
>>720 は5の間違いです。脳内補完してやってください(−−;

723 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/08(土) 20:51 [ QAUayqaY ]
>>716
グッジョブ!
改行も大分良くなってるよー。

724 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/08(土) 23:20 [ KArHoOKc ]
白き探求者のプロローグが追加されてますな

725 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/09(日) 09:42 [ 9.229.AI ]
雪の彼方   <閑話休題 余暇編>

「アンジュアンジュ、遊びに来たにゃん」
アンジュのレンタルハウスにミュミュとリュートが遊びにきた。
リュートの手には、メロンパイが下げられていた。
「お茶の用意できてるわ」
「わ〜〜〜〜すごいにゃン」
ミュミは飛び回って尻尾を振って喜んだ。
パーティーを超えた友情を育んでいる女3人は
こうやってたまにお茶会を開いたりする。
暖かなウィンダスミルクティーとメロンパイ、
シナモンクッキーにゴブリンチョコでお茶会は開始された。
「ミュミもアンジュやリュートみたいに早くおねぇさんになりたいにゃン」
ミュミはメロンパイをあ〜むとうれしそうに口に運びながら言った。
「ミュミは十分魅力的よ」
「そうそう。元気でいい子。ただ…」
「うに?」
アンジュは言葉を続けた。
「もうちょっと男を見る目は養った方がいいかもしれないわね」
「うにゃぁ」
ミュミは不満そうに唇をとがらせた。

726 名前: 2 投稿日: 2003/11/09(日) 09:47 [ 9.229.AI ]
リュートも肩を小さくすくめた。
「ロストが白チョコボの王子なのはいいけれど…
本気になったらアレは苦労するわね」
ミュミはむうっと眉間にしわを寄せる。
「ロストはカッコイイにゃ!!」
………顔の如何に関しては、まあ、ロストもエルのなかで十人前に整っている。
性格もそう飛びぬけて悪いというわけでもない。
しかし…女癖だけは悪い。
ただ、ミュミはまだロストの守備範囲外なので手出しもされてないし
妹のように接されてる。
「………カッコイイかどうかは…個人の好みだけど…あの手の速さと無謀さは…」
リュートは言葉を濁す。
ミュミの夢はできれば壊したくない。
壊したくないが…。
「その件については、私からロストに言っておくわ。
それに…ま、リュートも人のこと言えないけどね」
アンジュはクスリと笑って、桜貝色の唇で紅茶に口をつけた。
「アンジュ!!」
リュートは慌てたように言葉を止める。
「リュートも好きな人、いるにゃン?」
ミュミの尻尾が嬉しそうにパタパタ揺れた。

727 名前: 3 投稿日: 2003/11/09(日) 09:51 [ 9.229.AI ]
アンジュの言葉にリュートはカァッと頬を赤らめた。
「言わないで!!アンジュ。内緒なんだから、もぅ」
「普段は結構すましてるけど、リュートだってこんなに可愛いんだから…
振り返らない男なんか忘れて新しい恋に目を向ければいいのに」
アンジュは金の髪を揺らし首をかしげた。
「いいの!私は恋愛には向かないタイプだもの…。
恋愛は一回だけで十分よ。もう二度と恋しないって誓ったし、
私は一度ふられてる…。二度もふられる勇気はないわ」
ちょっと拗ねたように、リュートはカップに口をつける。
「かーわいいwリュート。おね―さんがリュートにぴったりのいい男
いくらでも捜してきてあげるのに」
「いじめないでよ。アンジュ」
「酒場でいつまでもあの歌を謳ってないで、愛の歌でも謳っちゃいなさい。
幸せになるのがリュートには似合ってるわ」
アンジュがあざやかな海の青の瞳で、リュートを見る。
リュートは銀の髪をさらりと揺らし、俯いた。
「…いいの。あの歌の中だけだから。愛してるって言えるの…
それに、愛の歌は私みたいなかたい女には似合わないわ」
静かな、やさしいまなざしでリュートは微笑む。

728 名前: 4 投稿日: 2003/11/09(日) 09:55 [ 9.229.AI ]
そのリュートの銀の髪をアンジュがぎゅっと抱きしめた。
「ああ、もう。あんな鈍感にリュートを渡したくない!私がもらうっ」
「ちょ、アンジュ」
ぎゅうううっと抱きしめると丁度アンジュの小さな胸が顔にあたるらしく、
リュートは不平の声をあげた。
「ミュミもリュートぎゅう〜〜〜するにゃ〜」
タックルしてくるミュミにアンジュとリュートはコロンと絨毯の上に転がった。
「ミュミ〜〜」
「うにゃぁ。怒っちゃいやにゃv」
笑いあってはしゃぎあう。
「でもアンジュ。貴女は好きな人、いないの?」
銀髪を絨毯に散らしたままでリュートは横を向き、アンジュの顔を見る。
「そうにゃ、言うにゃ!
ロストの悪口ばっかでアンジュが言わないのはズルイにゃ」
軽いミュミがリュートのお腹の上から顔を出す。
「いまは、いないわ」
アンジュは小さく笑っていった。

729 名前: 5 投稿日: 2003/11/09(日) 09:57 [ 9.229.AI ]
「てことは、昔はいたってことかしら?」
「いたわね」
「どんな人?」
アンジュの海の青の瞳が懐かしそうにふせられる。
「やさしくておっとりしていて、ちょっと馬鹿?って感じの温和系、かな」
「……うちのパーティーにアンジュのタイプ、いないわね」
その言葉にミュミはふみゃと息をついた。
「駄目だったにゃ?」
ミュミの言葉にこくんとアンジュは頷いた。
そして金の髪を絨毯に散らしたままで、天上を見上げる。
「私は結構お金持ちの家のお嬢様なの。
で、彼とはサンドリアのパーティーで出会って、
しょっちゅう彼を叱りつけてたかな」
「うにゃ。アンジュお金持ちってぴったりにゃ。
お姫さまみたいな格好見たいにゃ」
ミュミがほぉっと想像をめぐらす。
「でも彼が惹かれたのは私の妹だった。
私の妹もおっとり系で、すごく可愛いのよ」
「身を、引いたの?」
「どっちも大事だったから。卑怯かもしれないけどいえなかった。
私はリュートより臆病だった」
アンジュの金の髪が一房、額から落ちた。

730 名前: 6 投稿日: 2003/11/09(日) 10:00 [ 9.229.AI ]
「アンジュ…」
「でも、目の前で関係を深くされてくのはさすがにキツかったかな」
アンジュの綺麗な海の青の瞳が閉じられる。
ミュミの細い手が伸びて、アンジュの金の髪を撫でる。
「家もごたごたしていろいろあって、結局家でていって。
おまけに何の因果か冒険者になってこんな所まできちゃったわ」
「アンジュの素敵さわからない人は、駄目にゃ!!」
ミュミが叫ぶように言った。
「ありがと。ミュミ、そうよね」
アンジュはクスリと綺麗な笑みを作った。
「告白しなかった事、後悔…していない?」
リュートの言葉にアンジュはコロンと横になって
リュートのきれいな顔を見た。
「今の私、結構気に入ってるわ」

731 名前: 7 投稿日: 2003/11/09(日) 10:02 [ 9.229.AI ]
ミュミはほわわわ〜〜っとアンジュの顔を見た。
「カッコイイにゃァ。綺麗にゃァ」
「ミュミは綺麗なもの好きだものね。
そうだ。アメジストリング作ったのよミュミ」
アンジュが起き上がり、机の引出しから取り出す。
「うにゃ。いくらにゃ?」
「栽培でつんだのを磨いただけだから…ミュミの笑顔でいいわw
ミュミが種もってきてくれたし」
「ありがとにゃあぁ」
抱きつくミュミにアンジュも笑う。
「そうだ、夕食食べてく?」
アンジュの言葉にリュートが立ち上がる。
「手伝うわね」
「ミュミもお手伝いするにゃン!」
ぴょんぴょん飛び回るミュミにアンジュも笑う。
その夜アンジュの部屋のモグハウスから
笑い声と美味しい香りがたえることはなかった。

何気ないひとこま。
余暇の一日。

                 END

732 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/09(日) 10:11 [ 9.229.AI ]
アンジュ編を読みたいとのお言葉いただきましたが
予定されていなかったので、こんなかたちになりました。

>>674
時間軸について説明せねばと思っていたのですが…書きこんでくださって感謝です。

書き手のみなさん、頑張ってくださいませ。
多くの応援励まされてます。

同志発見(^^)ノシ

733 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 11:59 [ zgQYMvu2 ]
ゆ・き・の・か・な・た、、、キタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!!!
なんだかほんわかしてていいでつね(*´д`)

734 名前: たましいの記憶  1 投稿日: 2003/11/09(日) 12:52 [ H.pzd/ks ]
皆様に触発され初めて書いてみました。アップがうまくいくかが、、一番心配、、

_____________________________________________________________________

たましいの記憶

タロンギの暗い空に紫の月が異様に光っていた。

何度も通った、あれは何の死骸なのだろう巨大な骨が見える。
タルタルの黒魔導士として長い月日を過ごしたキルルは、
もうそれらに何の恐怖も感じなかった。
ただ、この闇の時間彼らの魂がふわりと何か言いたげに訪れる。
キルルは彼らに会いに来たのだ。

「おいで」

ふわり。魂たちはキルルに近づかない。炎の呪文を唱えられ一瞬で消される
事を感じているのだろう。一度死んで、それから何度も何度も倒されて。

勝手なシンパシーだ。醜い同情に違いない。いつの時代か生きていた彼らを倒したのも、
自分と同じウィンダスからの冒険者だったにちがいない。
それでももう一度、キルルは彼らに手を伸ばす。救いを求めるように。

「おいで、わたしにはきっとあなたの心は判らない、だからわたしを殺していいよ」

735 名前: たましいの記憶  2 投稿日: 2003/11/09(日) 12:53 [ H.pzd/ks ]
打たれ弱い黒魔導士が何の抵抗もしなければ、キルルの望みは叶うだろう。

ふわり、首を傾げたように今は黒い影でしかない魂が。
少し近づく。キルルは固く目を閉じる。
横に座るように、地上に降りた気配がする。
「わたしを殺しても、なんの気の休めにもならないかなあ」

「いままで、沢山殺してきたの、もう重たいの、疲れたの」

影はそばに寄り添ったまま、流れ出す言葉を聞き、流れる涙を見ている。

『モウスグ』
「え?」
『カエラナケリャ、ダカラアナタノココロニスム死ヲモラッテイク』

ふわり、魂の立ち去った気配。目を開けると月は沈み空はぼんやりと明るく。
キルルは呆然と立ちつくす。

そして、自分の生まれた街へと歩き出す。
心に積み重なっていた、死のあった場所に触れてみる。
突然目の前に見たこともない景色が広がる。いや、これはタロンギだ、生き生きとした木に覆われて、
これは彼らの記憶だろうか。はしゃぐ声が聞こえる、夕餉の支度の音、
自分がこの街を出る前の記憶にも似た。
生きる喜びに満ちた音。

736 名前: たましいの記憶  3 投稿日: 2003/11/09(日) 12:54 [ H.pzd/ks ]
キルルという黒魔導士の行方はそれから知れないという。
手がかりを探してみると、それからウィンダスの競売に出る果物の量が増えただとか。

時々、夜にタロンギに座っているタルタルに治癒魔法をかけられたとか、
幽霊に寄り添って朝方には消える魔導士らしき姿を見かけたなどと言う話は聞くが、
それが本当に彼女と関わりがあるのかは誰も知らない。

             _E_

737 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 15:13 [ Rz88zXxM ]
白き探求者、スケール大きくなってきたなー

738 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/11/09(日) 19:24 [ 0VCiloYw ]
>>722
GGGGGGGGJJJJJJJJJ!!!!!!!!(*´д`*)
リノナノ(・∀・)イイ!!
白き探求者キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

739 名前: 君と見つけた空8 投稿日: 2003/11/09(日) 20:14 [ rdylkAfo ]
毎日、感謝です。

8話 ぬくもり

こちらに書けなくて、すみません。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

740 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 20:20 [ gHxugwDg ]
>>739
やばい、泣いた。GJ!

741 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/09(日) 20:46 [ Ez9BeWyw ]
雪の彼方、どなたかまとめている方いませんか?(´・ω・`)

742 名前: 通りすがりの元艦長 投稿日: 2003/11/09(日) 21:14 [ gmCxi4fs ]
アプルル氏の画像up板に「雪の彼方」を勝手に上げさせていただきました。

743 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 01:48 [ kf87jHQo ]
「白い心・黒い意志」の6 −キリ−

草地を白魔導師のローブを着た若いミスラが走ってる。
名をキリと言う。
キリは普段細い目を皿のようにして辺りを見回しながら走ってる。
けど、探してる相手はどこにも見えない。
完全に見失った。
「しまった…」
他の冒険者の姿もなく、行方を聞く事も出来ない。
どっちへ向かったのだろう。
行き先を聞かなかったのが悔やまれる。
すでに町から大分離れたこの辺りでは、獣もいるし、モンスターもいる。
そして、獣人もいる。
白魔導師が一人でうろつくのはとても危ない。
それでも町へ戻ろうとは思わない。
なんだかとても、あのタルタルの事が気にかかるから。

連日の狩りの疲れから、キリは今日を休みと決めていた。
休みたい日を休みに出来るのは、キリのような固定パーティーを持たないフリーの冒険者の特典だ。
朝をゆっくりとベッドの中で過ごし、お腹が空いてから宿を出た。
勧誘に遭わないようにと、服は白魔導師のローブではなく、普段着を選んだ。

744 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 01:55 [ kf87jHQo ]
宿でも食事は出来るのだけれど、少し歩いたところにある食堂の方が安くて美味しい。
特に亭主が毎日捕りに出ているという川魚は新鮮で、煮ても焼いても良く、生でも美味しい。
この町でのキリのお気に入りのひとつ。
宿を出て歩いていると、向こうから来るタルタルに気がついた。
誰かを捜すように廻りに視線を向けながら歩いてくる小さなタルタル。
この辺りでもタルタル自身は珍しくはない。けど、その格好が目を引いた。
鞣し革と鋼板で出来た暗い色の鎧を着込み、背には両手剣が見える。
戦士だ。
その魔力は無尽蔵と言われるタルタルだけど、小さく非力な体格から、戦士や騎士のような職にはあまり向いていない。
だから、そんなタルタルを見る事は滅多にない。
珍しさについ眺めてしまい、目が合った。

745 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 01:57 [ kf87jHQo ]
若いようだけど、正確な歳は判らない。
他の種族にとってタルタルの歳は判りにくいという。
けど、それは種族として共生関係にあるミスラにとっても同じだった。
彼女たちにも、初めて顔を合わせたタルタルの歳を見抜くのは難しい。
言ってしまえば、タルタルは歳を経て尚、その容姿や言動が子供だからだ。
もっとも、ミスラ以外の種族にとってもミスラの年齢は判りづらいと言うけれど。
タルタル戦士は真っ直ぐキリの方へと歩いてくると、足元で立ち止まった。
「こんにちは。ボク、カルティエラティエといいます。カルテで結構です」
ペコリ
礼儀正しく挨拶するタルタル戦士。
真っ直ぐキリを見上げる。
「こんにちは。ワタシはキリだ」
その場にしゃがみ、目の高さを近づけるキリ。
タルタルの黒い瞳には不思議な深さがあった。
間近で見ても、歳はよく判らない。けど、やはり若いように見えた。
鎧が真新しいから新人戦士だろうとも思える。
「キリさんは、白魔導師さんですね」
「わかるのか?」
驚くキリ。

746 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:01 [ kf87jHQo ]
ローブも着ず、杖も持っていない状態で魔導師をそうと見抜ける者はまずいない。
だからこそ、普段着で出てきたのだけれど。
「はい。雰囲気で判ります」
ニコリと笑むカルテ。
「雰囲気…」
思わず自分を見るキリ。
どんな雰囲気を持っているというのだろう。
「あの、よろしいでしょうか」
「?」
「少し手伝って頂きたいんです」
「パーティー組みたいのか?」
「はい。町から出るまでの間だけで結構なんですけれど」
「?」
意味がよく判らず首を傾げるキリ。
カルテが説明したのは、ある戦士とどうしてもパーティーが組みたい事、その為に白魔導師が付いているふりをしてほしいという事だった。
「町から出るまででいいのか?一日一緒に組んであげてもいいけど」
今日は休みのつもりだったけど、この小さな戦士を手伝ってあげたいという気持ちが生まれた。
「いえ、それは結構です。町を出るまででかまいません」
とカルテは丁重に断った。

747 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:03 [ kf87jHQo ]
「しかし…」
どんな戦士と組もうというのか判らないけれど、新人のいるパーティーに白魔導師は欠かせない。
経験が浅い者ほどちょっとした不注意を起こしやすい。そして結果が致命的なものになりやすい。
慣れた者が揃っているからと白魔導師を入れなかったパーティーで、新人が命を落とした例をキリは幾つも知っている。
「ありがとうございます。でも大丈夫です」
どうしても二人だけで狩に行きたいのだと言われて、キリはしぶしぶ承知した。
「これ、先にお渡ししておきます」
差しだした小さな手には、やはりちいさな皮袋が載っている。
「お礼です」
「いいよ、礼なんて」
お礼がほしくて手伝う気になったわけじゃない。
掌で押し戻そうとするけれど、カルテは引かなかった。
「受け取って下さい。お金でお礼をするのは失礼かもしれませんが、今のボクにはこれしか出来ませんから」
「…じゃあ、貰っとくけど」
意外に重いそれを受け取るキリ。
もちろん、すぐに中身をあらためるような事はしない。
そのまま懐へと納める。
後で何か口実をつけて返すつもりだった。

748 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:05 [ kf87jHQo ]
「あ、着替えてきた方がいいな」
この格好だと、カルテの組みたい戦士に白魔導師だと判ってもらえないだろう。
「はい、お願いします」
と頭を下げるカルテ。
自分はここで待ってるという。
「…」
宿に戻りかけて、キリは途中で振り返った。
小さくなったタルタルは、そのままの場所で、こちらを見ている。
そして、キリが振り向いたのに気づいて再度頭を下げた。

たぶん、あのタルタルはキリがこのまま「お礼」の先取りをして逃げてしまうかもしれないなんて事は、全然考えてないだろう。
もちろん、そんな事するキリじゃない。
けど、そういう質の悪いのもいる。
詐欺・泥棒・強盗・人殺し。
人に害を与えて平気なヤツにとっては、カルテのようなお人好しは格好の獲物になる。
それも知らないぐらいに『新人』なのだろうか。
というよりも『世間知らず』という気もする。

749 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:06 [ kf87jHQo ]
丁寧な言葉遣いといい、良い育ちのお坊ちゃんタルタルなのかもしれない。
獣人を草葉の如くになぎ払う力強い戦士。煌びやかな鎧に身を包む聡明な騎士。
吟遊詩人の謡う英雄譚にあこがれる子供たちは多い。
そして、憧れのままにこの世界へ飛び込んでくる者も。
カルテもそんな少年なのかもしれない。
(大丈夫なのかな、あんなので)
初めてあったタルタルなのに、妙に気になる。

「ん」
考え事をしながらだったから、いつのまにか宿に着いてた。
部屋に戻って着替える。
と、脱いだ服の物入れから、カルテのくれた皮袋が床へ落ちた。
ヂャリ
鈍い音。
拾い上げて、ふと中身が気になる。
けれどキリはそのままローブの物入れへと納めた。
(お礼目当てじゃないんだから)
返すつもりだから、中に幾ら入ってようと関係ない。
そう思った。

750 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:08 [ kf87jHQo ]
「おまたせ」
「よろしくお願いします」
戻ったキリに丁寧に頭を下げるカルテ。
「えーっと、どこに行けばいいのかな」
組みたいという戦士はどこにいるのだろう。
「少し先です」
歩き始めたカルテについて行くキリ。
チャリチャリと可愛らしい金属音を立てて歩くタルタルの後ろ姿を見ていて、ふとキリは気づいた。
背中の両手剣。吊帯も鞘も上等な新品の艶を見せているのに、柄だけが違う。使い込まれた艶だ。
(剣は誰かのお下がりなのか?もしかして、お父さんが使ってた剣だとか…)
名のある戦士の父。今際に託された剣を持って息子がその意志を継ぐ。
なんとなく昔聞いた英雄譚の一つを思い出して
(そんなわけないな)
と自分で否定する。
「あ、ここです!」
そう言ってカルテが足を止めたのは、一件の安宿の前だった。
「ここに?」
「はい。少し待ってて下さい」
タタタタと走り込んでいくカルテ。
「うーん…」
宿は、あまり程度の良くない所だった。
キリの泊まってる安宿よりまだ落ちる。
あのタルタルが組みたいような戦士が泊まってるとは思えない。
いったいどんな戦士なんだろう。

751 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:11 [ kf87jHQo ]
興味が湧いてくる。
と、ほとんど待たずにカルテが走り出てきた。
「出かけちゃったようです」
「おいてけぼり?」
「いえ、近くにいると思います。少し探しますけど、いいですか?」
聞くカルテに
「いいよ」
うなずくキリ。

さして時間をかけず、探し人は見つかった。
けれど、その戦士は、キリが想像していたのとは違っていた。

「あ、あの人です」
カルテが示したのは、通りの反対側を歩くヒューム戦士の後ろ姿だった。
「ここで待ってて下さい。組んでもらえたら、そのまま町を出ますから、少し離れてついてきてもらえますか?」
「?、離れて?」
「はい。そのほうが抜けてもらえやすいですから」
「本当に途中まででいいのか?」
「はい。町から出た所で抜けて下さい」
「一緒に行ってあげるけど?」
「大丈夫です。戦士さんには後から謝りますから」
にっこりと笑むカルテ。
「それに、ボクこう見えても強いんです」
自信ありそうに胸を張るカルテ。
「じゃ、お願いします!」
ペコリと頭を下げると、踵を返して走っていく。
「あ…」
止める間もない。

752 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:14 [ kf87jHQo ]
通りを斜めに横切ったカルテは、ヒューム戦士に追いつくと、声を掛けた。
気づいたヒューム戦士が振り返る。
「−−」
「−−」
なにかやりとりをしてるけど、ハッキリとは聞こえてこない。
腰に吊っていた皮袋を開いてヒューム戦士へと見せるカルテ。
なにか戦士好みのアイテムでも入ってるのだろうか。
(まさか、お金じゃないだろうな)
さっきの「お礼」を思い出すキリ。
やりとりするカルテとヒューム戦士を見ながら、だんだん嫌な気持ちなってくるキリ。
口調は判らないけど、ヒューム戦士の態度はあからさまに横柄だ。
その動作からは、質の良くないものが感じられる。
言ってしまえば、ゴロツキにも似たような。
(あの子はなんであんな戦士と組みたいんだろ)
疑問が浮かぶ。
お上品とも言えるカルテとゴロツキのような戦士。
知り合いにしても、あまりに異なる二人だ。
と、カルテがこちらを示し、ヒューム戦士が顔を向けた。
紹介してるのだろう。
軽く頭を下げるキリ。

753 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:16 [ kf87jHQo ]
どうやら、うまくいったらしい。
カルテがこちらを向いて、両手を振りながらピョンピョン跳ねてる。
(よっぽど組みたかったんだ)
よかったな、とキリも手を振り返した。
あんな戦士相手に、と複雑な心境で。

二人が歩き始めたので、キリは約束通りそのままの間を開けてついて歩いた。
少しして立ち止まり、言葉を交わすカルテと戦士。
カルテがさっきの皮袋からなにかを取り出し、ヒューム戦士に手渡した。
お礼の先渡しを要求されたのだろうか。
チラリと金色の輝きが見えたような気がする。
それで話が付いたのだろう、カルテが先頭になった。
「…」
見ていたキリは、ヒューム戦士が尚更質の悪いヤツに思えてきた。
本当に二人きりにしていいのだろうか。
疑問が浮かぶ。

754 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:17 [ kf87jHQo ]
カルテとヒューム戦士は、町の門へ向かい、抜けた。
もう狩り場を決めてるのだろう、りっくりっくと行くカルテにヒューム戦士が続く。
さらに、キリが追う。
(どうしようか…)
二人を追いながら、キリは考えた。
約束では町を出るまで。
カルテはどうしても二人きりがいいと言ってた。
でも、どうにも気になる。
あのヒューム戦士は絶対に油断できない手合いだ。
ふと、キリは物入れの「お礼」を思い出した。
そうだ、まだ返してない。
小さな皮袋を取り出すキリ。
(ワタシはコレを返しに行くんだ。手伝いに行くわけじゃない。返しに行って、偶然あの子の危ない所に出くわしたら、白魔導師なんだから助けるのがあたりまえだよな)
自分で自分に、言い訳する。
そしてキリは、ついて行ってるのが見つからないようにと、さらに間を開けて二人を追った。

−続く−

755 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 02:27 [ kf87jHQo ]
ごめんなさい、今頃続きです。
みなさん、忘れてますよね…。
「タル戦」見習ってラストまでがんばります。
ガンバルつもりです。
ガンバリたいなぁ…。
いまさらながら「パパさん」すごいなぁ…。

756 名前: 1 投稿日: 2003/11/10(月) 03:29 [ LTkpqUMw ]
694です。続きをアップさせていただきます<m(__)m>

「空に浮かぶ群青の軌跡」4話

 おいらはLady。
 なあ、人っておいらのこと嫌いなのか?
 おいらがのんびり昼寝していても、いきなり襲い掛かってこようとするんだ。
 だからおいら、一人のときは、絶対高いところで寝るようにしている。
 おいら、いじめられるのはやだけど……
 それよりも、カーナがそんなおいらを見て、哀しそうにするのは、もっといやだなぁ。

757 名前: 2 投稿日: 2003/11/10(月) 03:30 [ LTkpqUMw ]
「よし、と……」
 彼女は小さく呟くと、毛布から身を起こした。
「Lady、おきてる?」
 傍らに視線を向けると、群青色の竜は丸めた体をそのままに、大きくあくびをする。
それに自然と笑みを向けて、彼女はカバンの中をさぐる。
 霧に煙るロンフォールの森。その一角でカーナは夜を明かした。
冒険者たるもの野宿には慣れているとはいえ、久しぶりの暖かいベッドを
想像していた身では少々つらい。
「えっと……食料は、大丈夫そうね。ご飯にしましょ」
 食事は質素なもので、干し肉と羊のミルク。それを二人で分け、食事は終了する。
「Lady…ごめんね。せっかくサンドリアまで来たっていうのに……。
 でもね、私決めたの。ウィンダスに行きましょう」
 毛布と食事の残りを手早くまとめると、彼女は武器とカバンを背負う。
そしてすっと前を見据えると、竜に向かって微笑みかけた。
「ウィンダスにね、お料理を教えてくれる場所があるんですって。
 街がおまえを拒むなら、私、街で生活できなくてもいい。
 寝る場所なんて野宿でかまわないし、食べるものだって、
 自分で作れれば問題ないもの」

758 名前: 3 投稿日: 2003/11/10(月) 03:32 [ LTkpqUMw ]
 冒険者仲間に聞いたことがある話。人は材料とクリスタルさえあれば、
自身で鎧や果ては料理まで作ることができると聞いた。
昨夜はあまりの憤りを感じていたが、そのまま引き下がるようなカーナではなかった。
 いわく、Ladyといっしょに美味しいものを食べたければ、自分で作り出す、と……。
「バストゥークに行くより、ちょっと遠距離だけど……いいわよね?」
 にこりと笑むカーナ。もしも竜が言葉を発することができたのならば、
何を言ったのだろうか。それは彼にしかわからない。


 てくてくとゆっくりとそれでも確実に彼女はロンフォールの森を南下した。
途中、ゴブリンやオークに襲われることもしばしばあったが、二人で協力して
倒していった。そしてロンフォールのアウトポストが見えようという時――、
「危ない!」
 怒声とキンと抜刀する音が聞こえた。
 瞬時に槍を手にし、周囲に目線を走らせる。するとヒュームの青年がこちら
に向かって疾走してきた。
「下がって!」

759 名前: 4 投稿日: 2003/11/10(月) 03:33 [ LTkpqUMw ]
 端的な言をうけ、カーナは素早く道をあける。無論、竜もそれに倣い、
カーナの左後ろへと移動する。なのに、かのヒュームはあろうことか、
カーナへとそのまま向かってきた。
「え?!」
「後ろ、モンスター!」
「ど、どこよ!」
 意図がわからず困惑する。周囲には確かに羊や兎はいたけれども、獣人の姿はない。
カーナの様子に舌打をし、それでも彼は手にした両手剣を振りかざした。
 よもや、と思い、カーナは槍でその剣を受け止める。小さな体躯に痺れが走る。
それでも彼女はその場を譲ろうとはしなかった。
「何で邪魔するんだ」
「……じゃ、邪魔って、……」
 腕に懇親の力をこめる。それに集中するためか、話そうにもうまくいかない。
「あなた……、獲物って、どれ?」
「決まっている、後ろのドラゴンさ」
「なっ!」
 頭のどこかで想像していたとは、驚愕に顔が紅潮する。それを受け、
相手も何かを悟ったらしい。どこか困惑した様子のまま、とりあえず剣を引くと、

760 名前: 5 投稿日: 2003/11/10(月) 03:34 [ LTkpqUMw ]
「……君、獣使い?」
「ちがうわよ。どこの世界に槍持った、獣使いがいるの!」
「いるかもしれないじゃないか」
「ぐ……ま、まぁ、それはいいとして、いいこと? 私は竜騎士。
 あなたが倒そうとしたのは私の相棒!」
「相棒?」
「そうよ、見たこと無いの?」
「てっきりモンスターだと思って……」
「これ以上、私を怒らせるつもり?」
「僕は事実を言っただけだよ」
「じゃ、撤回して、それと謝罪もちゃんとつけて」
 カーナは憤然としたまま槍を収める。竜はといえば、二人を交互を見ながら、
静かにその場に座り込んだ。ヒュームの少年は抜刀したままの剣をだらんと下げたまま、
釈然としなさそうに呟いた。
「……ったよ……」
「声が小さい!」
「…僕が悪かった! これでいいだろ」
「なんか、釈然としないけど、まあいいわ。許してあげる」

761 名前: 6 投稿日: 2003/11/10(月) 03:35 [ LTkpqUMw ]
「君、初対面の相手に対して随分ないいようだね」
「Ladyをモンスター呼ばわりするような相手に、敬意を払う必要はないと思うけど」
「ふーん、そのモンス………じゃなかった、ドラゴン、名前があるんだ」
 感心したように彼は剣を鞘に収める。そして不思議そうな表情のまま、竜を見つめた。
「何言ってるのよ。私にだって、あなたにだって名前があるでしょ?
 モーグリにだって名前はあるわ。もしかしたら私たちが知らないだけで、
 モンスターにだって名前があるかもしれないじゃない。
 それなのに、どうしてLadyに名前があっちゃ、不思議なの?」
「だから、何度も言ってるように、見るのは初めてなの。もちろん竜騎士もね」
「まあ、いいわ。……ちなみに私はカーナ。あなたは?」
「僕はラズィ」
 名乗りながら、横目で竜を見た。その表情には怪訝そうな色が漂う。
「噛み付きゃしないわよ。大人しいもの」
「本当? 襲ったりしない?」
「あなた、大きいなりの割には臆病ねぇ」
「そういう君は、小さいなりの割には随分と大仰だね」
「あら……それは一本とられたわ」

762 名前: 7 投稿日: 2003/11/10(月) 03:37 [ LTkpqUMw ]
「そもそもタルタルから見たら、なんだって大きいなりになるだろうさ」
「それもそうね。……Lady」
 呼びかけると竜はすぐさま飛翔する。そしてラズィの目の高さになると、
クゥ、と小さく鳴く。
「よ、よろしくLady」
「クゥ」
「ふふ……Lady、いたずらしちゃダメよ。
 ラズィはどうやらとっても臆病者みたいだから」
「まあ、否定はしないけどね」
 肩をすくませ、もう一度竜を見やる。よくよく見れば、群青色の毛並みが
とても美しく、その瞳はとても澄んだ色をしている。
「可愛いね」
「私が? Ladyが?」
「……一応、両方って言っておくよ」
「あら、あなた、素敵な紳士になれるわ」
「それはどうもありがとう。お嬢さん」
 ラズィはカーナと竜に大仰なお辞儀をした。それを見て、カーナはお腹を
抱えて笑い出す。つられて、ラズィも大笑いする。竜はそんな二人の頭上で、
くるくると嬉しそうに飛んでいた。
 ロンフォールの霧は、いつの間にか晴れていた。

763 名前: 8 投稿日: 2003/11/10(月) 03:38 [ LTkpqUMw ]
<続く>

って、ああ、続くって文字を入れるの又忘れた;;

たくさん小説アップされて、とても嬉しいです。
作者さんたち、これからもがんばってください。
遠い空の下から、応援しております<m(__)m>
/cheer

764 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 04:02 [ .pGs99Ak ]
キタ-------!!!

>>755
覚えてまんがな。マターリでよいので、続きガンバって書いて下さい。

ほんでもって、竜騎士タンもキタ---!!!
あ、余計な事かもだけど、もうレス番要らんと思うよ。
だって、もうタイトル憑いてるしね。

ちくしょう!
どいつもこいつも、俺を楽しませやがってよぅ・・・ウレスィ♪

765 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 08:49 [ 60qXnAr2 ]
待っていたナリよ > 「白い心・黒い意志」

中断しちゃった作者さん達も、今頑張ってる作者さん達も、頑張るナリよ。
待っているナリ。

766 名前: 1 投稿日: 2003/11/10(月) 16:05 [ kvNPSVl2 ]
 〜私の印象に残った話〜

ーーーーーー語り部さんーーーーーーー
なぁ? みんなはさぁ 何を目的に冒険している?
探し物があるからかい? 無くしたものを探しているからとか?
あるいは、、、無くさないといけない存在が在るかとか、、?
まぁいろいろあるよね、。
冒険なんて憧れだけじゃやっていけない、嬉しいことより辛いことが多く。
そして、目的なんて達成できる奴なんて、ほとんどいないからさぁ、
私も長い間、時間というものを過ごして来たけど、、、
目的が達成されて、ハッピーエンドの話なんてほとんど聞かなかったよ。
ないわけじゃない、少ないだけなんだ。
長い時間で、いろいろな話を聞いたけど、その中に、私が一番印象に残った話があるんだ。
聞いてくれるかな・・・? 
おっ! 聞いてくれるのか! 詰まらなかったら話の途中で抜けていいよ!
あっ、先にひとつ言っておくけど、決してハッピーエンドじゃないよ
ただ、私が「印象に残ったというだけの話」というだけだよ。
じゃ、話すね、あれの始まりは、コンシュタットで・・・

767 名前: 2 投稿日: 2003/11/10(月) 16:07 [ kvNPSVl2 ]
 コンシュッタット、オーディンと言われる強風がたまに吹く、
ここでは砂嵐が強く冒険者とってはやっかいなものであった。
しかし、その強風を利用した「風車」があり、それが独創的な風景を作り出している場所だ
地形的には、荒野が続いており、その地形に適した生物が多い。
その荒野をチョコボで駆け抜けている二人組みがいた。
一人は、チェーンメイルという青い鎖帷子を着ている青年で、金髪の髪と幼い顔が印象的だ。
しかし、背中には武器と思われる、顔とは似合わないゴツイ両手斧を背負っている。
 もう一人はタルタル族の青年だ、三角帽子をかぶり黒いコートに身を包んでいる。
帽子から見える髪の色は、山吹色で後ろにチョコンと束ねて縛っている。
 
「しっしか、こんなところでご馳走のトカゲの卵がゲットできるなんて、ついてるよなぁ」
ヒュームの青年が、嬉しそうに、タルタル青年に話かける。
それに対して、タルタル青年が
「リート、ご馳走にありつけて騒ぐ気持ちはわからなくないが、卵を落として割らないでくださいよ?」
ため息混じりにいった。

768 名前: 3 投稿日: 2003/11/10(月) 16:08 [ kvNPSVl2 ]
「大丈夫だって、俺様がそんなヘマするわけないだろ?ちゃんと、この道具袋に保管してるって」
「そう言って、前にヘマしまくってるから忠告しているわけですがね」
「トミ〜、まだあの時の事を根にもってんのかよ」
「いやいや、決して鳥の卵を割った事なんて気にしてませんよ」
「・・・・もってるじゃん」
ヒュームの青年のリートは、タルタルの青年のトミーに聞こえないようにボソっと言った。

トカゲの卵を手にいれた地点から、10〜20分、走った所だろうか、
トミーが突然、チョコボに静止行動を命じる。
チョコボは、それに応じてその場で止まった。後ろに走っていた、リートもそれに合わせて止まる。
「突然なんで止まるんだよ、トミー 俺は早く帰ってトカゲの卵の料理食い・・・」
リートが愚痴をこぼそうとするのをトミーが制した。そして

769 名前: 4 投稿日: 2003/11/10(月) 16:10 [ kvNPSVl2 ]
「生命危機信号の魔力の気配がする、、、」
と独り言のように、ボソっといった。
「え、なに・・・」
リートが話しかける前に、トミーは「魔力が感じると思う所」に向けてチョコボを走らせる。
「トミー! ちょっと、おい!一体、なんだよ!肝心な事はちゃんと言ってくれといってるじゃないか!」
リートも慌てて、トミーを追った。

トミーが、またも急に止まる。リートも慌てて、止まる。
「トミー 一体、何を感じたの?」
「ああ、すまない、ちょっと魔力による助けの信号を感じたものでね」
「そ、そうなのか、んで、ここがその場所?」
「のはずなんだが・・・」
トミーがその場でチョコボから降りると、周りを見渡す。
リートのそれに合わせて、周りを見渡すが・・・

770 名前: 5 投稿日: 2003/11/10(月) 16:17 [ kvNPSVl2 ]
何もないぞ?勘違いじゃなのか?」
「いや・・あれだけの強い魔力を勘違いするばすがないんだが・・・」
「といっても・・・」
リートがチョコボから降りようとした時だった。
突然、地面が光出し、魔方陣が浮き出す。
「うわ?! な、なんだこれ!」
「リート!! この場が離れろ! 移転魔法 デジョンの魔法陣だ!」
慌てるリートにトミーが、叫んだ。リートとトミーはその場から飛び離れ、その場にふせた。
魔方陣から出た、眩い光が当たりを包み込んだ…
光がおさまると、トミーとリートは目を凝らして、周りを見渡す。
「いてて、なんだよ 一体・・」
リートとトミーが、立ち上がる。
強い光を受けたせいで、よく周りが見えないが、それでも目を凝らして魔方陣の中心を見る。
魔方陣の中心には、一人の女性、いや女性というより少女といった方がいい年頃だろうか
横になって倒れている、この少女の出会いが 今後のリートに多大な影響を与えるというのは
この二人には、まだわかるはずもなかった…

第一話 終わり

771 名前: 6 投稿日: 2003/11/10(月) 16:18 [ kvNPSVl2 ]
題名 忘れた;第一話「魔方陣」です〜
すみませんです

772 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 20:16 [ inyb8yw6 ]
>755

あれだ。 次から次と獲物釣ってきちゃうタルと、戦士の話か
続きが気になってたんだよね。 (゜ー゜)(。_。)ウンウン

773 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 21:02 [ FT9hAS.6 ]
>>771
また〜り進行でいいので必ず続きをお願いします。

774 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/10(月) 22:59 [ 4LVSSNMc ]
>>755
忘れてないです。すっごく気になってたから続きが読めて幸せ〜^^楽しみにしてます。

775 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:01 [ DHby9.Fg ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十七話 海を越えて

―― セルビナ・羊飼いの溜まり場 ――

「こいつはな」
そういって名無しのガルカは一本の矢・・・ではない、それはガルカの手に握られていれば
矢のようにも見えたが、よくよく見ると、古ぼけた槍である。
あちこち痛んではいるが、刃は輝きを失っておらず、今すぐにでも実戦で使えそうだ。
「昔、とあるタルタルの戦士が使っていた槍だ」
そう言って名無しのガルカはトッパに槍を手渡した。ずしりと重みが加わるが、
振り回せない程でもない。
「・・・ああ、そうだな。この槍・・・」
トッパは、その槍の感触を思い出した。遠い遠い昔に、持ち主の真似をしようとして
持ち上げようとしたが・・・それはとてもじゃあないが重たくて・・・
そう、満足に持ち上げる事が出来なかった、あの槍である。
「昔な・・・クリスタル戦争の頃だ。俺はバストゥークに攻めて来たクゥダフの軍勢と戦った。
 冒険者達を率いてな。・・・そして、その中にあのババドラバドがいた。
 そこで・・・」
珍しく、名無しのガルカが顔を曇らせた。今まで彼がこのような表情を見せた事は無い。

776 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:03 [ DHby9.Fg ]
「おっさん、昔の事なんてよ、オイラにゃどーでもいいんだよ」
「・・・トッパ」
「今はよ、あのわけのわからねぇ、ババドラバドって奴をどうにかしなくちゃいけないんだぜ?
 それに、アイツはメアってところでオイラを待ってるんだ。・・・そだろ?」
そして、トッパは槍を天に掲げた。
「うん、いい槍だ。きっと、そのタルタルの戦士もよ、たくさんの仲間を守ってきたんだろ?
 ・・・おっさん、前にも言ったじゃないか。資質ってやつさ。振り回すだけなら誰にも出来る。
 要は、戦士としてどうあるか、だろ?」
「ああ・・・そうだ。そして、お前にはその槍を使いこなせるだけの資質がある。
 それはお前が持っていけ。奴の暴走した力を止める事ができるのはお前しかいない」
「へへ!まかせときなって、おっさんはさ、早く元気になってくれよ、な?」
槍を掲げたトッパの姿を見て、名無しのガルカはそこに過去のババドラバドを垣間見たような気がした。

777 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:04 [ DHby9.Fg ]
マウラ行きの船が到着した。あと数分もすれば出港するだろう。
トッパ、セラフィー、ゼヴェン・・・そして、クリームはこの便でマウラを目指す事になる。
名無しのガルカは鉄製の巨大な松葉杖をつきながら、見送りの為港まで来ていた。
「じゃあな、おっさん。・・・元気でな」
トッパは、名無しのガルカに手を振った。
「・・・トッパよ。前にも一度言ったがな」
「ん?・・・なんだい?」
「これからお前の運命がどう流れるかは・・・やはり残念ながら俺には分からん。
 お前が自分の運命を切り開いて行きたいのであれば…願うことだ」
「願う・・・」
「ああそうだ、願え…願いは全てを可能にする」
「はは・・・わかったわかった。アルタナの女神様って奴に色々お願いしとくよ」

778 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:05 [ DHby9.Fg ]
―― マウラ行き航路・甲板 ――

「ん〜。いい天気ねぇ」
セラフィーが背伸びをしながら、大あくびをかいている。どうも昨晩夜更かししていたようだ。
その横ではペンを持ち、なにやら羊皮紙を向かい合って唸っているゼヴェン。
さらにその横には釣りをしているクリームとトッパの姿がある。
「なぁ、そのメアってところはマウラから近いのか?」
「そうね〜。距離的には、セルビナからラテーヌへ行くのと同じ位かしら?
 ああ、そっか。トッパとクリームちゃんはウィンダス行くの久しぶりなんだっけ?」
セラフィーはどうもクリームの事がお気に入りらしく、馴れ馴れしくちゃん付けで呼んでいる。
当のクリームは多少煙たがっているような気がしないでもないが。
「あたいは・・・ババドラバドにもう一度会わないといけないんだ・・・」
クリームが海を見つめながら、誰に言うでもなく呟いた。
「あいつに会って・・・それからどうするんだ?」
「・・・分からない。・・・どうしたいかもよくわからない。でも、このままじゃ嫌。
 だから、はっきりさせたいんだ」

779 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:07 [ DHby9.Fg ]
トッパはクリームを見て、随分変わってしまったな、と思う。
バストゥークで別れてから彼女に何があったのか、それを問いただすつもりはないが、
以前のように明るく振舞う彼女に戻って欲しいと思う。
どこか、今の彼女は話しかけづらい雰囲気があった。そしてその原因の一端は自分にもある。
それがもどかしさに拍車をかけていた。
「はぁ〜。それにしても退屈ね〜。いっそ海賊でも襲ってこないかしら?」
「ははは・・・セラフィー、冗談でもそういう事を言ってはいけません。そんなこと言ってると、
 本当に現れるのが世の常という物ですよ?口は災いの元、というやつです」
「海賊?なんだそれ?」
「・・・海賊?」
トッパとクリームが同時に疑問を投げかける。
きょとんとした二人に、ゼヴェンとセラフィーは顔を見合わせた。
「二人とも…まさか、知らないのですか?海賊を」
「海賊?そんなのいるのか?」
「あら、二人とも。知らないの?おっくれてるぅ〜」

780 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:09 [ DHby9.Fg ]
ふと、クリームの耳がピクンと動いた。広い大海原のど真ん中、何かを聞き取ったようである。
そして、彼女は海の彼方を指差して言った。

「ねぇ・・・あそこに船が見えるけど何?・・・こっちに近づいてくるよ?」
「え・・・嘘!?」
「へ?どこだどこだ・・・?お、なんか近づいてくるな〜」
「やれやれ・・・口は災いの元、というやつですね」

ゼヴェンが顎を掻きながら、本当にやれやれ、といった表情をした。


この後、乗船していた他の冒険者達と力を合わせ、海賊を撃退する羽目になったトッパ一行。
彼等は無事、ミンダルシア大陸へと到達した。
そこは長い長い、トッパの旅の始まりの地でもあり、終わりの地でもある。


                                     続く

781 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:09 [ mML5p.u6 ]
キターーーーーー
初めてリアルタイムでキターーーーーー

782 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:12 [ /VyOkqqw ]
タル戦初のリアルタイムキタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆

783 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 00:12 [ 6EZEYbOA ]
俺も初めてリアルタイムで、
タル戦キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

784 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 01:27 [ uqcXR5o6 ]
>>734
文体難しいかな?と思ったけど、何回も読んでいくウチに
じわじわっとくるものが・・・
FF11は世界観自体が勧善懲悪ではなくさまざまな価値観、
矛盾をはらんでいる重い部類なのでこういうお話も楽しいですね・・・

まあ漢字が多くなったけど、グッジョブ!ъ( ゜ー^) ⌒☆ってことで。

>>755
自分も続きが気になっていたので嬉しいです。
さまざまな視点からのお話、続きが楽しみです!
がんばってください

>>756
タルタルと竜のコンビ・・・
竜騎士レベル1としてオムツ(サブリガ)穿いて竜と
旅した頃を思い出します。
続き、楽しみにしています。

785 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 02:05 [ FnTJccjs ]
タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

786 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/11(火) 03:21 [ IHmmfXZg ]
ルインの章 第9話 心の傷

〜サニーのレンタルハウス〜

橙色の朝日が窓から差し込んできている中、
サニーは1人、マホガニーベットにこもっていた。
先ほどの戦いのダメージがまだ残っているようで、
ベットの上を転がる度にうなり声をあげていた。
その時、コンコンというノックの音と同時に、
1人の友人の声が耳に入った。
「サニー、入るぞ」
『…ジェイドくん?』
サニーの小さい声は、ジェイドの所まで届かない。
「無理して喋るな、少し寝てろ」
ジェイドは話すのも必死なサニーを見て、思わず手を覆った。
『ジェイド…くん』
「…どうした」
『僕…今日ルインさんと…』
「何…よく聞こえない」
『素質があるって褒められて…』
「もういい…無理しないで寝るんだ…」
その時、ガチャっとドアノブがなる音が部屋に響いた。
ギィィと徐々に開いて行くドアの先にはルインの姿。
「サニー…大丈夫かぁ?あ、ジェイドもいたのか…」
「ルインさんでしたか…どうぞ腰を下ろしてください。
 サンドリアティーでよければすぐに出せます」
「あぁ…ありがとう、ジェイド」

787 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/11(火) 03:33 [ IHmmfXZg ]
ジェイドは愛想笑いを浮かべてからキッチンに入っていった。
ルインはちょこんとその場に座り込むと、
ぽけーっとサニーの部屋を見回した。
右、左、前、後ろ、至る所に飾られたぬいぐるみ。
それも全てタルタルのぬいぐるみ。
自分とサニーだけの空間なのに、大勢いるという錯覚をによって
とても落ち着かない空間だった。
そんなぬいぐるみの間に、一冊の本が飾ってあった。
ルインはそれに興味をそそられて立ち上がる。
本を手に取り、埃をぱんぱんとはたくと、
うっすらと「アルバム」の文字が浮かび上がった。
「アルバムねぇ…オレのアルバムどこに仕舞ったかなぁ…」
ルインはゆっくりとアルバムのページをめくった。

788 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/11(火) 03:57 [ IHmmfXZg ]
1ページめくると、4人のヒュームのSSで始まった。
2人は幼い少年達、もう2人は鎧を着た男女だった。
「この二人の子供って、ジェイドとサニーだな」
ルインはぽつりと呟きながらページに手をかける。
次々とページをめくっていくと、いつもこの4人がいる。
それらのSSはまるで幸せそうな家族の一生を綴っているようだった。
そして、「サニーの5歳の誕生日」と記されたSSのページが。
いつもの4人かと思いきや、1人いない。
最初のSSで、金髪の幼児の後ろで笑顔を注いでいた女騎士。
その人の姿はどこにも無かった。
次のページも、そのまた次のページにも現れない。
ルインはこの場である人物を思い浮かべた。
「そうか…この騎士がサニーの母親か…」
「…そうだよ」
はっと後ろを振り返るルイン。
その視線の先には、ベットから起き上がっているサニーの姿が見えた。
「その人の名前はエミール・ゴールドウェイ…
 僕のとっても強くて、優しい母さんだよ」
サニーは呟くように小さな声で話した。

789 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/11(火) 04:10 [ IHmmfXZg ]
「僕の5歳の誕生日は、母さんがダボイの偵察から戻ってくる日。
 僕も、ジェイドくんも、ジェイドくんの父さんも心待ちにしてた。
 しばらくして母さんはサンドリアに帰ってきた。
 僕が迎えに行ったときには、白かった鎧はすっかり深紅色で、
 剣を持っていた右腕がなかったけどね…」
サニーは笑顔のまま、淡々とした口調で話していった。
「すぐに治療が施されたけど、もう手遅れだったって…
 僕の誕生日が、母さんの命日になっちゃって…」
サニーの目に涙が溢れて行く。
だが、それでも彼は笑顔だった。
ルインはその笑顔を見て、逆に恐怖に感じた。
「お前…一体何なんだ?」
「…?」
「なんでそんな話をしてもずっと笑顔なんだよ!?
 お前の顔は仮面か何かなのかよ!?」
ふと、ルインの目の前にティーカップが横切った。
「それは…俺が説明しましょう。
 サニーはもう寝かせてやってください」
ジェイドはコトっとティーカップをテーブルに置いた。

790 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/11(火) 04:32 [ IHmmfXZg ]
「答えは…そのアルバムにあります」
ジェイドのその声を聞いたルインはまじまじとアルバムを見つめる。
ぺらぺらとページをめくって行くと、1つの妙な点に気がついた。
5歳の誕生日からのSSは、全て笑顔のまま写っていた。
ルインはゆっくりとジェイドの顔を見上げた。
ジェイドは目を閉じて答えた。
「サニーはあの日から…笑うことしか出来なくなったんです。
 あの日の…あの言葉を聞いてからずっとね…」
それを聞いて、ぱたんとアルバムを閉じるルイン。
「そうなのか…何か悪いな、怒鳴っちゃって…」
ルインは手に持っているアルバムを床に置こうとした。
よく見たら最後のページに紙が挟まっている。
その紙は「15歳の誕生日」と記されていた。
サニーとジェイドがカメラ目線で武器を構えているSS。
ふとルインはあることに気がつき、「5歳の誕生日」を開いた。
2つのSSを見比べ、確認したルインはジェイドに尋ねた。
「サニーの身長…何センチだ?」
「…132cmです」

791 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/11/11(火) 04:50 [ IHmmfXZg ]
「…まさか…サニーって…」
「はい、5歳のあの時から体の成長が止まっています。
 サニーは心の病気にかかったんです」
ジェイドはアルバムをぬいぐるみの上に乗せた。
「それからあいつはオークに憎しみをぶつけています。
 母さんはオークに右腕と剣を持って行かれた。
 絶対に取り戻してみせる、母さん以外の者が…ましてやオークが
 母さんの剣を振るうことは許さない。見つけ出して
 母さんの剣で首を跳ね飛ばしてやる…
 そう…笑顔のままで言っていたのを覚えています。

 あいつは笑顔の裏に恐ろしいほどの憎悪を持っているんです。

 今回の旅はコルトを探すことです。
 しかしあいつは…この旅でオークの地に赴き、
 復讐するためについて来たのかもしれません…」
ジェイドは一通り話すとサンドリアティーを口に含んだ。
ルインは「そうか」と呟いて立ち上がった。
「オレに関わる相手はみんな過去に惨劇を持ってるなぁ…
 一体どうしてだろう…」
ルインはゆっくりとサンドリアティーを飲み干してから考え込んだ

ルインの章 第10話に続く…

792 名前: 734 投稿日: 2003/11/11(火) 07:40 [ sfDkmb9U ]
>>784

ありがとうございます。あまりに説明不足すぎて補足をかねた続きを考えていたところでした。
冒険譚とかは読むのは好きですが自分で書くのが好きなのはこういった部類なので、
またおじゃまするかもしれません。

そして

タル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

793 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/11(火) 22:05 [ CjVjbi8s ]
タル戦キテル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

794 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/12(水) 12:39 [ zeCX2PKI ]
雪の彼方 <ロスト編>

グラスを、弾く。
リュートの歌に身を浸し、ロストはミリオン酒を口につけた。
「よくこんな強い酒、飲むな」
呟いて、薄暗い部屋の隅を見る。
ロストにしては珍しく、暗い瞳で。
拍手が周囲ではじけた。
リュートが優雅に礼をして、ロストの隣に座る。
「私も、ヤクードチェリーのキルシュをミルクで割ってちょうだい」
リュートの言葉に詩人酒場のマスターは酒を作りついっとリュートに差し出した。
「そんなにお酒強くないくせに。ずいぶん、荒れてるわね。ロスト」
「うっせ」
「リノナノのこと…そんなに?」
ガーディが語ったリノナノの過去は、みんなに衝撃的だった。
リュートは銀の髪をサラリと揺らし、俯く。
美しい女性はそれだけで絵になる。
「別に。過去ぐらい誰にでもあるさ」
ロストの渇いた笑いに珍しいというようにリュートは目を細めた。
「そういえば…ロストとリノナノって…一体どうして一緒にいたの?」

795 名前: 2 投稿日: 2003/11/12(水) 12:42 [ zeCX2PKI ]
リュートが仲間に加わった時にはロストはすでに仲間だった。
「昔話なんて、ガラじゃねぇよ」
ロストは記憶を掘り起こす。
それはまだ、自棄のように生きていた頃の話だった―


ロストは自分の強さがすべてだった。
光に向かう人格でもなかったのでナイトから転向し、
暗黒騎士の名を手に入れた。
それは、ロストの反抗だった。
戦っても戦っても、満たされる事はなく。
ひたすらに身勝手に生きていた。
当然のように仲間も出来ず、
一人でいつも酒場で酒をあおり女性を口説いていた。

独りでいいと思っていた。
理解なんかして欲しいとは、思わなかった。
誰も自分の事を理解できるなんて…思わなかった。

796 名前: 3 投稿日: 2003/11/12(水) 12:46 [ zeCX2PKI ]
身勝手に生きていれば、そのつけは自然に回ってくる。
ロストは素材集めの仕事ででていたが、リーダーとの喧嘩別れで、
独り灼熱の西アルテパを歩いていた。
危険すぎる、場所だった。
パーティーならともかく、独りで歩くには敵が強すぎた。
案の定、蜘蛛と蟻に絡まれ戦っていたが、傷ばかりがふえていった。
助けてくれ――
なんて、口が裂けても、それこそ死んでも言わない性格だった。
足にザクリと蟻の爪が入った。
蜘蛛がキチキチと笑う。
「なろ、そんなに俺が喰いてぇかっ!!」
ロストは両手鎌を振り下ろす。
「ちっ」
まずい、まずい、まずい。
このままじゃあきらかに、ヤバイ。
ロストがそう思っていると、ふいに蜘蛛の攻撃が止んだ。
「え?」
「攻撃しろ」
リノナノの命令に蜘蛛が従い、蟻を攻撃しだす。
そして小さなリノナノは、ロストを見あげた。

797 名前: 4 投稿日: 2003/11/12(水) 12:50 [ zeCX2PKI ]
「大丈夫か?いま、ケアルしてやる」
蜘蛛と蟻の戦いの横で、リノナノはロストに紫の癒しの光を投げかけた。
ロストは茫然と、リノナノを見た。
「ん?余計な世話だったら悪かったな。獲物取っちまって」
「………いや、助かった」
話の間も戦いは続き、蜘蛛は蟻を何とか撃破した。
「ちょっとこいつ、還してくるな」
リノナノはそういって砂漠を走り、一人で戻ってきた。
「………わりぃ」
ロストがやっとリノナノに言うと、リノナノは皮肉げに笑った。
「いや。たまたま傍にいただけだから。
大丈夫か?足結構深くやられているようだけど」
「………ああ。アンタは自分の仕事をしていてくれ」
ロストの言葉に、リノナノは眉を寄せた。
「これじゃラバオまであるくのも、きつそうだな。まってろ」
リノナノはバックをごそごそ捜し、セージの葉を数枚取り出した。
それをよくもんで、傷口につけ包帯で巻く。

798 名前: 5 投稿日: 2003/11/12(水) 12:53 [ zeCX2PKI ]
「ケアルとこれで明日には普通に歩けるようになるはずだ」
「…………」
「リノナノ、だ。お前は?」
言われてロストは反射的に答えた。
「ロスト」
「ロスト……?」
リノナノはいぶかしげに眉をひそめる。
が、その場はそのままになった。
リノナノは夜まで狩を行い、ロストは岩陰で休んだ。
足がズキズキして、熱が出てきているようで
これで一晩で治るなんて信じられなかったが…
ロストは今動く事はとてもできそうになかった。

夕暮れ時―
ウィンダスにつたわるという不思議な光る石で明かりを取った。
リノナノはクリスタルを幾つか使って、
ミスラ風山の幸串焼と卵のスープをロストに差し出した。
ロストは黙って口にしていた。
こんな風にロストはやさしくされることなんかなかったので、
どうしていいかわからなかった。
砂漠は夜、大分過ごしやすくなる。
砂の地熱の暖かさが心地よいくらいだった。

799 名前: 6 投稿日: 2003/11/12(水) 12:55 [ zeCX2PKI ]
夢を見る。
幼い頃の記憶すらないはずの夢。
あつくて、痛くて。
苦しくて、息が出来ない、夢。
苦しさに眉を寄せると、額にひたりと冷たいものがあてられ目がさめた。
「ぅあ?」
ロストの額には濡れた布。
視線の先には、小さなリノナノがぼんやり星空を見上げていた。
手にもった小さな鉄の酒瓶を煽っている。
そしてリノナノはロストを振り返った。
「うなされてたみたいだな…飲むか?」
リノナノは酒を手渡す。
ロストがぐいっとあおると想像以上に強い酒で、おもわずむせこんだ。
げほごほがほげほ
「怪我人にはキツかったか」
小さく笑うリノナノにロストはぐるぐる回る目で天を見上げた。
「なんか、俺、寝言言ってたか?」
リノナノはちょっと言葉に詰まったようだった。
「言ってたんだな」
「ま、な」

800 名前: 7 投稿日: 2003/11/12(水) 13:00 [ zeCX2PKI ]
ロストは熱と酒で朦朧とする頭で、言った。
「俺が、サンドリアの裕福な貴族の息子だって言ったら驚くか?」
その言葉にリノナノは眉を寄せた。
「ありえねぇ、な」
「くくっ。まさにその通り。ありえねぇよな。ほんと」
ロストはおかしそうに笑った。
リノナノは首をかしげる。
「違う。親に愛された貴族の息子がロスト<捨てられた者>って名前なのが
ありえねぇってことだ」
その言葉にロストはビクッとした。
「………」
「貴族の息子、ね。ご苦労様だ」
「………本当の息子じゃねぇんだよ」
ロストはリノナノに背を向け、横になって呟いた。
「ふーん」
先をうながすわけでもない返答にロストは語りたくなった。
熱のせいかもしれない。
酒のせいかもしれない。
ずっと誰かに吐露したかったことだった。
もう、二度とあわない行きずりの旅人になら、
本音を語ってもいいような気がして。
たぶん、気のいいタルタルに酷い奴だと思われたくて。

801 名前: 8 投稿日: 2003/11/12(水) 13:04 [ zeCX2PKI ]
周囲は風の音だけが耳につく。
そらに、満天の星。
「俺はゲルスパに捨てられた餓鬼だった。
親はよっぽど俺が邪魔だったんだろうな。確実に殺すつもりだったのさ。
幸い冒険者には拾われたが、その冒険者がつけた名前がロスト。
やってくれるよな」
「……」
「しばらくして、俺を引き取りたいって人がでてさ。
ガキは馬鹿だから喜ぶんだよな。自分が欲しいって言われると。
おまけに貴族様。最高の出世話だ。
でも、ただのガキにそんな夢みたいな話し転がってるわきゃねぇんだよ。
俺はその家の死んだ一人息子の代わりだった。
黒髪と黒い目、年齢も顔もそっくりだったらしい」
リノナノがバックから荷物をごそごそ探し出す。
ロストは悲しくない自分を感じながら呟いた。
もう、そのときの痛みなんて忘れていた。

802 名前: 9 投稿日: 2003/11/12(水) 13:07 [ zeCX2PKI ]
「ロシュートリア。それが俺の名前だった。
ま、死んだ奴の名前なんだけどな。
最高の教育を受け、最高の騎士になる。
捨てられた子供に出来る事はそれくらいなのに…俺は途中で逃げ出した。
もったいない話だよな。
貴族の奴らにも、俺には身にすぎた幸運だって言われてたよ。
黙っていりゃ、御貴族様の後継ぎで大金が転がってきたはずなのに…な」
「後悔してるのか?」
リノナノの問いにロストは目を閉じた。
「いんや」
トンッとロストの目の前に置かれたのは、
メープルシュガーを溶かしたお湯をミリオン酒で割った甘い酒だった。
「飲んで寝ちまえ。熱のうわ言だ」
「……さんきゅ」
片手でカップを取り口に含む。
酒の淡い味と甘ったるさが、やさしい。
そして、毛布をずりあげた。
ロストは自分でも思う。
有望な未来を打ち捨てて、本当にしたかった生活がこれなのか。
仲間もいない。居場所もない。
孤独――。
サンドリアには嘘でも居場所があったのに。

803 名前: 10 投稿日: 2003/11/12(水) 13:10 [ zeCX2PKI ]
ふいにリノナノの小さな背中が、つぶやいた。
「お前のプライドが高かっただけだよ。
他人の代わりにはなれねぇ。
お前は、ロストなんだ。
自分殺されて、耐えられる人間なんかいねぇよ」
ロストの心に、落ちてきた言葉。
唐突に、感情があふれた。
おいてきた両親にロストとして見られたことは一度もなかった。
けれど、それでもロシュートリアとして愛されていた事は事実だった。
それを振り捨てた。
後悔とは違うが、心がきしむほど痛かった。
それでも、よかったのだろうか。
自分を生かしてしまってよかったといってくれる奴がいるのだろうか。
小さな気配が、ごそごそと毛布にくるまり横になる。
ロストは砂漠の空を見上げた。
涙がでるほど綺麗な星空だった。

804 名前: 11 投稿日: 2003/11/12(水) 13:13 [ zeCX2PKI ]
翌日ロストの熱は下がり、傷もほぼ完璧に近い形で治っていた。
「あんた…いったい何者なんだ?」
ロストが問う。
リノナノは笑った。
「リノナノ」
リノナノはその後一度もその話をロストにはしなかった。
ロストもあえてその話は出さなかった。
顔見知りになり、あちこちの現場であって挨拶しては酒を酌み交わし…
ともにパーティーを組むようになった。
ロストの尖っていた棘が、少し丸くなったと
過去ともに冒険した男たちはロストの変化に目を見張った。


「なんでアンタがそんなにリノナノにこだわってるのかわからないわ」
リュートの言葉にロストは肩をすくめる。
「こだわってるつもりはねぇけどな」
「でも、アンタがそんなに気を使うのって女性とリノナノくらいでしょう?」
「………うっせ」
友人は別だ。
一夜をともにする女性より、大切に決まっている。
「そういうとこ見ると、アンタも悪くないって気になるけどね」
「んじゃ、今夜寝るか?」
「パス」
リュートはくっと酒を飲み吐息をつく。
本気なんだが…とぶつぶつ呟くロストにリュートはやわらかな瞳で目を伏せた。

805 名前: 12 投稿日: 2003/11/12(水) 13:15 [ zeCX2PKI ]
――独りでいいと思っていた。
理解なんかして欲しいとは、思わなかった。
誰も自分の事を理解できるなんて…思わなかった―


リノナノの小さな背中は仲間を拒絶していた。
あいつがそのこと仲間に察する事すらさせなかったのは
あいつの最大限のやさしさだろう。
それにだまされていた自分が憎い。
そして、昔ロストが感じていた事―
ロストの壁を壊してくれたリノナノが壁に突き当たっている事をしり
違うだろ?!といってやりたかった。

リノナノに、あの夜自分を殺さなくていいんだと言われ、「そうか」とおもった。
理解してもらえる事があんなに嬉しいのだと、知った。
ひとは独りで生きちゃいけない。
ロストは、そう思う。


     END

806 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/12(水) 13:19 [ kSRcli0o ]
リアルタイムでキターーー

807 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/12(水) 13:20 [ zeCX2PKI ]
ちょっと長めでしたが2回にわけるよい切れ目が見つからなかったので
書かせていただきました。

次回より終章になるとおもいます。
もう少し、よろしければお付き合いくださいませ。

通りすがりの元艦長様。ありがとうございました。
多くの書き手さんたちの作品楽しませていただいています。
応援感謝です。

808 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/12(水) 13:21 [ 2t./LLiI ]
リアルタイムでキタ−−−−−−−−−−−−−−−−−−!!!!

809 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/12(水) 14:08 [ dAc8rjzA ]
えー終わんの? もっと続けてほしいなあ

810 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/12(水) 17:19 [ zgQYMvu2 ]
雪の彼方キタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!!!!!

って、もうすぐ終わってしまうのか・・・
残念だけど、ラスト頑張ってくだつぁい(`・ω・´)

811 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/12(水) 17:50 [ ajdI1Zto ]
タル戦といい雪の彼方といい、おわっちゃうのかぁ。(´・ω・`)

終わりを見たいような見たくないような・・・。
がんばってください〜

812 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/12(水) 19:32 [ NNEWyoxY ]
えーーー?次回終章って・・・・
終わる前にガーディ過去編を激しく希望・・・・

813 名前: 通りすがりの元艦長 投稿日: 2003/11/12(水) 20:28 [ I3iRP7Fs ]
>807
雪の彼方の作者様
繰り返し読むために手元にまとめていたものを、1人でも多くの方が読めるのならばと
勝手にupさせていただきました、ご了承いただければ幸いです。

814 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/13(木) 00:07 [ HUA6wFaI ]
まさに最終回ブーム

815 名前: 1 投稿日: 2003/11/13(木) 03:09 [ LTkpqUMw ]
「空に浮かぶ群青の軌跡」第5話

 おいらLady。タルタルのカーナと一緒に旅をしてる。
 おいらの幸せは、カーナと一緒にいること。
 カーナが笑っていること。それだけで、
なんだかとっても嬉しくなってくる。
 カーナはとても優しい。おいらのことをいつも考えてくれる。
 そんなカーナが久しぶりに笑ってくれた。
 おいらのことを可愛いといってくれたヒューム。
 ちょっとドジそうに見えるけど……カーナが笑ってくれるから、
おいら、仕方ないからそいつにいたずらなんかしないやい。

816 名前: 2 投稿日: 2003/11/13(木) 03:11 [ LTkpqUMw ]
>>>>>>>>>>
 山間を抜けたら、さらに山が待っていた。ただ今までと違うのは、
うっそうと茂る木々はなく、逆に見晴らしのよい丘の数々。
 そこはラテーヌ高原。今日も強い風があたりを凪いでいた。
「でもラズィ。本当にいいの?」
「何が?」
「私と一緒にセルビナに向かうって話」
 身長の差は約3倍。並んで歩くのは容易だけれども、
話すのに視線を合わせるのには初期に断念した。
「まぁ、僕もセルビナに用事があるからいいんだよ」
「用事? あら、やだ、じゃあ私はついでなのかしら」
「そんなことは言ってないよ……。ただ、渡りに船であることは事実だけどね」
「ふぅ……ラズィったら、本当正直ね」
「正直じゃいけないのかい?」
「正直者が馬鹿を見るご時世なのよ」
「そうかなぁ?」
「そうに決まってるわ! 絶対今の世の中間違っていると思うの。
 だって、Ladyをモンスター扱いする人ばかり!」
 小さい体で力説する。それを受けて、彼はまた始まった、
と心の奥底でため息をついた。カーナがLadyという竜を溺愛していることは、
既にいやというほどに理解していた。

817 名前: 3 投稿日: 2003/11/13(木) 03:12 [ LTkpqUMw ]
 その溺愛ぶりというもの、普通の恋人同士以上のものを感じる。
 かたやその当事者たる竜といえば、相変わらずのんきに空を泳いでいる。
「まあカーナ。落ち着いて」
「落ち着いていられるもんですか!」
「怒ったところで状況は変わらないだろう?」
「そりゃあね、私がただの楽天家だってことはよーくわかっているわ。
 悔しいけれど、サンドリアに行けばどうにかなるなんて思っていた自分が、
とても馬鹿だと思う」
「そのうち、皆もなれるさ」
「期待しないで待ってるわ」
 落胆を隠そうとしない態度。けれどもどこか憎めないと、ラズィは思う。
それはこの少女がとても一生懸命だからなのだろう。
 何かしらに打ち込める姿というのは、かくも好感を呼び込むのだろうか。
「……ラズィ、ぼけっとしてると、オークに襲われるわよ」
 微笑ましくカーナに視線を落としていたら、軽く注意される。
そんな彼女に主導権は握られっぱなしだった。


 クォーンと、小さく竜が鳴いた。それを受けて、カーナの表情は一気にこわばる。
「カーナ?」

818 名前: 4 投稿日: 2003/11/13(木) 03:13 [ LTkpqUMw ]
「静かに。こっちよ」
「どうしたの?」
「いいから、早く!」
 ラテーヌ高原の中腹。街道沿いに進んでいた折りのことだった。
カーナは突然ラズィのズボンを引っ張ると、左手の木々の間へと身を潜める。
「獣人かい? それなら倒したほうが、早い……」
「静かに! 黙って。Lady、大丈夫よ。こっちにおいで」
 極力声を潜めて、彼女は竜を呼び寄せる。それでも相手は何か前方を警戒したまま、
小さく鳴きつづけた。
「お願いLady。こっちに来て、ここなら大丈夫だから」
 自身を戒めるような言葉に竜もようやく羽を休める。
そしてぎゅっとカーナに抱かれたまま、今度は鳴くこともせず、静かに息を潜めた。
「ラズィ、なるべく姿勢を低くして。……ああ、でも、
攻撃態勢はすぐに取れるようにはしててね」
「難しいけどがんばるよ」
「確証はないけど、太刀打ちできないモンスターがいると思うの」
「本当かい?」
「確証はないって、言ったでしょ。でも、Ladyがああやって鳴くってことは、
何か危険があるってことなのよ」

819 名前: 5 投稿日: 2003/11/13(木) 03:14 [ LTkpqUMw ]
「僕には何も見えないけど」
「私にだって見えやしないわ。ただ、お願い、私を……いいえ、Ladyを信じて」
 切羽つまったような状態だということは理解できた。
だからこそラズィも大人しくカーナに従う。
 息をひそめて、数分が立つ。剣を握り締める手には汗がじとりとかいていた。
ラズィは身の置き所がない様子で、隣のカーナの表情をうかがう。
それは変わらずに険しいままだった。
 危険が去ってない、と理解はできた。でも、それはどこに。
 かがめた視線の中、できうる限りに周囲を索敵する。
 球根のようなモンスターが3、あれじゃない。
 ゴブリンが2、あれも違う。あれくらいなら自分一人でもどうにかできる。
「きた!」
 小さく、カーナが呟いた。次いで、体中に響き渡る地響き。
「な………!」
「しっ、黙って」
 小さい手で口をふさがれた。この小さな体のどこにそれほどの力が
あるというのだろうか。怪訝に思っていると、目の前に小山が現れた。
――否、それは小山ほどに大きい、羊だった。
 あまりのことに、ラズィは言葉を発することも忘れる。

820 名前: 6 投稿日: 2003/11/13(木) 03:16 [ LTkpqUMw ]
 巨大な羊は、カーナたちの目と鼻の先で立ち止まった。
そしてなんでもないように、草を食む。
 カーナの手がラズィより離れる。Ladyが身動きしかかってるようだった。
それは本能ゆえの恐怖のせいだったかもしれない。必死にカーナは竜を
押さえつけようとする。今ここで見つかったら、逃げ道も、
勝ち目も何もないのだから……。
 祈るような時間。どれほどたったのだろうか。しばらくすると巨大な羊は
ロンフォールに向かってゆっくりと歩を進めた。
 そして巨体が完全に見えなくなってから少し、
「ふぅ……もう大丈夫そうね」
「い、今のは?」
「知らないわ」
 あっけらかんとカーナは言い捨てる。そして胸の中から――ほとんど、
体中で押さえこんでいたような形であったが――竜を解放する。
「Lady、ありがとう」
「きゅぅ」
「ラズィ、腰が抜けた?」
「……そんなことない! ……と言いたいところだけど、情けないけどそうみたいだ」

821 名前: 7 投稿日: 2003/11/13(木) 03:17 [ LTkpqUMw ]
「ふふ……でも、悠長にしている暇はないわ。いつ戻ってくるかもしれないし」
「そうだね、先を急ごうか」
 手にした両手剣を杖にして、彼は立ち上がった。そしてゆっくりと
片手を見ると、
「はは、すごいよ、汗でびっしょりだ」
「私もよ」
 二人で顔を見合わせて笑った。
 自由になった竜はここぞとばかりに空に飛び上がる。風はいつの間にか止み、
雲一つない空に、群青色の体躯がよく映えていた。

                <続く>

822 名前: 8 投稿日: 2003/11/13(木) 03:19 [ LTkpqUMw ]
続きをお届けにまいりました。
楽しんでいただけたら幸いです。
少しでも、皆様の記憶に残るものを目指してます。
これからもよろしくお願いします<m(__)m>

タル戦、雪の彼方……ともに最終回間近とか。
残念なような楽しみなような複雑な気持ちです。
これからもがんばってください。

他の作品もいつも楽しみにさせていただいております。
毎日の糧として拝読させていただいてます。
遠い空から応援しております。

823 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/13(木) 22:46 [ gCHlMKQU ]
倉庫サイトの方、やはり管理者のリアル都合が厳しいみたいですね。
前々から思ってたんですが、Wikiを使って皆で倉庫管理ができないもんでしょうか?

……ということで、以下にFSWikiを、
そしてお試しとして「タルタル戦士は夢を見る」のこれまでの全話を貼ってみました。

http://kooh.hp.infoseek.co.jp/
誰にでもページを追加できます。
管理者権限でロックしない限り、誰にでもページを編集できます。

どうでしょ?

824 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/14(金) 00:54 [ z5ZAeEbY ]
>823
便利なものが、あるんだねぇ (´-`).。oO(たいしたもんだ)

825 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/14(金) 16:19 [ 5l8PGJqo ]
>823
うん、おもしろい
でも改行の校正って具体的になにをしたの?
あまり必要じゃない気がするけど。

826 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/14(金) 20:56 [ RcEYmph. ]
リノナノ終わっちゃうの?(´・ω・`)
ついこないだ始まったばかりなのに、さびしいなあ・・・。
構成をキッチリ考えて書いているんですね。
ノンストップで続けてくれた作者さんに感謝。

827 名前: 823 投稿日: 2003/11/14(金) 21:57 [ gCHlMKQU ]
どんなもんでしょう? うまく運用できるかなぁ。

お、雪の彼方が追加されてる!

>>825
shitarabaの上で読み易いのと
WEB(Wiki)の上で読み易いのはやっぱちょっと違う、と思って、
文章読みながら改行挟んでみたり段落分けてみたりしてみました。

作者の通りに移すってのが正当なのでしょうけど、
やっぱ読み易いほうがええかな?と思って。
そのままで十分ならそのままでええと思う。

828 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/15(土) 00:42 [ BL7xZZN6 ]
>827
文章に落ち度があって校正されるというなら納得できるのだが、
ただ自分が見やすいように作者に無断で改行変えて、
尚且つそれを公開してるのはどうかなぁと思う・・・
自分が読むための個人的なものならともかく。

作者さんだって、改行の数に意味を持たせてるはずだし、失礼じゃないかな?

829 名前: 823 投稿日: 2003/11/15(土) 01:26 [ gCHlMKQU ]
>>828
うん、僕もあなたの意見が正しいと思う。
保管サイトならそのままで保存すべき。
でも、あのサイトはそこで読んでもらうことも考慮したい。
出来れば、shitarabaにUpできない作者さまにも使ってもらいたい。

そうすると、WEB上だと、行がはっきりしない、フォントの都合、などで
段落が固まりになると読み辛くなってしまうことに気付きまして。
7〜8行ほど会話文もなく続くと「ちょっとこれは…」となってしまう。
shitarabaはまだ「ログ読みツール」も充実していて各々が読み易く
出来るけど、WEBでは提供側が注意せねばならない。

本来は作者さまと相談しつつ、とすべきところだけど、
作者さまには続きを頑張ってもらうほうが皆幸せ。
ならば、読み手である僕等で少しでもうまく提供できないかな?と思い、
少し改行をはさんだりしてみた次第。

やっぱり余計なことなのかなぁ。せんほうがええと思う?

830 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/15(土) 02:17 [ TOQe9BEo ]
いいんじゃないかな?
そういう気軽さあってのマターリ板ですよ

831 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/15(土) 20:11 [ XVPS3xUw ]
樽戦期待age

832 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/16(日) 08:36 [ JQZD7Jw. ]
すみません。前言撤回です。
最終章ではなく、ガーディ編になります。
>>812さんのために書きました。
ご満足いただけるかは謎ですが、
声は届いていると思っていただければ幸いです。

833 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/16(日) 08:40 [ JQZD7Jw. ]
雪の彼方 <ガーディ編(時間軸はミュミ編の後です)>

「ガーディ…?」
リノナノがかしげる首にガーディは不思議そう見下ろした。
「なんだ?」
「いや、なんでもないんなら、いいけどな…」
ガーディはリノナノの言葉に首をかしげた。
ここはコロロカの洞門。
バストゥークから近い海底洞窟。
「うみゃあ、釣りって難しいにゃ」
ミュミの言葉にリノナノは吐息をつく。
「がんばれ。ミュミ。シーフになるなら、練習あるのみだ」
「うみゃみゃ。いた、いたたた」
数匹のコウモリ族に体当たりされミュミが頭を抱えて泣きながら駆け戻ってくる。
リノナノとガーディがそれを処理していった。
「いいか?ミュミ。なにがあっても、どんなに怖くても、戦闘中眼を閉じるな。
眼を閉じたら、そこで終わる」
戦闘後のガーディの言葉にミュミはべそをかきながらコクコクと頷いた。
「がんばる…にゃ」
「よし」
ガーディはおおらかに笑った。

834 名前: 2 投稿日: 2003/11/16(日) 08:43 [ JQZD7Jw. ]
駆け出したミュミははねるように喜んで戻ってくる。
「今度はうまくいったにゃ!!一羽にゃ」
ミュミの嬉しそうな声にリノナノは頷く。
「気をつけて帰って来いよ。帰り道も十分注意な」
「うみゃみゃ!」
ミュミが元気良く頷く。
「ガーディ、ケアルでタゲ固定は?」
帰って来るミュミにさっきまではケアルを投げターゲットを固定していたが、
そのケアルの遅さにリノナノは振り返った。
ず。
「え?!」
ずる…
「ちょ、ま!!」
ガーディがゆっくりと沈んでゆく。
「な?!」
「リノナノ??ガーディ!!!」
ミュミの悲鳴。
立ち止まったミュミに、帰途にいたコウモリ族がリンクした。
「ちっ!!」
リノナノはミュミがつってきたコウモリを操り、リンクした獲物にぶつける。
「ガーディ!どうしたにゃ?!ガーディ」
ミュミの声にリノナノは厳しく言った。
「戦いに集中しろ!ミュミ。不意打ちだ」
「にゃあああああ!」

835 名前: 3 投稿日: 2003/11/16(日) 08:46 [ JQZD7Jw. ]
ミュミのパニクッた声を聞きながら、リノナノは心のなかで吐息をついた。
朝からガーディは調子が悪そうだった。
気がついてはいたが、相手が思慮深いガーディだったのであえて言わなかった。
調子が悪ければ自分でいってくるだろうと思っていたが、
その考えの甘さにリノナノは心のなかで舌打ちをした。
なんとかコウモリをかたずけて、リノナノは片手斧の露を払い腰に収める。
ミュミはなにがあったのかわからずペタンと白い砂に座ってボーゼンとしていた。
リノナノがガーディの額に触れる。
「ひでぇ、熱だな」
「うにゃぁ」
ミュミはやっと声をあげた。
「困った、な」
コロロカの洞門…ミュミの練習のために、上の通路で戦っていた。
当然、周囲に人はいない。
キャンプ場所は安全な所を陣取ってはいたが…。
ガーディが苦しそうに早く熱い吐息を繰り返している。
ミュミはぺたんと座ったまま、泣き出してしまった。

836 名前: 4 投稿日: 2003/11/16(日) 08:49 [ JQZD7Jw. ]
「みゃぁ。ガーディ、死んじゃうにゃ?」
「縁起でもねぇこというな」
リノナノは吐き捨てるように言った。
「うにゃああぁぁ」
子供相手に、いくらイラついたからといって乱暴な口の聞き方は良くない。
ミュミはさらに大きな声で泣き出した。
「にゃあぁぁ。死んじゃいやにゃ。ガーディ、ガーディ!!」
ゆさゆさ。ガーディの巨体を揺するミュミの細い手をリノナノは押さえた。
ミュミに泣かれるのはリノナノは本当に苦手だった。
「死には、しない。ガルカ族が本来頑強な民族だ。ガーディは大丈夫だ」
「うみゃぁ」
大粒の涙をごしっと手の甲でぬぐいミュミはこくんと頷いた。
「ガーディも疲れが溜まっていたんだろう…」
リノナノの言葉にミュミは頷いた。
ガーディは元から色々忙しかった事は知っていた。
それでも頼まれれば、
よほどのことがない限りおおらかな笑顔でいつも頷いていたから…
みながガーディに甘えていた。
包容力があるのは良い事だけれど、それで無茶をするのは本末転倒だ。
ミュミは片手にガーディの衣服をしっかり握り締めて涙をこぼしていた。
「ぅ…あ」
ガーディの瞳が開く。

837 名前: 5 投稿日: 2003/11/16(日) 08:52 [ JQZD7Jw. ]
「死んでないにゃ、よかったにゃ、よかったにゃあぁぁ。
リノナノのいった事本当にゃァ」
ミュミの絶叫にリノナノは苦笑し、ガーディを覗き込んだ。
「ガーディ?わかるか」
「俺は…あ」
上半身を起こすが、そのままグラリと身体が揺れる。
「ったく。んな酷い熱で出歩くんじゃねぇよ」
リノナノは荒っぽくいった。
「熱…?」
ガーディの不思議そうな顔にリノナノはあきれたような声を出した。
「ちょとまて、おい。体調悪かったの気がついていなかったのか?」
「いや…。ちょっと身体は重かったが…別に。熱が、あるのか?」
「これだから、普段頑丈な奴ァ…
他人の俺が先に気付いてどーする!!ったく。
ぶっ倒れるくらいの熱があるんだよ。とにかく鎧脱がせるからな」
「いや、それは…」
ガーディが困ったように言う。
「んな、重苦しい格好で休めるわきゃねぇだろ?とっとと装備外すぞ」
「いや、それは。リノナノ、やめてくれ」
「何わがままいってるんだ!病人はおとなしくいう事聞いていろ」
「危険なダンジョンで装備を外すのは…
どんな状況であっても俺にはありえないことなんだ。
リノナノ…頼む」

838 名前: 6 投稿日: 2003/11/16(日) 08:54 [ JQZD7Jw. ]
その言葉にリノナノは肩をすくめた。
「頼まれても、困る」
そういって、ガーディの鎧の止め具をリノナノはかちゃかちゃと外していった。
「ナイトだろーがなんだろうが、関係ない。病人はおとなしく寝てろ。ミュミ?」
べそべそ泣いてたミュミは、ガーディが視線を合わせたのに、
さらに泣けてしまったようだった。
「にゃあアアァァァ!!ガーディ。生きててよかったにゃアァァ」
ガーディの厚い胸にすがりつくように泣く。
ガーディが困ったようにミュミの小さな頭に手を置いた。
「みゃあぁぁぁ!!」
ひっくひっくとしゃくりあげる小さなミスラを胸にガーディは苦笑した。
その頭をリノナノがこずく。
「なに幸せそうにわらってんだ」
「…いや。迷惑かけて、すまないな」
何とか立ち上がろうとあがくガーディにリノナノは吐息をついた。
「今日はここでキャンプだ」
「帰れるさ」
「にゃ?」

839 名前: 7 投稿日: 2003/11/16(日) 08:56 [ JQZD7Jw. ]
ガーディの言葉にリノナノは断固としていった。
「今のガーディに冷静な判断力はないから、俺が決める」
「まて、ここはコロロカだぞ。ちょっといけばすぐバストゥークに…」
「戻れるな」
「じゃ、なんで」
「とにかくここで野営だ。ミュミ、水汲んできてくれ」
「にゃぁ」
ミュミは涙をごしごしっと拭いてぴょこっと立ちあがった。
リノナノ達のやくにたてるのが何よりうれしいようだった。
水場は幸いすぐ近くにある。
「リノナノ…帰ろう。いや、せめてミュミとお前だけは帰った方がいい」
「却下」
「リノナノ」
「食事の材料はあるし、ここなら下手に動かなきゃ野営もできるだろ」
「リノナノ…」
「ミュミに野営の見張りをさせるいい機会でもあるし」
そんなことをいって、ミュミの見張りでは心配だし、
ガーディがこの状況ではリノナノにだけ負担がかかる事も
ガーディにはわかっていた。
「病人は、寝てろ」
「バスに戻ろう。リノナノ」
ガーディの言葉に、
リノナノはミュミの持ってきた水で浸した冷たい布をペシッとガーディに投げた。

840 名前: 8 投稿日: 2003/11/16(日) 08:58 [ JQZD7Jw. ]
リノナノが悔しそうに呟いた。
「悪いな」
「?」
「いくらなんでも、俺じゃガーディをささえられねぇんだよ」
「いや…歩けるから」
「もっと危険なところでぶっ倒れていたら、どうなったと思う?
俺やミュミじゃガーディをささえられない。
ミュミも戦闘慣れしていない。おまけに俺はいま、獣使いだ。
わかってもらえるか?」
「………」
「心配はいらねぇ。そんなに気張って、俺たち背負い込もうとしなくていい。
調子悪い時くらい甘えてくれ。何も考えなくていい」
リノナノの言葉にガーディは眼を閉じた。
ミュミがガーディの布を取り、汗を拭いてやる。
「迷惑かけて、悪いな…二人とも」
「もうちっと、楽に構えていいんだぜ」
その言葉にガーディは複雑な表情で辛そうに身体を横にした。
「せめて、誰かを呼んで来てもらえないか?」
ガーディの友人のガルカを呼んで来てくれれば、
ここからの帰途はイケそうな気がした。
往生際の悪いガーディに
背を向け荷物をごそごそ探っていたリノナノは舌打ちをした。

841 名前: 9 投稿日: 2003/11/16(日) 09:01 [ JQZD7Jw. ]
「この状況のガーディとミュミを置いてバスに行く気にはなれねぇな。
ミュミ一人で行くのも無理だろ。
ここで野営が正解だ。明日には良くなるさ。
ベッドで寝かせてやれなくて申し訳ねぇけど。休んでくれ」
リノナノの小さいが頼もしい背中にガーディはふっと微笑する。
リノナノは振り返り、ガーディを見てあきれたように言う。
「だから、どうしてこの状況で、んな顔して笑うかな」
「いや…。こういうのが、懐かしくてな」
ガーディは遠い目をして呟いた。
リノナノは独り言のように呟いた。
「そういや…一人だったな」
ガーディは責任感も統率力もパーティースキルもある。
なのに、ガーディは氷河で一人で戦っていた。
ガーディの人格なら、仲間をもっていてもおかしくないのに。
それ以上リノナノは言わず、クリスタルをザラリと砂に置いた。
リノナノが調理した卵のスープと白パンの食事。
ミュミが喜ぶからとパママのタルトをリノナノはつくった。
白い洞門。
風だけが泣くように通り過ぎてゆく。

842 名前: 10 投稿日: 2003/11/16(日) 09:04 [ JQZD7Jw. ]
高い熱に朦朧としながら。
ガーディが目覚めるたびに差し出される水やスープ。
そして覗き込む心配そうな眼差し。
一人でモグハウスで倒れていたら、こんな気持ちにはならなかっただろう。
そう思えるくらい、ガーディは満たされていた。

「あ…」
目覚めたガーディにリノナノは振り返る。
ガーディの脇でミュミはスヨスヨと気持ちよさそうに寝入っていた。
「まだ、4時だ。熱はだいぶ下がってきたが、もうちょっと寝てろ」
「ああ…」
岩に寄りかかるようにガーディは座る。
風の音を聞きながらガーディはぼそりと呟いた。
「リノナノ…今後、どうするつもりだ?」
リノナノはボンヤリとミュミの顔を見た。
「そう、だな。どうしようか…」
ガーディは迷った末、呟いた。
「よければ、……―その―少し一緒に組まないか?」
ガーディの言葉にリノナノは首をかしげる。

843 名前: 11 投稿日: 2003/11/16(日) 09:07 [ JQZD7Jw. ]
「なんで俺を誘う?」
荒れていたリノナノをガーディは見守っていた。
リノナノの負の感情を誰よりもよく知っているはずなのに。
「……」
リノナノが暗い瞳で目を伏せる。
「まぁ、ミュミの件に関しては、ガーディに押しつけるつもりもないしな。
一人で生きていけるまではきっちり育てるつもりだけど。
それより、ガーディがソロの冒険者ってのは、俺にはじつは解せない」
リノナノはガーディの顔を見る。
「冒険者なんていうほど、格好良くはない。
それに…いや。忘れてくれ。悪かった」
ガーディは手を上げ世迷いごとを言ったというように首を横に振った。
「前言撤回するのか?」
「ああ…悪かった」
「よくわからねぇな。ガーディ、何考えてるんだ?」
「………」
「言いたくないなら、いいけど…誘っといてそれもねぇなとは、思う」
リノナノの歯に衣着せぬ言葉にガーディはうつむく。

844 名前: 12 投稿日: 2003/11/16(日) 09:11 [ JQZD7Jw. ]
ガーディは遠い目をした。
「俺は、黄金銃士隊で結構長期間職業軍人してたんだ。
それなりの地位にもついて、より仲間を守りたくて…バスじゃ珍しいナイトにもなった。
でも…あるときのミッションで上司に逆らった。
そんな作戦じゃやばいってわかってて、仲間たちみんなに説得したんだが。
上司も仲間も俺の言葉を受け入れてはくれなかった。
結局士気を落とすってことで、そのミッションの途中で俺は一人外された。
そして…仲間は誰一人、帰ってこなかった。
そのとき、知った。俺には人望も、仲間を説得する力も、頭もなかったってな。
そして、わかったんだ。俺には一人がお似合いだ」
誘ったのは失言だったというように眼を閉じる。
「上司が馬鹿だったんだろ」
リノナノは吐き捨てるように言った。
ガーディはゆっくりと目を開きやさしい瞳でミュミを見下ろす。
「それ以来、一人だったが…」

845 名前: 13 投稿日: 2003/11/16(日) 09:13 [ JQZD7Jw. ]
リノナノは小さく笑った。
「俺をひろっちまった。で、俺がミュミをひろってきちまったってか?」
「………―忘れてくれ」
リノナノは小さな足を伸ばし立ち上がった。
そしてガーディの額に触れる。
「大変、だったな」
ガーディは眼を閉じた。
どうして、リノナノはこんな時にこんな台詞をいえるのか。
「ミュミの件もあるし
ガーディが仲間を見つけるまで、少し一緒にやってみるか」
リノナノはガーディを見あげる。
「リノナノ」
「ガーディは一人より、仲間といるのがにあってる。
その懐の広さと面倒見のいい性格を埋もれさせたらもったいねぇだろ?」
リノナノはいたずらっぽく笑っていう。
「………」
ガーディは黄金銃士隊の事件以後
ガーディは一人でやってゆくのが似合いだと思い実行してきた。
一人でやってゆくことは簡単にできた。
ガルカはもとより何より頑強な民族だ。
それでもふとした拍子に寂しさはこみ上げてきた。
一人の野営の夜は辛い。荒野ならなお辛い。
何日も何日も誰とも口をきくこともなくただ、
人のいない荒野で戦いつづける孤独は言葉では言い表せない。

846 名前: 14 投稿日: 2003/11/16(日) 09:15 [ JQZD7Jw. ]
かたらわのミュミの健やかな寝息と、目の前の小さなリノナノの意志の強い瞳。
一人ではないという事は、今ガーディになにより暖かい。
「病気の時は気弱になるもんだ。
もう少し休めば、きっと朝には熱も下がってバスに戻れる。
ガーディが元気になったら、ミュミをジュノに連れて行こう」
リノナノの言葉にガーディは眼を閉じた。
暖かな、感情。
傍らに、人がいる安心感。
「もうちょっと、休んだ方がいい」
リノナノの言葉を子守唄に心地よい眠りが訪れる。


ガーディは一人でも戦えし、戦えた。
ナイトとして強さを求めた。
でも、仲間がいたらもっと強くなれる気がした。
背後にいる仲間を守るために。
それは、たぶん肉体ではなく
心が強くなれるという事だろうと思った。

                  <END>

847 名前: 通りすがりの元艦長 投稿日: 2003/11/16(日) 09:17 [ I3iRP7Fs ]
一番
いただきます〜す

848 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/16(日) 09:18 [ AQD3Wu4s ]
キター

849 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/16(日) 09:21 [ fGDBV62Q ]
キタキタキタキタキタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!!!!!
読者の願い叶えてくれるなんてあんた神だよ(⊃д`)

850 名前: 雪の彼方 投稿日: 2003/11/16(日) 09:24 [ JQZD7Jw. ]
自分であげてしまうなんて…失敗しました;;
保存サイトで動いてくださってる皆様に感謝を。
ありがとうございます。

書き手のみなさん、応援しております。
そして、多くの応援ありがとうございます。

851 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/16(日) 16:49 [ QqMjL0E2 ]
心が癒される

852 名前: 奈々氏 (fpWWwwww) 投稿日: 2003/11/16(日) 22:47 [ 7odorfVs ]
盛り上がってる所すまんな
早い話だと思うが
次スレの話だ

既にマターリ板は1000スレに達しており
新規スレが建てられない状態になっとる
そこで、次の新板に移行しつつ
このスレの続き…と思ってる
ここの住人は新板と次スレの建てる場所の確認だけしといてくれ

新板誘導・討論は
だからお前ら移動しないとやばいんだってば
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/5091/1068902553
/

853 名前: 奈々氏 (fpWWwwww) 投稿日: 2003/11/16(日) 22:50 [ 7odorfVs ]
ついでに、てんぷらも張っとく


現在マターリ板は管理人が行方不明な為、遂に最大スレッド保持数の1000スレを超えました。
今回は板ごと移動ではなく、スレ別に移動しませんか?
駄スレ再利用もアリです。
各スレ使いきったところからスレ住人の皆様で話し合いの上順次移動お願いしまつm(_ _)m

いちおガイドライン。強制ではありませぬ。
種族・AAコピペ系・2chネタFF版スレ
→新FF11★マターリ雑談板
ttp://jbbs.shitaraba.com/game/5091/
地域スレ・各種創作・DQN・名台詞
→新FF11★マターリ雑談板
ttp://jbbs.shitaraba.com/game/5091/
システム・関連書籍・クエ攻略・世界設定
→「FF11の板(仮)」
ttp://jbbs.shitaraba.com/game/6493/

854 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/16(日) 23:00 [ SStOSK8M ]
うおおおおおおおおおおおおおおおおお!
>>812です!!マジ感激です!!

読んだあとの感想など伝えたい想いが色々とありますが
それを言うのもアレなんで一言だけ・・・
本当にありがとうございました!(´;ω;`)ウッ…

855 名前: 823 投稿日: 2003/11/17(月) 01:03 [ gCHlMKQU ]
Wiki書庫の管理人であります。

とりあえずい「その3」のスレから、短編を書庫化しました。
ついつい読みふけってしまって、時間かかりすぎ。
連載物については…作者さま以外で誰かー誰かーへるぷー

あ、作者さまは続きをヨロシクw

856 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:16 [ NAxYMRes ]
「名無しの話」の13 −シッポ−

またまたまた毎度毎度の昼食後。
の〜んびりと食後の休憩をしてるみんな。
ヒュム戦はゴロリと横になって空を見上げ、
エル騎士はミスラの入れた食後のお茶をすすりつつ盾を磨いてる。
全員のお茶を入れ、食器の後片付けも終えたミスラは、なぜか正座してお茶を飲んでる。
その表情はやんわりと緩んでる。
耳はへんにゃりと下がり、目はほそーく。
お昼ご飯をみんなが美味しいと言ってくれたのもあるだろう。
なんとなく、伝説にある『縁側で日向ぼっこする猫』のよう。
タル白タル黒は、二人してそんなミスラのシッポを見てる。
全身が緩みきってるようなミスラ。
シッポは地面にうにょんと伸びてるけど、その先端がゆるゆると揺れてる。
それを面白そうに目で追ってるタル白タル黒。
チラリとミスラを見上げるタル白。
背中を向けてるミスラは、タル白タル黒を意識してないよう。
我慢できなくなったのだろう、そっと手を伸ばすタル白。
けど。
つかもうとしたとたん、
するっ
逃げるシッポ。

857 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:17 [ NAxYMRes ]
「あれ?」
小さく声を上げるタル白。
見上げても、ミスラは背を向けたまま。
「「?」」
顔を見合わせるタル白タル黒。
今度はタル黒が手を伸ばす。
そ〜っと。
けど。
つかもうとしたとたん
するっ
またまた逃げるシッポ。
逃げたところをタル白がつかもうとする。
するるっ
またまたまたシッポが逃げる。
さっとミスラを見上げるタル白タル黒。
やっぱり背を向けてる。
その背中から伝わるまた〜りとした雰囲気は変わってない。
「「?」」
なんだか不思議。
シッポへと目を戻すと。
さっきまで地面にのびてたのが、今度は持ち上がってる。
ちょうど、鎌首をもたげた蛇のように。
ゆらゆらと揺れてる先端が、ホントの蛇の頭のよう。
『捕まえられるものなら、捕まえてごらんなさい〜』
と誘ってる様にも見える。

858 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:19 [ NAxYMRes ]
「「…」」
顔を見合わせ、視線でやりとりするタル白タル黒。
二人でシッポを挟むようにタル黒が位置を変える。
(せーの)
心の中でタイミングを合わせ
(それっ)
同時につかみかかる。
けど。
するるうっ
二人の手を見事にすり抜けるシッポ。
ゴチッ!
つかみかかった勢いで、デコとデコをぶっつけてしまうタル白タル黒。
「「…」」
少しの間のあと
「ピィーー!」
「ミィーー!」
泣き出してしまうタル白タル黒。
「うにゃにゃっ!な、なんにゃ!?」
後ろで突然泣き出したタル白タル黒に驚いて振り向くミスラ。
どうも、シッポの事は全然意識してなかったよう。
「「?」」
何事かと顔を向けるヒュム戦とエル騎士。
「ち、ちがうにゃ。アタシはなにもしてないにゃ」
両手を振るミスラ。
「「ミスラさんが…」」
声を合わせて訴えるタル白タル黒。
ホントは『ミスラさんのシッポが』なのだけど。
「ミスラさんにいじめられたの?」
泣いてるタル白タル黒の頭を撫でてあげるヒュム戦。
「…そんなヤツだったか…」
とエル騎士。

859 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:21 [ xzP5jO4Q ]
「ちがうにゃ、なにもしてないにゃ。ガルさん見てたにゃ?」
しかし。無言のまま、クリンと背を振り向いてしまうガル戦。
「ちがうにゃー」
悲鳴のような声を上げるミスラ。

「…」
じっと自分のシッポを見るガル戦。
地面に横たわるシッポ。
ミスラのとは違う、ぶっといシッポ。
普段はほとんど使ってないシッポ。
グッと力を込める。
ブン!
唸りと共に持ち上がる。
力を抜く。
ドスッ
思い音と共に落ちる。
左へ。
ブン!
右へ。
ブン!
やっぱり唸りと共に振られる。
「…」
もいちどミスラのシッポを見るガル戦。
うにうにふるふる
柔らかく曲がり揺れてる。
もいちど自分のシッポを見るガル戦。
ぶっとい塊が、デンと転がってる。
「んー?…」
首をひねって何かを考えるガル戦。

860 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:24 [ NAxYMRes ]
翌日、ガル戦は集合時間に少し遅れた。
けど、スキップと共にやって来た。
なんだかとてもうれしそう。
来たとたん、通りの石畳にどすんと座り込む。
「んー、動くぅ」
見れば、ぶっといシッポの先端が、ピコピコと可愛らしく動いてる。
すこし、似合わない気もするほど。
まるでそこに関節があるみたい。
「あー、うごいてるー」
「うごくのー?」
興味津々に引き寄せられるタル白タル黒。
ヒュム戦たちも覗き込む。
「んー、徹夜でがんばったぁ」
ニカッと牙の列を見せて笑うガル戦。
「先だけ動かすのは難しいんだぁ」
さすがにミスラの様に無意識にとはいかないよう。
肩越しに振り返り、タル白タル黒の反応を見ながらピコピコしてる。
でも、特訓の成果は出てる。
シッポの先端だけが別の生き物のように、よく動く。
起きたり寝たり右左。
根本側は少しも動かさず。
「ガルさん、じょうずー」
早速手を伸ばすタル白。
ピコン。
先端が避ける。
「にげたー」
面白そうな声を上げるタル白。

861 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:25 [ NAxYMRes ]
つられて手を伸ばすタル黒。
ピコン
また逃げる。
ピコン、ピコン、ピコン
つかもうとするタル白タル黒と逃げるシッポ。
「…そういうことね」
うなずくヒュム戦。
ガル戦もシッポでタル白タル黒と遊びたかったよう。
というか、遊んでほしかったのか。
「むー」
どうしてもつかまえられないから、両手でつかまえようとするタル黒。
ピコピコ
素早く動くシッポ。
けど、ミスラと違い、動いてるのは先端だけだから、ギリギリつかまりそう。
「白ちゃんそっちー」
タル白と共に、シッポを両側から挟むタル黒。
ふと、一昨日の事を思い出すミスラ。
嫌な予感。
「ちょっ…」
止めるより早く、
「「やー」」
タル白タル黒がつかみかかっる。
ガシッ!
二人のタルタルの小さな手が、しっかりとシッポの先を捕まえた。
「やたー」
「つかまえたのー」
今度はデコをぶっつけたりはしてない。
「んー」
ピコピコピコ
一生懸命シッポの先を動かすガル戦。
けど、もう逃げられない。
「あはは、タルちゃんたちの勝ちにゃ」
とミスラ。

862 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:28 [ NAxYMRes ]
「んー」
さらにシッポの先端を動かそうと力を込めるガル戦。
根本を動かさず、先端だけを。
次の瞬間!
「!!!!」
ビクンッ
身体をつっぱらせるガル戦。
うれしそうだった表情が苦悶に変わる。
「「!?」」
その変化に気づき、慌てて離れるタル白タル黒。
ヒュム戦とエル騎士が慌てて駆けよる。
「どうした?」
「大丈夫か」
「「?」」
心配そうなヒュム戦たち。
「……」
大きく口を開けてるけど、声も出ないガル戦。
「だいじょーぶー?」
「どこかいたいのー?」
触れてもいいのか悪いのか。
自分たちが何かしてしまったのか。
原因がわからなくてオロオロするタル白タル黒。
それを見て、つぶやくミスラ。
「…ガルさん、しっぽがつったにゃ?」
「「「「!」」」」
四人が同時にミスラを振り向き、そして、ガル戦を見る。
言われてみれば。
顔を見合わせ、安心する四人。
「「「「なんだ…よかった…」」」」
一人ガル戦だけが顔をゆがめて固まってる。

863 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:30 [ NAxYMRes ]
翌日、ヒュム白がやって来た。
ガル戦に代わりを頼まれたらしい。
「なんだかぁ〜筋肉痛だってぇ〜言ってましたぁ〜」
「筋肉痛?」
「はい〜。痛くて起きられないみたいですぅ〜」
「筋肉痛…」
昨日の『シッポピコピコつっちゃった事件』を思い出すみんな。
「それより今日はどこに行くんですかぁ〜。決まってないんなら、わたしがぁ…」
「いや、決まってる。もう決まってるから」
慌ててさえぎるヒュム戦。
前回の事もある。
ヒュム白にまかせたら、どこに連れて行かれるか判ったもんじゃない。

狩り場に着くと、ヒュム白が釣りに行くと言い出した。
「え…白魔導師に釣りは…」
「勧められんな」
困惑するヒュム戦とエル騎士。
「だいじょうぶですぅ〜。わたし足早いですぅ〜」
ニコ〜ッと笑むヒュム白。
「そう言う問題じゃないにゃ」
「だいじょうぶですぅ〜。経験ありますぅ〜」
ニコニコ〜ッと笑むヒュム白。
「いや、そう言う問題でも…」
「だいじょうぶですぅ〜。タル白ちゃんは残していきますぅ〜」
ニコニコニコ〜ッと笑むヒュム白。
「だから、白魔導師に釣りは…」

864 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:31 [ NAxYMRes ]
「だいじょうぶですぅ〜。とお〜ってもいい獲物釣ってきますぅ〜」
ニコニコニコニコ〜ッと笑むヒュム白。
笑顔なのに、なんだか迫力がある。
「…どうぞ…」
先に負けたのはヒュム戦だった。
「じゃあ、行ってきますぅ〜」
笑顔で走ってくヒュム白。
「ヒュム白さん、だいじょうぶー?」
同じ白魔導師。心配そうなタル白。
「…」
なんとも言いようのないヒュム戦たち。

少しして。
「釣ってきましたぁ〜」
本当に、驚くほどの早さで駆け戻ってくるヒュム白。
なのに息も切れてない。
「いい獲物ですぅ〜」
指差す先には、土煙と共に走ってくるカメが三体。
まれに見る巨体。
いったいどんな釣り方したのか、怒りに頭を真っ赤にしてる。
もしかしたら血管の二・三本は切れてるかもしれないぐらいに。
たぶん、『ごめんなさい』しても許してくれないだろう。
しかも、怒りの脚は早い。

865 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:33 [ NAxYMRes ]
今から逃げても追いつかれるのは目に見えてる。
剣を合わせるのは実質三対三。
つまり一対一。
一人でも抜かれてしまえば、戦闘能力の低いタルちゃん達は一発で終わり。
「時間を稼ぐから!」
「抜かれるなよ!」
「了解にゃ!」
剣を抜くヒュム戦・エル騎士・ミスラ。
「魔法は一度でいいからね!」
「あとは逃げろ!」
「止めてみせるにゃ!」
迫るカメへ向かって、ぐっと身構える三人。
「だいじょうぶー」
「がんばるのー」
タル白は防御魔法を、タル黒は攻撃魔法を、それぞれ唱え始める。
そこへ
「わたし、昨日レイズ�群韻┐燭鵑任垢ァ繊�
とうれしそうなヒュム白。
「へ?」
「今日が初体験になりそうですねぇ〜」
「え?」
「わくわくしちゃいますぅ〜」
「に?」
「がんばってくださあぁぃぃ〜」
「ミー」
「ピー」
だんだん遠ざかっていくヒュム白の声。
タル白タル黒の悲鳴と共に。
「「「う?」」」
振り向けば、安全圏へと走り去ってくヒュム白の後ろ姿。
両手にタル白タル黒を引きずって、スキップ風に楽しそう。

866 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:43 [ NAxYMRes ]
「「「ちょっと…」」」
なんか、まえにもこんな事あった気がする。
呆然とする三人。
そして背後には、斧を振り上げたクゥダフの怒顔。
「「「!」」」
悲鳴は響き渡る間もないほど短かった。

ゲシゲシゲシ
ボコボコボコ
ガシガシガシ
ドカバキボキ………

怒りをはき出したカメはスッキリした様に帰ってった。
「あ〜、みなさん逝っちゃいましたねぇ〜」
安全になったのを確認してから戻ってくるヒュム白。
両脇にタル白タル黒を抱えてる。
「さあ、ドキドキワクワクのレイズタイムですぅ〜」
ニコニコと満面笑顔。
「ファースト・レイズ�靴里�相手はぁ、だれにしましょうかぁ〜?」
あんなになったり、こんなになったりしてるヒュム戦たちを見て、と〜ってもうれしそうなヒュム白。
ツンツン、クリクリ、ピロピロ
引っ張ったり、弾いたり、ピロピロしたり。
傷を見てるんだか、遊んでるんだか。

867 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 01:49 [ NAxYMRes ]
『…あの場合、魔導師を逃がすのは問題ないよね』
『我々はそれでやってきたからな』
『間違ってないにゃ』
『そして、逃げたと…』
『そうだ』
『先に逃げたにゃ』
『…だよねぇ…』
『…しかし…』
『…にゃあ…』
『『『…』』』
なんだか微妙にスッキリしないものを感じてる三人だった。まだ死んでるけど。
「ちなみにぃ〜、ファースト・キスのお相手はぁ〜」
『『『いや、聞いてないし…』』』
三人は同時に首を振った。死体だけど。

「名無しの話」の13 −おわり−

868 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/11/17(月) 02:02 [ NAxYMRes ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
間が空いてしまいました。
嗚呼…一日が百時間ぐらいあったらもっと…なにするんでしょう。
ナニをするでしょう。
最終回に近付きつつあるお話が増え、ちょと寂しい今日この頃は肌寒いっと。

869 名前: ガルカの昔話 11話1/4 投稿日: 2003/11/17(月) 02:07 [ f7yB/H6A ]
「ヒュームだ、商業区から…1、2、3、…10人はいる。」
鉱山区入り口に設けられた簡易的な見張り台から歩哨の声が飛ぶ。
10人…。
定時連絡に帰ってこぬ仲間の身の上に起きた、不幸な事件を察すればそんな人数では来まい。
おそらく、いつものようにガルカたちと押し問答でもしているのだろうよ、と
色白の顔にイヤらしい笑いでも浮かべながら雑談混じりにやって来たか。
侮ったな、ヒュームどもめ。
赤ひげは侮蔑と不快さの入り混じった表情に顔を歪めた。
「みな聞け」赤ひげの声が鉱山区の片隅に広がった憎悪の闇に響く。
「あの薄汚いヒュームどもにつもり積もった恨み、今日こそ晴らすときぞ」
闇が憤怒の色に揺れた。
やるぞ、殺してやる、ヒュームになんか負けない、あいつらは何も知ろうとはしない、今こそ我らガルカに光を。
口々に呻く低い怨嗟の音色は、闇を一層濃いものへと変える。
その様子を見て赤ひげの傍らにいるタルタル───ユルカオルルカは異形の顔をくしゃくしゃにして、
笑った。

870 名前: ガルカの昔話 11話2/4 投稿日: 2003/11/17(月) 02:09 [ f7yB/H6A ]
「情けをかけられたか…」
赤ひげは50人のガルカたちにヒュームを迎え撃つ策を与え終わると、先程から物陰でばつの悪そうに佇(たたず)む小柄な人影にそう声をかけた。
物陰のミスラは目を伏せ、固く握り締めた拳をフルフルと震わせている。言葉にならぬ感情が、彼女の肉感的な肢体からにじみ出す。
艶やかな唇が小刻みに揺れるさまは、噂に聞くユタンガの夜に舞う妖蝶を思わせる。

もし自分がガルカでなかったなら…。
赤ひげはこのミスラを見るたびに、ありもしない浅慮に囚われる。
もし、もし自分が、例えばヒュームだったなら、このミスラの娘のことどう思うのだろう、と。
恋に堕ちるか、劣情に任せ飽くまで抱くか、それとも・・・・。
「次は、負けぬ。クォン大陸の首長種にもミスリル銃士にも!」
ミスラは短く、しかし強く言った。震える身体を無理やりに押さえ込んで。
そうだ。赤ひげも雑念を振り払う。こんなつまらぬ事に心囚われているときではないのだ。
「亀どもを手引きするためには、アン、お前の力が必要だ。」
確認するかのように低い声で言う。頷くミスラ。

871 名前: ガルカの昔話 11話3/4 投稿日: 2003/11/17(月) 02:11 [ f7yB/H6A ]
「亀………って…」
そのとき、赤ひげは気を緩めていた。
彼の心に巣をはった、劣情という名の蜘蛛を退治するのに精一杯で、まわりに気を配る余裕が無かった。
アンも同様、敗北に心乱し、その小さなガルカの接近に気がつかなかった。
「パゴタ…」
赤ひげは彼らしくもなく狼狽の音を低く奏でた。
聞かれた?いや、だが、亀という言葉一つでクゥダフまで思い至ろうか、この若輩者に。
「亀って…ダスクスの言ってたことは、ホント?じゃあ、クゥダフを…」
少年がみなまで言うまえに、赤ひげの拳が少年の頬をしたたか打ちつけた。
地に伏し、事実を知り、後悔と驚愕に目を見開く。
視線はあらぬ方向に泳ぎ、少年は自らの愚行をひたすらに呪った。

872 名前: ガルカの昔話 11話3.5/4 投稿日: 2003/11/17(月) 02:13 [ f7yB/H6A ]
「もう遅い」冷静さを取り戻した赤ひげは冷淡に続ける「兄弟たちはもう止まらん。いまさら、お前の話など誰が聞こうか」
「やっぱり、みんなを騙してるんだ…おまえは、おまえわぁっ!!」
悔し涙で赤ひげの姿は霞んでいた。視界が歪む。
殴られた痛みなど、愚かさに爪を立てられた心の悲鳴に比べたら、取るに足りない瑣末な出来事。
頭は興奮で真っ白になり、気付けば赤ひげに飛び掛っていた。
しかし、事も無げに赤ひげはパゴタを払いのける。
「グッ」と小さい悲鳴を上げ、地面に叩きつけられる少年。
しばらくピクリとも動かなかったが、ほどなくしてノロノロ立ち上がると、
鉱山区と商業区の境にあるアーチ状の門に向い、足を引き摺りながら歩き出した。

873 名前: ガルカの昔話 11話4/4 投稿日: 2003/11/17(月) 02:14 [ f7yB/H6A ]
「殺ろうか?」
アゴで少年を指し、白刃を鞘からちらつかせたミスラを、狂った義勇軍の頭であるガルカは制止した。
「構わん。放っておけ」
どのみち、もう止まらぬ。
ガルカとヒュームの憎悪に満ち満ちた闘争は、これをきっかけに全面戦争にまで至るだろう。
赤ひげの思惑通りなら、ガルカ、クゥダフ、サンドリアという多くの敵対組織に囲まれたヒュームの国家は
その体(てい)を長く留め置くことはできず、やがて瓦解する。
その時こそ、我らガルカは忌まわしい縛鎖から開放され真の自由を得ることができるのだ。
赤ひげは蒼穹を見上げ思いはせた。
太陽はゆっくりと西に傾きはじめ、このガルカの大きな影を鉱山区の煤けた大地に落としてる。
戦闘音が遠くで響く。
やがて、乾いた空気に血のにおいが混じった。

874 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 02:26 [ f7yB/H6A ]
|ω・`)コソーリ

|ω・`)ノ ョ、ヨウ…

FF11卒業してここから足が遠のいてた。
今日たまたま、ここを覗いて、ニコニコしながら読んでたら200くらいのところで
細い兄弟って・・・・
俺はこの日久しぶりに泣いた。
だから書いた。

細い兄弟ageしてくれた人のために、俺、書くよ(;´д⊂)

875 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 02:40 [ MfSkk.oQ ]
叫ぶぞ? いいかい?叫んじゃうぞ?

キタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!!!!!
名無しキター
そして細い兄弟キタあぁぁあぁあぁぁぁぁぁげふごふぉぁぁぁあぁ!!!
お帰りなさいませ(つД`)
続き見れないかとおもたよ・・・・・

876 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 02:55 [ Jqi9CGxo ]
キ、キ、キ、キ、キ、キ、キ、キ、
キタァァァァァァァァァァァァ

877 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 03:26 [ LsjVF4k6 ]
お帰り細い兄姉
(つД`)ヨカッタヨ

878 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 08:02 [ AkFp51Ek ]
うわあああああん・゚・(ノД`)・゚・
細い兄弟キタアアアアアアア
今度は、今度こそはああああ
うわああああん おかえりなさいー

879 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 08:30 [ ttjBM/AE ]
>>874
うっわあ、おかえりなさい(;´Д⊂ ズットマテターヨ

改めまして
細い兄弟キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

880 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 10:25 [ NNEWyoxY ]
きたああああああああああああああああ!!!!!!

881 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 11:09 [ pjCTK226 ]
大好きだ細い兄弟!
せかしません、のんびりとで構いませんから、続き書いてくださいませ。

882 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 11:38 [ wazKIiJg ]
俺も言わせてもらううううううぅ!!!

細 い 兄 弟 !!
キタ━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━!!!!!

883 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 13:46 [ ay.poQDs ]
細い兄弟…。
兄弟が…。

/wait 20
/wait 20
/wait 20

キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━!

884 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 14:21 [ 0/JVZ47Y ]
初代スレからずっと見てる
いろんな話を読んで、涙することは多々あったが。。。

「ある話が掲載された」という事実そのものに
涙したのは初めてだ・゚・(ノД`)・゚・

885 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 14:51 [ T7P0tqvU ]
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
細い兄弟キテタ―――――――――――!!!・゚・(ノД`)・゚・
うれしすぎて叫んでしまった!(つД`)
もう来ないかと思ってター―――待ってて良かった(⊃Д⊂)
続きマターリと待ってます!!!

886 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 17:29 [ z5ZAeEbY ]
空に奏でる〜 が、ものすごいスピードで更新されてるよ(´ー`)y-~~

そして…

細い兄弟だ ニャ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ン!!!

887 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 18:27 [ QuaECfFQ ]
細い兄弟、一番好きなんだよ・゚・(ノД`)・゚・

888 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/17(月) 19:09 [ CjVjbi8s ]
細い兄弟キタ━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━!!!!!
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━!
ニャ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ン!!!

889 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/18(火) 00:43 [ .YYfCxxM ]
待ってて良かった・・・( ノД;)

細い兄弟キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!

890 名前: 君と見つけた空9 投稿日: 2003/11/18(火) 00:52 [ 6FEdPfEI ]
>>740
ありがとうございます。
励みになります。
9話です。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/8967/

891 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/18(火) 19:37 [ 3w5nm6KA ]
板落ちしそうだな…どうする?
他のスレはともかく、このスレだけは絶やさないようにしたいなぁ(´・ω・`)

892 名前: pal 投稿日: 2003/11/18(火) 19:41 [ tNXv6XmY ]
下手したら1週間後に板ごと消滅もあり得るみたいですね。以下コピペ。

マターリ板のかんりにそ氏とここ数週間連絡が取れなくなっているため
掲示板のTOPに運営側から警告文が掲載されてしまいました。
復帰が望めない場合も考えられます。
現在アクティブなスレは住人同士で話し合い
適当な掲示板に連絡のつくスレを用意しましょう。
------------------------------------------------------------
■【】は一応の移住の目安。強制ではありません・・・。
【地域スレ・各種創作・DQN・名台詞・種族・AAコピペ系・2chネタFF版スレ】
新FF11★マターリ雑談板(ID有)
http://jbbs.shitaraba.com/game/9278/
【システム・関連書籍・クエ攻略・世界設定】
「FF11の板(仮)」(ID有)
http://jbbs.shitaraba.com/game/6493/
■その他の板紹介
FF11マターリ雑談板(ID有)http://jbbs.shitaraba.com/game/9596/
FF11またーり雑談板本舗(ID無)http://jbbs.shitaraba.com/game/9643/
wwwwwww(ID有)http://jbbs.shitaraba.com/game/4042/

893 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/18(火) 19:56 [ tNXv6XmY ]
そんなわけで次スレテンプレはこんな感じですかね?
間違い、訂正あったら指摘お願いします。
------------------------------------------------------------
前スレ:涙たちの物語4 『旅は道連れ』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1064882510&LAST=100

涙たちの物語3 『旅の流れ』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1058854769&LAST=100

涙たちの物語2 『旅の続き』
http://jbbs.shitaraba.com/game/5091/storage/1054164056.html

涙たちの物語 『旅は終わらない』(旧)
http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790

涙たちの物語 『旅は終わらない』(新)
http://jbbs.shitaraba.com/game/5091/storage/1048778787.html

倉庫等
(新)http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
(旧)http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html
(Wiki)http://kooh.hp.infoseek.co.jp/

894 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/18(火) 20:02 [ 3w5nm6KA ]
>涙たちの物語 『旅は終わらない』(旧)
>http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790

↑ここ落ちてるみたいだから、テンプレから削除しても良いかも。

今のうちに、したらばのスレ保管しておくとするか。

895 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/18(火) 20:28 [ tNXv6XmY ]
移転先は・・・どこにしますかね?
雰囲気的には、「FF11の板(仮)」
分類的には「新FF11★マターリ雑談板」
この辺はこのスレの住人の多数決で決めるのが一番だろうなということで。
意見求む。
------------------------------テンプレ------------------------------
前スレ:涙たちの物語4 『旅は道連れ』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1064882510&LAST=100

涙たちの物語3 『旅の流れ』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1058854769&LAST=100

涙たちの物語2 『旅の続き』
http://jbbs.shitaraba.com/game/5091/storage/1054164056.html

涙たちの物語 『旅は終わらない』(避難先)
http://jbbs.shitaraba.com/game/5091/storage/1048778787.html

初代【涙たちの物語 『旅は終わらない』】はxreaから撤退したためログ無し

倉庫等
(Wiki)http://kooh.hp.infoseek.co.jp/
(新)http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
(旧)http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html

896 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/18(火) 22:26 [ 6b22CBHg ]
「FF11の板(仮)」に一票。
一応マジメなスレだから、そっちの方がいい気がする。
ある意味、物語でもあり考察でもあると個人的には思うので。

897 名前: ガルカの昔話 12話1/4 投稿日: 2003/11/18(火) 23:13 [ f7yB/H6A ]
たくさんのことが起こりすぎた。
ツェールン地下水路の闇を進むイカダの上で、私は小さくため息をついた。
戦争、ヒュームたちとの小競り合い、そして彼らを手にかけ、恐るべき陰謀を知った。
転がるように逃げ出し、追撃者を退け、今は闇の中、種族も性別も異なる三人が同じ時間、同じ空間を共有していた。
思えば皆、敵同士の種族。
そのことを気にかけてか、それとも疲労のためか、三人とも無口で
ただイカダの水面を切り進む音だけが鼓膜に反響していた。

898 名前: ガルカの昔話 12話2/4 投稿日: 2003/11/18(火) 23:14 [ f7yB/H6A ]
イカダはやがてグスタベルクに出た。
寂寞とした茜さす荒野は、明暗おぼつかぬ幽玄の世界であった。
「兄弟…行け。コンシュタットにはお前の国の人間がいる。」
宵闇にまぎれれば戦地といえど逃げ切れるだろう。彼ほどの腕前があれば尚の事、単独行動のほうが好ましい。
私はそう思い痩躯のエルヴァーンに声をかけた。
ここで別れるのがいい。当初の目的は彼を安全な場所まで逃がすことだったのだから。
「待て!!」
細い兄弟が返答に困り逡巡することひとしきり、沈黙を破るかのようにヒュームの女が言い放つ。
そうはいかぬとばかりに、彼女の手にはマスケット銃が握られていた。
この女が銃を向ける理由は分るつもりだ。彼らヒュームにとってエルヴァーンは怨敵、ガルカは卑下の対象。
その上、われらは彼女の上官の直接の仇。憎くもあろう。
私は銃口と細い兄弟とのあいだに壁となるよう立ちはだかる。
「女。兄弟を撃たせるわけにはいかん。ガルカでは不満あろうが、この首で我慢しろ。」
ガルカとしての誇りとヒュームへの嫌悪が私を突き動かしていた。
睨みあったまま、幾ばくかの時が流れる。
女の華奢な手の内の銃は小さく震えていた。

899 名前: ガルカの昔話 12話3/4 投稿日: 2003/11/18(火) 23:15 [ f7yB/H6A ]
そのときヒュームの女の背後の岩が動いた。
いや、私の目にそう映っただけで、正確には岩陰から何かが這い出してきたのだろう。
成人ガルカほどの巨躯に浅黒いウロコ、くちばしの様な硬質の口吻。
岩と見間違えたのは鉄製の背甲、それに爛々と光る猛禽を思わせる双眸。
クゥダフ!!
忌むべき獣人。我らアルタナの寵児共通の仇敵!
その獣人が肉包丁のような無骨な広刃の剣を振り上げ、いままさに女の首を跳ね飛ばさんとしているではないか。
私は恥ずかしながら、その様子を呆けて見ていた。
いきなり現われた薄汚い獣人に目を奪われていた、という理由も無論あったろうが、
きっとあの時私は心のどこかで、この分からず屋のヒュームの首が鮮血を上げ飛び上がるさまを見てみたいと思っていた。
今思えば若気の至り、愚かな考え方をしたものだ。
しかし、細い兄弟は私とは違った。
クゥダフの姿を視認、獣人の刃が女に狙いをつけていることを瞬時に判断すると、驚異的な瞬発力で飛び出した。
獣人からヒュームの女を救うために。その一心。
だが……

900 名前: ガルカの昔話 12話4/4 投稿日: 2003/11/18(火) 23:17 [ f7yB/H6A ]

ゴオォゥーン…

細い兄弟の想いが届かなかったのか。
イカれた獣の遠吠えにも似た銃声。
女はエルヴァーンの技量を恐れ、そして彼が自分の銃を奪おうとしたのだと誤解した。
だから撃った。
火薬の臭い。勢い良く銃口から吹き上がる白煙。

そして真っ赤な血がグスタの土くれに朱色を添えた。

901 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/19(水) 00:00 [ MfSkk.oQ ]
キタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━!!!!!

細い兄弟とは何かの縁があるらしく、また第一号の音頭をとらせていただきますm(_ _)m
続き気になる(;´Д`)ハァハァ
悲劇な話は少ないので、マターリと楽しみに待たせていただきます。
そして日本語変な俺・・・・・

902 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/19(水) 01:14 [ x.QV2qDI ]
>895
移転先は、「新FF11★マターリ雑談板」に1ピョウ (・ω・)ノ

>901
も、も、も、もちけつ!ニャ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ン!!!

903 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/19(水) 02:01 [ fS1XL0cU ]
>>900 細い兄弟・・・うわぁ〜ん・・・どうなっちゃうんだろ?

>>895
「FF11の板(仮)」に1票かな?

「FF11の板(仮)」・・・・・・・・・・2
「新FF11★マターリ雑談板」・・・・・・1

どちらに移動するとしてもスレタイは「涙たちの物語5」だよね?
サブタイトルは何になるんだろ?
まぁ、ここで異動先の多数決とってスレ立ては950によろしくと。
テンプレ→>>895

904 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/19(水) 05:59 [ ib4t/fs. ]
「FF11の板(仮)」がいいかな
主要スレはそっちに移りそうだし

905 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/19(水) 08:30 [ 2t./LLiI ]
FF11の板(仮)に一票・・・

906 名前: (パーティメンバーがいません) 投稿日: 2003/11/19(水) 14:38 [ 0VCiloYw ]
白き探求者+兄弟キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

907 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/19(水) 19:09 [ CjVjbi8s ]
FF11の板(仮)に1票ー

908 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/20(木) 08:25 [ f7yB/H6A ]
新FF11☆マターリ雑談板・・・消滅?

909 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/20(木) 09:12 [ 2t./LLiI ]
とりあえず
新FF11☆マターリ雑談板消滅したみたいだし
ここもなんか消滅間近っぽいし
連休はさむしで、心配なんで立てちゃいました・・・
久しぶりに見に来たら過去ログごと板抹消とかなって
最近のが読めなかったとかなったら悲しいので・・・
なるべく早めに移転ヨロシクオネガイシマス


涙たちの物語5 『旅が続いて』
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/6493/1069286910/

910 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/21(金) 22:21 [ /YIT9EYo ]
移転スレに早くも
雪の彼方がきthガskジャldhsdfh・・・
ニャ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ン!!!

911 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/24(月) 16:30 [ fHXvoCYM ]
「ネカマ、ネカマ、ネカマ〜〜♪ ネカマを食べると〜〜♪」
ミスラが歌いながら武器を磨いている。
ここは、ウィンダス。水と緑に囲まれた美しい国。その一角にある宿屋の一室でのこと。
「キモい歌、うたってんじゃないわよ。ネコミミ」
いつのまにか、部屋の入り口に立っていたエルヴァーン娘が毒づいた。
「にゃ。うちにはフェリシアっていう名前があるのにゃ」
ミスラは、しっぽを立ててF7の顔にしわを寄せた。ちなみにF7は、セミロングぽい髪で、後でちょい結びしている人気フェイスである。
「うっさい。あんたはネコミミで充分よ」
背の高いエルヴァーンは言葉でも見下しているように言った。
「そういうお姉さんの名前は、なんだっけ?」
ミスラは、昨日パーティーを組んだばかりの、このエルヴァーン娘の名前をすっかり忘れているようだ。
「私は……、ディードリットよ……」
「うはwww イタタタタwww」
「『w』いうな! つーか笑うな!」
エルヴァーンは頬を染めて怒鳴る。どうやらこの名前に思い入れとコンプレックスがあるようだ。

912 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/11/24(月) 16:32 [ fHXvoCYM ]
「いくらお姉さんが、金髪エルメスだからって、それはないにょ」
ミスラは、耳をパタパタさせて爆笑した。
「エルメスいうな! つーか『にょ』もやめろ!」
「あは。間違えたのにゃ」
笑い転げるミスラを睨みつけるエルヴァーン娘のフェイスはF3だ。金髪で左側のもみあげを結っている。クエでいうと「姉ちゃんを助けて」で生肉を食ってたあのエルメスである。
「た、大変ですよぉ〜!」
ドタドタと駆けてくる音と共にドアがひらいだ。飛びこんできたのは、タルタルの少年である。
「あ、ピロテースさん、大変です!」タルタルはエルメスを見ると叫んだ。
「ディードだっつってんだろうが」
エルメスは、タルタルをぐりっと踏みつけた。ぺちゃっと潰されたタルタルはあえいだ。
「あぁ〜〜、踏まないでぇ〜〜」
「うっさい、ドチビ。うりうり」
「あぁぁ〜〜〜んん」
タルがプレイに没頭しそうだったのでミスラは聞いてみた。
「それでなにが大変なのにゃ?」


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