掲示板に戻る 全表示 最新100 新着表示 索引 メール受信 保存
涙たちの物語3 『旅の流れ』
1 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:19 [ 2t./LLiI ]
前スレ:涙たちの物語2 『旅の続き』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1054164056&LAST=100

涙たちの物語 『旅は終わらない』
http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790

前スレ涙たちの物語 『旅は終わらない』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1048778787

倉庫等
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

2 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:20 [ xYkCPL1w ]
Super 2

3 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:21 [ xYkCPL1w ]
連続 Super 3

4 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:22 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン4

5 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:23 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン5

6 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:24 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン6

7 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:25 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン7

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:26 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン8

9 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:27 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン9

10 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:28 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン10

11 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:29 [ xYkCPL1w ]
連続 Super チェーン11

12 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:31 [ xYkCPL1w ]
            暇 人 で し た

            暇 人 a g e

13 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:32 [ xYkCPL1w ]



               A  N  D

14 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:35 [ xYkCPL1w ]



               E  N  D
               〜 糸 冬 〜

15 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:54 [ 4//crnRI ]
ここは寂しいインターネットですね

16 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 15:56 [ z.n7gdVQ ]
  _、_
( ; Д`) ..;:・;'∴

17 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 17:11 [ 0TejW6vg ]
とりあえず、age

18 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 20:41 [ 7h2opC/w ]
にゅぅにゅぅマダー?

19 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/22(火) 21:00 [ mugmJ3oQ ]
空に奏でる〜の続きが楽しみだったりする。

20 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/23(水) 00:26 [ QWm.7Meo ]
にゅうにゅうは毎日ほぼ定時にうpされてるぞ。
前スレみて確認してこい。

21 名前: 1/3 投稿日: 2003/07/23(水) 02:00 [ rebq0LP6 ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「うにゃ。白くてドロっとしてるのにゃ。」
「大丈夫。美味しいから、こぼさず全部飲んでね。」

「にがそうなのにゃ。」
「お薬だと思って我慢してね。はい、アーン。」

「熱いのにゃ。」
「あ、ごめんね。そんなに熱かった?フゥフゥしてあげようか?」

「アタシ、もう子供じゃないのにゃ。
お粥くらい、ひとりで食べられるのにゃ。」
「あん。遠慮しなくてイイのに。」

にゅぅにゅぅ。
風邪、ひいちゃったのにゃ。
友達がお見舞いに来てくれたのにゃ。
でも、お粥くらい、ひとりで食べられるのにゃ。
だから、アーンとか、フゥフゥしてくれなくてもイイのにゃ。
恥ずかしいのにゃ。照れちゃうのにゃ。

22 名前: 2/3 投稿日: 2003/07/23(水) 02:01 [ rebq0LP6 ]
「ごちそうさまなのにゃ。」
「あ、ダメだよ。ちゃんと食べないと、元気にならないよ。」

「もう、おなか、いっぱいなのにゃ。」
「あ、うん。そうか・・・。あ、じゃあリンゴでも食べる?皮、剥く?」

「アタシ、自分で皮ムケるのにゃ。だから、皮ムカなくてイイのにゃ。
それに、皮ムカないほうが美味しいのにゃ。」
「あ、そう・・・。あ、じゃあ・・・。」

「大丈夫にゃ。」
「え?あ、えと?」

「なにもしてくれなくてもイイのにゃ。」
「え、でも・・・。」

「そばにいてくれるダケでイイのにゃ。
お見舞いに来てくれたダケで嬉しいのにゃ。」
「あ、うん。ありがとう・・・。」

「アタシが、ありがとうなのにゃ。」
「あ、そうか。」

「にゃ。」
「くす。」

「アタシは大丈夫なのにゃ。だから、心配しなくてイイのにゃ。」
「あ、うん。でもね・・・。」

23 名前: 3/3 投稿日: 2003/07/23(水) 02:02 [ rebq0LP6 ]
「にゃ?」
「やっぱり心配だよ・・・。
やっぱり友達だから、気になるよ。
それに、ひとりじゃ楽しくないもん。
いつも一緒だったから気づかなかったケド、
一緒じゃないと、クエストでも何でも、楽しくないんだもん。」

「にゃ・・・。」
「だから、はやく良くなって欲しいの。
そして、また一緒に色々なことしたいの。」

「わかったにゃ。はやく元気になるにゃ。
だから、心配しないで欲しいのにゃ。」
「ホント?」

「ホントにゃ。」
「じゃあ、はやく元気になるように、この薬石草粥、全部食べてね。」

「うにゃ・・・。それ、にがいのにゃ・・・。」
「大丈夫。お薬だと思って我慢してね。はい、アーン。」

にゅぅにゅぅ。
はにゃ?前にもこんなことが、あったような気がするのにゃ?
デジャヴュ・・・かにゃ・・・?

24 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/23(水) 12:44 [ 1fuPgcVI ]
エージェントが来るぞ!

25 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:17 [ cCGsZJ3A ]
番外編の続きできますた。かなりダラダラです。長いです。
マッタリとお読みください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  「誓いの詩」番外編  愉快な酒場 後編

――――ジュノ上層・酒場――――

「………遅い。」
カウンターに座ったタルタルが、ため息をつく。
「ほんと、遅いねぇ………。」
隣のエルヴァーンも長弓を磨きながら、ため息をつく。


後ろではポララとエレナが、酒瓶片手に大暴れしている。
かなり呑んでいるようで、二人とも目が据わっている。
「ウィ〜〜! 酒ぇ酒ぇ!!ww 足りらいわよぉ〜どんどん持って来〜い!!!!wwwwww」
「そうらぞ、マスター、酒ぇ!!www 早く次持っれ来〜〜い!!!!wwwww」
「キュ〜! キュキュキュキュ〜〜!!!」
ポララのペットのトトが必死に止めようと試みているが……まあ、無駄だろう。
「…ねえねえ、コイツ、なんれ言ってんろ〜?wwwwww」
「えっとねぇ〜……呑みすぎだ、もう止めろってさ!www アヒャヒャヒャwwwww」
「うはwwwwwやだwwwwwwwwwwwww」

26 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:18 [ cCGsZJ3A ]

「なあリュート………」
シーモンクのマリネを突つきながらコルクが呟く。
「ん?…アチッ!……ハフハフ………なに〜?」
こちらは出来立てのキュスの照り焼きを頬張りつつ受ける。
「…黒魔法ぶっ放してもいいかな……あいつらに。」
「いやぁ…さすがにそれはマズいっしょ。」
「だよなぁ……」
「うん。」

「…遅いな〜…」
「遅いねぇ〜……」
そのまま二人とも、カウンターにグデ〜。

「フフフ、君達も苦労が絶えないねぇ。」
酒場のステージから、一曲歌い終えた吟遊詩人が飲み物を取りに来た。

「おお、ちょうど良かった。ねえ、なんか一曲歌って。」
「そうだね。どうせ暇だし、後ろはアレだし………お願いできるかな?」
「フフフ……もちろんさ。では、お仲間が到着するまで短い戯曲でも……」

「…あれ? 首は?」
「え゛、首って………」
「あ、ごめん。そうゆう意味じゃないから。」
「うん…でもそういえば、ユダいないねぇ。どこ行ったんだろ?」

27 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:20 [ cCGsZJ3A ]
――――ジュノ上層・モンブロー診療所―――

「うわ〜…これはまた派手にやられたね。古代魔法って事はデーモンかい?
狩りもいいけど、もう少し自分の体のことも考えてあげなきゃ……」
後ろで括った銀髪に、優しそうな顔立ち。名医と名高いモンブロー医師だ。

「いや、あのですね…この傷はコルクが………」
と、汗ジトでユダ。
誰も相手にしてくれないから、意地で張って来たようだ。

「ヘ?……ああ、コルク君ね。…なるほど、やっぱり彼の魔法のセンスは抜群だね。
最も痛くて死なない程度にちゃんと威力が抑えてある。素晴らしい。」
そう言いつつ、傷口に消毒薬をぬりぬり。

「ツッ!? 先生…痛い……ってか素晴らしいって……。」
よほど染みるのだろう。顔を引きつらせて仰け反る。

28 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:21 [ cCGsZJ3A ]
「ほらほら。男の子だろう? 泣かない泣かない。
どうせまた、チビとかマメとか彼の気に障ること言ったんだろう?」
「う〜ん、それが何故か記憶が………」
「ハハハ……酒癖の悪さは父親譲りだね。相変わらずお父さんにそっくりだ。」
「むう。親父の話はしないでくださいよ…。」
「あ、まだ仲悪いんだっけ。ごめんごめん。………よしっと。はい、良いよ。」

――全身包帯だらけ―――まるでミイラだ。

「ありがとうございました。」
少しムッとした顔のまま、グイっと頭を下げ、礼を言う。

「はい、どういたしまして。皆にもよろしく言っといてね。」
「ええ、それでは。」

ドアを出てきたユダに、涼しい風が吹き付ける。美しい銀髪が揺れる。
いつのまにか、もう日暮れだ。
「やれやれ……遅くなっちまったなぁ。あいつらもう始めてるかな。」
目を細めて辺りを見回し、一回背伸びをして酒場の方へ歩いていく

29 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:23 [ cCGsZJ3A ]
―――ジュノ上層・レンタルハウス―――

「い・や・だ・! 行きたくない!!!」
ドアの向こうから棘のある声が聞こえる。

「しかしなぁ……皆も待ってるんだぞ…いい加減、出て来いよ…」
ガイバンが困った顔で頭を掻く。

「なあ、いったい何だってんだよ。皆に会いたくないのか?」
「いや、そういう訳じゃなくてだな……」
「プッ、あアレじゃあ確かに外に出られないクポ〜www」

ドアの向こうからもう一つ声が聞こえる。
レンタルハウスのハウスキーパーを生業とする種族、モーグリの声だ。

直後に何かを殴る音と、クポ〜!という悲鳴。

「痛いクポ〜! 何するクポ〜!!!」
「やっかましいわ、このアホ!! さっさとバスに戻って植木鉢の様子見て来い!!!」
「だ〜か〜ら〜、もう見て来たクポ〜。ご主人様が全然世話しないからカリカリになってたクポ〜。
いったい何度言わせるクポ〜?」
「クポクポやかましい!! だいたい、何がカリカリクp(略」

30 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:24 [ cCGsZJ3A ]
「…どうでもいいから、さっさと出て来い。どんな理由かは知らんが、皆が待ってる。」
「嫌だ!! 絶対行かねえからな!!!」
「やれやれ………しょうがない奴だな…」
「あ、ドア壊そうったって無理だからな! ここのドアは頑丈なん…」

――ミシッ! バキッ! ズウウウウウン。

「ん? なんか言ったか?w」
「ギャ〜〜〜〜〜!!!!! バ〜ケ〜モ〜ノ〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「化け物って…お前な………」
「いや〜!いや〜! 地獄の使者が〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「お? アーティファクトが入ってるのはこの袋か。よし、行くぞ。」

麻袋を右手で掴み、左肩にキリトを担ぎ、のしのしと出て行く。

「んじゃ、これ借りてくな。後片付けよろしく頼む。」
「任せるクポ〜! お掃除は僕の仕事クポ〜!」
「あ、てめえ、助けねえか!! 手ぇ貸せ!!!!」
「無理クポ〜。ガルカにモーグリ族が敵うわけないクポ〜。」
「…は、薄情者〜〜!!!! は〜な〜せ〜〜〜!!!!!」

31 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:26 [ cCGsZJ3A ]

「ご主人様、いってらっしゃいクポ〜!」
さっき殴られたのもあるのだろう、ニヤニヤしながらハンカチを振っている。
主人が主人なら、モーグリもモーグリのようだ。

「テメエ! 後で飛空挺の船底に有刺鉄線で括りつけてやるからな!!! 覚えてやがれ!!!!!!」
そう叫びつつ徐々に遠ざかっていく。
「え゛!?」
モーグリの顔が青くなる。慌ててバックからリンクシェルを取り出してピ・ポ・パ。
「あ、もしもし? 僕クポ!! 急で悪いけど、今から帰るから弓技大会開いてクポ!!!
…え、無理? いったい息子の命とご近所の噂とどっちが大切クポ!!!!」

32 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:27 [ cCGsZJ3A ]
―――ジュノ上層・酒場―――

「……なんだこりゃ……。」
包帯だらけのエロヴァーン、もといエルヴァーンが呟く。

「いや、止めたんだけどね……」
「僕らじゃ無理だよ。アレは……」
申し訳なさそうに謝るコルクとリュート。


――ポララとエレナは更に盛大に大暴れしていた。両手に酒瓶を持って凶器乱舞。
「アヒャヒャヒャ!!www こちら臼獣兎ですがパーティー組みませんか?wwww」
「ごめwwwwナイトと間違えて内藤誘っちゃったwwwwwwwww」
「うはwwwwwありえないwwwwwwwwww」


「…フウ。今日も一杯仕事しタ。種族装備の注文多すぎダ………」
腰をトントン叩きながら入ってきたのは、下層の雑貨屋、ゴブリンズブレッドのガットだ。

「あ! 久しぶりだねガット!!」
リュートが嬉しそうに声をかける。

「ン?……おお、りゅーと。おお? ゆだ! こるく!!」
「おお、元気か〜? 久しぶりだな!」
「や、お久しぶり。その様子だとお店は繁盛してるみたいだね。」

カウンターに伸びたまま、コルクが片手だけ上げて挨拶する。
ユダもギプスをしていない方の手で握手。

33 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:29 [ cCGsZJ3A ]
「おお。毎日、お客多いゾ。忙しすぎるぐらい、ダ。」
「マック爺は? 相変わらず?w」
「ああ、相変わらずの石頭、ダ。…ところデ……今日は、なんダ? 宴会、カ?」
「…キリト待ってたんだけどな…なんか主旨変わっちまってるな……」


「ゴブリンハケーン!wwwガット君れあります!wwwww」
「うはwww♀種族装備エロ過ぎwwwww修正されるねwwwwwwww」
「こら兎ぃ!! 呑め、お前も呑めwwwwwww」
「ギュェ〜!! キュキュキュ〜〜!ヾ(゜Д゜;)ノシ」
「逃げたぞ〜!www追え〜!wwwww」
「追うであります〜〜!!!wwwwwwww」


「…………そっちモ、相変わらず、カ。」
ガットが呟く。
「うん………」
「進歩どころか退化してるな、アレ。」
「…否定できないのが悲しいな……」

34 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:30 [ cCGsZJ3A ]
「「「「ハ〜………。」」」」
四人分のため息が重なる。

「…ますたー、ヤグートドリンク。」
コルクの横にチョコンと腰掛けて、一息付く。
「キュキュキュ〜!!! ブッ!?」
ガットの足に、酔っ払いどもから逃げ回っていたトトがぶつかる。
「なんダ、兎のメニューもあるの、カ?……ますたー、これの丸焼きクレ。」
「……!………!?………!!!!(((゜Д゜;)))」
「フフ、フ……冗談、ダ。」


「お〜い。連れてきたぞ〜……なんじゃこりゃあ!!」
喚くキリトを肩に抱えて、ガイバンが酒場に入ってきた。そして、後ろで展開されている大惨劇に目を丸くした。

「あ、遅かったね〜。」
「おう、キリト。久しぶりだな!」
「やっと来たか………何やってたんだよ……」
何も無かったかのように平然と答えるあたり、やはり場慣れしている。

35 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:31 [ cCGsZJ3A ]
「あ、いや……ごめん。でもな――――」

「ほれ。さっさと着替えて来んかい。今日は皆、お前の為に集まったんだからな。」
背中を押されて、しぶしぶ裏へ入っていく。

「……とりあえず、あいつら止めんとな。」
「うん…そだね。」
「ってか、無理じゃね?」
「むう。仕方ないな。コルク。」
「はいはい。そうくると思いましたよ。それでは……」

“水の精よ――汝らの主の名において――彼の者らに禊を―――ウォタガ�掘�!”

「うはwww範囲魔法ってwwwwwww」
「しかも�靴世沓�wwwwww」
「ありえないwwwwwwwww」
「うはwwwおkwwwwwwwww」
「おkwwwwwじゃないしwwwwwww」

訳のわからない言葉を叫びながら押し流されていく。

「目、覚めたか?(本日二回目だな………)」
「う……ん?」
「イッタ〜イ………」
「さて………それじゃあ皆揃ったな。」
「時間掛かりすぎたけどね。」
「お〜い、キリト〜出て来いよ〜!」

36 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:32 [ cCGsZJ3A ]

「う…うう………」

「プッ!」
「な、なんだそりゃ!!!」
「おお!? きのこ、ダ……」
「ギャハハハハハハハ!!!」

きのこっのっこ〜のこ元気の子〜♪ どこからかBGMが流れ始める。
不機嫌な顔で舞台の袖から出てきたのは、詩人のアーティファクトフル装備のキリトだ。
どっからどー見ても……キノコだ。
「うるっさい! キノコって言うな!!!」

「だってそれはどう見ても…なあ?w」
ポララやユダは笑いすぎて椅子から転げ落ちている。

37 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:33 [ cCGsZJ3A ]
「クポポポポ〜ご主人様〜? いるクポ〜?」
入り口から顔を覗かせたのは、キリトのモーグリだ。
「あっ、テメ!」
手にしたフルートを投げつける。それを器用に避けつつ、
「ごめんクポ〜。明日、故郷で弓技大会あるの忘れてたクポ〜。パパへのお土産に倉庫にあったパワーボウ貰っていくクポ。
三日ぐらいで帰るクポ。それじゃ!」
「おいっ!待ちやがれ!!」

でじょ〜んとそのままフェードアウト。

「ぐ、逃げられた……」

「キ〜リト君。」
「ん?」
「私はカワイイと思うよ?それ。なんか一曲歌ってよ、ね?w」
「ううう……人って暖かい……エ〜レ〜ナ〜ちゃ〜ん!!!!!」
「ひえっ!?」
そのまま泣きながらエレナにダイブ。

38 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:34 [ cCGsZJ3A ]
「そうはいかんざき!!!」  /ja シールドバッシュ <t>
ブンッ!――――――ザクッ!!

…………ザクッ?
「ギャ〜〜〜!! 何すんだテメエ! てめえは戦士だろうが!!!」
「てめえが何すんだ!!!」
ユダにしっかり抱きしめられて、エレナの頬が赤くなる。
「しかも痛いと思ったらスパイクシールドかよ!!!!!(三村風)」


「 あなたにフレア〜 ∩ヮ^*) 」
―――ボオオオオオン!!!!!

「にぎゃ〜〜〜〜!!? アツッ!アッツウ!! 今度は何だ!!!?」

「あなたにアルテマ〜 ∩ヮ^*) 」
―――ズッドオオオオオオン!!!!!!

「こ、コルク〜?」
「わ、こいつ酒臭い!」
「誰だ〜コイツに酒飲ませたの〜〜!!」

39 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:35 [ cCGsZJ3A ]
「あなたにメテオ〜 ∩ヮ^*) 」
―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

「「「「「わ゛〜〜〜〜〜〜!!!!!?」」」」」

「う、わ、隕石、隕石隕石隕石〜!! ハッ、そうだガイバン、フルスイングだ!!!」
「よ〜し! ってあんなの打てるか〜〜〜!!!」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!(・∀・)」
「こら〜! 笑ってないで手伝え〜!!」

「詩聞く気あんのかお前ら!!! 何しに来たんだ!!!」
「それどころじゃねえだろうが!! このキノコ!!!!」
「キノコ言うな!!!」

GM「街中で古代ぶっ放してる香具師がいるのはここですか?」

「てめえらこれ以上店壊すつもりなら出ていけぇ!!!!!!!!」
とうとうキレたマスターの声が虚しく響いた。


―――――ここは喧騒絶えぬ、ジュノ大公国。
     久しぶりに再開した冒険者達の宴会はまだまだ続きそうだ。

                         fin

40 名前: 「誓いの詩」作者 投稿日: 2003/07/23(水) 16:36 [ cCGsZJ3A ]
我ながら長すぎwwwこれは修正されるねwwwwwww

41 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/23(水) 16:39 [ nC4cqvzg ]
いや、よかったよ
リアルタイムで一気に読んだ

しいて言えば、登場させる料理の名はヴァナにあるものにしていただけると
(キュスの照り焼→キュスの香草焼など
調理人としてはありがたいのですが

42 名前: 「誓いの詩」書いてる人 投稿日: 2003/07/24(木) 00:29 [ QsPtQlm6 ]
>>前スレ987 せめて一回読んでから言ってください。プロじゃないんで稚拙な文章も多いけどね………。
       こっちにもうpしてんのは圧縮ファイル見れない人の為であって。
       文句も意見もとりあえず一回読んでから書いてください。

>>41 あんまり調理に詳しくないから^^;
   今度からお伺い立てます。色々教えてください。

43 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 00:37 [ T2ya3idw ]
>>42
まぁ、職人さんも読んでるってことで。
合成・生産板の調理スレに行けば、総合サイトにたどり着けるかと。
あそこなら新情報も入るの早いと思うんで、参考になるかと思いまっす。

キノコマン見てみたい(・∀・)

44 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 00:54 [ FwCV/O7Q ]
きのこー(・∀・)

45 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 03:05 [ z.n7gdVQ ]
>>42
感想よろしく言うなら感想を述べます。
いちいちageてんのがウザイ。なんかこう、好感を持てない。
設定が腐女子臭くて読む気が失せる。
自分語りのときにつける顔文字がだんだんキモく見えてきた。
それでも読んでみた。
自己満足の文で面白くない。特にギャグ(番外編)
いちいち、感想よろしくいってんのがウザイ。
教えろ言う前に調べろ。すぐわかるだろう。

46 名前: 1/3 投稿日: 2003/07/24(木) 03:24 [ HEHG71z2 ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「私ね、前から不思議だなぁって思ってたの。」
「にゃ?」

「ホラ、アレって普段はスゴク柔らかそうなのに、
トキドキぴーんってなるよね?どういう仕組みなのかな?」
「にゃ。」

「ね?どんなとき、ぴーんってなるのかな?
やっぱり、興奮したときなのかな?」
「うにゃ。」

「ね?ね?だからお願い。ちょっとダケ、尻尾さわらせて欲しいの。」
「ふにゃ・・・。」

にゅぅにゅぅ。
さっきから、この調子なのにゃ。
困ったのにゃ。

「イヤなのにゃ。アタシの尻尾は、おもちゃじゃないのにゃ。」
「あ〜ん。そんなこと言わないでよ。ちょっとダケ。」

47 名前: 2/3 投稿日: 2003/07/24(木) 03:26 [ HEHG71z2 ]
「イヤですにゃ。他の人に頼んでにゃ。」
「あん。だから、他に頼める人なんていないもん。ホンノちょっとダケ。」

「ふにゃ・・・。じゃ、ちょっとダケにゃ・・・。」
「わ、イイの?!ありがとう!」

「しょうがないのにゃ。」
「じゃあ、えい!」

にぎ!

「にゃ!イタイにゃ!もっと、優しく触ってにゃ。」
「あ、ごめん。えへへ。じゃあ、こうかな?」

つんつん。ふわ。さわ。

「ふにゃ!くすぐったいにゃ!」
「あ、ごめん。そっか、感じるんだぁ。どきどき。」

つつぅ。くく。きゅう。

「ふにゃ!・・・にゃ。」
「あは。面白い。周りは柔らかくて、芯があるんだぁ。ふうん・・・。」

きゅう。きゅ。きゅう。

「ひにゃ!ひぎ・・・うにゃ。」
「あ!ぴくんって動いた!スゴイ、スゴイ!」

48 名前: 3/3 投稿日: 2003/07/24(木) 03:27 [ HEHG71z2 ]
しゅる。すすす。きゅうう。

「うぅぅにゃぁぁあんにゃ。も、もうダメにゃ!おしまいにゃ!」
「え〜。もうちょっと・・・。ダメ?」

「はぁはぁ、ダ、ダメにゃ・・・。」
「あ〜ん。でも、まあ、イイかな?えへへ。
これで疑問もすっきりしたの。ありがとう。」

「ど、どういたしましてなのにゃ・・・。」
「えへへ。」

「にゃ?どうしたのにゃ?なんで笑ってるのにゃ?」
「あ、あのね。じつは、もうひとつ気になることがあるの。」

「にゃ?!」
「その、お耳。ぴくぴく動くよね?スゴイ不思議だなぁ〜。」

にゅぅにゅぅ。
ヤバイのにゃ!
なんだかよくわからないけど、
ヤバイ毛センサーが反応してるのにゃ!
こんなときはアレにゃ!

「兵法三十六計にゃ!」
「あ!逃げた!」

49 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 03:37 [ GDXQ5Mw6 ]
>>45
まあ、そうケンカ腰にならずに、マターリいこうよ。

50 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 11:59 [ t9iHrT4k ]
age無いで欲しいのは同意かな。
オレからの要望はそれだけ…

ほら、夏だから色々とNMポップするし…

51 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 12:21 [ v5kSz1Mw ]
テンプレが見つからなかったので.....前々スレ970以降から引用

小説のせるのは個人の自由。
読まないのも自由。
載せないのも自由。
感想(肯定的&否定的)を載せるも自由。

作品の空気が壊れるため、冒頭or最後に補足説明や感想要望は書かない方がイイ

スレの荒れように嫌気がさして作品UPをやめた方もおられます。
マターリでお願いします。

52 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 14:18 [ j2WHVgmo ]
>>51
わかったからageないでくれ(´Д`;)

53 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 17:00 [ fEJ1/Z8s ]
>>51
いまさらそんな話を蒸し返すなよ・・・マタアレル(;´Д⊂

54 名前: 「誓いの詩」書いてる人 投稿日: 2003/07/24(木) 17:48 [ 6WU9Q8rI ]
わかりました。sageます。あと補足等(顔文字もね)載せるのも自粛します…。

55 名前: 「誓いの詩」書いてる人 投稿日: 2003/07/24(木) 18:09 [ 6WU9Q8rI ]
あ、でも設定が腐女子臭いってのはいったい……

56 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 18:32 [ 1fuPgcVI ]
やおい系って事か?

ショタ系って事か・・・
どっちにしても脳内で、勝手にそうなっているだけって事か

57 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 18:46 [ 7AhBil9w ]
個人的にはまとめサイトにUPするか、
こっちにUPするか統一して欲しいんだが。

しかし、圧縮ファイル見れない人っているの?
・・・PSとかか?

58 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 18:57 [ BbVJ5WeQ ]
キャラ設定は、、、

 【ユダ】エルヴァーンF2♂、髪A、戦士/モンク
いいひと。一応(?)主人公。
 【コルク】タルタルF6♂、髪B、黒/白
チビ、マメ、小さい等の言葉に以上に反応しマス。
 【エレナ】ヒュームF3♀、髪A、白/召
スーパーウルトラ級天然お姉さん。
 【キリト】ヒュームF3♂、髪A、暗/忍
女好きのナンパ兄さん。
 【ガイバン】ガルカF6、髪B、モ/侍
通称「おッさん」。本人はこのあだ名を嫌がってる。
 【リュート】エルヴァーンF7、髪B、狩/シ
キリトLOVE。なよなよ君。射撃の腕は一流。

↑これか?

59 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 20:17 [ l4R9Dz6k ]
誉めてくれなくても俺はいいけど…
一人の作家を叩くと他の作家さんも
気が萎えたり、バカらしくなって止めたりするので
こういう空気はこまるなあ…

60 名前: 「誓いの詩」書いてる人 投稿日: 2003/07/24(木) 23:47 [ Uxo.UiyI ]
>>56 そういうつもりは全く無いんですが…
>>57 わかりました、統一します。
>>59 思いっきり自分が荒れる要因になってますね…すいません。

61 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/24(木) 23:48 [ 6dLhtHdA ]
>>59みんなそう思っているよ、だからブリかえさないでね

62 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/25(金) 01:21 [ 6s6YxCXs ]
放置覚えてね・・・フラッシュ板半分死んでたのしってんでしょ?

63 名前: 1/3 投稿日: 2003/07/25(金) 02:06 [ XWsLx8wQ ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「夏にゃ!水着にゃ!海水浴にゃ!」

にゅぅにゅぅ。
今日は友達と海水浴に来たのにゃ。
まぶしい太陽、焼けた砂浜、透明な海、
くぅ〜、夏がアタシを呼んでいるのにゃ!

「ウインの海は、アタシの海にゃ〜。
アタシの果てしない、あこがれなのにゃ〜。」

にゅぅにゅぅ。
もうアタシはゴキゲンなのにゃ。
今日のアタシの水着は、紅いビキニなのにゃ。
腰のところの紐が上手く結べなくて、ちょっと大変だったのにゃ。
でもこれで、みんなの視線はアタシに釘付けなのにゃ。
ちょっと・・・カイカン・・・なのにゃ。
それにしても、友達がまだ来ないのにゃ。
お着替え手間取ってるのかにゃ?

64 名前: 2/3 投稿日: 2003/07/25(金) 02:07 [ XWsLx8wQ ]
「あ、見つけたにゃ!ココにゃ!ココなのにゃ!」
「あ、ごめん。ココだったんだ。ごめんね、ちょっと迷っちゃった。」

「そうにゃ?でも、会えたからOKなのにゃ。」
「あ、うん。そうだね。」

「にゃ。その水着、可愛いのにゃ〜。」
「あ、うん。そうかな?ありがとう。えへへ。」

にゅぅにゅぅ。
今日の友達の水着は、白のセパレートなのにゃ。
腰のパレオがキュートなのにゃ。
清潔感があって、とっても上品なのにゃ。

「スゴイにゃ。可愛いにゃ。似合ってるのにゃ。」
「うん、ありがとう。でも、そんなに見つめないで、恥ずかしいよ〜。」

「そんなに恥ずかしがらなくてもイイのにゃ。
どこから見ても可愛いから大丈夫なのにゃ。」
「あん、もう。」

65 名前: 3/3 投稿日: 2003/07/25(金) 02:08 [ XWsLx8wQ ]
「にゃ?アタシはどうにゃ?水着、似合ってるにゃ?」
「あ、うん。そうだね・・・大胆というか・・・過激というか・・・。」

「にゃ?」
「あ、ほら、私、ウインの海は初めてだから、
そういうの、あんまり見たことなくて・・・。
バスの海では、そういう人いなかったから、
見慣れてないダケだと思うの。
ウインの人は自由というかなんというか、
そういうの、あんまり気にしないんだよね?」

「ふにゃ?」
「あ、うん。可愛いよ?似合ってる?と思うよ・・・。」

「なんだか、はっきりしないのにゃ?どうしたのにゃ?」
「あの・・・えと・・・。
トップレスっていうんだよね?そういうの・・・。」

「にゃー!はやくイッてにゃ〜!」
「え?あ、えと、違うの?」

「違うにゃ!恥ずかしいにゃ〜!」

66 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/25(金) 04:21 [ 1fuPgcVI ]
なんか誘拐されそうな勢いだな

そこへサブリガ仮面が・・・ッ!?

67 名前: 「誓いの詩」書いてる人 投稿日: 2003/07/25(金) 18:41 [ .S4K/uEE ]
皆さん、荒れる要因を作ってしまって申し訳ありませんでした。

>>58
まあ、あんな書き方すれば語弊を招くのは当然ですね…
リュートは強いキリトに憧れる、みたいな設定にしたかったんです。
今思えば、『キリトLOVE』っていったい……

書き始めてしまった以上、完結させるのは義務と思っています。
稚拙な表現も多いと思いますが、最後までお付き合いください。

あと、自己満足な文ってのは、プロじゃないんで勘弁して下さい。なるべく善処しますので。
指摘された点(自分語りウザイ、顔文字ウザイ、うp統一、sage等)は今後気をつけます。

気分を害された方も多いと思います。ご迷惑お掛けしました。

68 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/25(金) 19:30 [ 6dLhtHdA ]
>>67
頑張れよ〜

69 名前: 1/3 投稿日: 2003/07/26(土) 02:01 [ HTTTSIis ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「アタシ、思うのにゃ。」
「ん?どうしたの?」

「冒険者たるもの、一度はドラゴンを倒すべきなのにゃ。」
「そうなの?」

「そうなのにゃ。ガードのおねいさんに聞いたのにゃ。
冒険者は、ドラゴンを倒して一人前なんだそうにゃ。」
「あ、そうなんだ。」

「という訳で、アタシ達もそろそろ冒険者として、
一人前と認めてもらうのにゃ。」
「それって、つまり、ドラゴンを倒しにイクってことかな?」

「そうにゃ。」
「そうなんだ・・・。」

「大丈夫にゃ。もうアタシ達は立派な冒険者なのにゃ。
いままでやってきたことを思い出すのにゃ。
ほら、コンシュタット高地での、錆びた刀で樹を切る修行にゃ。
辛く永い修行だったのにゃ。思い出しても涙がでるのにゃ。」

70 名前: 2/3 投稿日: 2003/07/26(土) 02:02 [ HTTTSIis ]
「あれ?そんなことしたっけ?えっと・・・。
クエスト・・・アルバイトとか、合成とか、
あとは釣りとかだったと思うケド?」

「とにかく、もうアタシ達は実力十分なのにゃ。
ドラゴンなんて、勝負パンツはいて、一撃でクリア〜なのにゃ。」
「えと、それはナイト思うよ・・・。」

「それに、ドラゴンを倒せば、きっと国民的英雄なのにゃ。
唄って踊れるアイドル召喚士の誕生なのにゃ。」
「アイドルなんだ・・・。」

「という訳で、ドラゴン倒しにイクのにゃ。」
「でも、ドラゴンなんて見たことないし、
どこに住んでるとか聞いたこともないよ。」

「大丈夫にゃ。ちゃんと調べてあるのにゃ。」
「そうなの?」

「世界中に散らばった7個の球を集めて、
呪文を唱えるとドラゴンが現れるのにゃ。」
「え?それ、ホント?」

71 名前: 3/3 投稿日: 2003/07/26(土) 02:03 [ HTTTSIis ]
「ホントにゃ。」
「・・・。」

「にゃ?どうかしたのにゃ?」
「ごめんね。」

「にゃ?」
「お願い!夢から覚めて!ブレインシェイカー!!」

ドゴ!

「ふぅ〜。どうかな?寝ボケてたみたいだケド、目が覚めた?」
「はいにゃ・・・。目がサメマシタにゃ・・・。」

にゅぅにゅぅ。
クリティカルヒットなのにゃ。
ちょっとボケてみたダケなのにゃ。
なのに酷いにゃ。かなり痛いにゃ。

「悲しくないのに、涙が出ちゃうにゃ。」
「ズキズキ、恋わずらい?」

「多分・・・違うにゃ。」

72 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 09:19 [ 1fuPgcVI ]
7つ集めて願いをかなえに行く旅に出るのかと思ったら…

なら、次は金なら1枚銀なら5枚の番か・・・?

73 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 09:50 [ 6dLhtHdA ]
週末神降臨期待age

74 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 09:54 [ 6dLhtHdA ]
age

75 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 13:29 [ p0OgsMJ6 ]
タル戦と白きの続き期待age

76 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 13:32 [ NsNF.rF2 ]
闇を背負うものと名無しの話、期待age!!!!!!!!!!!!

77 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 16:07 [ s7ZpOkjw ]
>「悲しくないのに、涙が出ちゃうにゃ。」
>「ズキズキ、恋わずらい?」

味噌煮込み茄子!!

78 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 18:29 [ 5N4wLZI6 ]
「勝負パンツはいて、一撃でクリア〜」
「唄って踊れるアイドル召喚士」

書いてる奴は相当なオタだなぁ…
何人がネタわかるんだか

79 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 18:36 [ 4/w7hU3o ]
そろそろ樽戦が読みたいので期待age

80 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 18:37 [ 4/w7hU3o ]
名無しの話も期待

81 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 19:00 [ 6s6YxCXs ]
>「唄って踊れるアイドル召喚士」
これはユウナだがw
>「勝負パンツはいて、一撃でクリア〜」
何ネタ?

82 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/26(土) 20:36 [ 5N4wLZI6 ]
「一撃でクリア」
でぐぐれ。直ぐに出てくる。

83 名前: 1/3 投稿日: 2003/07/27(日) 02:07 [ X2PKPOUY ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「にゃ〜。今日も楽しかったのにゃ。
さ、ヤグードが鳴く前に、お家に帰るのにゃ。」
「あ、うん。そうだね・・・。」

「にゃ?どうしたのにゃ?元気ないのにゃ?」
「あ、うん。あのね、お家に帰る前に
ちょっと寄りたいところがあるの。イイかな?」

「もちろんイイにゃ。」
「ありがとう・・・。」

にゅぅにゅぅ。
なんだかヘンなのにゃ。
なんでかにゃ?

「ここにゃ?公園にゃ?」
「うん。この公園だよ。ね?覚えてる?」

「にゃ?」
「この公園は、私達が初めて逢った場所・・・。」

「そういえば・・・そうなのにゃ。」
「うん。あのときの私は、引っ越してきたばかりで、
右も左もわからなくて、心細くて泣きそうだった。」

「にゃ。」
「そんなとき、アナタに声をかけられて、
ホント、びっくりした。そして、うれしかった。」

84 名前: 2/3 投稿日: 2003/07/27(日) 02:08 [ X2PKPOUY ]
「にゃ・・・。」
「あのときから、私を助けてくれて、ありがとう。」

「それは、アタシも同じなのにゃ。
アタシもいっぱい助けてもらってるのにゃ。
だから、アタシからも、ありがとうなのにゃ。」
「あ・・・うん。それでね・・・。
私、今度、サンドリアに引っ越すの・・・。」

「にゃ?!ホントなのにゃ?!いつなのにゃ?!」
「うん。本当。明日・・・。だから、今日でお別れなの・・・。」

「突然すぎるのにゃ!ひどいにゃ!」
「ごめんなさい・・・。なかなか言えなくて・・・。」

「そんにゃ・・・。」
「ごめんね・・・。」

にゅぅにゅぅ。
こころが、重いのにゃ。
胸の中に、黒いモヤがあるのにゃ。
そのモヤが、アタシの時間を止めたのにゃ。
なにも考えられない、考えたくないのにゃ。
でもにゃ・・・。
アタシの中の時間は止まっても、
アタシの外の時間は止まらないのにゃ。
だから、アタシの時間も動かさなきゃダメなのにゃ。

85 名前: 3/3 投稿日: 2003/07/27(日) 02:09 [ X2PKPOUY ]
「お別れ・・・じゃないのにゃ。
いままでも、これからも、どこにいても、アタシ達は友達なのにゃ。
だから、サンドリアに引っ越したとしても、また逢えるのにゃ。」
「うん・・・。そうだね・・・。そうだよ・・・。」

にゅぅにゅぅ。
なんだか、目がウルウルしてきたのにゃ。
でも、まだダメなのにゃ。
ここで、涙は見せられないのにゃ。

「だから、さよならは言わないのにゃ。また、今度なのにゃ。」
「うん。また、今度。」

にゅぅにゅぅ。
それから、アタシはひとりで、お家に帰って来たのにゃ。
いまはお部屋のベッドに、バタンしてるのにゃ。
そして、マクラに顔を押しつけてるのにゃ。
これで大丈夫なのにゃ・・・。

/cry
/cry
/cry

にゅぅにゅぅ。
あれからしばらくたったのにゃ。
またアタシは公園に来たのにゃ。
誰もいないのにゃ。
でもにゃ・・・。

「アタシは元気なのにゃ!今日も冒険なのにゃ!」

86 名前: +1 投稿日: 2003/07/27(日) 02:10 [ X2PKPOUY ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「にゃ〜。今日はどんな冒険しようかにゃ〜?」

「こんにちは!」
「にゃ?!」

「こちら、サンドリアから引っ越してきたばかりの、
ヒュームの女の子です。もし良かったら、いっしょに冒険しませんか?」
「なんでにゃ?どうしてにゃ?」

「えへへ。戻ってきちゃいました。
それより、また、いっしょに冒険してくれる?」
「も、もちろんにゃ!」

にゅぅにゅぅ。
また、アタシ達の冒険が始るのにゃ。
アタシ達の冒険は、まだ終わらないのにゃ。

87 名前: 0/0 投稿日: 2003/07/27(日) 02:12 [ X2PKPOUY ]
トツゼンデスガ。

これにて『ミスラ譚!』閉幕です。
皆さま、色々と、ありがとうございます。

それでは、また。

88 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 02:28 [ BH3nVKx6 ]
オツカレ〜。
惜しみのない拍手を送ろう。/clap

89 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 02:30 [ Bpl1.Ucs ]
うおぉ、マジか

90 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 03:25 [ BbVJ5WeQ ]
ガーン。
でも、
ありがとう。最後まで書いてくれてありがとう。
こんな風に荒れてしまった中でも続けてくれてありがとう。
感謝。
荒れてしまってごめんなさい。
本当にありがとう、おつかれさまでした。

91 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 06:01 [ NH3/P28Q ]
Σ(゚д゚;)

92 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 09:29 [ Wfm24j/M ]
どんなに荒れてても毎日続けてくれた作者たんに /clap・・・

おつかれさまっした!

93 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 17:11 [ JMybDBWU ]
もつかれ。
そしてありがとう。
/clap
/em は『ミスラ譚!』の作者に惜しみない拍手を送った!

にうにう♪

94 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 18:31 [ /Gt36qps ]
ageとく(´・ω・`)

95 名前: 闇を(仮 の作者 投稿日: 2003/07/27(日) 18:36 [ hEirLUos ]
>>87
お疲れ様でした。そして有り難う御座いました!
またどこかで書いてください。楽しみにしてます。/clap

96 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 19:21 [ qc94GNBo ]
そういえば最終回までいったのって珍しいね。

97 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 21:04 [ t9iHrT4k ]
なぬっ
『ミスラ譚!』作者様お疲れ様。
ペース崩さずにupしてくれてありがとうございます。
/clap

98 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 22:30 [ 5zVR6qnk ]
ミスラ譚の作者さま、お疲れ様! /clap

そしてタルタル戦士読みたい。。。

99 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/27(日) 23:12 [ 7XwZjjy. ]
初の完結した作品だな。
おつかれさまでした。

ミスラ譚の作者先生の次回作にご期待ください!!

100 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 02:20 [ qasi.pLw ]
おいおい騎士手紙を忘れるなョ。
続編連載中だけど。

101 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 09:41 [ gqUK3w/g ]
それはそうと細い兄弟まだ〜?

102 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 10:39 [ 7YCC47.s ]
試しに小説書いてみたんですがへたくそでアップできるような状態じゃないです(´・ω・`)

103 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 10:54 [ MRUOrZ9k ]
>>102
人に見られながら上手くなるのじゃよ

104 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 11:12 [ 7YCC47.s ]
>>103
なるほど。
読みにくい部分とか直したらあげてみます。

105 名前: 1 投稿日: 2003/07/28(月) 16:27 [ 7YCC47.s ]
書いてみました。

陽の出づる所
-第一話- 「決意」

西ロンフォールに一人のタルタルがいた。
彼の名前はフィル。
サンドリアのランク1の駆け出しの冒険者である。

フィルはひたすら修行に励むために西ロンフォールで、狩りを続けていた。
敵を倒しては、また手頃な敵を探し、という繰り返しであった。

フィルが狩りを初めてから頃、彼は慣れのせいかついつい周りを見ずに、兎に攻撃しにいってしまったのである。
案の定、彼の後ろからオークがフィルに気付かれないように近づいてきていた。
一歩一歩、着実にオークはフィルの後ろへ向かって来ている。
フィルは狩りに夢中で気付いていない。
オークがフィルに攻撃をしかける。
途端にフィルの背中に激痛が走りだした。
フィルは後ろを確認してみた。
フィルの後ろではオークがフィルに攻撃をしているのであった。
(うわ、やばい…)
フィルの体力がどんどん削られていく。
ついに、フィルはその場にうずくまってしまった。

このとき、フィルの脳裏には「死」という文字がよぎっていた。
(おで、死ぬのかな…?)

106 名前: 2 投稿日: 2003/07/28(月) 16:28 [ 7YCC47.s ]
彼が死を覚悟した瞬間、フィルは目の前が光ったのを見た。
フィルには何が起きたのかわからなかったのである。
何が起きたかを考える前に、彼は生きていたのである。
彼の目の前には死んだオークと、兎が倒れていたのであった。

(助かったぁ…)
フィルは助かった安堵感からか、たちまちその場に座り込んでしまった。

フィルは前方を見上げてみると、一人の女性のヒュームがこっちを見て微笑んで立っていた。
「おでを助けてくれたのか…?」
彼女をじっと見つめてから、フィルが尋ねた。

「そう。危ない所だったね」
「助けてくれてありがとう。おで、死ぬかと思ったよ」
フィルは彼女に深くお辞儀をしながら言った。

フィルは改まって彼女をよく見ると、ウィルが昔、呼んだ本にでてきた、東方の国の剣士にそっくりな装備をしていた。
(たしか、東方の国の剣士は「侍」っていったはずだ)

107 名前: 3 投稿日: 2003/07/28(月) 16:30 [ 7YCC47.s ]
「どうしたの?」
フィルが彼女と目が合った途端、彼女が言った。
「いや、その装備、おでが読んだ絵本にでてきた、侍の装備にそっくりだと思って」
「これはその通り、侍の装備だよ」

これを聞いて、ウィルは動揺を隠せなかった。
彼の頭の中では侍というのは想像上の物でしか無かったからである。
それと同時にフィルは安心をした。
なぜかというと、彼は侍に憧れていたからだ。
侍になるために、ウィルは、戦士というタルタルには厳しい前衛の道を選んだのである。

「おでにも侍というのになれるか?」
フィルは思い切って、聞いてみた。
彼女はしばらく考えた様子だったが、こう答えた。
「だれでもなれるけど…」
「けど?」
ウィルは即座に聞き返した。

108 名前: 4 投稿日: 2003/07/28(月) 16:31 [ 7YCC47.s ]
「試練を受けなくちゃいけないの…」
「試練!?」
「そう、厳しい試練が待ってるの…」
「それはどこで受けられるんだ?」
「エルシモ地方にある、ノーグという街で受けられるわ」

ノーグ… その名前は駆け出しの冒険者であったウィルでさえ知っている。
フィルは、ノーグという街については悪い噂しか聞いたことがない。
海賊船の話や、天晶堂の話など…。

しかし、フィルには迷いがなかった。
ずっとなりたいと思っていた侍の手がかりがやっと見つかったからだ。

そして、彼女にこう言った。
「おで、絶対に侍になるよ」
「がんばってね。あ! サンドリアに用があったから、急がなきゃ!」
「あ、あとおでに、名前教えてくれないか? おでの名前はフィル」
「私の名前はハルっていうの。また会えるといいね」

そう言って、ハルはフィルに手を振ってから、霧の中へと消えていった。

フィルの冒険はここから始まったのである。

109 名前: 「誓いの詩」書いてる人 投稿日: 2003/07/28(月) 18:05 [ AhmbO6iw ]
あああ!ミスラ譚が終わってる!
楽しみにしてたので寂しい気もしますが…作者様、お疲れ様でした^^

110 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/07/28(月) 19:26 [ woWxfMtA ]
元ネタ→ http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1056433361/

元鉱山夫日記

【7:12】チリリの笑い声で起床。まだ眠い。歯はみがかない。ヴァナには歯ブラシがない。
【7:22】朝食のかわりにガルカンソーセージをつめる。ガルカはデカイ。イヤになる。
「レベル上げに行っておいで」ビアナナの言葉だ。うるさいんだよ。俺は冒険者じゃないただの鉱山夫なんだよ。
「気を付けて!」うるせぇんだよこのビアナナが。
【7:35】ダルいレベル上げ出発。グスタではうるせぇ亀がわめいている殺すぞ。
【7:43】「助けて〜!」チリリが叫んでいる。俺にどうしろっていうんだ。
【7:50】チリリ救出。ビアナナにバイオを入れられたらしい。うだつの上がらない奴だ。
【8:03】今日は曇りだ。気分が盛り上がらない。早く鉱山へ帰りたい。
【8:46】ビアナナがニヤニヤしている。
【9:30】早朝レベル上げ終了。
【9:40】帰宅。

111 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/07/28(月) 19:27 [ woWxfMtA ]
【9:45】お腹がすいた。ガルカンソーセージを詰める。また図体がデカくなる。
【10:11】みんなで談笑。ビアナナの笑い声にいらつく。
【11:20】ジェニ(故) 登場。
【11:22】「仲間が出来たら、連れてきてね!」 死んでいるのにしつこい奴だ。呪うつもりか。
「……ああ、わかった。」本当はどうでもいい。ラオグリム早くこい。
【11:40】ボギーに襲われる。HP吸収。ゲージが赤くなって力が出ない。
【11:42】「バラド大丈夫〜!」チリリだ。タイミングが良すぎる。どこから見ていたんだ?
【11:43】「あなた(ボギー)にケアル〜!」さようなら、砂丘の闇の主ボギー、こんにちは砂丘の闇の主グール。ビアナナがニヤニヤしている。
【11:45】「いくぞ!パワースラッシュ!!」ただ振り下ろしただけだ。
「カタカタカタ…!」骨の崩れる音には飽き飽きしている。
【11:49】戦闘終了。「大丈夫か?」格好だけ聞いてみる。
【11:53】何故かウィンダスからゴールドスカルが来た。「バラド!助けに来たぞ!」遅すぎる。帰れ。うだつの上がらない奴だ。

112 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/07/28(月) 19:28 [ woWxfMtA ]
【12:30】帰宅。鉱山前で犬が親方の首を食べていた。ビアナナがニヤニヤしてこっちを見ている。
いやがらせか?殺すか?
【12:42】昼食のかわりにやっぱりガルカンソーセージを詰める。そこのチビども、ガルカを獣人だと思っているのか。
【13:12】「レベル上げに行っておいで」ビアナナの言葉だ。もうかよ。早えんだよ。
【13:35】またもやダルいレベル上げ出発。
親方を平らげた犬が、グスタの山ですやすや眠ってやがる。蹴ったろか。
【13:50】ザイドと合流。俺達はどうも冒険者の本分を超えてる気がする。
【14:01】チリリがまた叫んでる。ビアナナにバインドを入れられたらしい。
ビアナナはチリリに恨みでもあんのか?
【14:43】雨が降ってきた。鉱山が崩れるとかなわんので切り上げる。どうせバストゥークにリージョンなんかねえよ。
【14:48】昼のレベル上げ終了。
【15:05】帰宅。やはりビアナナがニヤニヤしている。

113 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/07/28(月) 19:29 [ woWxfMtA ]
【15:30】みんなで談笑。語り部を追ってグンバが来やがった。暇なガキだ。
【15:50】転生の旅に出たはずのウェライが登場。お前らどっちも要らねぇよ。
【16:02】ゴブリンがビアナナを人質に取りやがった。
「やめろ!ビアナナを離すんだ!」主人公の片割れがいなくなっちゃ話が無くなるからな。あれ?チリリは?
【16:10】ボギーに襲われる。アイススパイク。尻尾が凍って力が出ない。
【16:32】「バラド大丈夫〜!」チリリだ。いつの間にどこへ逃げてやがったんだ。
【16:33】「あなた(ボギー)にケアル〜!」さようなら、砂丘の闇の主ボギー、こんにちは砂丘の闇の主グール(鎌持ち)。
【16:35】「いくぞ!パワースラッシュ!!」やっぱただ両手剣振り下ろしただけ。
「カタカタカタカタ……!」首ごと飛んでってやんの。お前のサレコウベ、サポ取りの奴にでも活かせよ。
【16:39】戦闘終了。たまには負けてみたい。レイズ3ない奴は臼。
【17:53】またウィンダスからゴールドスカルが来た。「バラド!助けに来たぞ!」遅い。遅すぎる。うだつ(略

114 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/07/28(月) 19:30 [ woWxfMtA ]
【18:30】晩飯。ガルカンソーセージを詰めたと思ったら、羊肉じゃなくてクァールだった。俺はエル女じゃねえよ。
【19:45】風呂に入る。尻尾が濡れないように気を遣う。
【20:30】チリリやビアナナと談笑。眠みいよ。
【21:00】就寝。明日もまた同じ一日だ。


本編は来月書きます。

115 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 22:08 [ qf4EHESU ]
>>110-114
そのスレでやればどうかと思うが。
というか、面白くなかった。すさむ内容だ…。

116 名前: 空に奏でるの人 投稿日: 2003/07/28(月) 22:18 [ woWxfMtA ]
そうですね……ごめんなさい。調子にのり過ぎました。猛省します。

117 名前: 今のトコ無題。 投稿日: 2003/07/28(月) 22:50 [ q0lrfn9A ]
サンドリア大聖堂前。
「はぁ、、、。なんでこんなことになってんだよ、、、俺。」
彼の名はグラン。エルヴァーンのナイトだ。
ことの起こりは昨日
幼馴染のヒューム。−名をライズという−
にプロポーズをした所から始まる。
「俺が守ってやる!だから侍なんかやめて、、」
ここでいきなり斬りかかられる。
咄嗟にインビジを使ってなければ死んでいたかもしれない。
「な、、!何するんだよ!?」
「貴方が暗黒、私が侍になるって言ったじゃない!約束したでしょ!?
いつか二人で四国一のアタッカーになるって!!私は信じて侍になって
上げて上げて上げて上げて!花車まで覚えたのに!貴方は何!?
硬いナイトで!?まだ、かばう、も覚えてないってどういうこと!?
何が守ってやる!!よ!明後日までに暗黒騎士で暗黒を覚える事!!
できなかったら結婚はなし!!!」
と。彼女はダークブリンガーを残し、何処かへと行ってしまった。

118 名前: 今のトコ無題。 投稿日: 2003/07/28(月) 22:57 [ q0lrfn9A ]
「はぁ、、、餓鬼の頃の話まだ覚えてたのか、、、」
正直、振られるのは嫌だ。
「はぁ、、、この灰色の剣を?漆黒になるまで敵を切れと、、」
結婚のため、何より自分の命のため、俺は雑魚を狩に出かけた。
>>>
駄文すいません。、、、初投稿です。
訂正:ダークブリンガー>カオスブリンガー

119 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 23:20 [ bBgUWcJc ]
ここ読んでるうちに漏れも何か書いてみようかと思った(`・ω・´)
するとふと、他の作者タンの作品の登場人物名を被らせたらヤバイなと気付いた。
けれども過去の全作品をすぐチェックする余裕無いし…困った(´・ω・`)

そこで他の優秀な読者タンにお願い。
今までに発表されてる作品の登場人物名を把握してたら教えてください。
多分だけど、漏れ以外の今後作品を書くつもりのヤシの参考にもなると思うから。
ついでに物語のあらすじとかも教えてくれるともっと嬉しい。お願いします。超お願いします。

例)『作品名』登場人物●●、××、▲▲。あらすじ…タル戦士の冒険記。

120 名前: 119 投稿日: 2003/07/28(月) 23:23 [ bBgUWcJc ]
優秀かつ超親切な読者タンが全作品のリスト作ってくれるの期待。
もしも誰もやってくれなかったら、いいだしっぺの漏れが今度調べて書いてみる(´・ω・`)

121 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/28(月) 23:50 [ 6s6YxCXs ]
ティナナ止めちゃったのかなぁ・・・

122 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 00:52 [ pRW6EBng ]
「慈悲を」

 第5話「届かない慈悲」

 (1/6)

 ひとりの王国剣士がその光景を見、愕然とした表情で叫んだ。
「隊長、娘がオークに捕われています!」
「なんだと」
 王国騎士の防具に身を包んだ男が、王国剣士が指差した方へと視線を向ける。
 そこには、紛れもなくオークがいた。
 そのすぐ脇に同族の娘もいる。
「デモアール、お前は娘の救出へ向かえ。片が付いたらこちらと合流しろ」
 瞬時にそう言い放つと、
「了解しました」
 王国剣士――デモアールは隊長に敬礼し、オークの方へと再び視線をやった。

123 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 00:53 [ pRW6EBng ]
 (2/6)

 「フンッ、俺の相手をするのに、雑魚しか残さないとはな」
 グバッツガッツは鼻息を荒くして、額から流れ出た汗を腕で拭った。
 眼前にいる男の顔を忘れるわけがない。
 自分を初めて打ち負かしたエルヴァーンが、そこにいた。

「よう。さっきは川に落ちて命拾いしたな」
 デモアールはそう言いながら、腰に差した鞘から刀剣を抜き放った。
 サンドリア剣と呼ばれる、サンドリアの刀工が独自に作り出した逸品である。

「なるほど。俺は川に落ちて助かった訳だ」
 苦笑を浮かべながら、グバッツガッツはぶつぶつと呪(まじな)いの言葉を唱え出した。
 阻止しようと、デモアールが動いた――が、先に止めたのはグバッツガッツの脇にいたシルエラであった。
「ダメよ、その身体で魔法なんて唱えたら、また傷口が広がって――」
「邪魔をするな」
 そして、再び詠唱をはじめる。

124 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 00:56 [ pRW6EBng ]
 のぁ、規制にひっかかった……。
 ちょっと待ってくださいまし(つ -`;)

125 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:03 [ ml0eihPI ]
登場人物なんて相当いるし、何より全作品は数が多くないか?
別に名前くらい被ってもいいんじゃないの。
実際被ったり、訂正した例もあるし。...俺気にしなさ杉かね?


ま、とりあえず空奏は懲りずに本編書いてくだちいって事だ。

126 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:05 [ vzdpXD5I ]
すまん 割り込んだ

127 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:13 [ pRW6EBng ]
再開します。>>126さん、とんでもない!

 (3/8)
 
 デモアールは、娘の顔を見るなり目を見開いていた。
「お前、さっきまでは遠くて見えなかったが、シルエラか!」
 びくり、と肩が跳ね上がり、シルエラは剣士の顔を見つめ返した。
「……デモアール」
 彼女が一番会いたくない人間だった。
 何故ならこの男は――彼女が心から愛していた男だったから。

「なにやってんだ、お前。ったく、今助けてやるから、そこ動くんじゃ――」
 そこまで言って、彼はまた愕然とした――今日はよく驚く日だ。
 シルエラが両手を広げ、グバッツガッツをかばうようにして前に出てきた。
「彼、怪我してるの」
「……はぁ?」
「彼、怪我してて戦える身体じゃないの。だから、見逃してあげて」

128 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:14 [ pRW6EBng ]
 (4/8)

 ――この女は何をしている? かばっているのが敵だっていうのがわかっているのか?
 エルヴァーンの剣士は、剣を娘に向けたまま固まっていた。

 ――この女は何をしている? 同族の目の前でこんなことをして、ただで済むと思っているのか?
 傷だらけのオークは、思わず呪いの言葉を止めて娘に視線を送り続けていた。

 両者が思うことはただひとつ。
 ――訳がわからない。


「シルエラ、お前、自分がなにやってるのかわかってんのか!?」
「もちろん、わかってる」
「そこを退け。誤解されかねんぞ」
「退かない。それでもいい」
 二人の男は、ひとりの女の行動が理解できず、どうするべきか考えあぐねていた。

129 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:17 [ pRW6EBng ]
 (5/8)

「なぜだ。なぜ、こんな真似をする」
 見るに見兼ねて、グバッツガッツが訊いた。
「あなたは怪我人で、私は白魔道士。それだけよ」
 はっきりとそれだけ答えた。
 最初に会った時よりも、随分と勇ましく見えるのはどうしてなのだろう。
「だが――、俺と貴様とでは種族も違えば、創造した神さえも――」
「それがなんだっていうの?
 白魔道士の役目は、傷ついて今にも倒れそうなひとを癒すこと。
 それが例え種族や神様が違っても、私たちは同じ“生命ある者”じゃない」

 グバッツガッツは言葉を失った。

130 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:18 [ pRW6EBng ]
 (6/8)

 種族が違っても――。
 それならわかる。
 女神アルタナの民たちが協力するように、自分たちプロマシアの民だって協力はする。
 だから、同じ者とは言えるだろう。

 だが、神が違っても同じなどとは、誰からも聞いたことがない。
 現にアルタナの民とプロマシアの民は理解しあうこともなく、遥か昔から延々と争い合っている。
 お互いにお互いが同じく等しい者だなんて、思ったことは一度もないはずだ。
 それが、決して終わることのない、プロマシアが与えた呪い。
 だのに、この娘は――。

 呪(まじな)いの言葉が耳を過ったのは、一瞬であった。
「な――」
 グバッツガッツの足が、まるで木の根の如く地面にくっつき、動かなくなった。
「これは、バインド……!」

「何やってるの、デモアール。さっさと片付けて」
 デモアールの後ろから、女の声が聞こえた。
 先の戦いで、グバッツガッツにバイオの魔法をかけた黒魔道士そのひとだった。
 その声で正気に戻ったのか、
 デモアールはシルエラを無理矢理に退かし、
 剣を振りかぶり、そのまま一気に振り下ろした。

131 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:19 [ pRW6EBng ]
 (7/8)

 血が、すべてを濡らした。
 肉を裂いた感覚は、たしかに剣士は感じていた。
 が、その目は信じられないものでも見ているかのようだった。
 実際、信じられないのも無理はない。

 剣は同族の背中を斬っていた。その同族は、オークをかばったのだ。

「正気じゃない――」
 チュニックを身につけた黒魔道士が、つぶやくようにして言った。

132 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:21 [ pRW6EBng ]
 (8/8)

 オークは、自分の腕を抱くようにして膝を落とす娘を見て、呆気にとられていた。
 娘は、微笑んでいた。
「グバッツ、ガッツ……。あなたに、女神の慈悲が、あります、よう、に――」
 吸い込まれるように、娘はオークの腕の中へと倒れた。
 次の瞬間、青白い光がオークを包み込んだ。
 何度も見たことがある。ケアルの魔法だ。
 だが、オークの傷が癒えることはなかった。
 アルタナの慈悲は、プロマシアの民には届かない。
「シルエラ……?」
 オークは、初めて娘の名をつぶやいた。
 今まで感じたことのない、この気持ちはなんなのだろう。
 傷口が広がるよりも、苦しい。胸の奥底が苦しいのは、なぜなのだろう。
 気がつけば、オークは魔力付与の魔法を早口で唱え、獣の咆哮をあげていた。

→続く

133 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:23 [ pRW6EBng ]
で、でけたー(汗
いきなり規制にかかるとは……不意打ちとは卑怯な!(自分が悪い

とりあえず、ミスラ譚の作者様、完結お疲れさまです!

134 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:28 [ ousfgf1c ]
>119
いいじゃん。かぶっても
ウィンダスクエの「ある愛の歌」に
同名でスペル違いのミスラがいたし

そう、読みは同じでもスペルが違うって事で
サックリ書いとけ?

135 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:38 [ pjjKrCgM ]
登場人物の名前を考えてる人は、トリビューンの初期に書いてあった名前講座を参考にしてみるのもいいかもね。

136 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:39 [ cFUrnjFg ]
タルタル戦士は夢を見る

第四十七話 闇との接触

―― コンシュタット高地 ――

草の上に仰向けに倒れて空を見上げる。今日はとてもとても綺麗な満月だ。
夜風が心地いい。夜露に濡れた花が、まるでクリスタルの様な輝きを放っている。
自分の手を掲げる。月の光に照らされて、赤黒く光っている。
掲げた手から、ぽたぽたと雫が落ち、頬をつたった。
…それは、とても異様な光景だった。巨大な雄羊が体中を切り刻まれ、その巨体を
自らを血の海の中へ沈めている。
そして、その血の海の中で仰向けに倒れているクリームがいる。
彼女も満身創痍といった状況であり、そこに倒れているのはダメージが大きく
起き上がれない…とうのが正直な所である。彼女は月を見上げ、ぼそりとつぶやいた。
「クレイ…あたい、殺したよ。前いってたでしょ?コンシュタットの大きな羊…
 ねぇ、ほら見てよねぇ。あたいが殺したんだよ…」

137 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:40 [ cFUrnjFg ]
がさり、がさり…草原の向こうから何かがやってくる音がする。
(獣人…?)
右手を伸ばして、剣を掴む。いつ襲い掛かってきてもいいように覚悟を決める。
(全く…いつもいつもわずらわしい!)
なんとか起き上がり、剣を構える。ここで死霊の仲間入りをするわけにはいかない。
「やるんだろ…!はやく来なよ!」

その影は、月の光に照らされて不思議なシルエットを形作っていた。
とんがった頭に、小さな体。背中には大きな鎌を背負っているようにも見える。
(違う…こいつは敵じゃない?)
影は不思議なシルエットを作っていた。そのサイズからして、タルタルというのは認識できる。
クリーム手から剣が剥がれ落ちる。安心感のせいか、全身の力が抜け、ばしゃりと血だまりに倒れた。
「やぁ、こんばんは…」
月の明かりに照らされて、うっすらと顔が見えてきた。
(……!)
クリームは絶句した。そう、その顔はバストゥークで分かれたトッパと瓜二つ、いや
そのものと言っても過言は無い。

「トッパ…?」

138 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:41 [ cFUrnjFg ]
タルタルは、雄羊の死体をじっくりと眺め、ふんふんと頷く。
「この羊は…君が仕留めたのかい?」
「そうだけど…だから、何?」
「へぇ…まだちょっと重荷になってる感じだけど、いいセンスをしている。名前は?」
そのタルタルまるで魔道士の様な格好をしている。
頭は魔道士が好んで装備するとんがり帽子。それに体にはローブを身にまとっている。
…色々種類があり、どれも似たような見た目なので正式名称は分からないが。
だが、小手や足には頑丈そうな黒い金属製の防具を身につけており、その組み合わせは不自然だ。
なんといっても彼女の視線を引き付けるのが、背中に背負った黒い巨大な鎌である。
タルタルの背丈以上のサイズを誇り、その分厚く、鋭利な刃は黒く不気味な光を醸し出している。

「あたいはクリーム。…で、あたいに何か用?」
「ボクはババドラバド。ながったらしいからババドでもラバドでも、好きな方で呼んでくれたらいい。
 どうせ、名前なんて大した意味を持たないからね。
 ああ、でも残念ながらトッパっていう名前じゃぁない。それだけは言っておくよ」

139 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:43 [ cFUrnjFg ]
ババドラバドは無言でしゃがみこむと、倒れているクリームの腕や足に手を添えた。
「…っ!」
「やれやれ、よくもまぁ勝てたものだね。これじゃあ、もしゴブリンや死霊に襲われたら
 ひとたまりもないな」
「だから…何?」
「うん、君は相当に強い魂を持っているようだ。だが、まだ体がその魂を受け入れる器じゃあない。
 まだまだ未熟…」
「だから…さっきから何が言いたいわけ?」
クリームはこのトッパに瓜二つなタルタル、ババドラバドに対して苛々しさを感じた。
言いたいことがあるのなら、簡潔にハッキリと言えばいいのだ。
「そうだね。君をここで死なせてしまうのは、同じ業を背負う者としては惜しい、といったところかな。
 …君に選択肢を与えよう。僕と一緒に来るか、それともここで死ぬか。…好きな方を選べばいい。
 ほら、よく周りを見てごらん?君の死の匂いを嗅ぎ付けて…」

140 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:44 [ cFUrnjFg ]
クリームは辺りを見回した。どうやらババドだかラバドだかは嘘を言っていないようだ。
二人の周りに、不気味な死霊が集まっている。狙いは勿論自分だろう。
「あたいは…ここで死ぬわけにはいかない…」
「そう、それが無難な選択肢なのかもしれないね」
ババドラバドはどこか嬉しそうに、背中に背負った黒い巨大な鎌を手に構えた。
「じゃあ…君に見せてあげよう。業の道を。…僕達に科せられた運命を、ね」


クリームには、ババドラバドの言う”業”という物が何なのか全く理解できなかった。
だが、只一つ分かることがある。この、トッパに瓜二つなタルタル…ババドラバドは
それまで自分が出会ってきた者達とは、何か別の違う世界の存在である、という事だった。
果たして、その世界がどのような物なのか…それはいずれ彼女も知る事となる。
その時には、彼女もその世界の存在となっているのだから。


                                      続く

141 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:46 [ pjjKrCgM ]
初めて生でキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

142 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 01:49 [ pzr7dn0s ]
タル戦キター(・ω・)

143 名前: 今のトコ無題。 投稿日: 2003/07/29(火) 01:52 [ q0lrfn9A ]
生タル戦士キターーーーー(゜∀゜)−−−−!!

144 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 02:03 [ pRW6EBng ]
これが生! キタ――――(゚∀゚)――――!!!

145 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 02:45 [ 3OH8Y56E ]
うわぁ〜鳥肌立った!キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

146 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 06:38 [ zVtv8fYE ]
暗黒タルか...よかった。暗黒ヒュム(サブリガ)だったらどうしようかと思ったw

147 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 06:52 [ wE.YosUE ]
タル戦キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

148 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 07:17 [ Bxi1AH/g ]
うひょーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

とうとうキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!! キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!! キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!! キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!! キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!! キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!


わっしょーーーーーーーーーーーい!!!!

149 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 08:05 [ oiI/glI6 ]
やべー
樽暗やりたくなったー

150 名前: 119 投稿日: 2003/07/29(火) 08:35 [ lNJc/2bc ]
>>134
そか。被ると他の作者タンがあんま快く思わないかなと思てたけど大丈夫かな。
アドバイスありがと、そうする(`・ω・´)

151 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 08:55 [ LsjVF4k6 ]
きちゃーーーーーーーーーーーーー
タル暗いいっ

152 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 09:09 [ 2DBu7/cs ]
うお!タル戦
キテタ━━━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━(  ゚)ノ━ヽ(  )ノ━ヽ(゚  )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ━━━!

153 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 10:09 [ 7YCC47.s ]
やっぱタル戦おもしろいですね〜
パパさんに見習って、僕も頑張ってみたいと思います。

154 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 11:05 [ 4kZ8lzlY ]
やっぱりイイ(゚∀゚)
ゾクってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

155 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 14:48 [ CjVjbi8s ]
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
やっぱタル戦最高だぜぇぇぇっぇ!!!ww

156 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 20:02 [ /YCOqTwo ]
>>慈悲を
丁度トリビューンの修道士の巡歴を読んだとこだったから
なんかこう、切ないような、ふしぎな感じ。

157 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 22:41 [ 6dLhtHdA ]
age

158 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 23:27 [ BbVJ5WeQ ]
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

159 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/29(火) 23:38 [ e4gYKYtg ]
…(-_-)キ(_- )キ!(- )キッ!( )キタ(. ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━!!!!
キタ━━ヽ( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )´Д`)=゚ω゚)ノ━━!!!





(゚∀゚)

160 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 01:26 [ VLv2F7Fw ]
お前ら 少し落ち着けよ…












キタ━━ヽ( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )´Д`)=゚ω゚)ノ━━!!!

161 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 01:38 [ 7XwZjjy. ]
ttp://www7.plala.or.jp/ungeromeppa/flash/kita.html

キター

162 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 05:22 [ r3R8Y3Pc ]
白き探求者キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は初のエロでつね(*´д`*)

163 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 09:30 [ jaOV3I7c ]
>>162
貴様にダマサレター
キターーーーのはタル戦だ。
白き探求者じゃない!!!

でも、白き探求者も期待sage

164 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 10:14 [ HaxlP3KQ ]
空に奏でる〜の作者の方、番外編楽しく読ませていただきました。
10日ほど更新が止まっていたのでハラハラしてましたがw

これからも執筆がんばってください。

165 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 11:23 [ BKuxhkbk ]
ホントだ。きちんとした?番外が更新されてる。<空に奏でる〜
本編も頼む。

166 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 16:57 [ r3R8Y3Pc ]
白き探求者キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
エロハァハァ

167 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/30(水) 18:57 [ l4R9Dz6k ]
第十話 嵐の夜

「随分荒れて来たな…。」
木戸の小窓から外を眺めながらシングが呟く。
時折雲間から雷光が差し、風も強い。小窓からだと、
雨が石壁を叩く音がばちばちと聞こえる。
「安物だけど、どうぞ。」
ノースが木製の質素なトレイの上に、円筒状の取っ手の無い
見慣れない焼き物のカップを二つ乗せて持ってくる。
一見ウィンダスティーにも似ているが、やや苦味が強い。
「お茶、か。なるほど、東方がらみの職場だけに手に入りやすいのだね。」
「あまリ高いのは買えませんけれど、ね。」
「それで…。」
ズズ、と熱めの茶を少しすすると、シングは椅子に腰掛け
ふう、と口内の熱気を吐く。
「このわたしに、何の用があって、自分の部屋にまで呼び出したんだい?」
「何を聞けばいいのか、具体的には言えないんだけれど。」
ノースが手のを組みながら、シングを見据える。
「わたしの、過去を教えて欲しいの。」

一際外が大きく光り、重い音が響く。落雷があったようだが、
二人はそれすら感じ取る事の出来ない沈黙に覆われた。

168 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/30(水) 18:58 [ l4R9Dz6k ]
その頃、ジュノ近海も嵐の煽りをくって荒れ気味だった。
ノーグでの作業を終えたウェストたちを乗せた機船の航行に
問題が生じるほどではないにせよ、あまり楽観も出来ない。
自然とは、常に抗えぬモノであることを、船乗りも、そして
無論ウェストでさえも、理解していたからだ。
それゆえに甘くは見ない。甘くは見ないが、事故というものは
起きるときには起きるものだ。

けして、自然災害ではないにせよ。

「スクリューシャフトが機能していません」
機関士の神妙な報告が船長室に入り、海上で停船した館内では
ちょっとした騒ぎだった。
「原因は?」
「わかりません。5日前ノーグで点検もしましたし、シャフト自体まだ
新しく、機能障害をおこすことは通常の航海ではありえません。」
「…つまり、通常ではない事態、ということだな?」

169 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/30(水) 18:59 [ l4R9Dz6k ]
モンスターと一括して呼ばれる物の中には、凶暴化した動植物も
含まれる以上、当然海中にも存在する。
「甲魚の群でも巻き込んだか…。」
皮膚の厚い大型魚の群が機船を敵と思い襲った際、スクリューに巻き込まれ、
その死骸があまりに多いと機関障害を起こす事がある。
そう見たのだろう。
念のためアスランをはじめとする戦闘要員と修復の為の機工師が
甲板に出る。波は荒れ気味だが雨風はあまり強くない。
ワイヤーで繋がれた鉄の檻に入った船員が様子を見に海中へ入る。
こうでもしなければ、襲われたときひとたまりも無いからだ。
すぐさま合図が入り、引き上げられた船員は、息も絶え絶えに叫ぶ。

「甲魚なんかじゃない!シャフトが捻じ曲げられているんだ!」

船員に動揺が走る。海の事情に疎いウェストですら、その場に流れた
危険な空気は、イヤと言うほど感じた。
そしてその正体は、目前に現れる。
ビタンッと大きな音を立てて巨大な触手が船の横っ腹を叩き、
その持ち主をズルリと海中から引き上げた。
エイのようなヒレと蛸のような多足を持った大型海洋生物。
それを船乗りは、シーモンクと呼んでいた。

170 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 19:03 [ l4R9Dz6k ]
誤字多杉 吊って来ます

171 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 20:24 [ 6dLhtHdA ]
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

172 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/07/30(水) 23:01 [ Z2tHwr6A ]
白き〜22話UPしました。
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/

>ミスラ譚作者さま
おおお! 萌えと色々とヤヴァイネタ満載でとどまるところを知らない
あの作品が読めなくなってしまうとは…お疲れ様でした。
とてもとても面白かったです。
>「慈悲を」作者様&「北の炎 西の風」作者様
獣人と人間とのつながりがテーマなこの作品群、俺は愛して止みません。
ここら辺で作られるドラマに萌え――ウッ

>パパさん
生タル戦キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
俺はまたクリームに萌えることを許されたのだと実感。
続きー。続きキボーン。

あと新しい作品を担う方々。これからもずっと新しい作品を紡いでいただけることを
心待ちにしております。

ところで書いた覚えのないエロき探求者はどこで読めますか?
もしかしてここですか?↓
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1048980249&LAST=100

173 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/07/30(水) 23:22 [ 9YWTlSt. ]
-序-

ナーシャは世界を旅して歩く冒険家だ。
冒険「者」ではなく、冒険「家」。

子供の頃、バストゥークの孤児院で読んだ数々の絵本。

誇り高きサンドリア王国を舞台にした「チョコボ騎士団物語」
小さなタルタルの兄妹が巻き起こすドタバタ劇「オットトとアララ」
両親を失ったヒュームの女の子が魔王相手に立ち向かう「アニー・ポーター」

子供心にドキドキワクワクしながら読んだものだ。
(特に「アニー・ポーター」シリーズはナーシャの大のお気に入りだった。
 両親を失った女の子という境遇が同じだった為に、主人公のアニーを
 自分と重ねていたのだ。
 が、当時はクリスタル戦争で孤児が溢れていた時代。
 同じような境遇の子はたくさんいた。
 今思えば、出版者はそのへんを狙っていたのかも知れない)

174 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/07/30(水) 23:23 [ 9YWTlSt. ]
本の虫となった彼女はやがてグィンハム・アイアンハートの記録を知る。
たちまち彼に感化されたナーシャは迷わず冒険家の道を選んだ。

クリスタル戦争の英雄のように闇の王を倒すとか、
アイアンハート親子のように全世界の地図を記すとか、
そんな大それた事は出来なくても、自分に出来る範囲で世界を旅し
そこであった出来事を記録し、絵本にしたい。
私の絵本を見て、誰かいつかの私のように勇気付けられたり元気になったりしたら
どんなに素敵な事だろう。

そう思ったナーシャは孤児院を出てすぐ、世界を旅し始めたのだ。

冒険「家」として。

175 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/07/30(水) 23:25 [ 9YWTlSt. ]
-1-

「きぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
後ろにドロップラー効果を残しながら、のどかなロランベリー耕地を全力疾走していく。
彼女−ナーシャが、自称冒険家として故郷のバストゥークを出てから1週間が経過していた。

とりあえず、目的地はジュノよね。冒険者がたくさんいるだろうし。冒険話がいっぱい聞けそう。
そんな呑気な考えでバストゥークを出て、まっすぐジュノに向かって歩き出したのが
そもそも間違いだったかも知れない。

全力で走りながら後ろを振り返ると、黄色と黒の縞模様のクロウラーが
口から緑色の泡やネバネバした糸を吐きながら、しゅうしゅうと音を立てて迫っている。

(ひいぃ、キモいよぉぉぉ。可愛いのは見せ掛けなのねっ)

彼女は姿勢を前に倒しスピードアップをはかりながら、
こんな状況になった原因を思い出していた。

176 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/07/30(水) 23:26 [ 9YWTlSt. ]
バストゥークの商業区からゲートをくぐり、南グスタベルグを超えたまでは順調だった。

北グスタベルグでは、臥竜の滝に見とれてポケーっと遥か眼下の滝つぼを覗いていたら
吸い込まれるようにフラフラっと身を乗り出し過ぎて、吊り橋から転落しそうになった事が
あったぐらいで、概ね順調と言えた。

コンシュタットでは、風車で挽き終わった小麦粉をジュノへ輸送する商団のチョコボ車に
便乗させてもらえて、楽にジュノまでいけると喜んだのも束の間。
連日の豪雨で、湿地帯ゆえにただでさえ難関と言われているパシュハウ沼が
底なし沼のようになってしまっていた。
そんな状態のパシュハウを大量の小麦粉を乗せたチョコボ車で渡るのは無理と判断され、
商団は一旦バストゥークへ小麦粉を運ぶ事になってしまったのだ。

それでも商団のガードをつとめていたミスラの冒険者がジュノまで
チョコボで送ってくれる事になったのは幸いだったと思えた。・・・ロランベリーで
チョコボから落ちるまでは。

177 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/07/30(水) 23:27 [ 9YWTlSt. ]
「しっかりつかまってなよ! あたいのチョコボはそこいらのとは一味違うからね」
「は、はい。お願いします、ケージさん」
「ケージでいいよ。行くよマツカゼ!」
「クエッ!」

ガルカが乗るチョコボよりも二回りほど大きいそのチョコボは、走りも豪快だった。
「ッヒャ〜〜〜ッホウ!」
ともすれば膝まで沈んでしまいそうな沼を、バッシャバッシャと疾走するマツカゼの背にまたがって、
ケージが心底愉快そうに叫ぶ。
雨は小振りになっていたが、マツカゼのあまりのスピードに、顔に当たる雨粒がバシバシと痛い。
ナーシャはほとんどケージの背中に顔を埋めるようにしがみつく。

178 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/07/30(水) 23:28 [ 9YWTlSt. ]
あっと言う間にアウトポストを駆け抜け湿地帯を突破する。
「さあ、ロランベリーだ! ちょっと飛ばすよ〜」
さっきまでの走りが飛ばして無いのなら、今度はどうなるというのか。

ドカッ! ドカッ!っと、まるで一歩一歩が子供のミスラ程度なら飛び越してしまいそうな歩幅。
激しく上下に揺さぶられながら後ろを振り返ると、一面緑の草原に、大きく間隔を開けて
チョコボの足の形に地面が抉られ茶色い土を露出させていた。
舌をかまないように歯を食いしばりながら前に向き直ると、「それ!」というケージの掛け声と共に
不意に上から下へ圧力がかかり、次の瞬間、浮遊感に包まれていた。

ケージとマツカゼにとっては、ただ単に柵をジャンプして飛び越えただけのつもりだったが
人知を超えた運動エネルギーにナーシャの手がすっぽ抜け、そのまま放物線を描き、
かろうじて視界の端にギュンギュン遠ざかって行くマツカゼの姿を捕らえながら、
見事、黄色に黒の縞模様の上にお尻から胴体着陸したのであった。

                        ---つづく。

179 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 23:34 [ wBO8wdRk ]
傾奇者キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

180 名前: 1 投稿日: 2003/07/30(水) 23:38 [ 7YCC47.s ]
陽の出づる所
-第二話- 「誘い」

(よしっと…)
フィルはサンドリアの競売所で、装備を競り落としていたのである。

サンドリアの競売所の前は人が、いっぱいいる。
しかし、その大半は、座ってバザーをしているのである。
これを寝バザーというらしい。
フィルには関係ない話だが。

競売所で装備を競り落として、スケイル装備を全身に身につけたフィルは、少したくましくもみえた。

それもそのはずである。
フィルはあの日から毎日、ロンフォール付近で朝から晩まで修行をしていたからだ。
オークも楽々と倒せる位になった。

そろそろパーティーを組むレベルなのだが、なにせ、タルタルの戦士だとなかなか誘われない。
(んー、無理かな…)
それから、しばらく待ったが、なかなか誘いがないので、彼はパーティーを組むのを諦めて、再びロンフォールへと出ていった。

181 名前: 2 投稿日: 2003/07/30(水) 23:40 [ 7YCC47.s ]
フィルが修行相手にちょうど良いゴブリンを倒し休憩していると、偶然、彼の目にオークから逃げているエルヴァーンの少女が映った。
おそらく、休憩してる間におそわれたのだろう。
幸い一匹だけであった。

フィルはとっさに片手剣を構える。
「おでが相手だ!」
オークに聞こえるように、大きな声を張り上げた。
とたんにオークはフィルめがけて突進してくる。

強さはほぼ互角だった。
いや、オークのほうがやや強いようだ。

フィルが、力一杯斬りかかる。
しかし、オークがその攻撃を読んでいたかのようにかわす。
そして、オークは片手斧でフィルに斬りかかる。
フィルはその攻撃を剣でうけとめる。
オーク相手に力勝負で勝てないのはわかっていたので、フィルはその攻撃を受け流す。
そして、態勢を整えて、再度、攻撃を加える。
今度は見事に腹に命中した。
だが、フィルの腕力では致命傷を与えることはできない。

オークはフィルが一瞬、気を抜いた瞬間を見逃さなかった。
ごん、という音がフィルの頭に響いた。
フィルの頭に片手斧が叩きつけられたのである。
たちまち、フィルはその場に膝をついてしまった。

182 名前: 3 投稿日: 2003/07/30(水) 23:41 [ 7YCC47.s ]
だが、フィルは後ろからケアルを詠唱する声が聞いた。
とたんにフィルの体が軽くなった。
フィルは立ち上がり、思いっきり剣を振りかざした。
(次に全てをかける!)
フィルは刹那の瞬間に、二回斬りつけたのである。
フィルはこの瞬間、勝利を確信した。
しかし、オークはまだ生きていたのである。
フィルが再び剣を構えた瞬間、また後ろから魔法を詠唱する声が聞こえた。
「バニシュ!」
オークがグォォォォオと叫びながらその場に倒れ込んだ。

フィルが声がした方を振り返ってみると、さっきのオークに追われていた一人のエルヴァーンの少女が立っていた。

183 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/30(水) 23:42 [ 7YCC47.s ]
あ、上のタイトル「誘い」じゃなくて「救援」でした。

184 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 04:47 [ TBDNFIBk ]
FF解約しちゃったけど、このスレは良く読ませてもらってます(´∀`)
FFしたことない人がココ見ると、やりたくなるんだろうなー

185 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 09:03 [ JNYjtmng ]
>>180
とりあえず・・・主人公の名前連発しすぎかと思われ
なんか興奮気味の実況中継みたいでつ

186 名前: 「ラストリゾート」1 投稿日: 2003/07/31(木) 11:14 [ U.Kf29Q2 ]
最初に剣を合わせた時から、我々には荷が勝ちすぎる相手だということは分かって
いた。
だが、すでに敵が手負いだったことと、敵の数が1体だったこと、それに自分たち
がジュノでいくらか名前の知られる存在になりつつあったことから来る慢心が、普
段は冷静なリーダーであるガルカの戦士、レッドカスケードの判断を誤らせたのだ
ろう。

最初に崩れ落ちたのはオークの攻撃を必死に耐え続けた、エルヴァーンの騎士アリ
オンだった。レッドカスケードもオークの突進をまともに受けてしまい、弾き飛ば
され倒れたままになっている。
魔導士達はまだ無事である。しかし、戦闘開始直後から全力で魔力を開放してるは
ずなので、その限界も近いに違いない。

187 名前: 「ラストリゾート」2 投稿日: 2003/07/31(木) 11:16 [ U.Kf29Q2 ]
「ぅぅぅぅぅぅぅぉぉぉぉぉ・・・・・」
俺が発する小さな呻きに最初に気が付いたのはヒュームの白魔導士リュカオンだっ
た。
「ラムザス!?」
彼女は知っている。俺の行おうとしている危険な儀式を。
それは開放。心の奥によどむ薄暗い感情に身を任せること。肉体の、魂のリミッタ
ーを外す行為・・・。
魔導士たちはなすすべなく、人から獣へと変貌していく俺を見つめている。みな分
かっているのだ。忌避すべき戦い方ではあるが、今これが最善の策であることを。

かすかに残る正常な俺は、すでに自分の支配から離れた己の身体を冷静に眺める。
それは、人とは思えないような「力」に満ちていた。ねじり、しなり、限界までた
められた「力」は、雄たけびを上げ、突進してくるオークに向け開放される。
耐え難い激痛。オークに切りつけるたびに、身体がバラバラにされたような、そん
な錯覚に陥る。が、精神から開放された肉体は痛みを知らない。長く重い鎌を、小
枝のように軽く振るい、目の前の敵を切り刻んでいく・・・。

188 名前: 「ラストリゾート」3 投稿日: 2003/07/31(木) 11:20 [ U.Kf29Q2 ]

パシン!

乾いた音が、響いた。
いつの間にか目の前にリュカオンが立っている。
リュカオンが叩いたであろう頬に感じる、かすかな痛み。全身の激痛にかき消され
てしまいそうなほど小さな痛みだが、それがきっかけだった。
精神と肉体は再び結合し、武器の、鎧の、そして自分自身の重みが帰って来る。
疲労と苦痛で膝をつき、倒れこむ俺を、リュカオンは優しく受け止めた。
その目には涙が光っている。
その涙の意味を考えることもできずに、俺の意識は深い闇へと落ちていった。

189 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 11:26 [ U.Kf29Q2 ]
なんかFF内のちょっとしたことを激しく美化して書いてみたいと思ってます。
今回のは暗黒騎士の「うはwwwwwラスリゾバーサク暗黒おkkkkkkw
wwww!!!」です。

190 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 12:58 [ qgmnvfBI ]
いや、それおもろい試み!
連続魔とか微塵隠れとか・・・美化してして

191 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 13:03 [ Da.DLeJE ]
>>172
>白き〜22話UPしました。
>http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/

17話までしか見れないのですが、
どっか見落としてるのでしょうか?

192 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 13:13 [ SOORXUhw ]
>>191
ageて質問すな。

画像up掲示板から落とせる。

193 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 14:17 [ Da.DLeJE ]
>>192 THX
下がってたからついでに上げただけのことだ、気にスンナ。

194 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 16:16 [ .NoN4IFc ]
>>193
そもそもageんな

195 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/31(木) 16:33 [ l4R9Dz6k ]
第十一話 黒い旋風(つむじ)


巨大なその蛸に似た生物がどっしりと甲板にその身をおろす。
集まった幾種のもの人間たちを食料として選別しながら、
ゆっくりと近寄ってくる。
「あいつはな、動物にみえるが立派な魔物だ。知恵もある。」
アスランが船室の壁にもたれたまま、落ち着き払って言う。
「奴ぁ知ってるのさ。シャフトを壊せば船が動かない事を。
食うだけなら船を破壊すればいい。ウェスト、何故奴が船を足止めしただけで
破壊を止めたか、わかるかい?」
「…弁当箱、か。」
「ご明察だ。よほど人間の肉がお好みなんだろうな━━だが…」
何時ものように、煙管を取り出して、手で風をさえぎりながら火をつける。
「チャンスでも、ある。」
海中で戦うならばまず分は無い。蛸が捕食に船上、つまりは
「陸上の生物の舞台」に来ている今しか、まともに組み合う機会は
無いだろう。そして、いま仕留めねば、警戒した蛸は船を破壊し、
海中へこちらを引きずり込む。
「ここはお前がやるんだ。ウェスト。」

196 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/31(木) 16:34 [ l4R9Dz6k ]
ぎょっとした。が、アスランは平然と煙を噴き出す。
刀に手をかける様子は無い。
「…本気で言っているようだな…。」
「安心しろ。君が負けたら、私が出るよ。」

「下がっていろッ!」
逃げるタイミングを失った機工師や船員の背後から、真っ黒な影が踊り出る。
揺れる船上をものともせず、人垣を飛び越えて鳥人が跳ねる。
船員たちの中には、外套を羽織ったウェストしか知らぬものもいただけに、
急に現れたヤグードを敵の追加と思ったものもいただろう。
しかし、混乱は起きなかった。
その黒い影の切っ先は、紛れも無く海の悪魔へと向けられていたからだ。
「みなは船内へ。ここは、このアスラン-カハランと、珍妙な弟子が引き受けた。」
ちいさな侍が誘導する。
雨はあがり、波も落ち着きを取り戻しつつある。
まるで、この異形の戦いを静観するかのように。
『さて、鳥人よ…どう戦う?そのままでは━━』

『━絶対に勝てんぞ。』

197 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/31(木) 16:35 [ l4R9Dz6k ]
蛸の肉体は、あまりにも強靭だった。
分厚い皮膚に付着したフジツボのようなものの二重の天然の鎧、
そして異様な肉厚に、強度の弾性。
隻腕のウェストの剣戟では通らないのだ。
実際の腕力という意味合いでは十分ではあったのだろうが、
軌跡が安定しない。表面を傷つける事は出来ても、
決定的な損傷を与えられずにいた。
(所詮木偶相手や素振りとは…訳が違うという事か!)
焦りはより剣筋を鈍らせる。
突きならば、と放つ「飛燕」すら、その弾力の強い肉厚の皮膚に
刺さる事も無くはじき返された。まさに、
「万事休す、か。」
であった。呼吸も不安定になり始め、目に見えて疲労がウェストを襲う。
一呼吸回避が遅れ、丸太のような太さの触手がウェストの体を弾いた。
短い呻き声を上げて、鉄製の船壁に飛ばされるが、何とか体制を
整えたウェストが、羽を広げて体を持ち直し、壁を蹴り、直撃を避ける。


「ヤグードならばヤグード流に、隻腕ならば隻腕なりに
アレンジすることだ。わたしが教えられるのもここまで。
あとは、君の素質と修練が、きみの剣を導くだろう。」

198 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/31(木) 16:37 [ l4R9Dz6k ]
片方しかない己の翼を広げたとき、アスランの言葉が不意に脳裏をよぎる。
強烈な打撃により、眩暈と、吐き気と、激痛に襲われながらも、
ウェストは鞘を投げ捨て、鞘止めのベルトを肘に起用に巻きつける。
そして、柄尻に近いばしょを「逆手」に握り、剣の峰を
ベルトを巻きつけた肘で支える。
「なにか、思いついたな。」
アスランが、心配そうな顔つきに混じり、笑みを浮かべる。
刹那━黒い翼が疾った。木箱を蹴り、張られたワイヤーへと飛び移る。
ようやく目で追った蛸は腕を振り回し、突風を起こす。
それはまるで小型の竜巻のように、甲板のもろもろを巻き込み
粉砕するが、そのなかにウェストの姿は無い。
ワイヤーからさらに跳んだウエストは片翼をひろげ、まるで独楽のように
鋭く回転しながら、蛸の起こした風を裂く。
そのまま「逆手に持たれた両手刀」が一閃する。

199 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/31(木) 16:38 [ l4R9Dz6k ]
凄まじい剣速のまま分厚い皮膚を裂き、2回転目でまるで肘うちのような
体勢での「突き」が無機質な双眸の中央へと吸い込まれる。
再び羽ばたく片翼の黒い剣士が蛸を飛び越えた後には、
打ち方こそ違えど、突き逆袈裟と、袈裟の切り口。
「なるほど、コレが君にとって本当の『壱の太刀』なのだな。」
嬉しそうに疲弊したウェストを越え、アスランが走る。
小さな黒い鎧を着込んだ侍は、踏み込みざま半回転しながら
剣を払う。その抜刀は凄まじい気流を生み、脳天を切り裂かれながらも
ウェストを襲おうとしている蛸を巻き込むと、大気が二つの剣技の
威力で湾曲し、更なる損傷をその剣風に乗せる。

海の悪魔と恐れられる巨大な蛸は、二人の侍によって今、葬られた。
もっとも、ウェストはアスランが放った上位剣技「陣風」のことや、
ヴァナ−ディールにおける近接戦闘の応用技「技連携」のことなど
知りもしないわけで、何が起きたのかよく解らないでいたが。

200 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/07/31(木) 16:39 [ l4R9Dz6k ]
「上出来だ。」
アスランは、ぽんぽんと天然羽根布団のウェストの尻を叩くが
緊張の糸が切れたのか、ウェストは生返事を返すと寝室へ向かった。
やれやれ、といったジェスチャーをしながらもアスランは
「正直、あそこまでやるとは思わなかったよ。」
と、嬉しそうだった。

その後結局、長時間流された機船は南への海流につかまってしまい、
ジュノへは戻れず、通常商船を装ってマウラという港町へ寄港する事になる。

201 名前: 「闇に生き、闇に死す」1 投稿日: 2003/07/31(木) 17:27 [ U.Kf29Q2 ]

ソロムグ原野の西端に位置するガルレージュ要塞。バストゥークで修行中の修道士
の依頼を受け、私はその要塞のどこかにあるという女神像・・・いや、実際には女
神像に使われている顔料を探していた。
しかし、私はその今は廃墟と化している要塞に近づいたことすらなかった。そこで、
要塞から近いジュノの街で要塞に詳しい冒険者の仲間を募ることにした。
幸いなことに、仲間はすぐに集まり、我々は翌朝早々に出発することになった。

要塞までの道のりは、集まってくれた冒険者が皆手練れであったため、たいした苦
労もなかった。が、要塞の中はさすがにうろつく怪物の数も多く、また建物もかな
り複雑な構造だったので、慎重に進まざるを得なかった。
奥に進むための通路は大きく崩れ落ち、何処に続くかとも分からない大きな穴が口
を開けている。「誰かが先行して安全を確認すべきだ。」と私が言い出す前に、無
言でその役を果たすために動いた男がいた。

202 名前: 「闇に生き、闇に死す」2 投稿日: 2003/07/31(木) 17:28 [ U.Kf29Q2 ]

夕闇の迫るジュノ。
その男は最後に訪ねてきた人物だった。薄手の黒い衣服を身にまとい、腰に細身の
短刀を2本ぶら下げている。「腕は立つのか?」という私の問いに、無言で短刀を
閃かせて、街灯に群がっていた蛾の1匹を真っ二つにして見せた。
その技に凄みを感じた私は、迷わずその男を仲間に加えることにした。その旨を伝
えると、男は無言でうなずき、闇の中に消えていった・・・。

どうやら、我々は目的の物を見つけたらしい。その広間の奥のほうに崩れかけた壁
に半分埋まるように、女神像はあった。さほど大きくもなく、豪華なものでもなか
ったが、不思議な存在感がその像にはあった。

203 名前: 「闇に生き、闇に死す」3 投稿日: 2003/07/31(木) 17:31 [ U.Kf29Q2 ]
目的の物を発見した安堵の気持ちが油断につながったのだろうか。
生者の生気に群がる亡者たちの接近を発見するのが遅れてしまい、我々は窮地に陥
ることになった。
戦士たちも、魔導士たちも奮戦をしていたが、一人、また一人と倒されていく。そ
して、その流される血が更に亡者を呼び寄せる結果となった。私も魔法を唱え、鎚
を振るい、必死に敵をなぎ払う。が、亡者たちの攻撃はやむことなく降り注ぐ。十
数人いた仲間が残り5人にまで討ち減らされた時、私は死を覚悟した。

204 名前: 「闇に生き、闇に死す」4 投稿日: 2003/07/31(木) 17:33 [ U.Kf29Q2 ]

例の男は2本の短刀を両手に持ち、まるで舞うがごとく敵の真ん中で戦っていた。
不意に私は気が付く。男は他の4人が戦う輪から少しずつ離れていっている?
我々の周りに群がる敵すらも集めるように引き連れ、男の舞は激しさを増していく
・・・。
驚いて見つめる我々に男は微笑んだような気がした。

次の瞬間。
男を中心に火球が広がり、爆音と爆風が広間に満ちた。
もうもうと上がる粉塵が治まったとき、亡者の群れも男の姿もそこにはなかった。

(闇に生き・・・・闇に死す・・・・それが忍だ・・・・心配めされるな・・・・)

遠くからそんなつぶやきが聞こえた気がした。

205 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 17:35 [ U.Kf29Q2 ]
微塵がくれ編終了。
字数制限、きついでつ;;
次はなんにしようかなぁ・・・。
リクエストもぼしうちう。

206 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 17:41 [ ROn4Wc.c ]
(・∀・)イイ!!
ニンジャカコイイ!!

207 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 17:44 [ 1ndopaw2 ]
>205

個人的に連続魔キボンヾ( ゚д゚)ノ゛ ナマムギナマゴメー

208 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/31(木) 17:45 [ GvRYP1qU ]
北の炎 西の風キタ――――(・∀・)――――!!!

209 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/01(金) 00:03 [ 9YWTlSt. ]
-2-

「ナーシャ。いくら争いはしないと言っても、獣人たちや凶暴な獣は聞いてくれないよ?
 危険を避けるのは当然だけど、否応無しに危険に巻き込まれる事だってあるんだから」
最近は獣人たちの行動も活発になってるって噂だし・・・。と心配顔で言ったフレデリカを思い出す。

フレデリカは同じ孤児院で育った、ナーシャの幼馴染みだ。
ナーシャより1つ年上の彼女は孤児院を出た後、練金ギルドで働き始めた。
手先が器用で博識な彼女に練金術は天職だった。

210 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/01(金) 00:05 [ 9YWTlSt. ]
ナーシャの本好きも、元は言えばフレデリカの影響が大きかったと言える。
夢中になった本のジャンルは違えど、二人は図書館で背中をくっつけあって本を読むのが好きだった。

「見て見てナーシャ! このイエローグローブって魚には毒が含まれてるんだよ。この毒をね・・・ふふふっ」
通りかかった図書館の係員が不審な表情で振り返るのを全く気にせず、嬉々として本を広げてみせるフレデリカ。
ナーシャにはグロテスクな魚が嫌味なまでに写実的に描かれているページが見えるだけで、何故そんな本に夢中になれるのか分からなかった。
「そんな本より、これ見てよ。ついにアニーが魔王の四天王を1人倒したんだよ」
「また、アニ−・ポーター? 子供ねえ・・・」
「だって子供だもん。フレデリカ、なんだかオバさんみたい」
「なにを〜! コバルトジェリーの絞り汁を飲ませるわよ!」

そんなやり取りを毎日のように繰り返していた。

211 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/01(金) 00:07 [ 9YWTlSt. ]
ナーシャが冒険家として故郷を旅立つ前、フレデリカは武器の修練を強く勧めた。
錬金術で通常の武器に付加効果をつける術(すべ)を会得している彼女は、力が弱い女性でも使い方次第で
充分身を護る道具になる事を知っているのだ。
ところがナーシャは、私の武器は剣じゃなくてペンなの!と主張し、がんとして聞かなかった。
一度言い出したら聞かないナーシャの頑固な性格を知っているフレデリカはしぶしぶ引き下がったが、
ナーシャが旅立つ当日、選別として麻で出来た大きめの巾着袋を渡しながら冒頭の台詞を言ったのだ。
袋の中には、フレデリカお手製のポーションや毒消しなど、いざと言う時に役立つ薬品がつまっていた。

212 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/01(金) 00:09 [ 9YWTlSt. ]
───何度目かの柵を乗り越え、後ろを振り返ると、短い足で器用に柵を乗り越えるクロウラーが見える。
(フレデリカ、あなたが正しかったのかも・・・。
 ちょっとお尻に敷いちゃっただけなのに、芋虫さん、こんなに怒るなんて)

2階のベランダくらいの高さからのヒッププレスが「ちょっと」かどうかは分からないが、
クロウラーは相変わらずしゅうしゅう言いながら追い掛けてくる。
そろそろフレデリカ印の秘密道具の出番かも・・・。ナーシャは走りながら巾着袋に手を突っ込み、
あれこれ探りはじめる。

ロランベリー畑の階段状の畑を飛び下り、体勢を立て直しながら走りだそうとしたナーシャは
思わず硬直する。

(ゴブリン!?)

肩くらい高さの段を飛び下りた下には、ゴブリンが後ろを向いて立っていた。

背はナーシャの胸ぐらいまでだろうか、リュックを背負いマスクで顔を覆ったその風貌は、
ナーシャが本で見た通りの姿だった。

大丈夫、後ろを向いてる。きっと気付かれて無い・・・。

先程飛び下りた段に背を預けるように、慎重に横へ移動しながらゴブリンと距離を取る。

213 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/01(金) 00:10 [ 9YWTlSt. ]
飛び下りた場所より少し離れた所にいたためか、はたまた鈍感なのか、
幸いにもゴブリンはナーシャの存在に気付いていないようだ。
ジュノ付近の獣人は、バストゥークの近くにいる連中とは比べ物にならない強さを誇る。
戦闘の訓練も経験の無く、ましてや武器もないナーシャに勝ち目はない。

ナーシャは息を潜め、じりじりと距離を取り、巾着袋の中からプリズムパウダーを探る。たしかフレデリカの薬品セットに入ってはず・・・。
直後、ゴブリンがそのまま向こうに歩き出した。リュックに括り付けたコップがカチャカチャと揺れる。

助かった・・・。と思った瞬間、背後から頭上を何かが飛び越し、
ナーシャとゴブリンの中間あたりにドスンと大きな音を立てて着地する。クロウラーだ。

ゴブリンが振り向く様子がまるでスローモーションのように見える。
マスクに覆われているのでゴブリンの目線は分からないが、確かに目が合ったように感じた。

(ああん、気付かれたぁ〜)思わずナーシャの頭の上でガビーンと効果音がなった。

214 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/01(金) 00:12 [ 9YWTlSt. ]
今やゴブリンは完全にナーシャを補足している。右手に握ったいびつなナイフがヌラリと光る。
クロウラーがじりじりとナーシャに迫り、その後ろからゴブリンも向い来る。

ええい、こうなったら取っておきを使うしかっ!
ナーシャは巾着袋の中から黒い塊を取り出す。

「フレデリカ印の、特盛カンシャク玉バスターーーーー!」
まんまゴブリンが使う爆弾のアレである。

クロウラーとゴブリンを倒すには至らないだろうが、少しの間、怯ませて視界を遮れればいい。
爆弾を両手で抱え振りかぶり、投げ付けようとした瞬間、意外な声が耳に届く。
それはマスクでくぐもっていたものの、はっきりとこう言っていた。

「Berry Grub をあやつるゴブよ〜」

                        ---つづく。

215 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 00:14 [ MRUOrZ9k ]
ガビーンΣ(゜△゜;)

216 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 00:16 [ 9YWTlSt. ]
改行ミスってるし・・・_| ̄|○
文字規制、結構きついすね。

217 名前: 「ウィンダスの酒場にて」1 投稿日: 2003/08/01(金) 10:38 [ 54/FpvcY ]

ウィンダス水の区に僕がたどり着いたのは、もう日が沈んでだいぶ経ってか
らのことだった。ジュノからチョコボでぶっ飛ばしてきたのだが、調理師の
ギルドはもう閉店してしまっている。しょうがない、明日の朝一でほしかっ
た食材を買って帰ろう・・・。
幸いなことに、ギルドのすぐそばに「ララブの尻尾亭」という宿屋がある。
女将に宿賃を払い、案内された部屋でしばらくくつろいでから、僕は食堂へ
と足を運んだ。

店の中は、タルタルやミスラの客でごった返している。
出てきた料理は豪華とは言えず、非常に家庭味あふれるものではあったが、
とてもおいしかった。一通り平らげ、蜂蜜で作られたお酒をちびちびやって
ると、酔って千鳥足のミスラがふらふらと僕のテーブルのほうにやってきた。
「ねぇねぇ〜、お兄さん、見かけない顔だねぇ〜♪」
細身ではあるが、出るべきところは出ているようなそんな体形。胸元の大き
く開いた服を着て、酔ってトロンとした目つきで、ミスラ特有の舌っ足らず
なしゃべり方・・・。
うれしいやら恥ずかしいやらでどぎまぎしてる僕を満足そうに見つめると、
隣の席にすばやく腰掛け、彼女は語り始めた。

218 名前: 「ウィンダスの酒場にて」2 投稿日: 2003/08/01(金) 10:40 [ 54/FpvcY ]

「私の仲間にタルタルの赤魔道士がいてねぇ、名前はアンジャパンジャって
言うんだけど・・・ん?ああ、そうでしょう、変な名前だよねぇ、アンジャ
パンジャ!
まぁ、そいつが頼りにならないやつでさぁ〜。力は私にも勝てないし、魔法
もクルルやリュカカにぜ〜〜んぜんかなわないの。私たちの仲間内じゃ唯一
の男なのにだよ〜?
おまけにさぁ〜、真顔で『出来れば、戦いなんかしたくない。獣人だって話
せばわかるはず。』だなんて言うんだよぉ?
そんな甘ちゃんなこと言ってたら、命がいくつあっても足りないよねぇ。

この前さぁ、ガードのミリオリ君に頼まれて、オズトロヤ城に偵察に行って
きたんだけど、・・・お兄さんも知ってるよねぇ、ヤグード達の城!
で、調子に乗って私たちガンガン奥まで進んじゃったわけよ。アンジャは『
もうそろそろ帰ろう、これ以上は危険だ。』なんて、城に入ってすぐのとこ
ろから言ってたけど、そんなのお構いなし!
もう、迫り来るヤグードをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、ガンガン進ん
でさぁ〜・・・」
一息ついた彼女は、僕の手からグラスを奪い取り、ごくごくと中身を飲み干
してから続ける。

219 名前: 「ウィンダスの酒場にて」3 投稿日: 2003/08/01(金) 10:42 [ 54/FpvcY ]

「ところが!
私がドジ踏んで、道間違えたのがいけなかったのよねぇ〜、落とし穴にみん
なではまって・・・。もうみんなへとへとなわけよぉ、パワー出しすぎちゃ
って。でも、ヤグードのやつらは待ってくれなくってさぁ・・・。
落とし穴の下にいた奴はなんとかしとめたんだけど、どうも、階段の上の方
から『ギャアギャア』って、いっぱい聞こえてくるんだよぉ〜、わかる?こ
んときの私の気持ち?
『可憐なミスラモンク、テア、ここに散る』って感じ?
まぁ、ただでやられるつもりはなかったけどねぇ。でも、クルルとか肩で息
しちゃってて、あぁ、これはダメだなぁってさすがの私も思いかけてたのよ
・・・。
『ギャアギャア』わめく声が近づいてきて、もう、そこの角のすぐ先にヤグ
ードがいっぱいいるのが分かるわけ・・・。」
僕はゴクリと息を飲んだ。

220 名前: 「ウィンダスの酒場にて」4 投稿日: 2003/08/01(金) 10:44 [ 54/FpvcY ]

「でもさぁ、次の瞬間に、私達、お互いが見えなくなったんだよねぇ。『あ
ぁ、これは姿隠しの魔法だ』ってすぐに分かったんだけど、姿隠しの魔法っ
てさ、1人ずつにしかかけれないでしょ?
クルルもリュカカももう魔力切れちゃってて、ヘロヘロだしさぁ、ってこと
はもう一人しかいないじゃない、魔法使えるの。
そう、そうなのよ、アンジャ!
なんかよく分からないけど、赤魔道士の奥義ってやつ?それで全員に姿隠し
の魔法をかけたらしいのよねぇ・・・。
すごいと思わない?そんな手、馬鹿な私じゃ思いつかないよ?私ってば、敵
をぶん殴ることしかできないからさぁ。
なんか、ちょっと見直したって言うか、惚れ直したっていうか・・・・。
ん?い、い、いや、い、今のはちょ、ちょっと訂正ぃ〜〜。」

221 名前: 「ウィンダスの酒場にて」5 投稿日: 2003/08/01(金) 10:45 [ 54/FpvcY ]

それからもしばらく、彼女の話は続いた。
だいぶ夜が更けた頃、彼女はいつの間にか寝息を立てていた。
不意にドアが開いて、一人のタルタルが店に入ってくる。ヤレヤレといった
表情を見せながら、その小さな身体で彼女を抱き上げると、僕にぺこりと頭
を下げてから入り口のほうへ向かっていった・・・。

222 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 10:47 [ 54/FpvcY ]
リクエストのあった連続魔です。
今回のはあんまり美化されていない・・・かも。
引き続き、リクエスト募集中です。

223 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 12:18 [ hwx5ot9o ]
> 222
(=゜ω゜)ノ かまえる 希望 !

224 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 12:28 [ 54/FpvcY ]
か・・・かまえるかぁ・・・。
がんばってみまつヽ(´Д`;)ノ

225 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 13:11 [ l4R9Dz6k ]
スカベンz(ry

226 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 20:22 [ J47yRC0M ]
感化されました、
ナルシーと言われればそれまでですが、私なりの連続魔を書いてみました。
ちょっと実体験入ってます。(^^;;

227 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 20:23 [ J47yRC0M ]
集中しろ、集中するんだ、肉体と精神は異なる事の無い
唯一無二の己自身だ、集中しろ!

虫捕り名人と呼ばれ、薬の材料になる虫捕りを生業として久しい
あちらに虫が多いと聞けば出かけ、虫を見かけたと小耳に挟めば
根掘り葉掘り聞き出す。そうした情報を元にはるばる砂漠まで
やって来た。仲間達の手際も素晴らしく集めた虫達を解体しては
薬材を整頓していく。天候にも恵まれたのか皆面白おかしく虫捕り
を続けていく内に油断が生じていたのだろう奴は背後に迫っていた。

228 名前: 226-2 投稿日: 2003/08/01(金) 20:24 [ J47yRC0M ]
男神の申し子は続けざまの虫捕りで疲弊していた我ら女神の子らを
蹂躪するかに思えた、万全であったなら退ける事はた易かったろう

もはや異なる門派の魔術を学ぶ仲間達の精神はすっかり擦り減り、
それは私自身も同じだった、剣を構え必死で応戦する仲間達の
肉体も傷つき、このままではそう長くは持つまいと思われた。

しかし我らには起死回生のチャンスが残っている、鍛え上げられた
剣術を駆使する仲間達は戦闘を通して練り上げた『気』とでも呼ぶ
べきモノを裂帛の気合と共に敵に叩き付ける事ができる。
そしてその技は技と技をかけ合わせる事で極短時間では有るが
自然界の精霊の調和を乱す一種の力場を作り出す。そこに我ら
魔術を学んだ者が術を合わせる事で通常とは異なる破壊力を生み出す。

229 名前: 226-3 投稿日: 2003/08/01(金) 20:26 [ J47yRC0M ]
今まさに仲間は『気』を練り上げ敵に叩きこもうとしている、
しかし、それだけでは恐らく足りない、我ら魔術の門戸を叩いた
者たちが合わせるべき精神力を擦り減らし切っている。
恐らく技を叩き付けるだけではあの男神の申し子は倒れないだろう
その後に残るのは全てを出しきって一人また一人倒れて行く我ら
女神の子らだ。

全て、全てを出しきっているのか?我らは?私は全てを出したのか?

我らの門派には他の門派には無い魔法が、そう魔法剣がある。
他の門派や我が門派の徒弟でも魔法剣は剣に魔法を乗せる、
あるいは魔術を剣を通して開放すると捉える者も居るがそうではない
魔法剣は魔法剣なのだ、剣と魔法異なるモノを合わせるのでは無く
魔法剣と言う唯一無二の存在を駆使するのである。
それは己自身も同じ、肉体と精神は異なる事の無い唯一無二の存在だ

230 名前: 226-4 投稿日: 2003/08/01(金) 20:27 [ J47yRC0M ]
己自身の中で二つの螺旋か絡み合う、肉体と精神は同じものであり、
今精神が磨り減っているとしてもそれは肉体で補う事が可能なのだ

仲間が技を解き放つ、続けざまに技を重ねていく、そこに力場が
そう、水と氷の精霊力が強く作用した場が生み出される。

倒れない、男神の申し子はそれでも倒れない、かに見えた、
その時私は己自身を解放する、遅い来る疲弊感と充実感、失うモノと
満たされるモノ、精神と肉体の境界を超越した私は詠唱では無く
思い描くだけで魔術を駆使する。たった今形成された力場は
もう間もなく元の何事も無い空間に戻るだろう、だが、今の私には
それだけあれば十分だ、たった今手に入れた力を思い描くだけで
次々と開放する。

231 名前: 226-5-END 投稿日: 2003/08/01(金) 20:28 [ J47yRC0M ]
彼は最後に何を思っただろうか、獲物達の最後の反撃を退け、
勝利を確信しただろうか、その後彼を襲った水と氷の嵐のような
奔流は彼を飲み込み、後に立っていたのは満身創痍の我ら女神の
子らだった。

異なるとは言え魔術を学ぶ仲間は私がナニかを行ったと察したようだ
それ以外の仲間はただ敵を退けられた幸運を喜んでいる、そう、
我らは全てを出しきり敵を退けた、私一人でナニかを成したのでは
無い、私がナニかをおこなったかどうかなど些細な事だ。

232 名前: 226 投稿日: 2003/08/01(金) 20:32 [ J47yRC0M ]
×230:遅い来る
○230:襲い来る

(;´д⊂)

233 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 20:48 [ xeXscQ0Y ]
>226
GJ!!(゜∇^d)

んで、コンバート>連続魔の流れかのぉ?

234 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/01(金) 22:20 [ ikagkp86 ]
ガル白の印ケアルガ→女神をリクエストします。
きめは例の台詞でw

235 名前: 「森の中の死闘」1 投稿日: 2003/08/02(土) 00:07 [ CEMWJA8M ]

かつてはエルヴァーンの集落、現在ではオークの前線基地となっている場所、
ダボイ。ジャグナー森林の奥深くにあるこの地に、バストゥーク共和国所属
の冒険者が2名、潜入していた。
2人の目的はズバリ、『金』である。オークたちが冒険者から剥ぎ取った数
々の装備品やアイテムを奪い返し、ジュノで売りさばいて金にするつもりな
のだ。

「おい、サンフラワー、さすがにここは奥過ぎないか?」
「お前も聞いただろうよ、小さい相棒、ここら辺りに例のやつが出ることを。」
例のやつ。それは1匹のオークだった。毒手のナッドガッドと呼ばれ、数々
の冒険者をその独特の武術で葬ってきた悪名高きオークの格闘家である。相
棒のタルタルの盗賊、ナルウォルと違い、ガルカのモンク、サンフラワーに
は金以外の目的もあった。
「また例の病気かぁ・・・。『強いやつと戦いたい』って・・・。」
「すまんな、いつもつき合わせて。」
「まぁ、いってこと、気にすんなよ。お前にはいつも世話になってるしさ。」
手にした短剣をクルクルと器用に回しながら、ナルウォルはヤレヤレといっ
たジェスチャーをした。

236 名前: 「森の中の死闘」2 投稿日: 2003/08/02(土) 00:11 [ CEMWJA8M ]
その場所で10匹目のオークを片付けた時だった。
小鳥達が木立から一斉に飛び立ち、一瞬遅れ、聞いたこともないような咆哮
が辺りにこだまする。
「や、やつか?」
「おそらく・・・。」
サンフラワーは一瞬にして体力の回復する魔法の薬を懐から取り出し、一気
に飲み干すとそのビンを放り投げた。そして、身体をほぐすように三度太い
腕を振り回すと、天を仰ぎ、負けじと叫び声を上げる。
「ぐぅおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」


のそりと木立から現れたのは、ぼろ布を1枚だけまとったオークだった。そ
の体躯は普通のオークより一回り大きく、「毒手」と呼ばれるその腕は血が
皮膚に染み込んだがごとく赤黒い色をしている。
サンフラワーをその視界に捉えると、一歩、また一歩と距離を詰め始めた。
「お、おい、大丈夫かよ、なんか強そうだぞ・・・。」
不安げな声を上げるナルウォルをよそに、サンフラワーもまたナッドガッド
の方に歩み寄る。手の届きそうな距離に近づいた瞬間、2人の格闘家はお互
いに拳を繰り出した。

237 名前: 「森の中の死闘」3 投稿日: 2003/08/02(土) 00:13 [ CEMWJA8M ]

体格はほぼ互角である。技量もほぼ互角のようだ。どちらの攻撃も相手の体
力を着実に削ってゆく。地面には血のしぶきが飛び、肉と肉のぶつかり合う
音だけが森に響き渡る。

ガルカはとても頑強な種族である。が、オークの体力はそれに勝る。技量が
互角であれば体力の差がそのまま勝敗につながるのは世の常である。
ナッドガッドの圧力にサンフラワーが押され始めてることにナルウォルは気
がついていた。
(や、やばいんでねぇの!?)
ナルウォルが加勢すれば、問題なく勝利することが出来るだろう。一歩を踏
み出そうとした彼だったが、その様子を視界の端に捉えたサンフラワーが吼
えた。
「手出しは無用だ!!!」
その迫力に押され、ナルウォルは尻餅をついてしまった。

238 名前: 「森の中の死闘」4 投稿日: 2003/08/02(土) 00:15 [ CEMWJA8M ]

渾身の一撃をみまい、相手をやや後退させると、サンフラワーは少し距離を
とった。そして、顔をガードしていた腕を下げ、拳を腰の横にためる不思議
な構えをとる。
ナッドガッドの猛攻は容赦なく、サンフラワーを襲った。ガードを下げたた
め、それをもろに食らっている相棒を見て、ナルウォルは泣きそうになりな
がら叫んだ。
「ど、どうしちゃんだよ!反撃しろよ!」

面白いように攻撃が当たるため、前がかりになったナッドガッドの攻撃が空
を切った。それを待っていたかのようにサンフラワーの反撃が始まる。やみ
くもに繰り出される相手の攻撃を、身体を振るようにしてかわし、その反動
を利用して拳を叩き込んでいく。2度、3度、4度・・・・。
次第に逆転していく形勢。
そして、怒涛の5連撃が決まった瞬間、「毒手」と呼ばれたオークは崩れ落
ちた。

「やったぜ〜〜!!!サンフラワー!!!」
飛びついてきた小さな相棒を肩に担ぐと、死闘の勝者は天に向かって勝利の
雄たけびを上げた。

239 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 00:27 [ CEMWJA8M ]
かまえる編終了。
最後は「かまえる」+「百烈拳」でTPたまったとこで「乱撃」で〆ってことで・・・。
書いてたらデン○シーロールになっちゃった(;´д⊂)

えっと、リクエストは・・・・「スカベ(ry」に「例の台詞」でつか・・・ヽ(´Д`;)ノ

>>226
GJ!
美化シリーズ、色んな作家さんに書いてほしいです。

240 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/02(土) 01:09 [ 9YWTlSt. ]
-3-

(へ?)

ナーシャの目の前でクロウラーが淡いピンク色の光に包まれる。
柔らかく、優しいその光に包まれて、クロウラーの怒り・憎しみなど荒ぶった感情が
みるみる引いて行くのがナーシャにも分かった。
身体半分起き上がり、口をしゅうしゅう言わせて激しく威嚇していたクロウラーは今や
大人しく腹ばいに戻り、じゃれつくようにゴブリンに鼻先を向ける。
そこには先程まで感じていた殺気がキレイに消え去っていた。

え? なになに? 何が起こったの?

あまりに突然の出来事に混乱するナーシャ。

今のって、まさか・・・獣使い?

241 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/02(土) 01:10 [ 9YWTlSt. ]
───獣使い。
その名の通り、獣を操り、使役する力を持つ者達。
獣の心を理解するという特異な能力を後天的に修得する事は難しく、
先天的にその資質を持つ者しかなれないと言われている。

と、本で書かれていたのを思い出す。
実際に見たのは勿論初めてだった。

ゴブリンがリュックからペットベータを取り出し、クロウラーに与えながら、
ポカーンと口を開け、爆弾を頭の上に抱えたままのナーシャをチラリと見る。
「この子はもう大丈夫。そんな物騒なモノはしまうゴブよ」
「え!? あ、はい! ごめんなさい。・・・うきゃ!?」
思わず爆弾を落としそうになるナーシャ。
慌てて持ち直し巾着にしまい、袋の口をキュッとヒモで縛る。

242 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/02(土) 01:12 [ 9YWTlSt. ]
「えっと・・・助けてくれて、ありがとう」
ナーシャがペコリと頭を下げると、クロウラーを撫でていた手を止めゴブリンが振り向く。
皮製のマスクで表情はよく分からないが、心無しか驚いたように見える。
「お前、変わった人間ゴブね」
「え? そうかな?」
「お前と同じように、興奮した獣に追われていた人間を助けたのは何度もあるケド、
 そんな風にお礼を言われたのは初めてゴブ」
「・・・大抵の人間はオレの姿に驚いて逃げ出すゴブよ」
そう言うと、ふいっとナーシャから顔をそらし、クロウラーの頭を撫でる。
クロウラーは気持ち良さそうに頭を下げモジモジする。

言われてみれば、確かにあの状況だと「助けられた」というより
「ゴブリンにも襲われた」と思うのが自然だろう。
よくよく考えればゴブリンに助けられるなんて、なんとも奇妙な話だ。

243 名前: ナーシャの絵本 投稿日: 2003/08/02(土) 01:13 [ 9YWTlSt. ]
でも、ナーシャはなんとなく目の前のゴブリンに襲われるとは感じなかった。
確かに、いきなりハチ合わせした時は爆弾を投げつようとはしたが、
殺気だったクロウラーを鎮めたあの優しい光に、ナーシャは普通の獣人とは違う
何かを感じたのだ。

それをそのまま話してみると、ゴブリンはちょっと笑ったように肩を震わせ、
「・・・やっぱり変わってるゴブ。お前」と言った。
「私、ゴブリンに会ったのは初めてだけど、あなたも変わってると思うわよ。それに・・・」
なんだか嬉しくなったナーシャは巾着袋を背負い直すと、ゴブリンに右手を差し出す。
「お前、じゃないわ。私ナーシャ。あなたは?」

突然、差し出された右手をびっくりしたように見つめると、右手に持ったナイフを腰の鞘に納めて
ナーシャの手を握り返す。

「オレは、ボルヴィッグだ」

落ちかけた陽が、ヒュームの少女とゴブリンが握手しているという、何とも奇妙なシルエットを
紅く染めていた。

                        ---つづく。

244 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 08:05 [ iV2ObiBM ]
> 239
(=゜ω゜)ノ かまえる ありがとう〜♪

245 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 09:09 [ TOQe9BEo ]
あげとこ

246 名前: 心にて、敵なる者の敵意の太刀筋を見きる物也(1/3) 投稿日: 2003/08/02(土) 13:48 [ InlPklKQ ]
「おのれ、手強き奴ばらめ…!
 たかが… たかが鍛治師ごときが…!!」

目の前の強敵の猛攻に耐えつつ、反撃の刃を振る。
手にしっくりとくる絹の柄拵えにじっと染み込む汗。
きゃつは拙者の浴びせる剣戟を尽く受け止めつつも、まだ戦意を失わぬ。
自らの血が染み込んだ胴着が、太刀振るう腕に纏わり付き微妙に苛立ちを感じさせる。


上段より襲いくる槌を刃先で軽くいなして更に懐に飛び込む。
きゃつの体に与えた刀傷が良く見える。
更に一太刀。
下段より右肩口に抜けるように切り上げる。
出血の量からしても、そろそろきゃつめも年貢の納め時だろう…

こちらもかなりの出血をしているが深手は無い。
腕は…太刀の刃先まで気が通っておる。未だ殺意と言う名の気に揺らぎは無い。
足は…大地を踏みしめる感覚有り。まだまだ動く。
目は…きゃつめの動きを見逃さぬほどには働いてくれておる。
…行けるな…
ニヤリと頬に浮かんだ笑みは、いきなり一変した空気に凍りつく。

247 名前: (2/3) 投稿日: 2003/08/02(土) 13:49 [ InlPklKQ ]
ピンと張り詰めた空気、研ぎ澄まされた殺意。
背筋を貫く死への恐怖感…

…何か、来る。
きゃつも又奥の手を隠しておったと言うのであろうか?
その瞳は強い意思しか感じる事が出来ない。
ならば… …こちらも奥の手を使うまで…



心を落ち着ける。
目を閉じて一呼吸。
水面を思い描き、きゃつの殺意をそこに写し込む。
肘膝手首から余分な力を抜き、猫足立ち、足のつま先まで意識する。
…どんな動きにでも体が瞬時に答えれるように…


きゃつの殺意が膨らむ!…来る!
「おまえの攻撃など全てお見通しよ!」
目を見開く!。きゃつめの殺意を心に写し、その軌跡を見切る。
侍が奥義「心眼」。

―我が技の前に、見切れぬモノは無い―

248 名前: (3/3) 投稿日: 2003/08/02(土) 13:51 [ InlPklKQ ]







心の水面に映った殺意は霧散した。
剣の構えをそのままに空いた手で懐から何かを取り出す獣人。
そのまま足元にそれを転がすと顔を上げ、目線をがっちりと合わせた。
矮小なる獣人の瞳には殺意に取って代わった澄んだ光と、何処と無く晴れ晴れとした表情があった。
「…な、何ぃ!?」
気を通し、揺らぐ事の無かった太刀の刃先が揺れた。


…バルクルム砂丘の小高い丘で決して小さいとは言えぬ爆音が響いた。
物言わぬ躯2つを照らす太陽は今日も暑かった。

###################
面白そうだったので便乗、「心眼」也

249 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 15:28 [ hvZltfKc ]
ゴブワロタ

250 名前: 226 投稿日: 2003/08/02(土) 17:03 [ J47yRC0M ]
美化ってか、やられてるじゃん ��( ̄□ ̄||)

>>233
そうです、コンバート>連続魔 の流れです、
実体験ではMB3発叩きこんだところでアリさんは倒れてくれました。
向こうが持ちこたえてくれたら連続魔MBで何発まで行けるかちょと気になるところ。
でも >>217 のアンジャパンジャも話の流れじゃコンバート>連続魔>インビジx6って
感じですよね。ではナナシに戻りますわ。

251 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 19:52 [ Odp.tCOU ]
>246
心眼で避けたと思ったら、ゴブが爆弾自爆?

。・゚・(ノД`)・゚・。

252 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 20:13 [ Zo4ENVtI ]
>>246

これはこれでイイ(・∀・)!

253 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 21:22 [ bTp8dh9Q ]
>239
リクエスト受けてもらえた。うれしい(/_;)
がんばれガルw

254 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/02(土) 23:58 [ z8ivs7h2 ]
例の台詞をどう美化するかに頭を悩ましておりますヽ(´Д`;)ノ

255 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/03(日) 12:43 [ DbBOzZUc ]
>254
無理言ってしまってすまんのう。
気長に待ってるので、あせらないでくだせれ。

256 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/04(月) 00:03 [ TZR5XVhU ]
下がりすぎだ

257 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/04(月) 00:12 [ cdOjQGOU ]
夏房防止で下げてんだ。ageるなっつの!

258 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/04(月) 01:19 [ gih8z5o. ]
age

259 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/04(月) 10:42 [ CjVjbi8s ]
ageってメール欄にいれるんじゃねーの?

260 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/04(月) 10:43 [ CjVjbi8s ]
うはwwwwwwwごめwwwwww
sageようと思ったのにageちゃったwwwwwwwwww

















∴゜(つД`)゜∴

261 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/04(月) 15:57 [ Txs20kZQ ]
上げるときは、メール欄にageなんて書かなくても上がる
わざわざ書いてるのは厨

262 名前: 空に奏でる君の歌32 投稿日: 2003/08/04(月) 23:24 [ woWxfMtA ]
本編の続きです。→ http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

263 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/05(火) 21:00 [ S.0ykVWU ]
sage

264 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/05(火) 22:14 [ 2c5VofZ6 ]
 |悲しい時ー!         │sageと書いてageてる馬鹿に突っ込みを入れてしまった時
  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄         ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ∧∧                ∧_∧    
    ( ゚Д゚)               ( ´д`)
   ⊂○ ○ヽ                ||””””””””””|
     |  | ̄             ( )      ( )
     / /\\              ||_____|
     / /  > /              / /  ) )
   (_)  ��>             (_) (_)

265 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 18:40 [ CjVjbi8s ]
ここも廃れてきたな・・・・・・

266 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 19:13 [ gAmIhSUo ]
age

267 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 20:32 [ 2c5VofZ6 ]
 |悲しい時ー!         │ageと書いてsageてる馬鹿に突っ込みを入れてしまった時
  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄         ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ∧∧                ∧_∧    
    ( ゚Д゚)               ( ´д`)
   ⊂○ ○ヽ                ||””””””””””|
     |  | ̄             ( ) 白き探求者( )
     / /\\              ||_____|
     / /  > /              / /  ) )
   (_)  ��>             (_) (_)

268 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 23:28 [ A4GeWEJQ ]
−−−−−−−−−− 終了 −−−−−−−−−−−

269 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 23:55 [ 6s6YxCXs ]
ゲーム自体が精神衛生上よくないものになってるからな・・・
はぁ

270 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 23:56 [ 6s6YxCXs ]
悲しいときー! ageるつもりないのにageてしまったときー!

スマン

271 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/06(水) 23:58 [ 2SVTya1g ]
藻前らスレ違いですよ。
作者様光臨までsageて待っとこうよ。
夏房来たらウザイしさ。

272 名前: sage 投稿日: 2003/08/07(木) 09:37 [ CjVjbi8s ]
そうだな。
作者降臨期期待sage

273 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/08/07(木) 11:30 [ l4R9Dz6k ]
第十二話 過去の爪痕


「わたしの、過去を教えて欲しいの。」

シングは、多少なりともこのジュノでの偶然の再会に際し、
彼女からこういう言葉が出ることは予想はしていたが
やはり実際問われると、無意識に表情を曇らせずには
いられなかった。
ジャグナーで旅団に訪れた惨劇は既にノースから聞いた。
当時の事を知る者は今はもう自分しかいないのだと思うと、
重い口を開かざるを得ないのか、と細い目を伏せがちに
茶をすする。
「わたしもね…全てを知っているというわけでは無いのだよ。」
そう言って、ゆっくりと彼は口を開いたのだが、
その内容には、ノースが知る旅団の姿は無かった。

274 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/08/07(木) 11:31 [ l4R9Dz6k ]
旅団は大元はサンドリア近辺を根城にした名も無い盗賊団だった。
だが、当時はかの有名なアタルフォーネ盗賊団の全盛期で、
サンドリアの騎士団だけでなく、各国の治安部隊自体が盗賊に対し
非常に敏感かつ厳重な時代で、「安全に細かく稼ぐ」タイプの
元旅団ですら、活動に支障をきたしだした。
かといって「急ぎ働き」や「強盗」のようなまねでもしなければ
仕込みの元金すらまともに稼げず、かといって強引な真似は
昔かたぎの元旅団は誇りが許さなかったし、また血を見るのも
好きではなかった。
大体、器用ではあるが戦闘経験のない連中の集まりである以上、
武闘派な盗みはやろうとしても出来はしなかったろう。

結局盗賊団として引退を決意した団長に付いていく者だけを
残して、輸送、運搬、密輸など、盗賊時代のちょっと普通では無い
ツテを利用しての「運び屋」をはじめた。
それが丁度軌道に乗り出した頃、夏季サンドリアやセルビナで
高値で取引される「氷」をボスディンに仕込みにいった時、
吹雪いてきた為休息で立ち寄った魔法塔の傍で、彼らはノースを見つけたという。

275 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/08/07(木) 11:32 [ l4R9Dz6k ]
「ほとんど、服は着ていなかったよ。ひどい凍傷でまさに半死半生だった。
 手当てをしようと雪を払って塔内へ運び込んでね、暖を取ろうと
 火を起こした時だった。ノース、君もわかっているだろうが、
 そのとき我々が目にしたのは、その胸に刻まれた紋章だ。」
「コレが何かご存知なんですか?!」
「それは…」シングが言葉に詰まる。
「教えてください。」ノースは、かまわず詰め寄る。
「それは…その紋章は…。」


「『黒の陽炎』と呼ばれる奴隷商人が使う呪詛の刻印だ。」

276 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/07(木) 11:33 [ l4R9Dz6k ]
うう…
>かといって「急ぎ働き」や「強盗」のようなまねでもしなければ
↓
>「急ぎ働き」や「強盗」のようなまねでもしなければ

なんか残ってた…脳内変換お願いします

277 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/07(木) 18:29 [ 7/luiLIE ]
『北の炎 西の風』キタ―――(・∀・)―――!!!

278 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/07(木) 18:43 [ FwCV/O7Q ]
なんだってー?!(AA略

279 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/08(金) 00:56 [ SMvWKTqg ]
testsage

280 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:15 [ PLr0HsvU ]
「名無しの話し」の8の1 −貧しさに−

日暮れの裏通りをとぼとぼと歩くヒュム戦。
昨日、思った通り全員がタルシーフにサイフをすられてた。
取り返せたのはパンツ二枚だけ。それも取り返せたと言うよりは…。
ヒュム戦から話しを聞いて、
ガル戦は雄叫びを上げて走り回った。
タル白タル黒はパニックモーションを連発した。
ミスラはパンツが戻ってきた事を素直に喜んだ。
エル騎士は事態を冷静に受け止めた…フリをした。パンツの盗難については、ヒュム戦を半殺しにしたあと自分の分は黙って回収し、無かった事にしてしまってる。
もちろん、ヒュム戦も
「ほんとはエル騎士もパンツ盗られたんだよー」
なんて言ったりはしなかった。
命が惜しいから。

281 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:17 [ PLr0HsvU ]
そして、今日は狩りどころでは無くなった。
それぞれに被害届を出したり、もういないだろうと思いながらもタルシーフを町中探して回ったり、被害の穴埋めのために余ってるアイテムを売りに出したりと、一日がバタバタで終わった。
「え…と…」
歩きながら手持ちのお金を計算してみる。
アイテムは思ったように売れなかった。
全て売れるにはまだ何日かかかるだろう。
宿の部屋代は先払いなのでしばらく大丈夫。
けど…。
装具や剣の手入れはおろそかに出来ない。
新しいのを買うのはあきらめるとして、少し食費を考える必要があるかもしれない。
明日からしばらくは即金になる獲物を狙おうか。
まったりとした狩りはおあずけ。効率重視の狩りがメインになる。
もしかしたら、十時と三時のおやつ休憩も無くなるかも。
あれはほとんどミスラとヒュム戦が自分のサイフから用意してるから。
「はぁ…」
ため息がでる。
と、
「ヒュム戦!」
背から声が掛かった。

282 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:18 [ PLr0HsvU ]
「名無しの話し」の8の2 −誤解−

聞き慣れた声。
振り向くとやはり、エル騎士がいた。
「やあ」
手を挙げて挨拶するヒュム戦。
軽く手を挙げ、それに応えながら大股で歩み寄るエル騎士。
「エルさんの方はどう?少しは売れた?」
エル騎士もヒュム戦と同じく、幾つかのアイテムを売りに出してるはず。
「まだだ…」
ヒュム戦の真正面に立つエル騎士。
真剣な顔をしてる。
「あ、お茶でも飲んでく?」
ヒュム戦の宿はもう近い。
「いや、今日はいい。それよりも…」
「?」
「おまえ、パンツが好きか」
「へ?」
「ひとの履いてたパンツが好きなのか」
「は?」
「洗ってないパンツを買ったりするのか」
「え゛?」
「そういった趣味の者もいるとミスラに聞いた。だからパンツが商品になるのだと。特に脱ぎたてはレアアイテムと呼ばれるらしい」
「はぁ」
「ひとの趣味をどうこう言うつもりはないが、私はそういった事は容認しかねる」
「ほう」
「お前がそうなら、私はいろいろと考え直さなくてはならない」
「ふむ」

283 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:20 [ PLr0HsvU ]
「……真剣に聞いてるのか、おまえは!」
生返事を繰り返すヒュム戦の胸ぐらを掴み上げるエル騎士。
「真剣に聞くような事か!」
エル騎士の手をはねのけるヒュム戦。
「つきあい始めて何年だ。パーティー組んで何年になる。おれがそんな奴だと思うのか。人のパンツ相手に『パンツたんハァハァ』なんてすると思うのか?」
「しないのか?」
冷静に聞き返すエル騎士。
「しない!」
胸を張って言い切るヒュム戦。
「ほんとうに?」
「しない!」
「ハァハァを?」
「しない!」
「私のでもか?」
「‥しない」
一瞬間が空いたが、エル騎士は気付かなかった。
「そうなのか…」
ようやく納得したようなエル騎士。
「あぅ…」
ガックリと肩を落とすヒュム戦。
「その程度に思われてるワケね…」
「あ、いや、しないならいいんだ。ちょっとミスラが…いや、確認したかっただけだから。うん。そんな趣味が無いにこした事はない。うん。良かった良かった」
慰めのような誤魔化しのようなエル騎士の言葉。

284 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:23 [ PLr0HsvU ]
「名無しの話し」の8の3 −超ネタ−

と、
「良かったにゃあ?」
背後で声がした。
「!」
振り向くと、いつの間にかミスラが立っていた。
背後に立つのはシーフの得意技。
「やあ」
動揺したのだろう、間の抜けた挨拶をするエル騎士。
「にゃあ」
気にしてないミスラ。
「ヒュム戦にコレあげるにゃ」
手に持った小さな包みを差し出す。
受け取るヒュム戦。
軽い。
「お礼のケーキにゃ」
「?」
「パンツ取り戻してくれたお礼にゃ」
「…そんなのいいのに」
複雑な心境のヒュム戦。
「タルちゃんたちのついでにゃ」
「…そう…」
ついでというのは…微妙な「お礼」のような気がする。
「昨日ケーキ食べられなかったし、おサイフすられたしでタルちゃんたち落ち込んでたにゃ。おサイフはどうしようもないから、も一度ケーキ焼いて持ってったにゃ」
「喜んでいたか?」
「にゃ♪少し元気になってたにゃ」
エル騎士の問いにニッコリと笑むミスラ。
「それはよかった」
エル騎士とヒュム戦も笑む。
「これはエル姉の分にゃ」
同じ様な包みを差し出すミスラ。
「ありがとう」
受け取るエル騎士。

285 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:25 [ PLr0HsvU ]
「ところで」
ころっと表情を変えるミスラ。
真剣な目でヒュム戦とエル騎士を見上げる。
「こんな情報が手に入ったにゃ」
二人へそれを見せるミスラ。
『尚、一部に編集が加えられてる可能性があります。それにより発言の意図と異なる解釈が発生する可能性については当方は関知致しません…クポ』
と注意書きがついてる。
その内容は

> 966 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/07/23(水) 03:13 [ qRUFEMs2 ]
> ヒュム戦はエル騎士のパンツの柄を見知っていた**。

ボンッ!
一瞬で耳まで真っ赤になるエル騎士。
硬直するヒュム戦。
「ホントかにゃ」
ヒュム戦へ聞くミスラ。
「えーと…」
視線の逃げるヒュム戦。
「ホントかにゃ?」
エル騎士へ聞くミスラ。
「その情報は正しいのか?」
と聞き返すエル騎士。
しかし、顔は赤いままだったりする。

286 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:27 [ PLr0HsvU ]
「名無しの話し」の8の4 −追求−

「かなりな確率で正しいにゃ。シーフの情報網は無敵にゃ。闇の魔王の今日のパンツの色も判るにゃ」
「いや、闇の魔王のパンツの色が判っても…ってパンツ履いてるのか?」
ツッコミつつ、ふと気付く。
「だったら、あのタルシーフの事も判るんじゃ…」
「それについては守秘義務があるにゃ。これでもシーフ業界は厳しいにゃ」
「…そうなの…」
微妙に納得しづらいヒュム戦。
「そんな事より、パンツの柄にゃ。ヒュムさんは知ってたのかにゃ」
「知っていたのか!?」
いつのまにかミスラと一緒になって問いつめてるエル騎士。
「さては、お前、覗いたな!?」
「へ?」
思わぬ方向からの攻撃に、変な返事を返してしまうヒュム戦。
「狩りの途中、水浴びをした事が何度かある。その時着替えを覗いただろう」
「は?」
確かに、血まみれになったのを川や池の水浴びで落とした事はある。
何度もある。
もちろん、男女交代で。
「それともタルちゃん達から聞き出したのか」
「げ?」
その時、タルチャンたちは、なんの違和感もなく女性達と一緒に水浴びしてた。

287 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:28 [ PLr0HsvU ]
「覗いたな!」
「いや…」
「聞き出したな!」
「そんな…」
「間違いないな!」
「ちがう…」
「よし!」
ガシッとヒュム戦の頭をつかみ、グリッとミスラの方へねじるエル騎士。
「犯人はコイツだ」
いったい何の犯人なんだか判らない。
「ヒュムさん…」
ミスラの瞳がヒュム戦を、見上げてるのに見下してる。
「ちがう…」
「ヒュムさんも若い男にゃ。女性の着替えが気になるのは判るにゃ」
「ちがうのよ…」
「でも覗くのはいけないにゃ」
「ちがうんだってば…」
ウルウルと瞳に涙を溜めてるヒュム戦。
「特にパーティーの仲間を覗くのは最低にゃ。人間性に問題があるにゃ。致命的欠陥と人は言うにゃ」
「ちがうのにぃ〜」
エル騎士の手を振りほどき、
「わあぁぁ〜〜」
泣きながら走ってくヒュム戦。

288 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:31 [ PLr0HsvU ]
「名無しの話し」の8の5 −りかばー−

「あ…」
一瞬、止めようとした手を引っ込めるエル騎士。
「あ〜泣いちゃったにゃ。エル姉意地悪にゃ」
走り去るヒュム戦を見送るミスラ。
「いや、その…」
ちがうだろ、とはつっこめないエル騎士。
「…この事、みんなには…」
「エル姉さえいいなら、ナイショにしておくにゃ」
「たのむ。その方がパーティーの為には良いと思う」
「言ったら雰囲気悪くなっちゃうにゃ」
「すまん」
「にゃはは、べつにいいにゃ。それじゃアタシはガル戦さんの所にもケーキ持って行くにゃ。また明日にゃ」
「ああ、また明日」
さっさと走り出すミスラ。少し走って角を曲がる。
曲がる時チラリと見ると、エル騎士はまだこちらを見てた。
曲がると、一気にとんずら発動!
通りを走り、角を曲がり、走り、曲がり、あっという間にエル騎士の背側の角に回り込む。
そっと覗く。
まだエル騎士はミスラの曲がった角を見てる。
しばらく見て、ミスラが引き返してこない事を確認したのだろう、振り向くエル騎士。
一瞬早く身を隠すミスラ。

289 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:33 [ PLr0HsvU ]
その脇を、
ガシャガシャガシャ!
鎧の音激しく全速で駆け抜けてくエル騎士。
ヒュム戦の走り去った方向へ。
そしてそれは、ヒュム戦の宿の方向。

にかっ…。
目を細ーーくした笑みをもらすミスラ。
「多少の波風があった方が人間関係は深まるにゃ。『雨降って地固まる』っていう伝説もあるにゃ」
それからふと思い出す。
「そういえば『雨降りすぎて地崩れ多発』っていう伝説もあった気がするにゃ」
腕を組んで少し考え。
「…ま、明日になったら判るにゃ。楽しみにゃ」
そしてミスラは足取り軽く、家路についた。
ガル戦へのケーキのおすそわけはアッサリと忘れ去られた。

290 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:36 [ PLr0HsvU ]
翌日、ヒュム戦もエル騎士もいつも通りだった。
ミスラの期待したような『劇的』な変化は見られなかった。良くも悪くも。
微妙にミスラのふいだまが失敗したり、
微妙にヒュム戦の挑発が遅くてミスラが獣人にボコボコ殴られたり、
微妙にエル騎士のかばうが遅くてミスラが獣人にバコバコ殴られたりしたけど
「なんか変にゃ〜?」
「いつも通りだよ」
「問題ない」
だった。

「名無しの話」の8 −おわり−

291 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/08(金) 02:38 [ PLr0HsvU ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
二週間以上も前で、レスも変わってるのに
「翌日」です。
しかも、またパンツです。
さらに、ほのぼのラブラブ路線を狙って、すべってます。
やはり修行が足りません。
日々の鍛錬が大切です。
マンドラたんを千匹踏んだら、純愛小説が書けるでしょうか。
黒マンドラたんをソロで倒せたなら、文学小説が書けるでしょうか。
…いや、書かないけど…。

292 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/08(金) 02:43 [ .f/GJy1s ]
リアルタイムで
キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

>名無しの話の作者様
いつも楽しみにしています。
白黒タルのファンなのですが、今回出番が無かったのが残念です。
彼(彼女?)らの話を読んでみたいです。

293 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/08(金) 02:52 [ HtA04D/. ]
パンツたん(;´Д`)ハァハァ sage

294 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/08(金) 03:14 [ NsNF.rF2 ]
ガルカも出てないですな
ガルカとヒュム戦・タルのやりとりが大好きw
また頑張ってください〜
待ってます!!

295 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/08(金) 05:31 [ /7E1.1KY ]
名無しの話さんキター!!!

大好きです!
元はタルタルちゃんズ萌えだったのですが、
タルタルちゃんズに優しいヒュム戦さんが気になり始め
最近はヒュム戦さんが可愛くて可愛くて仕方がありません。
ガルカさんもエル騎士さんもミスラさんもタル獣さんもトラさんもみんな好きですがw
またよろしくお願いいたします〜、いつもありがとう〜。

296 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/09(土) 00:32 [ gXnMra3s ]
ずっと何の違和感もなくエル騎士が男だと思っていた漏れは
ヒュム戦の動揺に同性愛疑惑を抱いていたりした。

馬鹿じゃん、漏れ(つД`;)

297 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/09(土) 13:42 [ gih8z5o. ]
探すの大変なので上げさせて・・・

298 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/09(土) 15:49 [ rWGYcapg ]
>297
お気に入り登録でもしておいたら?

299 名前: 1/2 投稿日: 2003/08/10(日) 02:01 [ OvcH3iqQ ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

たったったっ!

「大変にゃ!遅刻するにゃ!遅刻するにゃ!」

すてん!ころころ!ぽちゃん!

「にゃ!転んじゃったにゃ!困ったにゃ!
大事なアレを泉に落としちゃったにゃ!」

しゃらんら〜♪

「うにゃ!泉の中から、誰かが出てきたにゃ!」

「コホン。私は〜泉の精〜。」
「にゃ?そんなところで、なにやってるのにゃ?
それに、寒くないのにゃ?服が濡れてて、スケスケなのにゃ。」

300 名前: 2/2 投稿日: 2003/08/10(日) 02:02 [ OvcH3iqQ ]
「や〜ん!もう!それは言わないで!」
「にゃ?」

「兎に角、私は泉の精です!誰かに似ていたとしても、
それは他人の空似で、気のせいです!」
「そうなのにゃ?」

「はい、そうです。では、話を進めますね。
アナタが泉に落としたのはコレですか?」
「にゃ!そ、それは『大長編 ミスラ譚! 初恋ウインダス』なのにゃ!」

「はい。そうです。正直なアナタには・・・。」
「違うにゃ。」

「え?えと、そんな、台本と違うよぉ・・・。」
「アタシが落としたのは『18禁 ミスラ譚! ハァハァ』なのにゃ。」

「もう!えっちなのは・・・。」
「にゃ?」

「ちょっとダケなら、イイかも・・・。」

ちゃんちゃん!

301 名前: 0/0 投稿日: 2003/08/10(日) 02:03 [ OvcH3iqQ ]
!センデンデス!

お久しぶりです。夏ですね。夏といえば大長編。
という訳で『大長編 ミスラ譚! 初恋ウインダス』が完成しました。

詳細はこちら -> ttp://members.goo.ne.jp/home/diathree

(あ、ヒュ娘の出番はありません・・・。)

302 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/10(日) 02:53 [ T/L6LeYc ]
きたあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

303 名前: 獣一品 1/2 投稿日: 2003/08/10(日) 07:47 [ v38Z9sLc ]
エルヴァーンのような細長い月が空に昇っていました。
「きれいでしゅね、クロウラたん」
月に照らされて、海辺を動く影がひとつ。
タルタルを乗せてもぞもぞと、クロウラーでした。
「……」とクロウラー。
「えへへ、クロウラたんはおもしろいでしゅ」と、にっこり笑ってタルタル。
彼らだけの会話を、ダルメルのような、
もといエルヴァーンのような月が見守っていました。
「……」
「そうなんでしゅ、お船のお金がないんでしゅ」
「……」
「他の方法があるでしゅか?」
「……」
クロウラーはもぞもぞと海をめざしました。
「……(Pugilの親分さん、親分さん)」
「……(おう、クロウラーの坊主じゃねぇか、なんでい?)」
「……(この人、お友達なんです、遠くの港まで、乗せてあげてほしいんです)」
「クロウラたんと別れるでしゅか?」
タルタルの目が、じわっとうるみました。
「……(タルタルさん、またいつか、会える日が来ますから……)」

304 名前: 獣一品 2/2 投稿日: 2003/08/10(日) 07:49 [ v38Z9sLc ]
タルタルは、何か言葉をさがしているようでした。
「……(親分さん、お願いします)」
クロウラは、Pugilの親分の背中にタルタルを移して、
「……」
と、それを聞いて、
「クロウラしゃん」
早くも海に入り始めた親分の背中からあわてて振りかえって、
「きっと戻ってくるでしゅから!」
おだやかな月の光に見守られて、タルタルの小さな影は
やがてもっと小さくなり波間に消えてゆきました。
クロウラーはそれでもずっと海のかなたを見つめていました……
だから、刃に血をしたたらせ、冒険者がうしろに迫っても、
クロウラーは気付くことができませんでした。
「……(タルタルさん、どうかお元気で)」
月だけが、その夜の別れを見ていました。

――つづく?――

305 名前: 303-304 投稿日: 2003/08/10(日) 07:52 [ v38Z9sLc ]
初めて書いてみました
wwwの獣様が好きなのでそこから
つづくかどうかは未定です

306 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/10(日) 13:45 [ qgmnvfBI ]
>>305
絵本みたいな話。いいね

307 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/10(日) 20:14 [ lR9y1LjE ]
>>303-304
おお、若がこのスレにも光臨だ。

308 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/10(日) 20:30 [ aNEkxUvQ ]
wwwスレが見たくなってきました

309 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/10(日) 21:55 [ Bxi1AH/g ]
タル戦と白き探求者がよみたいでつ(つД`;)

310 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/11(月) 23:39 [ aNEkxUvQ ]
タル戦&白探期待age

311 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:43 [ GBx6VEDo ]
 ねぇ、フランシア。
 あの世とこの世の境目はどこにあるんだろう。
 この世を去った魂が、何日か、何時間かだけでも戻ってこれるなら・・・
 君もその日には俺の近くに帰って来てくれるよね?

312 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:45 [ Xs1Ba4m6 ]
−祭−

 ここはロランベリー耕地。
 あるPTがキャンプを張って夕食の支度をしている。
「知ってるかニャ? 今日、ジュノでお祭りがあるんにゃ〜」
「あー、そう言えばそんな広告が貼ってあったなぁ」
「僕も見たー」
「見たー」
「何でも、死んだ人の霊が帰ってくるのを迎えるお祭りらしいにゃ」
「そうなのか?」
「さぁ、私はエルヴァーンだ」
「んー、ガルカにも死者を弔う祭があるんだけどなぁ」
 いや〜な予感が背筋を伝っていくのを感じるヒュム戦とエルナ。だいたい、お前ら転生してるんじゃないのか、
と突っ込みたかったが強大な理性でそれは押さえる。
 ミスラも聞きたくて仕方がない様子だが、なーんとなくそこから先は聞いたらだめなような気がして食事の後か
たづけをする。
「どんなおまつりなのー?」
「どんなのー?」
 あーあ、聞いちゃったよ。つい聞いてしまう気持ちは分かる。分かるんだが・・・お前らが聞いてどうするんだ、
と思わず突っ込みそうになるヒュム戦であった。

313 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:46 [ GBx6VEDo ]
「んー、櫓に火を付けてその周りで屈強のガルカの戦士が踊り狂いながら、タルタルを頭から食らって生き血を浴
びながら火のついた櫓の中で焼け死ぬまで踊り狂うんだよぉ」

 といいながらタル白黒を見るガル戦の目は逝っちゃってた。そりゃぁ、屈強の戦士でもちびりそうなくらい。

314 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:48 [ GBx6VEDo ]
 ところ変わってバストゥーク。

「というわけで、ジュノに行ってきてもらいたい」
「最近、どんどん理由が省略されてきてますね」
「細かい奴は嫌われるぞ」
「細かいも何も、何をしに行くのかすら聞いてませんが」
「仕方のない奴だな・・・ 今度、ジュノ大公の提唱により、ジュノと三国共催で祭をやることになった。なんでも
東方から伝わった伝統的な祭らしくてな。そのスタッフを三国から出して欲しいとジュノから依頼があったんだ。で、ま
ぁ、うち(ミスリル銃士隊)が選ばれたわけだ」
「さすが何でも屋の精鋭部隊ですね」
「共和国のタマネギ部隊の異名は伊達じゃないぞ」
「やな異名ですね・・・」
「うむ」

315 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:49 [ GBx6VEDo ]
 飛空艇を使えばジュノまではあっという間だ。以前はあれほど苦労して通過したパシュウハウ沼やロランベリー耕
地が遙か眼下に広がっている。

 大使館に行って詳細を聞いてみた。
 祭の趣旨は隊長に聞いたとおりだが、それに伴う(というかこちらがメインか)儀礼として、櫓を組みそこに設置
されたドラムのリズムと詩人の歌(「カワティオン・ド」というらしい)にあわせてその周りを輪になって踊り狂うとい
うものらしい。
 どうも俺とナジは櫓組みの人足として派遣されたらしい・・・
 アヤメはダンス(トレイ・ダンスというらしい)の指導をしている。

316 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:51 [ Xs1Ba4m6 ]
 いよいよ祭当日。
 会場は下層大橋の商店街からロランベリー側に出て、門の内側の広場。
 その広場に櫓を組んだ。
 すごい人混みだ・・・
 結構大々的に宣伝していたし・・・何よりも「死者の霊を迎え、その記憶に思いをはせる」祭。人の多さはそれだ
け、失われた命の多さを物語っているのだろうか。
 以前出会った人たちの姿が見える。タルタルが前衛をしているパーティ、白髪の白魔導士とパートナーの女性。仲
間や恋人、大切な人たちの思いで。
 彼らだけじゃない。周りを見れば仲間を失ったであろう冒険者達が物思いにふけっている。不釣り合いなほど大き
な両手剣を背負ったミスラの少女、白い鎧に身を包んだタルタルのナイト、鋼鉄銃士の制服を着たミスラの女性・・・

 夜も深まり、場の空気は徐々に「お祭り」と化してきた。
 そこかしこの喧噪。笑い声。酔っぱらいの千鳥足。
 夕暮れ時の死者に思いをはせる厳粛な空気はどこへ飛んでいったのやら。先ほどと同じ冒険者達が、今ではすっか
りいつもの陽気で気のいい冒険者になってドラムのリズムに合わせてでたらめなダンスに興じている。

317 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:52 [ Xs1Ba4m6 ]
「知ってるかニャ? 東方式の服を着た場合には下着は付けないのにゃ」
「うっそー!?」
「ほんとにゃ。だからあたいも下着はつけてないにゃ」
「きゃー♪、過激ィ。本格派ねー」


・・・・東方の服は下着を付けない・・・?

 俺の中で。

 何かが。

 音を立てて弾けた・・・

 祭の華やかさの裏には光の差さない闇がある。得体の知れない闇の眷属が蠢く祭の陰。
 ここはそんな場所。
「・・・何という着心地・・・ 風がこの服の裾から素肌を撫で、股間を吹き抜けてゆくこの感触。まさに気分はエ
クスタシー。今なら東方から伝わったダンスによって大地のエネルギーを得られそうだ」
 遠くから聞こえてくるドラムのリズム。脱いだサブリガを懐に収めた闇が、踊りの輪に加わっていった・・・

318 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:54 [ GBx6VEDo ]
 祭はいよいよ佳境。
 ひとしきり踊った俺は、踊りの輪から外れ、門のすぐ近くで酒を飲んでいた。
 この踊りと明かりを目指して死者の霊が祭の期間中だけ帰ってくるという。ならば、フランシアの霊もこの近くに
いるんだろう。そうだろ? フランシア・・・
 用意したカップは二つ。飲み干されたカップと、飲み干されることのないカップ。だけど・・・きっと。

319 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:56 [ Xs1Ba4m6 ]
 そんな物思いは、二つの悲鳴によって破られた。
 必死の形相で何者かから逃げて来た2人のタルタルが俺の足にぶつかって転倒した。2人とも表情が恐怖でひきつ
っている。
「ごっ、ごめんなさいー」
「なさいーっ」
 必死で立ち上がろうとしているが腰が抜けてるらしくわたわたともがくだけ。
「おちついて。どうした? 追われているのか?」
「「ガルさんが・・・ガルさんが・・・」」
「酔っぱらいのガルカにでも追われているの?」
「ガルカの伝統的な慰霊祭ではタルタルを生け贄に捧げるって言って・・・」
「ぼくたちをみて笑うのーーー」
 うわぁ、そりゃタルタルでなくても恐いだろうなぁ・・・

320 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:58 [ GBx6VEDo ]
 話を聞いてるうちにやってくる追っ手。
「あー、いたいたぁ」 
 そう言って一歩一歩にじり寄ってくるガルカ。確かに恐い。圧倒的に恐い。この俺もちびりそうだ・・・
 だが、ここは退けない。お祭りは楽しくなければならないんだ。こんなに怯えたタルタル達を見捨てることは俺に
はできない。
 フランシア、力を貸して!

 懐のサブリガを顔に被る!
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!」

321 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 09:59 [ GBx6VEDo ]
 そしてガルカの正面に立ちふさがった。
「ふぉぉぉ・・・ 東方より伝わったこの装束を身に着けるときには下着を付けないのがしきたりと言うが・・・ 
なるほど素晴らしい感触だ」
 俺の後ろに隠れていたタルタル達はますます怯えている。
「ガルカさん、ここは私に免じてタルタル達を生け贄にするのは勘弁してもらえないだろうか。代わりに我が『サブ
リガの舞』を奉納しようじゃないか」

 次の瞬間、俺の頭部はガルカ氏の巨大な手にすっぽりと収まっていた。
「サ・ブ・リ・ガァァァ  ロケェェェッットォォォォォォ!!!!」
 名匠の手による重厚なブロンズ像もかくや、という圧倒的な投擲フォーム。僧坊筋と上腕筋が唸りを上げ、腹筋と
大腿筋が青筋を立てて収縮する。
 私の体は首を基点に回転し捩られ湾曲し、弛緩切った筋肉は遠心力により美しい直線を描きながら、正確に斜め4
5度の角度で肉のマスドライバーから射出され、物理的に非常に正しい軌跡を描きながらジュノ上空を飛行する。

322 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/12(火) 10:00 [ Xs1Ba4m6 ]
 そのとき、丁度今日の目玉である花火が打ち上げられ、ジュノの空に大輪の華を咲かせた。


〜〜〜花火を上から見るのも乙なものでしょ?〜〜〜

遠くから、だけどいつもより少しだけ近く、フランシアの声が聞こえた

「君のいるところに少し近づけたかな・・・」


-fin-

323 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/12(火) 10:00 [ MRUOrZ9k ]
(・∀・)イイ!

324 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/12(火) 19:45 [ aNEkxUvQ ]
腹Iteeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!

325 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/12(火) 20:51 [ g3ySdPbE ]
毎度のことだが・・・色んな作品にうまくなじんでるなぁ・・・・
普通は少し感じが変わるんだけど、凄いとしかいえない、
次回作、期待してます

326 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/13(水) 00:38 [ NsNF.rF2 ]
最高wwwwwwwwwwwwww
やっぱ面白いです〜。
しかも俺の好きな組み合わせ。
やっほ〜い
また楽しみに待ってます〜〜〜〜〜〜〜

327 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/13(水) 01:02 [ iB9S1Q1g ]
全ての作品に顔出しした時点で、そこから先はオリジナルが出る?

328 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/13(水) 02:17 [ n8Q/v4/g ]
騎士手紙と細い兄弟にも顔出してたっけ?
あと短編のとかにも

329 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:15 [ oNe2RFfM ]
【1】

ジュノ下層の道ばたで一人、ボーっと座り込んでバザーを開いているミスラが居た。
名前はララ・シェリィ。ジュノに来て一ヶ月程になる。

周りに同業者がいるものの、挨拶を交わす程度の仲で特別親しい人は居なかった。
ここへ来て以来、まともに会話をしたのはレンタルハウスのモーグリと、そして…

「よぅ、ララ。今日の売れ行きはどうだい?」
聞き慣れた声にララは顔を上げた。声の主はエルヴァーンの戦士、レンヴィスだった。
戦士専用装備の赤い色が目に眩しい。
「こんにちはレンヴィスさん。今日も順調ですよ。」
ララのバザーに並ぶ品物は、すべて彼がクリスタル合成で作り上げた物だった。
鍛冶を専らとする彼の品物は武器防具と様々な取り揃えで、爆発的に売れることはないものの
毎日のように誰かしらが買っていくのだった。
「そうか。この調子だと今日は完売できそうだな」
レンヴィスはバザーを覗き込みながら、上機嫌で頷いた。

330 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:16 [ oNe2RFfM ]
【2】

「たまにはさ、照れないでシャウトしてみてくれよ」
「う〜〜〜〜〜・・・頑張りますぅ」
おっとりしたララには、大勢の前で声を張り上げる事にかなりの抵抗があった。
ある程度売れていれば叫ばなくていい、との約束なので今のところはやらずに済んでいる。
ララは何とかそれを避けようと、より目立つように場所を変えたりして地味に頑張っていた。

「おっと、そろそろ行かなくちゃ。もし完売したら今日はゆっくり休んでくれよ。」
「は〜い」
ララがニッコリ微笑むと、レンヴィスは人混みの中へと消えていった。

331 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:20 [ oNe2RFfM ]
【3】

一ヶ月前のこと。
ウィンダス森の区の門の前で、エルヴァーンの白魔道士が息も絶え絶えにぐったりと座り込んでいた。
「あのぅ、大丈夫ですか?」
ララは心配そうに彼に駆け寄りコップ一杯の水を手渡した。
彼の姿を見つけるなり踵を返し、慌てて家に戻って水を汲んできたのだった。
彼はそれをグビグビと飲み干したが、息が荒いのは変わらなかった。
冒険者ではないララに、彼を癒す術はない。ただ傍らに座って見守るしかなかった。
しばらくして彼はヨロヨロと立ち上がり、自分にケアルをかけまた力無く座り込んだ。
「・・・ありがとう」
まだ顔色の悪い、そのエルヴァーンの白魔道士は掠れた声でそう言うと、ララに空になったコップを返した。
「白魔道士のソロがこんなに危険だとは…」
ララは彼の事が心配だったので隣に座ったまま、その独り言ともつかない言葉に相づちを打った。
「普段は他のジョブなんですか?」
「ん、あぁ。メインは戦士なんだ。いつものノリで敵に斬りかかったら…いや、棍棒だから斬れないんだが」
「返り討ちに遭っちゃいましたか」
「はは。その通り。こんなに辛いとは…自分でやってみて初めて解ったよ」

332 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:23 [ oNe2RFfM ]
【4】

レンヴィスと名乗るそのエルヴァーンの白魔道士は、色々な冒険譚をララに聞かせてくれた。
自分では冒険者になろうという気が起きないララも、話を聞くのは楽しいものだった。
普段は相当な強さの戦士らしく、ララが聞いたこともないような土地へ行き、見たこともないような
生き物に出くわして危険な目に遭いながらも仲間と力を合わせてそれらを倒した、という話を
彼は活き活きと語り続けた。

「そうだ、君、ジュノへ行く気はないかな」
「え!?ジュノ!?そりゃあ、憧れの街ではありますけど…」
唐突な質問に、ララは不思議そうに返事をした。
ジュノの話は他の冒険者から聞いたことがある。大勢の人で賑わう街、ジュノ。
一度は行ってみたいと思っていた。
「俺、クリスタル合成で色々装備品を作ってるんだけど、競売の出品数は限られてるし、
 だからといってずっと街に居座って物売りする時間もないし」
少し申し訳なさそうに、レンヴィスは言った。
「ここで会ったのも何かの縁ってことで…突然勝手なこと言って悪いんだけど
 もし君がよければ、俺の代わりにジュノでバザーを開いてくれないかな。報酬はもちろん出すよ」

333 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:24 [ oNe2RFfM ]
【5】

あまりに突拍子もない申し出に、ララは目を白黒させた。
「え〜〜〜〜〜!そ、そんな、私が、ジュノで・・・?」
えええ、と余韻を残しながら、ララは後ずさりしてレンヴィスを凝視した。
「無理にとは言わない。急には決められないだろうから、君が返事をくれるまで
 ウィンダスにいるよ。元々ここでしばらく白魔道士の修行するつもりだったし」

そういうわけで、ララはジュノへ来ることになったのだった。
「護衛をしてあげたいのはやまやまなんだけど、敵に数で来られたら守りきれないから」
そう言ってレンヴィスは冒険者登録をして間もないララに、一人でジュノに行くように言った。
ララにとってはあまりに横暴な仕打ちに抗議したが、レベル1の冒険者が一人で
ジュノに辿り着いた例は数多いと説得されてしまい、結局一人でジュノを目指すことになったのだった。

334 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:26 [ oNe2RFfM ]
【6】

故郷ウィンダスを後にし、東サルタバルタ、タロンギ大渓谷、メリファト山地は道なりに進んで
それなりに安全な旅ができたものの、ジュノの一歩手前、ソロムグ原野に入るなり目の前に広がる光景に、
ララは足が竦んでしまった。レンヴィスにtellで話しかける。

> レンヴィスさん〜〜〜、すっごい強そうな人が今にも死にそうですよぅ・・・
< んん?まぁ、ソロムグには手強い敵が多いからな・・・コカトリスでも狩ってるのか?
> でっかくて気持ち悪いヤツが・・・でも、さっきから冒険者さん動かなくて・・・
< あ〜、石化しちゃってるのか。そいつの石化はなかなか解けないからな、しょうがない。
  横を通らせてもらいな

心の中でごめんなさい、と謝りながら、ララは恐る恐る横を走り抜けた。
ほっとする暇もなく、今度は遠くの方に見えるラプトルにまたもや足が竦んでしまった。

335 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:27 [ oNe2RFfM ]
【7】

> レンヴィスさん〜〜〜、すっごい足の速い恐竜みたいのがこっち見てますぅ・・・
< んん?ラプトルか・・・サイレントオイル使えば気づかれないよ
> でも、ヤグードもいますよぅ。ヤグードはオイルじゃダメなんですよね
< オイルの上からプリズムパウダーかけてもちゃんと効果出るから、大丈夫

tellの先で苦笑いをするレンヴィスの態度に少しふてくされながら、
ララはあらかじめレンヴィスから渡されていたサイレントオイルとプリズムパウダーを体に振り掛け、
必死で敵の横を走り抜け、彼女にとっては命からがら、ジュノに辿り着いたのだった。

336 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:28 [ oNe2RFfM ]
【8】

朝、ララがいつものようにレンタルハウスで目を覚ますと、お世話係のモーグリがパタパタと近づいてきた。
「おはようございますクポ〜」
「おはよう、モーグリ」
「今日もたーくさん、荷物届いてますクポ〜」
「は〜い」
ララの一日は、レンヴィスから届けられるバザー用の品物を受け取ることから始まる。
かなりの量の品物を部屋から運び出すのは最初の頃は苦労したが、今はもうすっかり慣れてしまった。

早朝は人通りが少なく、それ故バザーを覗いてくれる人もあまりいないので退屈だった。
そんな時ララは、道行く冒険者の装備品をぼんやり眺めてあーあれは素敵だなぁ、
うわ、あの人すごい格好してるな、などと考えながら過ごすのだった。
自分と同じ種族であるミスラの冒険者の格好は、特に気になっていた。

337 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:29 [ oNe2RFfM ]
【9】

ふとバザーを覗き込まれたのでボーっとした頭を切り換え、いらっしゃいませ、とララは微笑む。
顔を上げるとミスラの狩人だった。狩人専用の装備に身を包み、バザーの品物と値段を吟味する姿すら
凛々しさを感じさせる人だった。
「安いのね」
ふふっ、と笑いながら、これいただこうかなとダークボルトを指差した。
「は、はい、ありがとうございます!」
少しドギマギしながらダークボルトを渡し、お金を受け取りながら、ララは思わず彼女をじっと見つめてしまった。
「ん?」
バザーを開いてる人が買い手をじっと見つめるということはあまりないので、そのミスラは不思議そうに
小首を傾げてララを見た。
「あ、あっ!す、すみません・・・そのっ、帽子・・・格好いいなと思って・・・」
咄嗟に出た言い訳だったが、実際ララはベレー帽が好きだった。
似合うわけがないと、自分では被らずじまいだったが。

338 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:30 [ oNe2RFfM ]
【10】

「お、フォウ、買ってくれたの?ありがと〜♪」
聞き慣れた声にララは顔を上げた。レンヴィスが、ミスラの狩人に声をかけていた。
「あら、レンヴィス。あなたがバザーを頼んでるのってこの子だったの?知らなかった」
「ん、フォウには言ってなかったっけ?誰に言ったか言ってないか憶えてないや」
いつもよりご機嫌なレンヴィスの様子をそっと窺いながら、ララは二人の邪魔にならないようにと、
身じろぎせずに固まっていた。

「お〜い!フォウ、レンヴィス、準備できた?」
レンヴィスとミスラの狩人に、離れた所にいた仲間から声がかかる。
「じゃ、バザー頑張ってね」
ミスラの狩人はララに手を振ると、仲間のところへ走っていった。
「今日も一日、よろしくな」
ララにそう言うと、レンヴィスも彼女の後を追い、合流した仲間達とテレポでどこかへ飛んでいった。

339 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:31 [ oNe2RFfM ]
【11】

> ちょっと街に戻る時間がなくて・・・ホントはルール違反だけど、ちょっと俺のモグハウスに入って
  今日の分、持っていってもらえるかな。金庫の手前の方にあるから。うちのモーグリには言ってあるよ

明くる朝、いつものようにポストを覗いたら空っぽだったので、レンヴィスにtellをしようとした矢先、
彼の方からtellが来た。
ルール違反という言葉に怖じ気づきながらも、ララは彼のモグハウスを訪ねた。

「失礼します〜・・・」
恐る恐るドアを開くと、レンヴィスのお世話係のモーグリがパタパタと現れた。
「ご主人さまから聞いてるクポ〜。倉庫からお荷物持っていって下さいクポ〜」
「あ、ありがとう」
快く出迎えてくれたモーグリにほっとしながら、ララは早速レンヴィスのモグ金庫を覗き込んだ。
ずらっと並ぶ売り物用の装備品を取り出すと、奥の方に大事そうにしまってある銃が見えた。

340 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:32 [ oNe2RFfM ]
【12】

「これなんだろう・・・すごい高級そう・・・」
思わず手に取ると、モーグリが慌ててララの周りを飛び回る。
「ダメクポ〜。それは売り物じゃないクポ〜」
「あっ、そっか・・・勝手に触っちゃまずいよね」

「それに触るな!!!」
しないはずの声に飛び上がりながら、ララはそっと銃を金庫にしまった。
「レ、レンヴィスさん!?・・・どうしてここに・・・?」
「戦闘不能になったんだよ!レイズしてくれる人もいなくて仕方なく・・・」
ずかずかと、さも不機嫌そうに歩み寄るレンヴィスは殺気立っていた。
ララが殴られると身を竦めた瞬間、

「このクソモーグリ!勝手に触らせるな!」
バシッとすごい音がして、モーグリが壁に吹き飛んでいた。

341 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:33 [ oNe2RFfM ]
【13】

「レンヴィスさん!なんて事を!」
ララにとっては大事な同居者であり、友達同然のモーグリ。手をあげるなんて考えられない。
クポ〜、と壁に激突して目を回すモーグリを抱き上げながら、ララは逆上して叫んだ。
「私が勝手に触ったんです!モーグリのせいじゃありません!
 どうしてモーグリを殴るんですか!?怒られるのは私の方なのに!!!」
ララがレンヴィスを睨みつけると、ちっ、と目を逸らしレンヴィスはベッドに乱暴に腰掛けた。

「今日はバザーしなくて結構だ。出ていってくれ!」

大声で怒鳴られ、すっかり萎縮してしまったララは小声でモーグリに「ごめんね」と謝ると、
落ち込みながらおずおずとレンヴィスのレンタルハウスから出ていった。

342 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:34 [ oNe2RFfM ]
【14】

「はぁ・・・なんで触っちゃったんだろ」
自分の迂闊な行為を後悔しながら、ララはとぼとぼとジュノの街を彷徨った。
暇を持て余し、何となく覗いた競売で、レンヴィスが金庫に大事そうにしまっていた銃の履歴を見つけた。
高レベルの狩人しか装備できない銃だった。

「私、とんでもなくひどいことしちゃったんだなぁ・・・」
恐らくあれは、誰かにあげるつもりでしまっておいたものなのだろう。
そんな大事なものを勝手に触ってしまうなんて。ララはますます落ち込んだ。

343 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:35 [ oNe2RFfM ]
【15】

(これからどうしよう・・・)
人混みに紛れてると、孤独感が募るばかりで。

(もう、クビかな・・・)
落ち込んだ頭に浮かぶ思考は下降線を辿る一方だった。

(そしたら、もうジュノにはいられないや・・・)
物価の高いジュノで、収入をなくしては生活していけるはずもない。

涙がじわじわと、溢れてきた。
目の前の景色が滲む。その向こうには、懐かしいウィンダスの森。

「帰ろう・・・ウィンダスへ」

ジュノへ着いた時に、初めて見るホームポイントに触れ、うっかりホームポイントの設定を
してしまったララは、わざと戦闘不能になって街へ戻るいわゆる“死にデジョン”が使えなかった。

(何日かかるかわからない、何回戦闘不能になるかわからない、けど・・・)

それまでとは打って変わってしっかりとした足取りで、ララは自分のレンタルハウスへ向かった。

344 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:37 [ oNe2RFfM ]
【16】

「モーグリ、今までありがとね」
突然の言葉に、ララのお世話係のモーグリはクポクポと慌てふためいた。
「ご主人さま、どうしたのクポ?」
「ウィンダスに帰るの」
「ウィンダスでも、モーグリがご主人さまのお世話するクポ〜。
 モグハウス入り口で手続きすればモーグリもあーっという間にウィンダスに戻るのクポ〜」
それすら知る間もなく、ララはジュノへ来ていた。
「そうなんだ・・・知らなかった・・・ははっ」
苦笑いしながら、ララはレンタルハウスを後にした。
「ウィンダスでまた会おうね」

345 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:38 [ oNe2RFfM ]
【17】

ジュノ港の喧噪を後にし、ララは一ヶ月ぶりにソロムグ原野へ出た。
雷鳴が轟き、足が竦む。でも、もう引き返さない。
堅い決意を胸に、ララは荒涼とした地を走り出した。

ジュノに来る前にレンヴィスから渡されたサイレントオイルとプリズムパウダーがまだ余っていたのに
金庫から取り出さずに来てしまったことを、ララは後悔していた。

一瞬ぼんやりしたララを、はっとさせる音がした。
遠くの方から、Goblin Furrierがララに向かってクロスボウを構えていた。

(あぁ、早速ジュノに強制送還なんて、いやだなぁ。あれ当たったら痛いんだろうなぁ)

ララは必死で逃げた。時折クロスボウを構えて足を止めるGoblin Furrierには追いつかれないものの、
追尾を諦める様子は全くなかった。

しばらく走るうちに、前方にラプトルの姿が見えた。
このまま真っ直ぐ走ったら、あのラプトルにも気づかれてしまう。
ララは、一旦右に曲がりロランベリー耕地に逃げ込むことにした。

346 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:39 [ oNe2RFfM ]
【18】

「はぁっ、はぁっ」
息を切らしながらGoblin Furrierのクロスボウボルトを何とか避けつつ走り続けるララは、
ロランベリー耕地へ続く門の手前にもう一匹、今度はGoblin Smithyがいることに気づいた。

そのGoblin Smithyを避けるように走って門を目指したつもりだったが、
冒険をしたことのないララが敵との距離感をきちんと把握できているはずもなく、
あっさりと気づかれてしまった。
グルルル・・・と唸り声をあげてGoblin Smithyは片手斧を構えた。

(もう、ダメだぁ・・・)

その場にへたり込んだララは、次に来るであろう未知なる斧の打撃に身を竦ませた。


「Goblin Smithy!お前の相手は私だ!!!」

347 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:41 [ oNe2RFfM ]
【19】

聞き覚えのある声にララが顔を上げると、チョコボ並みのもの凄いスピードでレンヴィスが走ってきた。

「レンヴィスさん!」

オーバーランしながらGoblin Smithyに怒号を浴びせ、振り向きざまレンヴィスは
Goblin Smithyを一撃でなぎ倒した。

「レンヴィスさん…」

ほっとしたのもつかの間、Goblin Furrierがまだ諦めずにララに向かってクロスボウボルトを放っていた。
「わっ!」
慌てて身を屈めるララ。レンヴィスは直ぐさまGoblin Furrierに剣を構える。

すると突然、バシュッと鋭い音がして、Goblin Furrierが倒れた。

ララが恐る恐る顔をあげると、遠くの方で構えていた弓を降ろすミスラの姿が見えた。
レンヴィスの仲間、狩人のフォウだった。

「フォウ!ありがとう、助かったよ」
「よかった、間に合って」

フォウがララの前に屈み込む。

「あなたがソロムグへ出ていくのを見かけたから彼にtellしたの。
 そしたら彼、サポシーフにして凄い勢いで走って行ったんだから」

苦笑しながらフォウがレンヴィスを見上げると、レンヴィスはばつが悪そうに顔を逸らした。

348 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:42 [ oNe2RFfM ]
【20】

「ごめんなさい、レンヴィスさん・・・」

ララは涙を浮かべながら、弱々しい声でレンヴィスに謝った。

フォウは何も言わずに二人を見守っている。

「いや、俺の方こそ悪かったよ、八つ当たりして」
レンヴィスはララの前に片膝をつき、頭を下げた。

「ほら俺、今朝死にデジョンする羽目になっただろ?それで機嫌悪くなってこいつにあたっちゃって」

「違うんです!私が・・・レンヴィスさんの大事にしてるものを勝手に・・・」

「あ〜〜〜〜〜!何でもない!何でもないからな!」

慌ててララの口を抑え、レンヴィスはフォウにごまかし笑いをしてみせた。
フォウはその様子を見てくすっと笑うと、すっと立ち上がった。

「さ、戻りましょ。ここに居ては危険だわ」

三人はジュノに向けて走り出した。

349 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:44 [ oNe2RFfM ]
【21】

朝、ララがいつものようにレンタルハウスで目を覚ますと、お世話係のモーグリがパタパタと近づいてきた。
「おはようございますクポ〜」
「おはよう、モーグリ」
「今日もたーくさん、荷物届いてますクポ〜」
「は〜い」
ララの一日は今日も、レンヴィスから届けられるバザー用の品物を受け取ることから始まった。

「あれ?これ・・・値段がついてない」

ひとつだけ、値段が付いてないものがあった。ララは直ぐさまレンヴィスにtellした。

> レンヴィスさん、値段が付いてないのがありますよ
< んん?帽子?
> はい
< それ、ララが被ってよ。この間のお詫びってことで・・・

ララは心底驚いた。

> ええ〜〜〜〜〜!!!私に!?くれるんですか!?
< 俺の手作りだからね、大事にしてくれよ
> はい、ありがとうございます!嬉しいですぅ!!!!!

350 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:45 [ oNe2RFfM ]
【22】

尻尾をぱたぱたと揺らし、上機嫌でララはバザーを開いていた。

「ミスリル装備いかがですか〜!+1もあるよ〜!」
嫌がっていたシャウトも、今日は率先してやっていた。

バザーを覗き込まれて、いらっしゃいませ、とララはにっこり微笑む。
顔を上げると、フォウだった。
「あっ、フォウさん。毎度どもです〜♪」
「あら、その帽子・・・レンヴィスにもらったの?」
「はい!」
「同じのいくつも作ってると思ったら・・・なるほどね」
「え?」
「ううん、何でもないわ。じゃ、これいただいてくわね」
フォウはララからダークボルトを受け取ると、颯爽と人混みの中へ消えていった。

「えへへ・・・」
ララは上機嫌で、レンヴィスからもらったブロンズキャップ+1を被り直した。

351 名前: ジュノ下層の、道ばたで。 投稿日: 2003/08/13(水) 18:46 [ oNe2RFfM ]
【23】

「よぅ、ララ。今日の売れ行きはどうだい?」
聞き慣れた声にララは顔を上げた。

「レンヴィスさん、今日は開いたばかりですから、まだちょっとしか売れてませんよ〜」
「はは、そっか」

少しの間があり、レンヴィスが口を開いた。
「似合ってるよ、それ」
「あ・・・ありがとうございますぅ。作るの、大変だったんじゃないですか?」
「大したことないって。それ素人のレシピなんだから」
レンヴィスが少し照れくさそうに頭に手をやるのを見て、ララも顔が赤くなってしまった。

「おっと、そろそろ行かなくちゃ。じゃ、今日も一日、よろしくな」
「は〜い、いってらっしゃい。お気をつけて」
ララがニッコリ微笑むと、レンヴィスは手を振って人混みの中へと消えていった。


−終−

352 名前: 「ジュノ下層の、道ばたで。」作者 投稿日: 2003/08/13(水) 18:47 [ oNe2RFfM ]
【あとがき】

いつもここで楽しませてもらってます。皆さんの作品を読んでるうちに、自分も書きたくなってしまいました。

初めてお話というものを書きました。いわゆる買い物キャラのお話です。
いくらなんでも、長すぎですかね(;´д⊂)
それに、なんか色々変なのかも・・・

曲げちゃってる設定とかはごめんなさいってことで。
(ポストの受け取り数とかモグハウスに入るとか)

読んで下さった方、ありがとうございましたm(__)m

353 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/13(水) 18:52 [ VzoJk5PU ]
ほのぼのとしてよかったよ〜

354 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/13(水) 18:55 [ gih8z5o. ]
なかなか良いぜよ
多分あの銃は狩人にプレゼントするためにry・・・・

355 名前: 353 投稿日: 2003/08/13(水) 23:09 [ s.SH1HWI ]
ん〜ララたんはこの先どうなるんだろう・・・・

356 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:02 [ Vjn2T0V2 ]
「名無しの話」の9の1 −季節−

「いま!季節は夏!夏と言えば青い空!」
 うれしそうにヒュム戦が、ビシッと指さす先にはと〜っても晴れた空。
「そして、輝く太陽!」
 ビシッと指さす先には目が痛くなるような輝きの太陽。
「そして、白い雲!」
 ビシッと指さす先には綿菓子のようにもこもこの雲。
「そして、海!」
 ビシッと指さす先には小波の打ち寄せる海岸。
「そして、砂浜!」
 ビシッと指さす先には白い砂の敷き詰められた砂浜。
「とくれば、答は!?」
 ビシッと指さす先には!
・
・
・
完全武装でたたずむ仲間たち。
陽射しにチリチリと焼け込む鎧や革甲。
見てるだけでも暑苦しい。
「……」
ガックリと膝をつくヒュム戦。
「なぜ?」
滝のように流れる涙。
「どして?」
問いかけるヒュム戦は、一人海水パンツ姿。
脇にかかえてるのはビーチボール。
足元に転がってるのはスイカ。
そして波打ち際に見えるのは…ゴムボート。

357 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:04 [ Vjn2T0V2 ]
「…」
顔を見合わせるエル騎士たち。
「海岸集合といわれたら…」
「普通はこっちだと思うにゃ」
「んー、だなぁ」
「ふつうはねー」
「おもうよー」
うんうんとうなずき合う。
「むー」
さらにドーっと涙を流すヒュム戦。
素直に「海で遊ぼう」と誘えなかった自分が悲しい。
「でも…せっかく来たんだから少しぐらい…」
あきらめきれないヒュム戦。
「この格好でか?」
両手を広げて自分の装備を示すエル騎士。
白銀の鎧に剣と盾。
兜はかぶってないけど、これで海遊びはちょとツライ。
「しずむねー」
「ぶくぶくー」
おぼれてるように両手をふるタル白タル黒。
「んー、どうするぅ?」
とガル戦。
「せっかく来たんだからぁ」
「!」
パッと明るくなるヒュム戦。
「狩りして帰るにゃ」
「…」
ズーンと暗くなるヒュム戦。

358 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:05 [ Vjn2T0V2 ]
「ヒュムさんはー?」
「どうするのー?」
とタル白タル黒。
「一人であそぶにゃ?」
「…着替える…」
ガクーッと肩を落として荷物の方へと歩いてくヒュム戦。
「にゃはははは」
その後を笑って追いかけるミスラ。
「いいにゃ、つきあったげるにゃ」
ヒュム戦の背をパーンと叩く。
「…」
「たまには海で遊ぶのもいいにゃ!」
言うなり服を脱ぎ出すミスラ。
みんなが止める間もなく、あっというまに下着姿になる。
黄と黒のトラジマビキニ。しかも「超」がつきそう。
「お、おい」
慌てて視線をそらせるヒュム戦。
「にゃははは、心配ないにゃ。これ水着にゃ」
笑うミスラ。
「え?」
「昨日ヒュムさん集合場所説明しながらウキウキしてたにゃ。どうせこんな事だと思ったから、下に着てきたにゃ」
長い付き合いは伊達じゃない。

359 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:06 [ Vjn2T0V2 ]
「名無しの話」の9の2 −せくしぃ〜−

「これ、今年一押しのデザインにゃ」
そういえば、なんだか今年はトラがすごいらしい。
「アタシ脱いだらすごいかにゃ。セクシーかにゃ?」
少ししなってポーズなどとってみせるミスラ。ふるふると揺れるシッポ。
隠れてる面積が少ないから、あちこちこぼれそう。
「あ、その…」
真っ赤になって照れてるヒュム戦。
「んー、おれも着てるぅ」
とガル戦。
ガシャガシャと鎧を脱ぐ。
あらわれたのは、筋肉ムキムキボデイと、ミスラのよりもまだきわどい黒のビキニパンツ。
まあ、ガルカはナニがナニなので、こぼれ出る心配はないけど…。
ギシギシと筋肉を浮かび上がらせてポーズを取るガル戦。
「んー、セクシー?」
と聞かれても
「あはは…」
答えようがない。
「あー、ボクもー」
「きてるのー」
とタル白タル黒もチュニックを脱ぐ。
下に着てたのは白黒横縞模様、肘と膝まであるレトロデザインのワンピース。

360 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:08 [ Vjn2T0V2 ]
「おそろいだね」
とヒュム戦。
「うん、ここがねー」
「ちがうのー」
互いに指さし合うタル白タル黒。
よく見れば、タル白とタル黒では白黒縞の順番が違う。
タル白のは白で始まり、タル黒のは黒で始まってる。
意外はまったくおんなじ。
「「せくしー?」」
二人して小首を傾げて見上げる姿に、うんうんとうなずくヒュム戦。
意味は少し違うけど。
「みんな同じ事考えてた…にゃっ!」
シュピンとエル騎士を振り向くミスラ。
同時にヒュム戦、ガル戦、タル白タル黒も振り向く。
「!」
ヒュム戦たちがワイワイやってる間にと、こっそり鎧を脱ぎかけてたエル騎士の手が止まる。
結局みんな着て来てたのだ。
「なにを見ている!」
集中する視線に、頬など染めるエル騎士。
「んにゃ〜。エル姉はどんなの着てきたにゃ?」
コクコクとうなずく一同。
「…普通だ」
開き直って脱ぐエル騎士。
「せくしー?」
「普通だ!」
そして現れたのは。

361 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:10 [ Vjn2T0V2 ]
「…」
言葉を失うヒュム戦。
白。エル騎士の、出てるトコは出てるけど出てないトコは出てないという微妙なボディーを白いワンピースの水着が包んでる。
「それエル姉の趣味にゃ?」
「いや、服屋で勧められた。今年の新作だと言っていたんだが…」
『白いワンピースの水着』
それは、ヴァナディールの歴史上、もっとも攻撃力を持つ装備と言われてる。
その昔サンドリア神殿騎士団一個中隊が一瞬にして鼻血の海に沈んだ、という伝説さえある…らしい。
「…」
長身のエルヴァーンに白いワンピース。
普段口数少ない正統派騎士に白いワンピース。
盾で犬を叩きまくるエル騎士に白いワンピース。
…なんか…いい。
「…」
エル騎士は白いワンピースのアレを知ってるのだろうか、知らないのだろうか。
つい気になって、つい見つめてしまうヒュム戦。
「じろじろ見るな!」
ズゴム!
ヒュム戦の顔面に盾が叩き込まれる。
鼻血と共に吹っ飛んでくヒュム戦。

362 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:11 [ Vjn2T0V2 ]
「ヒュムさん、知ってるにゃ?」
根性で立ち上がり戻ってきたヒュム戦へ、ミスラがささやく。
「今の白い水着って、昔のみたいに透けないにゃよ」
「え゛」
「水に入っても関係ないにゃ。あれはもう伝説にゃ」
「へーそうなんだ、昔の白い水着って透けたんだ」
知らないフリするヒュム戦。
期待してなかったはずなのに。
なにも期待してなかったはずなのに
「知らなかったなぁ。ははは…」
なぜかショックは大きかった。

363 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:12 [ Vjn2T0V2 ]
「名無しの話」の9の3 −遭遇−

「まずは、泳ぐにやー!」
「「「「「おー」」」」」
ザバザバザバと海に走り込んでく六人。
ヒュム戦はスイスイと、我流の泳ぎ。
ガル戦はザッパンザッパンと、激しく波しぶき立てて。
エル騎士はス〜イスイと王国騎士正統泳法。
ミスラはプクプクと潜水専門。
タル白タル黒はバチャバチャと浮き輪つけて。
その浮き輪は、もちろんヒュム戦が用意した物だ。
ちゃんとタルちゃんサイズ。
相変わらず、微妙なマメさを発揮してるヒュム戦。

小一時間も泳ぎ、まずミスラが砂浜に上がった。
「今日は海鮮バーベキューにゃ」
その背にはヒモでつないだ沢山の魚貝。
潜りながら捕ってたみたい。やっぱこちらもマメだ。
「手伝おう」
後を追って砂浜に上がるエル騎士。
「んー、手伝うぅ」
さらにガル戦も追う。
と言っても、ガル戦の場合は自分の分がどのぐらいあるのか知りたいのだけど。
バッサァ。
その巨体が大波を立て、
「キャー」
近くにいたタル黒が浮き輪ごとひっくり返る。

364 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:14 [ Vjn2T0V2 ]
「ブクブクプク…」
ジタバタジタバタ…。
足だけが海面から出てる。
「あややや…」
大慌てで助けに泳ぐヒュム戦。
ジタバタともがいてる短い足をつかみ上げ、もう一度ひっくり返す。
「ミ゛ー…」
半泣きになってるタル黒。
「大丈夫?」
とヒュム戦。
「からいー」
チョットばかり海水飲んじゃったみたい。
「すこし休もうか」
うなずくタル黒。
波打ち際近くまでタル黒を連れてくヒュム戦。
と、何気なくこちらを見たエル騎士が顔色を変えた。
いや、見てるのはもっと後。
「!」
ハッと振り返るヒュム戦。
タル白が…遠い!
さらに、その後に不自然な波。
するすると黒い影が近付いてく。
タル白は気付いてない。

365 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:15 [ Vjn2T0V2 ]
「まずい!」
海へ飛び込むヒュム戦。
けど、遠い。
波打ち際へと駆けつけるエル騎士。
その手にはシッカリと盾。
けど、遠い。
「魔法は!?」
タル黒へと聞く。
「とおいのー、とどかないー」
とタル黒。魔法の届く距離じゃない。
「まかせろぉ」
駆けつけるガル戦。
ガシッ!
その手がタル黒の頭をつかむ。
「やめんかー!!」
ズゴムッ!
ガル戦の後頭部に盾の角を叩き込むエル騎士。
「?」
不思議そうなガル戦。
「こっちだろう!」
盾を渡すエル騎士。
「そうだぁ」
ブンッ!!
盾を投げるガル戦。
いつもの投擲ポーズじゃない。
腕を横にムチのようにしならせ、腰を鋭くひねった素晴らしいサイドスロー。

366 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:16 [ Vjn2T0V2 ]
パンッパンッ。
海面を跳ねて飛んでく盾。
そして。
ズパーン!
「んー、命中ぅ」
拳を握るガル戦。
ブクブクブク…‥。
沈むヒュム戦。
「あぅ?」
首を傾げるガル戦。
「おまえは、おまえは、おまえはぁー!!」
ボクボクボク!
どこからか現れた剣で、ガル戦の頭をひっぱたくエル騎士。
そんなコトしてる間にも、影がタル白へ近づいてく。
タル白はまだ気付いてない。
間に合わない!
誰もがそう思ったとき。
「まかせたまえ」
男の声。駆け抜けていく影。
「う?」
ザバザバザバ!
素晴らしい勢いで海へ駆け込むその姿はサブリガをはいただけの裸同然だった。
「おい、そんな格好で」
止めるひまもなかった。
ババババババ!
男は、駆け込んだ勢いそのままに、一気にあっという間にタル白まで泳いだ。
そして、男は驚いてるタル白の寸前で潜った。
わずかにあって

367 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:17 [ Vjn2T0V2 ]
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!」
異様な雄叫び。
同時に
ドドドオォーーン!!
巨大な水柱。
ヒューーーン。
エル騎士たちの頭上を吹っ飛んでく、巨大な影。
遠ーーーくの方へ
ペチャ
落ちた。
「…」
いったいどんな技を使ったのかと驚いてるエル騎士たち。
「ミーー」
一人タル白が混乱してる。
バシャバシャバシャ!
エル騎士たちの方へ戻ろうと一生懸命泳ぐけど、浮き輪つきだから、たいして進めない。
けど、すぐにタル白の動きが止まった。
浮上してきたさっきの男が、浮き輪ごと抱え上げたのだ。
器用に立ち泳ぎで。
「?」
なんか、違和感を感じるエル騎士。
そのまま砂浜へと戻ってくる男。

368 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:21 [ Vjn2T0V2 ]
「名無しの話」の9の4 −有名−

「んー、たすかったぁ」
とガル戦。
「ありが…」
タル白を抱えて海から上がってきた男に礼を言おうとして、固まるエル騎士。
男は、裸だった。
はいてたはずのサブリガは、彼の下半身じゃなく、頭にあった。
「小さな子を一人にするのは危ないな。気をつけないと」
そう言ってタル白をエル騎士へと渡す男。
ポタポタと海水を滴らせるサブリガの奥で目が優しく笑ってる。
「あ、ああ…」
受け取りながら、目をさまよわせるエル騎士。
とても男の顔…と言うよりはサブリガを直視できない。
といって下を見れば尚更目に入るモノがある。
渡されたタル白も硬直してる。
「ぞれじゃあ」
シパッと敬礼して去っていく男。
「…」
タル白の恩人だけど、エル騎士は名を聞く気にはならなかった。
「サブリガ仮面だぁ」
とガル戦。

369 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:23 [ Vjn2T0V2 ]
「アレが…」
名は聞いたことがある。いろんな噂と共に。
少し前に、タル白タル黒も助けてもらったとかもらえなかったとか話してた気がする…。
「よく飛ぶんだぁ」
なんだか嬉しそうなガル戦。
「そうか、アレがそうか…」
やはりヴァナディールは広い、とエル騎士は思った。

370 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:24 [ Vjn2T0V2 ]
「名無しの話」の9の5 −うぃんなー・ふらんくふると・はむ−

「んにゃ?」
バーベキューの準備が出来て砂浜を見ると、男が走ってくる。
素っ裸で頭にサブリガ。珍しいファッション。
「ん〜」
上下を繰り返すミスラの視線。
「やあ」
と片手を上げて挨拶して通り過ぎる男。
引き締まったお尻がキュッキュと小刻みに揺れながら去ってく。
「…こんなもンかにゃ」
親指と人差し指で、ある幅を作り、
ぷすり。
用意してたウィンナーの中から同じくらいの一本をフォークで突き刺して、焼き網へのせる。
ジュッと派手な音。
「うきゃっ!」
なんか遠くで悲鳴のような声がしたけど、気のせいだろう。

みんな変に疲れてたけど、お昼を食べたら元気になった。
食べ終わって後片づけをしてたミスラが重要なことに気付いた。
「着替えわすれたにゃ…」
「「「「!」」」」
その一言に、全員が凍り付いた。
「「「「「…」」」」」
みんな、下着替わりに水着を着て来て、着替えを持ってきてなかった。

371 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:26 [ Vjn2T0V2 ]
「名無しの話」の9の6 −忘れ物−

「べたべたにゃ〜」
「…」
「んー、べたべたぁ」
「きもちわるいのー」
「はりつくー」
町に帰り着いたとき、鎧の下の濡れた水着は汗と海水が中途半端に乾いていや〜な感じになってた。
途中戦闘が無かったのは幸運。
「早くお風呂に入るのが正解にゃ」
「そうだな」
「んー、明日はぁ」
「いつもの時間に、いつものところにゃ」
「でいいよー」
「ねー」
翌日の約束もそこそこに解散。五人はそれぞれに大慌てで部屋へ帰っていった。
ん?また五人?

その頃。
『だれかー、レイズお願いできませんかぁー。シクシクシク…』
ヒュム戦は人気のない浜辺に一人浮いてた。
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!」
響く雄叫び。
「助けが必要かね」
『レイズお願いしたいんですけど…』
「すまん、無い!」
『シクシクシク…』

「名無しの話」の9 −おわり−

372 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 05:36 [ Vjn2T0V2 ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
また長くなりました。
でも後半、はしょりました。
ビーチボールもスイカも使ってません。
なのに長いんです。
うう…(ToT)。
で、「闇を背負う者(仮題)」にうちの子達を出していただき、ありがとうございます。
なんか、うちよりガルさんが怖いような…。
で、うちにもゲスト出演していただきましたが…。
ああ、もうあやまるしか…。
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m

373 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 07:06 [ HV4jnzIA ]
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

374 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 12:15 [ jWQPlhVU ]
age

375 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:30 [ Xs1Ba4m6 ]
 ねぇ、フランシア。
 いつか歌を歌ってくれたよね。
 あの時、子守歌なんて子供っぽいから嫌だっていってた。
 君の歌がどんなだったか思い出せないんだ。
 あのころ、俺はほんとに子供だった。
 後悔したって、仕方ないことだけど・・・

376 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:31 [ Xs1Ba4m6 ]
−再会−


 バストゥーク鉱山区。
 非公式エージェントである俺は、普段は案外気楽なものだ。
 LSを通じて呼び出しがあることもあるけど滅多にないし、呼び出しがない時は北グスタ
ベルクや南グスタベルクの川や海で釣りをしたり、家でお隣さん持ってきてくれる料理に舌
鼓を打ったり、本を読んで過ごしたり。まぁ、あちらこちらうろついて人助けのまねごとを
することもあるけど、それは趣味みたいなものだし。

 今年も、またこの日が近づいてきた。
 そう、フランシアの・・・命日だ。


「隊長、今日はLSをはずしておいていいですか?」
「ん? デートか?」
「まぁ、そんなもんです」
「ならダメだ。常に回線はオープンにしておけ」
「隊長・・・」
「ん?」
「意地でもはずして行きますからね」
「うむ」

377 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:32 [ Xs1Ba4m6 ]
 フランシアの墓は、南グスタベルクの海岸近くにある。荒野が広がるグスタベルクには珍しく
少しとはいえ花が咲く場所のすぐ近く。彼女はその花が好きだった。だけど、花を摘むのは可哀
想だといって決して彼女はその花を摘まなかった。だから、俺も摘まない。花屋で買っていくと
しよう。

 花屋でその花(今でもまだ、花の名前は覚えられないんだ)を買って、財布から代金を払うと
鉱山区の門に向かって歩き始めた、そのとき。
 脇腹と背中の間に、鈍い衝撃。
「あ・・・」
 多分、花屋で買い物をしたときからねらっていたんだろう。
 一人のタルタル(彼らの年齢を外見で見抜ける人はそうはいないだろう)が、俺の財布を抜き
とって走っていくのが見えた。
 鉱山区のこの辺りは人通りも少なく、さらにここは建物の陰になっている。治安も決してよい
とは言えない地区。油断した俺の不覚ではあるが・・・

378 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:33 [ GBx6VEDo ]
「待て!」

 そう叫ぼうとして、声が出なかった。
 叫んで走り、追いかけようとしたが、足が動かなかった。

 あれ・・・?

 さっき衝撃を感じた脇腹に手をやると、ぬるり、とした、なま暖かい感触。
 ふと周りに目をやると、地面が赤くぬかるんでいた。

 あ・・・

 なんだ・・・ご丁寧になぁ・・・
 こんなに血が出てるじゃないか。

 ん? おかしいな。こんなに血が出てるのに痛くないや。見た目ほどの深手じゃないのかな。


・・・ え、と。何をしようとしてたんだったっけ・・・

379 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:34 [ Xs1Ba4m6 ]
 そうそう、フランシアのお墓参りに行くんだった。
 少し疲れたけど花畑で少し休憩しよう。うん、それがいい。
 あれ? うまく足が動かないな。まぁいいや。ゆっくり行けばいい。

 サンドリア人やウィンダス人は、グスタベルクの景色を見て殺風景だとか不毛の地だとか言うけど、
俺はそうは思わない。確かに、見回せば一面の荒野が続いてるし、そこかしこに転がる獣たちの遺骨
は死の土地を思わせる。
 だけど、多いとは言えない灌木、たくましく生きる小動物達。
 濃厚な死の気配は、それだけの命の連環の証でもある。死者は生者を育み、生者はやがて死者に帰る。
そして、再び新しい生命をこの一見不毛な大地で繰り返して行く。
 俺はそんな、この大地が好きだ。

 なにより・・・この地は俺とフランシアの想い出がしみこんだ大地。

380 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:36 [ GBx6VEDo ]
 ふぅ、思ったより時間が掛かったな。
 随分と暗くなってしまった。まだ日が暮れる時間じゃないはずなんだけどな。
 さぁ、フランシアのお墓に花を供えよう・・・

 あぁ、なんだか疲れたな。それに、真っ暗だ。いつもは聞こえる波の音も聞こえない。
 静かで、暗い。

381 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:37 [ GBx6VEDo ]
〜〜〜 お疲れ様 〜〜〜

 すぐ近くで、フランシアの声が聞こえたような気がした。

・・・すぐ近くで?

 振り向けば、懐かしい笑顔が俺を見つめている。
 呆れて声も出ない。
 なんて無節操な。

 呆けた顔の俺を見て、彼女は少し悲しそうに微笑んで、言った。

「お疲れ様。もういいんだよ。もう、闘わなくても、いろんなものを背負わなくてもいいんだよ」

382 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:38 [ Xs1Ba4m6 ]
「・・・そっか・・・もう、これからは君と一緒にいられるのかな」

 こくり、と。

「ねぇ、フランシア、いつかみたいに歌を歌ってよ。子守歌がいいな」

「子守歌はガキみたいだから嫌だ、って言ってたくせに」

「細かいこと言わないで・・・そうそう、懐かしいなぁ・・・やっと思い出せたよ。
 あぁ、なんだか眠くなってきた・・・」


 ねぇ、フランシア、おやすみ・・・


−fin−

383 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 14:52 [ lKS82TyI ]
なななななぁぁぁぁぁぁぁ!ヽ(`△´)/

。・゚・(ノД`)・゚・。サブリガかめ〜〜〜〜〜〜ん!!

384 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/08/14(木) 14:55 [ Xs1Ba4m6 ]
ご期待に添えなかった皆さん、ゴメンなさい。
これにてサブリガ仮面こと闇を背負う者(仮題)は終了です。
実は最初に書いたのがこれでして、第1話の後のパロディ路線は何となく思いつき
でやってたものです。設定上の穴やら、神作者さんの作品に乱入するという無謀とも
無礼とも言える暴挙を許容してくださった方々に、お礼申し上げます。

スペシャルサンクス
 「ミスラ譚!」の作者様
 「タルタル戦士は夢を見る」の作者様
 「白き探求者」の作者様
 「ななしの物語」の作者様
 サブリガ仮面の歌を考えてくださった 二番スレの877様

そして、応援してくださった方々、感想を付けてくださった方々。
ありがとうございました。

385 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 15:01 [ DUiTGgqE ]
乙

386 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 16:05 [ w13/.qBc ]
乙!

387 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 17:04 [ 2t./LLiI ]
乙!!

388 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 18:08 [ d35OA2t6 ]
乙!!!

389 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 19:13 [ L9P09nL. ]
激しく乙!

390 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 19:52 [ aNEkxUvQ ]
おちゅ!!

391 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/14(木) 20:22 [ 3VIp1fRM ]
乙

392 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/14(木) 20:39 [ Vjn2T0V2 ]
女神の懐、永久なる安息を得られん事を…。

乙

393 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 09:49 [ n8Q/v4/g ]
まだだ!

第2第3のサブリガ仮面が・・・きっと・・・ッ!




乙!

394 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 11:45 [ vvHh//5I ]
にんとも 乙 かんとも

第二部待ってます!(・∀・)アヒャ

395 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 15:11 [ xB0WhSXw ]
乙!
サブリガ仮面のことは忘れません!!

「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」

396 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 16:11 [ ua3rjYiI ]
オレは知っている!!
HBCはバスの科学力で復活したサブリガ仮面の仮の姿であることを!!!


とかなあ

397 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 21:44 [ aNEkxUvQ ]
>>384
いつも楽しく読ませて頂きました。
急な終了残念ですが、
きっと別の物語の作者としてこのスレに降臨してくれると信じています。

そして真に勝手ながら闇を背負う者(仮題)の舞台設定を利用した、
私の中でのサブリガ仮面物語を作ってしまいました。
闇を背負う者(仮題)の作者氏のお許しが頂ければアプしたいのですが・・・。

オチなしの短編、さらに真面目な話です。
もしかしたらこのスレのみなさんの趣向にそぐわない点もあるかもしれません。
ヘタレな文章に作者氏のサブリガ仮面に泥を塗ってしまうかもしれません。

もし良ければお許し頂けないでしょうか?

398 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 22:33 [ OWHvgA12 ]
期待age

399 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 22:39 [ sPR45Bjc ]
アヤメ「…というわけでお前に託された形見(ルビ:サブリガ)だ」
ナジ「勘弁してくれ;;」

旅は終わらない(゜∀゜)あひゃ。
そんなわけで397期待待ち。

400 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:40 [ IjXHDFVM ]
 太陽が落ち夜になったジュノ。不夜城のように夜になってもここの活気は衰えず、
ここを中心に動いている冒険者達が活動していた。
 冒険者達の集う下層やル・ルデの庭に比べれば人の行き来も少なく静かなジュノ上層。
その道に1人の女性というより少女と呼ぶのが近い歳のヒュームの女が立っていた。
着ている丈の長い上着や持っている杖からして魔道士だとわかるが、その瞳は
脅える子猫のように所在なげに周囲に向けられている。
 道の端に寄りかかって立ちながら所在なげに周囲に視線を向け行きかう人々を見ている
少女の姿は、夜ということもあり目立つ事も無く視線を向けるものもいなかった。
「…やっぱりやめようかな……ううん、お金が必要だもんね…」
所在なげに向けていた視線を伏せ、少女は小さく呟く。そして小さく深呼吸して顔を上げた。
「あのさ、ちょっといい」
「きゃあっ」
顔を上げた途端声を掛けられて少女は声のした反対側に飛びのき、恐る恐る顔を上げた。
「…あなたは?……」
少女の目の前にいたのは男のエルヴァーン、戦士のAFである赤の鎧を着ていた。
「ごめんね、驚かせちゃって」
「あ、いえ…」

401 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:42 [ IjXHDFVM ]
少女は顔をさらに上げて自分より頭1つ以上高い彼を見る。彼は膝を軽く折って少女に目線の高さを近づける。
「さっき向こうに用があってそれから戻ってきたんだけど、さっきから君ここにいるだろ?
どうしたのかなって思って」
「えっと…その……」
少女は言い淀み、彼から視線を逸らす。
「いくら冒険者だって言っても夜は危険だよ。特に女性には」
心配して少女に声を掛けた彼に、少女は視線を逸らしたまま言う。
「お願いがあるんです……」
「何?俺にできることならしてあげたいけど」
少女は顔を上げ、確りとした瞳で彼を見た。
「…私を…買ってください……」
そう言ってから少女はそれ以上言葉を失い俯いた。
「買ってくれって、どういう意味だい?」
「…今夜1晩だけでもいいです、お金の代わりに私を好きにしてください…お金は払いたいと思う分でかまいません……」
彼は1つ溜息をつき、少女の肩に両手を置いた。彼の手が肩に置かれた時、少女の肩がビクッと震えた。
「ここで話すのもあれだから、部屋に行こう。話しはそこで聞くから」
少女が小さく頷いたのを確認してから、彼は少女の肩を押してモグハウスに向かった。

402 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:44 [ IjXHDFVM ]
 モグハウスに入ると、モーグリが彼を出迎える。
「お帰りなさいクポ」
「ただいま、ココアを2つ用意してくれるかい?」
「わかったクポ」
モーグリは小さな羽をパタパタさせて奥に入る。
「さ、そこに座って」
彼は少女をベッドに座らせて自分は椅子に座る。少女は俯いたまま顔を伏せて体を強張らせている。
顔は伏せられているが、その口元は硬く閉じられていた。
「名前言ってなかったね。俺はクロウ、君は?」
「……サラです……」
「サラちゃんか。それでさっきの話に戻るけど、どうして自分を買ってほしいなんて言ったんだい?」
「…………」
サラは口を開かない。しばらく2人の間に沈黙が続いた、そしてその沈黙はノックの音で破られた。
クロウが扉を開けるとココアの入ったカップが2つ乗っている盆をモーグリが持っていた。
「ありがとう、後は寝ててもいいよ」
「おやすみクポ」
クロウはモーグリから盆を受け取ると扉を閉めた。

403 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:45 [ IjXHDFVM ]
「これで温まるといい、外は寒かったから」
差し出されたココアをサラは両手で受け取り、そして口にした。クロウは再び椅子に座ってサラが話し出すまで待った。
「……お金がほしいんです……」
それから少しして、サラが口を開く。ココアは半分ぐらい無くなっていた。
「どうして?」
「……魔法を買うために」
「何の魔法?」
「レイズ�兇任后�
クロウの瞳がスッと細くなる。
「どうしてそんな高い魔法が必要なんだい?」
レイズ�兇箸い┐从�の相場なら50万ギル以上、100万ギルの値をつけた事もある超高級魔法だ。
 魔法書は使ってしまえば無くなるので、装備と違ってギルが還元されることはない。
ただでさえ魔法に金のかかるサラの事だ、レイズ�兇覆鵑読當未砲靴討い討睥�まる金ではない。
 しかもレイズ�兇鮗茲蠅帽圓�にはそれなりのレベル、構成が必要となり、それでいて危険も高い。
白魔道士が簡単に取りにいける物でもなかった。

404 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:46 [ IjXHDFVM ]
「…必要なんです。私達のような白魔道士にとって、それが使えるか使えないかで凄く違うんです」
「そういうものなの?あんな滅多に使わないもの、わざわざお金を貯めて買う物でもないでしょ?」
「そう思う人もいますけど、それが無くて声を掛けられても誘われなかったり、馬鹿にされたりするんです……」
その時の事を思い出したのだろう。サラの両方の瞳から頬を伝って涙が流れ落ちた。
「それでお金を稼ごうとしてあんなことを」
「はい…でもずっと自分から声を掛けれなくて…それで声をかけてくれたあなたに……」
「そうだったんだ…どうしてもレイズ�兇�ほしい?…」
「…はい」
「こういう事をしてでも?」
「はい」
クロウは口元に手を当てて何かを考えてから立ち上がり棚の引き出しを開けた。
そして白い布袋を取り出し、サラの前のテーブルの上においた。
「ここに取り合えず50万ギルある。まだあるから足りなかったらそっちも使い、
これでレイズ�兇鯒磴辰瞳�にあげる。その代わり君はしばらく俺が好きにする、これでいいかい?」
「…はい……」
「じゃあ契約成立だ。今日はここまで、自分のモグハウスに帰ってもいいよ」
「えっ?」

405 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:47 [ IjXHDFVM ]
サラが顔を上げ驚いた表情を浮かべる。それに対し、クロウは穏やかな微笑を浮かべた。
「言ったでしょ、しばらく君は俺が好きにするって。明日から君は俺達のPTに入ってくれるかい?
ちょうど仲間に白魔道士がいなくてね、君がいてくれると嬉しいんだけど。もちろん嫌ならそれでもいいよ」
「でも…そういうわけには…」
思わず立ち上がったサラの前にクロウは立つ。
「俺は君を好きにするその代わり俺が金をだす、そういう契約だ俺の好きにさせてくれ。
俺の望みは君が自由に行動すること、何も制約はしない。明日、朝一で魔法は買いに行くけど」
「…良いんですか?……」
「それでいいんだ」
クロウは頷く。
「ありがとうございます」
サラはクロウに体を寄せ、何度も礼を言う。サラは嬉しさからくる涙を流していた。

406 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:48 [ IjXHDFVM ]

 翌朝、サラは下層のガイドストーンにいた。朝早くから動き出していたり、
夜から早朝まで動いていて今帰ってきた冒険者達で下層は少しずつ騒がしくなっていた。
「あ、クロウさん」
サラは声を上げる。モグハウスの方からクロウが出てきた。
「おはよう、よく眠れた?」
「いえ、なんだかドキドキしちゃって。こんなふうになったの、久しぶりです」
2人はガイドストーンから冒険者達の人の波にまぎれて競売上に向かって歩き出す。
「俺も似たような経験があるしね」
「えっ、クロウさんにもですか?」
「ああ、この鎧を取りに行く前日はあまり寝れなかったね」
そう言ってクロウは自分の赤い鎧を指差した。
 そして2人は競売に近づく。近づくごとにサラの足取りが重くなり、競売の少し手前で止まってしまった。
「どうしたの?」
「…いえ、でも本当に良いんですか?こんなに沢山のお金を…」
「いいんだよ、いくら貯めても使わなければ何も意味が無い。使うなら誰かのためになる事に使ったほうがいい」

407 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:49 [ IjXHDFVM ]
2人は競売のカウンターに並ぶ列に並んだ。
「買うのは君だからね。お金は俺が出すけど」
「はい」
そしてサラの番が来た。
「欲しい物は?」
競売の職員がカウンター越しにサラに聞いた。サラは不安そうな顔でクロウの方を向くが、
クロウが頷くと競売の職員に言った。
「レイズ�兇鬚�ださい」
その瞬間、周囲の冒険者達にざわめきがおこる。超高級品であるレイズ�兇鮟佗覆垢訖祐屬癲�
ましてや買う人間などごく少数だからだ。
「今1番安いのでいくらだ?」
クロウが競売の職員に聞く。職員は魔法のリストの中からレイズ�兇僚佗蔽傭覆鮓�て言う。
「今80万ギルで1個出ているが、もう少し待つって手もあるぞ。最近は50万ギルでも出ている」
職員がクロウの側を多少の心配を込めて言った。周囲にいる冒険者達も同様のことを言うものもいた。
「クロウさん、私今出なくてもいいですよ…」
値段を聞いて、サラも同様のことを言った。だが、クロウはサラに穏やかに微笑むと持っていたカバンから袋を取り出す。

408 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:50 [ IjXHDFVM ]
「いや80万でいい、金はここにある」
そう言ってクロウは4つの袋をカウンターに置いた。周囲からは驚きと賞賛の声が出る。
「…ちょっと待ってくれ、数を数える」
競売の職員が4つの袋をカウンターの中に引き入れ、ギルの数を数える。
「良かったんですか?……」
ギルの数を数えている間、サラがクロウに聞いた。
「ああ、サラのために使うんだから。それに全財産って訳じゃない」
競売の職員が片方の袋と共にレイズ�兇遼睨―颪鮟个靴拭�
「あんた少し袋に入っていたギルが多かったね、返しておくよ」
「えっ、俺はちゃんと1つの袋に20万ギルを…」
そう言ったクロウを見て競売の職員は言った。
「いや、こっちで確りと80万ギルをもらった」
そう言って、口元に笑みを浮かべる。その笑みにクロウは申し訳ないという表情を職員以外には見えないように浮かべた。
「…サラ、使ってみな」
「あ、はい」

409 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:52 [ IjXHDFVM ]
サラは魔法書を手に取り、競売から2、3歩離れて魔法書を読み上げていく。
サラの周囲に少しずつ魔法を習得するときの光が集まっていく。周囲の冒険者たちも固唾を飲んで見守っている。
「……おじさん」
魔法書を読み上げているサラを見ながら、クロウは肩越しに競売の職員の方を向いた。クロウには誰も注意を向けていない。
「なんじゃい?」
「60万ギルしかとらないで残りの20万ギル俺にそのままそっくり返したろ」
「いんや、さっきも言ったように」
「違う。あなたは1つ袋を開けずにそのまま俺に返した」
「…バレておったか」
「どうしてあんなことを?…」
「…わしの好きにしたまでだ。今までも自分の金で他人の物を買った者はいた。
だが、ここまで大きな金額の物を買ったのはあんたが始めてじゃよ。後はわしが埋め合わせる、
お前はちゃんと80万ギルを払った、お前もあの子もそう思い続けろ」
「…どうもありがとうございます…」
「なに、年寄りの勝手じゃ」
クロウは微かに笑った。ちょうどその時、前で甲高い音がしサラの周囲を光が包み光が破裂した。

410 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:53 [ IjXHDFVM ]
 サラがレイズ�兇鮟�得した瞬間、周囲の冒険者達から拍手と賞賛が起こる。サラとクロウの両方に。
「クロウ、終わったか?」
クロウに声を掛ける者がいた。
「ああ、サラあれが俺の仲間。どうする、一緒に行くか?それとも他の人と行くか?」
「一緒に行かせてください」
「わかった。リセス、彼女はサラ。一緒に来てくれる白魔道士だ」
「歓迎するよサラ」
ナイトのリセスを初めとして、残りの3人がサラを歓迎する。
「よろしく」
「よろしくね」
「よろしく」
「皆さんよろしくお願いします」
サラは頭を軽く下げて、そして微笑んだ。

411 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/15(金) 23:56 [ IjXHDFVM ]
「空高く舞え若き龍たちよ」の作者です
暫く離れていたのでリハビリ代わりにパッと書いてみました。
「空高く舞え」の方は、ゲームシナリオの進行によりアルタナの女神や
その他様々な設定の部分で、当時語られていた部分や予測していた部分と
ずれが起こっているため、文体の変更と共に書き直しています。

412 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/16(土) 01:10 [ aZTuT7yY ]
>>411
(゜∇^d) GJ!!

ええ話や(T^T)クゥー

413 名前: 闇を(仮 の作者 投稿日: 2003/08/16(土) 02:25 [ hEirLUos ]
>>397
もちろんアップしてくださって結構です。というより、私自信楽しみですので是非うぷしてください。
また、ご存じの通り、他の作者さんに断りもなく乱入するという暴挙をやってのけた手前、勝手に使って
いただいてなんの支障もございませんのでどうぞご遠慮なくご使用ください。

414 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/16(土) 12:14 [ aNEkxUvQ ]
>>413
お許しして頂いてありがとうございます。ID変わってしまいましたが397です。
ご期待にそえるかどうか分かりませんが、(なんせ文章ものを書くのは初めてなので
ただ今文章を張りきって推敲中です。
アプするのは19日前後になると思います。しばらくお時間頂きます。

415 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/16(土) 19:59 [ MUx5zG9. ]
>>411
お疲れ様です。
「空高く舞え若き竜たちよ」は
以前から楽しく読ませていただいておりました。
掲示板のときは量が多すぎて読めなかったけど、
まとめサイトで読めたので(゚д゚)ウマー

今回もドラマでええ話でした(つд`)
ただ、もう少しクロウ氏にはサラ氏を
脅して欲しかった・・・(*´ω`*)
ああいうことを言い出す以上もう少しお灸をすえてもいいかな、
と思ったのです。

これからもがんばってくださいね。

416 名前: 2番スレの877 投稿日: 2003/08/17(日) 21:46 [ FxhOrq82 ]
>>384
しばらく見れなかったんでアレですが
乙であります。

417 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/17(日) 23:58 [ Zzaqhvw. ]
age

418 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/19(火) 04:08 [ Ej3K7yb2 ]
白き探求者の続きが読みたくて読みたくて・・・・
17までしか読めないのはなぜでしょうか??誰か教えて

419 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/19(火) 06:48 [ tYCgXu9E ]
画像アップBBSを見るなりよ〜

420 名前: 418 投稿日: 2003/08/19(火) 15:58 [ 9u45bF3o ]
レスありがとうです。行ってきます!!多謝^^

421 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/20(水) 05:32 [ eDPoIoPU ]
「名無しの話し」の外伝の2 −奇襲− 

「くそ!何名残っている」
判っているのに聞いてしまう。
「四名です」
かすれた声で返事が戻る。
四名…。
敵集落への奇襲攻撃の為に編成された精鋭部隊十八名。
それが四分の一も残っていない。
元々敵の勢力圏深くへの進入攻撃のため、目標へ辿り着く前に会敵するのは十分に考えられる事だった。
その為の備えを怠ったつもりは無かった。
足の速い者を偵察として先行させ、周囲への警戒も十二分に行った。
それなのに、奇襲を受けた。

気配を忍ばせて移動する森の中で、まず魔導師が狙われた。
それは、彼には理解不能の攻撃だった。
奇声と共に凄まじい勢いで空中を飛来し、体当たりし、共に崩れ落ちる。
自らの肉体を武器とした攻撃。
森の中という視界の悪さから、敵が飛来するまで発見する事が出来ず、誰も避けられなかった。

422 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/20(水) 05:34 [ eDPoIoPU ]
ゴキッ!メキャッ!ズギョッ!
まるで自殺と言ってもいいようなそれで、奴らは自身の犠牲と共に確実に魔導師を屠った。
「円陣を組め!魔導師を守れ!」
彼の指揮で、部隊が隊列を組み直した。
しかし、間に合わなかった。
円陣を組みきる前に大部分の魔導師が倒された。
円陣を組み終えてからも、敵は正確に隊列の隙をつき、魔導師を襲った。
魔導師の必死の防御魔法も効果は薄かった。
わずかな間に、部隊の全ての魔導師と、ほぼ同数の敵の屍が出来上がった。
敵の屍が少し多いのは、何を思ってか、樹に激突する者がいたからだった。

魔導師が全滅すると襲撃は戦士達へと的をかえた。
ドゴッ!ベギッ!ゴスッ!
ある者は正面から弾き飛ばされた。
ある者は背後から背骨をへし折られた。
「姿勢を低くしろ!樹の影へ!」
それは屈辱的な姿勢だった。
まるでトカゲのように低く地に這い、累々とした敵味方の屍をかき分けて移動した。
ようやく手近な樹の根本へ潜んだ時、部隊は四人になっていた。

423 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/20(水) 05:36 [ eDPoIoPU ]
ピタリと襲撃が止んだ。
そして、静寂。
「どうしますか」
隣に潜んだ部下が問う。
即答できない。
選択肢は二つ。
進むか。引くか。
いずれを選ぶにも問題がある。
敵の位置も数も判らない事だ。
一人一殺の自殺攻撃で敵の戦力は尽きたのか。
それともまだどこからか隙を窺っているのか。
気配さえ見えない。
おそらく、偵察に出ている部下も無事ではいないだろう。
この戦力では計画通りに襲撃することは最早不可能。
しかし、それこそが今回の目的だ。
敵の集落に一歩も踏み込むことなく戻ったとあっては死刑もあり得る。
なにより、彼の刀はまだ敵の血にまみれていない。
彼は、前進を決意した。
「前進する」
言った直後、
ヴンッ!
「ミーー!!」
奇声と共に空気が唸った。
ゲシャッ!
「ギッ」
鈍い音に悲鳴が重なった。
部下の背中に、敵がめりこんでいる。
しまった!?
振り向いた時、彼が見たのは。
「キャーーー!!」
一杯に見開いたまんまる目玉に涙を溢れさせて突っ込んでくる、タルタルの泣き顔だった。
グサッ!!
そして、彼の意識は暗転した。

424 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/20(水) 05:40 [ eDPoIoPU ]
「あらら、こっちも刺さってる」
「ウホ、ヤグ全滅ぅ♪」
「ナァイスコントロール」
「ほほう、タマネギは突き刺さるのか」
「あの先は意外に固いんだよぉ」
「んー、グリップ感もいいしぃ♪」

 翌日、町の警備隊事務所に貼り出されていた隊員募集の告知に一文が付け足された。
『欠員急募 タマネギ頭タルタル優遇します』

「名無しの話し」の外伝の2 −おわり−

425 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/08/20(水) 05:50 [ eDPoIoPU ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
前半真剣にシリアス目指しました。
でもタルタルが飛んじゃいました。
いつものパターンです。
もうこの路線から抜け出せそうにありません。
でも…タマネギってホントに刺さるのかなぁ…。
ひゅーんと飛んで、壁にグサっと刺さって、みよょょ〜んと震えるタマネギ。
見てみたいなっと。

426 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/20(水) 07:23 [ /7E1.1KY ]
何があったのかとおもたwそういえばβの時はタマネギしかいなかったし
タルタルは頭蓋骨からああなんだなーと思ってたなぁ。
しかし…今回の話はタル好きには少し堪えたりも;;
いつもの名無しの話さんは大笑いしてしまうのですが
「一人一殺の自殺攻撃」て…・゚・(つД`)・゚・イタソウダヨー
いつもと何が違うんだろ?

427 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/20(水) 14:19 [ 3fn0u.d. ]
みんな気づいていないようなのでage

428 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/20(水) 20:49 [ .MxCMqds ]
タルタルが死ななければ後味悪くなかったかなーと思う。
でもそれでヤグが死んでるのも変だしなあ。

ブラックな持ち味を相ほどよく押さえてるてるのが、ラストにある
死亡報告や死者たちの会話、つまりゲームの外からの視点なんで
それがないとマジに救いがない…のではないかと。

429 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/20(水) 23:23 [ j5C5MhwU ]
>>428
名無しの話の以前の分を読んでみれ。

この作者のノリだと、タル側に死者はなく、大怪我もしくは嫌になって警備隊やめたのではないかと。
あと、424は死者達の会話ではなく、いつもの面々の会話かと。

430 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/21(木) 01:41 [ he0W58RU ]
する〜り する〜り する〜り

また〜り また〜り また〜り

作品をまつ

431 名前: 空に奏でる君の歌33 投稿日: 2003/08/21(木) 09:56 [ Wzrv3T.U ]
間が空きましたが、続きです。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

432 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/21(木) 11:34 [ TfHd1bEI ]
書き込みテストも兼ねて、以前あった「2hアビ」を書いてみました。
;---

 女神よ、アルタナよ

戦いは熾烈を極めていた。
クゥダフの持つ巨大な棍が、騎士の盾を打ち砕く。
振り回される巨大な剣が、戦士達を薙ぎ払っていく。

涙が頬を伝う。
もう魔力は枯れ果てていた。
無力だ。魔力の尽きた魔道士程無力なものはない。

 女神よ、女神アルタナよ

 俺はあんたを信じたことはない
 あんたに祈りを捧げたこともない

両手を高々と天に上げ、男は最後の力を振り絞って叫んだ。

 もしも慈悲の心があるならば、彼らを助けてくれ
 彼らにあんたの祝福を

天から差し込む一筋の光。
男の周囲を暖かな癒しの光が包んだ。

433 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/21(木) 11:35 [ TfHd1bEI ]
一瞬の静寂と、激しい衝突音。
クゥダフの巨大な剣が男に向かって振り下ろされたのだ。
光の収束と共に男のかかげられた腕がゆっくりと地に落ちる。
無音の世界。
視界がゆっくりと閉じられていくのが男にも分かった。
仲間が何かを叫んでいる。

 アルタナ、女神アルタナよ
 ありがとう、もし生まれ変わることが出来たなら
 次はちゃんと祈るよ、信じるよ

倒れた男の傍に、男が助けた仲間が跪く。
男の満足そうな顔をひと撫でし、仲間は天に向かって祈りを捧げた。

女神アルタナ。
願わくば彼に永遠の安らぎと祝福を。


;---

です、お目汚し失礼いたしました。

434 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/21(木) 17:06 [ Iy0XzJTU ]
空に奏でる君の歌キターーー
更新間隔が長くても待ってますよw

435 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/22(金) 01:29 [ HVdfezsA ]
このスレ好きなんで、応援
435は、小説のオペレッタを唱えた

がんばれーーーがんばれーーーー
たのむ!!がんばれーーがんばってくれぇぇぇぇ

作家さんたちの創作意欲がアップ!

436 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/22(金) 16:04 [ mZW3988c ]
age

437 名前: 空に奏でる君の歌34 投稿日: 2003/08/22(金) 19:41 [ WvCm8yac ]
オペレッタ効果頂きました。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

438 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/22(金) 20:16 [ he0W58RU ]
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

439 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/24(日) 16:53 [ Ej5Mwvp. ]
期待age
白き探求者読みたひ・・・

440 名前: 新参者 投稿日: 2003/08/25(月) 05:33 [ H9SkJSfM ]
おはつです。スレッドに書き込むのも生まれて初めてなぐらいの未熟者です。
皆さん すごすぎです・・・(;´Д`)

僕もFF11やっているので、余計FFの世界に引き込まれそうですw
夏休みの宿題が終わる頃にまた来るとします。
作者様 頑張ってくださいw

僕もなんか小説作ってみようかな・・・と思うものの
一歩踏み出せない未熟者でした。お目汚しすいませんm(_ _)m

441 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/25(月) 09:46 [ 2t./LLiI ]
タル戦・・・もう1ヶ月近く休載してる(TT)

442 名前: 空に奏でる君の歌35 投稿日: 2003/08/25(月) 21:33 [ lL9vYycA ]
拙作ばかりでしゃばってすみません。神降臨まで場繋ぎさせて頂きます。
>>437 からお願いします。

443 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (1/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:44 [ gt05E17U ]
朝日が顔を出したので、チクレクは釣竿を手に家を出た。
いつもにぎやかな街が朝の静けさにつつまれていて、
ドアを閉めるのにも思わずそっと閉めてしまう。
それから一歩一歩、確かめるようにゆっくり足を進めて、
このさわやかな朝を味わってみる。

ざっざっざっ……とんとんとん……

むき出しの地面、木でできた橋。チクレクは橋を渡ると、
そのまま街の外へと向かっていった。
思ったより強い日の光と、ひんやり夜の感触を残す
そよ風の中を、いつものせせらぎまで歩く。
「うー、今日こそ……。朝ごはん……」
半分しか開いていないまぶたをどうにか支えながら。
そうしてちゃぽん、と竿をたらして、チクレクの朝は
いつもどおりに始まったのだった。
15分後には、チクレクはいつものように寝ちゃってたとか。
チクレク、もうちょっとがんばろうよ。
「むにゃむにゃ、あとごふんー」

444 名前: ぷにぷにぽにぽにXiぷにぷにぽにぽにXi (2/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:46 [ gt05E17U ]
チクレクはウィンダスの居住区にひとりで住んでいる。
彼の母親は病に倒れたのだと隣のおばさんから聞いた。
父親は、彼がまだ幼いころから家を空けることが多かった。
隣のおばさんがよく面倒を見てくれていたけど、自分で
できそうなことなら何でもやってみよう、そう考える
チクレクは、いつか父さんみたいに旅に出るのが夢。
今でもたまに父さんを夢に見ることがあるのだが、
竿を握ってうとうとしながら、チクレクはまさに父さんの
夢を見ていた。
(まっすぐ前を向いて、決意をみなぎらせた背中……)
ザバッ

445 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (3/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:48 [ gt05E17U ]
(ザバッと魚を釣り上げる父さん……。ん!?)
そんな音で目を覚ました。手元を見る。釣れていない。
横を見る、と、そこにいたのはいつもの黒いやつだった。
眠たげだったチクレクの表情が、とたんに鋭くなり
竿を握る手にも力が入る。
ゴブリンのくせにチクレクより良い竿を持って、
良い餌を使って、腕もよかったりして、大きな魚を釣るあいつ!
そいつがチクレクの隣で魚を釣り上げていたらしい。
くやしいから知らんぷりで釣りを続けるんだけど、
そんなチクレクのことにはどうやら興味がないみたい。
数匹釣り上げて早々に帰り支度を始めるゴブリン。
しかも小さめの魚は川に戻しちゃう。
(ぼくなら……たべる!)
川に戻された魚はぴしゃっと水しぶきをあげると、
流れに乗って川下へ泳いでいく。
ゆったりと、のんびりした時間が流れゆく。

446 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (4/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:50 [ gt05E17U ]
太陽が、いつのまにか空高くまで昇っても、
ついにチクレクの竿に当たりはこなかった。
(あしたは、おさかなつれるかな……)
持ってきたおにぎりにかぶりつき、食べ終わってあたりを見回す。
(だれもいないから……)
水浴びしちゃおう、と思ったらしい。
しばらくちゃぷちゃぷして、頭をぼさぼさにして
チクレクは街のほうへ帰っていったのだった。

447 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (5/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:51 [ gt05E17U ]
街についてみると、朝の静けさとはうってかわった
にぎやかな生活が待ち構えていた。
魔法学校をさぼっちゃったせいか先生はおいかけてくるし、
ダルメルには髪の毛を食べられそうになるし、泥棒ミスラには……
泥棒ミスラは見向きもしてくれなかった。
ちょっとがっかりしてると、
「釣れなかったんだろ?」
そんな声を掛けられて、チクレクは照れくさそうに頭をかかえる。
その格好のまま魔法学校の先生にかかえられるチクレク。
「ああー、つかまったー」
チクレクが家に帰ってきたのは、結局みっちりその日の分の勉強を
させられた後だった。
すると。チクレクが帰ってきたのを見つけた隣のおばさんが、
何やら白い封筒を持って駆け寄ってくる。
「チクレク〜、ちょっとちょっと」
振り向くチクレク。
「あ。おばさん、おはよー」
「おはよう、チクレク。」
おばさんは、持っていた封筒をチクレクに差し出した。
それはチクレクの父さんからの手紙で、隣のおばさんに宛てられたもの。

448 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (6/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:52 [ gt05E17U ]
わあっ、とチクレクは自分の家のポストを覗き込む。
あった! そこにはおばさんが持っていたのと同じ、ただちょっと
不自然に厚みのある封筒が入っていた。
「うちにもきてるー」
うれしそうなチクレクの表情に、おばさんの顔もついほころんだ。
「よかったねぇ、チクレク。なんだろう、ちょっと厚いね」
それを聞いたチクレクの顔に、やっぱり、という表情がうかんだ。
「開けてみたら?」
とおばさんが言うころには、びりびり音がしてチクレクは封筒の
中身を取り出している。それは、何やら大きな紙に黒いインクで
魚の形を写したらしいもので、一言、
『父さん、釣っちゃったぞ』
チクレクの父さんもさすがチクレクの父さんなのだった。
おばさんは、あはははは……全然笑いやむ気配がない。
チクレクは、
「うわー、やられたー」
うきうき興味をそそられた顔でその魚拓を見つめている。
「父さん、元気そうだね」
「うん」

449 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (7/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:53 [ gt05E17U ]
チクレクの目が輝いている。
「ぼくも、あしたでかけるー」
急な言葉に、おばさんはちょっと理解が追いつかず固まる。
それからびっくりして、
「ええっ、チクレクにはまだ遠出は無理だよ。危ないよ」
「ぜったいでかけるー」
そのまま荷造りのためなのか、自分の家に駆け込んでしまった。
「困ったねぇ」
と、その場に残されたおばさんは考え込む。
チクレクはあれで中々頑固なところがあるし、あの様子だと
明日は絶対出かけるだろうね。チクレクのお父さんから
頼まれているんだから、私がなんとかしてあげなくちゃ。
ひとしきり思案したおばさんは、魔法学校の先生に相談することに
したのだった。

450 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (8/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:55 [ gt05E17U ]
魔法学校の先生は、チクレクがいつも釣りで授業をすっぽかすので
なかなか困ってはいたのだが、毎日おいかけっこをするのを
それなりに楽しんでもいた。授業の準備をしながら、明日は
どうやって捕まえようかと、そんなところにおばさんが訪ねてきた。
「こんばんは先生、ご相談があるのですが」
「はい、どうしました?」
考えるのを中断しておばさんに椅子を勧める。
「ええと、チクレクなんですが……明日旅に出るつもりらしいんです」
先生もそれを聞いてさすがに驚く。
「ええっ」
次の言葉が出てこない。
「どうしたらいいんでしょう」
先生は、しばらく考え込んでしまった。
生徒が家出……いや家出じゃなくて旅!?
なんとか考えをまとめて話し始めた先生。
「まだチクレクを一人で旅立たせるわけにはいきません。
明日は朝からチクレクを捕まえにいきます」
それを聞いて、おばさんもいくらか安心したようだった。
「そうですね、私もまだチクレクに一人旅は無理なんじゃないかと。
先生に相談してみてよかったです」

451 名前: ぷにぷにぽにぽにXi (9/9) 投稿日: 2003/08/26(火) 06:56 [ gt05E17U ]
……こうして、先生とおばさんは作戦を練り始めるのだった。
そのことを知っているのは、先生とおばさんと、
そして何か起きたのかとこっそり様子を見に来た泥棒ミスラ。
(おもしろいことになりそうだね……)
先生たちも気づかないうちに、事態はだんだんと
意外な方向に進みはじめていたのだ。
何も知らないチクレクはごそごそ荷造りを続けている。
先生とおばさんはチクレク捕獲作戦の準備をし、
そして泥棒ミスラは何を考えているのか。
「父さん、負けないよ!」
夜は更けてゆく。

452 名前: ぷにぷにぽにぽにXi 投稿日: 2003/08/26(火) 06:57 [ gt05E17U ]
長くなりすぎですね…どうしよう…
おまけに行間あけてたところが潰れて読みにくくなってます、うぅ

453 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:31 [ GBx6VEDo ]
 私は貴女に謝らねばならない。
 私は貴女に最後まで隠し事をしていたことを。あなたがそのことについて問わないことに甘え、
伝えなければならないことを伝えなかった。
 だが、今こそ貴女にそれを伝えよう。そのためにこの手紙を記す。

454 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:32 [ Xs1Ba4m6 ]
 サルタバルタで貴女に出会う少し前のことだ。
 私は自分が騎士であるのか騎士でないのか、そもそも騎士であるということはどういうことなのか、
その正道を見失い苦悩し、逡巡し、迷っていた。私は騎士でありながら騎士団を抜け、一人無人の野
で騎士の正義を自分に問い続けていた。(この部分、貴女にかつて話したことに偽りはない)
 今でも自分の取った選択が正しかったのかどうか、我が身を焼くような苦痛だが、このとき私は己
を己の刃で刺し殺すことすら考えたのだ。騎士たる者が! そのことがまた、我が内なる騎士の心を
責め苛む。
 いや、そんなことは本題ではない。
 そんなとき、私を救ってくれた一人の青年がいた。
 食べ物も持たず、飲み物も持たず出た旅。
 憔悴し、動くことも出来ず、ただ空を眺め自らを省み、己は騎士であるかとただひたすら問い続け、
その場で朽ち果てるのをただ待つのみとなった時のことだった。

455 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:34 [ Xs1Ba4m6 ]
 少し離れた場所から、悲鳴が聞こえてきた。助けを求める悲鳴だった。
 あの辺りは料理の素材や宝箱を求める冒険者が少なくはない。(私が倒れていたのはそこから少し
離れた人気のない場所だった) 冒険者が多ければ、当然未熟な冒険者が怪物に襲われ命を落とすこ
とも決して珍しいことではないのだ。

 立ち上がり、剣を抜き、冒険者を襲うオークの群れに向かっていった。勝てるなどとは思っていない。
ただ、冒険者達が逃げる時間を稼げばいいではないか。どうせ一度は捨てた命、この場で果てても、
自らの魂に疑いを抱いた騎士にとって騎士としての生を全うできるなら、それは幸福なことだとも。

456 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:35 [ Xs1Ba4m6 ]
 そのとき、私は異様な雄叫びを聞いたのだ。
 一人のヒュームの青年が、見たこともない技と思い出したくもない動きで、オークの群れを倒していっ
た。それは、一方的な虐殺と言っても差し障りはないほどの。まるで草刈り鎌で草原を薙ぐかのように。

 獣人共を倒し終わった彼は、冒険者達に声をかけていたが、冒険者達は極度の緊張が切れたのか、
失神してしまったようだ。
 そして、私は彼に問うたのだ。

 君はなぜ彼らを助けたのだ。なぜ、サブリガを被っているのか、と。

 すると彼は答えていった。

457 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:37 [ Xs1Ba4m6 ]
 人を助けるのに、理由は必要ないでしょう。そこに襲われてる人がいて、助けを求めている。そして
自分には彼らを助けるだけの力がある。だから助けたのです、と。
 そしてこのサブリガは、自分のかつての過ちによって大切な人を失ったことに対する戒めであり、闇の
住人として背負う「業」であるのだ、と。

 私は己を恥じた。人を助けることに理由を求め、己の魂のあり方に理由を求めたことを恥じた。
 そして、そんなことを彼に問うたことを恥じた。
 その様子を察したのだろう、彼は更に言葉を続けたのだ。

458 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:38 [ GBx6VEDo ]
 身なりから察するに、あなたは騎士なのでしょう。
 ですが、あなたは道を見失ってしまっているようです。だが、思い出してください。私は、助ける力が
あるから助けたのだ、と言いました。しかし、あなたは、その衰弱した体を省みず弱き者の盾となるため
に、あの獣人達に戦いを挑んだのです。
 信じてください。あなたの魂にある騎士を。例え今は信じられなくなっていても。
 心の迷いも、魂の苦痛も、それは背負うべき「業」。
 その「罪」を背負うことが、この世界に生きる我々に架せられた「罰」なのだと思います。そして、
生き、己の罪を背負い続けることが、贖罪であるとも。

 このときの、この青年の目を私は生涯忘れることはないだろう。
 サブリガから覗く、深い悲しみを湛えながらはにかんだような微笑みを浮かべた瞳。

459 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:41 [ Xs1Ba4m6 ]
 私はその場で穿いていたサブリガを脱ぎ、交換して欲しいと頼んだ。
 すると、彼はその印象的な笑顔で快く了承してくれた。
 そして私は彼の、彼は私のサブリガを顔に被り、いつかサンドリアの酒場で再会しようと
約束し、分かれた。
 そこから、貴女も知る私の旅が始まったのだ。


 私が貴女と出会ったのはその直後だった。
 ゴブリンに襲われていた貴女を救ったとき、私がサブリガを被っていたのにはそういう訳があったのだ。
 いつか・・・一人の騎士となった貴女のサブリガと私のサブリガを交換しよう。彼の思いでとその精神を
貴女に引き継いで欲しいから。

 貴女との再会を願って。

460 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/26(火) 16:45 [ 6hIFSKzg ]
レディサブリガくるのかーーーーーーーΣ(゚Д゚;)!!!??

461 名前: 闇を背負う者(仮称)外伝 投稿日: 2003/08/26(火) 16:47 [ Xs1Ba4m6 ]
うはwwwwwwww
漏れ意志弱すぎwwwwwwwwwwwww
最終回にしたサブリガ仮面を外伝で復帰させちまったよ?
お目汚しごめーん<(_ _)>
おまけに上げてしもてるしごめーんm(_ _)m
更にこれが一番ごめんなさい部分。騎士手紙のファンの皆様、ごめーんm(_ _)m

462 名前: ふぁん 投稿日: 2003/08/26(火) 16:54 [ cZCObuto ]
 許 さ ん !
─‐────────────‐────────‐∧_∧ ───‐──―──‐
─────‐∧ ∧,〜 ────────────‐(; ´Д`) ────―─‐──‐
──−──‐( (⌒ ̄ `ヽ───_ ───────‐ /    /─―/ヽ────―─‐
──―───‐\  \ `ー'"´, -'⌒ヽ──────‐| |    ─‐/ | | ─────―
―‐――──‐ /∠_,ノ    _/_───‐―──―─‐| |  /─―/ | |―────―‐
─────‐ /( ノ ヽ、_/´  \―────‐──‐∪ ./──,イ ∪ ────―─
────‐ 、( 'ノ(     く     `ヽ、 ―────―‐| /−─/|| | ──−───―
───‐‐/` ―\____>\___ノ ──────‐|/──/ || | ────‐─―‐
───/───―‐/__〉.───`、__>.―‐―───‐─―‐| || | ─────―─
──/──‐──────────────―−───‐(_)_)─────―─
─/────────−────────────‐──────────―‐

463 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/26(火) 17:05 [ .pPHZcpw ]
ぷにぽにXi良さげ〜。
続きはあるのかな〜?

464 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/26(火) 21:05 [ RviD/ITw ]
>>461
意外と面白かったので見なかった事にしてやる!!

−−−−−−−−−−−− 切り取り線 −−−−−−−−−−−−
>>453‐461
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

465 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/26(火) 23:23 [ he0W58RU ]
うはwwwwww おkwwwwwww 

外伝だから無問題

466 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/27(水) 02:00 [ Zi3nwFjk ]
ぷにぽに続き期待

467 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/27(水) 12:20 [ Iy0XzJTU ]
遅れ馳せながら「空に奏でる〜」の作者の方更新ご苦労様でした。
次をわくわくしながら待ってます。

468 名前: ぷにぽに(2)-(1/5) 投稿日: 2003/08/28(木) 03:19 [ NFQ1YTCE ]
その朝は、チクレクの人生の中で何番目かに忙しい
朝になった。荷物をまとめて家を出ると、
なぜか運動着に身を包んだ魔法学校の先生と、
隣のおばさんが待ち構えていたからだ。
「……おはよう、チクレク。どこかに、出かけ
るところかな?」
なんて言いながら、にじり寄ってくる先生からは、
なんだか異様な雰囲気さえ伝わってきて、
「えーと……おはようございます」
こんなありきたりな挨拶を返しながら、じりじり
道路へ向かって移動を始めるのであった。
一瞬の緊張、そしてチクレクと先生は同時に走り出す。
「回りこんでください!」
先生の声にしたがって、おばさんが進路をふさごうと
動き出す。チクレクは、おばさんの直前で急停止、
右を抜けるとみせかけて左に切り返すと、おばさんを
かわしたチクレクと追いすがる先生の2人は、
そのまま街路へと駆け出した。いつもなら、チクレクが
立ち止まらない限り先生には捕まることがない。
だから、今日もなんとかなるだろうと思っていたチクレク。

469 名前: ぷにぽに(2)-(2/5) 投稿日: 2003/08/28(木) 03:21 [ NFQ1YTCE ]
そう思ってふと後ろを見ると、しかし先生は、
さっきよりも確実に近づいている。
「あれー、なんでー!? 先生、はやいのー?」
すると後ろから、
「運動着ならこのぐらい走れるのだ。
さあ! チクレクあきらめなさい!」
なんて声が返ってくる。
「一人旅なんて、危ないことしなくてもいいじゃないか。
まず魔法学校を出るんだ!」
「そんなの、つまんないよー」
とチクレク。死に物狂いで前へ向かって進む。
けれど、一向に先生を振り切れそうにない。出口が近づくと、
チクレクの脱出を阻止するようなコース取りをしてくる
先生に、だんだんと焦りをつのらせて、
追いかけっこはそのまま2周目へ突入するのだった。

470 名前: ぷにぽに(2)-(3/5) 投稿日: 2003/08/28(木) 03:22 [ NFQ1YTCE ]
……このままじゃ、いつか捕まっちゃうよ、疲れて、きた……
と、そのとき、チクレクは前方の細い路地からこちらを手招きする
腕を見たような気がした。反射的にそっちに飛び込むチクレク。
すると、腕はもう少し先の路地から手招きしてくる。
(だれー? こんな道知ってるなんて)
息を切らしながら、チクレクは路地を曲がり続ける。
チクレクの進む方向が予測できなくなった先生は、
だんだん後ろのほうに引き離されてゆく。
と、こんなことがもう何度か続いたあと、チクレクの目の前に
突然見慣れた大通りが広がっていた。
やった! もうひとがんばり門を目指し走っていると、
前方を走っている人影がひとつ、泥棒ミスラだ。
さっきのは泥棒ミスラの手だったのかと、チクレクは、
「ねえ、どうも、ありがとー」
と前に向かって叫んだのだが、返事はない。
「ミスラさん、いいひとー」
と、そこで泥棒ミスラはピクッと耳を動かした。
チクレクのそばまでスピードを落とし、
「あたしがいい人だって? はっ、まだまだガキだね」

471 名前: ぷにぽに(2)-(4/5) 投稿日: 2003/08/28(木) 03:23 [ NFQ1YTCE ]
そう言いながら、なんだか面白そうにしているとチクレクは思った。
(おもしろそう、だけど、ちょっと、なんだか、ふしぎ……?)
チクレクのほうをちらりと振り返って続ける。
「死んでから後悔するんじゃないよ。
生きているうちにできることならなんでもやるんだ!
全部やりきってから倒れな」
勢いに押されうなずくチクレクをよそに、不意に立ち止まる。
出口に着いていたのだ。泥棒ミスラを見上げるチクレクの鼻先に、
釣り竿が差し出された。
「折るんじゃないよ」
受け取ってみる。とっても軽くて、よくしなる竿に、
チクレクは満面の笑みを浮かべて喜びを表現した。
「ありがとう!」
「さ、早く行きな。捕まっちまうぞ」
チクレクは、コクッとうなずくと、街の外へ走っていった。
その光景は、泥棒ミスラにとっては過去にも見たことのある光景。
あのときのタルタルは、結局生きて帰ってくることはなかった、
と、思い出して彼女は頭を振った。
「いい人? まったく、馬鹿だね、あたしは……悪人なのさ。
あんたが死んだら、それはあたしのせいだ。すまないね」

472 名前: ぷにぽに(2)-(5/5) 投稿日: 2003/08/28(木) 03:25 [ NFQ1YTCE ]
もう遠くなったチクレクには、彼女の言葉が届くはずもない。
「ぼくって、ガキなのー?」
そんな独り言をいいながら、チクレクは振り返ることなく走る。
まだ見ぬ土地の、まだ見ぬお魚を求めて。
背後の街は、だんだんと小さくなりつつあった。

- See You NEXT -

『ぷにぷにぽにぽにXi』2回目のアップです。
名前欄は略式にしてみました(長いのでー)。
463さん、466さん、読んで下さった方々、ありがとうございます。

473 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/28(木) 08:08 [ pq9ov2Jw ]
レスは無いけど、それ以上に読んでる人も居ると思われ

474 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/28(木) 13:28 [ cq22Cflk ]
ぷにぽに、台詞がかなりいい感じだとおもいます。
セリフみただけで、無邪気で元気なチクレクの顔が思い浮かびます。
他のキャラも同様、作者さん「がんばれー」

475 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/29(金) 00:16 [ 4gGeB2k2 ]
読んでますよー>ぷにぽに作者様
楽しみにしてます。がんばってー。

476 名前: 赤きファンより(418) 投稿日: 2003/08/30(土) 17:16 [ nd7Ja9Cc ]
白き探求者 23話 キタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

477 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/30(土) 18:35 [ cjExXPTU ]
画像UPBBSより転載

現在、自分のサイトにコンテンツ増やして白き〜を移植しよう計画勃発中でございます。
あぷるるさんは復活の兆しないですし…体大丈夫でしょうかねえ…。

来月中にはなんとか形にしようかと。頑張ってみます。


だそうです。白き探求者の作者様こちらに書き込めないそうで……。

というわけで

23話キター(AA略

478 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/31(日) 05:43 [ mfI4KxH2 ]

『薔薇色の人生』という作品は、こちらに出入りされてる作家さんの手によるものでしょうか。
そこはかとなく作風が似てる方がいらっしゃるんですが・・ (σ・ω・)σホラ アソコニ

よかったらこちらのスレにも転載していただきたいなぁ、と。
しばらくお返事待ってみます。

479 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/31(日) 09:50 [ he0W58RU ]
>478
ん? 
薔薇色の人生は、狩人スレが初出らしいよ?
ここにも貼られたことあるけどね。
前スレだっけ? それとも前々スレだっけ? 忘れた (゚∀゚)アヒャ

480 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/31(日) 19:16 [ PfFUjRjs ]
タル戦こないなぁ・・・

まさか病気か事故で(ry

481 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/31(日) 21:25 [ m5uFgcm2 ]
狩人スレ∋―( ゚д゚)→25矢目

754 名前: 名も無き軍師 投稿日: 2003/03/10(月) 16:44 [ eK0cVUb. ]
よぉしパパン 狩人の明るい人生を予測しちゃうぞ〜


   薔薇色の人生

『彼女にプロポーズしよう!』
そう決めてからもう数週間たってしまった。
     ・
     ・
     ・

ttp://jbbs.shitaraba.com/game/1578/storage/1046756004.html#754

482 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:10 [ oVkH3n9w ]
「名無しの話」の10の1 −機嫌−

その朝、集合場所に一番にやってきたエル騎士の機嫌はとても悪かった。
「おはよう!」
元気に片手を上げて挨拶するヒュム戦へ
「…」

「おはようございますっ」
「ございますっ」
礼儀正しく頭を下げるタル白タル黒へ
「…」

「おはようにゃー」
シッポを振りながら両手を振るミスラへ
「…」

眉間にシワをよせ、腕組みしたまま返事もしない。
「エルさんごきげんななめー?」
「おこってるのー?」
小首を傾げて見上げるタル白タル黒の愛らしいポーズにもニコリともしない。
「なにかあったのー?」
「てつだうー?」
と気遣いを見せても
「ありがとう。大丈夫だから」
と言いながらも笑顔は無い。
その様子にヒュム戦はピンときた。
そっとタル白タル黒を呼び寄せ、しゃがみ込んでささやく。
「あのね、エルさんはね、便秘…」
そこまで言って、スッと日が陰ったのに気づくヒュム戦。
直後。

483 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:12 [ oVkH3n9w ]
メコッ!
ヒュム戦の後頭部にエル騎士の盾がめり込む。
ゴヅッ!
弾みで激しく額と額を打ち合わせるヒュム戦とタル白タル黒。
地面に突っ伏すヒュム戦。鼻血を噴いて弾け飛ぶタル白タル黒。
「…ぢがっだがなぁ…」
顔面を地面に張りつかせてピクピクしながらも、指折り何かを数えるヒュム戦。
器用だ。
ドゴッ!ドゴッ!ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ヒュム戦の後頭部にさらに盾が打ち込まれる。ガンガン打ち込まれる
しかも、王立騎士団制式盾という痛〜い角を持った盾が。
ヒュム戦の頭がだんだん地面にめり込んでく。
一方、タル白タル黒は額を押さえて無言でジタバタと転がってる。
「!〜」「!〜」
どうやら声が出ないぐらい痛いらしい。
ま、たしかに、戦士の額金とタルタルの額では強度が違う。
目から星どころじゃない。
「にゃははははは」
相変わらずよく笑うミスラ。
「ヒュムさん間違ってるにゃ〜はははははは〜エル姉はパンツ…」
ベチッ!
ヒュム戦を指さして笑うミスラの顔面を盾でひっぱたくエル騎士。
「ミギャー…」
顔を押さえて転がるミスラ。

484 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:13 [ oVkH3n9w ]
「む?」
ふと我に返るエル騎士。
「いかん…」
ヒュム戦は頭を完全に地面へめり込ませてあっちへ逝ってる。
タル白タル黒はダンゴムシのように、額を押さえて丸まってる。
ミスラは尺取り虫の様に、顔面を押さえて伸び縮みしてる。
無傷なのはエル騎士だけ。
まだ町から出てもないのに、パーティーは大ダメージ。
そこへ、
「おはよぉー」
どっこどっことガル戦がやって来きた。
けど、
「……」
惨状を見たとたん、クルリと向きを変え、無言で帰っていった。

485 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:15 [ oVkH3n9w ]
「名無しの話」の10の2 −ヒュム白−

少しあって。
「おはようございますぅー」
にこやかに走って来たのは、ヒュームの白魔導師だった。
「ガルちゃんと交代しましたぁ〜」
「ガル戦?」
「はい〜。うわぁ、大惨事ですねぇ〜」
となんだかうれしそうなヒュム白。
ニコニコとメンバーのダメージを見て回る。
タル白タル黒の脇にしゃがみ、
「タルちゃんはケアルですね〜。痛いの痛いの飛んでいけぇ〜」
両手でそれぞれタル白タル黒の頭をナデナデする。
ふわりと光があり、
「あー、いたいのきえたのー」
「なおったー」
うれしそうに立ち上がるタル白タル黒。
次にミスラのわきにしゃがみ、
「ミーちゃんもケアルですね〜。しっぽピンピンみみピンピン〜」
ぴこぴことミスラの耳を引っ張る。
ふわりと光があり、
「にゃー、耳はダメにゃ、耳は」
飛び起きるミスラ。
そしてヒュム戦の脇にしゃがみ、
「あらら、ヒュムちゃんもう手遅れですね〜。…呼び戻しますぅ?」
エル騎士を見上げる
「と、当然だ」
とエル騎士。なんか、毒気を抜かれてしまってる。

486 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:16 [ oVkH3n9w ]
「ですよね〜。じゃあ、ヒュムちゃんにレイズぅ〜。おーい、もどってこーい」
ヒュム戦の脚をつかんでずるずる〜と引っ張り回すヒュム白。
ふわりと光があり、ゴンゴンゴンと石畳で頭を打ち、
「あでででで」
と悲鳴を上げるヒュム戦。
「はい、完了ですぅ〜」
とにっこり笑むヒュム白。
「あ、お礼はけっこうですぅ〜。わたしは人を助けたくて白魔導師してますからぁ〜。それにぃ、今日は同じパーティーですからぁ、もっともっと助けますぅ〜」
「あ、うん…いや…ありがとう…」
なんだか間が取りにくくて、バラバラと頭を下げるヒュム戦たち。
「えーっと、ガルさんと交代したと言ってけど?」
とヒュム戦。
「はい〜。今日は白魔導師一人じゃ足りないからって言ってましたぁ〜。どこ行ってきたんですかぁ〜?強敵なんですかぁ〜?」
どうやらガル戦はきちんと説明してないみたい。
ヒュム白は、ヒュム戦たちが一戦して逃げ帰ってきたと思ってる。
けど…ガル戦って、どういう人脈もってんのか…。

487 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:17 [ oVkH3n9w ]
「強敵…」
じーっとエル騎士の方を見るミスラ。
「うん、まあ…」
ポリポリと頭をかくヒュム戦。
まさかエル騎士が犯人だとは言えない。
「次はわたしもいますからぁ、ぜ〜ったい勝てますよぉ〜」
「うん、そう…かな…」
「どこですかぁ〜?巣ですかぁ〜?要塞ですかぁ〜?」
「えっと…その…」
どう答えようかと考えてしまうヒュム戦。
「…?秘密の場所なんですかぁ〜」
「ひみつー」
「なのー」
とタル白タル黒。
「じゃあ、わたし一緒だとだめですねぇ〜」
「というか…」
「べつなとこ行くにゃ!」
ヒュム戦に助け船を出すミスラ。
「白さん二人ならもっとスゴイとこ行けるにゃ」
「だったら、いいところありますよぉ〜」
とヒュム白。
「じゃあ、そこにするにゃ」
とヒュム戦を見るミスラ。
「そうだね。そこでいいかな?」
聞くヒュム戦へ
「いいのー」
「いくー」
とタル白タル黒。
うなずくエル騎士。
そして、五人はヒュム白についてった。

488 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:20 [ oVkH3n9w ]
「名無しの話」の10の3 −船−

やわらかな陽射し。
心地よい潮風。
涼しげな波の音。
「…って、なぜ船にゃ?」
首を傾げるミスラ。
いま、パーティーはヒュム白に案内されるまま船上にある。
ほかに乗客はいない。
貸し切りみたい。
「とおいのー?」
「おとまりー?」
とタル白タル黒。
「もうすぐですぅ〜」
ニコニコとヒュム白。
「すぐ?」
首を傾げるエル騎士。
時間で言えば今は航路の中程のはず。すぐに辿り着く港なんか無い。
「ここらに港は無いにゃ」
疑問を口に出すミスラ。
「あらぁ〜、ミーちゃんはするどいですねぇ〜」
「アタシはミーちゃんじゃないにゃ。ミスラにゃ」
「ですから、ミーちゃんでしょ〜」
ニコニコとヒュム白。
「ミスラにゃ!」
「ミ〜ちゃん」
ニコニコニコ〜とヒュム白。
「ミスラ!!」
「ミィ〜ちゃん」
ニコニコニコニコ〜とヒュム白。
「…もうミーちゃんでいいにゃ…」
「はい、よくできましたぁ〜」
泣いてるミスラ。
笑顔のヒュム白。

489 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:22 [ oVkH3n9w ]
と、船がググッと向きを変えた。
「?」
「ふねー」
とタル白。
「ふるいー」
とタル黒。
みれば近付いてくる船がある。
パーティーの乗った船も、それに近付いていこうとしてる。
「…」
なんだか、見たことがある船。
とてもイヤな記憶といっしょに。
キリキリキリとヒュム戦の首がヒュム白へ回る。
「あれって…」
「はい〜、海賊船ですぅ〜」
「「「「「!」」」」」
凍り付く五人。
「一発で見つかりましたぁ〜。らっきぃですぅ〜」
うれしそうに両手を握るヒュム白。
「え?」
「あそこならぁ、敵さんたぁ〜くさんいますう〜」
「お?」
「みなさんガンガン戦っちゃってくださいぃ〜」
「へ?」
「もし死んでもぉ、バンバンレイズしますぅ〜。ね?」
「う、うん」
見下ろされて慌ててうなずくタル白。
「さぁ、いきましょ〜」
楽しそうにガッツポーズを作るヒュム白。
どんどん近付いてくる海賊船。
「いくぞ!」
もうこうなったらやるしかない。
剣を抜くヒュム戦。
エル騎士とミスラも構える。
防護魔法の光がみんなを包む。

490 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:24 [ oVkH3n9w ]
と、遠ざかる足音。
振り向くと、ヒュム白がタル白タル黒を引きずってく。
「あぶないですからぁ〜、あとは船長室にいますぅ〜。あ、心配しないでください〜。死んだらタル黒ちゃんに引っ張りよせてもらいますぅ〜」
バタン。
閉じられる扉。
取り残され、呆然としてる三人。
ガシャガシャ。
その後に、次々と骨だけの方々が乗り込んでくる。
「ちょっとまてー!!」
ヒュム戦の叫びに返ってきたのは
「がんばってくださいねぇ〜」
楽しそうなヒュム白の応援だった。

船は、大きく遅れていた。
港には、その到着を待つ人々が集まってる。
やがて現れた船の甲板には、満載の骨だけの方々。
どうも、海賊船に戻り損ねたらしい。
「なんでー」
「うそー」
逃げまどう人々を追って骨だけの方々が船を下りた後、甲板には袋叩きにあった三人が残されてた。
船長室では魔導師三人が魔法を使い切って疲れ果ててる。
「あははははぁ〜、ちょと無理がありましたぁ〜。でもたのしかったですぅ〜」
「…」
声も出ないタル白タル黒。けど、ヒュム白はとても楽しそうだった。

491 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:31 [ oVkH3n9w ]
『…わざと?』
『そうも考えられるな…』
『ガルさんの紹介にゃ…』
『…天然?』
『かもしれないな…』
『ガルさんの知り合いにゃ…』
『『『うーん…』』』
ヒュム白の正体に三人は悩んだ。死んでるけど…。

−本日の戦績−
 獲物:海賊骨十数体
 死亡:三名
 間接的被害:たくさん
 評価:ブッブー
 特別のお言葉:「あのねえ、いい加減にしないと女神様怒るよ。ほんと」

実はこの日、エル騎士がお気に入りのパンツを無くしてたのはナイショだったりする。
さらに、競売に出されたそれが高額で取り引きされたのはもっとナイショだったりする。
そして、あるタルタルシーフの元に大金が届いたのはもの凄くナイショだったりする。

「名無しの話」の1 −おわり−

492 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/01(月) 10:32 [ 2t./LLiI ]
>>491
うはwwwリアルタイムで読めた
乙〜

493 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/01(月) 10:39 [ oVkH3n9w ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
前回は微妙な作品になってしまいました。
中途半端にシリアス感を残そうとしてしまいました。
反省。
最近反省ばかりしてるなと、さらに反省。
「の10」なのに「の1」となってて、もっと反省。
ガル戦の活躍が減ってすごく反省。
…あれ?

494 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/01(月) 10:43 [ MRUOrZ9k ]
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

タルシーフ、準レギュラー化!?
ヒュム白さんは、ガル戦のセカンド!!??((((゜д゜;))))

495 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/01(月) 19:56 [ mPIUTPjw ]
運動服姿の先生の「まわりこんでください!」
なんかワロタ。

496 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/01(月) 23:34 [ Bxi1AH/g ]
もうだめぽ・・・タル戦が・・・待ちくたびれました・・・

497 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:09 [ a2QsHlxU ]
 この物語を愛する家族と親友達へ送ります。

498 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:10 [ a2QsHlxU ]
 灰色に濁る雨の中を赤い帽子がヒョコヒョコと浮いている。しばらくすると
同じく赤い籠手が見えた。もう少しすると黒い胴体が現れそれが人と分かった。
 赤い帽子の主は思い出していた。雨の日は必ずヤツを思い出す。
 「ガー、ちくしょう!重いんだよ!」「これぐらいのことで取り乱すとはまだ
まだじゃの。」「何だと!うお、ちょいちょい・・・」「ふむ、1歩2歩3歩・
・・。3個追加〜。」「テメー、ざけんな!腕がちぎれる!?」「ホラホラ、そ
んなにしゃべるとまた1個追加じゃ!」「本当にやりやがった!殺してやる!」
「ホホホ、やってみろ〜。」
 今となっては懐かしい。アレは地獄の日々だった。が、そのおかげで今はダレ
ニモ勝つ自信がある。赤い帽子は腰の刀をギュッと握りしめた。絶対に負けない。

499 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:11 [ a2QsHlxU ]
 ふと目の前に白いモノが佇んでいることに気づいた。赤い帽子はとっさに柄に
手をかける・・・『オークか、それとも亡霊の類か。どっちにしても殺す。』
雨音に隠れ、気配を消して忍び寄る。1歩2歩3歩。相手との距離5m。充分だ。
刀を静かに抜く。「ジュッ」それは今にも消えてしまいそうなか細い音・・・。
だが冒険者と呼ばれる者達は皆知っている。血の雫。しかも、獣人のだ。
「ウオォォーーーー!」
気合一閃。確実に相手を一刀両断したはずだった。だがすんでのところで、何か
柔らかいモノが刀に触れたかと思うと刃筋が微妙に湾曲し、し損なった。とっさ
に刀を構え直すが、冷たい汗が背を伝った・・・。

500 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:19 [ a2QsHlxU ]
「斬っても斬っても切れない物、な〜んだ?」父の好きなナゾナゾだった。
だが、今ははっきりと答えられる。白いモノ。あれから一振り、二振り。確
実にたたっ斬ってるはずだ。しかし、なぜか最後の瞬間、柔らかいモノが彼
の刀を邪魔するのだ。とっくに息はあがってる。
「名乗りもせずに斬りかかるなど貴様、男として恥ずかしくないのかァッ!」
思わぬ不意打ちに心臓が止まりかけた。
「へぇ。幽霊ってのはしゃべるのか。」
少しからかってやる。そうだ、もっと頭を血でのぼせろ・・・。
「霊だと!。失敬な、我が名はジークフリート・サンダルフォン!伝統ある
エルヴァーンの騎士である!おぬしは!?」

501 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:25 [ a2QsHlxU ]
 「ジーク?聞かねぇな。おれはザリ。侍だ。」
 フム。白い影が何故か頷く。ザリは首をかしげながらも間合いを詰める。
「おぬしが『赤い帽子のザリ』か。仁義ある侍だと聞いておる。あえて光栄
じゃ。」片手剣を構えながら静かに言った。ジークがザリを誉めた。しかし、
それで図に乗っていては人斬り稼業はやっていけない。
 3m・・・。いける・・・。一気に腰を下げると、刀を思い切り右肩に乗
せた。

502 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 07:26 [ WaD3tFO2 ]
つまんねーから阻止

503 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:29 [ a2QsHlxU ]
 「刀狩りッ!!」
ガイーーンッ!ものすごい大音響とともに片手剣が宙を舞う。「ぬおっ!?」
突然のことだ。愛剣が真っ二つ。だが、次の瞬間、ジークは唸ることもでき
無くなった。
「王手だ。」
ザリが呟いた。刃先がジークののどをとらえていた。
「いや、チェックメイトじゃ。」

504 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:34 [ a2QsHlxU ]
「バッシュ!!」
ものすごい衝撃だ。気づいたときは10mは水をあけられていた。盾での強打。
盾打(盾打)だ・・・。
 「ごほっ、ゴホッ」
腹が痙攣し息ができない。しかし、それでもザリは構えを崩さなかった。
 ・・・野郎、できる・・・
 ザリがもう一太刀入れようとしたそのとき、
「交渉といこうじゃないかの?」
「何だと?」

505 名前: 血と銀と葉と黒と白 投稿日: 2003/09/02(火) 07:41 [ a2QsHlxU ]
 ジークは語った。
「お主が刀を抜いてから5分以上経っておる。それに加えて二度も音が響いたの
 じゃ。オークどもはこちらに向かっておる。」
「だからどうした。」
ザリも負けてはいない。
「降りかかる火の粉は払うまでだ。」
そういって刀を納めた。老人も剣の破片を鞘に収める。
「掟は知っておるじゃろうな?」
「当然だ」
2人は静かに手を重ねた。
「ジョイン!!」

506 名前: 「血と銀と葉と黒と白」の作者 投稿日: 2003/09/02(火) 07:44 [ a2QsHlxU ]
 やっちまったー。ついに書いちゃった〜w。はじめまして、カームといいます。
初めて小説なるモノを書いてみました。なかなかおもしろいものですね。
 私はタイタンサーバーのQaamという冒険者です。よろしければ感想なり言って
くれるとうれしいです^^。死ね、このくそ。でも結構デスwそれでは

507 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 09:40 [ cRW6BTaI ]
つまんないね
もうちょっと改行に工夫を…特に最初。
あと自分で名乗ってる所が怪しい。
単に晒しじゃないのか?

508 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 10:26 [ cwYDLlWY ]
>>506
何でsageのsだけ大文字?

509 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 12:21 [ K0R6VGm6 ]
ごめん、俺初期組だけどこれ読んだことなかったんだよね。
いや、倉庫の見てるとマジでおもしろい

510 名前: ブロンズサブリガ 投稿日: 2003/09/02(火) 12:23 [ CA8e1lGY ]
見た目も性能も完璧なのは漏れだけさ!!

511 名前: ブロンズサブリガ 投稿日: 2003/09/02(火) 12:24 [ CA8e1lGY ]
みすw

512 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 13:22 [ h.ToLBrg ]
ずいぶん厳しいな

確かに読みづらいが…
前スレだったかもこうやって荒れてたような
セイルのがそれで消えたしな
批判するなとは言わないけど、擁護派と言い争いにならない程度で
スルーという手もあるし

513 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 14:56 [ JhCRXWiw ]
鎖夏

514 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 15:18 [ K0R6VGm6 ]
樽戦ってもうないのかな?
いま、47話だよね?

515 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 17:01 [ d7VIwfSM ]
漏れもタル戦読みたいんだが。
こちらってまとめ倉庫はあるけど過去ログ倉庫はないのね。
良かったら編集抜きでのログ倉庫塩あたりに作りますけど、どなたかお持ちじゃないですか。

っていうか、漏れが読みたいんじゃーーー!読ませろーーー!!

読ませてくださいお願いします(⊃Д⊂)

516 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 17:53 [ mkefVJ9M ]
アプルル氏はどうされたのだろうか

517 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 18:49 [ oGbdWkQQ ]
あきたんだろ

518 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/02(火) 18:59 [ h.HOkAIA ]
【騎士を目指す愛弟子に送る旅の手記】

第5話(1/2)

メアの岩は現代であっても未だ謎多き遺跡ではあるが、
その突端に至ったばかりの人類の一般的な認識は、
古代人の祭祀場か何かと推測するにとどまっていた。
クリスタルラインの研究にはまだ数年の月日を要し、
賢者たちの探求により、ようやくクリスタルラインを利用した
秘術『テレポ』の存在が見出されたところである。

メアの岩は広義に岩と称されてはいるが、これが建造物であろう事は
既にヴァナ・ディールの研究者たちの間では定説となっている。
一見大理石のような印象を与えるが、その材質はまったく異なっており、
それはサーメットと呼ばれている金属とセラミックの複合物である。
鋼よりも硬く、真珠よりも滑らかで、黄金以上の価値を持つサーメット。

そして、そのサーメットを自在に扱うことが出来たのは
『ジラート』と呼ばれる古代人であったと言う。
その古代人が大地に遺したものが、このメアの岩を始めとした遺跡だ。
ジラート。その名を知らぬ賢者はいない。
ジラート。その名は力ある言葉。
ジラート。過去から、人類に手を伸ばす者たち。

519 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/02(火) 19:00 [ h.HOkAIA ]
第5話(2/2)

クロヴィスの視界にメアの岩の威容が示される頃、
太陽は沈みかけ、やがて月の光がタロンギを覆いつくした。
風は嘘のように止んでいた。騎士をいざなう目的を達したためであろうか。
タロンギの乾いた空気にわずかに含まれた湿気が、黒髪をつややかに彩る。
自然の多くがそうであるように、タロンギの夜は昼とは異なる姿を現しつつあった。
傍目にはそれとわからない変化で。

メアの岩は青白く輝き、エルヴァーンの訪れを静かに待っている。
とくん、とくん。
小さく、脈動しながら。
とくん、とくん、とくん。
敏感な野生動物は、鼻をひくつかせて巣穴に戻っていった。
とくん、とくん、とくん、とくん。
約束された出会いに水を差さぬために。
古えから、繰り返されてきた出会いのために。

520 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/02(火) 19:01 [ h.HOkAIA ]
第6話(1/3)

旅を続けてきたクロヴィスにとってはメアの岩は初見ではなく、
ラテーヌに存在するホラの岩と非常に似通った遺跡として一度訪れたことがあった。
似ても似つかぬ生態系を持つミンダルシア大陸とクォン大陸との、数少ない共通点。
エルヴァーンの憧憬を誘うに足る場所であることは間違いない。

ふと、故郷に。サンドリアの城壁に思いを馳せる。
双騎士の守る王城。
風光明媚なロンフォールの狩場。
ホラの岩にかかる空の架け橋。
まだ見習いであった折に恐れながら降りたオルデール鍾乳洞。
任務を終えたエルヴァーンの疲れをねぎらってくれる一杯のエール。
酒場はもう一つの約束の待つ場所でもあった。奮い立つ想い。

しかし、メアの岩に虹はかからない。
ここはエルヴァーンにとっては異郷の地なのだ。
その事実はわずかな寂寥感が騎士にわずかな慰みを与え、
自らの誇りを研ぎ澄ますための旅の再開を思い出させてくれた。
クロヴィスは青い光をたたえるクリスタルの光へと向かっていく。
明かりのある場所が野営の場所として安全であるとは限らないが、
クロヴィスの本能的な何かがそこへと導いていた。

521 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/02(火) 19:03 [ h.HOkAIA ]
第6話(2/3)
クリスタルは柔らかな青い光をたたえ、静かにたたずんでいた。
いかにしてこのクリスタルが存在しているのか、真実を知る者はまだ少ない。
クロヴィスは階段の下に一人用の天幕を張り、野営の準備を整えた。
チョコボにギサールの野草を与え、今日の労をねぎらう。
自分自身の糧食としてウィンダスから運んだ乾し果物を口に含み、
水筒から慎重に定量のみ、わずかに水を補給する。
乾燥したタロンギ渓谷では水の無駄な消費は命取りだ。
クロヴィスは今後の行き先を思案しつつ、浅い眠りについた。
不思議と生き物の寄り付く気配がしない。
その異常さに気がつかぬほど、自然に、やさしく、
練達の騎士であるクロヴィスにすら警戒心を与えぬほどに。

522 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/02(火) 19:04 [ h.HOkAIA ]
第6話(3/3)

どれだけの時間が経ったのであろうか。
月が中天を過ぎていたことから深夜を過ぎていたことは分かった。
クロヴィスの天幕を明滅する青い光が照らしている。
クリスタルの輝きによるものであることは容易に想像がついたが、
それが如何なるものなのか、クロヴィスには分からなかった。
しかし、何かが起きていることは分かった。
それが求め続けてきた世界の謎に関わるものであることも。
クロヴィスは剣を手に慎重に天幕を這い出した。
クリスタルの光はかがり火よりも明るく、力を持った輝きを放っていた。
エルヴァーンの顔を青い光が繰り返し照らす。
時折、目も開けられぬほどに強く輝くクリスタルの元に───


小さな人影を、騎士は見出した。

─そのうち続く─

始めましての方は始めまして。
お久しぶりの方はご無沙汰しています。
前スレから続いておきながら1月以上書かなかったわけで…。

>闇を背負う者の作者さん
自分のものがネタにされるとは光栄でありますッ。
師父の設定がなんか増えますた。
どのようにかはまあ、後世の歴史家の判断に期待します。

523 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/02(火) 23:19 [ he0W58RU ]
騎士手紙キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

524 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/03(水) 05:37 [ AXZIdCAM ]
シリーズモノの新作ないと作者のリアルの心配をしてしまう・・・

525 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/03(水) 08:36 [ vkncPOLk ]
>>524
禿同

526 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/04(木) 20:42 [ 2.L.sHw2 ]
つかリアルがあるから続けるのが困難だったりするのさ。

527 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/04(木) 21:34 [ 4m9BWUjQ ]
白き探求者の18話〜20話がみつからなーい!
画像up掲示板探ったけどもう埋もれてるっぽ・・・

528 名前: 527 投稿日: 2003/09/04(木) 21:37 [ 4m9BWUjQ ]
スマソ。解決しますた。
あのBBSは月ごとに過去ログを収納するシステムだったのか

529 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:18 [ Vkkcw.iE ]
最初に異変に気付いたのは、旅の冒険者だった。
「おい、あれは・・・なんだ?」
「クゥダフの軍勢だと・・・ばかな?バストゥークはどうした?こんな近くまで押し寄せている・・・?」
武装したクゥダフの軍勢はきっちりと隊列を作り、ゆっくりと南グスタベルグへと進軍していた。
「バストゥークの銃士隊は何をしているのだ?このままでは破られるぞ?」
「義理は無いが・・・これを見過ごす分けにもいかないな・・・予定変更だ。バストゥークへ行くぞ」
「はっ・・・相変わらずお人よしだな、お前ってヤツは」

二人の冒険者は手綱を持ち、チョコボに指示を出す。

「悪いが・・・少々飛ばしてもらうぞ。ハイヤッ!」
「やれやれ、もう少しチョコボに優しくできないのかね?お前は・・・」

・・・二人ががバストゥークに辿りつき、報告を終えた時、既にクゥダフの軍勢は
南グスタベルグまで進軍していた。この時、銃士隊の本隊は獣人軍を撃破すべく、
遠方へ遠征をしていた。まさに、本国が手薄となっていた隙を突かれたのである。

530 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:21 [ Vkkcw.iE ]
タルタル戦士は夢を見る  第四十八話 ロック・ハンズ

冒険者達がバストゥークのゲート前に集められている。
皆、現在の状況を把握しており、これから何が始まるかは理解しているようだ。
「作戦を読まれていた・・・?」「筒抜けだったってことか?」
「本隊?・・・間に合うわけないだろう!?」」
ざわめく集団の前に一人の白い鎧を身にまとったガルカが姿を現した。
その鎧はバストゥークの兵の中でも高ランクの者のみが与えられる鎧であり、
それ相応の実力を伴っている証拠でもある。
「飼いならされたガルカかよ!」
集団の中から心無い罵声が飛ぶ。しかし、そのガルカはまるで聞こえていないかのように口を開いた。
「私の名前はロック・ハンズ。見ての通りバストゥーク鋼鉄銃士隊の一員だ。
 バストゥークは今、危機に瀕している」
「何やってたんだよ!おエライさんは!」
野次を無視してガルカは続ける。
「現在、クゥダフの軍勢は南グスタベルグまで進軍している。話は単純だ。
 諸君らに、本隊が戻ってくるまでの間、クゥダフの軍勢を抑えてもらいたい。勿論、
 手柄に見合った報酬は保障する」

531 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:25 [ Vkkcw.iE ]
冒険者の顔ぶれは多種多様だった。彼等は基本的に国に縛られず、自由気ままに旅をしているのである。
この場に集められた冒険者はたまたまバストゥークに滞在していた者達である。
・・・その中に、タルタルの若い夫婦がいた。
「ねぇねぇ、どうするの?クゥダフって、とっても怖い人達なんでしょう?」
妻のタルタルは魔道士のローブを着ている。その姿から、そこそこの経験を積んだ白魔道士というのが分かる。
「ああ・・・だけど、ここで防がないとバストゥークの人がたくさん殺されてしまう」
対して、夫のタルタルは元来非力な種族であるにも関わらず、分厚い鎧と槍を身につけている。
「うん・・・じゃあ、戦うのね?」
「当たり前さ、それに報酬も期待できそうだ。最近まともに金稼ぎしてなかったからな」
「・・・私も戦う。あなただけじゃ、心配よ」
「馬鹿いうな、お前は残るんだ。万が一僕にもしもの事があったら、トッパラッパはどうなる?」
「う、うん・・・そうだけど、そうだけど・・・。クゥダフの数は多いのよ?誰かが言ってたわ。戦争ってのは数なんだって」
「はは、心配性だな、イルルは。大丈夫。無茶はしないさ」

532 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:27 [ Vkkcw.iE ]
ロック・ハンズは声を張り上げて続ける。
「我々に時間は残されていない。後手になればなるほどこちらが不利になる。
 準備が出来次第、クゥダフを迎え撃つ!まずは私が先陣を取る。私と共に来る者はいるか!?」
・・・この言葉で、騒がしくしていた冒険者達は静まり返り、互いの顔を見つめあうだけだった。
「いないのか!?」
数秒の沈黙が続く、そしてその沈黙は一人のミスラによって打ち破られた。
「は〜!まったく、口だけはでかい癖して、いざとなったら何にもできないヘタレばっかりだね!」
視線がそのミスラに向けられる。ミスラはふふん、と一笑して、ロック・ハンズの前に躍り出た。
「あたしはミム。・・・どうだい?あたしと組む気はあるかい?」
「いいだろう・・・それなりの実力はあるようだ。だが、遊び半分で戦ってもらっては困る。
 我々はバストゥークを守らなければならない。・・・その覚悟はあるのか?」
「ふ〜ん、覚悟、ねぇ・・・あたしはいつも覚悟してるのさ。・・・分かるだろ?そういう生き方なんだよ」
ロック・ハンズはミムを見つめてニヤリと笑った。
「フ・・・どうやらそのようだな・・・私からも頼む」

533 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:28 [ Vkkcw.iE ]
「おい、僕も戦うぞ!」
・・・足元から声が聞こえる。見ると、そこには槍を背負ったタルタルがいるではないか。
「・・・タルタルが武器を持ち戦うというのか?」
「そうだ!タルタルだからこそ武器を持つ!」
ロック・ハンズにとって、タルタルは魔道士という固定観念があった。
過去に武器を持ったタルタルを見たこともないし、そもそも体格的な問題がある。
つまり、ハンディキャップとデメリットが大きすぎるのだ。が、しかし、この力に満ちたタルタルは
一体なんなのだろう?これから相手にする敵は生半可な相手ではないというのに。

(だから・・・だからこそ武器を手に取り戦うというのか?)

タルタルの目を見つめる。なるほど、いい目をしているな、と思った。
「ふむ・・・そうだな。失言を詫びさせてくれ。・・・お前はいい資質を持っているようだな」

534 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:29 [ Vkkcw.iE ]
・・・そんな三人のやりとりに触発されてか、その他大勢の冒険者達も声を上げた。
「俺も行くぜ!獣人に舐められちゃぁおしまいだからな!」
「俺も、俺も!」

次々と声が上がる。その場にいる冒険者達全ての意思が一つになったように思えた。

まだまだ、世の中捨てた物ではない・・・そう思えた自分は少々年をとってしまったな、と
ダルバックは思う。


                                     続く

535 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:48 [ 9SBsbBaM ]
タル戦キタ−−−−−−−−−−−−

536 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 00:50 [ uQi91PrU ]
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
両親キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
ミムキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!

537 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 02:06 [ LsjVF4k6 ]
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
キチャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

538 名前: 妄想 投稿日: 2003/09/05(金) 02:08 [ J/PA5SPs ]
このガルカが後にトッパに剣を教えた人だったりするのかな・・?

まぁ、とりあえず

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

539 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 02:42 [ oxemB22M ]
タル戦キタ━━━(゜∀゜)━━━!!!
漏れはタル戦数日前に始めて読んだんだが余りの出来の良さに鳥肌が立った。
47話まで一気に読んじまったよ。タル戦作者さん、これからも頑張ってくれ。
次の作品を楽しみにしてるよ。

540 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 03:06 [ cYF56zcY ]
ミムってだれだっけ?;;

541 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 03:06 [ 8qWbZj6Q ]
タル戦キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

起きててよかたよ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

542 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 03:31 [ J/PA5SPs ]
>>540
クレイに両手剣を持たせた人かな。

543 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 06:32 [ tpUPwMhc ]
>>540
>>542もそうだけどクリームのお母さん。

544 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 08:19 [ 7kmldcfw ]
>543
御母さんは、推測じゃなかったっけ

545 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 08:25 [ 0upm.PS6 ]
さらにトッパの両親とおもわれる夫婦も。
そっか、戦士の血をうけついでいたのか。

546 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 08:39 [ 2t./LLiI ]
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお
お帰りなさい!!!!!!!!!!!!!
タル戦キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

547 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 10:11 [ RRBIEy.Y ]
やべえ 鳥肌立った

タル戦おかえりなさい

548 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 10:49 [ 5GLtulV2 ]
祝♪タル戦再開

549 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 11:57 [ 6ek3Ejxs ]
すっげーひさしぶりに言うぞ。言っちゃうぞ・・・?

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

550 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 12:21 [ bApcTh9I ]
タル戦おかえりー♪

ところで、ダルバックってミシェアたんの育ての親のダルザックのことかな。
余計なつっこみかも知れんが、ダルバックがからむクエストとか大好きなので
ちと気になった。

551 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 12:23 [ 6uYouN7. ]
たる戦・・・

キテタァ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!1!

552 名前: 550 投稿日: 2003/09/05(金) 12:25 [ bApcTh9I ]
自分も間違えてるし…

553 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 14:50 [ 2LGGL3mk ]
この日をどれだけまったことか・・・
毎日、チェックしてたんだぞ!
まぁ、なんだ・・・
タル戦キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

554 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 15:09 [ UxUiUm.k ]
早く新作クレー

555 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 16:43 [ lfd.gFCk ]
こんな具合のイベントあったら楽しいだろうね。

楽しんでロムります。

556 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 17:58 [ cRW6BTaI ]
キターーーーー
いつもの通り応援sage

557 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 19:42 [ FKnSBw2. ]
タル戦キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!111

物語の内容からして、過去のお話ですね。
しかも、トッパの両親とミム(クリームの母親?)とトッパに剣を教えたガルカ(?)転生前??
との繋がりがあるとわ。いや、まだ推測でしかないですが。

でもすばらしぃーーーーーー!!
今後も期待しております。

558 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 19:44 [ CjVjbi8s ]
まってた、、まってたよー タル戦っ!
おかいりなさいませー!

559 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 20:54 [ HAZh1VfI ]
タル戦、おかえりーーーーー!!!
おもわず涙が出ました。

560 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 21:08 [ 66NOT80c ]
おおお、今回はプロローグ付きなんだな!
タイトルロールが今日ほどかっこよく見えたことはない…!
楽しみだ〜!

561 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/09/05(金) 21:21 [ Vkkcw.iE ]
あーあー、ヤッチャッタヨ。久々に・・脳内変換お願いでつ(;´Д⊂
ダルバックって、次回のネタだったのに・・・(´・ω・`)

誤)ダルバックは思う。 → 正)ロック・ハンズは思う。

ロック・ハンズ=ヒュム名
ダルバック=ガル名

・・ってことでおながいしまつ(;´Д⊂

562 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/05(金) 21:26 [ CjVjbi8s ]
了解、脳内変換完了であります!

563 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/09/05(金) 21:39 [ Vkkcw.iE ]
あ、あと最近リアルが忙しいので続きは数時間後になるかもしれないし、
また一ヵ月後になるかもしれませぬ。
マターリ待っていただければ幸いかと。病気とか事故じゃない限り
必ず最後まで続け待つ(;´Д⊂
あ、あと前スレ746さん。見つけてくれてどうもでつ(;´Д⊂

564 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 00:05 [ wq4JXBnw ]
>>550
どうやら似た名前の別人の様で(・ω・)

565 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 03:37 [ Bxi1AH/g ]
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

あきらめかけてたのに・・・やたー!

タル戦キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
やっぱりサイコー!!

566 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 05:45 [ YPH/oRR6 ]
やっぱりタル戦いいなぁ。
次回を期待してまってまつ。

白きの続きも気になるし、楽しみだなぁ。

567 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 08:29 [ 3VIp1fRM ]
お前らタル戦で伸びすぎw
とりあえずキターーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

568 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 10:31 [ KQ0zT5Q6 ]
>>561 >>563
パパさん、焦らずまたーりやって下さい
次のうpが1ヵ月後だろうと待ってます。

569 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 12:52 [ .f7nfvtI ]
タル戦キテターーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
まじキたキタキタキタキタキタキタkdfサjカdサwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
忙しくてもいいので頑張って下さいwwwwwwwwww
まじ応援してまつwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

570 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 22:01 [ BBpQFIa2 ]
下がりすぎなのでage

571 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/06(土) 23:40 [ CjVjbi8s ]
さがり過ぎな方が荒れないのでsage(´・ω・`)

572 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 02:43 [ LjNwN6w6 ]
おまえらタル戦好きすぎwwwwwwwww修正されないねwwwwww
てゆか白の作者さんも他の作者さんも楽しみにしてます。頑張って下さい。

573 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 02:54 [ .8FTEAKw ]
ガルカ女学院、タル戦、その後の神作者様方、
長い間このスレ見に来るのが日課になっておりますw
パパ様これからも無理せずがんばってください^^

574 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 11:25 [ hEirLUos ]
スレ活性化のため、ここらで一回人気投票などしてみることを提案する実験。
人気投票だぞ。不人気投票などするなよ。

575 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 11:44 [ /7E1.1KY ]
人気投票と不人気投票に何の違いがあるというのか。

576 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 12:20 [ YnSY8DnU ]
今日初めて保管から転々とタル戦を読み、気が付けば6時間経過。
あぁ、仕事帰りの貴重な睡眠時間を、素晴らしい喜怒哀楽に変換してしまいますた。。。
う〜くそ〜、早く続きが読みたくなっちゃったよ
ヽ(   )ノヽ   )(ヽ  )(´ヽ )ヽ(`Д´)ノヽ`Д´)(ヽ`Д)( ヽ`)(  ヽ

577 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 12:21 [ hEirLUos ]
好きな作品に投票し、嫌いな作品に投票しないのが人気投票。
嫌いな作品に投票し、好きな作品に投票しないのが不人気投票。

好きな作品を賞賛するのが人気投票で、嫌いな作品を晒すのが不人気投票。

人気作品が賞賛されれば、相対的に投票されない作品の投票にもなるなどという
愉快すぎる屁理屈をこねる馬鹿で無ければ、この2者が全く違うと言うことは
分かると思うが?

578 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 12:34 [ oJFs.UR. ]
これだけ作品があるんだから
上位3作品の投票
例1位:〜
 2位:〜
 3位:〜
とかもできそうだね。ただ、ひとつだけ

 別スレでやってくれ

作品きたと勘違いする

579 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 13:33 [ TGG9h6wA ]
てか、そんな事やると荒らしが来ると何故わからんのか

580 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 14:40 [ CjVjbi8s ]
人気投票はいらんと思うなぁ、、

581 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 16:57 [ Bxi1AH/g ]
人気投票してもタル戦1位でFA

582 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 20:38 [ J47yRC0M ]
真に活性化を望むなら習作であろうとも作品を発表すれば良い。

オレ?無理wwwwサポシwwwwwwww

583 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/07(日) 22:19 [ 2sBDqZWo ]
>>574
やるのは勝手だが、自分でサイト作ってそっちでやってくれ
投票でこのスレを消費、とかなったら笑えなさすぎる

584 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 00:58 [ C1smagng ]
いまさらだけど言うぞ!




タル戦キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

585 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 01:14 [ YPH/oRR6 ]
>>577
表向きはそうだが
人気がない=不人気ではなかろうか。
票が少ないということは結果的に不人気であると言えるだろ。

つーわけで人気投票はいらないと思う。

586 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 01:58 [ Vkkcw.iE ]
タルタル戦士は夢を見る  第四十九話 運命の子供達

「冒険者は今のところ協力体制にありますが、しかし、数に差がありすぎます」
「お前の言いたいことは分かる。しかしだな、サンドリアが不穏な動きを見せているのだ。
 今ノルバレンから撤退するわけにはいかない」
「…今は、獣人軍と共に戦っているのでしょう?同盟を破棄なさるおつもりか!」
「わからないか?ロック・ハンズ。サンドリアはこの隙に我が軍に仕掛けてくるのかもしれんのだ。
 今背中を見せれば、それこそ奴等の思う壺だ。我々はこれよりサンドリアに奇襲をかける」
「…民を見殺しにするというのか!」
「数の問題はだな…冒険者でなくてもいい、鉱山のガルカに武器を持たせろ。
 奴等ならばそこそこ盾にはなれるだろう」
「貴様はッ!」
ロック・ハンズは怒りに任せてパールを地面に叩き付けた。割れたパールが色を失い、崩れ、砂となった。
(守るべき者が危機に瀕していようとも…所詮は自分の懐の事だけを考える!
 だから闇の王の存在をこの世界は許してしまったのだ!
 …それを理解しようとしない限り、闇の王を倒した所で何一つ変わらんのだ…)

587 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 01:59 [ Vkkcw.iE ]
―― バストゥーク鉱山区・ミム家 ――

「ねぇ、聞いてくれよクリーム?お母さん、今からちょっと悪い獣人をやっつけにいってくるからさ、
 いい子にお留守番してるんだよ」
「おばちゃん…ご飯までには帰ってくるにゃ…?」
「ああ、ご飯までには帰ってくるから…それとね、今日は雨が降りそうだから、窓とドアを
 しっかり閉めておくんだよ?」
「雨…?でも、お空はこんなに晴れてるにゃ?」
「雨…嫌いなんだよ…いいからね…お願いだからね」
「おばちゃん…今日はなんか変だにゃ?」
ミムは防具を身につける、長いこと手入れしていなかったせいか、あちこち腐食しているが…
この程度ならば問題ないだろう。
武器の方も多少錆びがついていたが、軽く磨く程度で刃は光を取り戻した。
「じゃ、お母さん、行って来るからね」

因果応報というのはこういうことかもしれない。とミムは思う。
(もしそうなら…罪のないこの子だけはなんとしてでも守ってあげなくちゃね…

588 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 02:00 [ Vkkcw.iE ]
「あ…あの、待ってにゃ…」
「ん?…どうしたんだい?」
「えとね、うんとね…そ、その…」
「ふふ、どうしたんだよ?」

「い、いってらっしゃい、”お母さん”…」

「…ああ…お母さん、すぐに帰ってくるからね…いい子にしてるんだよ…」

ミムは振り返ることなく、そのまま家を後にした。
理由は二つある。一つは、多分娘の顔を見ると決心が鈍ってしまいそうだから。
そしてもう一つは、泣き顔を見られたくなかったから。

(馬鹿…今の今になって”お母さん”ってさ…)

589 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 02:01 [ Vkkcw.iE ]
―― バストゥーク鉱山区・コウモリのねぐら ――

「この戦いが終わったら、ウィンダスへ戻ってトッパラッパを学校へ通わせなきゃな」
「ええ?あなた、トッパラッパに魔法を?」
「ああ、そう思ってる」
「でもあなた、本当にそれでいいの?前に言ってたじゃない。立派な戦士に育ててやるって」
「…そんな事言った事もあったかな…でも、聞いてくれイルル。僕達タルタルが前衛となって
 戦うということは、やっぱりそれだけ危険なことなんだ。
 分かるだろう?僕は今まで何度も君を危ない目に合わせてしまった。
 もしトッパラッパが戦士として道を目指した時、己の無力さに耐えられなくなるかもしれない。
 そして、何よりも守るべき者を守りきれなかった時…。
 あの苦痛をトッパラッパにだけは知って欲しくないんだ」
「あなた…でも、トッパラッパはなんて思うかしら?
 今までも、そしてこれからもあなたの姿を見て育つのよ?
 きっと、力強くて誇らしい父親の姿に憧れるわ」
「そうだな…その時は、トッパラッパに道を決めさせる。あいつの人生は
 あいつが決める物だからな」

590 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 02:08 [ Vkkcw.iE ]
「…お出かけ?」
奥の部屋から、まだ喋り始めて間もないくらいのタルタルの男の子が姿を現した。
「…ああ、今から獣人達と戦ってくる。」
「ジュウジン…?」
「ああそうだ!今からクゥダフっていう悪者を一杯やっつけてくるからな!」
そう言ってトッパラッパを持ち上げて、抱きしめる。
(強く…強く生きろよ)
ふと、トッパラッパの耳元で父が囁いた。
「…?」
トッパラッパを降ろして、愛用の槍を構えた父は、彼の頭を撫でながら言った。
「それじゃ、お父さん行ってくるよ。お前はお母さんをしっかりと守るんだぞ?」


…それがトッパラッパの見た、父の最後の姿だった。


                                   続く

591 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 02:49 [ klE5UCuc ]
                           / ○ ヽ     / ○  \              .┌┐┌┐
  _|_  /―┐ _________ /     ヽ――‐/      ヽ________ ││││
  _|_  / _/  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |       ヽ   /      |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ││││
    |     /    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ       ヽ  /      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ └┘└┘
    |    ノ                  .\      ヽ/     /             . ○.  ○

592 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 02:53 [ GbRVdIS. ]
樽戦キタアアアア━━━━(゜∀゜)━━━!!
やっぱりイイ!(・∀・)

593 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 03:07 [ LsjVF4k6 ]
タル戦キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
パパさん、忙しい中お疲れさまです

594 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 04:29 [ MYb/2OBE ]
トッパラッパって誰だっけ?

595 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 07:41 [ W1vt7xW2 ]
>>594トッパのことかと…。
タル戦…いいよね…ぐふぅ(涙
久しぶりに見たときは流れ的に
細い兄弟を思い出しましたが何か。

596 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 08:42 [ cRW6BTaI ]
>>594
想像力のないやつめ
なんだ?妄想力だけは人一倍なのか?

597 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 10:07 [ 6ek3Ejxs ]
>>594
( ゚д゚)ポカーン

そんなことよりタル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

598 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 10:14 [ 6HNWj98U ]
>>594
・r ただの漏りだろ?wwwwwwwwwww
ミスwwwwwwwwwwwwwww

タル戦キターたる〜^^

599 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 11:28 [ BVDvjqhE ]
>>598 ♪〜〜^^^^^^^^^^^

600 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 11:36 [ Iy0XzJTU ]
タル戦いいねぇ。空に奏でる君の歌も期待して待ってます。

601 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 14:28 [ MYb/2OBE ]
トッパって誰だっけ?

602 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 16:42 [ CjVjbi8s ]
・・・・皆言わなくてもわかるよね・・・?

603 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 16:55 [ lfd.gFCk ]
やばいタル戦最高!ちっと読んだだけで、涙でてきた。
父は死んじゃうのか?なんか切ないなぁ・・(´Д⊂ヽ

604 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 18:13 [ Sn2wj4ug ]
>601
ハザマカンペイさんですか?

605 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 18:18 [ 0M3RCXh. ]
>>601
トッパラッパのことかと

606 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 20:56 [ 6hIFSKzg ]
やばいスレたってる…カンベンして欲しいなあ…

607 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 21:10 [ i.JOss/k ]
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1063022044&LAST=100
誰だこんなスレ立てたの・・・↑

608 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 21:34 [ CjVjbi8s ]
とりあえずそのスレ落とそう
少しの間こっちが荒れそうだな・・
むこうスレ主は新手の荒らしかよ・・

609 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/08(月) 23:47 [ Bxi1AH/g ]
うひょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

またタル戦キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
もうサイコー!!

クリーム、クレイ、トッパはみんなつながてるんだねー。
この辺の運命的なとこが激しくイイです。

あー、続きが気になるなぁ。

610 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 01:29 [ kVc7TeNY ]
こんなときこそageたい!

611 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 08:15 [ 0jNjiq9M ]
タル戦キテタ―――(゚∀゚)―――!!!!
やっぱ(・∀・)イイネ!!

612 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 09:33 [ zBRKl5LA ]
タル戦最高です。
読後にすぐ続きが読みたくなる作品は久し振りです。
改めて第1話のタイトルを見て、その意味に感服しました。
 
続きを楽しみにマターリ待ってます。

613 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 09:44 [ a7x3leS. ]
内藤列伝のスレにこのスレのこと書いてた香具師がいて、
厨房大量入荷なヤカン

よってタル戦キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!けどsage

614 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 12:38 [ H0bJHPlg ]
昔の内藤スレは何もかも受け流すナイスガイ揃いだったと思うが・・・
最近は厨房だらけなのか(´・ω・`)

615 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 13:34 [ JisLzqes ]
クリームを助けたトッパ似の暗黒騎士、ババドラバド
トッパの親父さんだといいな〜と妄想してみる
だってほら、母親の名前は出てきてるが親父さんの名前出てきてないからさ

616 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 13:36 [ 6hIFSKzg ]
とりあえず今はあげないで…

617 名前: sage 投稿日: 2003/09/09(火) 13:37 [ JisLzqes ]
ごめんなさい。下げるの忘れました申し訳ない

618 名前: 闇を背負ってます 投稿日: 2003/09/09(火) 13:41 [ Xs1Ba4m6 ]
>>615
そうだといいな〜っと思いつつ・・・ クリームが闇に墜ちた(といっていいよね)経緯を
思い出してみれば、戦士だった親父さんが暗黒に墜ちるという経緯には辛いエピソードが
あるんだろうな・・・ やべ・・・涙でてきそう
妄想しすぎると作者さんの邪魔になるから妄想終わり!
パパさん、続き期待してます!

619 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 13:43 [ JisLzqes ]
またミスった
本当にごめんなさい

620 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 19:24 [ g1xv3WXM ]
>>618
タル戦書いてる人は批判されようが妄想しようが方針変えないってカキコしてたよ

621 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/09(火) 21:25 [ jFpbNAMw ]
〜血吸い〜

その日、少年はサルタバルタで釣りをしていた。
少年の名前はグレイス。年は17歳くらいだろうか、黒い瞳に黒い髪、ウィンダス生まれのヒュームだった。
ウィンダスでヒュームの子供は珍しい、同年代のタルタルから避けられている事を知っていた少年は、毎日一人で釣りをしていた。
魔力が低い為魔法学校にも入れず、毎日釣りをしていた。
両親は冒険者だ、グレイスをお腹に宿して少しは落ち着いたかと思えば、ウィンダスにいる知人に生まれて間もないグレイスを預けて、直ぐに旅に出てしまった。

そんな境遇のせいか、年月を重ねるうちにすっかり人嫌いになっていた。
親の知人と同じ家で住むのをよしとせず、わざわざレンタルハウスを借りて一人暮らしをしている。

「ふぁ〜、今日もあんまり釣れないな・・・帰るか」
バストアサーディン5匹の釣果を上げ、家路に着こうとした。
その日も、いつもと変わらない日だと思っていた。
帰り際、木にもたれる形で倒れる息も絶え絶えなエルヴァーンの騎士に会うまでは。

622 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/09(火) 21:26 [ jFpbNAMw ]
「・・!?おい、おっさん!生きてるか?」
騎士は血だらけだった、鎧もぼろぼろだ。死体に見間違えてもおかしくない程───

「う・・君は・・?いや・・そんな事はどうでもいい・・会ったばかりの君に・・無礼を承知で頼みたい事があるんだ・・この・・剣を・・誰にも分からない所に捨ててくれ・・・・・
決して・・鞘から・・抜いてはならない・・・頼む・・・・・」
そう言うと騎士は事切れた。手には赤い柄、赤い鞘の剣を持っている。
騎士の血だろうか、鞘は血でべとべとだった。

「おい、勝手に一人で話を進めるなよ!」
グレイスは直感でこの頼み事、この剣が危ない物だと悟った。
この男は、明らかにこの剣のせいで命を落とした。
その男に代わって自分が命懸けでこの剣を捨てる?
冗談じゃない。

623 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/09(火) 21:28 [ jFpbNAMw ]
「人の目の届かないところってどこだよ・・・ここの地面に埋めればいいのか?」
辺りは薄暗くなってきている、目の前には騎士の死体だ。
グレイスは気味が悪くなり、その場に剣と騎士を埋めるための穴を掘り出した。
その時。

「小僧、その剣を渡せ」
不意に声を掛けられ、グレイスは飛び上がった。
気がつくと回りには人影が立っている。
6人程はいるだろうか。恐ろしい剣幕をしているのが暗闇でも分かる。

「早く渡せば、楽に殺してやる」
とんでもない事を平然と言ってくる。いきなり殺すつもりなのである。

だが、グレイスはあくまで冷静に考えた。
(理不尽な事になった・・・どうする?相手は武装した6人だ)
素人ではないだろう、様々な武器で武装している。
時々月に照らされ、刃が光る。

624 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/09(火) 21:29 [ jFpbNAMw ]
こっちは魔法も使えない、武器もない・・・武器?
グレイスは自分の右手を見た、騎士に渡された剣をしっかり持っている。
(こうなったら、一人を斬りつけてその間を抜けるしかないか・・・)
彼には剣技の心得などなかった、9割方失敗する事は目に見えていた。
だが彼には一縷の望みに賭ける他生き延びる術はない。

一瞬、騎士が死に際に言った事が脳裏をよぎった。
決して鞘から抜いてはいけない、と

だがそんな事を言っている場合ではない、数秒後には殺されるかもしれない状況だ。
グレイスは思い切って剣を抜いた。
柄も、鞘も、おまけに刀身まで赤い。いや、赤黒い血のような色だ。刃渡り1メートル程の長剣。両刃だが、炎のような形状をしている。
男達はうろたえた。
「馬鹿な、剣を抜いたぞ!」「ありえん、ここで始末しなければ・・厄介事の種になる。」
「血吸い・・ブラッドソード・・・」
だが、その声はグレイスには届いていなかった。

625 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/09(火) 21:31 [ jFpbNAMw ]
グレイスの耳には、何かが響いていた。
───殺せ───
耳を塞いでも、大声を出しても、頭の奥にひびいてくる声。

──抗えない──逆らうな──殺せ──

意識が、飛んだ。


気がついた時。辺りには人の死体らしきものが7体あった。
死後かなり経っているのか、ミイラ化している。

「・・・俺が、やったのか・・・?」
意識は無かったが、なんとなくわかる。
左手には、元通り鞘に納まった剣がある。鞘についていた血も綺麗に取れていた。
グレイスは自分が冷静な事に、逆に驚いた。
「何で、俺は冷静でいられる?こんな事になっているのに・・・」
自分は既に正気では無いかもしれない。
だが、ハッキリとした事が分かっていた。
この剣があれば、今迄冷たくして来た奴等に復讐が出来ると。

少年は剣を握り締めゆっくりとウィンダスに向かって歩き始めた。

626 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/09(火) 21:33 [ jFpbNAMw ]
ありきたりですいませんね。
下手すれば続く・・・

627 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 21:43 [ jzfrdp5g ]
>>626
もっと自信を持てypwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

628 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/09(火) 23:11 [ eUSXJekI ]
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
がんばれ〜、続き待ってます。

629 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/10(水) 09:14 [ JAa4G3VI ]
恐い話キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
続きが楽しみ

630 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/10(水) 10:59 [ Iy0XzJTU ]
こっそり空に奏でる君の歌が更新されてました。
番外編だけど・・・。なんか切ないお話です。

チリリとビアナナの明日はどっちだ〜

631 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/10(水) 18:48 [ 5FktaGR6 ]
〜血吸い〜2話

よく晴れた昼下がり、ウィンダス森の区、サンドリア領事館の前の噴水広場はパニック状態に陥った人々であふれていた。
逃げ惑う人々、泣きじゃくる子供。
騒ぎの中心部では、一人の少年が赤黒い剣を振り回していた。

無差別に斬っているようだ、既に何人か倒れている。

サーカスの余興だと思い、はしゃいでいるタルタルの子供を、剣が貫く。
ゆっくりと崩れ落ちる子供。
剣を持った少年、グレイスは冷ややかな笑みを浮かべ、
干からびた死体から剣を引き抜いた。

頭に、声が響く

──血──もっと血を───血をよこせ──

その声に、顔をしかめる。
「ちっ、うるさいな・・・知り合いも見つからないし・・」

632 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/10(水) 18:49 [ 5FktaGR6 ]
昨日は、剣を抜いた瞬間何もわからなくなったが、今日は違った。
意識がはっきりとしている。
自分の意思で剣を振っている。

・・・自分の意思?これは、俺の意思でしている事なのか・・・?

「おい、お前正気か!?」
タルタルの魔道師達だ、周りをぐるりと取り囲んでいる。

正気・・じゃないのか・・俺は・・・

「今すぐに剣を捨てろ、捨てなければ・・・!」
そういうと魔法を詠唱し始める。

グレイスはやはり冷たい笑みでタルタルを見返し、剣を構える。

タルタル達の魔法が、一斉に放たれる。

633 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/10(水) 18:51 [ 5FktaGR6 ]
魔法は本来、避けれる物ではない。雄渾範囲外に素早く逃げれば別だが。
グレイスは周りを囲まれているのでそれは不可能である。

炎、氷、水、雷、様々な魔法が放たれ、辺りに砂ぼこりが舞った。

砂ぼこりが収まり、魔道師達は驚愕した。

「なっ・・無傷だと?」
グレイスは傷一つ負っていない。

「剣が・・魔法を吸収した・・信じられん」
驚きのあまり、彼等は次の魔法を撃つ為の精神集中すら出来ずにいた。

「馬鹿が」
グレイスは魔道師の一人に歩み寄り、剣を高々と振り上げた

634 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/10(水) 18:53 [ 5FktaGR6 ]
魔道師は恐怖で立ちすくんだ。
魔法が効かないのであれば、魔法が生命線と言える彼等にはどうする事も出来ない。

剣が振り下ろされる、刹那──

「トルネド!」

凄まじい轟音と共に、グレイスの体を竜巻が襲う。

「ぐっ!」
体が切り裂かれ、血が辺りに飛び散る。

声のした方に、黒いローブ姿のタルタルが立っている。
グレイスに向かって歩きながら言う。

「強大な魔力は吸収しきれないようだな・・・」
静かな口調で続ける。
「僕の名前はランク。君の剣と・・君に興味があるんだが。・・一緒に来てくれるかい?」

手で顔の血をぬぐい、グレイスが答える。

635 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/10(水) 18:54 [ 5FktaGR6 ]
「俺はお前に興味無い・・・死ねよ」

衣服、皮膚が裂け、全身から血が吹き出ている。立っているのもつらそうだ。
だが、凄まじい形相で剣を振り上げ、ランク目掛けて突進した。

ランクはそれをひらりとかわすと、魔法を詠唱する。

「予想はしてたけど・・仕方ないか。別に僕は剣だけでもいいんだけどね」

言い終えると同時に、魔力を解き放つ。

「バースト!」

グレイスの体に、稲妻が流れる。

「ぐあああああぁぁ!!」

彼の意識は、再び闇の底に落ちていった。

636 名前: タル 投稿日: 2003/09/10(水) 20:28 [ 3w5nm6KA ]
ピギャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ

637 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/10(水) 20:57 [ YSzHCDpU ]
「おもしろいぞ!
もっとがんがれ、がんがりまくれーーーーーーーーーーーー!!」

637は力のかぎりそう叫んだ・・。
彼は叫んだ後、力尽きたかのように、自宅の床にゴロンと横になり・・。
目は虚ろで・・・胸を大きく上下させ、荒い呼吸を繰り返していた。

(俺の思いはとどいただろうか・・・血吸いの作者さんに・・)
薄れゆく意識のなかで、637は思った。

638 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/10(水) 22:47 [ wB0jBRbc ]
欲を言えば、タル魔導士の名前はタルタル風にして欲しかったなー
いや、愛称かもしれんけど。ランク〜〜とか?

639 名前: 317 投稿日: 2003/09/10(水) 23:15 [ eKgauGys ]
血吸いさん頑張ってちょ 期待してますよ

空に奏でる番外編、切ないけど良い話だよ、何度も読み返してるよ

作者さん方頑張ってね、いっつもROMりながら応援してますよ〜
今回は書いちゃったけどさ・・・では。

640 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/11(木) 00:25 [ pLo0nEMc ]
空に奏でる番外編よかったです〜

641 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/11(木) 12:40 [ Xcfqttro ]
血吸いはなんかグイグイ引きこまれるね、俺も吸われてるのか!?((((;゚Д゚))))
番外編、しみじみさせて貰いますた

がんがれ、作者さんたち超がんがれ

642 名前: 空に奏でる君の歌36 投稿日: 2003/09/11(木) 18:40 [ hGSc9Cr2 ]
本編の続きです。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

番外の告知抜けてしまってすみません。
読んでくださった方ありがとうございました。
がんがります。

643 名前: 血吸い 投稿日: 2003/09/11(木) 19:14 [ 2Di5QEL. ]
>>638
成る程、タルタル風味ですか。
じゃぁ・・・ランク-リンクに決定

644 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/12(金) 14:22 [ Iy0XzJTU ]
空に奏でる〜、読みました。
ゲーム内の設定をうまく使って書いてるところが好きなんですよね。
これからもがんばって下さい。

645 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/12(金) 15:51 [ VS7m49mc ]
空に奏でる〜
番外と36話読みました。
偶然ですが、本編と似たような道筋で自分も進んでるので、続きが
とても楽しみです。
バストゥークを見て、チリリとビアナナはどんな事を感じるんだろう。
クエスト絡んだ物語が読みたいです。

646 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/12(金) 20:10 [ nTlKx/pc ]
>母ちゃんの弓で釣ったクロウラーをあたいとヤムが殴っている。
>あたいはそこで石や絹糸を沢山盗んだ。

……あおおーーー?

647 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 01:00 [ bd5cwGjQ ]
こんばんは。
皆さんの作品を見て、僕も書いてみたいと思いました。
そんなわけで書きます。お付き合いくださいませ。


「ねぇ、ちゃんと帰ってきてくれるよね?」
ウィンダス森の区の夜…ヒュームの少年は友にこう言った。

「ああ、帰ってくるよ、少しだけ遠出だけどね」
「絶対だよ…もう…1人にはなりたくないんだ」
「分かってる、お前を1人にはしない。だから帰ったら、お前の料理を振舞ってくれ」
「嫌って言うほど食わせてやる…」
「もう時間だ、またな」


これが、彼を最後に見たときだった。

648 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 01:22 [ bd5cwGjQ ]
あれから半年が過ぎ…
いつものように、ともに当てて手紙を書いていると、
1人のタルタルが走ってきた。

「ユリノ!ユリノはいるー!?」
「ルイン…そんな大声出さないで、手紙が飛…」
「ほら!大忙しなんだから早く早く!」
「えぇ〜?」

ルインレインの「大忙し」は、大量のクエストを抱え込んだときのこと。
そのことを分かりきってるユリノにとっては面倒な事だった。

届かない手紙を届けたり、「しっぽ」を持ってきたり、
呪いの道具を集めたり、得ダネの真偽を確かめたり…

とにかく、ウィンダス中を走り回る事になるからだ。
しかし、今度の「大忙し」は一味違った。

649 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 01:41 [ bd5cwGjQ ]
ルインレインは、ジュノに行く支度をしていた。
「さぁ!ジュノに行こう!」
「はぁ?」
「そこの周辺で鍛えたほうがいいってことだよ」
「んで…なんでボクも行くの?」
「そりゃ…赤魔導師が欲しいから」
「おいおい…」

彼に振り回されるのは慣れてる。
だが、ただジュノに行くのに「大忙し」なのが、ユリノには理解できなかった。

飛空挺を使えばあっという間にジュノ。
半年前には悲鳴を上げながら、ソロムグを抜けた記憶が焼きついて離れない。

「で、なんで急にジュノなんだよ?」
「いいからいいから♪」

そう言われるままに、ジュノの天晶堂まで引っ張られる。
そして、会員制ショップまで来た時…

「ユリノにお願いがあるんだー♪」
「え?」
「あの侍の刀が欲しいー!」
「…財布?」

ルインは元気よくうなずいた。どうやら注文した後らしい。
この店は、タダでさえ危険なので、払わないとどうなるか…

ルインにまんまとはめられたユリノだった

650 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 02:10 [ bd5cwGjQ ]
「おおー♪大般若……いいねぇー」
「最悪だよ…」
「そんなにムキになるなよ、お前の友達の遺品なんだから」

ルインがすらっと言った言葉にユリノは凍りついた。
ルインはあわてて口を押さえる。

「…遺品?」
「い…いやいやいや!ウソウソウソだって!」
「まさか…コルト…?」
「う…」
コルト…ユリノが半年前に見送った少年である。
その刀が天晶堂になんであるのか、
鞘をよく見ると、独特なデザインで、「C」の文字。

間違いない、これはコルトの刀だ。

「店員さん!これはどこで手に入れたの?」
「これか?これはノーグから届いた品だが…」

ノーグか…
そう呟くと、ユリノはガザム行きの飛空挺乗り場に走りこんだ。
あわててルインもその後に続く。

ユリノは、そんな彼に引いてるルインの服を鷲づかみにして言い放った。

「コルトの刀がなんで天晶堂なんかにあるって知ってたの!?」
「知らないよ、オイラたまたま刀見たかっただ…」
「さっき遺品って言ったよね!?」
「そ…それは…」
「答えなさい!早く!」
「痛い痛い痛いー!」

ルインの叫び声で、飛空挺が揺れた。

651 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 02:28 [ bd5cwGjQ ]
ガザムに到着…
ユリノはルインの髪の毛をつかんだまま、チョコボ屋のいるところまで走った。
そして、ノーグに向かう途中でも、ルインの叫びは止まらなかったという。

「コルト…一体何があったんだ…?」
「いいから離してくれぇ…」
「うっさいなぁ!さっさとノーグまで走らせろ!」
「いだだだだだぁ!?」

ルインがまるで死に際の時の叫び声のような声を発すると、
共にチョコボも叫んでいた…ように見えた。
こうなったユリノはもう止まらない。
混乱してしまったチョコボを見捨ててそのまま走っていってしまった。

そしてノーグ…

「コルトー!コルト出てきてー!」
もうユリノは興奮状態。
ルインはとうに気を失っている。

「うるせーぞ!このクソガキ!」
向こうからの罵声、だがユリノも負けてない。
「こっちは人探してるの!少しは多めに見ようと思わない!?」
「だー!うるせーから黙れ!」

652 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 02:39 [ bd5cwGjQ ]
そんな大声の口論が30分も続いて、やっと話せる状態になった。
ユリノと口喧嘩をした相手は、コルトの知り合いだと言う。

そこで、ユリノは衝撃的な真実に直面した。

コルトは、ノーグの連絡船に乗っているときに、
海賊に襲われ、そこで命を落としたということだった。
ユリノは落胆した。
半年前、元気に見送った友人は、結局帰らない人になってしまったから。

そのままデジョンで帰ろうとしたその時、
刀・大般若から手紙が出てきた。
血で書かれた手紙だった。


この手紙を見た人へ
ウィンダスにいる友人に、この刀を届けてくれ。

たった、それだけだった。

653 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/13(土) 02:45 [ bd5cwGjQ ]
年月は過ぎ、1年後…

刀・大般若を振るうユリノの姿がそこにあった。
彼の手紙の内容はあまりに短すぎて、どうすればいいかわからなかった。
彼なりに考えた結果、自分が侍になり、彼の意志を次いでみようと思ったらしい。



ありがとうございました。
「友の影を追って」いかがでしょうか。
もう自分でも分からないところがある状態で…
すいませんでした、そして、見てくれてありがとうございました。

654 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/13(土) 02:50 [ YUcJx3do ]
書くのは構わん
でもageんなヴォケ

655 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/13(土) 03:47 [ eUSXJekI ]
>654
うは、分かるけどもうちょい柔らかくいきましょうや。

>友の影を追って
ルインは名前からしてタルタル♂っぽいけど、ユリノの種族はなんでしょ?
彼、というところから♂かなとは思ったんですけど、種族分からず。
教えていただけると嬉しいッス。ヒュームかな?

656 名前: 新月0時に秘密の場所 投稿日: 2003/09/13(土) 05:57 [ FcipydqI ]
びしょ濡れのタルタルはサルタバルタを走る
お姫様の忘れ物を取り返すために

びしょ濡れのタルタルはサルタバルタを走る
顔を濡らすのは雨のせいだけじゃないから

びしょ濡れのタルタルはサルタバルタを走る
彼等にはそれしかできなかったから


昼過ぎだというのに空は暗くて、遺跡の入り口は夜の様
王子様はまだかな

657 名前: 2/4 投稿日: 2003/09/13(土) 05:58 [ FcipydqI ]
─ウィンダス・水の区

「教えてないよなっ!?」
「ええ、大丈夫ですが…秘密にする意味はあるのです?」
「バカッ!ここは特別な場所だから秘密なの!」
「特別…?」

「…あのさ、オレ強くなりたい」
「急になんです??」
「エイトも一緒に行かないか?”ごっこ”じゃない冒険に」

陽が森に隠れ、ライムは初めて見せる表情をした

「言うんだ、戻ってきたら、ここで」
「できない事は無いよって、笑って言ってやるんだ」

658 名前: 3/4 投稿日: 2003/09/13(土) 06:00 [ FcipydqI ]
森の色はあの日を思い出しそうで
2人は空を見上げていた

「私も同じ気持ちですよ…強くなりたい」

また泣いてしまいそうな自分を見せたくなくて
2人は空を見上げていた


夜が来て、光は咲く
明日は晴れそう、旅立ち日和

659 名前: 4/4 投稿日: 2003/09/13(土) 06:01 [ FcipydqI ]
はいけい シェルルちゃん

エイトのやつがどうしてもって言うので
ちょっと修行のたびに行ってきます
世界は広いから、きっと無くした声も見つかるはずだよ

オレたちに力があればって、いまさらだけど思うんだ
でもそう言うとぜったいおこるだろうから
ふり返るのはやめます
しばらく会えないけど、元気でね


さいごに、大事なやくそくをしていきます
新月、0時に、秘密の場所

                        ライム・ハイム

660 名前: 5/4 投稿日: 2003/09/13(土) 06:03 [ FcipydqI ]
書き忘れです

つづく…かも

661 名前: 1/3 投稿日: 2003/09/13(土) 06:40 [ 4av70lqw ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「にゃ!思ってたより、大きいのにゃ。」
「そうなの?このくらい、普通だと思うよ。」

「それに、皮付きなのにゃ。」
「あはは。そうだね。あ、皮、剥いてみる?」

「う〜ん、多分、大丈夫にゃ。ちょっと、味見してみるにゃ。」
「あ!生はダメだよぉ!」

ぱく。

「にゃ・・・。苦いくて、えぐいにゃ・・・。」
「ほら・・・。美味しくない・・・。」

「ヘンな味なのにゃ。VIT -1 AGI +1 みたいな味なのにゃ。」
「くすくす。」

「やっぱりムーンカロットは、ぜんぶ白いウサギさんにあげるにゃ。」
「うん。そうしよ。」

にゅぅにゅぅ。
話はちょっと過去に戻るのにゃ。

662 名前: 2/3 投稿日: 2003/09/13(土) 06:42 [ 4av70lqw ]
「号外にゃ!号外にゃ!」
「あ、おはよう。どうかしたの?」

「あのにゃ!そのにゃ!さっきそこで、モーグリさんに聞いたのにゃ!」
「え?!えっと・・・。と、とにかく落ち着いて。」

「はいにゃ!えっと・・・今夜は満月なのにゃ!」
「あ、うん。そういえば、そうだね。」

「それでにゃ、月の光に導かれ、白いウサギさんが現れるのにゃ!」
「あ?!それって、もしかして、あの白兎伝説?!」

「そうなのにゃ!満月の夜に白いウサギさんに会えば、
なんだかよくわからないケド、幸せになれるという白兎伝説なのにゃ!」
「あ、やっぱり。」

「だから今夜、一緒に白いウサギさんに会って、幸せになるのにゃ。」
「あ、うん。あ、でも・・・。」

「にゃ?」
「どうやったら、白いウサギさんに会えるのかな?」

「大丈夫にゃ。それもちゃんとモーグリさんに聞いたのにゃ。」
「え?そうなの?どうすればいいの?」

「モーグリさんがいっぱい持ってるムーンカロット、
実は白いウサギさんの大好物なのにゃ。

663 名前: 3/3 投稿日: 2003/09/13(土) 06:43 [ 4av70lqw ]
だからモーグリさんからムーンカロットを分けてもらうのにゃ。
そしたらきっと、白いウサギさんに会えるにゃ。」
「へぇ〜。そうなんだ。」

「だから今夜、白いウサギさんに会いにイクのにゃ!」
「うん!」

にゅぅにゅぅ。
そして話は未来へと続くのにゃ。

「白いウサギさん、足が速いのにゃ〜。」
「うん。速かったね。」

「月見団子、もらっちゃったのにゃ!」
「うん。いっぱい、もらっちゃった。」

「お団子、美味しいにゃ〜。」
「うん。甘くて、柔らかくて、美味しい。」

「にゃ。満月なのにゃ。」
「あ、うん。きれいだね。」

「にゃ。なんだかよくわからないケド、幸せなのにゃ。」
「うん。私も、なんだかよくわからないケド、幸せだよ。」

「にゃ。」
「くす。」

にゅぅにゅぅ。
もしかしたら幸せっていうのは、
普段はちょっと、気付きにくいケド、
すぐ隣りにあるのかもしれないにゃ・・・。

「でも、なんで白いウサギさん、あんなに足が速いのかにゃ?」
「う〜ん?満月の光に含まれるブルーツ波の影響かな?」

664 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/13(土) 08:09 [ cfPErFC6 ]
>>663
オチワロタw

665 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/13(土) 13:27 [ pLo0nEMc ]
>>647
飽くまでも素人感想ですが、場面展開がはやすぎて全体として
のっぺりとした感じ?(謎)を受けました。
起承転結がわかりにくいと言うのかな・・・
背景描写を取り入れると分かりやすくなるような気がしますた。

>>656
なんかホンワカしてて(・∀・)イイ!!

>>661
相変わらずうまいですなぁ
子ミスラタソの友達が(・∀・)イイ!!

666 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/13(土) 14:45 [ b.JjCwzo ]
>>663
68000ナノものブルーツ波を浴びてるから、あんなに足が速かったのか

667 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/13(土) 21:52 [ 8qWbZj6Q ]
>>661-663
今更ながらブルーツ波ワロタw

668 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/14(日) 04:49 [ bd5cwGjQ ]
皆様の貴重なご意見、誠に感謝申し上げます。
これらのことを配慮しつつ、また勉強しなおしてきます。

ところで…「下げ」とは、どうすればできるのでしょうか…?
インターネットは始めたばかりの素人なので、すいません。

669 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/14(日) 04:54 [ bd5cwGjQ ]
追記
>655様
本作の主人公「ユリノ」は、ヒューム男です。
最初の別れのシーンにちらりと乗ってましたが、
かなり説明不足だったようです。

ちなみに次回は、この話の後の物語を予定しています。
皆様、以後、よろしくお願いいたします。

670 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/14(日) 08:38 [ 3FQzu37w ]
これで出来る

例 名前:友の影を追って E-mail(省略可):sage
   
メール欄にsageな

671 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/14(日) 16:37 [ bd5cwGjQ ]
「下げ」のやり方を教えていただき、感謝申し上げます。

さっそく、続編の1話ができました。
かなり長くなりそうです、では、よろしくおねがいします。

672 名前: 友の影を追って(以下 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 16:48 [ bd5cwGjQ ]
第一話 「誓い」

〜ウィンダスモグハウス〜

今日も太陽が元気よく顔を出してる。
僕は、いつも通り、天国のキミに手紙を書いてます。

拝啓、コルトへ
やっと、キミの形見の刀、大般若を使いこなすことができたよ。
でも、やっぱり僕には、侍の才能はないみたい。
どうしてかというと、僕、力がないんだ、そう、腕力ね。
いくら技がキレイでも、相手を倒せないとみんなに迷惑かけちゃう。
だから、僕の義兄のルインが使ってるよ。
いいでしょ?ルインとは知り合いだったみたいだしね。

お、ルインが起きたみたい。
んじゃ、ご飯作るから、また後で。
敬具 ユリノ

673 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 17:03 [ bd5cwGjQ ]
そんな内容の手紙を書くと、少年はフライパンに油を注ぎ、
火をつけて、手紙を燃やした。
それが、彼の毎朝の日課である。

少年の名はユリノ、
種族、ヒューム♂ ジョブ、元侍、現赤魔導師。
5歳の頃、タルタルの家族に養子として迎えられた。
魔法の素質は、並のヒュームでは追いつけないほどの力を持つ。
その分、腕力がない、能力はタルタルに近いヒュームだった。

そんな彼の義兄、ルインレインが寝ぼけ顔で階段を下ってくる。
彼はユリノと反対に、前衛職をこなしている。

「おはよーう…」
「あ、おはよ。」
「今日の朝ごはんはー?」
「…オムレツ」
「またぁ?」
「何を言おうとオムレツ」
「おぃ…3日連続だぞぉ…」
「冷蔵庫の卵、12個が尽きたら別の料理に切り替えます」

たんたんとオムレツをさらに乗せ、まだ寝てる顔のルインに手渡す。
そして、ウィンダスティーの入ったポットを持ってリビングまでやってくるユリノ。

「いただきまーす♪」
「せ、せめて野兎のグリルを…」
「い・や」
「………」

こうして、いつもの朝を迎えた。

674 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 17:27 [ bd5cwGjQ ]
「あの…ケチャ…」
「冷蔵庫の中の3段目の一番左側」
「…え?」

既に朝食を済ませていたユリノは買い物カゴを下げ、
料理本を広げながらユリノはその場を後にした。

〜ウィンダス水の区、調理ギルド〜

いつものように、食材を選ぶユリノ。
「お、卵が安い…」
ルインの顔が浮かぶが、迷わずトカゲの卵を買う。
明らかに遊んでいるユリノ。

「おい!ユリノ!」
ギルドの中を響かせる大声。
ルインが後をつけてきたらしい。

「それで卵が減らないワケだ!別のにしてくれよぉー!」
「い・や・だ」
「おねがいだよぉ〜、せめてサラダを出してぇ…」
「いいけど…条件があるよ」
ユリノは買ったばかりの卵を突きつけて、こう言い放った。

「コルトと…どこで知り合ったの?」
「いや、だから知…」
「嘘」
「いや…嘘って言…」
「形見って言ったよね?」
「う…」

ユリノは既にキレる寸前だった。
キレたユリノは最低30分は止まらぬ魔法暴発マシーンと化する。

…所構わず。

「わ、わかったから、ここでキレるなよ…?」
「んじゃ、帰ろっかな♪」
「むぅ…」

675 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 18:00 [ bd5cwGjQ ]
〜ウィンダスモグハウス〜

普段は食事を取ったり、本を読んだりするこのテーブル。
しかし、このときは雰囲気が明らかに違った。
辞書並みに厚いメモ帳、眩しい光を出すライト。
まさに、刑事ドラマ顔負けの取調室のテーブルだった。

その先には、ガンビスンを着こなしたユリノの姿が。
反対側には、硬直しきったルインが椅子に座っていた。

「さぁ、聞かせてよ、コルトと何処で、どうやって知り合ったのかを」
「いや、やっぱ…」
「そんなにオムレツが好き?」
ユリノが不敵な笑みをルインに向ける。
毎日オムレツという地獄を抜けるため、ルインはその口を開いた。

「クエスト…」
「へぇ、なんのかな?」
「天晶堂のだよ、そこで会ったんだ」
「そう…」
暗い部屋を演出したいのか、黒いカーテンを閉めて回るユリノ。
そしてついに、テーブルのライトの出番がやって来た。
ライトをテーブルに叩きつけ、電源をONにした。

676 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 18:19 [ bd5cwGjQ ]
「うわっ!眩しぃー!」
「どうして彼が死んでるって分かったの!?」
「だから、それはアイツの家族から手紙が来て…」
「そう書いてあったの?」
「うん!書いてあった!」

今度はフライパンを叩きつけるユリノ。
その衝撃で、ライトが宙を舞う。
そして、ガタンッと言う音を立てて、ライトが倒れた。
ルインは恐怖のあまり、目から大量の涙があふれ出た。

「それは真実!?それとも偽り!?」
「しししし真実真実!」
「他に手紙は!?さぁ、白状しろ!」
「た、たしかジェイドとサニーって言うヒュームからも…」
「…ジェイドとサニー?」
「うん!なんか知らないけど、「コルトを探すのを協力しろ」って最近…」
「最近!?」
「うん!「明日の昼、飛空挺乗り場で会おう」って…」

ユリノは思った。なんて速い展開だと。
もしこのようなことをしていなかったら、ルインは黙って家を出るつもりだっただろう。
ユリノは、ホーネットフルーレを構え、テーブルの上に立った。

677 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 18:29 [ bd5cwGjQ ]
「よし!僕も行くよ!明日の昼…飛空挺乗り場!」
「あわわわわわ!そんなの危険だよ!」どんなことが起こるか…」
「もう子供扱いしないで!僕はもう15だよ!?」
「そんなこと言っても…」
「自分の人生は自分で決める…それでいいじゃない!」
「よくない!オレは兄として心配…」
「嫌だ!絶対行く!」

ユリノはストンスキンを唱え始めた。
周りから岩の壁が生えてくる…
きっとこれも演出だろう。
「コルトを探す!たとえそれが大変なことでも…絶対会いに行く!」
「あわわわ…大変なことになったよ…」

全ては親愛なる親友に会うために…
ユリノはそのまま飛空挺乗り場まで走りこんだ。


「ユリノ……明日だよ?」
「え?」

678 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/14(日) 18:34 [ bd5cwGjQ ]
…第一話はこれにて終了です。
長くなってしまいました、少し予想外です。

文字数制限に悩まされました…

679 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/15(月) 10:28 [ W1vt7xW2 ]
何かいいですね。会話多めでテンポよくって読みやすい感じ。
ただ話がチョンチョン飛んでるようなきがします。
特にコルトは死んでることになってるはずなのに、会いにいくって…?
…つまらんツッコミすいません。

680 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 16:20 [ bd5cwGjQ ]
>679様
ご感想ありがとうございます。
確かに…話がところどころ飛んでしまってますね…
950スレを切ると、立て替えると聞いたので、
あまり細かいところまで追求すると、
かえって迷惑になるかも…と、考えてしまって…

以後、気をつけます。
それでは、第二話です。では、よろぢくおねがいします。

681 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 16:34 [ bd5cwGjQ ]
第二話 「再会」

〜ウィンダス行き、飛空挺内〜

飛空挺の操縦部屋の隅に、2人のヒュームがいる。
今回の乗客は、この2人だけらしい。
白銀の鎧を着た少年は、金髪で、その腰にはグラットンソードが。
漆黒の鎧を着た少年は、黒髪で、背中にヴァサーゴサイズを背負っている。

金髪の少年の一言で、会話が始まった。
「もうすぐウィンダスだねぇー」
「ああ、あまり暴れるなよ」
「ウィンに着いたら…タルタルちゃんとあそびほーだいだぁ!」
「ナイトAFのままで暴れるなよ…」
「え〜?ボク、タルタルちゃんとあそびたーい!」
「…はぁ…」

そんな会話に水を差すように、アナウンスが流れる。
「まもなくウィンダスに到着します。」
「そろそろだな…」
「遊び放題…」
「じっとしていてくれ…」

682 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 16:39 [ bd5cwGjQ ]
〜ウィンダス港 飛空挺乗り場前〜

拝啓、コルトへ
昨日、ルインに全て吐かせたよ。
もしかしたら、キミはまだ生きてるって事も、
ジェイドとサニーって名前のヒュームがキミを探そうとしてることも…
ねぇ、もしキミがまだこの世界にいるとしたら、
ボクが燃やした手紙、空に届いても読めないんだよね?
ううん、いいんだ。

キミが生きていてくれるならそれでいいの。
だから、これからは手紙は燃やさない。
キミに会えた時、まとめて見せるからね。
あ、そろそろ飛空挺が到着するみたい。
それじゃ、またね。
敬具、ユリノ

683 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 16:49 [ bd5cwGjQ ]
「お前も懲りないよなぁ…」
あきれた顔で、ユリノの手紙を見上げるルイン。
「手紙を燃やして空に届ける?そんなこと出来…」
「それ以上文句言ったら、海に投げちゃうよ?」
「う…」

いつもは強気なユリノ。
だが、今回はそれをルインを恐れていた。
理由は、彼は剣を使った戦いでは、一度もルインに勝った事がないから。
(ルインは僕を連れて行く気はさらさらなさそうだ。
だから…「オレに勝てたら連れて行ってやる」なんて言われたら…)

「ユリノ?顔色が悪いぞ」
「い、いや、なんでもないよ」

それはルインのせいだろ?
そんなことを呟いた時、飛空挺がやってきた。
(ジェイドとサニーかぁ…あいつらだったらどうしよう…)
ユリノはそう思いながら、ルインに話しかけた。

684 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 17:04 [ bd5cwGjQ ]
「もしかして…ジェイドが暗黒騎士で、サニーがナイトとか?」
「え?ああ、そうみたいだよ」
「それじゃぁ、サニーは金髪で背が低い?」
「うん。写真があるから、ホラ」
そういうとルインは、封筒の中に入っていた写真をユリノに手渡した。
その写真を見て、ユリノは苦笑いを浮かべる…
そして、ルインに耳打ちをした。
「忠告なんだけど…サニーが「あー!」って言ったら逃げなよ?」
「え?」

そうすると、飛空挺乗り場の受付の向こうのドアが開いた。
その向こうにいるのは、写真に写っているヒュームが2人。
ユリノはまた苦笑いを浮かべた。
これからルインの身に起こる危険を案じて…

「あー!」
と、大声で叫ぶは金髪の少年。
「タルタルちゃんだー! かわいいー!」
と、また叫ぶと、ルインに飛びついた。
「!!!!」
「見て見てジェイドくんー♪このコ侍さんだよー♪」
「もう…離してやれサニー…窒息するぞ」
「うはぁぁ!ギブギブギブー!」
「このコ連れて帰りたーい♪」
タルタルを抱きかかえ、大はしゃぎの少年に、それを見てあきれる少年。

全て、ユリノの想像通りに事が進んだ。

685 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 17:17 [ bd5cwGjQ ]
あきれながら、ジェイドと呼ばれた少年が、
サニーと呼びかけた少年にこういった。
「そのタルタル侍が、手紙の受取人だ」
「ギ…ギブ…」
「うそぉー!?かわいいー♪」
ルインはまだ白銀の鎧の腕の中にいる。
ユリノがそろそろ危険と察して、二人に話しかけた。
「久しぶり…ジェイド」
「ユリノか…久しぶり」
「サニー、そろそろ僕の兄を解放してくれない?」
「えー?後でまた抱いてもいいー?」
「いやだ!オレはいやだ!絶対逃げる!」
と言うと、ルインはサニーの手を思い切り払った。
その瞬間、サニーは涙目になり…
「タルタルちゃんに嫌われたぁ…」
と、まるでだだっこのように泣き崩れてしまった。
「うえぇぇぇん!嫌いになっちゃいやぁー!」
「なななな何!なんなのこの子〜!?」
「だめでしょルイン!謝りなさい!」
「だ、だってオレ、このナイトに殺されかけ…」
「いいから謝れー!」

今のウィンダスは昼、3人の大声で町中を轟かせた。

686 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 17:41 [ bd5cwGjQ ]
…時が過ぎて、3時。

みんながちゃんと話せる状態になったのを確認したユリノは、
ルイン宛の手紙をジェイドに手渡し、こう言った。
「ねぇ、コルトのことなんだけど…」
「ああ…」
サニーとルインをよそ目にジェイドが話を進めて行く。

「ねぇ、コルトが生きてるって、本当なの?」
「詳しいことはまだ分からない、だが俺はそう信じたい」
「…根拠は?」
「3つある」
そういうと、ジェイドは鞄から写真を取り出した。
船の上に大勢の死体、大量の赤い血が甲板を覆っている。
一気に顔色を悪くするユリノをよそ目に、話を進めるジェイド。
「1つは、コルトの死体がどこにもないこと、
 2つは、甲板にしか血が付いてないこと、
 3つは、船が荒らされてないことだ。
 1つ目は当然わかるだろう、死んだ人間に死体が消えるなんてありえない。
 2つ目は甲板にしか付いてない血は、海に落ちたということはないと見れる。
 3つ目は簡単だ、コルトは仕事をちゃんとこなしたことがよく分かる」
「じゃあ、なんで突然消えたのかな…」

その問いに、ジェイドは、顔を歪ませて答えた。

687 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 17:54 [ bd5cwGjQ ]
「あいつは…命を狙われていたんだ」

ジェイドの言葉に凍りつく室内…
ユリノとサニーは、そのまま固まってしまった。
サニーは、このことを知らされてなかったらしい。
さらに話を進めるジェイド。
「コルトの刀の腕は異常だった。それは無能な海賊どもに伝わってね」
「でも、コルトは勝ったんでしょ?海賊に!」
「そうだな、この状況だと…」
ユリノはキッチンから、ウィンダスティーの入ったポットを持ってきた。
そして、4つのティーカップに注いで行く。
注がれたティーカップを手に持ち、ジェイドはさらに続ける。

「その日、港は獣人に襲われた」
「え?」
「獣人の軍隊が、コルトに襲い掛かったんだ」
「そんな…なんでそんなことを…」

688 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 18:05 [ bd5cwGjQ ]
「獣人の要注意人物が、俺達に知られ、恐れられるのと同じさ」
「だから大勢で…」
「だが、相手は獣人、しかも多勢だ。いくらコルトでもそこまで持つとは思えない」
「じゃあ、生きてる確率…凄く低いじゃない…」
ユリノは絶望した。
そして、それでもジェイドは生きていると言う。
自分の意志に従うか、ジェイドを信じるか、どうしたらいいか分からなくなってしまった。
しかし、今度はサニーが口を開く。
「じゃあ、なんでこの刀はここにあるのかな?」
「え?」
「もし、コルトがそこで死んだなら、刀がノーグに届くなんてありえないでしょ?」
「そうだけど…ゴブリンが裏ルートで売り払ったとか…そんなこともあるよね」
「それはない」

キッパリ言い放つジェイド。
もうユリノには訳が分からなかった。

689 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 18:19 [ bd5cwGjQ ]
「なぜなら、ここに4つ目に証拠がある」
そういうとジェイドは、血まみれに手紙を取り出した。
そう、1年前、大般若の鞘から出てきた手紙である。

「あまりにも冷酷野蛮な獣人が、手紙を書かせる余裕を与えるだろうか?」

確かにジェイドの言う通りだった。
コルトは彼らにとっては危険人物。それが手紙を書く姿を見たら、
たちまち刀を破壊するだろう。
「それに、港には、獣人の足跡、荒された小屋などがあったが、
 肝心な血痕がどこにもない。つまり彼は、戦闘を回避したことになる」
「じゃ、じゃあ…」
「コルトはどこかで身を潜めている。そのため、目立つ刀をお前の家に送った。
 大般若を使いこなせる侍は、数が少ないからな」
「生きてる希望はあるんだ…」
ユリノは大粒の涙をこぼした。
コルトは生きてるかもしれない。そう考えたことがなかった彼にとっては
とても喜ばしいことだっただろう。

690 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 18:38 [ bd5cwGjQ ]
「協力するよ。オレもアイツが気になるからね」
「じゃあ、ボクも…」
すると、ジェイドは旅支度を始めようとするユリノにこう言い放つ。

「お前は連れていけない」

ユリノは耳を疑った。
長い旅になりそうなこのコルト探し。
その旅に、まさか前衛ジョブだけで行く気なのかと…
「どうして!?」
叫んだ。喚いた。コルトに会うことが出来るかもしれないのに。
自分が外されるのが信じられなかった。認められなかった。
その声を聞きつつ、ジェイドはたんたんと理由を述べた。

「虫も殺せなかったお前が、獣人を大量に殺す俺達を見ていて、耐えられるとは思えない。
 それが理由だ」
そう、ユリノはこれまで1度も自分の手で、敵を殺めたことがない。
目の前で倒れて行く敵を見て、どんどん泣き顔になって行くユリノ。
それを見てきた2人の判断だろう。
「ルイン…大丈夫だよ!僕、そんなことで泣かないから!
 だって、もう15だし…」

「オレもジェイドの意見に賛成だよ」

ルインから発せられる一言…
崩れ落ちるユリノ
目をそらすジェイドとサニー

その部屋は、暗い雰囲気に飲み込まれていた。

691 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/15(月) 18:41 [ bd5cwGjQ ]
…第二話はこれにて終了です。
11スレも使ってしまいました…

長文癖が抜けませんね…すいません。

692 名前: 新月0時に秘密の場所 三日月 投稿日: 2003/09/15(月) 22:27 [ FcipydqI ]
─ウィンダス・森の区・東門

「晴れると思ったのになぁ」
「寝グセが落ち着いていい感じじゃないですか、ライム」
「むっ!エイトだって団子が乱れてるじゃないか!」

夜明けに紛れたチュニック姿のタルタル2人
少し震えているのは霧のせい?

「出発には丁度良い頃合いだと思いますよ」
「ん、そうかな?」
「早く行きましょう、誰かに見つかったらマズイですからね」
「よし、じゃあ、行こう!」

じっとしてると足が動かなくなりそうだから
笑われちゃうから
振り返らずにライムを急かした


「…きっと見つかる、行ってきます」

693 名前: 2/4 投稿日: 2003/09/15(月) 22:29 [ FcipydqI ]
2人のタルタルはサルタバルタを走る
雨の日とは違う方向へ

2人のタルタルはサルタバルタを走る
その目を濡らすことなく

2人のタルタルはサルタバルタを走る
その目を濡らすのはもう嫌だから


昇り始めた朝日が
朝露に反射して小さく輝く

道標の様に

694 名前: 3/4 投稿日: 2003/09/15(月) 22:32 [ FcipydqI ]
─東サルタバルタ

「えいっ!やぁ!とぉぉ!」
「エアロ!」
「ケアルいきますよ、ライム」
「ゴブリンッ!離れろエイト!」

戻っては進み、戦っては休み
朝は川で顔を洗い
夜は草むらで星を数えた

「もうすぐタロンギですね」
「うん」
「…疲れましたか?」
「ううん」
「これからどうしましょうか?」

空を見ていた顔が、ゆっくり北を向いた

「ジュノに行こう」

695 名前: 4/4 投稿日: 2003/09/15(月) 22:36 [ FcipydqI ]
初めから決めてたけど
もしかしたらできないかもって思ってたんだ

だから境界線を越えたら
3人で見上げた崖の上に立てたら
もう迷わないって
きっと行けるって
ずっと言い聞かせてたんだ


あ、ウィンダスの空にブーメランが見えるね

うん、大丈夫
ちゃんと戻ってくるよ、もう迷わないよ
だって”ごっこ”の自分を追い越せたから


今夜は空が近い日、三日月記念日

696 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/16(火) 19:53 [ v2fNmrHk ]
あれ?

697 名前: 傭兵物語(仮 投稿日: 2003/09/17(水) 00:10 [ bd5cwGjQ ]
みなさん今晩は。
第三話目に突入いたします。
この作品に期待を寄せてくれている方も、
そうでもない方も、感想を寄せてくれるとありがたいです。

あと…この作品のタイトルですが、
やっぱり「友の影を追って」に変えなおします。
タイトルをコロコロ変えてすいません。

では、第三話目、よろしくお願いします。

698 名前: 傭兵物語(仮(以下 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 00:32 [ bd5cwGjQ ]
第三話 ユリノ・トゥフィール

〜ユリノのモグハウス〜

いつもは、平穏な時を築いて行くリビング。

しかし、その部屋は沈黙が続いている。
誰も言葉を発しない、重苦しい空気。

そんな空気を打ち破ったのは、ジェイドの言葉だった。
「ユリノ…誤解しないでほしい…俺はお前を除者にしたいわけじゃない」
そういうと、ユリノの頭にちょんと乗っているワーロックシャポーを手に取り、
代わりに白いコック帽を乗せるジェイド。
「お前には、俺達とは違う別の夢を持っているだろう?
 ウィンダス一のシェフになって、みんなを喜ばす。
 それが、お前の本当の夢…だったな」
その声に、ユリノははっと顔を上げた。
そんな彼の頬を優しくなで、ジェイドは語りかけた。
「そうなった暁には、コルトにオムレツを食べさせる。
 そんな夢を、そんな未来を持ったお前を、戦いの道に戻したくはない」
「そーだよユリノくん!コルトくんのことは、ボクらに任せてよ!」
サニーも、笑顔でジェイドに続く。
ユリノの目から、また涙がこぼれた。

699 名前: 傭兵物語(仮(以下 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 00:41 [ bd5cwGjQ ]
「コルトは俺達が連れ戻す。ユリノは調理修行に励んで待っていてくれ」
「コルトくんには、ウィンダスに来るように伝えるから!」
「オレ達の分も作らないと、承知しないけどな」
ルインも、ユリノに駆け寄ってそう言った。
「なんだよ…別のに変えろってうるさかったのに…

 ありがとう…」

泣きながら2階に駆け上って行くユリノ。
それを見送るルイン達。

そして、リビングはいつもの平穏な空気に戻った。

〜4時間後〜

久々の再会、それを喜び合える時間がやってきた。
いつものように料理を振舞うユリノ。
目元がまだ腫れているが、笑顔を取り戻している。

メニューはやはりオムレツ。
あの時、あんなことを言うんじゃなかった、と
うなだれているルインをよそに、それを頬張るジェイドとサニー。

その夜のモグハウスは、喜びと笑いが堪えなかった。

700 名前: 傭兵物語(仮(以下 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 00:49 [ bd5cwGjQ ]
〜深夜〜

みんなはもう眠り果てている。
ルインも、サニーも、ジェイドも、そして、ウィンダスも…
しかし、こんな夜中に関わらず、ペンを走らせる音が。

そして、階段を下りる足音。
赤AFを身にまとったユリノだった。
ゆっくりとドアを開け、その場を後にする。
走らせているペンの宛先は、やはりまだ会えぬ友人に向けられていた。

拝啓、コルトへ
今は深夜…こんな時間に書くなんて思わなかったよ。
せっかくだし、昔話でもしようか?
何の話かって?それは僕の…



ユリノ・トゥフィールの話だよ。

701 名前: 傭兵物語(仮(以下 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 00:57 [ bd5cwGjQ ]
僕が5歳の頃、ルインの家に引き取られたのは話したかな?
あの時はいろいろあってねぇ…
対人恐怖症って言うのかな?
もう、誰とも話したくなかったし、誰にも会いたくなかったんだ。

今でも覚えてるんだ、親の顔…
「すぐに帰ってくるからね」って言葉を置いていって、
そのまま飛空挺に乗って行く両親の顔。

信じてた。あのときの僕はずっと信じてたよ。
でも、3日経っても、1週間経っても、帰ってこなかった。
そんな中、周りからの声が聞こえてさ、
こんなこと話してたよ。「あの子は捨てられたんだ」って。

そんな言葉、信じたくなかったよ、だって5歳だもん。
まだまだ甘えたい盛りなのに、そんなこと、信じられなかった。
そんな声から逃げるために、結構走ったよ、ウィンダス中をね。

そこで会ったのが、ルインだったんだ。

702 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:05 [ bd5cwGjQ ]
その家でも「捨てられたヒュームの子」って言われたの、覚えてる。
もう、捨てられたなんて言われたくなかった。

でも、現実はそれが事実みたいで、もう受け入れるしかなかったよ。

あの時は、ルインとも話さなかったなぁ…
でも、ルインのお父さんの提案で、魔法学校に行くことになったの。
「友達を増やす」のが、最初の目的だった。

でも、僕の魔力が、種族がそれを許してくれなかった。
その時の僕の武器は、とても高い暗記力。
だから、先生の授業は、聞いているだけでイイ点を取れたよ。

でもね、周りのタルタルが「何かズルしてるんじゃないか」って言うんだ。
もうそれは、「負け犬の遠吠え」ってことで受け止めてたけどね。

正直言うと、魔法にはあまり興味はなかった。
興味があったのは…調理。

授業が終わったら、真っ先に調理ギルドに行くのが日課だった。

703 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:11 [ bd5cwGjQ ]
ギルドで習った「クリスタル合成法」。
これに結構はまってたんだー♪

まぁ、普通に調理するのも好きだったけどね。
で、初めてキッチンで作ったのが、オムレツ♪
結構な自身作だったんで、誰かに食べさせて感想を聞きたかったの。

んで、誰に食べさせようか悩んでたときに、
あのタルタルくん達に会っちゃってね…

もうそりゃ酷かったよ。
エアロでスバスバ、ファイアでコゲコゲにされてね…
仕上げにストーンで石塗れでさ…

さすがに泣いたよ、悔しかった。
友達を作れない自分に腹が立ってさ…

そんな時、




キミと会ったんだよね。

704 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:19 [ bd5cwGjQ ]
ぐちゃぐちゃになったオムレツを見たキミ、
少し引いてたよね。

僕は、その場から逃げようとしたけど、キミは僕を呼び止めた。
「これ、お前が作ったのか?」
そう聞いてきたよね。
それで僕が「さっきまでは普通だった」って言うと、
ぐちゃぐちゃのオムレツ拾って食べて、「うまい」って言ってくれた。

あの時はとても嬉しかった。もう、涙がボロボロ出てさ、
もう、恥ずかしくなるぐらい泣いてさ…


それからキミは、僕の家によく来てくれるようになった。

僕が「ご注文は?」って聞くと、
キミは「オムレツで!」って答えて…

そんな日が続いたある日、キミは教えてくれた。
キミの夢を。

たしか、「立派な侍になって、みんなを守る」だったよね?

僕は、「ウィンダス一のコックさんになって、みんなを喜ばせたい」って言ったね。

あの時は、とても幸せだったよ。

705 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:27 [ bd5cwGjQ ]
でも、ウィンダス一のコックさんになるには、別の国の料理も作れないといけなかった。

そんな夢を語って数日が経ったとき、キミは冒険者になったね。
だから、僕も慌てて冒険者になった。

キミについていけば、サンドリアにも、バストゥークにも行けると思ったから。
そして、一緒に行く人探しとかしたね。

たしかその時だよ、ジェイドとサニーに会ったのは。
あと、白魔のアッシュに、黒魔のクロノスにも会ったね。

アッシュとクロノスはどうしてるかって?
それは、ウィンダスで、魔法の修行を積んでるよ。

驚きだったのは、みーんなヒュームだったこと。
怖ーいガルカとか、厳しーいエルヴァーンとかがきたらどうしようかと、
ずっと思ってたなぁ…

そんな感じで、僕らの旅は始まった。

706 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:37 [ bd5cwGjQ ]
みんなといろんなところを歩いたね。

豊かな草原が広がるサルタバルタ、
あの星振る丘の景色…今でも心に焼き付いてる。
砂嵐が凄かったタロンギに、ゴブリンを避けながら歩いたブブリム。
みんないい思い出になってるよ。

でも、そんな旅の中で怖くて、嫌いなものが1つあった。


それは…戦闘


これは、もしかしたら仕方のないことかもしれない。
でも、目の前で倒れて行くマンドラゴラや獣人、
ウサギにイモ虫、ダルメルもいたね…
それを倒して手に入れた戦利品に大はしゃぎのサニーとクロノス。
それを苦笑いで返すジェイドとアッシュ。

でも、僕はそんなに戦闘を楽しむことは出来なかった。

だって、みんな命あるもの、もしかしたら僕らを襲う気なんて、
さらさらない相手も、どんどん死んでいく。

耐えられなかった。何度も泣きそうになった。
もう…戦いたくないと思ったこともあったよ。

707 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:45 [ bd5cwGjQ ]
でも、それでも戦った。
みんなに見捨てられたくないから戦った。
嫌われたくないから、置いて行かれたくないから戦ったよ。

たとえ、生き物の命を奪うことになっても、
この6人で一緒にいたかったから。

そして、いろんな国を訪れて、僕はそこでいろんな料理を学んでいって、
他のみんなも、町での目的をどんどん果たしていった。


そして、そんな旅が始まってから3年が経って、

やっと、ウィンダスに帰ってきた。
家に帰ると、僕を心配して待ってたお父さんとお母さん、
そして、ルインが、「帰国記念パーティ」とか言って、
僕らの帰りを祝ってくれた。

僕らの旅は終わった…いろんなものを見てきた…
楽しかった…もう、戦わないでいいと思ったよ。

708 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 01:56 [ bd5cwGjQ ]
でも、キミはまた旅に出ると言い出した。
たしか、僕が13の頃だったね。

理由は「両親を探しに行く」とか言ってたね。
あの時僕は「ちゃんと帰ってきてくれるよね?」って聞いた。
その答えにキミは「ああ、帰ってくるよ、少し遠出だけどね」って答えた。

でも、本当は行ってほしくなかった。引き止めたかった。
あの、幼い日の経験を繰り返したくなかったから。

でも、僕にキミの決めたことをどうこう言うこともできなかった。
だから、キミを信じて見送ったよ。


でも、僕はもう待てないよ。
だから、今度は僕が会いに行く。
キミが両親に会えたかは、僕にはわからないけど、
僕は、キミに会って、いっぱい話がしたい。
声が聞きたい。少し上達したオムレツを食べてもらいたいの。

だから…3人にも黙ってキミを探しに行く。
たとえ、情報がなくても探す。
たとえ、この国に帰ってこれなくなるとしても探す。

僕の人生は…




キミを探すためにある。




そんな気がするんだ。

あ、飛空挺が来たみたい。
それじゃ、またね。

敬具 ユリノ

709 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 02:04 [ bd5cwGjQ ]
「ふぅ、我ながら長文になってしまったよ」

手紙を書き終えると、ユリノはペンをポケットに入れた。
過去を打ち明けた彼の顔は少し苦笑いを浮かべていた。

「コルト…絶対会いに行くからね」

1人の赤魔導師の少年は、故郷ウィンダスを後にした…



が、

「ジュノ便に乗せてください」
「お客様、飛空挺パスをお見せください」
「ああ………?あれ………?」
「パスをお忘れになったので?」
「………そうみたいです」



最初からつまずくなんて…
呟くユリノ。
彼の、前途多難な旅は、まだまだ始まらないようだ。

710 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/17(水) 02:07 [ bd5cwGjQ ]
…第三話はこれにて終了です。

さらに長くなってしまいました。
文字数制限により、「続く」と書けなくて……
すいません。これからもよろしくお願いします。

711 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 07:28 [ AXZIdCAM ]
タル戦ってクリスタル戦争前の話なんだって
今更気づいた・・・・鬱

712 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 08:07 [ GdtdDvvE ]
>>711
はっきりしたのはここ最近の数話からだ、落ち込んじゃいかん

713 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 13:19 [ v2fNmrHk ]
ああタル戦続きが気になる・・・。

714 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 15:53 [ Iy0XzJTU ]
空に奏でる君の歌も続きが気になりますぞ。

715 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 16:05 [ ox66EtQs ]
細いky(ry

716 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 16:46 [ v2fNmrHk ]
>>715
もうあきらめr(ry

717 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/17(水) 20:08 [ jkI9D.f6 ]
>>716
いや諦めたくn(ry

718 名前: 空に奏でる君の歌37 投稿日: 2003/09/18(木) 19:45 [ lL9vYycA ]
わたしは全ての話の続きが気になります。そしてこれは拙作の続き。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

719 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/18(木) 21:23 [ v2fNmrHk ]
キタ−
バンザーイ

720 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:00 [ 7UidQhR6 ]
「名無しの話し」の外伝の3 −モーグリ− 

「ただいまー」
いつもの時間、いつものように彼が帰ってくる。
「おかえりクポ〜」
いつものように出迎える。
「どうだったクポ?」
鎧を外すのを手伝う。
「まあまあかな」
言いながら、少し嬉しそう。
今日はそれなりの稼ぎになったのだろう。
彼は今、固定パーティーを持たないフリーの戦士をしている。
まだまだ若造のうちだけど、ここへ来た当初と比べれば幾分か戦士らしくなってきた。

一年前、案内人に連れられてモグハウスを訪れた彼は、まだ悪戯小僧の面影を残した少年だった。
鋼板と鞣し革を組み合わせた鎧は、彼の希望を現すかのようにピカピカと輝いていた。
「はじめまして、ご主人様クポ」
挨拶すると
「よろしくおねがいします!」
元気のいい挨拶が帰ってきた。
早速お茶を入れたのだけど、「ご主人様」と呼ばれるたびに真っ赤になって、居心地悪そうにしていた。

721 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:03 [ 7UidQhR6 ]
一年がたち、悪戯小僧は、少し背が伸びた。
筋肉がつき、一回り太くなった。
けれどまだ同じ鎧を着ている。
徐々に傷の増えていくそれを、毎晩ピカピカに磨いてから寝るのが日課だった。
「大事にしてるクポ」
「両親が買ってくれたんだ」
少し恥ずかしそうに、そう言った。
彼の家は代々の農家だった。
けっして裕福ではなかったのだけど、冒険者になるという彼のために僅かな蓄えの全てを投げ出して買い入れたのだという。
「反対されなかったクポ?」
「最初はね。農民は農民以外にはなれないって。でも、結局は理解してくれた。…諦めたのかな?出発の日の朝、コレが用意してあったんだ」
「いいお父さんお母さんクポ」
「ああ」
頷く彼はとてもうれしそうだった。

722 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:05 [ 7UidQhR6 ]
今日の朝食はオレンジジュースに焼いたパン。スクランブルエッグにはニンジンのグラッセをつけた。
「ニンジンきらいだっていってるのに」
いまだに彼は料理の中からニンジンをより分ける。
「好き嫌いは良くない。いい戦士になれないクポ」
「大丈夫。ニンジンぎらいの凄腕戦士って言うのもなんかカッコよくない?」
「…」
「おこらない、おこらない。帰ってきたら食べるから、置いといてよ」
そう言って、食べたことなど一度もない。
「ごちそうさま」
ニンジンだけを皿に残し、以外をキレイにたいらげて彼は席を立った。
「今日もいつも通りクポ?」
鎧を着けるのを手伝う。
「ああ、夕方には帰れると思うよ」
彼はあまり遠出のパーティーには参加しない。
その意味では、自分の実力を良く知ってる。
扉まで歩き
「あれ?」
脚を止める。
「芽が出てる」
鉢植えを覗き込む。
いくつかある鉢植え。
その黒い土の表面に小さな緑の突起がのぞいている。

723 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:07 [ 7UidQhR6 ]
「どんな花が咲くんだろ」
嬉しそうに振り返る。
「咲くまで判らないクポ。でも二・三日でわかるクポ」
「そうだね。楽しみだなあ」
彼は、元気に部屋を出た。
「ご主人様、いってらっしゃいクポー」
戸口で手を振って見送る。
手を振り返す彼はやっぱり照れていた。

「…おそいクポ…」
もうとっくに日は落ちている。
けれど、彼は帰ってこない。
獲物が無くて、遠くまで行ったのだろうか。
パーティーの人たちと飲んでるのだろうか。
机の上には冷えてしまったスープがある。
作りたてを温かいうちにと、彼が帰るだろう時間に合わせて作ったスープ。
何度も温めなおして、何度も冷めたスープ。
今度こそニンジンを食べてもらおうと、工夫したスープ。

724 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:08 [ 7UidQhR6 ]
深夜になって、扉が叩かれた。
「おかえりー」
寝ずに待ち続けてたから、大急ぎで飛んだ。
「遅かったクポー」
扉を開くと、そこには見知らぬ騎士が立っていた。
乱れた髪。
傷だらけの鎧には乾いた血の跡。
「ど、どちらさまクポ?」
怯えながら聞く。
「…」
騎士は、無言で抱えていた物を差し出した。
ちぎれた革と変形した鋼板。
元の形も判らないそれだったのに、一目で彼の鎧と判った。
全体を汚す黒い物は乾いた血。
「…」
受け取ろうとする手が震えて滑った。
鈍く重い音を立てて鎧が落ちる。
「…すまない…」
かすれいる様な声とともに、騎士は深く頭を下げた。

725 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:10 [ 7UidQhR6 ]
夜明けと共に、数人の男達が部屋を訪れた。
無言で、テキパキと部屋を片づけていく。
家具が運び出される。
衣類、装具、そして鉢植えが丁寧に木箱へ収められる。
最後に血まみれの鎧が白布に包まれて収められ、荷造りは完了した。
来たときと同じに、無言で木箱を抱えて去っていく男達。。
家具や木箱は今日のうちに遺品として家族の元へ送られるだろう。
全ての家具が無くなった部屋。
ガランとした空っぽの部屋。
彼が来る前の部屋。
たった一人の部屋。

別れはいつもやってくる。
時に緩慢に。
時に性急に。
戦い、力をつけ、もっと大きな町へと旅立つ冒険者がいる。
戦い、傷つき、二度と帰らぬ冒険者がいる。
そして、いつも残される。
この部屋に。

726 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:12 [ 7UidQhR6 ]
「はじめまして、ご主人様クポ」
「はじめまして。よろしくおねがいね。…でも、ご主人様なんて、なんだか照れくさいな」
一流の魔導師を目指すのだという少女は、少し照れて笑った。
「これからモーグリが一生懸命お世話するクポ」
一緒に戦うことは出来ないから。
一緒に旅することは出来ないから。
いつか別れの来る、その日まで。

「名無しの話し」の外伝の3 −おわり−

727 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 09:16 [ MRUOrZ9k ]
。・゚・(ノД`)・゚・。カンドー

728 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/19(金) 09:18 [ 7UidQhR6 ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
また、こんなの書いちゃいました。
ぜんっぜん反省してません。
でも、今回はラストまでシリアス通しました。
笑いありません…そのつもりです。
…って、私に求められてるのはこっち路線じゃないかもですねー。
むーん、熱病のように周期的にやってくるシリアス病。
作用と反作用かしら…。

729 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/09/19(金) 09:26 [ GBx6VEDo ]
うぅ・・・
「少年は夢を見る」以来の涙が・・・

730 名前: 闇を背負う者(仮題) 投稿日: 2003/09/19(金) 09:27 [ Xs1Ba4m6 ]
すまねぇ! 上げてしもた_| ̄|○

731 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 09:41 [ sVOiF0zI ]
.゜・(つД`)゜.・

732 名前: 死を告げるのは一枚の紙切れ 投稿日: 2003/09/19(金) 10:32 [ 5N4wLZI6 ]
深夜になって、扉が叩かれた。
「おかえりー」
寝ずに待ち続けてたから、大急ぎで飛んだ。
「遅かったクポー」
扉を開くと、そこには見知らぬ騎士が立っていた。
整えられた髪。
キッチリ身を包んだ鎧には王国騎士団の印。
「ど、どちらさまクポ?」
怯えながら聞く。
「…」
騎士は、無言で一枚の紙切れを差し出した。
「死亡通知書」
彼の死を証明するたった一枚の紙切れ。
「…」
受け取ろうとする手が震えて滑った。
はらりと音を立てて紙切れが落ちる。
「…お悔やみ申し上げます…」
たんたんとした声とともに、騎士は深く頭を下げた。

733 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 11:13 [ VYxbTfUM ]
>>728
ナイス切なさ炸裂(⊃д⊂)

↓でも、どこの732のせいとは言わないけど荒れていく予感

734 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 11:21 [ cRW6BTaI ]
この頃、ショートストーリーないなぁ…
続き物もいいけど、ショートショートも読んでみたい

自分で書けって?
うはwwwwwwwおkwwwwwwww

735 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 11:39 [ /7E1.1KY ]
「…すまない…」でぞくっとした。前から思ってたけど読ませる力があるよね。凄いなぁ。
シリアスでもいつものでも、貴方のファンです。いつもありがとう。

736 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 12:24 [ eUSXJekI ]
既出かもしれないけど此処オススメ。
ttp://www.bc.wakwak.com/~mayumayu/monokaki/

とりあえず読んでみた中では二月氏の「トットヨットの恋」シリーズはほん
わかいい感じ。続編?で蒸気船はユリーを乗せてってのも有り。
氏の書く物語はどこかで繋がっていて、他の物語の登場人物とか、それに関
係した人物が出てきて、繋がりを考えるのも楽しい。

もう一つ、村長氏が書く連載中の物語も(・∀・)b
題名は回ごとに違う模様。
シリアスベースの上にいい感じのボケや、笑い有りの良く練られた物語。
個人的には、ホントはしっかりした奴なんだけど、女ったらしでボケまくり
のパリスがイイ!
やばい状況になると、「嗚呼……姉さん…」と現実逃避をするエルヴァーン。
ちなみに姉さんは未登場。
現在は新シリーズ、「思い出よ、永久に美しく」も連載中。

737 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 12:26 [ eUSXJekI ]
連カキスマソ。
↑の他にも沢山の作品有り。
まだ全部読めていないのでとりあえず上記のものだけ紹介。

738 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 12:32 [ JDI7KT6E ]
いまされだけど、タル戦とガルカの昔話がリンクした気がして


嗚呼……兄弟……(⊃д⊂)

739 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 16:21 [ bd5cwGjQ ]
第四話 いつか戻る日まで

「パスをお持ちでないお方は乗せることはできません」

やっぱり…
ため息をついてその場を後にするユリノ。
今さらモグハウスにも戻るわけにもいかず、
途方にくれていた。

コツ…コツ…コツ…

どこからともなく聞こえてくる足音。
「まさか…ルインか…?
 いや…僕は行くんだ、コルトを探しに…」
ユリノはあくまでも落ち着いて、魔法スクロールを読み始めた。
「サイレス!」
「!!」
人影はあまりにも急な呪文に驚き、あとすざりをした。
しかし、サイレスはかかったようだ。
声にならないうなり声がかすかに聞こえてくる…
さらに魔法を読み始めるユリノ。

しかし、影はそれを見逃さなかった。
唱え始めた瞬間、ユリノを目掛けて突進してきたのだ。

740 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 16:30 [ bd5cwGjQ ]
「わっ!」
急な突進に弾き飛ばされるユリノ。
後ろは海、前には見えない敵…

一気に崖っぷちにたたされてしまったユリノ。
しかし、ここは冷静にランプを取り出し、
ファイアで火を灯す…
そして、ランプを影のいる方向へ向けた。
その先には…
「あ…」

かつて、3年間の時を旅した黒魔導師、クロノスが立っていた。
突然サイレスをかけたせいなのか、こちらを睨んでいる。
慌ててやまびこ草を投げるユリノ。
不満そうにやまびこ草をキャッチして、それを飲むクロノス。

飲み終えた後に、懐かしい声がウィンダスに響いた。

741 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 16:41 [ bd5cwGjQ ]
「こんのバッカヤロー!」
「わっ!」
「なんだよ!声かけようとしたらサイレスでご挨拶か!?」
「いや、これには事情が…」
「何が事情だ!このオイラに何か恨みでもあるのかよ!?」
「お願い、ちょっと黙って…」
「意味もないのにそんなことするやつぁ、オイラの古代喰らってのびてろ!」
「いいから黙れー!」

コツコツコツ…
さらに聞こえる足音、
その先には、白魔導師が呆れ顔でこちらに向かってきている。
「おいアッシュ!聞いてくれよ〜!こいつ会った早々からサイレスだぜ!?」
「クロノス…何も殴ることはないだろう?」
「いーや!あの野郎、サイレスだぞ!サイレス!
 この黒魔導師のオイラにサイレス!」
「クロノス、落ち着け」
「……チッ」
「とりあえず、ユリノも俺のモグハウスに来いよ」
「……はーい」

他にするあてもなかったユリノ。
目的地がガラッと変わってしまったが、結果オーライということにした。

742 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 16:52 [ bd5cwGjQ ]
〜アッシュのモグハウス〜

今のウィンダスは深夜…
こんな時間に電球が光を灯してるのは、かなりまれである。
「ごめんねアッシュ、突然お邪魔しちゃって…」
「別に構わないさ。クロノスもいるんだし」
「ふん…」
「クロノスもごめん…サイレスかけちゃって」
「ふーん…」
「…ごめんってば」
「クロノス、もういいだろ?謝ってるんだから」
「…あいよー」
ふてくされて2階に上がっていくクロノス。
相当サイレスが気に食わなかったらしい。

「はぁ…すまないユリノ。まだまだ子供なんだよ」
「まぁ、僕らも十分お子様ですがね…」
「まったく…」
「双子のわりには似てないよね、アッシュとクロノスって」
「双子は似ないものさ」
「そぉですかぁ…」

743 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:02 [ bd5cwGjQ ]
「ねぇアッシュ、モーグリの姿がないようだけど…」
「パパモグの弓大会だとさ」
「そぉなんですかぁ…」
「で、なんであんな時間にジュノに行こうとしたんだ?」
「ああ、それはね…」

話はやっと本題に入った。
ユリノはアッシュに全てを話した…
ジェイドとサニーが来たこと、
コルトは生きてるかもしれないこと、
これから探しに行こうとしてたこと、
そして…自分は留守番しているようにと言われたことを全て…

「コルトか…生きてるんだな」
「そうみたい。だから、探しに行こうと思って…」
「珍しいな」
「え?」
「ユリノは他人の命令に忠実だったのに、それを無視してでも行こうとするのが珍しいと思った」
「だって、もう15だし…」
「自分の歳を言い訳に使うのは変わってないか」
「…そぉみたいですぅ」

久しぶりの友との会話、懐かしい気持ちでいっぱいになって行く。
そんな会話の途中で、ふと、ユリノはあることに思いついた。

744 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:16 [ bd5cwGjQ ]
「ねぇ、僕をジュノまで飛ばしてほしいんだ」
「ああ、コルトを探す手がかりがそこにあるのかもしれないのか?」
「いや、とりあえずジュノ。情報が早く集まるからね」
「そうか…わかった」
「いいの!?」
「ただし、条件がある」
「え?」

その会話を割り込むように、クロノスが降りてきた。
久々に見た黒AFと白AF。
そして、アッシュの条件が言い放たれた。

「俺達も連れて行ってくれ」
「え?」
「もう一度言う。俺達を連れて行け」
「でも、もしかしたらとても危険かも…」
「見くびらないでほしい。3年もの間を共にした奴だ。
 行方を知りたいに決まってるだろう?」
「連れて行かないんだったら、デジョンなんて使ってやんないもんね!」
「そういうことだ。どうする?」

「わかった…行こう!みんなで!」
「「了解!」」

745 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:24 [ bd5cwGjQ ]
〜ウィンダス石の区〜

「天の塔…きれいだね」
「ああ、そうだな」
「おいー!さっさとジュノの飛ぼうぜー!?」
「今、ウィンダスの風景に浸ってるの…」
「なんだよそれ…」
「でももう時間だユリノ。そろそろ夜が明けて朝になる」
「そうだね、ルインにまた黙って旅に出るんだね、僕は」
「そのようだな」
「おーいー!!!」
「もう、思い残すことはないよ、クロノス、お願いね」
「やっとか…足元に気をつけろよ」

クロノスが魔法のスクロールを読み始める…
その間ユリノは、出来る限り、ウィンダスの風景を見入っていた。
「デジョン�供�」
ユリノを黒い魔法の渦が吸い込む…
最後に大粒の涙をこぼして呟いた。
「さようなら…ウィンダス、また戻る日まで」

こうして赤魔導師の少年は、今度こそウィンダスを旅立った。

746 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:31 [ bd5cwGjQ ]
〜翌朝、ユリノのモグハウス〜

ルイン達が目覚めた頃には、元気に調理をしている少年の姿はなかった。
そのかわりテーブルの上に、朝食のオムレツと手紙が置いてあった。

拝啓、ルイン達へ
黙って出て行くことを許してください。
どうしても、自分の手で見つけ出したいの。
わがままなのはわかってる、でも僕がわがままを言うのは、
これが初めてでしょ?

だから、一回ぐらい大目に見てね。
それじゃ、またね。

敬具 ユリノ

追記
向こうでも、会えるといいね。

747 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:44 [ bd5cwGjQ ]
「なんで…どうしてなの?ユリノくん…」
いつもは笑顔のサニーも、さすがにこれには驚きを隠せない。
「ねぇ、早く連れ戻そう!このままじゃユリノくん…
 あの有名な…」
「サニー!」
「あ…」
ジェイドの一言で、黙り込むサニー。
ルインにはどういうことなのか理解できていなかった。

「あいつが、あんなやつに間違われるわけがないだろう…」
「う、うん、そうだね」
「とにかく、俺達も出発だ」
冷や汗をかくジェイド。
昨日のあの冷静さが感じられなかった。
ルインはそんなジェイドに尋ねた。

「あんなやつって…?」
「…それは」
口ごもるジェイド、そのジェイドの代わりにサニーが答えた。

「それは…




 大量殺戮者だよ」

748 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:54 [ bd5cwGjQ ]
そういうとサニーは、写真を取り出して、ルインに手渡した。
その写真に写る姿は…

戦士AFを身にまとう1人の少年。
その周りには、大量の獣人と人間の死体。
両手には血まみれの斧をぶら下げている。

顔はというと…ユリノと瓜二つだった。
瞳が血のように赤い色をしていることを除いては…
「違う…こんなのユリノじゃない!」
あまりの残酷さに腰を抜かすルイン。
ジェイドがまた淡々と進める。
「こいつの名はルイーズ・ハートレス。仮名らしいが腕は確かな戦士だ」
「ジェイドくんがユリノくんを連れて行きたがらなかったのは、
 この戦士が原因なの」
「こいつ、何かやらかしたのか?」
「ああ、暴走して、アライアンスの人間を全員斧で切り殺したらしい」
「それで、今は行方不明中なの」
「そうなのか…」
「ユリノを連れ戻そう。なるべく早くだ」

彼らの旅たちの朝は、あまりにも深刻な状況だった。

第五話に続く…

749 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/19(金) 17:57 [ bd5cwGjQ ]
お知らせ
これからのこの物語は、2つのパートに分かれて行きます。
1つ目は、ユリノの章、
2つ目は、ルインの章です。

そのことを踏まえての上、よろしくお願いします。

750 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 20:04 [ NDnNVtkU ]
空に奏でる読みました〜
ビアナナたんにもっと喋ってほしいです。
恋する娘っぷりも描写してほしい〜

でもバラド渋くてたまらんです。

751 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:24 [ rMZ8KKZg ]
The starlit sky on rain

雨の日は、雲の上に星があるんだよ。

たまたま、彼は、ソムログから、ギデアス、オズトロヤへの巡礼の旅をしている最中だった。
腰に大ぶりの大刀を下げたきりの姿で、悠然と歩みながら、現人神へ祈りをささげる。ヤグードである彼にとって、
至福のひとつとも言える巡礼の旅だ。
彼が、サルタバルタへと足を踏み入れ、目的地であるギデアスまであとわずかというところで、その幸福な旅に、
異変が起きた。
何か小さなものが、力いっぱい向う脛に突進してきた。
しかし、強靭な彼の足にぶつかったものは、「ふぎゃ」とか何とか声を上げて、バウンドするようにころりと後ろに転
がって草むらへと消えた。彼の足は、その衝撃にもびくともしないが、あまりの勢いのよさに、彼は思わず祈りを中
断して視線を落とした。
草むらに転がった気配から察するに、随分と小さい。冒険者どもから逃げ出した、マンドラゴラの子供だろうか。
彼は、その小さな者を確認しようと、もぞもぞと動く草むらをかき分けた。
ひょい、と顔を出したものと、彼の視線がぴったりと合う。

752 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:25 [ rMZ8KKZg ]
>>751 続き

……タルタルだ。
しかも、随分と幼い。
こぼれるような薄茶の瞳で、彼の鋭い瞳を見詰めている。
彼は、刀の柄に手を掛けた。
タルタルとヤグードは、確かに協定関係にある。しかし、それは表面上だけの協定だ。タルタルたちは、ヤグードを
相変わらず狩り続けているし、ヤグードは、タルタルあろうがそれ以外の種族だろうが、関係なく『宗教活動』を行っ
ていた。
当然、彼もその例外ではない。
腰の大刀は、何人もの人間の血を吸っている。それが今更一人増えたところで、困りもしない。
鯉口を切ろうとしたとき、タルタルの少女の顔が、ふにゃりと崩れた。ここで、大声で泣かれては、まずいことになる
。人間どもの連帯感は獣人のそれよりも強い。他の種族が襲われていても、獣人は基本的に不可侵だが、人間ど
もは種族には関係なく徒党を組み、獣人に襲いかかってくる。しかも、人間の命が危機にさらされると知るや、どこ
からともなく冒険者が駆けつけてくる。彼は、一人や二人の冒険者であるのなら遅れを取らない自信があるが、さす
がに数の暴力に対しては、その自信も引っ込めざるを得ない。

753 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:26 [ rMZ8KKZg ]
>>752 続き

大声を出される前に、斬り捨てよう。
そう思って刀を抜きかけたとき、彼は、タルタルの少女の表情に違和感を覚えた。
もしかして、このタルタルは笑っているのではないだろうか?
何度も確認したが、確かに、まじまじと見詰める彼に向かって、タルタルは笑っている。恐怖のあまりおかしくなっ
たとか、そう言うことではなく、本当に人懐っこい笑顔を浮かべているのだ。
「……よかったぁ、ひとがいたー」
舌っ足らずの言葉は、本当にほっとしているようだ。
小さな暖かな手が、彼の立派な黒い羽根をぎゅうっと握り締める。
恐れも何もない、むしろ、頼り切って縋りつくそんな小さな手だった。

754 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:30 [ rMZ8KKZg ]
>>753 続き

「あたしね、はじめてそとにでたんだ」
雨宿りに駆け込んだ岩陰で、髪を二つに結い上げたタルタルの少女は、何が嬉しいのかはしゃいだ声でそう言った。
「ままが、ぜったいもんのそとにでちゃいけませんって、もんのおそとはこわいからって」
聞けば、さもありなんというところだろう。外に出たことがなければ、獣人という存在がどんな姿をしているかなど知
りようもないし、まして、目の前に座っている男が、ヤグードという獣人であることも、同族を何人も殺めてきたことさ
えも、想像できないのだろう。
タルタルの少女は、ただ、頼りきれる大人として、彼を見ているのだ。
さて、どうしたものか。彼は、考えた。
このタルタルの少女を殺すことは、容易いことだ。母親も、子供が一人でウィンダスから出たことを知れば、諦めざ
るを得ないだろう。こんなサルタバルタのはずれまで、魔法もろくすっぽ使えないようなタルタルの子供が、一人で
無傷で来たことの方が、いっそ奇跡に近い。
彼は、思案深げに首を傾げる。

755 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:31 [ rMZ8KKZg ]
>>754 続き

遠くに、ゴブリンの焚き火の明かりが見える。雨のせいで判らなかったが、気がつけば、辺りはすっかり夜になって
しまっていた。
夜になってしまえば、ヤグードである彼は、ほとんど目が利かなくなってしまう。
いや、たとえ目が利かなくなったとしても、このタルタルの少女を手に掛けること自体は、特に苦もなくできる。こん
なに小さければ、抵抗など物の数ではないだろうし、よしんば彼の手から逃げ出したとしても、辿り着いた時と同じ
奇跡が起こるとは、到底思えない。
いずれ、このタルタルは死ぬのだ。
遅いか早いか、彼が命を奪うかそうでないかの違いだけだ。
なら、安心している今のうちに始末してやるのが、情というものではないだろうか。
先ほどから、刀を握っている手の指先が、無意識にタイミングを計るように大刀の鍔を弾いている。
さて、どうしたものか。
もう一度同じように、口腔で呟いた。ためらう必要も、同じ問いを何度も繰り返す必要もないはずだ。
最初に手を下せなかった時点で、なんとなく機会を逃しつづけてきたが、行動に起こすにあたって、それといった問
題はない。

756 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:33 [ rMZ8KKZg ]
>>755 続き

「ねえ、とりさんは、空をとべるの?」
刀を抜こうとした瞬間、そんな声を掛けられて、彼は、思わず手を止めてしまった。また、なんとなく、というどうにも
曖昧な感覚で機会を逃してしまったようだ。
タルタルの少女は、まさか自分が声を掛けるのが、あと数秒遅かったなら斬り捨てられていたなどということは、想
像もしていないような顔で、彼の答えを待っている。
「我々は、空を飛ばない」
短く、彼はそう応えていた。
タルタルの少女は、ぱちくりとその、薄茶色の瞳で、彼を不思議そうに見上げていた。
タルタルにいわせれば、黒く大きな翼を持った彼が、空を飛ばないということが、随分と奇妙に見えたのだろう。
ヤグードは、その教義により、人前で飛ぶことを禁じている。ごく一部の伝令役を除いて、ほとんどのヤグードが地
上で生涯を終える。彼もまた、その例外ではない。
「ふうん。じゃあ、あのくもの上って、みたことない?」
「ない」
短く、淡々とした返答。
「雨がふっていてもね、くもの上にはお星さまがあるんだって。ままが、おしえてくれたの。とりさんしってる?」

757 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:34 [ rMZ8KKZg ]
>>756 続き

ヤグードは空を飛ばないのだから、知識として知っていたとしても、雨雲の上の星空などみたことがない。いや、そ
れ以前に、飛べたとしても雨雲の上になど出られようはずもないのだが。
「知らないな。空を飛ばないのだから。」
「どうして飛ばないの?」
「そういう決まりだからだ」
それ以上でもそれ以下でもない、と、短い言葉で答えて、彼は軽く目を閉じた。
タルタルの少女は、よく判らないという顔で彼を見つめていた。彼は、ほかに言いようもないので、至極まじめな顔
で、説明をした。
「我々の一族では、人前で飛ぶことが失礼にあたる。地上において拝しそれをもって礼とするからだ」
いくら、人間どもの中でも、高い知性を誇るタルタルでも、こんなに小さければ、彼の言葉の半分も理解できなかっ
ただろう。一生懸命首を捻っているが、彼女が理解できたのは、せいぜい彼が空を飛ばないという事実くらいだろう。
まあ、考えている間、このタルタルも静かだろうと、彼は、薄く目を閉じた。
サルタバルタに、彼を脅かすような生き物はいない。冒険者が通りすがったりするかもしれないが、別に問題とも思
っていなかった。

758 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:36 [ rMZ8KKZg ]
>>757 続き

タルタルの少女を、殺すのではなかったのか?
自問するが、回答は出なかった。
ただ、薄く目を閉じたまま、雨音を聞き心の静謐を保つ。これもまた、修練のひとつだ。
どれだけそうしていただろうか。ふと、タルタルの少女の気配が変わっていることに気づいた。
目をあけると、タルタルの少女は、地面にころりと転がって、うとうとし始めているではないか。
岩陰に隠れているおかげで、地面は濡れてはいないがすっかり冷えてしまっている。そんなところで横になれば、
弱いタルタルの子供は体調を崩すどころか、命にかかわる状況に追いこまれかねない。
彼は、タルタルの少女の服に鉤爪を引っ掛けて軽く揺すった。
しかし、彼女はうにゃうにゃと言葉にもならない声をあげるだけで、目を覚まそうとはしない。まあ、一人でこんなと
ころに来てしまって、疲れ切っているのだろう。仕方がないとは思うが、そういう問題でもない。
彼は、なぜ自分が困惑しているのか、極力考えないようにしながら、少女に声をかけた。

759 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:37 [ rMZ8KKZg ]
>>758 続き

「おい、眠るな。風邪をひく」
随分と、人間的な常識を説く言葉を吐いたが、タルタルの少女は、むーと不機嫌そうに唸るだけだ。
参ったなと、彼が誰にともなく呟いた時、タルタルの少女は、唐突に起きあがった。
目を覚ましたか?と、彼が声をかけようとしたが、その前にタルタルの少女は、ふらふらと彼に歩み寄った。
なんだか、手も出せず様子を見守る彼の懐に、タルタルの少女は、ごそりと潜り込む。
黒い艶やかな羽毛に顔を埋めると、また、安心したように目を閉じた。
どうやら、このタルタルの少女は、寒さに耐えかねて、身近な温もりである彼に縋り付いたらしい。丁度、彼の体は
羽毛に覆われていて、体も大きい。彼がヤグードであることを理解してない少女にとって、かっこうの暖房だ。
そこで彼は、うろたえた。いくらタイミングを逃し続けているとはいっても、彼女を殺す気でいることに変わりはない。
こんな風に無邪気に擦り寄られては、困る。
「こら、くっつくな…」
言い掛けた彼に、タルタルの少女は目をぼんやりとあける。ヤグードを見上げて、彼女は、にっこりと微笑んだ。

760 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:38 [ rMZ8KKZg ]
>>759 続き

「とりさん、こんどいっしょにくものうえのお星さまをみにいこうねぇ」
やくそくだよ。
彼は、言葉を失ってタルタルの少女の顔を見つめた。タルタルの少女は、そんな彼を見つめていたが、返答がない
のを特に気にした風もなく、また、安心しきったように寝息を立て始めた。
ああ、これはもうだめだ。
彼は、内心で溜息をつく。すっかり毒気を抜かれてしまった。断じてこのタルタルの少女に情が移ったわけではな
いが、もう、殺す気は失せてしまっていた。
日が昇ったら、ウィンダスに返そう。
冒険者や、衛兵に見つかる前に、そっと門のそばに返してくればいい。こそこそするような真似は好まないが、そん
なこともいっていられないだろう。数の暴力だけは、勘弁願いたい。
このタルタルの少女が、長じて冒険者になれば、多くの同胞が彼女の手にかかるかもしれない。
ウィンダスから、一生外に出ないで生きていてくれれば、それでいいが、そうでなければ、いつの日か、彼の前に、
獣人に対抗するものとして立つのだろう。

761 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:39 [ rMZ8KKZg ]
>>760 続き

その時になったら、責任を持って彼女を屠ればいい。
今日、この時に彼女の命を奪わなかったことを後悔しながら、彼女の命を断てばいい。
そんな日がこなければいいのだが。
獣人であるヤグードが、救ったタルタルの命が、無駄にならなければそのほうがありがたい。
無駄なことしていることを自覚しつつも、彼はそんなことを考えながら、手の中の小さな小さな温もりを出来るだけ
傷つけないように包み込み、日が昇るのを待った。
雨雲の上の、星空を思いながら。

762 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:41 [ rMZ8KKZg ]
>>761 続き

目の前に、タルタルの黒魔道士が横たわっている。ヤグードの大刀に、脇腹を斬られて、大量の血を流していた。
吐き出した血が、気管に詰まっているのだろう。ごろごろという不快な音が、笛のような呼吸音に混ざって聞こえてく
る。
すでに瀕死のタルタルを見下ろしているのは、長身で大刀をぶら下げた、こちらも満身創痍のヤグードだった。
彼は、このタルタルに見覚えがあった。
あの日と同じように二つに結い上げた髪。何年か経ったつのに、さして面差しが変わらない顔。
巡礼の最中に、気紛れのように命を救ったタルタルの少女だ。
夕闇に沈んでいて、ヤグードの彼にはぱっと見判らなかったが、判っていたからといって、多分、見逃しはしなかっ
ただろう。彼は、残念だとは思っても、なんとなく、そんな予感がしていたからだ。
「なぜ、あのまま幸せにならなかった」

763 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:42 [ rMZ8KKZg ]
>>762 続き

しかし、彼はせり上がってくる問いを口にした。答えが、あるはずもない。彼女は、彼の言葉を聞いているのかすら
判らない。
これ以上、苦しめるのは忍びない。これも、運命というやつだ。彼の信じる神が造ったのか、アルタナとかいう女神
が造ったのかは、判らないが。
彼は、大刀を振り上げた。せめて、この一撃で彼女の命を奪えるようにと。
だが、彼の刀は振り下ろされることはなかった。
あの日の温もりが、ほんの一瞬彼を鈍らせた。
時間にしたら、数秒に満たない出来事だろう。たった数秒。しかし、生死を分かつには十分な数秒。
タルタルの魔道士に切っ先が届く直前、背後から、彼を斬りつける者があった。
振り返れば、一人のヒュームの青年が、彼に向かって両手持ちの剣を構えている。
「その娘を放せ!」
ヒュームは、彼から見れば、さして強くもない騎士だった。普段だったら、ほんの数分で片付けられるくらい、脆弱な。
しかし、今はそうは行かない。タルタルの魔道士に、散々痛めつけられた後だった。

764 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:43 [ rMZ8KKZg ]
>>763 続き

結局、彼は、ヒュームの騎士にあと少しのところで斬り伏せられた。
地面に倒れ付して、彼は、ヒュームの騎士の回復魔法を受けるタルタルの黒魔道士を見ていた。ヒュームの騎士
も、随分な有様だったが、自分よりも黒魔道士の回復を優先しているようだ。
視界が、急速に、暗く、狭くなっていく。
更けていく夜のせいか、それとも、命が失われているせいなのか。
もはや、彼に痛みはなかった。ただ、ぼんやりと回復魔法の明かりが、彼女を照らしているのが見える。あとは、自
分の喘鳴だけが、妙に耳障りに空回りしている音が聞こえていた。
ふと、耳障りな自分の荒い息の間に、足音が聞こえて彼は視線を上げた。たとえ緩慢な仕草でも、視線を自分の
意思であげることが出来たのが、奇妙だった。
見上げた先には、タルタルの薄茶色の瞳。
タルタルの薄茶の瞳から、涙が零れ落ちた。
どんな感情が浮かんでいるかなど、彼には、窺い知ることも出来ない。

765 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:45 [ rMZ8KKZg ]
>>764 続き

タルタルは、彼がかつて命を救ったヤグードであることなど、知る由もない。彼女は幼かったし、ウィンダスに届けた
とき、誰にも姿を見せることなく、彼は立ち去ったのだから。
よしんば、彼女がヤグードに助けられた事を知っていたとしても、人間は獣人の個体差を見分ける能力に乏しい。
彼が、件のヤグードであると彼女が思い当たるの可能性は、ほぼ0に等しい。
その涙は、きっと、懐かしさでも、悲しみでもない。
それがなんなのか、彼には判らなかった。
いや、正しく言えば、それが涙であることさえ、彼には判らなかった。暖かく顔に落ちてくる雫は、彼にとっては雨の
ようなものだった。
視界が、さらに暗くなる。
もはや、彼に見えるのは、星の小さな明かりだけ。

766 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/19(金) 23:46 [ rMZ8KKZg ]
>>765 続き

彼は、星を見上げながら、雨に打たれている。まるで、雨雲の上を覗いたようだった。
戒律によって禁じられているため、ほとんどのヤグードはその生涯を通じて、空を飛ぶことはなく、彼もまた、その
例外ではない。
最期に見た光景は、ヤグードが、見ることのない世界。
彼女との約束が、果たされた。
願わくば、彼女が、この光景の意味を知ってくれればいい。
そんな戯言めいた有り得ない願いを最期に、彼の意識は、緩やかに消失していった。

おわり

767 名前: 751-766 投稿日: 2003/09/19(金) 23:48 [ rMZ8KKZg ]
長々と暗い話でごめんなさい。
続き物でない投稿がしてみたかったのです。
お目汚し様でした(・ω・)

768 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 01:55 [ xcZiJSwY ]
>>767
GJ

769 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 02:05 [ zBRKl5LA ]
読み終わりに唸ってしまいました。
大変丁寧に書いてあって面白かったです。多謝。
 
/clap >>767

770 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 07:24 [ C1smagng ]
>>767
良かった
すごく良かったです。

771 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 09:16 [ cRW6BTaI ]
>>767
グッジョブ
ヤグたん殺すのためらうようになりそうです。
ヤグ羽根どうやって入手しよか…

772 名前: 771 投稿日: 2003/09/20(土) 09:17 [ cRW6BTaI ]
最悪だ…あげちまったよ。
皆、マターリ板住人が寝る時にageるスレ に行った後は要注意だぞ。
逝ってキマース

773 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 11:35 [ Y14I77RM ]
うぅ・゚・(ノД`)・゚・。
すっごいいい話でした!
ヤグタン・・・アンタカッコイイよ・・・

774 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 11:46 [ 6ek3Ejxs ]
>>767
良かった(´・ω・`)

775 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 12:36 [ CjVjbi8s ]
>>767
かなりよかった。
あんた最高だよ・・・

776 名前: ロランべりー 投稿日: 2003/09/20(土) 13:09 [ cRW6BTaI ]
ロランベリー耕地

ヒューム族やエルヴァーン族に好まれる、
果実ロランベリーを栽培している果樹園が多く見られる耕地。
微妙に高さに差をつけ段々畑になっているのが特徴である。
地図を見てわかるように二人の人物によって管理されている。

まぁ、オイラにとっちゃそんなことはどーだっていいんだけどね。
オイラはただただ与えられた仕事をこなすだけだ。
オイラの仕事ってのはロランベリーを盗もうとするゴブリンや、
作物を荒らすクゥダフを追い払ったり、熟した果実を回収する事なんだ。
簡単そうにみえるけど、結構めんどくさい仕事なんだよね、わかる?
ゴブリンやクゥダフって連中はオークに比べれば凄く頭もいいし、
行商をしてるゴブリンを、盗人のゴブリンに間違えて酷い剣幕で怒られたり…
無駄に果樹園が広かったり…

777 名前: ロランべりー 投稿日: 2003/09/20(土) 13:10 [ cRW6BTaI ]
ほかに仕事を見つけたいんだけど、見つける前にスカウトされちゃうのさ。
断れば良いって?
それがさ、断ると怖そうなんだもん。
ハゲているうえに、刺青まで掘っていて、チョコボだって酷くおびえていたんだ。
こんな誘い断ったらどんな目に遭わされるか…絶対酷い事されちゃうんだ。
おっと…こんな事考えてる暇なんてなかったんだ。
早く熟したロランベリーを回収しておかないと、また怒られちゃう。
…‥でも、面倒くさくなってきちゃったな…今日位さぼっちゃお。

778 名前: ロランべりー 投稿日: 2003/09/20(土) 13:11 [ cRW6BTaI ]
約1時間後
「あの野郎またさぼってやがる、いっちょ締めてやるか」
男がハゲな頭を真っ赤にしてチョコボから降りる。
青い刺青と赤くなった地肌が異も言わせぬ恐怖を駆り立てている。
「オイ、ボブ、ちゃんと働かねぇか!」
ドスのきいた声で男は叫ぶ!!

/ja あやつる → Goobue Farmer

「本当にキサマはしょうがねぇやつだな、1日目を離すとこうだからな」
男、Dietmundがハゲている頭を真っ赤にして湯気をだしつつ
ボブと呼ばれたGoobue Farmerを怒鳴る。
「ごごごごご、ごめんなさい、ちゃんと仕事するからお仕置きはしないで」
「いいや、許さねぇ、テメェが仕事に身が入るように根性いれてやるわ」
すっかり萎縮したボブと、怒りで我を忘れているDietmund
「おら、しっかり根性いれてもらってこい!」
叫ぶと同時にボブに命令する。

779 名前: ロランべりー 投稿日: 2003/09/20(土) 13:13 [ cRW6BTaI ]
/ja たたかえ → 通りすがりの冒険者

「いやぁぁあああぁあぁぁぁあああ…」
ボブの悲しい悲鳴が辺りにこだまする。
通りすがりの冒険者は手慣れたようにGoobue Farmmerを一蹴すると
「苔ゲッチュ♪」
といってトンズラしていった…

ほらね、オイラのご主人怖いんだよ。
スカウトするときも赤と青の怖い顔して誘ってくるし、
もし断ったりしたら、右手に光る片手斧で襲ってくるんだもの。
「いつまで寝てるんだ、さっさと収穫しねぇか!」
「は、はーい、今すぐ!」
ごめんね、今日のお話はココまでみたい。
今日中に仕上げないと、次何されるかわかったもんじゃないから!

Dietmundは働いているボブに一瞥すると、チョコボが待っている場所に向かった
が…
「いねぇ、あの野郎逃げやがったな!とっちめてやる」
と言うと常人の速さとは思えない、先ほどのシーフを同じ位、
いや、それ以上の速さで駆け抜けていった。

お終い → そのままチョコボ取得クエに続く

780 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 15:23 [ inyb8yw6 ]
>767
GJ! (o^-')b
情景が目に浮かぶようでした
絵心があればなぁ…(´・ω・`)

>776
いいね
「苔ゲッチュ♪」 ワロタw

781 名前: 767 投稿日: 2003/09/20(土) 18:41 [ mewCmj6Y ]
GJがいただけてよかった・゚・(ノД`)・゚・
皆さん、ありがとうございました…。

782 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 20:28 [ PynLzv0I ]
ミスラ譚はどこいったァァァ( ゚Д゚)

783 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 20:29 [ 3w5nm6KA ]
>>776
面白かった。この手の小ネタもっとキボンヌ。
ただ、最近沼で苔集めしてる漏れにはちょと堪えた(´・ω・`)ゴメンヨゥ

784 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/20(土) 22:08 [ v2fNmrHk ]
ゲッチュ♪

785 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 02:22 [ bd5cwGjQ ]
ユリノの章 第5話 赤眼の悪魔

〜ジュノ ル・ルデの庭〜

もう夜だというのに、あらゆるシャウトが鳴り止まないル・ルデの庭。
そんな庭のモグハウス入り口に、ぱっと姿を現すユリノ。
その後に、双子の魔導師のアッシュとクロノスもつづく。

「さて…これからどうしようか?」
眠気に耐えられないような顔で尋ねるユリノ。
「まずは…情報収集だな」
そういうと、ペンと大量の羊皮紙を鞄から取り出すアッシュ。
顔絵を描いてビラとして配るつもりなのだろう。

「コルトのSSはないか?」
「ああ、あるよ、集合写真でいい?」
「それで十分」

アッシュはコルトの写ったSSを手に、黙々と書き始めた。
それをじっと見つめるユリノ。

そして…既にレンタルハウスを借りたクロノスが2人に声をかける。
「あのさ…寝ないの?」
「うん、まだ大丈夫」
「クロノスは寝てていいぞ」
「あっそ…んじゃ、お言葉に甘えて…」

レンタルハウスに1人入って行くクロノス。
アッシュの地道な模写は、深夜遅くまで続いた…

786 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 02:39 [ bd5cwGjQ ]
翌朝…

「こんなの聞いてねーぞ…」
不満気な顔で朝のジュノを歩き回るクロノス。
上層からは、ジュノの名物とも言えよう時計台の鐘が鳴っている。

「こんな朝っぱらから働かせるなんて…」
その口から発せられる言葉は文句ばかり。
その手には大量の顔絵が抱えられている。

事の始まりは数分前…

「はい、よろしくね」
エプロン姿のユリノからクロノスへ、
何十枚とも思われる量の顔絵が手渡された。
「それじゃ、これを街の人に配ってきてね。
 サボったらご飯抜きってアッシュが言ってたよ」

「ホント、人使いの荒いアニキだよ…」
今の時刻は7時、
こんな時間には早起きの老人くらいしか歩き回っていない。
そんななかで、何十枚の紙を配るなんて至難の業だ。

諦め顔の彼に、1人の戦士が声をかけた。

787 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 02:54 [ bd5cwGjQ ]
「すいません」

遠慮がちな声で戦士は尋ねてきた。
クロノスも愛想のない返事を返す。

「なーに?」
「僕、戦士なんですけど」
「うん、戦士のAF着てるからね」
「そちらのPTに入れていただけますか?」
「えー?」
眠い目を擦りながら、戦士の顔を覗き込むクロノス。
戦士は話を続ける。
「一応僕、強いほうですから、迷惑はかけないと思います」
「…え?」
クロノスは一瞬目を疑った。
目の前にいる戦士の顔は、あまりにもユリノに似ていたから。

眼の色が赤いことを除いて…
「どうかしましたか?」
首をかしげて尋ねる戦士。

そして、向こうから聞こえてくる多勢の足音…
その音につられて見ると、侍達がこちらを見て走ってくる。

「あ、見つかった」
戦士はそう言うと、ため息をついた。

788 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 03:13 [ bd5cwGjQ ]
「あーあ、うまく撒いたと思ったのに」
「見たところ、6人の侍PTか」

鞄からサーモンサンドを取り出し、もくもくとほうばる戦士。
それを見て、呆れ顔で尋ねるクロノス。
「あんた…何かやらかしたのか?」
「お仕事終わらせただけですよ」
「へぇ、何の仕事?」
「多分知らないほうがいいかも」
「あ…そう」
「どこか隠れる場所知りませんか?」
「わりぃ、オイラジュノの人間じゃないから知らない」
「そっかぁ」

ほのぼのとしたペースの会話。
そんな会話に水をさすように入ってきたのは、
戦士を追ってここまでやってきた、侍達の声だった。

789 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 03:39 [ bd5cwGjQ ]
「止まれ!そこの戦士!」
「素直に止まれば楽に殺してやる」

(おやおや…最初から殺す気かよ…終わったな、この戦士)
そんなことを思いながら、てくてくと下層に向かおうとするクロノス。
しかし、そんな彼に戦士からに思いがけない言葉が飛んできた。

「仕方ないや…黒魔さん、片付けちゃお」

は?

「何!そいつも仲間か!?」

え?

「その黒魔も殺せ。賞金が増えるかもしれん」

はぁ?

にやりと微笑む戦士。
「さ、範囲魔法でぶっ飛ばしてよ」
「マジかよ…」

しかしこのままだと自分も危ないのは確かな話。
渋々と魔法を唱えるクロノス。

「ストンガ�掘�」

目の前に続々と飛び出す大岩を、
侍達へ目掛け放つクロノス。
そして、次々と聞こえてくる叫び声。
(死なない程度の魔力に抑えてるから、心配ないか)
あたりに立ち込める砂埃の横で、拍手を贈る戦士の姿が。

「ありがとう、助かったよ」
戦士は一言言うと、軽くお辞儀をした。

790 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 03:53 [ bd5cwGjQ ]
〜ジュノのレンタルハウス〜

「クロノス、遅いね」
たくさんの食器を運びながら、アッシュに話しかけるユリノ。
「どうせ、どこかで寝てるんだろ」
アッシュがベットから転げ落ちながらそう言った。
彼の目の下のは、くっきりとしたくまが見える。
「そうかな…たまには真面目にしてくれると思うけど…」
「あいつの真面目は当てにならない」
「そぉですか」

ドゴォォォン………

外から聞こえる騒音、
崩れ落ちる食器の山、
そして、大きく揺れるハウス…
ガシャーンという音を立てて、食器が次々と割れて行く。

「な、何…!?」
割れた食器を見つめて呟くユリノ。
その間、アッシュはプライドスタッフを持ち、
ドアの前で構えている。
「外からだな、行こう」
ユリノはうなずくと、ホーネットフルーレを持ち、外へと走っていった。

791 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 04:28 [ bd5cwGjQ ]
一方、ジュノ上層では…

例の戦士がクロノスと楽しげに話していた。
「ボクの名前はルイーズ、よろしくね」
「はいはい、んで、なんで追われてんの?」
「そんなに知りたい?」
「知りたくなかったら聞かねーよ」
「それもそうだね」
「ほら、助けてやったんだから」
「………僕ね、殺人犯になってるの」
「……なんで?」
「僕、獣人に襲われてるアライアンスを見つけたの。
 で、見たところ苦戦気味だったから助けてあげようかなと思ってね。
 でも、結局助けられなくてね…」
「ふーん…」
「それを別の誰かに見られてたらしくて、
 今じゃアライアンスを全滅させちゃった、通称「赤眼の悪魔」
 高い賞金をつけられて、現在逃亡中ってわけ」
「そーなのか…」
「キミに見込んでお願いがあるんだ」
「ん?」

「お願い…



 
 僕をかくまって」

792 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/21(日) 04:33 [ bd5cwGjQ ]
…ユリノの章 第5話はこれにて終了です。

この物語はとりあえず、ユリノの章とルインの章を、
交互に進めて行きます。

ですから、次に書き込むのはルインの章 第5話です。
それでは、これからも「友の影を追って」をよろしくお願いします。

793 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/22(月) 19:16 [ p4AYrq/I ]
タル戦コナイノカナ・・・

794 名前: 1/3 投稿日: 2003/09/23(火) 03:25 [ omZjwKcU ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

「秋分にゃ!秋分にゃ!」
「くす。」

「学校がお休みでうれしいにゃ!」
「うん。いっぱい遊べるね。」

「それに御萩が食べられるから楽しみなのにゃ!」
「くすくす。」

「でも、なんで秋分だと、御萩が食べられるのかにゃ?」
「あ、それはね・・・。」

『恐怖秋分』って、知ってる?
秋分の日にどこからともなく不気味な足音が聞こえてくるの・・・。

795 名前: 2/3 投稿日: 2003/09/23(火) 03:26 [ omZjwKcU ]
その足音の主が「秋分で〜す!」の声と共に配達している新聞、
それが『恐怖秋分』・・・。
その新聞には、これから起こる不幸な出来事が書かれていて、
新聞を読むと寿命が百日縮まるの・・・。
そして、新聞にとり憑かれたが最後、
命が尽きるまで新聞を読まされるそうなの・・・。

「うにゃ〜!それ、ホントにゃ?」
「うん。そしてその新聞の呪縛から逃れるたった一つの方法、
それが御萩を食べることなの・・・。
だから私、もう御萩、食べてきたんだけど・・・。」

「にゃ!アタシ、まだ御萩、食べてないにゃ!」
「嘘?!大変、早く食べたほうがいいよぉ!」

「にゃ。怖いにゃ。どうしようかにゃ。」
「くす。くすくす。」

「にゃ?!なんで笑ってるのにゃ?!」
「あはは。ごめんね。あ〜えっと〜『恐怖秋分』っていうのは、嘘。」

796 名前: 3/3 投稿日: 2003/09/23(火) 03:27 [ omZjwKcU ]
「にゃー!騙したのにゃ!ひどいにゃ!」
「ごめん、ごめん。くすくす。」

「にゃ!」
「ごめんね。秋分は彼岸とも言って、ご先祖様を敬う日なの。
だからお墓参りをしたり、秋の季節の花『萩』に
見立てて御萩を作ってお供え物にするの。だから、秋分には御萩なの。」

「にゃ?今度こそ、ホントにゃ?」
「うん。」

にゅぅにゅぅ。
もう、なにがホントでウソなのか、わからないにゃ。

「もうイイにゃ!とにかく御萩、食べれればイイのにゃ!」
「あ、御萩といえば・・・。」

「もうお腹いっぱいにゃ!」

797 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/23(火) 11:49 [ rf.BxHFM ]
おはぎか・・俺はおはぎよりヤキイモのが秋分って感じがする

798 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 01:38 [ Vkkcw.iE ]
タルタル戦士は夢を見る 第五十話 魂名

「戦況は芳しくない。クゥダフの軍勢は既に北グスタベルグを突破し、目と鼻の先まで来ている。
 これから始まる戦いは厳しいものとなるだろう。諸君らには一人のバストゥークの民として、
 ガルカの一人として、そして同じアルタナの女神の子として感謝している」 
ロック・ハンズは静かに冒険者達に向かって一礼した。
「…早速だが作戦の説明を行わせてもらおう。
 とはいったものの、集団戦闘に慣れてない諸君らに命令をするのは好ましくない。
 その方が諸君らもやりやすいと思う。そこで、だ」
…集団から遠く離れたところに、槍を背負ったタルタルと、両手剣を背負ったミスラがいる。
「へぇ…あのガルカ、分かってるじゃないのさ。軍人って頭が固い人ばかりじゃないんだね」
「ああ、バストゥークって国は複雑みたいだしな、そーいう風な国で軍人やってりゃ、
 あーいう風になるみたいだな」
「…まぁ、それって結局上の人間が無能って事なのかしらねぇ?」
「ストレートに言うと、そういうことだね、あのロック・ハンズってガルカは苦労してそうだね」

799 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 01:39 [ Vkkcw.iE ]
作戦はこうだった。開門と同時に、まずはダルバック率いるアライアンスが突撃を仕掛ける。
このメンバーは冒険者の中でも選りすぐりの経験多き者達で編成されており、
いかなる状況下でも決して崩れる事は無い、強固な集団、いわば戦闘のエキスパートだった。
その後に続き、魔道士中心で編成された部隊が出撃し、後方から援護を行う。
それ以外の冒険者は各自の判断で門を守りつつ、獣人を各個撃破。
つまりは、基本的には好き勝手にやれ、というものだが、この場合においてはそれが
最も機能する作戦だとダルバックは考えたのだ。何よりそれに反対する冒険者はいなかった。
「あたしにいきなりナントカ隊長式戦術ってやらを押し付けられても、困るからねぇ」
「ああ、僕もこういうのは初めてだ。好き勝手にやらせてくれた方が助かる」
作戦の説明が終わると、冒険者達はそれぞれ準備を整え、ゲートの前に整列している。
開門の役目を担う新米ガードの銃士隊の元に、ロック・ハンズは歩み寄りこう言った。
「我々が出陣したら、すぐに門を閉めろ」
「しかし、ロック・ハンズ様…」
と、言い出した所で、ロック・ハンズはニヤリと笑ってこう言った。

800 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 01:40 [ Vkkcw.iE ]
「悪いがな、その名前は今しがた捨ててしまったよ」
「え?それは一体…?」
「お前も知っているだろう?我々ガルカには二つの名前がある。一つは、ヒュームが
 呼びやすいように付けられた名前…そう、ロック・ハンズだな」
そう言って、ロック・ハンズと名乗っていたガルカは首にあるミスリル章を外し、新米ガードに手渡した。

「このミスリル章はな」

きょとんとしている新米ガードの手のひらの上にあるミスリル章をちょんちょんと
太い指でつつきながら、ガルカは続ける。

「名誉の証というヤツだがな…だが、覚えておくがいい。果たして、名誉にどれ程の価値があるか…
 いつかお前も手柄を立てればコイツと同じ物を与えられる日が来るだろう。
 しかして、よく考えるがいい。その重さに見合った”価値”はあるのか、とな」

801 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 01:42 [ AECef93I ]
これは・・・??i1ii━━━━━━(。A。)━━━━━━タキ

802 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 01:42 [ Vkkcw.iE ]
ガルカは叫んだ。今まで以上に大きな声で。それは、その場にいる冒険者達全員に耳に響き渡った。

「ロック・ハンズというガルカは死んだ!」

「俺はダルバック。ガルカ族の戦士だ!今我々に必要なのは名誉でも地位でもない、
 力無き者を守る事、そして、生き残る事だ!」

ダルバックは剣を掲げた。丁度顔を見せはじめた太陽の光を受けて、剣は輝く。

「門を開けろ!忌々しいクゥダフ共を蹴散らすぞ!」

今ここに、ダルバックというガルカの戦士が再びヴァナディールに生まれた。
同時にそれは、長い長い物語の始まりでもある。
…今はまだ幼い、小さなタルタルの戦士の物語はこの瞬間から、全てが始まるのだ。

                                           続く

803 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 01:54 [ LsjVF4k6 ]
えっと
喜んじゃうよ?
タル戦キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!

804 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 02:21 [ v2fNmrHk ]
タル戦キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
楽しみにしてますた
これからもがんがってください

805 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 02:46 [ pLo0nEMc ]
>>801
もうちょっと待とうよ・・・・_| ̄|○












タル戦キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!

806 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 07:52 [ cfPErFC6 ]
タル戦キタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(・∀・)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
朝からいいもの見させてもらたぜwwwwwwwww

807 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 07:53 [ cfPErFC6 ]
スマソ、興奮してsageるの忘れてしもた(´・ω・`)

808 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 09:16 [ cRW6BTaI ]
キターーーーー

809 名前: 白タル魔道師 1/2 投稿日: 2003/09/24(水) 09:17 [ IkTeO.GI ]
白タル魔道師の日記


もうずっと魔法が買えなくて、吐息だけでうずまってしまいそうになってました。
何ヶ月も何ヶ月も、高い競売のカウンターを背伸びして覗き込み、目を伏せてモグハウスへとぼとぼ帰る日々。
金の髪もしおれていました。
お金を稼ぐ事に疲れて冒険を止めて、ただ無為に何ヶ月も空を見ていた。
高い高い魔法、欲しい白魔法。
誰かを仲間を助けたいから、白魔道師になって。
うまく出来ない事もいっぱいあったけど歯を食いしばってがんばった。
いつかあこがれのアジドマルジド博士に
ケアルをかけたいと思っていた。
あの人はいつも一人で戦っていたから。

この間モンクの友人キゥのAFの手伝いに行って。
親しい友人で、大怪我させちゃって…私がレイズを唱えた横でキゥが辻レイズ�兇鮗�けたとき
私は、いらないのかなって思った。
とてもとても惨めだった。
キゥのAFは無事取れて、みんなが助けてくれて
おめでとうって言いながら。
モグに入って、棍も装備も投げ捨てるようにぬいだ。
広いベッドにうずくまって一晩中泣いた。

810 名前: 白タル魔道師 2/2 投稿日: 2003/09/24(水) 09:27 [ IkTeO.GI ]
次の日、私はすべての貯金を握り締め競売に向かった。
ほんとはもう、冒険を捨てるつもりで…あちこちに行って、様々なことなんかしないで
気の合う仲間たちと、ちょっと遊ぶだけのつもりで
私を苦しめた大っ嫌いな魔法は買いたくなくて、お金が溜まっても買わなかった。
でも、ふいに仲間がひどい怪我に襲われ、なのに自分が役に立てない…それがこんなにも惨めだったって知って…
私はやっとその、大嫌いな白魔法を買う決心がついた。
モグハウスにもっていった。誰にも知られないところで、覚えたくて。
でも魔法は特殊な呪がかかっていて
モグハウスで覚えることはできなくて、悔しくて魔法を壁に投げつけた。
それでも足元に転がってくる白魔法。
この世界に必要なのは魔法の存在、私は要らない。のかな。
私のレイズじゃ、駄目なんだよね。
悔しくて悲しくて、つらい魔法を握り締め
私はル・ルデの大公宮のバルコニーに立った。
下では多くの冒険者達が自分の明日の糧のために、今日の冒険のために、成長のためにざわついていた。
泣きたい気持ちで、魔法を開いた。
魔法が私の小さな身体と金の髪を包み込み、広がった。

811 名前: 白タル魔道師 3/3 投稿日: 2003/09/24(水) 09:31 [ IkTeO.GI ]
そのままぼんやりバルコニーに立ち尽くしていると
初対面のモンクさんがやさしい丁寧な口調で話しかけてきた。
「一緒に経験を稼ぎに行きませんか?」
私は希望も出してなかったし、自分も隠していなかった。
「経験はすごくすごく久しぶりで…」
柔らかく否定するつもりが、モンクさんはおおらかに笑った。
「かまいません。一緒に、いきましょう」
白魔道師がいないと、狩りにならないのかわからないけど。
私は彼の作るパーティーの最初に選ばれた。

5ヶ月ぶりに、経験を稼ぎに行く。
キノコの塩焼きはそれでも未練があって、真空パックでとっておいた。
それを破り、また使う。ん、食べれる。ジュースも、装備も準備しなきゃ。
モグに荷作り手伝ってもらわないと。
自分の責任で仲間を危険にさらすわけにはいかない。
金の髪をゆらして、私はまた走り出す。

812 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 10:52 [ PynLzv0I ]
>>809
同じ視点から見ているなら、語尾は揃えた方がいいと思うyp
1,3行目が敬体になっててちと気になった。
でも新しい書き手さん、щ(゚д゚щ)カモーン
続き頑張ってください(*´Д`*)

813 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 11:34 [ p4AYrq/I ]
タル戦キターーーーーーーー

仕事中デスガ。 

嬉しいのでパピコw

814 名前: 空に奏でる君の歌38 投稿日: 2003/09/24(水) 18:49 [ LVMX4UfU ]
すいません、ちょっとここ通りますよ…(AA略
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

815 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 19:28 [ CUhpbV2Y ]
タル戦ーーー!!!
空を奏でるーーー!!!
2本立てサイコーーー!

816 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/24(水) 19:30 [ T/L6LeYc ]
>>815
ageんなって言ってるだろーがアフォ

817 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 01:21 [ bd5cwGjQ ]
やはり、皆様の作品はすばらしいものばかりですね。
読者をその話の世界に引き込んで行く魅力がありますね。

僕のはというと、まだまだですね。
会話文が多すぎて、話に入っていけないという難点が…

すいません。愚痴みたいになってしまって。
でも、ここに作品を書いている以上、しっかりやっていきたいと思います。
ご迷惑かも知れませんが、付き合ってやってください。

では、ルイン編 第5話です。
これからもよろしくお願いします。

818 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 01:31 [ Bxi1AH/g ]
ぎゃぁぁぁぁぁああ嗚呼ああああああああああ!!!

た、た、た・・・タル戦キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!


(ノ∀`)タハ━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!

819 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 01:38 [ bd5cwGjQ ]
ルインの章 第5話 ジェイドとサニー

〜ウィンダス 飛空挺乗り場〜

「早く早く!飛空挺が飛んでっちゃうよ!」
朝からウィンダスに響く明るい声。
それは今にも飛んで行きそうな飛空挺の側から発せられた。
「間に合う…か?」
暗黒AF姿のジェイドが走りこむ。
「はーやーくー!」
ナイトAF姿のサニーは既に飛空挺の中にいた。
「そろそろ出ちゃうって!」
サニーが叫んだその瞬間、飛空挺のプロペラが回り始めた。
手を差し伸べるサニー、それをつかむジェイド。
「ファイトー!」
「………?」
「ほらぁ!いっぱーつでしょ!?」
「………??」
「………もーいい!」
「………いっぱーつ」
そんな会話のやり取りが終わったとき、飛空挺が出港した。
しかし、その場にはルインの姿が見当たらない。
「あ…ルインさんを置いてきた…」
顔を歪ますジェイド。
それを見たサニーは、1つの麻袋を取り出し、逆さにした。
すると、中から和風の鎧姿のタルタルが出てきた。
笑顔のサニー。
しかしコレでは誘拐犯である。

820 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 01:50 [ zZV6dD4g ]
FF11関連で結構モグリの物書き職人って多いのな。
プレイオンラインの何気にコミュニティサイトリンク辿ってたら結構あった。
漏れが気に入った話を書く人のサイトをここで晒すのは気が引けるが、
風景って英単語が入ってる白いサイトだ。
自分のキャラと身内が主な登場人物ってのがちと難だったが、完成された感じがしたよ。

821 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 01:56 [ bd5cwGjQ ]
〜飛空挺内〜

「いてててて…」
辛そうに頭を抱えるルイン。
逆さまにされた挙句、床に叩きつけられたのでは当然の行為だろう。
それをサニーはまるで、幼子をあやす様な口調で話しかける。
「そーんなにお顔にシワ寄せると、おじいちゃんになっちゃうよ?」
「タルタルはヒュームと違って、外見コロコロと変わらないの!」
「だからかわいいままなんだー♪」
笑顔でルインに迫るサニー。
ここまで完璧な笑顔で迫られると逆に恐ろしい。
いい加減煩わしくなったルインが口を開く。
「もういい加減にしろよ!」
「ふぇ?」
「オレの名前はルインレイン!タルタルちゃんって名前じゃないの!」
「うん」
「それにオレはもう二十歳だ!子供扱いするなー!」
揺れる飛空挺、甲板には呆れるジェイド。
ルインの目の前には、今にも泣いてしまいそうなサニーが。
「うわぁぁぁん!ごめんなさーいぃー!」
「どうしよう…」
「うあぁぁぁん!うえぇぇぇん!」
「分かった!許すからもう泣くなよ!」
必死で慰めるルイン。
(本当にAFを着れるナイトなのか?)
それがとても疑わしく思うルインだった。

822 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 02:16 [ bd5cwGjQ ]
〜数分後〜

甲板にはすっかり泣きつかれて寝ているサニーが。
その腕の中でルインがもがいている。
その様子を苦笑いを浮かべながら見ているジェイド。
「やれやれ、やっと寝付いたか」
そう言いながらジェイドは、ルインを引っ張り出して、
サニーに毛布をかぶせた。
「うはぁ…助かったよ…」
すっかり衰弱しているルイン。
そんなルインにミスラ風山の幸串焼を手渡して話しかけるジェイド。
「朝飯、まだでしたね」
「うん、ありがと…」
「二十歳でしたか、正直驚きましたよ」
「へぇ…」
「失礼しました」
頭を下げるジェイドを見て、少し優越感を感じているルイン。
タルタルは実年齢より幼く見られがちであるからだろうか。
ルインは前々から気にかけていたことを問いかけた。
「なぁ、あのナイト、戦闘経験は?」
「皆無、何度もありますが?」
「いや、態度がとても幼すぎるから、心配になってね」
「誰もがそう言いますよ」
「一応AFを着てるから腕は確かなんだろうけど、一緒に戦うとなると…」
「あれでも15歳なんですがね」
視線をサニーの方へ送るルイン。
サニーはまだ熟睡しているようだ。

823 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 02:32 [ bd5cwGjQ ]
「そんなんじゃ、立派なナイトになれないぞ?」
寝ているサニーをつつきながら言うルイン。
「…なる…もん…」
びくっと後ろにのけぞるルイン。
どうやらサニーの寝言のようだ。
「立派な…おーこくきしになるんだも…ん…」
(王国騎士…サンドリアの出身か)
ぽんぽんとサニーの頭を叩くルイン。
「オレは、コルトにも負けないような侍にならないとな」
ルインはかつてのコルトの刀、大般若を見据えて呟いた。
「うっ…ふぇ…」
突如聞こえる泣き声、振り返るルイン。
その先には、サニーが寝ながら泣いている。
「オレって夢でも泣かしたんじゃないだろうなぁ…」
さすがに冷や汗をかいて後ずさりするルイン。
ジェイドはサニーに駆け寄って呟いた。
「大丈夫…もう平気だから、落ち着け…」
ジェイドはそっとサニーを抱えて、飛空挺の甲板を後にした。

824 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 02:42 [ bd5cwGjQ ]
「まもなく、ジュノに到着します」
飛空挺のアナウンスが流れる。
「そろそろたたき起こすかな…」
ジェイドは寝ているサニーの体を揺すった。
それを見ているルインはジェイドに尋ねた。
「なぁ、サニーって何か過去にあったのか?」
「何故、そう聞くんですか?」
「いやぁ、聞いただけ。いいんだ、気にしないで」
「…話すと長くなるんです」
「話してくれるなら聞かせてよ」
ジェイドはサニーを揺するのを止め、また抱きかかえてから話した。
「今から10年前、サンドリアの方で事件が起きました。
 サンドリア兵のヒュームの女性が遺体で発見されたんです」
「それって…まさか…」
「はい、

 サニーの母親です」

825 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 02:55 [ WjoOKcGI ]
ちょっとアドバイスというか、お願いというか。

書き込むなら一度メモ帳などに書いたのをコピペするとかで書き込んでくれると嬉すぃ。

826 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 02:58 [ bd5cwGjQ ]
「ジュノに到着しました。足元にお気をつけください」
飛空挺のアナウンスで一度話が途切れる。
ジェイドは飛空挺を降りて、歩きながら話を進める。
「その遺体のすぐ側に、金髪の少年が泣き崩れていたそうです。
 女性は息を引き取る前に少年に、こう言ったそうです。
 『あなたに泣き顔は似合わない。泣かないで笑顔で生きて行くのよ』と。
 少年は、いや、サニーはその言葉を守り続けてるのです」
「そんな過去があるのか…」
「サニーはすぐに俺の家に養子としてやってきました。
 それから…」
「うーん…」
ジェイドの腕の上でうねうねと動くサニー。
やがて、腕を通り抜けて地面にぶつかった。
そしてむくっと起き上がり、いつもの笑顔で叫んだ。
「おっはよー!」
耳元で大声を出され、めまいを起こす2人。
それをよそ目にだかだかと走って行くサニー。
「まぁ、あれがあいつの取り柄です」
呆れ顔で答えるジェイド。
それの返事に、
「いい取り柄なんじゃない?」
と、陽気に答えるルイン。
わんぱくナイトが走る先には、
朝日が照らされて、光り輝いていた。

ルインの章 第6話に続く…

827 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 08:27 [ VYxbTfUM ]
>>820
とりあえずモグリの意味についてちょっと考えたほうが良いクp・・・ぞ

828 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 11:41 [ MYb/2OBE ]
北木滝滝tかいかいかいきたきtかいかいたきたj
北きたきたきたかきたきたきたきたきたきたきたきたきた
たるせrんあきててた〜

829 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 11:46 [ MYb/2OBE ]
ちょいと興奮してた・・・
あの、ガルカってトッパラッパに剣をおしえたやつかな〜。
名無しのガルカって書いてあったし結局名前はでてこなかったからわからないけど

830 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/25(木) 15:05 [ bd5cwGjQ ]
訂正です。

元→わんぱくナイトが走る先には、
新→わんぱくナイトが走る先は、

元→朝日が照らされて、光り輝いていた。
新→道が朝日に照らされ、光り輝いていた。

以上です。お手数かけました。

>>825様
アドバイス感謝します。
これからもよろしくお願いいたします。

831 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 17:52 [ zBRKl5LA ]
タル戦キテタ────(゚∀゚)────!!

>>817 >>830
>>しっかりやっていきたいと思います。
肩肘張らずにノンビリでいいと思いますよ。
マイペースで、>>817氏らしい物語を紡いでいってください。

/cheer

832 名前: 白タル魔道師1/6 投稿日: 2003/09/25(木) 20:35 [ cov/1BBU ]
キゥさんAF

キゥさんはモンクで、穏やかなヒュムの青年。なにかあったら当然助力を惜しむつもりはなく…冒険お休み中の私だけどキゥさん願いで、モンクの方は必ず通り抜ける試験であり、自分を高める試練を受けにフェ・インへ。
寒い氷河をキゥさんと二人で駆け抜けてゆく。
用心のためにかけていた匂いを消す魔法が途切れ、巨人が襲いかかった。
「…っ」
「大丈夫です。これくらいでしたらっ」
キゥさんの励まし。普段は騎士さんや戦士さんに守られるタル白魔道士の私もこんな時には、武器を手にし前線で戦う。
誰かを守ることが、私の使命であり冒険の意義。
時間はかかったけど、巨人はわすかなギルを落とし倒れた。
そして氷河の先にある、白い廃墟―フェ・インへ
時に忘れられた白い光の射すク・ビアの闘技場で私たちは次へのしるべを手に入れた。

833 名前: 白タル魔道師2/6 投稿日: 2003/09/25(木) 20:40 [ cov/1BBU ]
ダボイでは勇敢にオークと戦う冒険者達が幾つかのパーティーを作っていた。
二人で作戦を練る。必要なのは、サンドリアの武道書でオークを倒す必要はない。ただ、武道書は二匹のNMが守っているという。
まず、武道書の場所を見つけるためにキゥさんはテントを開いた。
私はテントの裏で、脱出魔法エスケプを唱える。珍しくキゥさんが乱暴に舌打ちした。
「ちっ。武道書がないですね」
「ッ!」
私は呪文詠唱を止めキゥさんを捜そうとしたけど、呪文は止めきれなかった。
そして―キゥさんはNMの餌食になり動く事も出来ない重症を負った。
私は慌てて、血に濡れたキゥさんの元に戻る。大きな傷がいくつも…
「ごめっ…。ごめんね」
謝りながら仮死を解く蘇生の魔法を詠唱し始めた時見知らぬ白魔道師さんがキゥさんに、高位蘇生魔法を唱え…キゥさんはそれを受け入れた。
詠唱していた蘇生魔法を途中でやめて、私は俯く。…悔しさを握り締めた手に爪が突き刺ささった。
私は顔をあげ、キゥさんを心配しながら覗き込みケアルを唱えた。
「ん。ありがとう。しばらく休みましょう」
前髪をかきあげる彼をいたわるように、戦うパーティーの間で休息をとった。

834 名前: 白タル魔道師3/6 投稿日: 2003/09/25(木) 20:43 [ cov/1BBU ]
「二人じゃ、駄目ですね」
それが私たちの出した結論。休みながら大声で助けを求める。
「どなたか、武道書を取るために手伝っていただけませんか」
キゥさんの凛とした声は、ダボイのオークのなかに響きわたった。
けれどみな、戦う事に忙しく助け手の申し出はなかった。
彼の衰弱も収まり、もう一度回復魔法をかける。
「もう、大丈夫です」
立ち上がりキゥさんは笑う。その笑顔に私は決意をしていった。
「こうしよう。私がオークをひきつけるから、キゥさんは武道書を探して」
「そんなことはできません」
キゥさんははきっぱりと断る。
「大丈夫、リレイズ�兇世韻呂△襪�ら…いけるよ。でも、もしこれで駄目なら、今日は諦めようね」
私はキゥさんを説得するように言う。すると、キゥさんがひざまずいて、私の茶色い瞳をじっと見て…立ちあがりモンク式の礼の形をとった。
私の金の髪を撫ぜ、敵のオークを見てつぶやく。
「…―すみません」
キゥさんの小さな声に私は笑う。
守りたいものを守れるのなら、望むものが手に入るのなら、惜しいものはない。私たちはオークのテントへ足を進めた。

835 名前: 白タル魔道師4/6 投稿日: 2003/09/25(木) 20:48 [ cov/1BBU ]
キゥさんの背後に、白い鎧のタルナイトさんが所在無さげに立っていた。
小さなタルナイトさんにキゥさんはやわらかに微笑んで言う。
「この周囲はNMがでるので、危険です。離れていてください」
そして、キゥさんはテントの入り口に手をかける。
タルナイトさんはしばらく黙っていたけど、突然ぶっきらぼうに呟いた。
「二匹のうち、一匹…ひきつけてやってもいい」
その言葉が聞こえたのかどうか…キゥさんはすでにオークのテントに飛び込んでいた。
オークの嫌がる回復魔法で、私はキゥさんからターゲットを奪う。それだけでターゲットは取れた。
タルナイトさんが一匹を私から無理やり奪い救援を出す。冒険者が集まる。
私は一匹のオークに狙われ、あちこちに傷ができて、血があふれた。
「ありがとう」
キゥさんのかわりに救援にきてくれた人たちに御礼を言いながらも意識が遠のく。痛くはない。ただ、傷が熱い。
私は、――――ほんとは血を流したかった。
仲間のための高位蘇生魔法を持たない自分が酷く惨めで…傷つきたかった。
もう、このまま…死んでもいいっておもった。
あとはもう、キゥさんの武道書が取れるかどうか気がかりで…

836 名前: 白タル魔道師5/6 投稿日: 2003/09/25(木) 20:51 [ cov/1BBU ]
突然、タルナイトさんが鋭く叱咤した。
「あきらめるなっ!お前も救援だせっ!おらっ、ケアル�轡叩�!」
私を包み込む紫の回復魔法の光がナイトさんから投げかけられた。
あきらめるなといわれて、私は涙を滲ませ歯を食いしばった。
ケアルをもらって、飛んでた意識が戻った。
助けを呼べば、死ぬことは許されない。
救援にきた人を殺すわけにはいかない。私は、白魔道士だから。
私はナイトさんに叱咤され、救援の声を小さくあげた。
するとスマートな羽帽子の赤魔さんや、他の騎士、魔道士の方々まで手助けにきてくれた。
私は彼らに回復魔法を感謝を込めて配る。
「武道書、取れましたっ!」
キゥさんは言って戦闘に飛び込む。その一瞬後タルナイトさんが振り返る。
「こっちも終りだ。よかったな。おつかれさん」
ズズゥン…と、オークの巨体が地に沈んだ。
慣れたしぐさでタルタル族専用の剣の血を振って飛ばし、鞘に収めて笑う。
私達は二人で並んで助けてくれた方にモンク式の礼の形を取った。
「ありがとうございました」
「ありがとうでした」
「おめでとう」「良かったね」祝福の言葉の中私たちはダボイを後にした。

837 名前: 白タル魔道師6/6 投稿日: 2003/09/25(木) 20:53 [ cov/1BBU ]

ジュノ上層は先ほどの戦闘を忘れさせる平和さだった。
「ありがとう。きみのおかげです」
キゥさんの言葉に私はほろ苦く微笑む。
「ん。痛い思いさせちゃってごめんね。お疲れ様」
私はキゥさん身体についた傷跡を背伸びして撫ぜて、目を伏せた。
「モグまで送りましょうか」
様子のおかしい私に、キゥさんはどこまでも穏やかに優しく言う。
「大丈夫。帰れるから。またね、ばいばい。今日はおめでとう」
私はキゥさんから離れながらこぼれる涙を止められず、ジュノの上層からそのままモグハウスに飛び込んで、泣いた。
たぶん街中の冒険者達は驚いて振り返ったと思う。
でも気にしていられなかった。
高位蘇生魔法を持ってないことが、悔しかった。
白魔道士なのに仲間を救う力を持たないことが、なにより悲しかった。
これが、私の冒険再開の一番初めの物語。

838 名前: 白タル魔道師 投稿日: 2003/09/25(木) 21:04 [ cov/1BBU ]
>>812様ありがとうございます。

白タルはツインテールの金髪だと思っていただければ幸いです。
冒険を目指すのは希望ばかりじゃない。という思いから書きました。
お目汚し失礼しました。
おいでと言われてのこのこあがらせていただきました。お言葉感謝です^^

839 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 21:24 [ 6ek3Ejxs ]
下手な本屋の本かうより、ここみてるほうが数倍面白いぞ。

作家がんばれ!、もっとがんばれ!

840 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/25(木) 22:59 [ azjHe7IY ]
【騎士を目指す愛弟子に送る旅の手記】

第7話(1/3)

うつ伏せに倒れている人影は子供のものであった。
ヒュームであれば背丈から察するに13、4歳ほどであろうか。
しかし、人影はヒュームではなかった。
薄汚れたチュニックのフードを押し上げている耳。
だらりと力なく裾からはみ出した…毛に覆われた猫の尻尾。
ミスラであった。
その背中が呼吸により静かに上下していた。
息がある。クリスタルの見せた幻影でも、幻覚でもない。
クロヴィスはややあってクリスタルの台座に立ち、ミスラを見下ろした。
肩に手を回し、うつ伏せの体を持ち上げる。

『う…』

声ともうめきともつかない音がミスラの口から漏れ出た。

841 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/25(木) 23:01 [ azjHe7IY ]
第7話(2/3)

ミスラとはアルタナの恩寵を持って生まれた5種族の一柱である。
耳や尻尾といった猫に良く似た身体的特徴を持ち、
しなやかな身のこなしはミスラたちを生来の狩人たらしめている。

その社会構造は母系制であり、女性のみに継承される
族長を中心とした厳格な母集団が個々の群れを形成し、
男性はウィンダスのはるか南方に位置するという
ミスラたちの故郷を除いては、一切姿を見ることができない。
否、故郷であっても多種族の者はミスラの男性を見ることはできない。
ミスラたちの伝統に従い、ミスラの男性は隠された存在なのだ。
種族のため、守られ、隠された存在。それがミスラの男性。

842 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/25(木) 23:03 [ azjHe7IY ]
第7話(3/3)

当然、ヒューム等に見受けられる、子供が両親により育てられるという文化とも縁遠い。
ミスラの子供たちは生母から里親へと手渡され、育てられるのだ。
これは家族というものに縛られぬ強靭な精神を育てるためとも、
ミスラという種族そのものへの帰属意識を高めるためとも言われている。

このミスラもそうした生母の手から離れた子供なのだろうが、
クロヴィスの知る限り、このミスラにはクロヴィスが今まで見たことのない相違点があった。

このミスラは男であった。ミスラの少年。
しなやかかつ伸びやかで、細く絞まった腕と脚。
そして、もう一つエルヴァーンが奇異に思ったのは、彼の肌である。
この砂塵の舞うタロンギにありながら、不思議なことに
たった今生まれ出でたかのようなきめ細やかな肌。

これがエルヴァーンとミスラの少年との出会いであった。
互いの故郷と遠く離れた異郷の地での稀有な出会い。
その出会いがいかなる神の御手により用意されたのか、
互いに知ることは、まだ無かった。

843 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/25(木) 23:04 [ azjHe7IY ]
第8話(1/3)

クロヴィスは急ぎ天幕に立ち戻り、少年に水を与えた。
ぴしゃぴしゃと顔に水をはたき、少年に声をかける。
ややあって、少年はゆっくりとその目蓋を開けた。紺碧の双子石が光を点す。
先ほどまで眩しいほどであったクリスタルの輝きはなりを潜め、
灯火のごとく静かに騎士と少年とを照らしていた。

『大丈夫か?』

エルヴァーンが声をかける。
輝きを取り戻しつつある瞳はクロヴィスをぼんやりと見つめていた。

『僕は…………』

双眸をめぐらし、意識をはっきりさせるために頭を軽く振る。
ぱさりとチュニックのフードが肩にかかり、軽い音を立てた。

『僕は旅の途中なんです。母さんに会うために…。約束なんです。』

844 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/25(木) 23:05 [ azjHe7IY ]
第8話(2/3)

意識がはっきりしてくる。幼い日の少年。
鬱蒼とした木々の梢から聞こえてくる鳥の鳴き声。
手を引いてくれた女性。暖かく柔らかい。母の手。
茫洋とした意識を振り払うように、少年は目の前の首長男に尋ねた。

『教えてください、セルビナはどの方角にありますか?僕は船に乗らないといけないんです。』

この少年は何を言っているのだろう。セルビナと言えばバルクルム砂丘のほとりの港町だ。
クォン大陸のとミンダルシア大陸とを船で結ぶ、近くて遠い交差点。

『君が言っているセルビナが港町セルビナであれば、
 マウラの港から出航している定期船を使うのが一番の早道だが…。
 いずれにしても、タロンギからは遠く離れた場所だ。』

クロヴィスは少年の意図が見えぬため、ゆっくりと言葉をかける。

845 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/09/25(木) 23:07 [ azjHe7IY ]
第8話(3/3)

『タロンギ?ここはコンシュタットではないんですか?
 僕は昨日、このホラ岩で確かに野営をしたんです。』

少年は耳と尻尾をせわしなく動かし、上ずった声でなおもクロヴィスに質問を重ねた。

『ここはウィンダス連邦に程近いタロンギ大峡谷だ。
 君は…不思議な旅をしたようだね。私にも詳しいことは分からないが、
 君は、一夜にして大陸を越えてここに現れたのだ。』

少年の耳は倒れ、尻尾は力なく垂れ下がっている。
少年が呆然とした表情を浮かべる。無理もない。
クロヴィス自身、真に理解した上で話しているわけではないのだ。
神殿の賢者たちの研究とウィンダスの資料、
それにクロヴィス自身の見聞から導き出した憶測に過ぎない。
しかし、それが事実であることを信じさせるような神秘的な雰囲気がメア岩にはあった。

─そのうち続く─

会話入れると文字制限がキビシぃーッ!(´・ω・`)
そして話がこれっぽっちも進んでねぇーッ!(´・ω・`)

846 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/25(木) 23:36 [ inyb8yw6 ]
と・り・あ・え・ず

騎士手紙キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

847 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:03 [ jzfrdp5g ]
白タル魔道士さん
お前さんの書いてる事ネタバレじゃないのかね
AFはFFをやる上での楽しみの一つなんだからネタバレしちゃいかんだろう
しかもここで ネタが無いからってAFをそのままのっけるなよ
モンクやってる人はいずれ通る道だし、調べるのは解るが
まだそこまで達してない人が見たらどうするんだ?
とりあえず前回のは良かったが、今回のは頂けないな

848 名前: 白タル魔道師 投稿日: 2003/09/26(金) 00:25 [ j7BjJ/bk ]
素で、ネタバレ禁止と気づかなかった。失礼。
スレ頭のほう見たつもりなんだけど気づかなかった。
半日記のようなものなので、今後があれば気をつけます。

知らなくて楽しみを奪っちゃった方、誤って許されるとは思わないけどごめんね。

849 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:35 [ yfkEf62Q ]
「で、金は用意できたんだろうな?」
「ごめんなさい、今はまだ2万ギルしか集まってなくって……。」
「けっ、しけてんな。仕方ねぇ、とりあえず有る分だけ貰ってくわ。」
「あぁっ、それまで取られると食費が……。」
「うだうだ言ってんじゃねぇぞ。食い物くらい我慢しやがれ。
 元はと言えば俺様の商品の代金をちゃんと払わなかったお前がいけねぇんだろう。」
「だって、落札できたから……。」
「何、お前。俺様に喧嘩売ってんの? 俺様はこの世界で最強に強い内藤様だぞ!」

850 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:36 [ yfkEf62Q ]
〜〜〜ヴァナ・ディール伝承譚『白き肌の天使が舞い降りるとき』〜〜〜


人々の行き交う街、ジュノ。各国に散らばる何もかもは、この世界最大の都市に集められる。
人材、物資、財貨、さらには人々の想いもここには呼び寄せられてくる。
そして、それらを贄とする貪欲な悪意も、この街には渦巻いている……

ここでは他人に深く立ち入ることは禁忌とされている。
通りを歩く人数は多いのに、皆が他人に無関心な風を装っている。
立ち話をする者など殆ど居らず、むしろ奇異の目で見られることさえある。
辺りに響くのは無愛想な客引きの喧騒のみ……

酒場では厭きた老人達が下らない愚痴を零している。
市場では疲れた女達が誰も見向きもしない商品を並べている。
街路ではやることの無い若者達が無益な闘争に明け暮れている。
多くの人間は既に倦怠に苛まれている……

851 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:38 [ yfkEf62Q ]
この街からこんなになってしまったのは、一体いつからなのだろう。
誰もが初めは希望と期待を持ってやってきたはず。
それが今では、見えない明日への恨み言が囁かれ、ささいなことが口論の種となる。
不安と絶望と諦観がこの街を支配している……

この街は飽和しすぎたのかもしれない。人々の想いを受け入れ切れなかった。
そして、全てを巻き込んで、壊れた。

今ではもう理想を語る者など殆どいない。
昔は快活だった人達も、脱落して街を去るか、この街に呑まれて廃人へと成り代わっていった。
都市の空気が人を束縛する……



青年が歩いていた。足取りは重い。若そうな顔つきとは裏腹に随分と草臥れた格好をしている。
数日前まで彼は、この街の重苦しい雰囲気にも負けずに、希望に満ちた凛々しい表情をしていた。
だが、ある一つの出来事が彼をここまで追い落としてしまった。
今の彼はこの街の退廃感に囚われ、さながら生きる屍のようだった。
その原因となったのは、ある一人の男だった……

852 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:42 [ yfkEf62Q ]
青年は召喚士だった。
まだ年若く経験も浅いが、僥倖に恵まれて封印されし禁呪を身につけることが出来た。
しかし彼に習得できたのは初歩の術のみ。それだけでは存分に力を発揮することは出来ない。
彼は更なる力が欲しかった。そこで競売場に赴き、魔法のスクロールを買い求めた。
スクロールは彼の資産では手が届かないほどの高値で取引されていた。
彼は半ば諦めたものの、物は試しと全財産を競売場に提示してみた。
すると驚いた事に、相場を遥かに下回る価格にも拘らず落札することに成功したのである!
彼は狂喜した。早速スクロールを持ち帰り、その中に込められた秘術を習得しようと必死に修練を重ねる。
そして彼は新たなる術法を身に着けた。彼は我が身の幸運を喜んだ……はずだった。


「悪いけどね、あのスクロールの値段、間違いだったんだわ。
 あの程度の金なら渡すから直ぐに返してくれないかなぁ?」

853 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:43 [ yfkEf62Q ]
彼の元を訪れたのは内藤と名乗る男だった。
世事には疎い彼も、そいつの悪名だけは噂に聞いていた。
まさかそいつの獲物に自分が選ばれるとは……彼は想像だにしていなかった。
DQNは背後に四人の巨体の男達を従えて、彼の家へと押しかけてきた。

彼は酷く狼狽した。
スクロールはひとたび魔法の習得に使用すると、魔力が消失して使い物にならなくなる。
もはや品物は彼の手元には無い、彼はそう弁明した。

「ほぅ、俺様の商品をもう使い潰しちまったってことか。
 なら、いいや。差額を払うだけで許してやるよ。」

男は彼に法外な金額を吹っ掛けてきた。それは相場よりも更に上の金額。
男が言うには、その値段で出品したとの話だった。

854 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:45 [ yfkEf62Q ]
「競売の連中が馬鹿でねぇ、俺様の指定した金額よりずっと低い値で売ったらしいんだわ。」

彼はそんな大金など持ち合わせてはいなかった。
そもそも競売の取引は厳格で、そのような取り違えが起こる事など万に一つも無いと聞いていた。
男が出品価格を間違えたのではないかという疑いがあった。
だが彼が何を言おうと、男は決して引こうとはしなかった。

「金を払うか、同じ商品を持って来い。それまでは絶対に許さねぇぞ。」

彼の実力ではそのスクロールを入手することなど不可能に等しかった。
競売での出品もそうそうある訳ではない。
かといって指定された金額は、彼が働いた所で一朝一夕に集められるものではない。
彼は途方に暮れていた。


だが、彼は正規の手続きを踏んだ上でスクロールを入手したはずである。

855 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:48 [ yfkEf62Q ]
法外な要求に応ずる必要は無いのではないか、そう思って彼は警察組織に相談を持ちかけてみた。

「その質問にはお答えできません。」

だが返事は芳しくないものだった。それどころか彼は露骨なまでに邪魔者扱いされたのである。

「プレイヤー間の問題はプレイヤー間で解決してください。
 それと、今後このようなことでGMを呼び出した場合には処罰の対象にもなりうるので注意してください。」

彼は助言くらいは貰えるものだと思っていたため、この応対には失望した。

「それでは失礼します。よい旅を!」


彼は代金を踏み倒すことも考えた。だが、出来なかった。
内藤の四天王を名乗る四人組の内の誰かが、四六時中に彼に貼り付いて監視を続けていた。
そればかりか様々な嫌がらせを彼は受けた。
罵詈雑言は当たり前、時には獰猛な野獣を近くに放置されたり、手に入れたはずの高級品を奪い取られたりした。
そして何より、内藤を称える阿諛追従を一日中聞かされるのが、彼には一番腹立たしかった。

856 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:50 [ yfkEf62Q ]
そのようなヤクザな連中に付きまとわれているのを見て、親しかったはずの友人達も彼を遠ざけるようになった。
彼は最早完全に孤独だった。他にどうすることも出来ず、彼は仕方なしにお金稼ぎを始めた。
ある程度溜まると所持金を全て巻き上げられてしまうため商売の資本を蓄えることも出来ず、
彼は過酷な肉体労働ばかりを続ける羽目になった。元々頑丈ではない彼には、これは一際応えた。

「金持ってない奴多すぎ。
 そういう奴らは『お金が無いので奴隷になります』とでも紙に書いて、首からぶら下げてろっつーの。」

少年はもうこの世界から消えてしまいたいと思うようになっていた。


彼はトイレに篭って嘆息した。そこは唯一内藤達の魔の手から離れられる場所だった。
彼は自分の身に訪れた不幸を呪った。そして苛立ち紛れに内藤の悪行を短剣で壁に刻み付けた。
だがそれも無数の便所の落書きに紛れてしまい、傍目には何が書かれたのか判らない。
それでも彼は少しだけ気分が晴れたような気がした。

857 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:51 [ yfkEf62Q ]
彼が外に出たとき、そこに監視役の四天王は居なかった。
代わりに彼の前に現われたのは、頭の上が禿げ上がり口元にはドジョウ髭のある巨体のガルカだった。
ガルカは厳かな声でこう言った……

「詳細キボンヌ」

もとい

「DQNの悪事について詳しい話を教えて欲しい。」


少年はあらいざらいをガルカにぶちまけた。
ガルカは暫く黙って考えていたが、彼の話を聞き終えると空を見上げてこう呟いた……

858 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:53 [ yfkEf62Q ]
「祭りを起こす時が来た。」


ジュノ、内藤邸。
いつものように下卑た笑いを浮かべながらレアアイテムを眺めていた内藤の元に四天王の一人がやってきた。

「内藤様、なんだかヤバげな予感がします。こんなものが届きました。」

四天王は懐から一枚のチラシを取り出してみせる。
そこには内藤の過去の悪事の数々と、それを糾弾する文章が書き連ねられていた。

「へっ、こんな紙切れの一枚、別に痛くも痒くもねーよ。
 どうせ俺様のこと批判してるよーな奴は、単に俺様の装備とかすごいからって妬んでるだけだよ。
 なにせ俺様は超有名人だからな。」

「ですが、このチラシがポスト一杯になるほどの量送られてきたのです。
 いくら取り除いても無限に湧いてきて空になりません。」

「誰かは知らんが、ほっときゃ飽きるだろう。
 それに俺様が頼めば官憲を動かすことだって出来るんだぞ。」

859 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:55 [ yfkEf62Q ]
そのとき四天王は頭を抑えてうずくまった。
何か強烈な想念に頭を掻き乱されているかのようだった。

「と、ともかく、今の貴方には付き合ってられません。
 事が済んだ後でまだ健在だったなら、また会いましょう。さらばです。」

「おい、痛風! 俺様とのHNM狩りの約束はどうする気だ!
 散々甘い汁吸っておいて今更逃げるのかよ!」

だが痛風は内藤の許から足早に逃げ出した。
内藤は去った痛風に毒づきながらも、次の儲け話に思いを馳せていた……

860 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:56 [ yfkEf62Q ]
ヴァナ・ディール警察機構本部。
「LGM、Leviathanのワールドパスが異様な勢いで発行されてます!」
「サンドリアで殆ど居ないはずの禿ガルカが突然大量に目撃されたとの報告も出ています!」
「奴らめ……。折角発行量を五分の一に制限したというのに、これだけの人数を集めるとは……。
 GM、SGM、厳戒態勢を執れ。『祭り』が始まった!」



ノルバレン地方バタリア丘陵。
その日ここに居た者は異様な光景を目にしただろう。
鎧すら身に着けていない巨漢達が整然とした隊伍を組んで東へと行進していた。
列の左右には武装した冒険者達が控え、襲い来る魔物共から巨漢達を護衛していた。
彼らが目指していたのはジュノ大公国、世界で最も人間の集う場所。

861 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:58 [ yfkEf62Q ]
内藤は取り引きを行うためにジュノ下層にやってきた。
待ち合わせの時刻に遅れていたため走っていると、勢い余って誰かの体にぶつかった。

「おい、なに突っ立ってやがる。俺様が通るんだから道空けろよ。」

自分から突撃したことは棚に上げ、内藤は相手に一蹴り入れて文句をつけた。
見上げると相手の瞳の奥では怒りの炎が燃え上がっている。
その相手は白い肌の禿ガルカだった。

「貴様が内藤だな?」

「知ってるなら話が早いぜ。とっとと俺様に謝ってそこを退きな。
 後で治療費と慰謝料も送ってくれれば今日のことは許してやるよ。」

「……断る!!」

862 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 00:59 [ yfkEf62Q ]
禿ガルカの鉄拳が内藤の腹部に叩き込まれた。
衝撃の大きさに耐え切れず内藤の体が宙を舞う。

「てめぇ、覚えてろよ!」

内藤は後ろを向いて逃げ出した。だが走り出して直ぐに、また誰かにぶつかった。
罵ろうとそいつの顔を見た瞬間、内藤は思わず凍りついた。
そこにいたのは、先程自分を殴りつけた奴と全く同じ姿をした禿ガルカだった。
内藤は慌てて裏路地に駆け込む。
しかし何処に出ようとしても常に内藤の目の前には禿ガルカが現われた。
その内、内藤もこのカラクリに気が付いた。
禿ガルカは一人や二人ではない……数百人単位の集団でジュノ下層を占拠していたのである!

863 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:00 [ yfkEf62Q ]
「内藤逝ってよし!」
「謝罪しる!」
「内藤さんはいい人です」
「っていうか、最悪なのしか見たことないです。いままで。」
「内藤は野放しですか、GM?」
「明日の未来のために、今こそ立たねばならんのである!」
「こちら召召召召召です。内藤さんパーティ組みませんか?」
「禿ガルUzeeeeeeeeeeee」
「集まってるのは偶然通りがかったガルカ達です。」
「主催者は内藤」
「擁護はイラネ。燃料にしかナラネ。」
「内藤うざすぎwww修正されるねwwww」
「そんなことよりミスラとまn(ry」
「関係ない住民に迷惑かけるな。内藤と変わらんぞ。」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

禿ガルカ達の怒号が下層一帯に響き渡る。
海上に築き上げられたジュノの街が物量に耐え切れず軋み始める。
脆い部分が崩落を起こし都市が傾く。
強烈な震動が街を襲い歩くことすら儘ならない。

864 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:02 [ yfkEf62Q ]
終末の時……それがこの街に訪れたのかと思えるほどの惨状だった。

そして……禿ガルカの集団に囲まれた中心部に内藤はいた。

「オマエら、これで正義でも気取るつもりかよ……」

「我々は正義ではない……あるのは唯、怒りのみ!!」

不動明王と見紛うかのような憤怒の形相が内藤を睨みつける。
内藤はガルカの群れに呑まれて揉みくちゃにされていた。
恐るべき肉の奔流の中で内藤の意識が遠のく……
薄れ行く思考の中で内藤が発した言葉は、最期の断末魔の叫びだったのだろうか……
「OH MY GOD!」

865 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:03 [ yfkEf62Q ]
-----------------------== SystemMessage ==-----------------------
『特定個人を誹謗したり、
 プレイの妨害となる行為は直ちにお止め頂けますようお願い致します。
 また、そのような行動を目的とした集会、
 あるいはリンクシェルの使用も認めることはできません。
 該当するキャラクターをお持ちの方は、30分以内に集会を解散、
 あるいはリンクシェルを外すようお願い致します。
 警告に従わずその行為が繰り返された場合、
 GMにより迅速に対応措置を取らせて頂くことになります。』
-----------------------== SystemMessage ==-----------------------




翌日……
少年が内藤の屋敷を訪れると、そこはもぬけの空だった。
人伝に聞いたところでは、昨日外出して以来一度も戻ってきていないと言う。
内藤が何処に行ったのか、もはや知る者はいない。
四天王も後ろ盾を失い、今までのように好き放題暴れることは出来なくなった。
少年は自分が悪鬼から開放されたことを知った。

866 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:04 [ xB0WhSXw ]
おもしろすぎwwwwwwwww

867 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:04 [ yfkEf62Q ]
そのとき青年の脇を頭の禿げ上がったガルカが通り過ぎた。
青年は急いで振り向いてお辞儀をする。
「貴方は、もしかして……!」

だが禿は青年を一瞥しただけで、歩みを止めようともしなかった。
「もう俺には関わるな。」

青年が更に何か声を掛けようとした時、赤い鎧に身を包んだ警邏隊がガルカの前に現われた。
そして青年が止める間も無く、禿ガルカを何処か遠くへと連行していった。

868 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:05 [ yfkEf62Q ]
……禁断の地、モルディオン監獄……
……この監獄は警察組織の権力に逆らう政治犯の幽閉に使われる……
……前後左右上下、どの方向を向いても有るのは分厚い壁のみ……
……GMでない限り、こことの出入りを行うことは一切できない……
……あの禿頭のガルカが連行された場所はここだった……

「何故あなたがここに転送されたかおわかりですね。」
「脅迫、暴行、騒擾、その他もろもろだろう……。」
「ふむ、よろしい。それでは規約違反行為としてお客様のアカウントを停止します。」

869 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:07 [ yfkEf62Q ]
「……処刑!?」
あの禿ガルカについて、次に青年の耳に入ってきた情報はそれだった。
処刑を執り行う準備は既に整っていた。
威圧的な装飾の断頭台が広場の中央に聳え立つ。
その脇には赤鎧の執行官が刃を磨きながら待機している。
後は犠牲者が引き摺り出されてくるのを待つばかり……

「LGM、禿ガルカが居なくなりました!」

決して抜けられないはずの絶対領域モルディオン監獄……
だがそこにいた禿ガルカの姿はいつの間にか忽然と消えていた。
警察機構の情報網を駆使してサーチしたが結局見つけ出すことは出来なかった。
最早あの禿ガルカの存在はヴァナ・ディールの何処にも痕跡を残していなかった……

870 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:08 [ yfkEf62Q ]
後に人々は語り継ぐようになった。
悪意が世界を席巻する時、怒りと共に禿ガルカ達が空の彼方から降臨すると。
彼らの怒りが収まるまでは、世界に平穏が訪れることは無い。





『禿ガルカさん……ありがとう……』

871 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 01:51 [ c5wMxrCs ]
>>849-870
ttp://fruit.chips.jp/txt/20030617011335.txt
書いたご本人様でつか?

872 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 10:35 [ sVOiF0zI ]
リヴァイアサンで実際にあったんだっけ?

873 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/26(金) 17:20 [ inyb8yw6 ]
すごすぎるわw

874 名前: 空に奏でる君の歌39 投稿日: 2003/09/26(金) 21:43 [ /fx9CT9o ]
冗長デース
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

875 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/27(土) 01:42 [ hZvBwMos ]
キター!

876 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 03:27 [ bd5cwGjQ ]
ユリノの章 第6話 戦いの理由

〜ル・ルデの庭〜

「一体…何が起こったのかな…」
先ほどの騒音のことが気になって仕方がない様子のユリノ。
「おい、早く来ないと置いて行くぞ」
そんな彼をよそに上層のほうへ駆け下りて行くアッシュ。
白魔道士にしては、かなり攻撃的である。
(やっぱり双子は似るんだねぇ…)
ふやふやと事を考えていたその時、強い風が庭を通り過ぎた。
その風に乗せられて、ユリノの羽帽子がふわふわと上層に飛んで行った。
「あ、帽子が!」
ユリノは飛んで行く帽子を追いながら、上層に入って行く。
「おい!警戒して行け!」
後ろからはアッシュの指示が。
しかし、彼の耳には届いていなかった。
(みんなに手伝ってもらって…やっと見つけた帽子…
こんなとこで無くしたら恨まれる…!)
「帽子ー!飛んで行かないでー!」
ユリノは帽子を追って、てくてくと階段を下りていった。

877 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 03:44 [ bd5cwGjQ ]
しかし、無情にも速度を上げていく帽子。
「嘘でしょ…」
ユリノも慌てて追うが、彼の足では間に合いそうにもない。
とっさに立ち止まり、スクロールを読みはじめるユリノ。
「止まれ!バインド!」
バインド─敵の移動を禁ずる弱体魔法。
帽子も例外でもなく、ぽすっと音を立てて地面に落ちた。
「やったぁ!」
急いで帽子に駆け寄るユリノ。
しかし、どこからともなく殺気を感じる…
丁度街に出る柱の向こうからそれを感じた。
深々と帽子を被り直すと同時に、スクロールを読み上げた。
「連続魔!レベル�鏡採逎魁璽后�」
ストーン�供▲┘▲蹲供▲Ε�ータ�供▲汽鵐澄辞供▲屮螢競畢供▲侫.ぅ↓供�
何の躊躇いもなく魔法を唱えて放つ。
しかし、突如自分を襲う赤い炎、そして斬撃。
「う…しまった…」
ユリノはその重い攻撃で、そのまま気を失った。

878 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 03:59 [ bd5cwGjQ ]
数時間後…

ユリノは、モグハウスのベットの上に横たわっていた。
隣では心配そうにモーグリが見つめている。
「大丈夫クポ?ご主人様」
「うん…なんとか…」
むくっと起き上がるユリノを気遣い、ポーションを持ってくるモーグリ。
ユリノは一言「ありがとう」と言って、ポーションの容器のふたを開けた。
モーグリはユリノをじっと睨みつけながら話した。
「ご主人様は早とちりクポ〜。
 またクロノスさんに魔法をたくさんかけたクポ〜」
「え?」
「クロノスさんとこのモグが言ってたクポ。
 クロノスさん、ご主人様を驚かそうとしようとしてたみたいクポ〜。
 それで、柱に隠れてたら魔法をかけられたって言ってたクポ」
「え…あれってクロノスだったの…」
「そうクポ」
「でも、あの刃物での攻撃…クロノスの短剣じゃ…」
「それはクロノスさんの側にいた戦士さんクポ〜」
「え…?」
「そうクポ。その戦士さんも、コルトさん探しを手伝ってくれるみたいクポ」
「なんか…大変なことしちゃったかな…」
苦笑いのユリノ。
モーグリは「ご主人様がやることはいつも大変クポ」と、
小言を言いながらドアを開けた。

879 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 04:14 [ bd5cwGjQ ]
ドアの先には、またまたむすっとしたクロノスが。
その横に呆れ顔のアッシュ。
その後ろでは、赤い目の戦士が笑顔で手を振っている。
「ユ〜リ〜ノ〜!」
不機嫌そうなクロノスがずかずかとモグハウスに入ってきた。
ユリノは「やばい」と呟いてベットから出てくる。
狭いモグハウスの中で、またもや怒声が響いた。
「てんめぇ〜!オイラに何の恨みがあるってんだ!?」
「あ、誤解だよ、あんな柱の奥から殺気出すから…」
「しかもこのか弱いオイラに向かって精霊魔法を6連射だと!?」
「…物理攻撃でないところで感謝して欲しいなぁ…」
「こ…こ…こいつぅ〜…」
今にも取っ組み合いが始まりそうなモグハウス。
それを止めるべく、アッシュがクロノスをなだめる。
「やめろクロノス。ユリノもわざとじゃないんだ」
「ちぇー…」
クロノスはモグハウスの出口付近の壁に寄りかかった。
文句を言いつつも、アッシュの言葉には忠実なクロノスに対して、
こっそりと笑みをこぼす戦士。
アッシュはユリノに今までの出来事を話した。

880 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 04:27 [ bd5cwGjQ ]
「オレたちはこの戦士、ルイーズを仲間に加えて行動することになった。
 今のこのPTは明らかに前衛が不足していた、からやむを得ない選択だ」
アッシュがそういうと、戦士─ルイーズが丁重にお辞儀をした。
ルイーズは笑顔でユリノに手を差し伸べる。
「よろしくね。ユリノさん」
「ユリノでいいよ、よろしくね、ルイーズ」
笑顔で握手を交わす二人。
その様子を見て、まだむすっとしてるクロノス。
そんなクロノスの頭を叩きながら、
アッシュから今後の予定が発表された。
「今のところはコルトの情報集めに専念しよう。
 あと、ルイーズのような前衛の協力者も同時に探す。
 依存は無いな?」
「うん。特に無し」
アッシュは「そうか」と言いながら出口に足を運ぶ。
「それじゃ、オレとクロノスは早速情報集めにかかる。
 ユリノとルイーズは前衛探しを頼む」
「しっかり働けよ!」
そう言い残した二人はモグハウスから退室した。
笑顔で、握手をしたまま呆然と立ち尽くす二人。
「…行こうか?」
笑顔のルイーズの問いに、
「そうだね」と答えるユリノ。
その二人もモグハウスを後にした。

881 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 04:40 [ bd5cwGjQ ]
〜ジュノ下層〜

「Lv69の侍です〜!PTに誘ってくださいー!」
「こちらLv68〜69の忍者とモンクです!PTに…」
似たようなシャウトが流れて行くジュノ下層。
どのシャウトの主を誘おうか、
二人はジンジャークッキーをかじりながら捜し歩いた。
「ねぇ、侍なんてどうかな?前衛としては連携組み立てやすいんだ」
「へぇー…」
「あとは忍者かな?」
「ほほぉー」
「それか、攻撃力にこだわるならシーフがいいかな」
「ふむふむ」
「…探す気ある?」
「あるけど連携が分からない…」
最初から苦戦気味の二人。
外見が似ていても前衛と中継の意見はなかなか合わないのが現状である。
「酒場に行こうか…」
「そうだね、よくわからないけど」
二人は吟遊詩人の酒場に足を運んだ。
(ここでなら有力な前衛の情報が聞けるかも)
期待に胸を膨らませるルイーズをよそに、
前衛との連携を交わしたことがないため、飽き飽きしているユリノ。
(早く終わらないかなぁ)
青い空を見上げながら、そんなことを考えるのであった。

882 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 04:53 [ bd5cwGjQ ]
〜吟遊詩人の酒場〜

いつも、美しい曲の数々を奏でている酒場は、
冒険者の情報の集う場所と同時に、その冒険者を癒す場所でもある。
「あの侍さんがいいかも」
と、1人の侍を指差すルイーズ。
「そぉ?結構歳離れてるし、その前にガルカだよ?」
そのガルカの威圧感に押されて後ろに引くユリノ。
そんな不審な二人に気づき、立ち上がるガルカ侍。
「…何か用か?」
その低い声に驚き、さらに下がるユリノ。
それとは逆に、ルイーズは話を進めて行く。
「僕たち、戦黒白赤のLv69〜70のPTなんですが、どうでしょう?」
慣れた口調で話しかけるルイーズ。
しかしその問いにガルカは、
「そんなガキがいるPT、入る気にもならんな」
と、冷たい反応。
「やっぱりかぁ」
てくてくとユリノの方に歩いてくるルイーズ。
その理由で断られるのは慣れているらしい。
が、
「聞き捨てならないね」
と、発言したのは、さっきまで弱気だったユリノ。
その声にガルカも立ち上がる。

883 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 05:11 [ bd5cwGjQ ]
ユリノの一言が引き金となり、口論が始まった。
「ガキがいるPTには入れないって?」
「当然だ。いざというときにおかしな正義を語るガキといるんじゃ命がもたん」
「へぇ、つまりそんなガキを止める発言力がないと見てもいいのね?」
「守る人数が増えるだけだ」
「あのさ、僕らは冒険者やってる以上、自分の身は自分で守れるんだよ。
 こっちには優秀な戦士がいるから、別にアンタに守ってもらおうとか思ってないから。
 それに…僕さ、子供扱いされるの大っ嫌いなんだよね」
「口の悪いガキだ…仕置きが必要のようだな」
「へぇ、石堀ガルカさんに出来る?」
「な…!」
「差別用語だよね。アンタも使ったから僕も使ってみただけだよ」
「貴様…!」
酒場の真ん中で刀を抜くガルカ、すっかり怒らせてしまった様子。
そして、険悪なムードの酒場、他の客が引いてしまっている。
(あーあ、また問題起こしちゃったよ…)
ふやふやとそんなことを考えながら、剣に手をかける。
その瞬間、ガルカの太刀がユリノに振り落とされた。

884 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 05:32 [ bd5cwGjQ ]
「ちっ、意外と速い…」
繰り出される斬撃を回避し続けるユリノ。
そんな攻撃の隙を見計らってスクロールを読む。
「ファランクス!ストンスキン!」
赤魔特有のファストキャストで手早く唱え、
素早くガルカに切りかかる。
さすがのガルカも、小柄なユリノの攻撃に追いつけない。
「くっ!生意気なガキだ…!」
「あ、差別用語」
ユリノの素早い攻撃は止まることを知らない。
ダブルアタック─サポートジョブ戦士の攻撃的な戦術に、
ガルカ侍は押されるばかり。
「その刀はかっこいい飾り?つるはしの方が似合ってるよ」
「…!」
怒り狂うガルカ、あざ笑うかのように振舞うユリノ。
これはユリノの戦術の1つ、相手を怒らせて腕を鈍らせる作戦。
原理は簡単だが、はまると抜けられない作戦は、
口論では負けなしのユリノであるからこその戦術である。
「このガキィィィ!」
「フフフ…大振り、スキ丸出し…」
しかし、次にガルカが刀を向けた先には他人の吟遊詩人が。
「あ!危ない!」
怒り狂ったガルカは止まらない。
狂った太刀が詩人の頬を掠めた。

885 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 06:00 [ bd5cwGjQ ]
頬から流れる血に触れて、詩人はこう言った。
「どうして争うの…?」
その詩人の一言で、酒場は静まる。
「外野は黙ってろぉぉぉ!」
それでもガルカの容赦の無い攻撃が詩人に向けられた。
それをかばうようにユリノが剣を止める。
「スリプル�供�」
瞬時に唱えられた魔法によって、怒れるガルカは眠りについた。
「大丈夫ですか?」
詩人の傷にケアルをかけながらたずねるユリノ。
がくがくと震え、泣きながら詩人は叫んだ。
「戦争さえ…戦いさえなければ!こんなことにはならなかったのに!」
その場を逃げるように走り去る詩人。
それをただただ見つめるユリノ達。
ルイーズは、酒場の客に尋ねた。
「さっきの詩人は誰?」
「この酒場に最近よく来るやつだよ。
 テノース・コンシュナーって名だったような…」
その名を聞いた客が、口々に答え始めた。
「何でも、人間と獣人の争いを無くすために歌う詩人だそうだ」
「おかしな夢だよ」
「今じゃ、変わり者ってことで冒険者の間じゃ忌み嫌われてるよ」

886 名前: 友の影を追って 投稿日: 2003/09/27(土) 06:13 [ bd5cwGjQ ]
その声を聞き取り、その酒場を後にする二人。
ユリノの脳裏には、酒場であんな騒ぎを起こしてしまった後悔、
そして、自分と同じ考えの人物がいたことの喜びを感じていた。
「ごめんね、ガキって言われてカチンときちゃった」
「仕方ないよ、最初はそうだから」
「ねぇ…さっきの詩人さん」
「テノースなら、ゴブリンの雑貨屋の常連客だよ」
「え!」
「会いに行こうか?」
「うん。いろいろと謝ることありそうだし」
路上に点々と付いた血の跡。
きっと先ほどの詩人の血だろう。
その血の道しるべを追って行く二人。
その跡は、ゴブリンの雑貨屋の前で途切れていた。
中からはゴブリンのガボットが聞こえてくる。
「この中に入ったみたい」
「それじゃ、入ろうか」
「…そうだね」
ユリノはしばらくそのガボットを聞き入っていた。
楽しい曲のはずなのに、どこと無く寂しげだった。

ユリノの章 第7話に続く…

887 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/27(土) 09:59 [ SWw6Qo1w ]
うええええん(⊃ДT)
彼らは楽しい時間を過ごしているはずなのに、読んでるこっちは切ないよ。
お願いだからバラドさん幸せになってくれよう。
チリリ達と一緒に冒険してくれよう。

888 名前: 空に奏でる君の歌40 投稿日: 2003/09/27(土) 14:58 [ suvyJNIE ]
ごめんね
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

889 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/28(日) 11:27 [ azjHe7IY ]
バラドキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
PTの危機到来の予感。・゚・(ノД`)・゚・。

890 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/28(日) 17:57 [ inyb8yw6 ]
今だ!900ゲットオォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄       (´´
     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ

891 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/28(日) 17:58 [ inyb8yw6 ]
なんか、頭腐ってるな俺・・・吊ってくる

|十三階段| λ............トボトボ

892 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/28(日) 23:02 [ pzI43HyI ]
ワラタ

893 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/29(月) 01:47 [ MYb/2OBE ]
樽戦と空に奏でる以外は見るきしないな
つーか見てないwwwwwww

894 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/29(月) 02:47 [ pLo0nEMc ]
>>893
食わず嫌いせずに読んでみれ
話はそれからだ

895 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/29(月) 02:55 [ 3ayPNst6 ]
シロキタンキュウシャーーーーーーーーー

896 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/29(月) 10:19 [ 225YZxwQ ]
>>888
(⊃Д⊂)

897 名前: 空に奏でる君の歌41 投稿日: 2003/09/29(月) 22:33 [ Y53hBeX. ]
(´・ω・`)
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/3161/

898 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 01:09 [ CG7oBz4c ]
(´・ω・`)b

899 名前: 1 投稿日: 2003/09/30(火) 02:34 [ HWKzJEY. ]

「だから私達はアルタナの女神に感謝をして日々を過ごさなければならないのです」

...むかつくぅ.

あたしは隣に座ってるリンツァイスをジトーと睨む.
あの女に見とれていた彼はあたしのその視線に気付いて,ちょっとびくっとして,それから汗をかきながら,あたしに愛想笑いをしてみせる.
だいたいなんだってこのいんちき魔道士の言葉をそんなに真剣に聞いてるのかしら?
(あんたはずっと傍であたしの魔法を見てきたじゃない!!)って叫びたくなる.

900 名前: 2 投稿日: 2003/09/30(火) 02:36 [ HWKzJEY. ]

 あたしの名前はフェムヨノノ.タルタルの女の子.だけど,あたしはバストゥークで生まれ育った.職業は...一応中堅どころの冒険者.赤魔道士を生業としている.

 もともとあたしの両親は先の対戦の折,ウィンダス連邦からバストゥーク共和国に派遣されてきた領事館の秘書官だった.そしてそのままバストゥークの国籍を取って居付いてしまったのだ.両親は今では大統領府の諸外国との渉外担当なんかをやってる.
 あたしが物心ついた頃,商業区の北の外れに一人のタルタルが引っ越してきた.そのタルタルは元冒険者で黒魔道士だった.いいかげん歳をとったのを契機にして冒険者稼業を引退して,一番気に入ったというバストゥークに腰を落ち着け,魔法屋と小さな私塾を開いた.

901 名前: 3 投稿日: 2003/09/30(火) 02:37 [ HWKzJEY. ]

 あたしの両親は同じタルタルだということでその先生と親しくなって,自然あたしはその先生の私塾で魔法を学ぶことになった.両親も魔法学校出身だけあって,いくらバストゥークに居るとは言え,子供のあたしには魔法を学ばせたかったらしい.そこであたしは黒魔法と白魔法,両方を均等に学んだ.あたしにとってはそれは自分のルーツであるウィンダスやタルタル一族の歴史を学ぶことでもあり,すごく興味を持って勉強に取り組んだ.
 私が先生の話の中で一番感動したのは,ウィンダスでは各魔法がきちんと系統分けされて学問として成り立っている,ということだった.すなわちウィンダスのタルタル達にとっての魔法というのは,学校勉強そのもの,ということになる.だから魔法学校が正式な学校として存在しているのだ.ここバストゥークやサンドリアでの魔法の扱いとはだいぶ違う.確かにその二つの国でも,黒魔法は学問体系として成り立っていて様々な研究がなされているという.でも...白魔法や赤魔法に関してはそういう事がないようだ.

902 名前: 4 投稿日: 2003/09/30(火) 02:38 [ HWKzJEY. ]

 そもそもあたしが冒険者になったのは,学問としての魔法を極めたかったから,と言ってもいい.先生の話に聞いたウィンダスの高名な魔道士達は国の公式な冒険者としてある程度の修行を積んだらしい.もちろん,そこいらに居るような冒険者じゃなく,ウィンダスの口の院所属の戦士として,様々な調査をしたりとか,そういうことだ.
 あたしは,子供の時からリンツァイスと一緒に剣の道場に通ったし,そして,よく言われる「赤魔法が赤魔法であるといわれる,その本質」に惹かれて,自分を赤魔道士とすることにした.単に両方の魔法,そして,そのどちらにも属さない魔法である赤魔法,全てを勉強したかったからかもしれない.

903 名前: 5 投稿日: 2003/09/30(火) 02:39 [ HWKzJEY. ]

 そんなこんなで私は冒険者になって,そこそこの経験を積み,いろいろな国を回るようになってからは,世界各地で魔法研究についての本を見つけ,買い込み,読み漁り...そんなことをしている.初めてウィンダスの魔法図書館に行った時なんて,もうそりゃ感動しちゃって,一月ほど滞在して毎日図書館に通っていた...実際あたしのモグハウスには蔵書が山と積まれている.魔法だけじゃなく,世界の地理学の本とか,くだらない民間伝承の本とか,吟遊詩人の詩を書き残したものだとか...リンツァイスは魔法になんか興味がないのにそんな私に付き合ってくれている.その代り,あたしもリンツの宝石探しに付き合っているわけだけど.


だから...!!
むかつくのだ,このサンドリアの白魔道士には!!

「女神アルタナに願い,奇跡を起こしてもらうのです.それが魔法というものなのですよ」
静かに話しつづけるヒュームの若い女性.サンドリアの修道院の出身だそうだ.布教活動もかねて修行として冒険者をやってるらしい.

904 名前: 6 投稿日: 2003/09/30(火) 02:40 [ HWKzJEY. ]

 あたし達は専ら二人だけで旅をしている.その他には剣道場の同期生でやっぱり今は冒険者をやってるガルカのスカイリッパーと,時たまいっしょに行動する程度.基本的には二人で気ままにあっちこっちへふらついているのだ.そもそもあたし達は,あたしの本とリンツァイスの彫金に使う貴金属や宝石を手に入れるという目的をもって旅をしてるから,普通のお金儲けや修行を活動のメインとする冒険者達とはそりが合わない.自然,二人旅が多くなる.

 それなのに,この一週間,この憎憎しい白魔道士と行動を共にすることになってしまったのだ.今回,あたしとリンツァイスは東方から運ばれてきた品物が集まるノーグに向かうことになっていた.今までも何度か行った事があるけど,今回はいい出物(もっぱら珍しい書物と貴金属)が入ったと天晶堂からの情報を聞きつけ,なら買出しに行きましょ,という感じで,荷物持ちを期待してスカイリッパーを誘ってエルシモに渡ってきた.

905 名前: 7 投稿日: 2003/09/30(火) 02:41 [ HWKzJEY. ]

 ところが,エルシモの玄関口であるカザムで,リンツァイスがこの女に引っかかってしまったのだ.
 「ぜひノーグに行って布教活動をしたいので,ご一緒させてもらえないか?」と保存食などを買い込んでいた競売前で話を持ちかけられ,そのままほいほいと返事をしてしまったらしい.このバカ.

 エルシモのジャングルに入ってから1日がたった.幸いあたし達はジャングルに巣食うモンスター達に苦戦するような駆け出しではなく,ここまでは割とすんなりこれた.でも,明日ノーグへ通じる海蛇の洞窟を抜けるわけで,今日のような楽な行程ではなくなる.あたしの魔法も戦士二人の剣も睡眠不足では十分な威力を発揮することは出来ないだろう.そこで,あたし達はアウトポストの宿舎を利用して一晩止まることにしたのだ.簡単な夕食を済ませた後,ユタンガ大森林名物の滝を見ながら,一杯やっているというわけだ.

906 名前: 8 投稿日: 2003/09/30(火) 02:46 [ HWKzJEY. ]

 その白魔道士,名前はディディエ,はそこで白魔法の奇跡(!!)について語り始めた.
曰く,女神に祈り奇跡を願う,その結果が白魔法としてあらわれるのです.あなた方が冒険で負った傷を癒せるのは女神のおかげなのです.だから皆さん,アルタナの女神に感謝して日々を送りましょう.と.

 冗談じゃない!!魔法というものはそんな簡単なもんじゃない.ウィンダスの魔道士達をはじめとする先人達の必死の研究の結果作り出された,我々人間の知恵の産物なんだ!!

 話を聞き始めた最初はあたしは口出しする気もなく,横でちびちびとヤグードドリンクをやっていた.でも,リンツァイスが真面目そうに相槌を打っているのをみて,さすがに頭にきたのだった.

907 名前: 9 投稿日: 2003/09/30(火) 02:47 [ HWKzJEY. ]

「へぇ〜.女神様ってのは偉いもんなのね.女神にさえ祈れば何の修行もなく白魔法が使えるんだ?女神様も随分大盤振る舞いね.」
「あら?フェムヨノノさんと言ったかしら.あなたも魔道士ならそのことはお分かりのはずでしょ?」
「冗談でしょ?あたしは確かに癒しの白魔法も使う赤魔道士だけど,女神様なんてのに祈ったことはないわよ.」
横で慌てたようにリンツァイスが口をはさむ.
「ちょっと,フェム!!」
「なによ,リンツ!!あんただって,あたしが魔法を使うのをずっと見てきてるじゃない!?あたしの魔法がそんなに安っぽいものだっていうの?」
「安っぽいって,そんな...ディディエさんは女神様の奇跡だって言ってるんだよ」
「それが安っぽいって言うのよ!!」

908 名前: 10 投稿日: 2003/09/30(火) 02:48 [ HWKzJEY. ]
ディディエがこちらを向いて話し始める.
「フェムヨノノさん,私の国では白魔道士というのはアルタナの女神に寄与しているものが力を授かってなるものなのです.私は修道院に入ってアルタナの女神の言葉を聞いて,その意味を悟った時に,魔力を授かりスクロールに封じ込められた魔力を自らのものにすることができるようになりました.私の国の赤魔道士達も白魔法に関してはそのようにして習得した,と聞いています.」
「ふん...だからサンドリアの赤魔道士はまともな魔法を使えないのね!!残念ながらあたしは正当な体系での魔法をウィンダス流で学んだの.そんな事しなくても白魔法は使えるようになったわ.あれは昔の人たちの研究成果なんだから!!」
「ちょっとフェム,仮にも神殿の白魔道士さんにその言い方は失礼だよ.彼女達はそういう風にして魔法を習得したのは確かなんだから」
「だから,サンドリアの魔法なんて貧弱だって言ってるの.自らの修行もなしに魔法をつかうなんて,そんなバカなことやってるから.」
「修行はしますよ」
ディディエが微笑みながら答える.
...それもまたむかつく.なんか余裕綽々の態度みたいな感じで.

909 名前: 11 投稿日: 2003/09/30(火) 02:49 [ HWKzJEY. ]

「へぇ〜,どんな?」
「人によって様々ですね.私の場合,神に日々生きられることへの感謝の祈りを捧げ,女神の教えを世界に広めることを自らに課しています.それが私の修行です.」
「バカらしい.だからあんた達は武器に魔力を宿すことも出来ないのよ!!」
「私は白魔道士ですから...」
「もういいかげんにしなよ,フェム.スカイリッパーも何とか言ってよ」
「ふむ...俺は魔法のことに関してはてんで無知だからな,さっぱりわからんよ」
「そんなぁ...」
「いいからリンツは黙ってて!!いい!?サンドリアの人間がなんと言おうと,白魔法も黒魔法も赤魔法も全て,ウィンダスで体系化された研究の成果なの!!お気楽に女神とやらに祈ってるような人達が使っていいものじゃないわ!!」

あたしはそれを言い放つと椅子から飛び降りる.バストゥークで生まれ育ったあたしにはヒュームサイズの家具が普通になってるから(初めてウィンダスに行った時は驚いた.建物がタルタルに合わせたサイズになってるなんて),ここの椅子の高さも別にどうということもない.

910 名前: 12 投稿日: 2003/09/30(火) 02:50 [ HWKzJEY. ]
「あ,フェム!!」
呼び止めるリンツ.でも構ってられない.あんたなんかそこのぶりっ子の修道女とよろしくやってれば良いのよ.
「ベッドの空きは充分にあるそうだから,今夜は一人で寝るわ!!」
そう言い放つと食堂を後にした.

「はぁ...もう.ごめんね.ディディエさん.」
「いえ,別に構いませんよ.でも...フェムヨノノさんはウィンダス流の魔法を学んだっておっしゃってましたが,バストゥークの出身だったのでは?」
「ええ...そうなんですけど.あいつはウィンダスから移住してきたタルタルの魔道士の私塾で学んだんですよ.」
「まぁ...」
「それで,あいつの両親もウィンダスから移住してきたものだから...ウィンダスに対して何か憧れのようなものを持ってるんですよ.自分のルーツを探る,って言うのかな,そういうようなものが.」
「わかりますわ,その気持ち.私もサンドリアにとっては異邦人ですからね.」

911 名前: 13 投稿日: 2003/09/30(火) 02:51 [ HWKzJEY. ]
「うむ...」
「やっぱりスカイリッパーもそういうのがあるの?」
「ふむ...いくらバスがヒュムとガルカの国だといってもな,我々は少数民族というのがはっきりわからせられるような社会構造だからな.幸い道場は鉱山区だったからな,あまりそういうことを感じないが.やはり今でも意味もなく商業区をうろつきたくはない.」
「そっかぁ...うん.それでフェムは学問をすることでウィンダスに近づこうとしたんですよね...もちろん好きでやってることだしすごく楽しんでいるんだけど,それでもやっぱり一生懸命努力して魔法を勉強しているわけですよ.だから,言葉は悪いですがディディエさんたちのやり方は,あいつにとっては不真面目に思えて気に入らないんだと思います.」
「そうですか...せめてアルタナへの感謝の気持ちぐらいは持っていただきたいと思いますが...さて,私も失礼させていただきます.そろそろ休まないと,明日は辛いのでしょう?」

912 名前: 14 投稿日: 2003/09/30(火) 02:52 [ HWKzJEY. ]
「そうですね...スカイリッパーは?」
「俺もそろそろ寝るとするよ.お前も早く寝てしまえ.明日は洞窟越えだ」
「うん...」
「それではお二人とも,また明日よろしくお願いします」
「あ,はい.おやすみなさい」

913 名前: 15 投稿日: 2003/09/30(火) 02:53 [ HWKzJEY. ]

なによ,なによ,あいつ...あんな教会に洗脳された女に優しくしてやるなんて!!
あたしは,一人きりのベッドにもぐりこむ.シーツがひんやりと冷たい.お酒を飲んで火照った身体を少し冷やしてくれる.
普段,旅先でアウトポストに泊まる時は,お金(特に他国のガードが駐留しているアウトポストでは)とベッド数の節約のために,あたしとリンツァイスは一つのベッドで寝る.ガルカも充分に横になれるようにアウトポストの冒険者用のベッドは大きく頑丈だ.小柄なヒュームの男性とタルタル(あたしはタルタルとしては大きいほうだけど)で二つも占領するわけにはいかない.他人が見たら変に思われるかもしれないけど,あたし達にとってはこれが普通.子供の頃からずっとそうしてきた.姉弟みたいなもんだから.

ふと背後に慣れ親しんだ気配を感じた.
「ねぇ,フェム〜」

914 名前: 16 投稿日: 2003/09/30(火) 02:54 [ HWKzJEY. ]
「何よ,ベッドなんか余ってるんだし,あんたは他で寝なさいよ」
「そんな...事務所ももう閉まってるし,これからベッドの追加なんて出来ないよ.サンドリアのガードって融通が利かないし...バストゥーク支配だったらどうにかなるかもしれないけどさぁ」
「今日はあんたと一緒に寝たくないの!!」
「そんなこと言われてもさ...」
そう言いながらごそごそとベッドに入り込んでくる.
「ちょっと!!」
あたしが文句を言おうとしてる間にすっかりシーツにもぐりこんでしまったリンツァイス.背中に暖かさを感じる.
「う...」
しょうがない...そのままあたしは元の位置に戻った.

「ねぇ,フェム.フェムの言いたい事もわかるけど,サンドリアの人達はああいう風なんだし,お互い冒険者なんだから認めても良いんじゃないかな?」
「...あたしは嫌」
「はぁ...」
そのため息が聞こえて数秒後,やっぱりいきなり寝息が聞こえてくる.いつもこうだ.こいつの寝入りの早さと言ったら.
あたしはまだちょっといらついていたけど,お酒も効いているのだろう,いつもどおりのリンツァイスの寝息を聞いてるうちにだんだん眠くなってきて...

915 名前: 17 投稿日: 2003/09/30(火) 02:55 [ HWKzJEY. ]

次の日の朝.
予想通りあたしはリンツァイスの腕の中で目覚めた.抱え込まれている.おまけに壁側と通路側で二人の位置が入れ替わっている.寝入り端は二人とも背中合わせで寝ているはずなのに,起きるといつもこうなってる.まぁ,大人になった今では旅先ぐらいでしか一緒に寝ることはないから,これはこれで久しぶりの感覚で心地よい.あたしはリンツァイスにぎゅっと抱きついて,温かさの中でもう少しまどろみを楽しもうと思った...のだが.

外から激しい水音が聞こえてきて,ハッとする.誰かが水をかぶってる...?そんな感じの音だ.一度目が覚めてしまった以上,寝続けることは出来ない.起こさないようにリンツァイスの腕をゆっくりはずして,ベッドから降りる.
水音は外から聞こえてくるようだ.あたしは下着に愛用のサンドリア官給品のローブ(知り合いに横流ししてもらったのだ)だけ羽織って外に出てみる.そこではディディエが湯浴み用の下着を来たまま水浴びをしていた.彼女は,あたしが立ってるのに気がつくと
「あら,おはようございます」
と微笑んでみせた.

916 名前: 18 投稿日: 2003/09/30(火) 02:57 [ HWKzJEY. ]
「あんた,昨日の夜も滝で水浴びしたのに,また水浴びなんかしてるわけ?修道女の考えることはわからないわね...」
「いえ,これは沐浴なのです.朝のお祈りの前に身を清めておこうと」
「ふーん,修道女様も大変なことね」

あたしも手ぬぐいを持ってきて,顔を洗い身体を拭き始めた.うう...冷たい水で頭がはっきりとしてくる.
沐浴とお祈りを終えたらしいディディエがガンスビンとズボンを着ながら私に話しかけてきた.
「やっぱりあなたは女神の奇跡を信じられませんか?」
「もうその話はしたくないわ.朝から嫌な気分になりたくない」
「そうですか...でも」
「あんた達がどういう方法で魔法を使えるようになるのかなんて,あたしには関係のないことだわ.ウィンダス流の魔法では女神に奇跡を祈るなんてことはない.それは確実なこと」
ディディエが困ったような顔をする.
「じゃあね」
あたしはそれに構わないで,髪を後ろでまとめるとさっさと建物の中に入った.今日は洞窟を越えなきゃいけないから忙しいのだ.リンツァイスも起こさなきゃいけない.これもまた手間だ.

917 名前: 19 投稿日: 2003/09/30(火) 02:58 [ HWKzJEY. ]

1時間後,起きてきたリンツァイスとスカイリッパーを交え簡単な朝食を取って打ち合わせをする.無駄な戦闘は避けて隠密魔法でモンスターの感覚を欺いて,なるべく安全に行こう,ということになった.
そして,滝つぼの裏にある入り口から海蛇の洞窟に入る.



途中まではうまく行っていたのだ....聴覚をごまかすスニークの魔法でそこかしこにたむろするサハギン達をやり過ごしながら,前に覚えた道順をたどり隠し扉の前に着くまでは.ところが...
隠し扉の向うに出た時,あたしは飛び出た石に頭をぶつけてしまい,その拍子にスニークが切れてしまったのだ.

それに気が付き襲い掛かってくる巨大な蟹!!ここの蟹は獰猛なことで知られている.全く失敗してしまった.

918 名前: 20 投稿日: 2003/09/30(火) 02:59 [ HWKzJEY. ]
「フェム,下がって!!」
スカイリッパーが巨大なアイスブランドを構え蟹の注意を引くと同時に,リンツァイスがウォーソードとタージェを構え意識を集中して攻撃力を上げて蟹に向かって切りつけ始めた.スカイリッパーの剣術は,ガルカ特有の頑強な肉体と意外な器用さで敵の攻撃を捌く守りと重い一撃を重視する.リンツァイスの剣術はあたしのそれと一緒で,とにかく数を当てるという剣術だ.もっともあたしの貧弱な力とは比べ物にならないし,フェンシングの流れを汲むあたしの剣筋とは違い剣の重さに任せて叩きつける方法だ.同じ道場に通ってても目指す方向性によって三人にこれだけの違いが出る.これをそれぞれ教えていたんだから,つくづくあの道場の師匠はすごかったな,と時たま考える.

あたしも一歩下がって,頭を一振りし岩にぶつけた痛みを忘れようとした.瞬間的に意識を集中し,最初にスカイリッパーに自然の回復力を高めるリジェネの魔法を飛ばす.そしてその後,立て続けに麻痺や動きを鈍くする弱体魔法を叩き込んだ.

919 名前: 21 投稿日: 2003/09/30(火) 03:00 [ HWKzJEY. ]

見ると,隣でディディエが守りの魔法プロテアを唱えていた.修道女にしては慣れてるじゃん,とちょっと感心したものの...
「ちょっと,あんたが強化魔法使ってどうするのよ!?専門のあたしに任せなさいよ!!」
と叫んでいた.
彼女ははちょっと驚いた様子でこちらを見たけど,その隙に魔法は発動してしまう.
光が盾を形作ってあたし達の身体を包んだ.

確かに赤魔道士が修行して手に入れたファストキャストと呼ばれる能力を持ってしても,全員に守りの魔法をかけるのは時間がかかるし,弱体魔法と強化魔法で手一杯だ.確かに助かった...けど,やっぱり気に入らない.この状況では背に腹は代えられないのだが,弱体そして強化魔法を専門とする赤魔道士の名が廃るってもの.

920 名前: 22 投稿日: 2003/09/30(火) 03:01 [ HWKzJEY. ]
「もう...あたしは手一杯だから回復を頼むわね,あんたの専門でしょ!!」
「わかりました!」
その拍子に蟹は両方の鋏を交差させて防御姿勢を固めた.全く,どこで覚えてくるのかしら,あんな知恵.それとも本能なのかしらね?
「く...固いぞ,こいつ!!」
それを解くためにあたしはすぐさまディスペルの魔法を叩き込んだ.
「サンキュー!!」
だが,それでも蟹の甲羅は硬い.スカイリッパーとリンツァイスは致命的な一撃を叩き込めずに苦労している.巨大な鋏で剣を受け流されることも多い.

一通りの弱体魔法を唱え終わったあたしは,愛用のフルーレ(タルタルの非力さを補うために奮発して買ったHQ品だ)を抜いて水生生物が苦手とする雷の力を宿した.そして切りかかる.

921 名前: 23 投稿日: 2003/09/30(火) 03:02 [ HWKzJEY. ]
一身に攻撃をひきつけるスカイリッパーの受けた傷はディディエがたちどころに癒していたけど...やはり戦闘にはなれていないのだろう.もう魔力が切れ掛かっているのか青ざめた顔になっている.
もちろん彼女も頑張っているのはわかってるし,彼女が回復をしてくれている分あたしも攻撃に回ることが出来る.それでも憎まれ口がでてしまう.
「もう,世話が焼けるわね!!」
あたしは剣で切りつけながら,魔力の回復を早める強化魔法リフレシュを彼女に放つ.
彼女がこちらを見て微笑んだ.
「ありがとう」
そんなお礼言う時間があるんだったら,さっさとスカイリッパーの傷を癒しなさい!!

致命的な一撃は与えられないものの,三人の剣が蟹の体力を徐々に奪っていき...やっとのこと蟹は倒れた.

922 名前: 24 投稿日: 2003/09/30(火) 03:03 [ HWKzJEY. ]
リンツァイスがため息を漏らして,座り込む.
「ふぅ...辛かった.ディディエさん,ありがとう」
「いえ...無事でよかったです」
その時,きっと,あたしのおでこにピキっと音をたてて十字が浮かんだだことだろう.
「ちょ,リン...!!」
頭にきて何か言おうとした時に,スカイリッパーが叫んだ.
「まずい,アンデッドが寄ってきている!!」
「うっひゃあ,やっぱりこの血の臭いはごまかせないかぁ...やばいよね」

アンデッドモンスターは傷から流れ出た生命エネルギーというのだろうか,それを感知する能力を持っているのだ.
「えーと,えーと,この間読んだ大戦時の戦術の本の中に確か...」
あたしが何とか切り抜けるための方法を思案していると,

「ぬお!!」
と普段のスカイリッパーからは考えられないような強烈な呻きがが頭上から降ってきた.
「どうしました?」
ディディエがいかぶしげに眉をひそめる.
「...大群だ」
「は?」
「ひと,ふた,み,よ...いっぱい」
リンツァイスも視認できたのか,間抜けな声で数えた.
「へ?」
「だから,ひと,ふた,み,よ...もっといっぱい!!」

923 名前: 25 投稿日: 2003/09/30(火) 03:04 [ HWKzJEY. ]
あたしは一気に青くなった.
「マジぃ!?」
「マジもマジ.大マジだよ」
「ふむ...さてどうしたものか...」
「どーしよーかねー?」
戦士二人が気が抜けてしまったような声で話している.

とにかく,体勢を立て直さないと!!
あたしは自分とディディエにリフレシュをかけなおし,とにかく二人の傷を癒させた.
その隙に地響きがどんどん大きくなり...骸骨の兵士と魔法使いの大群が近づいてきた.

「傷が治ったからといって見逃してはくれないよねぇ?」
「うむ...とんだ不覚だったな.扉の外に連れ出して戦えばよかった」
「と・に・か・く!!」
あたしが叫んだ瞬間,骸骨達は一斉に襲い掛かってきた.
私達の強さから言えば,一体一体はさほど脅威ではない相手だけど,今は経験不足の白魔道士も抱えているし,何より大群だ.
瞬間的にリンツァイス達は骸骨に挑発をかまし,自分達にひきつける.

924 名前: 26 投稿日: 2003/09/30(火) 03:05 [ HWKzJEY. ]
「く...さすがに...しょうがないわね」
あたしは骸骨とは組み合わずに後ろに下がってフルーレを鞘にしまい,腰の後ろに吊り下げていたワンドを手に持った.ワンド,魔力杖とも呼ばれるこの片手棍は魔力を通すことでその威力を増幅することが出来る.ウィンダス流の魔法を学んだ人間なら大抵一本は持っているはずだ.私のこのワンドは冒険者登録をした時に塾の先生から頂いたものだ.

あたしはすばやく印を切って魔法が抵抗されないような念を込めると,意識をさらに集中させ赤魔道士の能力を目覚めさせた.
連続魔と呼ばれるこの能力は一気に集中することで,時間をかけずに魔法を連続で詠唱することが可能になるというものだ.

「ウォタガー!!」
白魔法も黒魔法も学んだ赤魔道士であるあたしだからこそ出来る範囲精霊魔法の連続詠唱.
瞬間的にあたしのやろうとしていることに気付いたリンツァイスが,スカイリッパーに合図をしてすぐに骸骨達の群れから離れた.
立て続けに範囲魔法を叩き込む.見る見るうちに骸骨達は崩れかけていく...けど.

925 名前: 27 投稿日: 2003/09/30(火) 03:07 [ HWKzJEY. ]
最後まであたしの魔力が持たなかった.いくらリフレシュで強化された魔力回復をもってしても膨大な魔力を必要とする範囲魔法をそう何度も唱えられるわけではない.
結局骸骨達を葬り去ることが出来なかったあたしはふらっと座り込んでしまった.

「むむ...」
「ちくしょ...」
リンツァイスとスカイリッパーがあたしに向かっている骨の大群を阻止しようと挑発をかまして攻撃をかけているけど,その数は多い.何体かの骸骨をひきつけることに成功はしたものの自分達が防戦一方になって見る見る傷が増えていく.それなりの腕を持つ二人といえども同時に複数を相手にするのはやっぱり辛い.
リンツが骸骨の鎌に二の腕を引き裂かれるのが見えた.

「ははは...リンツ,ごめん...ダメだった...」
あたしが力無く座り込んで二人を見てると,ふと隣にいたディディエに光の塊が宿るのが見えた.

926 名前: 28 投稿日: 2003/09/30(火) 03:08 [ HWKzJEY. ]
「アルタナの女神よ...あなたの下僕達に生きる力を!!」
彼女がそう呟いた途端,私達を強い光が包んだ.リンツァイスとスカイリッパーの傷がたちどころに回復する.
「なに...?」
これは魔法じゃない...ケアルの光よりももっと温かい光...一体?
そして彼女はさらに呟く.
「不浄なる者たちに救いを...光あれ...」
あたり一体をまた強烈な光が包む.目も開けていられない.
...バニシュガ!?
それはあたし達赤魔道士には絶対使えない神聖魔法とよばれるもの...ウィンダスで散々研究されてきたにもかかわらず,いまだに体系化できてない種類の魔法...そして,その中でも特にアンデッドに対しては最強の攻撃力を誇る範囲魔法だ.

光の中で骸骨達が崩れていく...

927 名前: 29 投稿日: 2003/09/30(火) 03:09 [ HWKzJEY. ]
傷はふさがったものの,あたし達の魔力は回復していない.あたしとディディエは二人して地面にへたり込みながら力なく微笑んでいた.横ではリンツァイスが心配そうにあたし達を覗き込んでいる.スカイリッパーは周りを警戒しているようだ.

「ねえ,あんた,あの光はなんだったのよ?」
「あれは女神の私達に対する祝福ですわ...生きようとする者,決して諦めない者に女神は等しく祝福を与えてくれます.私はあの時女神に祈りました.どうかこの人たちを助けて,と」
「...ふーん」
なんか納得できない.けど,あの光でリンツァイスとスカイリッパーの傷は回復し,そしてその後の神聖魔法で骨たちは崩れ去った.もしディディエの言う女神の奇跡が無かったら,今頃あたし達はこの世にいなかったに違いない.やはり女神という存在はいるのかもしれない,などと宗旨替えが頭をよぎる.

928 名前: 30 投稿日: 2003/09/30(火) 03:10 [ HWKzJEY. ]

10分ほどして,あたし達の魔力は回復した.
「はぁ,二人ともよかった」
リンツが安心したように言う.
「さて,ノーグはもうすぐそこだ.また骸骨どもがよってこないうちに,さっさとたどり着いてしまおう」
スカイリッパーが提案する.その通りだ.いつまでもこんな所にとどまってたら,またモンスターが寄ってくる.
あたし達は立ち上がり,またスニークをかけてノーグへ向かって歩き出した.

929 名前: 31 投稿日: 2003/09/30(火) 03:11 [ HWKzJEY. ]
ノーグの入り口で,ディディエとは分かれた.彼女は帰る分には各地のテレポイントに飛べる移動用白魔法があるので苦労しない...正直うらやましい.
しばらくノーグに滞在して,アルタナの女神の教えを説いて回るそうだ.もっとも一癖も二癖もある海賊達に彼女の言う女神様の教えとやらが伝わるかどうかは難しいところだ.
別れ際に,彼女は腰を低くしてあたしを覗き込み,右手を差し出して訊いてきた.
「フェムヨノノさん,少しはアルタナの女神を感じられましたか?」
あたしは,ちょっと照れながらも,握手を返してこう答えたのだった.
「どうかしら...?あんたが変な力を使ったって事はわかったけど.でも,まぁ,その女神様に伝えておいてよ.あたしの仲間を救ってくれて,ありがと,って」

930 名前: 32 投稿日: 2003/09/30(火) 03:12 [ HWKzJEY. ]



あたしとリンツァイスは珍しい書物や宝石を大量に買い込み,スカイリッパーに背負わせてバストゥークに戻ってきた.リンツァイスは仕入れてきた宝石を加工するために早速彫金ギルドに駆け込んでいった.しばらく出てこないだろう.まったくあの男は...と思うけど,あたしも人のことは言えない.また増えた蔵書をどんどん読んでいくことに没頭して,最近は食事すら忘れることも多い.そんな感じであたし達はまたいつもの生活に戻ったのだった.



結局,その後,女神の奇跡とやらをお目にする機会は無い.

931 名前: 上のを書いた人間 投稿日: 2003/09/30(火) 03:14 [ HWKzJEY. ]
いきなり膨大なレスを消費してしまい申し訳ありませんでした.
お目汚しでしょうけども,こんなものを書いてしまいましたので,投稿した次第です.

では.

932 名前: 上のを書いた人間 投稿日: 2003/09/30(火) 03:16 [ HWKzJEY. ]
追記

一応ここに書いたのは,僕の脳内設定...と言うか設定を調べていくうちに考え付いたことですので,公式設定とはだいぶ食い違うのではないかと.

それとアウトポストの宿泊施設に関しては,ユースホステルみたいなもんかな,と考えて,こんな感じにしました.

933 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 08:22 [ peQdT/LM ]
すまん、作者自身は十分推敲して、余計なところは可能な限り省いたのかもしれないが・・・
それでも冗長すぎて読む気にならん

934 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 08:56 [ Hq4QNeZM ]
「名無しの話」の11 −タル狩−

りっくりっくとタルタルがいく。
背負った矢筒、肩にかけた弓。
羽根付き帽の似合う、緑の正装のタルタル狩人。

見晴らしのいい草原で、タル狩は獲物を見つけた。
背を向けてたたずむカメが一体。
ちょと遠いけど、矢はとどく距離。
「一人でもがんばらなきゃね」
足を踏ん張り、キリキリと弓を引く。
慎重に狙いを定め。
矢を射る!。
ヒュウッ。
矢羽が鋭く空気を切り裂き、その鋭い鏃が見事にカメの首筋を貫く!
…はずだったけれど…。
ひゅうるるるるるるる………‥‥・・カンッ…ポト。
やんわり山なりに飛んだ矢は、カメの甲羅に当たって弾けて落ちた。
「あれ?遠すぎかな?」
さいわい、カメは気づいてないみたい。
タル狩は小さな身体をもっと小さくして、ジリジリとカメへ近づいた。
「このぐらいで…」
足を踏ん張り狙いを定め。

935 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 08:57 [ Hq4QNeZM ]
射る!
ひゅうるるるるるる……‥・カンッ…ポト。
矢はカメの兜に当たって弾けて落ちた。
でもまだ気付かれてないみたい。
「まだ?」
さらにジリジリと近づくタル狩。
足を踏ん張り狙いを定め。
ひゅうるるるる…‥カンッ…ポト。
今度はカメの肩に当たって弾けて落ちた。
「?」
さらにジリジリとタル狩。
ひゅるるる…‥カンッ…ポト。
今度は甲羅。
ジリジリ…。
ひゅるる…‥カンッ…ポト。
「うぅ〜」
ジリジリ…。
いつのまにかタル狩はカメの間近にまでにじりよってしまってた。
けど、カメのこめかみに浮かんだ血管と、ピクピク引きつる頬には気付いてなかった。
見えないから。
「こんどこそ…」
足を踏ん張り狙いを定めるタル狩。
ギリギリギリ…。
力一杯ツルを引き絞り、射ようとした瞬間!

936 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 08:58 [ Hq4QNeZM ]
「こらっ!!」
カメが振り向くと同時に怒鳴りつけた。
「!」
凍りつくタル狩。
「ひとが黙っとったらカンカンカンカンと」
ギロリとタル狩を睨み付けるカメ。
「たいがいにせんとしょうちせぇへんぞ!」
ブンと斧を振り上げる。
「ヒッ」
ビクンと震えるタル狩。
はずみで指が滑る。
ヒュッ。
パスッ!
カメの額に突き刺さる矢。
「バラして煮込ンでまうぞこらぁ!」
そこまで言ってから、
「?…」
カメは目の前でミヨョ〜ンと揺れる矢羽根に気付いた。
「…」
じ〜っと矢羽根から先端へと目で追うカメ。
だんだんより目になってく。
「あぁ?…」
ようやく、自分の額に刺さってる事に気付いた。
「なんじゃこりゃあ?」
大声を上げるカメ。
ミヨヨォ〜ン。
頭が揺れれば矢羽根も揺れる。

937 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 08:59 [ Hq4QNeZM ]
「なん〜じゃこりゃあ〜!」
天に向かって吠えるカメ。
天に向かって揺れる矢羽根。
「キャー、ごめんなさーい」
トタタタター。
タル狩は慌てて逃げ出した。

「ごめんなさい、ゆるしてー」
泣きながら逃げるタル狩。
「なんじゃこりゃー!」
その後を額に矢の突き刺さったカメが追っかける。
矢をミヨンミヨンさせながら、顔を真っ赤にして追っかける。
「もうしません、もうしませんー」
逃げながら謝るタル狩。
けど、カメは全然聞いてない。
「なんじゃこりゃー!」
ひたすら追っかけてくる。
広い草原を逃げて逃げて、ひたすら逃げて。
「あっ!」
とうとうタル狩の脚がもつれた。
ドチャッ!
倒れるタル狩。
「なんじゃこりゃー!」
迫るカメ。
「きゃー」
恐怖に身を丸めるタル狩。
そして!

938 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:00 [ Hq4QNeZM ]
プギュッ!
アッサリと踏みつぶされるタル狩。
さらに
「なんじゃこりゃ、なんじゃこりゃ、なんじゃあこりゃぁー!」
プニュッ、プギュッ、ミュギュッ〜!
踏んで踏んで踏みにじるカメ。
さんざん踏んで気がすんだらしい。
「ふー」
額に浮かんださわやかな汗を拭こうとして、ハッと気づくカメ。
矢がまだ刺さってる。
抜こうと、つかんで引っ張り
「ん?」
…抜けない。
「んん?」
抜けない。
「んんん〜?」
どーしても抜けない。
「なんじゃこりゃー!!」
泣きながら走り去るカメ。
あとにピクピクしてるタル狩を残して。

939 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:01 [ Hq4QNeZM ]
午前中狩りにがんばると、お昼ご飯がとても美味しい。
いつも美味しいミスラの手料理が、も〜っと美味しい。
だからついつい、腹八分目を通り越して目一杯食べてしまう。
でも、お腹一杯食べると、すぐ午後の狩に取りかかるのはと〜ってもつらい。
だからヒュム戦達は食後の休憩を長くとる。
岩に腰掛けたり、座り込んだり、寝転んだり。
思い思いの格好で、お茶など飲みながらゆったりと。
今日の食後のお茶は、タル黒が持ってきたお茶葉を使った。
海の向こうの東の国の産。
ぬるめのお湯でゆっくりいれると、薄黄緑色で少し渋いお茶になる。
けど、その渋さになれると意外と美味しい。
「ギョクロっていうのー」
とタル白。
「アンパンとあうのー」
とタル黒。
「「ねー」」
二人で顔を見合わせ、うなずき合うタル白タル黒。
最近、二人はその組み合わせがお気に入りらしい。
「あの、豆のジャムの入ったやつだね」
前に一度タル黒がおやつに持ってきた。
「アンコっていうのー」
とタル黒。
そこへ、一人で散歩に出てたガル戦が帰った来た。

940 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:03 [ Hq4QNeZM ]
「んーただいまぁ」
背負った皮袋が出かけた時より少しふくらんでるように見えるのは気のせいだろうか。
「「「「「おかえり」」」」」
と五人で迎える。
「大丈夫だった?」
とヒュム戦。
「?」
「少し前、ガルさんの行った方からカメがね」
「はしってきたのー」
「ないてたー」
とタル白タル黒。
「全然前見てなかったみたいで、あっという間に突っ込んできたんだ」
「ミスラさんのポットふんだのー」
「エルさんのコップもー」
「で、怒った二人に殴る蹴るの暴行を受けて」
指さすヒュム戦。
少し離れたところに転がるものが一つ。
それは、袋叩きにあって昇天したカメだった。
その額には一本の矢がプッスリと刺さってる。
「すごかったよー。残像でエルさんの盾が何枚にも見えたり、ミスラさんの脚が何本にも見えたり。二人ともモンクの素質あるね」
一人うんうんとうなずくヒュム戦。
「んー、そういえば泣きながら走ってるのとすれちがったなぁ」
「?ガルさんが泣かしたんじゃないにゃ?」
「ちがうよぉ。オレなら泣いても逃がさないよぉ」
ニカッと笑うガル戦。
言葉は軽いけど、内容は…怖い。

941 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 09:04 [ cRW6BTaI ]
もちっともちっと改行を…
でも、結構よかったよ。
一文一文が長いから、冗長に感じる部分はあるけどね
イイ(・∀・)

942 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:04 [ Hq4QNeZM ]
「じゃあ…やっぱりどこかの狩人さんの討ちもらしかな?」
だとしたら額の矢も納得がいく、とヒュム戦。
「カメの頭は固くて鈍いにゃ。うまく射抜かないとなかなか倒せないにゃ」
「…固いけど鈍くはないと思う…」
小さくつぶやくヒュム戦。
「にゃっ!?」
ピキンと反応するミスラ。
「あ、いや、ところでガルさん、それは?」
あわてて話を変えるヒュム戦。
「ん?いつもの皮袋だよぉ」
「出かけた時より、ふくらんでない?」
「ああ、釣り道具拾ってきたんだぁ。いままでより遠くから釣れるよぉ」
もちろん、魚じゃない方の釣りだ。
「ふーん」
じーっと皮袋を見つめるヒュム戦。
本能と経験が、「あやしい!」と訴えてる。
「見てもいいかな」
「…」
「見ても、いいかな?」
「んー、しょうがないなぁ」
しぶしぶ皮袋を下ろすガル戦。
一応、警戒しつつ口を緩めるヒュム戦。
そっと中を覗くと。

943 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:07 [ Hq4QNeZM ]
「…」
真っ暗な袋の中、涙をためたまんまる目玉がうるうると見上げてる。
「ガルさん?」
「んー?」
「これ、どうやって使う?」
「簡単だぁ」
とガル戦。
「こうして、こう!」」
つかんで投げるモーションをして見せるガル戦。
「ちがうだろ、ちがうでしょ、ちがうぞー!」
ドコッ、ドゲッ、ドガッ!
ガル戦の頭を剣でひっぱたくヒュム戦。
「ちがうかなぁ」
首をかしげるガル戦。
ダメージは全く無いみたい。
「あー、タル狩ちゃんー」
好奇心に負けて皮袋を覗いたタル白が声を上げる。
「タル白ちゃーん」
泣きながら這い上がってきたのは、緑の正装のタルタル狩人。
「だいじょうぶー?」
慌ててタル黒も手を貸し、二人がかりで助け出す。
「あれはタル狩。釣り道具じゃない!」
ガル戦を睨み付けるヒュム戦。
「んー、でも狩人は離れたところから獲物を攻撃出来るから…」
「それは弓矢!狩人本人投げてどうするの!」
「んー?」
なんだか納得のいかない風なガル戦。
フリなんだか天然なんだか、分厚い皮膚と筋肉で作られた表情からは読み取れない。

944 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:09 [ Hq4QNeZM ]
「ごめんね」
タル白タル黒と抱き合ってるタル狩の脇にしゃがむヒュム戦。
歪んでしまった帽子を直し、くずれてしまった羽根飾りを指で整えてあげる。
「怪我はない?」
聞かれて、自分の身体や手足を見るタル狩。
服は汚れてしまってるけど、傷はない。
「?」
不思議そうにしながらも、うなづくタル狩。
「うん、ほんとうにごめんね。ガルさんも、ホントは悪気はないから」
タル狩を安心させるように言うヒュム戦。
けど、タル狩の左右ではタル白タル黒が小さく首を振ってる。
そのうしろでは、エル騎士とミスラも首を振ってる。
そして言ってる本人も、自分の言葉を信じてない。
「んー、わるぎはないぃ」
ひとり、ガル戦だけが満足そう。
「タル狩ちゃん、パーティーは?ひとり?」
問われて頷くタル狩。
「町の近くにちょうどいい獲物がいなくて、ここまで…」
「じゃあ、一緒に狩ろうか」
「え?」
驚いてヒュム戦を見上げるタル狩。
「大勢の方がたのしいにゃ」
ポンポンポンとタルちゃんズの頭を軽く叩くミスラ。
「道具も拾ってあるぅ」
皮袋の中から、タル狩の弓と矢筒を取り出すガル戦。

945 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:10 [ Hq4QNeZM ]
「でも…」
見回すタル狩。
ヒュム戦たちのパーティーはもう六人そろってる。
「問題ない。いざとなったらガル戦を外す」
とエル騎士。
「え゛…」
ガクンとアゴを落とすガル戦。
「拾ってきたら、ちゃんと面倒見なきゃダメにゃ。犬猫もタルちゃんもおんなじにゃ!」
ピシッとガル戦を指さすミスラ。
でも、ちょと考えると、とても失礼な例えをしてる。
「ほんとうに…いいの?」
「だーいじょうぶ」
にっこり笑むヒュム戦。
「あ、だけど狩はお茶してからね」
「タル狩ちゃんも飲むにゃ」
「うん!」
ミスラの差し出したお茶を、タル狩はうれしそうに受け取った。
昇天したカメは完全に忘れ去られてる。

「ぼく、釣りにいくね」
タル狩は自分から申し出た。
「んー、俺が行くからいいよぉ」
とガル戦。
「ぼくにはこれがあるから」
強く弓を握りしめるタル狩。
「…」
一同を見回すヒュム戦。
特に否定の視線はない。
「じゃあ、お願いしようか」
「うん!」
タル狩は元気に頷いて駆け出した。

946 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:11 [ Hq4QNeZM ]
りっくりっくとタルタルがいく。
背負った矢筒、肩にかけた弓。
羽根付き帽の似合う、緑の正装のタルタル狩人。
見晴らしのいい草原で、タル狩は獲物を見つけた。
背を向けて草を食む大羊が一頭。
ちょと大きいけど、獲物は大きい方がみんな喜んでくれると思った。
「しっかり釣って帰らなきゃ」
足を踏ん張り、キリキリと弓を引く。
タルタルにとっては山のような大羊。
どこを狙っても外しようがない。
力一杯引き
射る!。
ヒュウ!
矢羽が鋭く空気を切り裂き
プス
その鋭い鏃が見事に大羊のお尻に突き刺さる!
けど…。
…
いつまでたっても、大羊はなんの反応も見せない。
もぎゅもぎゅと草を食んでる。
お尻でプルプルと矢羽根が揺れてる。
「あれ?」
再度矢をつがえるタル狩。
力一杯弓を引き、射る!
ヒュン!
プス
またまたお尻に矢が刺さる。
けど…。

947 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:12 [ Hq4QNeZM ]
もぎゅもぎゅ…。
やっぱり反応しない大羊。
「?」
首をひねりつつ、さらに矢を射るタル狩。
ヒュン!
プス
もぎゅもぎゅ。
「??」
ヒュン!
プス
もぎゅもぎゅ。
「なんで〜?」
泣きそうになりながら、さらに矢を射るタル狩。
ヒュン!
ヒュンヒュン!
ヒュンヒュンヒュン!
プス
プスプス
プスプスプス
…もぎゅもぎゅもぎゅ…。
射ても射ても反応しない大羊。
「う゛〜」
まん丸い目に涙をためて射続けるタル狩。
ヒュンヒュンヒュン…
プスプスプス…
と、矢筒へ伸ばした手が、空をつかむ。
「あ…」
矢が…無い。
いつのまにか大羊のお尻には、針山のように矢が刺さり、タル狩の矢筒は空になってた。
それなのに。
もぎゅもぎゅ…。
大羊は全然感じてない。
悲しくて、悔しくて、腹がたって
「あ゛ー!」
タル狩は声を上げて大羊に駆け寄ると、その巨大な後脚を
ポクン
蹴飛ばした。
とたん!

948 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:14 [ Hq4QNeZM ]
グウルン
巨体が振り返る。
目の前に、大羊の鼻面が来る。
その鼻先だけでタル狩より大きい。
ギロリ
「あ゛…」
ブフンッ!
大羊の激しい鼻息。
ゴロゴロゴロ
吹き飛ばされるタル狩。
「フンッ」
向きを変え、去っていく大羊。
「あっ」
慌てて起き上がるタル狩。
「まって、まってー」
叫ぶけど、大羊は立ち止まらない。
それどころか、歩速を上げる。
「まってー」
後を追うタル狩。
けど、タルタルの脚では大羊に追いつけるはずがない。
大羊は、タル狩のありったけの矢と共に姿を消した。

帰りが遅いのを心配したヒュム戦とガル戦が探しに来たとき、タル狩は空の矢筒を抱いて泣いてた。

949 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:17 [ Hq4QNeZM ]
「矢が…なくなっちゃった…」
ガックリと落ち込んでるタル狩。
「んー大丈夫ぅ」
「気にすることないにゃ」
「ナイフで十分だ」
「じゅぶんー」
「がんばろうー」
「おれとガルさんが釣るから。ね?」
タル狩の頭を撫でるヒュム戦。
「…」
プルプルと首を振るタル狩。
「ありがとう…でも…かえる…」
止める間もなく、走り出すタル狩。
「あ…」
空の矢筒を背負った背中は、とてもとても小さかった。

「グス…ヒック…」
ヒュム戦達の言葉は嬉しかった。
けど、弓矢で役に立ちたかった。
狩人だから、弓矢の力で役に立ちたかった。
「帰ってからずっと泣いてるクポ。そんなに泣いたら目玉がとけて流れちゃうクポ」
コップをのせたトレイを差し出すモーグリ。
ミルクが注がれてる。
「ありがと…」
「…また処分するクポ?」
見回すモーグリ。
調度の少ないタル狩の部屋。
矢を揃えるのにお金がかかるから、部屋にまでなかなかお金が回らない。
苦しい中で少しずつ揃えた家具もアイテムも、うまく獲物が得られなければ、矢代となってふたたび消える。
もう何度も繰り返されたこと。

950 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:18 [ Hq4QNeZM ]
夜には整理が終わった。
明日の朝一で売りに行こう。
と、部屋のドアを叩く音。
「はーいクポ」
モーグリが飛んでいく。
「ご主人様ー、お客様クポー」
「?」
ドアへと行くと
「え?」
ヒュム戦がいた。
よっぽどの大戦闘があったのだろう、ボロボロの姿で。
「やあ」
にこやかに手を挙げるヒュム戦。
「これあげるぅ」
ヒュム戦を押しのけて現れたのはガル戦。
両手に山ほどの矢束を抱えてる。
「ガルさんが入札間違えてね。うちには狩人いないから使えなくて」
ガル戦の前へと回り込んで話するヒュム戦。
「んー、もらってくれると助かるぅ」
再度ヒュム戦を押しのけるガル戦。
「でも…」
困惑するタル狩。
「置いていくから、いらなかったら好きにしていいよ」
またまたガル戦の前へ回り込むヒュム戦。
「使いでがあるよぉ」
パッと手を広げるガル戦。
ドサドサドサ
「むぎゅ…」
矢束の山に押し潰されるヒュム戦。

951 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:20 [ Hq4QNeZM ]
「んー、じゃあ」
くるりと背を向けるガル戦。
「あの…」
「あ、そうだぁ」
何歩か行ってから、クルリ振り返るガル戦。
「また、組もうね」
ニカッと笑って走り去る。
「あの…」
タル狩が声を掛けても、もう立ち止まらない。
背後でフワフワ浮いてるモーグリを振り返るタル狩。
「どうしよう…」
それから、思い出したように足元へ視線を落とす。
そこには、山になった矢束の下でピクピクしてるヒュム戦の手があった。

薄暗い通り。
エル騎士、ミスラ、タル白タル黒が立ってる。
みんなボロボロ。
「ただいまぁ」
「矢、あげてきたにゃ?」
「よろこんでたー?」
「つかってくれるー?」
「んーたぶん」
「じゃあ、帰ろうか」
そして、五人は帰っていった。
…ん?また五人…。

『また忘れられた…また…』
ヒュム戦は矢束の下で悲しそうにつぶやいた。だれも聞いてないけど…。

952 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:21 [ Hq4QNeZM ]
−本日の戦績−
 獲物:獣数頭 大羊一頭
 死亡:無し
 評価:ブー

翌日、矢筒に詰められるだけの矢を詰めて、元気に走るタル狩の姿があった。
「問題ない。いざとなったらガル戦を外す」
「え゛…」

「名無しの話」の1 −おわり−

953 名前: 名無しの話の作者 投稿日: 2003/09/30(火) 09:29 [ Hq4QNeZM ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
またまたまた長いです。
ああ…大勢のため息が聞こえてきます。
穴があったら埋まりたい…。
すぐに這い出てくるけど…。

954 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 09:43 [ 2t./LLiI ]
>>953
あいかわらず面白いです・・・
>ああ…大勢のため息が聞こえてきます。
大勢の笑いしか・・・

それもともかく、次スレ立てました
作家さん移動よろ〜

涙たちの物語4 『旅は道連れ』
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/5091/1064882510/l100

955 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 10:26 [ Df5M9ETI ]
次スレ
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1064882510

956 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 11:50 [ DKMu9Rwc ]
899−930
おいらは、一気に読ませていただきました。
[ HWKzJEY. ]殿、感想は人それぞれ。
新しい書き手さんなので、cheer

957 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 18:01 [ zjHFXI72 ]
>>833-930
私も好きです、こういうお話し。
今回はフェムヨノノ中心だったけど他のキャラのお話しも読んでみたいと思います。
[ HWKzJEY. ]さん、がんばってくださいね〜。

958 名前: 957 投稿日: 2003/09/30(火) 18:03 [ zjHFXI72 ]
ぅぁ。レス番間違えた・・・・。
×>>833-930
○>>899-930

ともかく頑張ってくださいということで。

959 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/09/30(火) 21:13 [ inyb8yw6 ]
[ HWKzJEY. ]殿

読みましたよ。 >941が言うように、改行を工夫しよう。
内容は、面白かったですよ^^
次回作に期待 /cheer

>名無しの話作者様
今回も、楽しく読ませていただきました(笑)
タル狩の行く道に幸多からんこと /salute

960 名前: 1/3 投稿日: 2003/10/02(木) 02:01 [ g9cXI85g ]
にゅぅにゅぅ。
アタシはウインダス生まれのミスラ。
まだ小さいケド、冒険者なのにゃ。

ざっざっざっ。

「あの日のときめきを〜、僕たちは忘れタネ〜。
哀しがらないで〜・・・。」

にゅぅにゅぅ。
今日はとっても大事なコトをしてるのにゃ。
明日に繋がる大切な一歩なのにゃ。

「ね?何してるの?」
「にゃ。板を埋めてるのにゃ。」

「板?」
「そうにゃ。この板、もう一杯なのにゃ。
それに、新しい板も出来たから、埋めちゃうのにゃ。」

「あ、そうなんだ。この板は、もういらないんだね・・・。」
「違うにゃ。」

「え?」
「この板、よく視てにゃ。」

961 名前: 2/3 投稿日: 2003/10/02(木) 02:02 [ g9cXI85g ]
「あ、うん。・・・。あ!
なんだか、キラキラ、光ってるよ・・・。」
「そうなのにゃ。」

「でも、なんで?」
「この板には、いろんな人の、
いろんな想いが刻まれているからなのにゃ。」

「あ、そうなんだ。」
「それでにゃ、この板に刻まれた想い、
それは全部、タネになるのにゃ。」

「タネ?」
「にゃ。タネからは、芽が出て、花が咲くのにゃ。
でも、花が咲く場所が、普通とちょっと違うのにゃ。」

「そうなの?」
「そうにゃ。この花は、みんなの心の中に咲くのにゃ。
そしてこの花から、また新しい想いが生まれて、
その想いが新しい板に刻まれていくのにゃ。
そいで、刻まれた想いがまたタネになって、
そうやって、みんなの想いが無限に連鎖していくのにゃ。」

「うわぁ!そうなんだ。すごい・・・。」
「にゃ。」

962 名前: 3/3 投稿日: 2003/10/02(木) 02:03 [ g9cXI85g ]
「ね?私も埋めるの手伝っていいかな?」
「もちろんにゃ。」

ざっざっざっ。ざっざっざっ。

「もう少しだね。」
「にゃ。もう少しなのにゃ。」

「あのね・・・。」
「ふにゃ?」

「私ね、最初、何してるのかわからなくて・・・。」
「にゃ?」

「おトイレ作って、埋めてるのかと思っちゃった・・・。」
「にゃー!失礼にゃ!いくらアタシでも、外でなんかしないにゃ!」

「えへへ。ごめん。そうだよね・・・。」

にゅぅにゅぅ。
ヒドイにゃ!失礼にゃ!
アタシ、猫じゃないんだから、
外で穴掘ってトイレなんかしないのにゃ!

あにゃ・・・?

963 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/02(木) 08:58 [ VRx6P.t2 ]
朝からちょっと涙目…。
国帰って、あるいてるチビミスラなでくりまわしてやりたいのぅ。

964 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/02(木) 09:05 [ LOdnWjDc ]
この板無くなるのか?

板じゃなくてスレだと信じたい。
次の板、か…何処だ…。誰か教えてくれ…。

965 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/02(木) 12:54 [ /7E1.1KY ]
>>964

>>955

966 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/06(月) 12:28 [ DvfGz51k ]
みんなスレを埋め忘れとる・・・・・
埋めなくていいとは聞くが



とりあえず埋め

967 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/06(月) 15:23 [ 0VCiloYw ]
ひゃっほ〜〜〜い
埋め

968 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/07(火) 01:42 [ DvfGz51k ]
言ったおれも忘れてた
1日ぶりの梅

969 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/08(水) 16:32 [ inyb8yw6 ]
   | \
   |Д`) ダレモイナイ・・ウメルナラ イマノウチ
   |⊂
   |


     ♪  Å
   ♪   / \   ランタ タン
      ヽ(´Д`;)ノ   ランタ タン
         (  へ)    ランタ ランタ
          く       タン



   ♪    Å
     ♪ / \   ランタ ランタ
      ヽ(;´Д`)ノ  ランタ タン
         (へ  )    ランタ タンタ
             >    タン

970 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/08(水) 18:56 [ yPyb2cUo ]
|
|゜Д゜)<ウメー
|

971 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/08(水) 20:22 [ 0VCiloYw ]
|
|゚Д゚)<みんな埋めろやゴルァ!
|

972 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/08(水) 20:26 [ 0VCiloYw ]
あbhcj、yrっ(-Д-)ダ、ソウダえfsffgsxryws4うぇgfxgbm

973 名前: 名有りな人 投稿日: 2003/10/09(木) 01:24 [ vDR1UAHg ]
梅

974 名前: 1/4 投稿日: 2003/10/09(木) 02:14 [ sFf1kFvc ]
[ マリーにおまかせ! 消えた指輪 事件編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「花はいらんかね?小さなツボミは、お買い得だよ。」

今は花売りのアルバイトなどをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「所長!なに遊んでるんですか?!
もう大変なんですよ?!所長!」
「うるさいな、ワトソン君。
そんなに騒いだら、客が逃げるじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そしてこの者は、吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、ねえさん・・・。
違った・・・。所長、事件です!」
「ワトソン君、それならそうと早く言いたまえ。
それで?どんな事件なのだね?」

「指輪が消えたんですよ!」
「ワトソン君、それではなにもわからんよ。
もう少し順を追って、事件を説明してくれたまえ。」

975 名前: 2/4 投稿日: 2003/10/09(木) 02:15 [ sFf1kFvc ]
「あ、はい。じつはあれこれしかじか・・・。」
「ふむ。かくかくうまうまなのだね。」

事件のあらましはこうである。

被害者はタル田タル男。
容疑者はタル山タル吉。

タル男の所有する指輪が消えたらしい。
そしてタル男は消えた指輪の捜索をワトソンに依頼した。

「聞いて下さい!ワトソンさん!」
「あ〜、はいはい。聞きますから。
落ち着いて下さい、タル男さん。」

「あのですね、私の精力の指輪が消えてしまったんです。」
「はあ?消えた?ですか?」

「はい。そうなんです。
その指輪は先月『ワイフが喜ぶから。』と
冒険者に勧められ買った物なのですが・・・。」
「ほう。それはそれは・・・。」

「はい。おかげさまで、私もみるみるヤル気、
みるみるゲン気で、妻も大満足してくれていたのですが・・・。」
「ゴホン。それで・・・。」

「あ、はい。先日、この噂を聞きつけたタル吉が
『指輪を一日だけ貸して欲しい。』と言ってきたんです。」
「ほう。」

976 名前: 3/4 投稿日: 2003/10/09(木) 02:16 [ sFf1kFvc ]
「私としては、夫婦の絆を守る
大事な指輪なので貸したくはなかったのですが、
タル吉が何度もしつこくせがむものですから、
一日だけなら良いかと思い貸してしまったんです。」
「ほほお。それで?」

「はい。次の日、タル吉に指輪の返却を求めたのですが、
タル吉は『指輪は消えた』と言って返してくれないのです。」
「おやおや。それは・・・。」

「もちろん、そんなタル吉の言葉は信じられませんから、
タル吉のカバン、ハウスの金庫やポストまで調べたのですが、
どこにも指輪はなかったのです。」
「なんと・・・。」

「それと指輪の代金を弁償してもらおうにも、
タル吉は身寄りも無く、あまり裕福ではないので、
とても指輪の代金を出せそうもないのです。」
「なるほど・・・。」

「お願いします!ワトソンさん!
なんとか私の精力の指輪を探し出して下さい!
あの指輪がないと、私はもう駄目なんです・・・。
このままでは、妻に・・・離婚されてしまいます。
夫婦生活の一大事なんです!助けて下さい!」
「あ〜。はいはい・・・。」

以上である。

977 名前: 4/4 投稿日: 2003/10/09(木) 02:17 [ sFf1kFvc ]
「しかし、所長。指輪が消えるなんて、
本当にあるんでしょうか?」
「ワトソン君、世の中に不思議な事なんて、何もナイのだよ。」

「はぁ?」
「つまりこの事件は、最長リアル3日で解決するという事なのだよ。」

「え?!所長、指輪がどこにあるのか、わかったのですか?」
「もちろんなのだ。
ワトソン君、君も考えてみたまえ。ヒントは3つ。」

1.タル吉のカバン・金庫・ポストには指輪はなかった。
2.タル吉は身寄りがない(倉庫キャラ無し)。
3.木を隠すなら・・・。

978 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/09(木) 08:42 [ bNO3JpDc ]
回答編期待して良いのだろうか…

というか、俺には答えがわからん_| ̄|○

979 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/09(木) 11:26 [ yPyb2cUo ]
競売に出品したんじゃないのかな?

980 名前: 1/3 投稿日: 2003/10/10(金) 02:03 [ 7.tX9a1. ]
[ マリーにおまかせ! 消えた指輪 解決編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「果実はいらんかね?まだ青いが、味は保障するよ。」

今は八百屋のアルバイトなどをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「所長!なに遊んでるんですか?!
もう大変なんですよ?!所長!」
「うるさいな、ワトソン君。
そんなに騒いだら、客が逃げるじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そしてこの者は、吾輩の助手のワトソン。

「あ、そうそう。所長、例の指輪、見付かりましたよ。」
「うむ。そうか。」

「いや〜。所長の推理どおりでしたよ。」
「アタリ前田のクラッカー、なのだよ。」

981 名前: 2/3 投稿日: 2003/10/10(金) 02:04 [ 7.tX9a1. ]
タル男の精力の指輪は競売所に出品されていた。

タル吉はタル男から借りた指輪を我が物にしようと
一時的に指輪を隠す事を考えたのだ。
しかし、カバンや金庫に隠したのでは、
すぐに見付かってしまう。
そこで、他人に落札されないよう、
落札金額を最高額に設定して、
競売所に指輪を出品したのだ。
こうして、ほとぼりが冷める頃(リアル3日)まで、
指輪を隠そうと考えたのだ。

タル吉は動機について、こう語った。

「あの指輪があれば『ワイフが喜ぶ』と冒険者に聞いて・・・。
自分もワイフが欲しくて・・・。
それでアレをナニに付ければ、
自分にもワイフが出来て、喜べると思った・・・。」

以上である。

「しかし、所長。
タル吉も面白い事を考えるものですねぇ〜。」
「そうだな。しかし・・・。」

982 名前: 3/3 投稿日: 2003/10/10(金) 02:05 [ 7.tX9a1. ]
「え?所長、何か?」
「いや、なに。指輪がナニに付くとは、
タルタルのナニとは、さぞ・・・。ぷ。」

「あ、そういえば、あの指輪。
元々の持ち主はガルカの冒険者で、特注品らしいですよ。」
「なに?!それは・・・ごくり・・・。」

「あれ?所長、よだれ・・・。」
「う、うるさい!黙れ、ハゲ!」

「ムカ!ハゲにハゲ言うな、ガキ!つるぺたちび!」
「なんだと!貴様には、このコンパクト設計で
流線型ボディの素晴らしさがわからんのか!」

「わかるか!」
「わかれ!」

この世に争いある限り、吾輩の仕事は無くならないのだ。
だがしかし、どんな謎も事件も吾輩が、見事解決してみせよう。

マリーにおまかせ!

983 名前: 0/0 投稿日: 2003/10/10(金) 02:07 [ 7.tX9a1. ]
>>979 Congratularsi!!

984 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/10(金) 08:28 [ Wz06dXpE ]
マリーにおまかせ!(・∀・)イイ!!
次回作に期待!

985 名前: 0/0 投稿日: 2003/10/13(月) 01:03 [ 65Om7zko ]
[ マリーにおまかせ! かくれんぼの達人 事件編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「バンドエイドはいらんかね?浪漫にはバンドエイドなのだよ。」

今は薬局のアルバイトなどをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「探しましたよ、所長!なに遊んでるんですか?
もう大変なんですよ、所長?!」
「ワトソン君、静かに。
そんなに騒いだら、お客がびっくりするじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そして、この者は吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、所長。面白い話を聞いてきたんですよ。」
「ほぉ。どんな話なのかね?」

「はい。子供達の噂話なんですけどね。
かくれんぼの達人がいるそうなんですよ。」
「ふむ。詳しく聞かせてくれたまえ。」

986 名前: 2/3 投稿日: 2003/10/13(月) 01:04 [ 65Om7zko ]
「あ、はい。じつはあれこれしかじか・・・。」
「ふむ。かくかくうまうまなのだね。」

噂話のあらましはこうである。

子供達がウイン・港区でかくれんぼをした時の出来事だ。
その子供達の中に、彼はいた。
彼の名は、タル木タル郎(仮名)。

かくれんぼのルールでは、隠れる範囲を港区内としていた。
鬼は次々と隠れている子供達を見付けていったのだが、
どうしてもタル郎を見付けられない。

そこで鬼は、タル郎はルールを破って他のエリアに
逃亡したと考えたのだが、サーチで調べてみると、
タル郎は間違いなく港区にいたのだ。

その後も鬼が、港区を捜索&サーチを行ったのだが、
タル郎は見付からず、タル郎が港区から移動する様子もなかった。

そして、時刻は夕方となり、
皆があきらめて帰ろうとしたその時、タル郎が姿を現したのだ。

「あ!タル郎だ!」
「タル郎にゃ!」
「タル郎ちゃんでち〜!」
「おい!タル郎、今までなにやってたんだよ!」
「ふぁ〜。ごめん、ごめん。ちょっと眠くてサ。寝てた。」

987 名前: 3/3 投稿日: 2003/10/13(月) 01:05 [ 65Om7zko ]
「はぁ?!」
「ふにゃ?」
「おねむでちか?」
「なんだよ、それ?!ともかく、ドコに隠れてたんだよ?」
「あ!ごめん、もう、帰らなきゃ!
ママに叱られちゃう!それじゃ、またね!」

「オイオイ・・・。」
「ばいにゃ〜。」
「ばいばいでち〜。」
「ふぅ。まいったね・・・。」

それから程なく、彼はかくれんぼの達人と
呼ばれるようになったのである。

以上である。

「ね?所長、面白い話でしょう?」
「う〜ん。そうかね?」

「え?所長、面白くないんですか?
だって、透明人間みたいじゃないですか?
足跡は有るが、姿は見えずみたいな?」
「ワトソン君、世の中に不思議な事なんて、何もナイのだよ。」

「はぁ?」
「人は消えたりはしない。
彼は見付かりにくい場所に隠れていただけなのだよ。」

「え?!所長、彼がどこに隠れていたのか、わかったのですか?」
「もちろんなのだよ。
ワトソン君、君も考えてみたまえ。ヒントは3つ。」

1.タル郎は港区で寝ていた(移動していない)。
2.人は消えたりはしない(インビジ無し)。
3.鋼の錬金術師は面白い。

988 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/13(月) 18:24 [ oNsUc4nU ]
モグハウスに隠れていた。

989 名前: 1/3 投稿日: 2003/10/14(火) 01:13 [ 65Om7zko ]
[ マリーにおまかせ! かくれんぼの達人 解決編 ]

吾輩はミスラの少女である。
名前はマリー・ハドソン。
職業は・・・。

「おっと、中はダメなのだよ。当たるのだよ。」

今は雀鳳楼で代打ちなどをしておるが、
これは世を忍ぶ仮の姿なのである。
その正体は・・・。

「探しましたよ、所長!なに遊んでるんですか?
もう大変なんですよ、所長?!」
「うるさいな、ワトソン君。
そんなに騒いだら、ツキが逃げるじゃないか。」

そうなのである。
吾輩は薔薇十字探偵所の所長なのである。
そして、この者は吾輩の助手のワトソン。

「そんな事より、所長。例のかくれんぼの話、
そろそろ教えて下さいよ。」
「ああ、その話か。うむ、ロン、大三元なのだよ。」

990 名前: 2/3 投稿日: 2003/10/14(火) 01:14 [ 65Om7zko ]
タル郎はどこに隠れていたのか?
それは・・。

「ワトソン君。君はウイン・港区に行った事はあるかね?
おっと、ポンなのだよ。」
「え?ええ。もちろん、ウイン人ですから。
行った事あるに決まってるじゃないですか。」

「ふむ。では、飛空艇乗り場に、
ガルカの冒険者がいた事を覚えているかね?
おや、それもポンなのだよ。」
「ああ。そういえば、いたような、いないような・・・。」

「じつは、そのガルカの冒険者・・・。」
「え?どうかしたんですか?」

「中身が空洞なのだよ。」
「げぇ〜!そんなバカな!
どこぞの錬金術師じゃないんですから、
ガランドゥなんてありえねぇっすよ!」

「いや、マジなのだよ。あ、ツモ、大四喜なのだよ。」

991 名前: 3/3 投稿日: 2003/10/14(火) 01:15 [ 65Om7zko ]
タル郎は港区の飛空艇乗り場にいる
ガルカの中に隠れていたのだ。
そして、ガルカの中はポカポカと暖かかったので、
タル郎はついウトウトと寝てしまったのである。

「所長〜!そんなのアリですか?!」
「うむ。アリアリなのだよ。あいや、そして天和なのだよ。」

「所長!それ、イカサマですよ!」
「なんだと!貴様は吾輩の奥義、
2の2の天和をイカサマ呼ばわりするのか!」

「いや、そっちじゃなくて。
つーか、それはマジでイカサマですって!」
「まだいうか?!この頑固頭のハゲ頭め!」

「ムカ!」
「ふん!」

この世に争いある限り、吾輩の仕事は無くならないのだ。
だがしかし、どんな謎も事件も吾輩が、見事解決してみせよう。

マリーにおまかせ!

992 名前: 0/0 投稿日: 2003/10/14(火) 01:16 [ 65Om7zko ]
>> 988 Bravo !!

993 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/10/14(火) 02:32 [ 5VlblO7w ]
マリー麻雀強杉修正汁

994 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:33 [ 0VCiloYw ]
(・∀・)イイ!!

995 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:34 [ 0VCiloYw ]
@5だぜえええええええええええええええええw

996 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:35 [ 0VCiloYw ]
@死死死死

997 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:36 [ 0VCiloYw ]
ヒャッホーーーーーイwwwwwwwウメーーーwwwww

998 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:38 [ 0VCiloYw ]
埋めーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

999 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:39 [ 0VCiloYw ]
@1だよ(*´д`*)ハァハァ

1000 名前: 名無しな人 投稿日: 2003/10/14(火) 19:40 [ 0VCiloYw ]
1000ゲトだぜヒャッホーーーーーーーーイ!!!!!wwww
wwwwwwwwwwwwwww


■JBBSのおすすめアイテム■
零 〜紅い蝶〜 / テクモ

JBBSではこれまで「どのような形態の広告が、最もユーザの負担とならないか」を考えて参りました。
その結果「広告する商品を管理者が自由に選択できれば、広告によるストレスも軽減されるのではないか」との結論に至りました。
この欄に表示されるアイテムは、各掲示板の管理者が自由にカスタムする事ができます。
まずは以下のページからアイテムを検索し、お好みのものを利用者の皆様に紹介してあげてくださいませ。

紹介アイテム設定ページ(管理者専用):http://jbbs.shitaraba.com/bbs/adchoice_search.cgi

名前: E-mail(省略可):
掲示板に戻る 全表示 最新100 新着表示 索引 メール受信 保存