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涙たちの物語 『旅は終わらない』
1 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 00:26 [ PXy9eLzE ]
涙たちの物語 『旅は終わらない』
http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790

倉庫
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html

緊急避難で立てておきました。雑談板が消えてからでは遅いので。

2 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 00:34 [ m91H5n82 ]
2ゲト?

>>1さん、乙。

3 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 01:02 [ 9OaMUA6I ]
乙

4 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 01:10 [ XunP2FM. ]
>>1
乙っす。

5 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 01:18 [ K9GgqSE6 ]
タルタル戦士は夢を見る

第二十六話 ラキとジルパケルパ

―― セルビナ ――

セルビナのゲート前。そこには多くの冒険者達が集まっている。
何時の頃からか、そこが待合場所と決められている訳ではないのだが、
仲間を求める冒険者達は自然とそこに集まるようになった。
その冒険者の群れの中に、トッパとオットーの姿がある。
随分長いことその場所に座っており、このうだるような暑さの中、頭がどうにかなってしまいそうだ。

サンドリアを目指す為には、どうしても頭数が足りない。
エッタもしばらく休養を取ってから、いつもの元気を取り戻したが…
いつまた病状が悪化するかもしれない。
そのために、トッパとオットーは、マウラからやって来たサンドリアを目指す冒険者を探していた。

が、しかし…

「タルタルの戦士?そんなのと組めるかよ」
「すいません。今別のパーティーからもお誘いが来てて…」
「あ、ちょっと用事思い出しました。ごめんなさいね」

どうにも現在のトッパ一行の構成を伝えると、丁重にお断りされてしまう。

「悪ぃ…オイラのせいだよなぁ…」
「い、いや…まさかこれ程まで断られるなんて、僕も思ってなかったよ…」

朝から仲間探しを始めて既に五時間が経過しようとしていた。
二人はへとへとになり、その場に座り込んでぐったりしている。
目の前では、よろしく〜、などとと挨拶を交わしている冒険者達。

「やっぱ、あれだよなぁ。ごっつい戦士とか、モンクとかだと頼もしいよなぁ〜」
「そうだね…あ、ほら、タルタルの魔道士とかも、僕やエッタよりも魔法が上手だよね」

…等と語り合うが、結局二人は先程からため息ばかりついている。


時を同じく、トッパとオットーが座っている場所から、少し離れた辺り。
そこにタルタルとミスラが座っていた。

「ふむ…やはり、誘いは来ないな…」
「なんでだ?」
「原因はどうやら貴様にあるようだ。タルタルのモンクなど、誰が拾うものか」
「おい、ラキ。ものすごいトゲがあるぞ、今の発言」
ラキと呼ばれたミスラにはタルタルの言葉はまるで聞こえていない。
「しかし、これは困ったな…私一人ならどうにかなりそうだが、貴様は足手まといだからな」
「はっきりというな!」
「事実だ」
「・・・」

6 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 01:21 [ K9GgqSE6 ]
さらに、二時間後…

「ラキ、あそこにさっきからぼけ〜っと馬鹿面して座ってる二人。あいつらも仲間探してるのか?」
「ああ…そのようだ」
「な、だったら誘っちゃおうぜ!?」
「いいか?ジルパケルパ。あの装備から判断するに、タルタルは戦士だ。
タルタルが前衛を勤める等、自殺行為に等しい」
「そうなのか?…でも俺はモンクだぜ?ラキはなんで俺と一緒にここまできてくれたんだ?」
「…それとこれとは関係ない」
「な〜な〜。いいだろ〜。ラキはナイトなんだろ?強いんだろ?
 …贅沢言ってるといつまでも仲間見つからないぜ?」


一方、トッパとオットーは…

「ねぇ、あの二人、こっち見てるよね…」
「ああ、そうだな〜。見てるな〜」
「もしかして、パーティーに加わってくれるかもしれないね」
「…でも見ろよ。あのタルタル、あの格好…モンク…だよなぁ…」
「そういや…それっぽいね…でもほら、もう一人のミスラさん、あれは…戦士かな」
「あ…こっち来た…」

タルタルのモンクが、ちょこちょことこちらに向かって走ってくる。
腰に付けたおもちゃのような格闘武器が、かちゃかちゃと揺れている。

「おい…そこのちっこいの!」
タルタルモンクの開口一番はそれだった。
「な!なんだと!お前だってちっこいじゃないか!それにオイラにはトッパっていう名前があるぞ!」
「トッパ?…変な名前だなぁ。まるでヒュームみたいな名前だな!」
「な、なんだと〜!」
「ふん、それに俺の方がちょっとだけ背が高いぞ!」

その真横で、オットーはラキにおじぎをする。ラキもオットーにおじぎを返す。
「えっと…まぁ、こういうパーティーなんだけど、サンドリアを目指してます。
 よかったら一緒に組みませんか?」
「ああ、私達もサンドリアだ。こちらこそ頼むよ。なにせ、相棒があれだからな…」

二人は足元で口喧嘩をしている、お互いの相棒を見て、ため息をついた。

―― セルビナ・羊飼いの溜まり場 ――

「ぎゃぁ!な、なにするんだお前!」
ああ、予想通りの展開になってしまった、とオットーは思う。トッパも横に同じく、である。
「きゃ〜かわいい〜!」
エッタはジルパケルパを抱きしめてはきゃーきゃー騒いでいる。
レウは相変わらず、その様子を見てくすくすと笑っている。

「まぁ…こんな仲間だけど…これからよろしく頼みます…」
「あ、ああ。楽しそうでいいじゃないか…」


翌日、6人はサンドリアを目指して出発することになった。
「こら、トッパ!オットー!何ぼさっとしてるんだ!さっさと行くぞ!夜になっちまう!」
「…ジルパケルパ。その高圧的な物言いは仲間に対して無礼極まりないぞ」
そう言って、ラキはジルパケルパの服の襟をつかんでをひょいっと片手で持ち上げる。
「おお…た、たけぇ!わ、悪かった!俺が悪かったからおろしてくれよ〜」
「わ〜。ラキさん、力持ち〜」
「もう…それくらいにしてあげたら?」


4人をトッパとオットーは後方から二人並んで見つめていた。
「トッパ」
「何も言うなよ、オットー。俺達仲間だろ?…行こうぜ!サンドリアへ!」
「…うん、行こう。サンドリアへ」


トッパ一行は新たな仲間を加えて次なる冒険の舞台、サンドリアを目指す。
この先何があるかは分からないが…
できれば、楽しい冒険の思い出話として、いつか、皆と語り合いたい。
…憧れのサンドリアへ行ける…そう言って朝から上機嫌なエッタの姿を見て、
オットーは切実に願う。例え、それが叶わぬ願いだとしても。


                                        続く

7 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 01:54 [ DGkNI6xI ]
うは、板移動した直後にもう載ってる!

…ぐぐっ、しまった、何故漏れは既に涙ぐんでいる?・゚・(ノД`)・゚・

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 01:55 [ Ib7UaLrM ]
トッパのライバルキターーーーー(・∀・)vーーーーーー
ワラタYo

エッタが無事に荘厳なるサンドリアの城下町にたどり着くことを祈ります・・・

9 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 03:11 [ s8gikjBc ]
ここでタルモン登場かぁ!w
タル前衛大好きなんだよ、ぜひ頑張って欲しい。
小説でももちろんヴァナでも!

10 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 03:31 [ jUyd8QDY ]
タル夢大人気なわけですが
もちろん僕も大好きなわけですが

白の探求者は?ガルカ昔話は?
ずっと待ちます(;´д⊂)

11 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 15:17 [ PXy9eLzE ]
樽戦 トッパ
人白 オットー
人黒 エッタ
首獣 レウ
樽モ ジルパケルパ
猫ナ ラキ

12 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 17:41 [ ZSPKRVkc ]
白の探求者。・゚・(ノД`)・゚・。みたいよう

13 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 18:58 [ JwoZ6YMs ]
まああれだよ。
俺がいいたいことは、ホラ。


イラスト増えてたよ。

14 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 19:36 [ py6V4vyc ]
嗚呼ぁぁぁ・・・!
今更ながらこんなスレタイにした自分が恥かしい。

15 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 19:56 [ l01Kn1AE ]
タルタル戦士は夢を見るの作者さんって
雑談とかレスとか一切しないよね、ポリシーなのかいな?

16 名前: サンドリアン 投稿日: 2003/03/28(金) 20:12 [ Gd/XE5t2 ]
こちらのページのうpBBS(避難)に、前板の540までのをうpしときますた。
ttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/

前板をうまく見れないヤシは、参照汁。

17 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 20:42 [ 76.ihFRk ]
つうか、ちっとでも不可軽減に貢献しようと今板をカチュで見ようとしても、
うまくできない漏れはDQN。

>>14
俺は結構好きだがね。

18 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/03/28(金) 23:13 [ YW8cF2H6 ]
お久しぶりです、暫くというか全く書き込まずに見ているだけですが
『タルタル戦士は夢を見る』の作者様、お疲れ様です
氏がここまで物語性の高い物を書いているのは賞賛に値します
一介の物書きとして氏の物語性を参考にしたいなと思います
氏が物語であるなら、私のはリアリティのある物かなと思います

下記にセイルの物語の投稿を再開いたします
これは闇の王戦の物語でM12のクリアまでという事になります

19 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/03/28(金) 23:14 [ YW8cF2H6 ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 1節>
――天昌暦999年12月31日 11:42
 この日の夜、ジュノだけでなく各国に冒険者達が集合した。
今日は今年最後の日であり(天昌堂の人間によると遥か東方の国では大晦日
と呼ばれているそうだ)、毎年冒険者達だけでなく、各国の人々もこの日は皆
で集まり、夜が更けるまで楽しく騒いでいた。
 だが今日は今までのどんな年末とも違った、特別な日なのだ。1000年
に1度しかない、ミレニアムと呼ばれる1000年間が、明日には新しい1
000年間へと変わる節目の日なのだ。
 その為、冒険者達の殆どが飛空艇やチョコボでジュノに集まり、またある
者達は3国に集まり、それぞれ仲間達での時を過ごす。今年1年の思い出、
発見、楽しい話など明るく語り合える話を
 また合成や素材販売を行っている冒険者達の中の多くは、今日の為に数日
前から材料を集めたり余っている材料で作り、利益は考えずに祝い事として安価で冒険者達に販売している。言うなれば、冒険者達が主催する夜店のよ
うな物が各地で見られた。
 この日ばかりはジュノでも税金は導入されず、人々は職人達の売る商品を
特売日に自分の欲しい物を探す人々のように見ていく。
 冒険者達のお祭りムードは各国の人々にも良い影響を与え、酒場などでは
冒険者達が仲間達の為に酒やジュースを買っていく姿も見られる。

20 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/03/28(金) 23:19 [ YW8cF2H6 ]
 当然、セイル達も他の冒険者達同様、ジュノに集まって酒やジュースを持
ち寄り談笑を交わしていた。
 セイル達がいるのはジュノの一番上にあるル・ルデの庭。セイル達はそこ
のサンドリア大使館の上に位置するベンチに座っていた。
 モグハウスのそばには調理ギルド所属の職人がいて、ジュースとパイ系、
肉の焼き物系、魚や野菜の焼き物系、スープ系に分かれて、調理をしてはそ
の場にいる人々に販売していく。
 また他のギルドに所属している者達も、自分達の作った装備品やアクセサ
リーを売っている。ル・ルデの庭自体が冒険者達のショッピングモールとな
っていた。
 合成品を販売する冒険者達は各層ごとに取り決めをし、互いに分担して食
事や装備品、アクセサリーなどを売っていた。
 ル・ルデの中央にある平和のシンボルとなっている噴水のそばでは、冒険
者達がダイス振りで賭け事をしており、セイルたちの耳にも、その一喜一憂
する喧騒が聞こえてくる。

 Word形式で書いた物を一定の文字数で改行しています
 貼り付けると文字数がずれますがこれでお願いします
 最初の方の下から7行目は改行ミスです
 なお、前フリ的なセイルの旅立ちの話も書いていますので
 そちらを見ていない方で見たい方がいるのならこちらも貼り付けます

21 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/28(金) 23:46 [ d7MStn5E ]
ageさせて

22 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/29(土) 03:26 [ /Z9mLkwY ]
イラスト(・∀・)

23 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/29(土) 22:07 [ DG6qbYMk ]
白の探求

24 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/30(日) 10:21 [ d6kFXf0M ]
テンプレ倉庫の画像うpBBSが開けないのですが…
白き探求者みてーーーーyp(´・д・`)…

25 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/30(日) 11:38 [ 5I4NWpxQ ]
>>24
倉庫の雑談BBSのレスに画像うp板の避難所のURLが
記載されてたと思います。

26 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/30(日) 17:11 [ d6kFXf0M ]
>>25
ありがとうございます。
よく調べもせずに…すいません^^;

27 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/30(日) 20:28 [ rrkV0SMI ]
UPBBS(避難所)
ttp://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/tboard007/tboard.cgi

28 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/30(日) 23:45 [ nNZS6j46 ]
タルタル戦士は夢を見る

第二十七話 我が名はラキ・バララウ

―― ブブリム半島 ――

「白!回復が遅いぞ!」
「黒!精霊魔法は連発するな!死にたいのか!?」
「おい、ナイト!ゴブリンのアホが魔法唱え始めたぞ!」

…いちいち五月蝿い奴だ。言われなくとも分かっている。
ラキはすかさず手にした盾に気を込めて、ゴブリンの顔面を叩きつける。
世間一般ではシールド・バッシュと言われるナイトのみが可能な特技だ。
単純に盾を叩きつけるだけなら盾を持った戦士や白魔道士にも
出来そうな気がしないでもないのだが、どうやらナイトの試練を受けた者でないと
詠唱を停止させることができないらしい。
「おい!モンク!何ぼさっとしてる!後衛の方に向かったぞ!」

ラキ・バララウは激しい苛立ちを感じている。ああ、全く五月蝿い奴だ。
…サンドリアで戦士の修行を積み、実力を認められてナイトの試練を受け、
晴れてウィンダスへと帰ってきた。
長や、一族の仲間に久々に会い、ナイトとなった晴れ姿を見せて、
それから再びナイトとしての修行を積む為にサンドリアへの帰路で
組んだパーティーがこれである。
リーダーのヒュームの男は何かにつけて口うるさく指示を出すのだが、
その強い口調で気弱なタルタル達が怯えている。
士気という言葉を知っているか?
今、このパーティーの士気は最悪だ。その事に奴は気づいていないのだろうか?

…ゴブリンが力尽きる。パーティー全体に安堵の空気が流れる。
「おい、モンク、さっきのはな…」
ああ、まただ。全く…今度はタルタルのモンクに小言を言い出した。
「うるせー!さっきからよぉ、ぐだぐだ言いやがって!」
「ああ?なんだと!?役立たずのクセしやがって!誘ってやったのは俺だぞ!?」
おや?タルタルのモンクが反論している。タルタルにもああいうのはいるのだな。
「それにな!俺はモンクじゃない!ジルパケルパって名前があるんだぞ!」

冒険者達には二種類の者がいる。それは、いつも同じ仲間と長い旅をする者と、
その日その日、目的の度にパーティーを組んで、目的が達成すればすぐに別れる者。
後者の場合、いちいち仲間の名前を呼ばずに、その職業がそのまま呼称となる場合が
多い。このパーティーでも、まさにその通りである。
おそらくタルタルのモンクは冒険の経験が浅いのだろう。どうもモンクと呼ばれる事に
対して憤慨しているようだ。
ラキにしても、最初の頃は戸惑いこそあったものの、慣れてしまった今では
別に何とも思っていないのだが…タルタルのモンクを見て、昔の自分を思い出した。
(ナイト、か…。そうだな、私にも名前がある。私の名は…)

29 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/30(日) 23:46 [ nNZS6j46 ]
―― マウラ ――

なんとかマウラまで辿り着いたラキのパーティーだが、気まずい雰囲気のまま、
結局その場で解散ということになった。
「おい、ナイトよ。俺はサンドリアへ行って試練を受けたいんだ。
 一緒にサンドリアまで行ってくれるか?」
解散したのはいいものの、直後にリーダーの男がラキに声を掛けてきた。
「…悪いが、貴様とはもう組む気はない。命がいくつあっても足らないからな」
そのまま、ラキはヒュームに背を向けて歩き出す。
「ああ!?」
ラキは後ろを振り返った。
「意味は自分で考えろ。確かに貴様は腕は立つかもしれんが、精神が未熟だ。
 今のままでは試練すら受けることもできないだろう」
ヒュームの男は、こいつは何を言っているのか?という顔をしている。
「それと…私にはラキ・バララウという名前がある。よく覚えておけ」

―― マウラ・船乗りの宿 ――

部屋で鎧を脱ぎ捨て楽な格好でベッドの上に転がり込む。
すると、コンコン、とドアをノックする音が。
起き上がって、ドアを開けてみるが…そこには誰もいない。
(…いたずらか?)
ドアを閉めようとすると…
「おいこら、ここだ!ここだよ!」
そこには一人のタルタルがいる。…どうやら先程のモンクだ。
「ジルパケルパ…だったか?」
「おう、その通り!よく覚えてくれてたな!」
「…で、なんの用だ?」
「アンタに頼みがあるんだ。俺、どうしてもナイトになりたいんだ!」
「それで?」
「俺と一緒にサンドリアまで行って欲しいんだよ」
「何故ナイトになりたいのだ?」
タルタルのモンクは、きょとんとしている。
「何故?そんなの決まってるじゃないか。俺はヤグードから皆を守りたいんだ。
 だから、サンドリアへ行ってナイトの試練を受けたいんだよ」
…ナイトというのは、そう簡単になれるものではない。
その道はあまりにも険しく、今まで多くの若者が命を落としてきた。
このタルタルがナイトを目指す…それはあまりにも無謀すぎる。
「覚悟はできてる。だからよ、俺と一緒にサンドリアへ行ってくれよ、な?」
じっと、ジルパケルパの目を見る。ああ、こいつはいい目をしているな、と思う。
少なくとも、名声が目当てでナイトになろうとする馬鹿共よりも資質はあるようだ。
「…いいだろう。ジルパケルパ。一緒にサンドリアへ行こう」
「やった〜!ありがとよ!」
ジルパケルパは嬉しそうにその場で飛び跳ねている。
「な、アンタの名前教えてくれよ!」
「名前?そうか、まだ言ってなかったな…」

―― セルビナ行きの船・甲板 ――

「おお、すげ〜!もうマウラがあんなにちっちゃく見える!」
セルビナ行きの船に乗った二人は、甲板で離れていくマウラを眺めていた。
空は青く、とてもいい天気である。
「な、ラキ。釣りしようぜ、釣り!」
「まったく…これからが大変だというのに、緊張感のないタルタルだな、貴様は」
「いいじゃんかよ〜。な、船の中で釣り餌売ってたんだよ!やろうぜ!」
「仕方ない…化け物は釣るなよ?」

ラキは、なんだかんだ言ってジルパケルパのおねだりにとてもとても弱い。
どうもジルパケルパと一緒にいると調子が狂う。

「やった!おい見ろよラキ!なんか、でっかいタコみたいなの釣れたぞ!」
「ああ!馬鹿者!!」

…かくしてラキとジルパケルパは、セルビナにてトッパ一行と合流することになる。
ラキは思う。いつしかこのジルパケルパと別れる時が来るだろう。
そしてもし、何処かで再開した時、こいつは私の名前を覚えているだろうか?
…我が名はラキ・バララウ。ミスラの一族の戦士だ。
ジルパケルパよ、お前が望むなら、お前が私の名を呼んでくれるなら…
しばらくは、お前を守ってやってもいい。

                                     続く

30 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/03/31(月) 00:18 [ vtbhIDsU ]
あとがきみたいな感じ★

>>15さん、決してそういうポリシーとか持ってるわけじゃないでつ…(;´Д⊂
というわけで、ここいらでレスつけてみまつ。
でも、何を言ったらいいかよくわからんので、一つキャラクターの誕生秘話でも…

<クリームの場合>

で、ぶっちゃけ暴露しますと、本スレの14のパパ、実は自分なのでつ…(;´Д⊂

14 名前:パパ 投稿日:2003/01/17(金) 20:32 ID:ZrUMhMek
よーしパパSSうpしちゃうぞ〜
15 名前:自分と同じ強さな名無しさん 投稿日:2003/01/18(土) 19:05 ID:NO/bqxSY
やった〜ネコキボンー
16 名前:パパ 投稿日:2003/01/18(土) 20:30 ID:hO6WxuBw
ネコで萌えじゃないと駄目でつか・・・

お分かり頂けましたでしょうか…。15さんのリクにお答えしようと頑張った結果、
クリームが誕生しまつた。萌えかどうかは、この際おいといてください(;´Д⊂
15さんがいなけりゃクリームは全く出る予定もありませんでしたし、
クレイも登場予定は一切ありませんでした…(;´Д⊂

ああ、こんな事いっちゃっていいんだろうか…
とりあえず、今日はここまで。今度からはなんかあったらレスつけまつ(;´Д⊂
これからのタル戦ですが…まぁ、マターリ続きを待ってください(;´Д⊂

31 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 00:53 [ 5HQWGpW. ]
>>タル夢作者さん
そ、そうだったんですかー!うわー誕生秘話ですね!
これからもがんばってください!メチャメチャ応援してます!

32 名前: サンドリアン 投稿日: 2003/03/31(月) 00:54 [ Y8ooFOv. ]
>>30
大丈夫。閲覧者サイドだけど。
喪前様は、良い仕事をしている。
頑張ってくださいませ。



あとは、メインにガルカの登場を待つのみ!?(・∀・)

33 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 00:56 [ /eqJ42lY ]
「やった!おい見ろよラキ!なんか、でっかいタコみたいなの釣れたぞ!」

↑これに爆笑

34 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 05:00 [ /Z8thYuk ]
>>タルは夢見るの作者さんへ
私はHPを公開しています
この作品で泣きまくりで友達にも教えたいと思い
コピペ+間違いなどを訂正してHPで紹介したいのですが
了承していただけませんでしょうか?
もし駄目ならば諦めます。
まことに勝手ながらレスいただけると助かります

35 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 05:38 [ 7V/LLdSk ]
タル戦むちゃくちゃおもろいっす
パパありがとー(・∀・)v

36 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 05:47 [ ZnGeZYPc ]
今日は、タル戦士・タルモンク・ミスラ暗黒とPT組めたよ〜〜

パパ(・∀・)サイコー

37 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 07:47 [ XVgUUUlA ]
パパァ、パパァ

38 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 09:21 [ uKOqhONU ]
「タルタル戦士は夢を見る」の作者さんの名前はパパになりますた!
パパがんばってー!

39 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 09:24 [ AIXOZo26 ]
パパがんばれ〜

40 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 10:33 [ 3AgGL4qI ]
>>34
俺は作者じゃないけど、SSまとめたページへのリンクで済ましたほうが良いと思われ

>コピペ+間違いなどを訂正してHPで紹介したいのですが
これはちょっと微妙すぎかと

41 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 13:08 [ TUDnBny. ]
>>32
俺もガルカきぼん。
なんか気弱で臆病なガルカがPTと共に強くなるような感じで。
でも作者様の頭の中にすでに話の絵が出来ているなら、
このレスはスルーして下さい。
次の話をマターリ待ってますね。

42 名前: 41 投稿日: 2003/03/31(月) 13:11 [ TUDnBny. ]
誤:作者様
正:パパ
パパ〜がんがれ〜!

43 名前: 34 投稿日: 2003/03/31(月) 17:29 [ /Z8thYuk ]
>>40
あ、その手があるんですね
リンクフリーかどうか見てきます
助言サンクスです!

44 名前: 物語の外の物語 投稿日: 2003/03/31(月) 17:29 [ Gbioo6J6 ]
「間奏曲」

3国を結ぶ橋の上に聳え立つ都市国家・ジュノ。
各国からの観光客、商人、要人、そして冒険者といった様々な人々が集い、常に活気に満ちている。
特にその下層は競売所があるせいか、昼夜を問わず喧騒が絶えない。
ここは下層の一角に位置する「吟遊詩人の酒場」
――各地を旅する人々が一時の憩いを得、見聞した物語たちが交錯する場所

「だからマジだって! ゴブリンどもが煮込んでた鍋がひっくり返ったらさ、そこから腐った粥みたいなスライムが出てきたんだよ!」
シーフ風の装いのミスラがジョッキをカウンターに叩きつけながら叫んでいる。
「お粥の具が混ざったような、ぐちょぐちょなのが俺の足に絡み付いてくるんだよ!」
何を想像したのか周りから下種な野次が飛ぶ。
しかし当のミスラはそれどころではなさそうだ。
「もう俺は当分お粥どころかタルタルライスすら見たくないね…」
「そうするとゴブどもはスライムを食べて生活してるのか? マテごぶーマテごぶー、今日の晩飯マテごぶー、って」
ミスラに対面する位置で若いガルカが(といってもガルカの年齢など分かりはしないが)
思わず苦笑する。
「あぁ? 信じてないのかぁぁ?」
ガルカに比べるとあまりに小さなミスラが掴みかかる。相当酔っているようだ。
「まぁ、まぁ、お二人さん喧嘩はそこまでタル〜」
二人の合間からにょっきりと丸い頭が生えてくる。
「せっかくの夜だ、楽しく行こうタル」
「何だお前、人の胸から頭出しやがってこの!」
「おっと危ない、乱暴はいけないタル」
モンクらしきタルタルはミスラの手から逃れると、カウンターの上をちょこまかと走り抜ける。
「おい、羽帽子! 場を和ませるグッドな話をするタルっ」
そう呼びかける先、部屋の隅では赤魔道士が何やら給仕の娘に話し掛けている。

45 名前: 物語の外の物語 投稿日: 2003/03/31(月) 17:30 [ Gbioo6J6 ]
「屋内で帽子を被ってるとそのうち禿げるタルよ〜」
「タルタルタルタル五月蝿いんだよっ。俺は今この娘に美味しいパインジュースの
絞り方を教えるのに忙しいんだ」
「これはオイラの国の方言タル〜」
教えるにしては密着しすぎているようだが、娘は可笑しくて堪らない様子。
「エンったらまたナンパしてるの? ご苦労なことね」
「あぁ、そうじゃないんだよエルナ。君を待っていたのさ」
「ふ〜ん。で、お話は始まったの? あたし、ここのお話すっごい好きッ」
「俺は君のその笑顔が…」
「エンさん、人の妻に手ぇ出さないでくださいよ〜」
「ちっ。いたのか、キース。大体まだ結婚式やってないだろうが」
「どこも予約で一杯なんですよ。…ほら、エルナおいで〜」
「はぁ〜い」
「羽帽子、ボムに自爆された話でもするタルタル」
「エルナをナンパ師から『かばう』〜」
「きゃ〜」
「けっ。アツアツな事で…。やってられんわ」
「だから! 俺は本当にごぶの自爆がお粥に襲われて!?」
「何がなんだかさっぱりだ」

がやがやと喧騒に絶えない。痴話喧嘩かと思えば、どこかで見た珍しい魔物の話。
サンドリアの騎士の話かと思えば、憂える暗黒騎士の物語。

ここは下層の一角に位置する「吟遊詩人の酒場」
――各地を旅する人々が一時の憩いを得、見聞した物語たちが交錯する場所

そろそろ間奏曲として弾いていた「魔道士のバラード」も終わりが近い。
「アンタ、詩人だろ? 次の物語を聞かせてくれよ。ここの皆そいつが楽しみで仕方がないんだぜ」
「さて、何が良いだろうか。
 タルタル戦士が活躍する冒険? 白魔道士の旅? ガルカに伝わる昔話? 暗き森の暗黒騎士の伝承? 騎士としての心得? 盗賊達の金策? 魔物の名前の由来? 世界の成り立ちに関する研究?
 ここには様々な物語が集う。ヴァナ・ディールの空の下で生まれる物語たちが。
 今宵語るはいつかどこかの新たな物語――」
物語は星の数。涙の数ほどにあるという。そう、決して旅は終わらない……。

46 名前: 物語の外の物語 投稿日: 2003/03/31(月) 17:36 [ Gbioo6J6 ]
あげちゃってスマソ
ここでお話を待ってる人(含む自分)をこんな感じかな〜、と書いてみたり。
ダメダメな文章ですね。お目汚しで陳謝

47 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 18:02 [ G2n3H5j. ]
≫30
 パパさん。マターリとお待ちしてます。<(_ _)>

≫46
うんにゃ、酒場の喧騒が伝わってきそうだね(*゜▽゜)ノ

48 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 23:16 [ vtbhIDsU ]
タルタル戦士は夢を見る

第二十八話 目覚めよ闇・前編

―― バストゥーク・民家 ――

「ねぇねぇ、お姉ちゃん。遊ぼうよ〜」
「わかったにゃ〜。お洗濯終わったら遊んであげるから、もうちょっと我慢にゃ」
「ほんと?約束だよ?」
「こら、ソウマ。あまりお姉ちゃんを困らせるんじゃないよ」
「お母さん。あたいもソウマちゃんと遊ぶのとても楽しいにゃ」
「…いつもすまないね、ドラ息子の相手ばかりさせちゃってさ」

それは、バストゥークの、ごく日常のありふれた光景である。
お姉ちゃんと呼ばれるミスラの少女は洗濯物を物干し竿に干している。
母親は、その夜の料理の下ごしらえをしている。
「ね、お姉ちゃん。今日ね、久しぶりにパパが鉱山から帰って来るんだよ」
「ソウマのお父さん?」
「そうそう、あの馬鹿亭主ったらね、いくら自分が元冒険者で腕っ節に自信があるからって
 いつもパルブロ鉱山に出かけては長いこと帰ってこないんだよ。
 別にあんな危ないところ行かなくてもツェールン鉱山があるっていうのにねぇ」
母親はやれやれといった感じで、炎のクリスタルを手に取る。
「今日はね、とびっきりのご馳走を作ってあげなきゃね」


そのミスラの少女が母と子の家に住み着くようになったのはつい最近の事である。
ミスラは南グスタベルグと北グスタベルグの丁度境の辺りに倒れていた。
そこに鉱山の帰り道であったソウマの父親が通りかかり、この家に担ぎ込まれたのである。
どこをどう歩いてきたのか分からないが、ぼろぼろの格好をしており、
装備している鎧は、すでに原型を留めないほどにあちらこちらが欠けていた。
全身に打撲や裂傷が見られ、さすがにもう事切れていると思われたが、
奇跡的にも一命を取り留めることができた。
なにか強いショックを受けたのか、最初の頃は口すら聞けなかったが今ではすっかり
家族の一員である。…未だに、自分の名前すら思い出せないのだが。
「…あの子…家族なんだから、名前くらいつけてあげないとねぇ…」
息子と手を取り合って、外へ遊びにでかけるミスラの少女の後ろ姿を見て、母親は呟いた。


「…ねぇ、パパどうしたのかな?」
「どうしたのかねぇ…途中で拾い食いでもしてお腹でも壊したんじゃないかい?」
テーブルには三人しかいない。たまに帰ってきては偉そうに座っている父親の姿がそこにはなかった。
(こんなこと…初めてだ…あの人が約束した日に帰ってこないなんて…)
母親は、ソウマに冗談を言いつつも、内心は不安な気持ちで一杯だった。
(だからあそこは危ないって、言ったじゃないか…)

49 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 23:20 [ vtbhIDsU ]
―― 二日後 ――

父親が帰ってこないまま、二日目の朝が訪れた。
ミスラの少女が目を覚ますと、奥から慌しい母親の叫び声が聞こえる。

「ソウマ!ソウマ!」
「どうしたにゃ?お母さん」
「お嬢ちゃん、ソウマを見なかったかい?朝からどこにもいないんだよ!」
「え…だって、いつもならまだ寝てる時間にゃ?」
「だから…さっき部屋に行ったら、いつのまにか起きてどっかいってるんだよ!」
「どっかって…その辺で遊んでるんじゃないのかにゃ?」
「ちがうよ…あの子、鉱山に向かっちまったんだ…倉庫に置いといた食料が、
 何日か分なくなってるんだよ!」


…数時間が過ぎた。どうやら母親の予感は的中したようだ。明け方、荷物を背負った
ソウマの姿を近所の住民が見かけたらしい。
「子供一人であそこまでいくなんて…」
「誰か連れ戻しにいけないのか?」
「どうすんだよ…クゥダフに襲われたらひとたまりもないぜ?」

…数日前までは楽しい会話ばかりだったその家は、今では、しんと静まり返っている。
「あの人も…あの子もいなくなったら…あたしはこの先どうすりゃいいんだ…」
「お母さん…」
「お嬢ちゃん…あんた、戦士だったんだろ?」
「…え?」
「あんた…お願いだよ…あの子を…連れ戻しに行ってやってくれないか?」
「ちょ、ちょっとまってにゃ。あたいは、そんな…」

母親は無言で立ち上がり、奥の部屋へと歩いていった。その姿はいつもの気丈な母親ではなく、
まるで幽霊が歩いているような印象を受けた。
しばらくすると、母親は布に包まれた、何か、長くて大きな物をもってきた。
相当重いらしく、ここまで持ってくるのに随分と息が切れている。
「…ほら、これだよ…見覚えはないのかい?」
布をするりと剥がす。…それは巨大な両手剣だった。
「…あ…」
ミスラの少女はそれを受け取る。思ったよりも軽い。その気になれば片手で振り回せそうだ。
「これを…あたいが?」
「亭主はね、隠しておけっていってたんだけどね…頼めるのはあんたしかいないんだよ…」
「あたいが…戦士…?」


元冒険者の父親の若い頃に使っていたお下がりの鎧を身にまとう。
「ごめんね…お嬢ちゃん。我がままなのは分かってるよ」
「気にしないでにゃ。あたい、よく覚えてないけど、こーいうの慣れてるって感じだにゃ」
鎧が体に馴染んできた。最初は暑苦しいと思ったが、意外に着心地はよい。
「お父さんも、ソウマも…必ずあたいが連れてかえってきてあげるにゃ!
 それがあたいにできる恩返しだにゃ〜」
ミスラの少女は、ゲートへと走っていった。母親はその後姿をいつまでも見送る。

「ごめんよ…ゆるしておくれ…勝手なのはわかってる…でもね…帰っておいでよ?
 帰ってきたら、あんたに、いい名前つけてやるからね…あんたはあたしらの家族なんだからね…」


                                          続く

50 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/03/31(月) 23:33 [ KUB4MikU ]
パパさまご苦労様です。いつも楽しみにしておりますー。
さて今回は………


……なーんか嫌な予感のする題名ですが、まさか………
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

51 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 00:16 [ 6xTsMtPQ ]
パルブロ?両手剣?



ん?

52 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 00:55 [ 7BoIPwUY ]
あとがきみたいな感じ★ 

IDかわっちゃいまつたね。まぁ、それはおいといて…
>>34さん、こんなのでよけりゃお好きなようにお願いしまつ。
あくまでもマターリ板の名無しが書いた小説なので(;´Д⊂
できたらそちらのサイトにお邪魔できたら…と思いまつが、まぁそれは置いといて。
折角だから…

キャラクター誕生秘話その2

<トッパの場合>

はい、最近主人公なのにめっきり影が薄いトッパでつ(;´Д⊂
そもそも舞台がバス近辺なのは理由がありまして、
自分はヒュムでバスからスタートしたんでつが、そこで一人のタルタル戦士に会いまつた。
普通はウィンダスリング目当てにウィンではじめると思うんでつが、彼は
何も知らずにスタートしたようでした。そもそもタルタルの出身がウィンダスという事も
知らなかったようでつ。…彼はいいました。
「故郷のウィンダスに帰るんだ」と。
それから彼には一度も会っていません。後になって知ったサーチ機能で名前検索しても見つかりません。
結局、彼は無事ウィンダスへ帰れたのかなぁ〜と、小説を書く度に思い出しまつ(;´Д⊂
…トッパの原型はそのタルタル戦士でつ。

53 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 01:16 [ FN28EGyE ]
>52
泣ける誕生秘話ですねー

>それから彼には一度も会っていません。後になって知ったサーチ機能で名前検索しても見つかりません。
トッパも同じ運命じゃないでしょうね(;´Д`)

54 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 03:43 [ Tdq/E0kM ]
う、あつい展開・・・
みなまでいうなって感じですな

ため息でるほど面白いです

55 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 13:07 [ dcoBwDmQ ]
>>52が多行フィリタリング?とかなんとかで消えてるのだが、ケータイだから?(つД`;)

56 名前: 34 投稿日: 2003/04/01(火) 16:41 [ eRevKo6U ]
>>タルタル夢見るの作者さん
40さんの助言のようにリンクさせようとしたのですが
そちらのサイトが十六話あたりから更新されていないようなので
転載させてもらいます。
許可いただいてありがとうございます!
これからも応援してます。ほんと感動します
これからも続けてくださいね!

57 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 16:52 [ MaWbedEM ]
>>56
転載時に間違いを訂正する場合はパパさんに確認したほうが
いいと思うよ

58 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 17:25 [ BtPJjSKg ]
あがりなさい!

59 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 17:35 [ T6O.SBPs ]
さがりすぎ

60 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 19:08 [ ZTxo1mMQ ]
白き探求者白き探求者
白き探求者白き探求者
白き探求者白き探求者
白き探求者白き探求者
。・゚・(ノД`)・゚・。

61 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 19:23 [ I8HVFy2w ]
>>60
きもいしどうでもいいです。

62 名前: 某暗黒騎士 投稿日: 2003/04/01(火) 20:02 [ O2M6iE7M ]
厳しい言い方だけど、クリームが無謀な手助けをしなければクレイは死なず
に済んだんだよね。
もちろん、クレイが過去を清算するという形で少年時代の夢を取り戻し救済
されたわけだけど、それはクリームには分からないわけで。
その自責の念に押しつぶされながらベドー、コンシュ、北グスタを歩いている
様を想像すると、それだけで涙が出そう。

パパさん、つまらない上に下手な感想失礼。応援してます。

63 名前: age 投稿日: 2003/04/01(火) 20:05 [ Jl06IcoQ ]
>>56
お願いだ。
百合のサイトのURL教えてくれ!




HIT数が速攻で上がるだろうがな。

64 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 20:15 [ /wtKqgpU ]
白き探求者の作者さんは今リアル引越し中のようなので
マターリ待つよろし。

65 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 21:22 [ PrmTIRMc ]
個人的に、あの絵師の放置っぷりは
ちょっとどうかと思う無力な俺。

せっかく数人描いてくれてるのにな…

66 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/01(火) 23:16 [ DMJUOL4c ]
まとめサイトの管理人も神隠しにあってるらしいからな。
復活をマターリ待つよりし。

67 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 06:39 [ /yjcJxh. ]
漏れらに出来るのは待つことだけよ。

68 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/02(水) 07:45 [ aq40YIjA ]
 セイルはベンチから立ち上がって、ル・ルデと上層を繋いでいる階段のそばに行く。
 上層とル・ルデとを繋ぐ階段にも、多くの冒険者達がそこに座って今年1年の事を楽しく話していた。
 セイルは軽く自分の持っていた時計を見て、また視線を上層のガイドポスト辺りに向ける。
 セイルの視線の先に、若いヒュームの女性と、黒髪のミスラが上層からル・ルデへと上がって来るのが見えた。
 ヒュームの女性と黒髪ミスラの2人は、壁にもたれていたセイルを見るとセイルに声をかけた。
「ごっめーん、向こうで盛り上がっててさ、飛空艇1本乗り過ごしちゃった」
黒髪ミスラがセイルにそう言って顔の前で両手を合わせて謝罪した。
「ごめんなさいね、セイル。他のみんなも待たせちゃったでしょ?」
ヒュームの女性もセイルに謝る。セイルは軽く頭を振る。
「別にもっと遅れても良かったけどな。アキナだって向こうの都合とかもあるだろ?
無理にこっちに合わせなくても良かったさ。ま、シェナもアキナも行くぞ。
バッツの奴、酒の飲み過ぎで暴走し始めてるから、危なくなったらスリプルでもかけてやってくれ」
セイルが2人を促すと、2人も後についてル・ルデに入った。
 シェナはヒュームの女性であり、アキナは黒髪のミスラ。シェナとアキナ、
種族も所属国も違うこの2人とセイルが出会ったのは、セイルが冒険者として
サンドリアに来てからまだ間もない頃だった。
 また先程セイルが口にしたバッツはバス所属の冒険者で、兄貴分なのか
セイルには色々と情報を教えて、いつしか冒険者達が集まった軍団のような物を
セイルに作らせたりもした。


    とりあえずセイルの物語の続きです
    他にも3つほど全く別な小説を同時に書いているので
    ペースは遅いです

69 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:06 [ .GihgzE2 ]
初投稿です。お目汚しすみません。
向かいの席で先輩冒険者の彼女は目を輝かせて僕に言った。
「空白の地図、まだ見ぬ土地を想い、胸をときめかせたことはないかい?この先はどうなってるんだろう、ってね」

〜Vana'diel冒険奇譚〜

セルビナ。クォン大陸中央にある、サンドリアとバストゥークの交易の中継点として発展してきた町。
ジュノ大公国を目指し鍛錬に励むため、または一攫千金を夢見る者がこの町に訪れる。
今日もまた冒険者達が一日の疲れを癒すために宿屋「羊飼いの溜まり場」に集う。そしてその一角にある酒場。
冒険者達が語らい、ヴァルゲールの料理を頬張る、にぎやかな場所。その扉を開く新たな冒険者が一人。

「よお、見ない顔だな。新米か?」
喧噪と煙草の煙と美味しそうな臭いが渦巻く中、戸惑っている僕に声をかけてきた男。ずんぐりした体型にぼさぼさの髪、無精ヒゲと決して清潔とは言えない身なりだが、その柔和な表情から自然と警戒心を解かれる。
「こう言うところは初めてみたいだな。ここで突っ立ってるのも何だ、こっち来て座れよ。」
男は僕の腕を引き、自分たちの席であろうテーブルに連れて行く。握力は強く、僕が振り払おうとおもっても無理だろう。
彼の腕についた無数の傷が歴戦の冒険者であることを物語っている。
「おーい!エールをこいつに一杯やってくれ!」
ウェイトレスがジョッキになみなみ入れたエールを運んできた。僕にはとても飲めそうにない。
「オレのおごりだ。新米冒険者のセルビナデビューを祝って乾杯!」
ジョッキを呷って感嘆のため息をついた彼は僕の困惑した表情に気付いたらしく、ニヤリと笑った。
「そう言えば自己紹介がまだだったな。オレはガンツ。今は仲間達と共にここを拠点に稼いでいる。
ちょっと待ってろよ。今そいつらを呼ぶからな。」

「急に呼び出すから何かと思えば、その若者の歓迎か?」
そう言いながらやってきたのはエルヴァーンの老騎士だった。
「まあな。どうせのんびり釣りでもやってたんだろ?」
「失敬な。釣りで精神を集中し、針で壁に穴を穿つ集中力を養う。これぞ我が一族に伝わる・・・」
「わかったわかった。いいから自己紹介をしろよ。」
ガンツのうんざりした表情に騎士は少しむっとしたようだった。
「ほう、いい目をしているな。お主ならサンドリアの騎士になれるやもしれんな。
・・・自己紹介が遅れた。吾輩は誇り高きサンドリアの騎士ヴェンルード。かの高貴なるハイウィンド家ゆかりの者だ。闇の軍勢を討つべく情報を収集している。」
ヴェンルードと握手を交わしているときに、冒険者にしては細身の男がガンツと喋っている。
「ガンツ、まーた肥ったんじゃねぇの?酒飲みすぎだって」
「余計なお世話だよまったく・・・ああ、こいつはシーフのアレン。いつもラテーヌにいる。」
「よろしくな。ラノリンが欲しければ言ってくれ。格安で譲るぜ。」
ラノリンがなんなのかは分からなかったが、この先必要になったら彼に頼めばいいらしい。

70 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:07 [ .GihgzE2 ]
「で、結局集まったのはこれだけか?」
呆れ顔のガンツにアレンが答えた。
「みてーだな。相棒はラテーヌでもう少し狩るとさ。ノートリアスがでやがったらしい。キノププはミッションの助っ人だ。」
「ワイルドファングは?」
「船に乗って師匠にあってくるとか言ったぜ。ルウはボスディンの探索だろうな。」
「ふむ、ルウ嬢は北の探索であったか。あとで話を聞かねば。こうして皆はお主ら二人と違って日々目的を持って生活しておるのだ。若者よ、そこのガンツとアレンに染まることなく、吾輩やその仲間達を見習うことだ。」
「いや、それを言ったら俺たちも目的持って・・・」
アレンの言葉をヴェンルードが遮った。
「お主らの場合、金目的のモンスター討伐であろうが。」
「わるいかよ。こっちだって生活のためにやってんだ。」
「お前らやめろって。新米の前だろ。」
つかみかかりそうな二人をガンツが制する。
「全く、顔を合わせるとこれだ。」
憮然とした表情の二人を見て、ため息をつくガンツ。
「まー確かに新米の歓迎だしな。ちょっとゲームをしようや。俺たちが今からお前に問題を出す。それに答えられたら俺たちがジョッキのエールを飲み干す。逆に答えられなかったらお前が飲み干すんだ。先に潰れた方の負けな。ああ、金なら心配するな。エンペラー成金のガンツが払うから。」
「おい!そりゃないだろ!」
アレンの提案にガンツが慌てた。
「ふむ、お主にしてはなかなか良い提案ではないか。わが輩も参加させてもらおうか。」
「おいおい、ヴェンまでなんだよ!」
「後輩のために金を惜しむ男では無かろう、お主は。」
「ああ、わかったよもう。ただしお前らの呑み分は自分で払えよ。」
そう言いつつガンツは苦笑いをして見せた。

71 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:08 [ .GihgzE2 ]
問題:装備を調えよう! 出題者:ガンツ
よし、まずオレからだな。お前も冒険者なら金の工面をしながら装備を調えなければならない。
そこでだ、冒険者になり立てで手元に100Gあるとする。武器防具は初期装備。ジョブは前衛。その状態で買うべき装備はどれがいいか?

A.70Gの武器
B.100Gの鎧
C.50Gの足装備

72 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:08 [ .GihgzE2 ]
ガンツの答え:100Gの鎧
ガンツの解説:まず注意したいのは防具の中には一段階あがるときに大きく防御値が上昇する物と、少し上昇する物がある。
大きく上昇するのは頭、鎧、脚装備だ。小さく上昇するのは手、足の装備だな。
防具で優先させるのは大きく上昇する種類だ。武器は前衛なら最初のうちは初期装備でも充分行ける。

ヴェン:ふむ、確かにそのとおりである。前衛たる者、いつでも弱き者の盾にならねばならん。しかし新米冒険者では敵の注意を引く手段が少ないであろう。そうなると攻撃力を上げて自分に集中させるという戦法も重要であるな。吾輩なら武器を選ぶ。
アレン:俺ならCの足装備を買って、あと20G稼いで武器を買うぜ。その方がバランスいいだろ?
ヴェン:非力なお主らしい選択だな。自ら剣になろうと思わぬか。
アレン:シーフだからな。むしろあんたはナイトなんだから攻撃より防御を考えるべきじゃねーの?
ヴェン:無論そうである。この体はか弱き女性、子供を守るためにあるのだ。か弱き姫君危機に颯爽と登場し、鉄壁の守りでかばい、鋭い剣の一閃で(以下略:byガンツ

ガンツ:まあこの例は種族で大きく異なる。DEXが高いミスラなら武器を強くした方がいいこともある。エルヴァーンなら長期戦を覚悟して防御力を重視するとかな。良く考えて、自分に合った選択をすることだ。

73 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:11 [ .GihgzE2 ]
昔読んだことのある本をヒントに書いてみました。
こんな感じで皆で問題を出し合い、面白くできたらな、と思っています。

74 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:15 [ L30l5clI ]
>69

禿しく五竜亭を思い出した。でもいい感じ。
モットモットー

75 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 11:37 [ gS24HExo ]
>>70
>「船に乗って師匠にあってくるとか言ったぜ。ルウはボスディンの探索だろうな。」

や、やっぱ我らがシーモンク師匠でつか?(*´Д`)

76 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 12:55 [ EaVeRzJM ]
>>74
アレは良い物だ…。

77 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 13:30 [ ls2T8D8c ]
>>68
主人公の名前連呼しすぎて読みづらいです。
もう少々の推敲をおすすめします。

78 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 14:24 [ .7T4lUIQ ]
台本のト書きになってるかもね

79 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 15:42 [ FC/4cyuY ]
test

80 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 15:44 [ FC/4cyuY ]
test

81 名前: Recollection 投稿日: 2003/04/02(水) 16:11 [ .Xqz4l.E ]
〜老エルヴァーンの日記〜

桜が散る頃、妻が眠るように逝った。
少し眠いの、と微笑んだ妻の、最後の言葉が今も脳裏に甦る。
綺麗で、安らかな最期だった。

顔を上げても妻の姿の見えぬ机に向かい、私は今、何年も手にしていなかったペンを執る。
思い出すのは色褪せない妻との冒険譚ばかり。
私と妻が、このヴァナ・ディールで確かに出会い、生きた証を、恥ずかしながらここに綴って
いこうと思う。私が天寿を全うした後、誰かがこの日記を見つけ、開くことを願って。

0917/09/15(光)

82 名前: Recollection 投稿日: 2003/04/02(水) 16:13 [ .Xqz4l.E ]
…というのはダメでしょうか。
よければ、少し続けてみようかと思うのですが。

多数の神光臨中に水を差すようで申し訳ありません。

83 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 16:52 [ 1WSRYt8A ]
僭越ながら読者一同を代表して言おう。

「 続 き キ ボ ン ヌ 」

いや、マジで文章、出だし共に魅せるなぁと感心
しちゃいましたよ。喪前様は神々の列に加わる
資格を十分もっていなさる。後は書くだけだ。

84 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 19:31 [ 4ZbiaMo2 ]
>>82
日記というか、回顧録?

どうでもいいや、面白そうだから続き続き〜

85 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 19:42 [ R0Bt8.jw ]
>>81
つかみがうまい!
続き気になるよー!

明日会社にきたら続きがうpされていること激しくキボン!!

86 名前: 85 投稿日: 2003/04/02(水) 19:44 [ R0Bt8.jw ]
ageてしもた、すまん(T^T
オークの押し競饅頭で圧死しt(ry

87 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/02(水) 19:45 [ AAxA3AKM ]
>>81
  d( ̄◇ ̄)b グッ♪

88 名前: ヴァナライダー隆起 投稿日: 2003/04/03(木) 00:53 [ DfljKYn2 ]
「あ〜ミスラとまんkしてぇ!」
俺、内藤。デブオタヒッキーで半ば引きこもり状態だ。もち、親は泣いているYP!
今日はジラートの幻影の発売日。なので二ヶ月ぶりの外出だ。
(ちなみにこの前は同人誌買いにでかけたのだ)
大阪のニポーン橋の雑居ビルの同人誌屋にいったら、なんとつぶれちゃってたのだ☆
「まじかい!」
ん、なんか足元に落ちてる〜。よくみりゃ手のひらサイズの小型端末。
「おkwwwww祖父地図で売るwwwwwww」
祖父地図に行くと、そこにはジラートのデモ映像流れまくり。
「すげwwwwすっげーーwwwwww」
人が沢山群がってます。はい。まるでゴミのようだ!
すると、あら、なんとまぁ。モニタからにょきっと何かが出てきました。
「え?なに?これって演出?」
一同、ざわざわ…
ああ大変!なんと、オークがリアルに出てきたでわありませぬか!
オークは目の前のオタを掴むとひょいっとin the ヴァナディール。
目の前のオタさん、なんとヴァナディールの世界にはいっちゃったYP!
チャットログ
「たすけてーーーーーー」
Otaが助けを求めている!
「おいおい、なにこれ?へんだぜ?」
ああ、大変だOtaさんのHPがどんどん減っていく…!やばいっすYP!まじで
すると、後ろからバイクの爆音が!
(ウホッ…いい男!)
その兄ちゃん、PCの後ろのあたりをごそごそしている。
ありゃ、あれはさっき漏れが拾った端末とそっくりなものをベルトにつけている。
お兄ちゃん、なんとLANケーブルをどっかからひっぱてきて
「変身!!」
腰に付けた端末にぶっさした!するとまぁ、なんということでしょう。
お兄ちゃんは二次元の鎧を着た姿になってしまいました!
そしてお兄ちゃん in the ヴァナディール。
画面の中ではおにいちゃんとオークが戦っております。
はい、理解しました。LANケーブルをぶっさせばヴァナにいけるんですな。

「漏れも…ヴァナライダーになればミスラとまんkできるのかな…」

でんぱーーーあははははは

89 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 01:00 [ V4.eaYuM ]
↑ワラタ


…とでも言うべきなのか?

90 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 02:22 [ KKeAxEaU ]
>>88
俺の知り合いにヒキコモリ君がいるんだが、
彼は自閉症気味で人とコミュニケーションを取るのが苦手でヒキコモリになった。
とてもかわいそうなやつである。
ヒキコモリをバカにするなよ。次元が違うんだよ。

91 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 06:13 [ QSNxuI2o ]
>>90
自閉症を勘違いしてないかい?

92 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 08:51 [ iHM5ywx2 ]
>>91
まあ、引きこもり=自閉症とは書いてないんだが・・・
自閉症はれっきとした病気、引きこもりはタダのわがままだからな。
引きこもりに自閉症が多いのは事実だが・・・


あ、俺は引きこもりや自閉症を擁護してるわけじゃないぞ。
自閉症はともかく、引きこもりは大嫌いだからな(藁

・・・漏れ釣られた?

あと、>>88
スレの雰囲気ぶち壊さないでくれ。お願いだ。
あ、漏れもか。逝って来ます(つД`;)

93 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 10:34 [ eN5cX6sE ]
ぶち壊しているのは>>89->>92
嫌ならスルーしろよ

とマジレス

94 名前: Recollection 投稿日: 2003/04/03(木) 10:51 [ HZXWGsaw ]
昨日書き逃げした者です。
ありがとうございます、ご期待には添えないと思いますがよろしくお願いいたします。

Recollection(2)

〜老エルヴァーンの日記〜

私と妻が初めて出会ったのは、西サルタバルタにある「星降りの丘」と呼ばれる小高い
丘の上だった。日が暮れた星降りの丘の美しさは筆舌に尽くしがたい。天を見上げると
幾千万の星達が一斉に降りそそぐ。淡い光が辺りを包み、幻想的な情景を作り出すのだ。
そこで彼女は、小さなタルタルと、楽しげにお喋りしていたのを今でも覚えている。

私はというと、天から星が降りそそぐ深夜に、一粒取れる朝露「流星の涙」を取りに
来ていた。バストゥークから遠路はるばるウィンダスへとやってきたヒュームが、
ウィンダスらしいお土産はないかと言うので、これを提案したわけだ。

私達はそこで会話を交わすことはなかった。
だが、再会の時はすぐに訪れる。

今日はこれくらいでベッドに入ることにしよう。
おやすみ、愛しき妻よ。

0917/09/16(闇)

95 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 11:03 [ nrEaz6oE ]
おぉ〜なんか日記形式っていい感じですねぇ。
なんかドキドキしちゃいますよ。
ぜひ頑張ってください〜

96 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 13:39 [ juUOxIl. ]
ここを覗くのが楽しみな毎日。
作家の皆さん、応援してます。これからもがんばって下さい。

97 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 15:23 [ eN5cX6sE ]
リレー小説に参加しませんか?
テーマは『旅は終らない』。
400文字以内で、前に記述された文章の続きを書きます。


…なんての始めたら乗ってくれますか?

98 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 15:32 [ 9CVxpOPI ]
>>97
面白そうだが、別スレ立てたほうが良い様にも思う。
個人的にはマターリと神の降臨を待つのも、このスレの楽しみの一つなんで。

99 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 17:09 [ 9CVxpOPI ]
保守age

100 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 17:13 [ 9CVxpOPI ]
100

てか何やってんだ漏れ(´Д⊂)

101 名前: 97 投稿日: 2003/04/03(木) 17:31 [ eN5cX6sE ]
むぅ…個人的にガルカ女学園から始まったスレだと思ってるから(藁
有りかなーと思ったのですが…



というか
タルタル戦士〜の作者とガルカの〜の作者の競演とか見てみたい。が、本音。

102 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/03(木) 20:37 [ JTmya8Xo ]
>>97
面白いと思うけど。

103 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 02:25 [ Tid35u76 ]
私は白の探求者から始まったs(ry

104 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 03:01 [ qHDu7.QI ]
白の〜はゲーム的表現が多いのと
あともうちっと勉強して欲しいところがあるのが…
いちいち突っ込んでたらキリないけど

話のノリというか、空気は好きです
面白いので頑張って欲しい

105 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 05:02 [ vViH1Vwg ]
>>104
元がゲームなのでゲーム的表現はないほうがおかしくないか?
臨場感を出すためのスパイスだと思われ。

106 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 08:54 [ YqFHXeAY ]
>>104
おまいが勉強汁!!


(・∀・) カエレ!

107 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 09:14 [ XKvptpE6 ]
みんな仲良く汁!!
喧嘩イクナイヽ(´д`;)ノ

108 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 09:24 [ /EmD2FHg ]
その通りじゃ、仲良くな〜

109 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 10:38 [ Rh6Aqzb6 ]
まぁ、アレだ、WSの技名とかに内藤的拒絶感があるのだが。

>>106
単純な煽りイクナイ。
載せる限り批判もある。それを覚悟してのうpだろう?

110 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 10:56 [ /y8t/O3U ]
SF映画見るときに、いろいろツッコミどころ考えると面白くないだろ?
スターウォーズだって、あふぉほどツッコめる場所あるが、そんなのいちいち考えて見てないだろ?

要はアレだ、「面白ければいい!」
暗黙の了解ってやつだ。

厳しい意見もあるが、漏れは楽しく読ませてもらってますよ。

111 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/04(金) 11:56 [ OBpR4UwQ ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 4節>
 この集団というのは各国にある騎士団、銃士隊、連邦軍のような
自国の自衛を基本とした集団ではなく、獣人と戦う為に結成された
冒険者達の集団である。サンド所属者は『赤龍騎士団』
バス所属者は『青龍銃士隊』、ウィン所属者は『緑龍連邦軍』となっている。
 それぞれの集団のリーダーは、サンドがエルヴァーンの『サレイド』
バスがガルカの『ガライデッド』、ウィンはタルタルの『ジュディ』だった。
 セイルが率いているのは3国に関係無く冒険者を集めた『神龍騎士団』。
4隊の関係は『神龍』が上に位置し、その下に3隊があり、その他色々な同志隊がある。
 4隊の力関係はジュノ大公国の軍隊と同等ともいえ
他3国がジュノの命で4隊の作戦支援を行う時もまれにあった。
 いずれにせよ、冒険者という立場が既に各国において重要な軍事基盤とされており
さらにそれらが集まって集団を作れば3国より優勢なのは疑いようが無い。
 4隊に属する冒険者達は、隊に属してはいても普段は自由に冒険を続けており
過去に4隊に所属する冒険者達が4隊の冒険者として集まったのは
ラングモント峠からボスディン氷河、ザルカバードに行き
限界2と呼ばれるクエストをこなした時ぐらいだろう。
それ以外は、今まで冒険者の軍隊として機能した事は無かった。

112 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 13:30 [ OFZ.RkFs ]
>>109
オレもゲームの説明的なくだりは苦手だけども,まあ・・
wwww伝説の突き技!パワースラッシュ!TP0%%!wwww
とかならないだけまだいいかな

113 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 17:48 [ Rh6Aqzb6 ]
>>112
うはwwwwwwwむしろwwwwwwおkkkkwwwwwww

>>110
いやぁ、好きだからこそ、期待してるからこそ、はまってるからこそ色々出たりするから。
もちろん、読み終わって落ち着いた後ね。
ただ「面白い」で終るのは大抵どーでもいい物。立場的に缶ジュースぐらい。

ところで>>97はやるのか?

114 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 18:01 [ uskcLpkQ ]
>>113
リレーやるとしても別スレのがいいと思われ
ここの雰囲気はこのままのがいいかな、別スレでやるなら参加したいかも。

115 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/04(金) 20:53 [ JsfsDJX6 ]
>>113
本官も参加したいであります。

116 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 00:25 [ 4v1AeCyU ]
激しく亀なんですが、
「タルタル戦士は夢を見る」読ませて頂きました
もうFFはやって無いんですが、読んでるとまたあの世界に戻りたくなってしまいます・・
前に言ってたようにお金払ってでも読みたいくらいのお話ですね
何が出来るわけではありませんが応援してます〜

倉庫のほうが16話でとまってるので、前スレ読みにいったんですが
クレイィィ。・ ゚・。* 。 +゚。・.。* ゚ + 。・゚・(ノД`)
レイズ使ってあげたいよぅ(´・ω・`)

117 名前: 97 投稿日: 2003/04/05(土) 01:14 [ 6CgF7Jk. ]
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1049472750
スレタイがちといい加減ですが立ててみました。

118 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 07:56 [ L.XZEi2. ]
  赤色の魔道士

序章 ・私が寝るといつも同じ夢を見る・
  
見ているのは、炎の断片。
一面の火、闇を貫いて光る赤い灼熱の刃。
こなごなに割れたガラスが光を照り返し血の色をきらめき、雪のよう降った。

全ての崩壊・・・流星のような美しいさに目を奪われる。

奴らが来た!奴らがきた!という大声がの周りに響く・・・・
しかし、その声も回りに騒音にかき消される・・・
逃げまわる人々・・・なす術もなく散り逝く人々・・・
き
「ここから逃げなさい」
美しい顔の中に・騎士・のイメージを持った女性が私にそう語りかけてくれた。
「みんなは、どこに行ったの・・・?」
私は、その女性にそう問いかける。
騎士のイメージを持った女性は、困ったような悲しんでるような・・・・
なんとも言えない表情で私を見据える。そして
「大丈夫・・・みんなは後で会えるから、今は・・・戦場になってしまった、この場所から離れなさい」
優しさと哀しさが混ざったような声で、そう私に言った。
私は、首をブンブンと大きく横に振る。そして騎士のイメージを持った女性に抱き付きながら、
「イヤよ!!私を置いていかないで!!一人ぼっちにさせないで!!一緒に行こうよ!!」
涙声で叫ぶように言った。
騎士のイメージを持った女性は、私を優しく抱きしめながら
「置いて行ったりしないから・・・また後で会えるから心配しないで・・・・」
そういうと彼女は私の後ろ首筋に軽く衝撃を与える。
「貴方は・・・私の・・・・・・」
女性の声を全部聞き取れることなく私は失神した・・・
 
私が寝るといつも同じ夢を見る。
騎士のイメージを持った女性と炎の海と化す村の夢を・・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・・・・・・なんというか、この広いヴァナ・ディールではありふれた冒険者の話になるんだと思うんだ、 
 僕の知ってる歴史から見ても、もっともっと凄い冒険や発明などしてる奴からしてみれば、たいした話じゃないんだよね〜きっと。
つまらないし、くだらないし、馬鹿らしいし そんな感じの話さ、まぁ興味を持ってしまって全部見届けた、僕がいうのもなんだけどね
この話は記憶が欠けた赤魔道士の少女の物語って言った所さ。
さぁさぁ、始めるよー ただし、期待だけはなしにしょうぜ兄弟!

えーと、始まりは・・・・・・コンシュタットの・・・・・


                            続く〜

119 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 10:18 [ eLS4dH0g ]
保守age

120 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/05(土) 15:22 [ aPAGxLXY ]
今後各場所でヴァナの物語を書きたいと思う方、下記に私が計算した日数、時間の表を貼り付けておきます

<地球時間1時間=ヴァナの1日にした解り易い基準>
ヴァナ24時間=地球1時間《基準
ヴァナ24時間=地球60分
ヴァナ24時間=地球3600秒
ヴァナ1時間=地球2分30秒
ヴァナ1時間=地球150秒
ヴァナ2時間=地球時間5分
ヴァナ1分=地球時間2.5秒
<飛空挺>
地球時間5分=地球時間300秒
地球時間300秒=ヴァナ2時間
<船>
地球時間15分=地球時間900秒
地球時間900秒=ヴァナ6時間
<チョコボ>
地球時間30分=地球時間1800秒
地球時間1800秒=ヴァナ12時間

121 名前: Seilu 投稿日: 2003/04/05(土) 15:25 [ aPAGxLXY ]
<ヴァナ3週間=地球23時間という厳密な計算>
ヴァナ1週間=ヴァナ8日
ヴァナ3週間=ヴァナ24日
ヴァナ24日=地球時間23時間《基準
ヴァナ24日=ヴァナ576時間
地球時間23時間=地球時間1380分
地球1380分=ヴァナ576時間
ヴァナ576時間=ヴァナ34560分
地球時間1分=ヴァナ25分
地球時間60秒=ヴァナ1500秒
ヴァナ25分=地球時間60秒
ヴァナ1分=地球時間2.4秒
<飛空挺>
地球時間5分=地球時間300秒
地球時間300秒=ヴァナ2時間5分
<船>
地球時間15分=地球時間900秒
地球時間900秒=6時間15分
<チョコボ>
地球時間30分=地球時間1800秒
地球時間1800秒=ヴァナ4500秒
ヴァナ4500秒=ヴァナ750分
ヴァナ750分=12時間30分

122 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/05(土) 15:25 [ aPAGxLXY ]
上記2つが皆様のお役に立てると幸いです

123 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 18:54 [ 7ecR7HYk ]
>>118最強やね、応援&続きキボン
   自分は好きだがこういう詩的系なのはスキルが伴う。
   そして嫌いなやつも多い………まぁガンガってくれ。



ところでseiluさんが書いたやつ…何に役立つの?wwwwwwwwwwww

124 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 19:27 [ 3BbuanAI ]
>>123
概算できりゃ、何かの時間待ちしててちょっと離籍するとき、
リアル何分くらいか見当がつくが、その程度ならバナナ使えばいい話
しかも、正確には リアル1日=ヴァナ25日
厳密もなにも、前提がそもそも間違ってるな

ヴァナ1時間=リアル2分24秒
これは覚えとくとちょっと便利

125 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 20:35 [ OUWbpZ66 ]
つかな、大勢いる作者様よ。作者様方よ。
うpしてくれるのはイイ。とてもすばらしくありがたい。

けどな…

続編書いてください。
(つД`)オネガイシマス

126 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/05(土) 21:19 [ aPAGxLXY ]
地球1日=ヴァナ25日でしたっけ?
競売の説明でヴァナ3週間=地球23時間
の説明をきいた覚えがあったので計算したんですが

127 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 21:37 [ HUeTvru2 ]
あの〜、ヴァナでの距離や時間て、単位ありました?
わたしもお話書きたいんですけど、○○時間、○○メートルっていう表現使っていいのかなぁ…。

128 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 22:48 [ 7ecR7HYk ]
このスレの神達がなんか使ってた気がする

129 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/05(土) 22:56 [ 6CgF7Jk. ]
トリヴューンかな?

130 名前: 124 投稿日: 2003/04/06(日) 00:05 [ D.C7LYIg ]
>>126
リアル0時は必ずヴァナ0時
ならばリアル24時間はちょうどヴァナ○日になってないとおかしい
リアル23時間がヴァナ24日だとすると、
ヴァナ25日はリアル23時間57分30秒になって計算が合わん

つかバナナでもヴァナクロックでもいーから見てみれ

131 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 00:32 [ w.peUmUY ]
>>127
単位は説明文ではリアルの単位でいいかと思う。
セリフにあるんだったら…うぅむ。
ソースは確か、うろ覚えだけどトリヴューンだったような。

132 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 01:00 [ O2d8QAR. ]
>>122
まあ、小説書くのにはさっぱり役にたたないな
それ以外の用途・・・って、やっぱバナナで十分だろ

133 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 01:45 [ X1oITPKo ]
>>128
>>129
>>131
感謝です。トリヴューンちゃんと読みなおします。

134 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 02:27 [ jFDuH2Rw ]
一つの話をずっと長いこと書き続ける事って大変なのYP!
っていうか本当に続き書かない作者さん。おながいしまつ(;´Д⊂

135 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 03:11 [ iJaZY4/M ]
長さと重さの単位はあったと思います
(大物の魚にはこの2種のパラメータがあるらしいので)

でも魚の長さ単位で 地図の距離もあらわすかどうかはわからないですね
気にしなくていいかも

136 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 03:12 [ w.peUmUY ]
時間表現は大切だけど(特に旅、移動のシーンの多い話なら)
実際にプレイしながらヴァナ時間ではかればいいからなぁ。

137 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/06(日) 06:55 [ QGO60FPQ ]
上の計算をしたのは、作品の中で獣人対冒険者の大規模な戦いを書くので
人や獣人の移動時間の計算がちょっと必要だった為にしただけです
移動速度に関しては相対的な物しかないので、体育関係の資料から速度を割り出しています
地球24時間=ヴァナ25日なら誤った計算をしていたという事になるので
指摘してくださった方に感謝します

138 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 11:19 [ gLKR.AZA ]
今日は日曜…


神降臨期待age

139 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 11:49 [ 4yV8PMkc ]
しかしそこまで厳密な描写が必要になるなら、
エリア間の、おそらくゲーム中では描かれていない
地域のことも考慮に入れる必要もあると思う。

チョコボで一日と立たずに世界一周できるとは思えないし。

とはいえ、
リアル描写応援sage。

140 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/06(日) 13:10 [ InnKrb8g ]
確かに街中だと大きさは気にならないのですが、フィールドはメチャクチャなんですよね
戦いのモデルにしようと思っているのがOPの大量のオークVS人間だったのですが
あのシーンに出てくる門はサンドリアならわかるのですが、ジュノのバタリア側の門だと・・・・です
後は敵の大きさですかね、ゲーム中のオーク戦車の大きさはOPの戦車に合わないのでそこら辺は理由付けしておきます

時間の計算をしたのは敵の厳密な移動時間を出すのもありますが
物語の作戦会議の中で具体的な時間が出てないと違和感があった為です

141 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/06(日) 15:04 [ g9RcABes ]
むしろ知りたいのは、町と町の移動時間だったりしますけどね
以前、そんなスレがあった気がしますが誰か知りませんか?

142 名前: 歌の紡ぎ糸(仮 投稿日: 2003/04/06(日) 16:20 [ BI/pjC4Y ]
第二話『願い』

棍棒が僕の目の前に迫った時だった。急に曲の旋律が変わり、緩やかな曲が辺りに流れた。
ウィンダスで聞いたことがある気がする懐かしい旋律。
『あぁ、懐かしいなぁ』
僕は反射で目を閉じていた。が、何時までも棍棒の衝撃はこない。
ゆっくりと目を開けてみると僕の前にはミスラが座り込んで僕を見ていた。
「タルタルさん?大丈夫かな?ここからまっすぐ下りるとウィンダスの野営地があるから、そこなら多少は安全だよ」
僕はこくこくと頷くと急いで坂を下っていった。


僕は野営地―アウトポストで何処までも広がる空を眺めていた。
雲が時折何かを追いかけるように空を流れていく。
「怖かったなぁ・・・」
僕にとってさっきのヤグードは初めて見る獣人だった。母親の昔話や絵本で見たり聞いたりはしたが本物・・・僕の口からは小さなため息が出ていた。
と、僕の肩が後ろから叩かれた。
「大丈夫だったみたいだね」
「あ、ありがとうございました!」
僕は立ち上がって振り返り頭を下げた。
「気にしないでいいよ、だけど遠出にはちょっと早かったかもね。無理は禁物だよ?」
「はい・・・」
僕はしゅんとなって言葉を聴いていた。死んだらお終いだ。世界を見ることも走ることも出来ない。
「でも、世界を早く見たいっていうのはわかるよ」
ミスラはにっこりと笑うと僕の頭を軽く叩いた。そして僕の隣に腰掛けると一つの曲を吹いてくれた。
遠く何処までも流れていく冒険の序曲(プレリュード)。
僕は流れるようにミスラの顔を見、吹いている笛に目が行った。
「れ・・・ぎ・・?」
「ん?あぁ、私の名前だよ。レギス。知り合いの木工職人に作ってもらったんだよ」
「僕はヘリル。あの、レギスさん・・・お願いが…」
「敬称は要らないよ。冒険者に上下はないからね。で、何かな?」
「僕を吟遊詩人にしてください!」
僕のまだ少し高い声がアウトポストに響いた。

>>続く・・?

色々お目汚しですみません(汗
上手い物書き様多くて・・・とりあえず細々と(遠
題名とかもきちんとしないと・・・(汗

143 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 00:44 [ m2.RmTjo ]
タルタル戦士は夢を見る

第二十九話 目覚めよ闇・中編

―― ジュノ下層・噴水前 ――

「え?クリームって人?…聞いたことないですね」
「ミスラ?…しっぽが白くて…耳が大きくて…?」
「う〜ん。そういえば、僕がまだ小さい頃、それっぽい人には会った事がありますよ」

ジュノには多くの冒険者が集まる。そこは多くの冒険者にとって、
ある意味始まりの場でもあり、終わりの場でもある。
人が集まるということは、それだけ情報も集まっており、特に人探しをするのであれば
ジュノはうってつけの場所といえるだろう。
一人の男がクリームというミスラを捜していた。そして、噴水の前で一人の若い男に会う。
若い男の名前はソウマと言った。

「なにぜ名前も知らない人だったし、そのクリームさんかどうかは分かりませんが…
 とりあえず僕の会った人についてお話しますよ」
 
―― 北グスタベルグ ――

(怖くなんかないぞ…)
大きな岩の陰にじっと身を潜めてクゥダフが過ぎ去るのを待つ。
もしも見つかってしまえばどうなるか…その事は考えないようにする。
…早朝にバストゥークを出て、どうにか二つ目の橋の辺りまで来たのだが、
橋の上をうろついているクゥダフの姿があった。
どうしようもないので近くの大きな岩に隠れてクゥダフが何処かへ行くのを待っているのだが、
一向にその場を動く気配がない。

すると岩の向こう側から、かちゃかちゃ、と何かが近づいてくる音が聞こえる。
(うわ…ゴブリンか何かかな?それとももう一匹…?)
かちゃかちゃという音がだんだん大きくなる。…そして、ふっ、と音が聞こえなくなった。
おそらく、岩をはさんだ反対側に立っているのだ。
(ど、どうしよ?一気に走り抜けてしまおうか…。でも何処へ走れば…?)

そんな事を考えていると…瞬間、目の前が真っ暗になる。
「やっぱり!この匂い!…みつけたにゃ〜!!」
「わわ!!」
「家出はよくないにゃ〜」
「お姉ちゃん!?…ちがうってば、手、どけてよ〜。それにクゥダフがすぐそこにいるんだよ!」

ソウマの視界が明るくなる。顔を上に上げるとにやりと笑うミスラの少女の姿がある。
岩の上に寝そべって、そこから手を伸ばしていたのだ。
問題のクゥダフは、この騒ぎでこちらに気づいたようだが…
ミスラの少女の姿を見ると、何か苦々しい顔をしてそのまま向こうへ行ってしまった。
「すごい!すごいよ!あいつ、お姉ちゃんを見て恐れをなしたんだ!」
ソウマはミスラの少女を見る。が、それはいつもの”お姉ちゃん”ではなかった。
「お姉ちゃん…?」
その顔は、恐ろしく無表情でまるで心ここに在らず、といった感じだ。
だが、その視線は去り行くクゥダフに向けられたまま…氷の様な目をしている。
「どうしたの?お姉ちゃん…」
ミスラの少女は、はっとしてソウマを見た。
「な、なんでもないにゃ。それよりもソウマちゃん。こんなところに一人できちゃダメだにゃ」
「…だって、パパが帰ってこないんだもん…だから迎えにいくんだ」
「大丈夫にゃ。お父さんは強いんだにゃ?きっと帰ってくるにゃ」
「今までなかったんだよ?約束した日に帰ってこなかったことって」
「やくそく…?」
「うん、そう。だから、きっと何かあったんだ。だから助けにいかなくちゃ」

…約束。その言葉がミスラの少女の心の何処かにひっかかる。

「ね、お姉ちゃん。その格好…やっぱりお姉ちゃん戦士だったんだね」
「え?…ええと、よくわからないんだけど、多分そうだにゃ」
「お願い!僕を鉱山に連れてって!」

―― パルブロ鉱山 ――

「ソウマちゃん?お姉ちゃんから離れちゃダメだにゃ?わかってるにゃ?」
「うん、わかってるよ」
「お父さんはどこで働いているかわかるかにゃ?」
「えっと…よくわからないけど、ここ、三階まであるんだって。
 その一番上のところでいいのがでるって、パパいってたよ」
「ソウマちゃん?怖くないかにゃ?」
「うん、大丈夫。お姉ちゃんがいるから平気さ!」

二人はパルブロ鉱山の奥深くへと進んでいく。
ソウマには分かっていた。ミスラの少女の体が震えていたことを。
…後に思い返せば、あれは単に恐怖で震えていたという訳ではないのかもしれない。
何かこう、得たいの知れないものが彼女の中にあったのだ。
果たしてそれが何だったのか…今でもそれは分からない。
唯一つ言える事は、ソウマにとって一生忘れることの出来ない事件だった、ということだ。


                                           続く

144 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/04/07(月) 00:47 [ m2.RmTjo ]
マチガエチャターヨ
「なにぜ名前も知らない人だったし、そのクリームさんかどうかは分かりませんが…
→なにせ(以下略

145 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 02:21 [ FNglaqq2 ]
久々に、
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)−_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!

タルタル戦士楽しみにしてるんで、作者様頑張って下さい〜

146 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 02:22 [ SkrOpma. ]
同時進行正に神ガンガレ!(゚∀゚)

147 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 04:08 [ hVeBoURA ]
【 女たちの冒険記 】

 第一話 緑の草原、二人の娘

 ここは緑の草原サルタバルタ。
 草原の小人として知られるマンドラゴラが、陽の光を浴びながらくるくると踊っている。
 それにつられて、大地を彩る様々な草木も右へ左へと揺れ動く。
 そんな、一見平和そのものでしかない草原に、今日も鉄の擦れる音が鳴り響いた。


 自分も油断していたのかもしれない。
 相手はたかが女。それもひとりだ。
 確かに、この付近では見かけない種族だったが、女には変わりがない。
 女は自分と視線が交わった瞬間、剣を抜いてこちらへ駆け出していた。
 瞬時にして襲われることを悟ったのだろう。先手必勝というやつだ。
 こちらも拳でそれに対抗した。
 教団のために身を捧げ、人間と戦うためだけに力を欲したのだ。
 我々獣人が人間と戦わずして、何をしろという。

 拳は女の頬を、腹を幾度も殴った。
 それでも、女は怯むことなく返す刃で確実に自分の急所を狙ってくる。
 三度、拳で女の腹を殴った。
 さすがに効いてきたのか、前屈みになった一瞬を狙って頭部へと拳を落とす。
 自分の中ではそこで戦いが終わっていた。
 だが、その次に訪れた痛みに我を忘れ、気が付いた時には世界は反転していた。


 ヤグードの頭が宙を舞い、嫌な音を発てて草原を黒く濡らした。
 少しの間を置いて、残された胴体も力無く崩れ落ちる。
 表情のわからないヤグードの眼には、深々と木の矢が突き刺さっていた。

 ふう、と息を吐き、エルヴァーンの女性もその場に膝をつけた。
「メノエ、あんまり無茶はするもんじゃないよ」
 後ろから、若い娘の声が聞こえた。
 弓を構え、炎のように赤い髪を持つミスラの娘がそこに立っていた。
「自分の実力を知るには、あれぐらいが相手でないと意味がないもの」
 さらっと言い返すメノエの顔に、反省の色は見えない。
 これだから、と半場呆れ気味のミスラが手を差し出す。
「強情なお嬢さんだよ、まったく」
「お嬢さんはどっちよ、カヤ」
 差し出された手に掌を乗せ、引っ張られるのと同時に立ち上がる。
 立ち上がったエルヴァーンの背丈は、優にミスラの背を越えていた。
 頭二つ分ぐらい違うのではないだろうか。
 肩にかかるほどに伸びた銀色の髪が、陽の光を反射して美しく輝く。

「あらら、綺麗な顔が台無しだ」
 メノエの頬に残された先程の戦いで受けた傷を見て、
 カヤの手が軽く傷痕を撫でる。
「や、やめてよ! くすぐったい……」
 突然のことに思わずたじろぎ、メノエは困惑の表情を浮かべた。
 カヤはその様子が面白いのか、にやにやと笑いながら何度も意地悪く頬に触れてみせる。
 その都度、彼女が返す反応が、カヤは面白くて仕方がないらしい。まったくもって迷惑な話だ。
「やめてってば、もう! 怒るよ」
 当然、そんな言葉が目の前のミスラに通じるはずもない。
 長身痩躯のエルヴァーンは逃げるようにして草原を駆け出した。それを見たミスラもまた、追うようにして駆け出した。


 ここは緑の草原サルタバルタ。
 草原の小人として知られるマンドラゴラが、陽の光を浴びながらくるくると踊っている。
 それにつられて、大地を彩る様々な草木も右へ左へと揺れ動く。
 そんな、一見平和そのものでしかない草原に、今日も幾つもの影が駆け抜けていく。

 彼女たちの冒険は、まだ始まっていない。


 つづきたい

148 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 04:27 [ nq/PKPoU ]
ここは素晴らしいインターネットですね。

149 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/07(月) 06:31 [ S5NNhwds ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 5節>
 3人は先程セイルの座っていた場所に行く。
「ようアキナとシェナ。ほら酒買ってきたから飲め飲め」
既に酒が入って酔っ払ったセクハラ親父と化しているバッツ。ヒュームの彼は
普段は気さくな青年なのだが、酒が入ると人が変わる特技を持っていた。
そして暴走しているバッツを止めるのはセイルではなく別な人間の役割だった。
 呂律は回っているものの既に正常な思考が破綻しているバッツの背後に
音も無く1人のエルの青年が立つ。そして、バッツの後ろから首に右腕を回し軽くバッツの首を絞める。
「何度同じ事を繰り返せば気が済むんだ……本気で絞めるぞ」
背後に立ったエルの青年は軽くバッツの首を締めた後バッツから腕を解いた。
どうやら締めた時に気管が絞まったらしく、何度か咳き込む。
 結果的にそれがバッツを素面に、または元から素面だったのかバッツは元の酔っていない表情に戻った。
「まぁったくよ、ジンカはこぇえんだよな。いきなり背後に立って絞めんなよ、死ぬかと思ったぞ」
まだ苦しいのかバッツが何度か空咳をしながらジンカという名のエルの青年を見る。
が、一方のジンカは「それがどうした」と言ったような表情でベンチに座り酒を軽く飲む。
「さっきセイルがそっち行っていた時に幾つか買ったから、シェナもアキナも飲みな。
酒とジュースどっちがいい?」
「ならジュース貰うよ、酒は苦手だし」
アキナはジンカからグレープジュースを貰い、それと一緒にアップルパイをシェナにも渡した。

150 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/07(月) 06:33 [ S5NNhwds ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 6節>
「アキナ、久しぶりに帰った向こうはどうだった?」
セイルがアキナに尋ねた。セイルが気を利かせてジンカに
買ってくるように頼んでいたピピラの塩焼きを食べながらアキナは答える。
「ん、まあみんな元気だったよ。ただね、みんなあんまりウィンにいないから
ウィンは人が少ないなーって思った」
「まあな、何処もギルド関係でないと殆ど国に戻る事なんてないからな
バスもサンドもそんなもんだろう」
セイルは酒場から買ってきていた酒と、山の幸の串焼きを食べながらそう言う
バッツは先程の事で懲りたのか何なのか、酒には手を付けなくなった。
「あれ?セイルって国に帰ってないの?」
シェナが不思議そうに聞く。実はセイルの過去をここにいる誰も知らなかった。
「ん、別に態々帰るような場所じゃないさ。冒険者と呼ばれる立場になってから
帰った事なんて1度も無い」
シェナは大して気にしていないのか、そうなんだ、というような表情になる。
「なあなあ、セイルは今年どうだったんだ?」
バッツがセイルに聞く。セイルはふと記憶を思い返す。
「そうだな7罪も何度かこなしたし、限界2も終わったし。後はズヴァールで武器も幾つか取ったな。
まあ、急な変化は無かったけど充実はしていたろうな」
セイルはジンカから串焼きを1本受け取り食べる。
「でもさぁ、あれから2年経ったんだよね、セイルとあたし達が出会ってからさ」
アキナがしみじみとした感じで言った。

151 名前: Seilu 投稿日: 2003/04/07(月) 06:37 [ S5NNhwds ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 7節>
 手にしていた酒をあおったセイルは、ふと見た大公宮殿の入り口に見慣れた顔がいるのに気付いた。
 それは青龍銃士隊長のガライデッドの姿。セイルは席を立つとガライデッドの元に向かう。
ガライデッドはジュノ大公宮の兵士と何かを話しているようだった。
「どうしたガライデッド」
セイルが話しかけると、ガライデッドはセイルの方を向き、ああ、と短く声を出した。
「いや、取り立ててお前に言うような事でも無いんだが、彼らから妙な報告を聞いてな」
「妙な報告?」
セイルはガライデッドと共にいた兵士の方を向く。セイルが神龍騎士団の長である事を
知っていたその兵士はこう言う。
「各国に置いている大使館の館員からの報告なんですが、獣人達が今までとは違った
動きを見せているとの報告があったんです」
「詳しく話してくれるか?」
セイルがそう言った時、空で爆発音がした。セイルが空を見上げると
花火と呼ばれる物が月の照る夜空を彩るかのように、円形に広がっては消えていった。
どうやら年が明けたようである。
 この花火と呼ばれる物は、天晶堂の者達が東洋から仕入れて来た物で
毎年年明けと同時に打ち上げられ空を彩るのが常だった。
 セイルは空に打ち上げられては夜空を彩り消えていく花火を見
そして兵士を促してガライデッドと共に宮殿に入っていった。

152 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/07(月) 06:46 [ S5NNhwds ]
 宮殿の中に入ったセイルとガライデッドは奥の部屋へと通された
2人がそこに入ると、既に部屋の中には10名程のジュノの兵士がおり
いつもは下層にいるはずのザウコもそこにいた。
「ザウコ、お前までどうしてここに?」
本来であれば謁見の間に居るはずの無いザウコにガライデッドが聞いた
テーブルの上に広げられた地図を見ていたザウコは2人の方を見る。
「ん、ああセイルにガライデッドか。まあこっちに来てくれ説明するから」
2人は謁見の間の中央にあるテーブルによる。テーブルの上に置かれている地図の上には
何かの印なのかマーカーが置かれていた。
「細かく説明する前に、これを見てくれ」
ザウコがそれぞれに紙を渡す。そこにはカタカナで文として意味を成さない文字が書かれていた。
『アメアメマ チダカオリワミロゾムヤオシ リンゼンユテネク マイロノルロネミギヤオノヒ』
ざっと目を通したガライデッドがテーブルの上に紙を置き、呆れて肩を竦める。
一方でセイルはその紙をジッと見詰めたまま動かない、だがその瞳は見開かれていた。
「なんだこれ、これが何だってんだ?」
呆れてセイルを見たガライデッドは、セイルの表情が険しくなっているのを見た。
「おい、どうしたんだ?」
ガライデッドが声をかけると、セイルの口から途切れ途切れに言葉が出てくる。
「…我々は…日が…あと2回昇った…時…人間を…せめる…闇の…王の…命じた…通りに……」
セイルの口から出た言葉に、ザウコは呆然とする。
「……まさかセイル、その文が読めるのか?」
セイルは紙を置くとザウコの方を向く。その瞳は真剣みを帯びていた。
「……この言葉、どこで聞いた物なんだ?」

153 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 09:01 [ etoEYZ32 ]
タルタル戦士キター!
パパさん、応援しますー!

ところで
ジュノでクリームを探す、ソウマと話をしているこの男・・・
クレイであってほしい・・・・

154 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 09:59 [ 1iHEOFxg ]
>153
あれでも
いちおう
男だよね
・・・・

>トッパ

155 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 11:36 [ ZTeti2HE ]
タルタル戦士いつも楽しみにしています。
第一話から、全てテキストで保存しています。

153>
私もクレイであってほしいが、トッパのような気が(涙)

156 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 18:27 [ gByZv6pM ]
よーし、タル戦に感動しちゃったからパパもなにか書くかなー

157 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 18:54 [ etoEYZ32 ]
>>156
がんばれー。目指せ神!

 by タル戦に感動して書き始めたのはいいが、設定がモロに被って中断したヘタレより

158 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 19:52 [ Sw06rcII ]
>>153
トッパは、クリームが旅立ったことは知らないはず・・・
なのでその男はクレイであると予想してみるテスト。


なんにせよクレイには生きてて欲しい・・・。

159 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/04/07(月) 20:43 [ qGrYFycg ]
第一話 「二人きりになっちゃったね」

行商を生業とする旅団にエルヴァーンの少女が拾われたのは
ボスディン氷河に程近い北の荒地だった。
彼女はひどく衰弱し、生きているのが奇跡と言えるほど傷ついていたが
さらに災難な事に記憶を失っており、名も思い出せない。
旅団の者たちもサンドリア周辺に寄った際は
彼女の知人を探しはしたが見つからず、結局旅団で働く事を条件に
ともに旅することになった。

彼女はノースと名付けられた。
北の地で拾われたから、という至極単純な理由だが、
彼女はその名を結構気に入っていた。

旅団にはもう一人拾われた仲間がいる。
いつも深く外套をかぶった大男。
ウェストと呼ばれる変わり者だ。

ノースと彼が初めて出合ったのは西サルタバルタの池のほとりだった。
当時まだ幼子だった彼女は、「それ」がなんなのかよく解って
いなかったのだが、とにかく「それ」が、
何かの赤ん坊だと言うことだけは理解できた。

「それ」には片目と片手がなかった。
恐らくは親に捨てられたのだろう。
まだ殻も取れぬ雛鳥。

「それ」は

ヤグードと呼ばれる一族だった。




「あれからもう10年になるんだね、ウェスト。」
両手を泥まみれにしてノースが呟く。
「そうだな」
ウェストと呼ばれた大柄の男が返す。
片手で器用に板切れをスコップのようにつかって
土を穴にかけていた。

ここはジャグナーと呼ばれる深い森。
二人が使えそうな薪を探しに行っている僅かな間に旅団のキャンプが
オークたちに襲われ、壊滅した。
食い散らかされた亡骸を、森の片隅に埋めているところであった。
ジャグナーの野営陣そばでキャンプを張る予定だったが
あまりの豪雨に見舞われ、しょうが無しにとった行為が仇となって
しまったわけだが、悔やんでも長年連れ添った仲間が
生き返るはずも無く、ただ、呆然と穴に土をかけるノース。
「…二人きりになっちゃったね…」
その声は雨音にかき消されるほどか細く、まるで自分に現実を
言い聞かせるかのような、小さな呟きだった。
ウェストは埋め終えた穴に森から持ち寄ったささやかな花を添えると
彼女の方に歩み寄り、羽織っていた外套とともにその漆黒の羽を広げ
覆いかぶせた。
「風邪をひく。行こう。」
雨は激しく、彼女の嗚咽も涙もすべてかき消してしまっていたが、
彼の翼の下で耳をたらし、泣きじゃくる彼女をウェストだけは
じっと見ていた。


彼の名はウェスト。
隻眼隻腕のヤグードであり、人に育てられた鳥人。
西サルタバルタで拾われたためウェストと名付けられた
ノースの弟分であり、そして

彼女の最後の家族であった。

160 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/07(月) 21:58 [ 4ObGfDI. ]
>143
タル戦きたたたたぁぁ!!
パパがんばってー(=´▽`=)ノ

>153 私もクレイであって欲しい。
が、当時の子供が青年になってますよ!?
ってことは、もしかしたらクレイ&トッパではなく、クリームがこれから関わる
第三者なヨカーンも・・・
なんにせよ、続き楽しみだー

161 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 00:13 [ qdnNsafY ]
>>169
やぐええのぉ、これが逆にオークやクゥダフだったら(((゜口゜;)))

162 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 01:29 [ gapTGG5w ]
うむ、ヤグだとなぜかこう絵になるね。
そして>>169に期待

163 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 01:36 [ s3GukZi. ]
>>153
私もクレイだといいなぁ、とは思うんだけど
生き返りは(話的に)無い・・かなぁ・

でも生き返ったらいいよなぁ・・
うう・・気になるぅ・

164 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 08:03 [ n54UKkas ]
>>159最強

165 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 09:08 [ XOhbXo.M ]
>>159
も・もちろん侍ですか??!!
丹下左膳キタ―――――(゚∀゚)――――???????

166 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 10:05 [ osR2DGtE ]
>>163
実は生きていたと思いたい

167 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 10:29 [ qpMk/MzE ]
>>160
クリームがめっちゃいい女になってそう。
めっちゃいい女になったクリームが、思いがけずクレイに再会してる様子を
想像するだけでご飯3杯はいける。

168 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 10:46 [ fyTjAwWo ]
タル戦に感動。
「よーし参加するぞー」と決意。
一ヶ月もノタノタ描いてるうちにどんどんネタがかぶってしまい、後になるほどUPしづらい罠。
気分は/panic

169 名前: 159 投稿日: 2003/04/08(火) 10:53 [ oBGUrOZo ]
ヤグフェチはカエレ!とか言われて無くてよかった・・・
世界設定とか勉強不足だし、ぜんぜんまだ
構想もアマアマだけど、、、また書けたら
書き込ませてもらいます・・・・

170 名前: SSS 投稿日: 2003/04/08(火) 11:29 [ kJ2g7tfU ]
159>
つづき まってまつ

171 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 19:14 [ /ohNaoEg ]
なんか最近FFのテンションは下がってきたけど
タル戦に対するテンションは上がりまくり

本職白だから白き探求者も大好きなんだけどなぁ
今日こそ続き読める事期待しつつage

172 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 19:21 [ n54UKkas ]
>>159
続き書けば神
書かなきゃ糞

173 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/08(火) 19:26 [ Myxulaa6 ]
そう言って書かせようとする>>172

174 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/09(水) 00:33 [ JPSgpn4U ]
>>168
そんなあなたは、>>117のスレでネタを昇華するべし

>>159
グッ!! ( ̄ε ̄〃)b

175 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/09(水) 01:49 [ eVMVPIfc ]
心得とか書いた者です。

世界設定の話ですが、
前にモンクのお話で、ガルカの説明を出しました。
あれに、ガルカに生物学的な男性はないと書きましたが、
ガルカにはちんちんついてるらしぃです。
ソースは電撃のガイドブックに載っているインタビューです。
転成についての記述も触れていましたが…増々謎は深まるばかりですね。

訂正は…要望があればします。

176 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/09(水) 10:26 [ tRZ0ezTk ]
タル戦とRecollectionに期待age

177 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/09(水) 18:54 [ tfxShphA ]
タル戦もいいけどガルカの昔話はどうしたんだろう・・・

>>159
続き期待してます。

178 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 01:43 [ E/OSB.Q2 ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十話 目覚めよ闇・後編

―― パルブロ鉱山 ――

一人の男が暗い鉱山の隅に座っていた。足を痛めているのだろう。
もう随分と長いことその場から動いていない。
「くそ…腹が減ったな…」
洞窟の奥から獣人の呻き声が聞こえてくる。男の血の匂いを嗅ぎつけたようだ。
「しつこい…奴等だ…後から後から…」
つるはしを支えに、ゆっくりと立ち上がり、斧を構える。
「さぁ…こい。まだまだ俺はくたばらんぞ!」

…ミスラの少女とソウマはゆっくりと鉱山を奥へと進んでいく。
途中、クゥダフと何度も遭遇したが、その度にクゥダフは苦々しい顔をして二人を後にした。
それほどミスラの少女の力量がある、という事だろう。
「お姉ちゃん。やっぱりすごいんだね!あいつら全然よってこないよ」
「そうだにゃ…このまま見過ごしてくれるといいにゃ…」
ミスラの少女は不安で仕方なかった。確かに自分は戦士だったかもしれないが、だからといって
剣を持てばすぐに戦える自信は皆無である。その上、ソウマを守らなければいけない。
あそこからバストゥークまで一人で帰らせるわけにもいかないし、無理矢理連れて帰る事もできない。
何よりソウマの父親の安否が気になったのもある。

「ねぇ、お姉ちゃん。ここから先に行けるみたい」
坂道を登っていくと、あらたな坑道に出た。どうやらこの鉱山はかなりの広さのようだ。
「ツェールンと比べて随分広いにゃ…」
「あれ?お姉ちゃん。ツェールン鉱山いったことあるの?」
「…あ、あれ?そういえば、あたい…」

なにか、何かが頭に引っかかる。そうだ。ツェールン鉱山に自分は行ったことがある。
そこで何かがあったような気がする。でも思い出せない。…ミスラの少女は眩暈を感じた。
「大丈夫?お姉ちゃん」
「だ、大丈夫だにゃ…」
二人は入り組んだ迷路のような行動を進んでいく。
「…なにか聞こえるにゃ」
「え?なに?どっちから?」
ソウマが辺りをきょろきょろと見回した次の瞬間にはミスラの少女は走り出していた。
「ちょ、ちょっとまってよ!」

ソウマが慌てて追いかける。そこは狭い坑道を抜けた先の空間で、中央には砂利の山があり、
周りにはトロッコやつるはし等が無造作に転がっている。
…そして部屋の隅に男が一人、それを取り囲むようにして4匹のクゥダフがいる!
男は必死で応戦しているが、如何せん、数に圧倒されている。
男は立ち尽くすミスラの少女に気づいたようだ。男の叫び声がその場に響き渡る。
「おい、助けてくれ!このままじゃやられてしまう!」
その声の主こそ、まさしくソウマの父親だった。
「パパ、パパ!!」
「ソウマか!?何故お前がここに…!く…とにかく、こいつらを!」
「お姉ちゃん!早くあいつらをやっつけてよ!…お姉ちゃん!?」


どくん、どくん、どくん…自分の心臓の音が聞こえる。それほど高鳴っているのだろう。
何故?何故?…分からない。でも…今この瞬間、この感覚は前にもどこかで…
手が震える。だがしかし、怯えてはいけない。自分は戦士だ。
両手剣を構える。ああ…なんだろう。この震えは…だめだ。恐れちゃいけない。あたいは…

179 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 01:44 [ E/OSB.Q2 ]
「とりゃぁぁあああ!」
一番近くにいたクゥダフ目掛けて、両手剣を突き出して突進する。
手に生々しい感覚。クゥダフの口から呻き声が聞こえてくる。
(つぎっ…つぎはどれを!?…来る!?)
後ろからクゥダフが突進してくる。振り向きざまに剣を脇腹めがけて思い切り叩きつける。
すさまじい反動が腕に、指に響く。クゥダフは血を吐きながらその場に崩れ落ちた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

クゥダフ達はミスラの少女の強さに恐れをなしたか、後ずさりをしている。
「今だ…逃げるぞ…!」
ソウマの父親が足をひきずりながら、立ち尽くすミスラの少女の手を引っ張る。
「あ…ああ…逃げる…?」
「使ったことはないがな…この先にバストゥークへ繋がる地下水脈がある。
 そこに船があるはずだ。それに乗れば…」
「船…そこまでいけば…助かるの?」
「肩を貸してくれ!走るぞ!」

三人は、船を目指して懸命に走った。後ろからはクゥダフの雄叫びが聞こえてくる。
「くそっ!…足を怪我してなけりゃあこんな事には!」

曲がりくねった細い通路を進むと、地下水脈が目の前に広がる。
そこには父親の言うとおり、小さな船がそこにあった。
「…あった、あれだ!急げ!」
「もうすぐそこまで来てるよ!」

ソウマと父親が船に乗り込む。
「お姉ちゃん!早く!」
「…ここはあたいがひきつける…」
クゥダフの群れは、今まさに船に乗り込まんとする勢いで迫っている。
ミスラの少女は足元のレバーを操作した。ごうん、と音が響き、船がゆっくりと動き出した。
「…え!?…ちょっと、お姉ちゃん!?」
ソウマの声がだんだんと小さくなっていく。
どくん、どくん、どくん…さらに心臓が高鳴る。何故だろう?何故だろう?
「うわああああああああ!!」
両手剣を振り回してクゥダフの群れに突っ込む。
どうやら先程のクゥダフとは格が違うようだ。亀の獣人とは思えない素早さで一撃を避けられた。
後ろから殴りつけられ、そのまま地面に叩きつけられる。
「が…はぁ…」
起き上がろうとするが…次の瞬間、すさまじい衝撃と重力が背中に走る。どうやらクゥダフに背中から踏み

付けられたようだ。
この感覚、痛み、怒り、恐怖…ああ、そうだ。そうだったんだ。あたいは…
そうだ。分かっていたんだ。全て、最初から…ただ、現実を理解したくなかっただけなんだ。
助けに入ったところを、見殺しにされて逃げられたこと、そして…クレイを失ってしまったこと。

「う、ううう、ううう…」

一匹のクゥダフが異変に気付いたのはその時だった。そのクゥダフには空気がよどんでいるように見えた。
そのよどみの中心には、うずくまっているミスラの少女の体がある。
ミスラの少女から、異質な気が発せられているのだ。

「アアアアアアッツ!!」

力が、力がみなぎってくる。今までに感じたことの無い何かが体中に満ちている。
ゆっくりと腕に力を込めて体を起こす。自分を踏みつけていたクゥダフはその反動で後ろに倒れた。
腕に力を込める。そうだ、この両手剣…ああ、クレイの両手剣だ。
「…あたたかい、なんだかとっても暖かいよクレイ?とってもさ…」
クゥダフの集団を見つめる。その目は、数日前まで、お姉ちゃんと呼ばれていた面倒見のいいミスラの少女

のそれとは違っていた。一言で表すならば、狂気、とでも言うべきだろうか?
「殺してあげる…みんな…ね?」
もう誰も信じない。信じられるのは己の力のみ。そう、剣が血に飢えている。
もっと、もっと沢山の血が欲しいと叫んでいるのだ。
「クレイ…あたい、もっと暖かくなりたいよ…」


―― バストゥーク・民家 ――

「ねぇママ。お姉ちゃん、帰って来るよね?」
「ああ…きっと帰ってくるさ…あの子はあたしらの家族なんだよ?きっと帰ってくるよ…」
母親は4人分の料理の皿をテーブルに並べた。
「サルビア…早く帰っておいで…早くしないと料理が冷めちゃうじゃないか…」
サルビア。それは母親が新しい家族の為に考えた名前だった。


…あの家の中には、きっと自分が求め続けた暖かい家庭があるのだろう。
だが、もうあそこには戻れない。全てを受け入れてしまったから。
頬が濡れているのは何故だろう?…その理由は分からないが…
何か大切なものが心の中から無くなってしまったような気がする。
だけど…多分、それはもう自分にとっていらないものだろう。

ミスラの少女は夜のバストゥークの闇へと消えていった。


                                         続く

180 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 01:59 [ t/rY.24Q ]
寝る前に覗いたら・・・タルタル戦士キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
やはり暗黒騎士になるんですね・・・。

くぁーーーーーー、もうパパさんの作り出す世界の虜でつ(*´Д`)

181 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 02:26 [ T.XMEDyA ]
萌え通り越して悶え

182 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 02:27 [ 39nkmBWk ]
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

ってことで、ageるッス

183 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 02:50 [ we3surIw ]
タルタル戦士は夢を見る
第三十話目覚めよ闇・後編の感想です

うーん、残念です。

素晴らしい物語にこういう意見を付けると
せっかくのいい展開に水をさすようですが
今まで、ずっとほのぼの感動路線でやって
きたのにクリームが暗黒戦士になる過程が
暗い情念ゆえのものであるというのが余り
にも哀しすぎます。

クレイを失った悲しみから逃げるために
バストゥーク民家での偽りの日々を続けて
いた彼女が自分を取り戻すのは展開としては
とてもいい下りだったのに、最後は爽やか
路線から外れてしまってとても残念です。

自分が失いかけていたものを民家での触れ合いが
きっかけで思い出し、クレイとの旅の目的を取り
戻して旅立つ、という風に話が展開するものと
ばかり思っていたもので。

たとえば暗黒に堕ちてしまう寸前のクリームに
記憶の中のクレイとの思い出が蘇ってきて
彼女を優しいままに自分を取り戻させるなんて
展開だったらよかったのに、と思いました。

ともあれどこでどう決着をつけるのか先が
楽しみなお話であることには変わりありません。
期待して待っています。

184 名前: 萌悶 投稿日: 2003/04/10(木) 03:15 [ T.XMEDyA ]
色んな意見がでるのは期待されてるから、面白いからですよ。
頑張って下さい。

185 名前: 無題 投稿日: 2003/04/10(木) 03:23 [ oQs3J7yE ]
―バストゥーク共和国・上空―

曇りがちな夜空の中、一隻の飛空挺が雲間を縫うように飛んでいた。
その一室の窓際で、ヒュームの少女が一人、うつろな目で流れる雲を眺めている。
他の部屋からは、楽しげな会話や吟遊詩人の奏でる音楽の調べが聞こえてくるが、
まるで関心がないようだ。

時折、黒服に黒眼鏡のヒュームの男が数名、食べ物や飲み物を運んできてはすぐに出て行く。
少女に対する彼らの物腰は非常に丁寧だが、彼女を見る目つきは油断なく鋭い。
だが、少女は彼らや食事に対してもまったく関心を示していなかった。

・・・ふと。
少女は窓の外の一点を見つめた。
なにか影のようなものが雲間をよぎったのが見えた気がしたのだ。
だがそれはすぐに消えた…ようだった。

(・・・気のせいだわ)
一人納得し、再び少女が流れる雲に目を戻そうとした・・・その時。

バサバサァッ
窓の外で何かの羽ばたく音がして、窓の外に突然人影が浮かび上がった。

「!」
少女は驚いて身を引いた。
人影は一人の女ミスラだった。
驚く少女を尻目に、女ミスラは素早く室内を見回す。
誰もいないことを確認した後、最後に少女を一瞥すると、にやりと笑った。
そして、その体が上方に移動する。

(空チョコボ・・・!)
少女はようやく、先ほど雲間に見えたものを理解した。

その女ミスラの跡を追うように、何羽かの空チョコボにまたがった人影が現れ、
飛空挺の上方へ移動していった。

少女は直感的に悟る。
(狙いは・・・わたし?)

186 名前: 無題 投稿日: 2003/04/10(木) 03:24 [ oQs3J7yE ]
―飛空挺・上方甲板―

甲板に空チョコボを寄せた女ミスラは、そのままひらりと飛び移る。
それに続いて、他の人影も飛び移った。

人数は8名ほど。
リーダーらしき女ミスラの他に、数名の女ミスラ、それからガルカも含まれているようだ。

「抜かるんじゃないよっ」
小声だがよく通る声で女ミスラが声をかけ、それが合図であったかのように
一団は無言で甲板から内部に通じる扉の前に駆け寄った。

ガルカがヒョイと銃を取り出し、扉に向かって発砲した。
ダムッ!
その一撃で錠が吹き飛び、間髪いれずに足で蹴破る。

「うわあっ!盗賊!?」
扉のすぐ内側にいた船員が異変に気づいて声を上げ、同時に警報が鳴り響いた。
「お前ら急ぎな!狙いは中央の客室だ」
「おう!」
「にゃ!」
女ミスラの号令下、騒ぎ出した乗客に威嚇発砲を繰り返し、遅ればせながらも出てきた
警備員の抵抗にもかまわず、乱入した一団は突き進む。

―飛空挺内部・客室―

ガチャッ
「お前達は応援がくるまで奴らを食いとめろ」
扉があき、外の黒服達に命令を下しつつ、一人だけ色のうすい眼鏡をかけた
上官らしきタルタルの男が少女の部屋に入ってきた。
「軍部め・・・通信に通常シェルなど使うから・・・!」
ぶつぶつといいながら、足早に少女に近づく。
「キミはじっとしていたまえ。すぐに片付く」
すでに立ち上がってこちらを見つめる少女にそう声をかけると、部屋の片隅に
置いてあった何か貝殻にも似た装置をとりだし、少女に背を向けて何事か話し始めた。

眼鏡の男は気づいていなかったが、少女の目には意思の光が戻っていた。
少女は、目の前の机上に置いてある、飲み物のビンをそっと逆手でつかんだ。
そして、静かに男の背後に忍び寄る。
男はまだ夢中で話し続けている・・・少女はビンを振りあげた。

187 名前: 無題 投稿日: 2003/04/10(木) 03:26 [ oQs3J7yE ]
―飛空挺・客室―

ゴンッ  ドサッ
鈍い音が響き、続いて男が床に倒れこんだ。

「…ハァッ ハァッ」
張り詰めていたものが切れたのか、少女が息をついた。
だがそれも束の間、いきなり部屋の扉がドンドンと叩かれ、はっと息をのむ。

「ナナー・ミーゴ、ここだにゃ〜!」
「おーし、さっさと破るんだ!それから名前で呼ぶんじゃないよ」
先ほど窓からのぞき込み、そして乱入してきた一団が、どうやらすぐ近くまできたらしい。

少女は窓にかけよると、力をこめて押し上げた。
ビュゥゥッ
一瞬吹き込んだ突風にややひるんだものの、構わずに窓から身を乗り出す。
外側に細い縁があり、そこに足を下ろしながら窓の外に出た。
バタバタと強風が服をなびかせる。
そのまま、少女は外壁に沿って少しずつ横へ身を進めた。

ドムッ バタンッ
つい先ほどまで少女がいた部屋の扉が破られ、手下らしき女ミスラが飛び込んできた。
「あれ、いないにゃ・・・」
が、すぐに開け放しの窓に気づいて駈け寄り、外をのぞく。
「あ〜!いたにゃ!」
その頃には窓からだいぶ横の方へ移動していた少女を見つけ、声をあげた。

「ほら、こっちへ・・・くる・・・にゃ・・・」
手下の女ミスラは精一杯手を伸ばして少女を捕まえようとするが、わずかに届かない。
少女は強風にあおられながらも、さらに向こうへ進もうとしている。
が、飛空挺の外壁にしがみつく力は心なしか弱まっているようだ。
「うー、届かないにゃ〜」
悔しそうに声をあげる手下の女ミスラ。
「さっさと向こうの部屋の窓にまわりこむんだよ!」
必死で抵抗している黒服達を蹴り飛ばしつつ、部屋の扉前まで来ていた女ミスラが、
その様子を見て他の者に叫ぶ。

・・・しかし。
絶え間なく吹きつける強風に絶えられなくなったのか、
ついに少女が細い縁から足を踏み外した。
「ああっ」
悲鳴を上げて落ちる少女。その目に映る、遠ざかる飛空挺の姿。
一瞬で少女の姿は雲間に飲み込まれた。

「ちぃっ!しまった」
舌打ちしてあわてて窓にかけより、狼狽する手下を押しのけて
下をのぞいた女ミスラの眼に、しかし少女の姿は映らなかった・・・

188 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 04:05 [ v6jXjyeE ]
タルタル戦士、面白いです〜、感想は感想として、作者さんの思ったとおりに進めてください〜

あと、「天空のミスラ・ナナミーゴ(?)」キターー???

189 名前: 156 投稿日: 2003/04/10(木) 04:22 [ gyKfTnd2 ]


「インチキ冒険者」(前編)


人が絶え間無く流れつづけるヴァナディールの要所、ジュノ
ここでは様々な出会いがあり、物語が生まれ、そして何事も無かったかのように消えてゆく
そんな世界の交差点に、また今日も新たな旅人が訪れる
この旅人はどのような物語を見せてくれるのだろうか…


「…やっとジュノかぁ」

ジュノ上層…入り口。
小さく呟きながら、バタリアからジュノへとつながるゲートを一人の青年が通りぬける

彼の名前はハック
遠くサンドリアからやってきたヒュームだ
やっとの思いでジュノへと辿りついた彼なのだが、どうも周囲とは少し雰囲気が違う
浮いている、という表現が適切だろうか

やけに細く、とても険しい道のりを乗り越えられたようには感じられない体つき、
年齢も17・8才程度。いや、もっと若いのかもしれない
幼い顔立ちからは、経験をつんだ冒険者が放つ威風堂々とした迫力は微塵も感じられなかった
装備品から戦士であることが見て取れるが、彼の装備は酷く粗末な物
回りを行き交うジュノの冒険者達からは滑稽に見えてしまう程に
そして、最も異質だったのが彼の腰に帯びた剣
彼の粗末な装備品の中にあって、この剣だけが見事な輝きを放っていたのだった

まぁその不釣合いな輝きが、彼をより一層浮かせることになってしまっているのだが…

ハック
「う〜〜〜〜ん…」

ハックはそんな周囲のいぶかしげな視線などお構いなし
上層のゲート前で一つ大きく空に向かって背伸びをする
サンドリアとは違う…見上げた空が果てしなく遠く、白く、現実感の無いものに思える
その瞬間、彼は”ジュノへ来たんだ”と強く感じることができた


―――――――――――――


それにしてもジュノの人の足は早いなぁ
標準でヘイストでもかかってんじゃないのかと疑いたくなるよ、ホント

どの冒険者も余裕の無い顔で通り過ぎてくしさ…
いかにも”冒険を楽しんでます!”って人いないのかな?

……兄貴はここをどんな顔で通りすぎていったんだろう…
ついさっき、俺の目の前を通った冒険者のように、
なんの表情も浮かべず、ただ走ってただけなのかな…

…まってて兄貴、もうすぐだから…!


―――――――――――――

190 名前: 156 投稿日: 2003/04/10(木) 04:22 [ gyKfTnd2 ]


ハックの右手がゆっくりと自分の左腰に差してある剣を掴み、
そして、何かを決意したかのように柄をギュッと強く握りしめる

その直後…

「ちょっとそこのアナタ!」

ハックの背後からいきなりの叫び声
甲高い声はジュノ上層の高く澄みきった空に響き渡る

ハック
「うわ…!?」

ハックがいきなりの出来事に驚きの声を漏らす

何事かと思い、恐る恐るハックが後ろを振り向くと…
そこには頬をぷっくりとふくらませた女性タルタルの姿があった
髪は後ろでお団子を作り、身につけた装備品から冒険者であることが伺える
年齢は…タルタルという種族がらか、いまいちよくわからない

そのタルタルが強い視線でハックを見据え、話しを始める

タルタル
「アナタなにをしているのですの!?」

ハック
「え…? 何って?」

タルタル
「その右手は!? まさかこのジュノで剣を抜こうなんてお考えじゃありませんこと?」

ハック
「え!?」

女性タルタルがハックの剣を指差して問い詰める

予想外の言葉に一瞬我を忘れたハックだが、
自分で自分の右手に視線をやり、次の瞬間、慌てて剣の柄から右手を離した

ハック
「あ…いや、これは…そんなんじゃないんです、その…なんというか癖なんですよ…」

両手を自分の肩の辺りまで上げ、言葉につまりながら弁明するハック

タルタル
「…………」

そのしどろもどろの返答に尚も疑いの眼差しを向けるタルタル
当然だろう、あの説明では疑うなと言うほうが無理な話だ

ハック
「ほ、本当なんですってば! こんな場所でそんな馬鹿な真似はしませんよ!」

ハックも必死だ
なぜなら、すでに彼女とハックの問題ではなく、
騒ぎを見ていた回りの冒険者すらハックを疑いの目で見ていたのだから

ただでさえ目立つ存在にあった彼に、氷水をぶっかけたような冷たい視線が送られてくる…
その視線に、彼はただ苦笑いを浮かべることしかできなかった

191 名前: 156 投稿日: 2003/04/10(木) 04:27 [ gyKfTnd2 ]
神が連続で光臨してる中で失敗したなと思ってますw
すっぱり終わりたいなと思ってるので次回で終わりです、もう一度だけお付き合い下さい
読みやすいように…と心がけましたが、至らぬ点が多々あると思われます
その辺は多少目をつむってやってくださいw

192 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 09:22 [ tyXA0M7E ]
>>183
>水をさすようですが
わかってるじゃん

193 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 09:28 [ NcU/7hZw ]
>>192
まあまあ
>>183の、自分の思い通りの展開にならなくて残念って感覚は正直わかんないけど、
あなたも落ち着いて。
水さしちゃってるよ

オレモナー

194 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 09:28 [ WYu2DT2. ]
>>183
まぁ、いいんでないの?
作者様にとっては、それが文句であっても
感想言ってくれるというのがうれしい人もいるし
さらに、こうなると思ってたのに・・・とか言う系の感想は
しめしめ、裏をかいてやれたze!!!!
・・・なんて裏でほくそえむこともできるし
でもタル戦最高!!!!まじおもしれぇ・・・

195 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 10:00 [ ik/0pp5Y ]
正直、「物語」である以上、もっとキャラクターたちには悩んだり挫折したり、苦しんでもらってもいいかと(w
いい人ばかりのいい町でみんなが仲良く幸せにくらしています的なストーリーは、萌えSSならともかく、長期にわたって盛り上げるには足りないでしょうから〜


クリーム萌え

196 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 10:09 [ BP5kBgdE ]
>>183
脳天気なだけの話よりも、暗い部分を隠さず出してていいと思うがな。

クリームはダークサイド担当ってことでいいんじゃないの?

197 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 10:12 [ 9fL1DOKA ]
暗黒騎士に目覚めたというか・・・
墜ちたのか?

ザイド兄貴が語る真の暗黒騎士は
今のクリームの状態を超えた、その先にあると考える

このままじゃ終わらないよね?

ところでトッパは元気(・∀・)?

198 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/04/10(木) 11:18 [ tyXA0M7E ]
第二話 二人だけの夜

川縁に小さな洞穴をみつけ、暖を取る。
ウェストは器用に物干し台を大き目の枝で組み上げると
ぬれた外套や衣類を引っ掛けた。
目を腫らしたノースも「ひきゃんッ」と変ったくしゃみを
一回出すと、のそのそと脱ぎはじめる。
残っていた荷物から数着着替えは持ってこれたのは幸いだった。
ノースは着替え終わると、乱雑に抱えてもってきた荷物を
整理するウェストをじっと見つづけている。
「…どうした?」
「うん…そろそろかなぁ、って。」
雨に濡れたウェストの羽毛が、焚き火の熱で乾燥し
ふわわ、とふくれ出す。
その様子を見るのがノースは大好きだった。
天気のいい日は無理にでもウェストを誘い出し、
膨れる羽毛の様子と感触を堪能するのが彼女の趣味だった。
そして、ぼふっとウェストに乗りかかると、疲れたのかすぐに
寝息を立て始めた彼女に少し安心したウェストは、
空腹ではあったがあまり動く気にもなれず、そのまま眠りについた。

翌朝、襲撃のあった旅団のキャンプには寄らずに二人は野営陣を素通りして
バタリアを目指していた。
旅団という隠れ蓑が無い状態では、ウェストの存在をごまかすのに
無理があるが、ジュノには獣人が店を開いている。
もしウェストの事で協力が得られるならば、そこしかないと
ノースが進言したからだ。


旅団は小規模なものだった。
団長や団員は彼女を家族ではなく、仲間、もしくは同業人として扱っていた。
それは、どこかにまだ両親がいるかもしれないから、という考えなのか、
それとももっと別の理由があったのかは今となっては
知る由もないのだが、死別した今となってはそれが幸いしたと
いえるだろう。
家族として暮らしていたのなら、彼女の悲しみはもっと大きな
ものだったにちがいない。
ひょっとしたら、危険な旅である以上こういう事が起きる事も
予測しての事だったのかもしれない。
なんにせよ、彼女は大切な同居人を失い、失意の中にいるものの
幸いにして前へ進む意思は失わずに済んだ。

だがウェストはこうも思っていた。
「10年前、わたしは死んでいるべきだったのかも知れない」
と。

199 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 12:00 [ 4NN0aBRs ]
>>197
禿同
最愛の人を失ってそれほど簡単には立ち上がれないだろう
道を踏み外すことだってあるさな

それを引き戻すのが、トッパの役目さ(・∀・)

200 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 12:30 [ AsdiV6AQ ]
サルタのヤグの羽に飛び込みたくなってきますた(*´Д`)

201 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 12:37 [ tIZQhilw ]
>>185-187
あれじゃん。ラピュタの最初・・
ゴリアテに進入した海賊(空賊?)と、ゴリアテから逃げる女の子。
パクリ(・A・)イクナイ

202 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 12:39 [ MR0s1SuA ]
>まで、ずっとほのぼの感動路線でやって
いいから、一度全部読み返せ。

203 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 12:47 [ O2qMdJ/k ]
>>201
メール欄y(ry

204 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 13:18 [ yV92dEo. ]
>>183
>>うーん、残念です。
藻前の文盲さが残念だyp!!

>>爽やか路線から外れてしまってとても残念です。
Book-o○○で少女漫画でも立ち読みしとけ(・∀・)

小学生でも知っているが、物語には「起承転結」という鉄則がある。
その中で一番重要なのが「転」であり、それが大きければ大きい程
読者は物語に引き込まれ、結末への期待が高まるのだ。

予想通りの展開、予想通りの結末の物語を読みたいと思うか?

今回のクリームの変身ぶりは誰も予想できなかっただろう。
しかし、後へと続く今後の物語への展開へ更に興味を高められた。
再度、神作家としてのパパの力量が伺える。

文盲なりきり評論家は、すっこんどれ!!

パパ様、今後も読者の期待を裏切る展開を期待しています。

・・・熱くなっちまった。
ヤグの羽毛布団で安らかに逝っ(ry

205 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 13:36 [ nui82ehY ]
クレイ。いくら思い出の品だからってカオスブリンガーはやめとけ。

206 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 14:21 [ NCN7LJ3c ]
>>205
ワラタ

207 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 16:14 [ O2qMdJ/k ]
>>203
原作のパロディってやつ?
そういうのありなの?

208 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 16:47 [ qBnITivs ]
>>207
アリにしたらガノタがうじゃうじゃ沸きそうだな

209 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 16:54 [ MhP3SzV. ]
>>208
じゃあ、今回は一発ネタという事でおkとして
次回からはNGっつーことでどうだろうか、皆の衆。

210 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 17:27 [ gWTSMoRM ]
>>183
思うんだけどな、タル戦の魅力はそりゃ読む人の数だけある(これだけでもパパさんの
神っぷり炸裂だと思う)と思うんだが、俺にとっては「ほのぼの」した表面上の流れに
底流するキャラクターの闇と狂気が魅力だと思うんだよ。
レウは自分のことを「やせこけた、耳の長い人形」と評してるし、小鳥と話す自分を
「壊れた」と評する。獣使いというジョブがこの世界にあるのを前提にしている上に、
ファンタジーの世界だからとそう違和感を持たず読んでるかもしれないけども、13〜
14話の流れを見れば、小鳥に話しかけたりするのは獣使いであっても普通の行動と見
なされてるわけじゃない。この時点でのレウは、「不幸に押しつぶされて狂った少女」
に他ならない。
エッタとオットーにしても、ほのぼの系のキャラクターとはほど遠いバックグラウンド
をもってる上に、砂丘でトッパに恐ろしいと思わせたオットーの表情は「狂気を孕んだ
(大人に対する)憎悪」だろう?
今回のクリームの暗黒化は、これらの暗部が最も包み隠されずにむき出しの形で表現された
ものなわけだけども、レウやオットーが仲間を得て人間性を回復してゆくように、クリーム
もまたいつか救われることを期待して待ちましょうや。
それを見ずに、この時点で「残念」なんて評するのはいささか作者さんに対して失礼なんじゃ
ないかな?
何しろストーリーの展開に関することだからね。表現や言い回しに関してなら言いと思うん
だよ。でもね、ここで安易なカタルシスを求めてこの先のストーリーが制限されてしまう
可能性を考えてごらん。
「クリームに幸せになって欲しい!」とか、「クレイ生きていて!」とか、「ソウマと話し
てる相手がクレイであって欲しい!」とか、そう言う「読者としての希望」と、「こういう
風にして欲しかったのに、そうならなくて残念」というのを物語の途中で言ってしまうこと
は全然違うよ?
ストーリー展開に関する「残念です」は、最終回を見てからでも遅くはないでしょ?

211 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 17:41 [ 0Hom1brQ ]
って、言うかここまで感想書かせるパパさんの技量に乾杯。

ローカルHP作ってパパさんの小説ため込んでます。
ほかの人のもため込みたいけど量多すぎww修正され・・・なくていいよ!
がしがし書いちゃってください!

212 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 17:41 [ GfrkVXug ]
>>209
>>210
同意

213 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 17:46 [ MR0s1SuA ]
>>207
てかイチイチ突っ込まずワラタwで済ませれば良いと思うのだが…
こんなん一発ネタじゃん
やりすぎるとスレ違いだし

>>210
禿同。
あと、ただの感想で文句つけるぐらいなら別に良いんだけどね。
残念ですと来たもんだからこれだけ反感買うんだろうな。

パパさんは以外と(?)ダークなお話しが好きですナ

214 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 18:30 [ zkoy49kA ]
ヤグかっこいいな・・・

215 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 19:02 [ v3QGHr8c ]
210に、同意
パパさんの好きに展開して下さい
今回の話も、クリームが戦闘中に記憶を取り戻して行くところ
涙出たよ

216 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 19:33 [ Bj8PxAgw ]
まぁなんだ、こんなにアツくかたれるタル戦をみんな好きだっつーことか

217 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 20:10 [ komATbeQ ]
>210がSS書くと面白そうだと思うんだが、どう?>210

218 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 20:14 [ NHvbQ1NU ]
>>204
>>今回のクリームの変身ぶりは誰も予想できなかっただろう。
暗黒騎士になった(まだかな)事だとしたら
漏れ、予測してました ホントになるとは思わなかったyo

219 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 20:22 [ a6IUuzAc ]
>暗黒騎士になった(まだかな)事だとしたら
>漏れ、予測してました ホントになるとは思わなかったyo

すごい洞察力だ・・・
流石にベドーまでカオスブリンガーでやっていけるとは思わなかったよ・・・
ま、アフォな突っ込みはおいといて・・・
ぱぱさん、いつもストーリーに引っ張り込んでくれてありがとうです!

220 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 20:33 [ CkIg/wu2 ]
私は>>183の素直な感想も、>>210の深い読み込みも両方ありと思う
>>183はただ素直に残念だったっていってるだけで
何もケチつけようとか思ったわけではないと思う
なんでみんなしてそこまで否定的な意見を毛嫌いするのかな
どんな感想を持つのも自由 って言いながら
結局否定する感想を書いたらここまで叩くのって
何か間違っている様な気がするよ
読み込んでる人以外が素直な意見を述べたら駄目なのかな?
裏設定とか>>210みたいに深い所まで気づかずに読む人もいるはず
それが全部悪い事みたいに頭から言うのってどうかな

ちなみに、私もクリームが暗黒面に目覚めた瞬間
思わず『げっ』って言ってしまったよ、
ただ、それは思う通りの展開にならなかったって事よりも
そこを読者の思惑から外れた方に伸ばす作者の力量に
びっくりしたって言うのが本音だけど。感心したと言うか。

こういう意見もありだって、理解出来なくてもいいから
そう思う人も中には必ずいるって事を否定しないで欲しい

221 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 20:40 [ tyXA0M7E ]
いや、否定意見だからというより
否定した理由が「自分の思ったとおりじゃなかった」
(と少なくとも他人に思わせる言動だった)から
「おいおい、それはちゃうやろ」ってなったんだと
おもうのでした。

222 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 20:40 [ komATbeQ ]
>>220
210の後半部分を読めば、>それが全部悪い事みたいに頭から言うのってどうかな
や、>こういう意見もありだって、理解出来なくてもいいからそう思う人も中には必ずいるって事を否定しないで欲しい
というのはかなり的はずれだと思うのだが、どうだろう。

223 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 21:43 [ 9ApNjLX6 ]
ヤグタンキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!

つ、続きをぉkぢおあじおじおfじおkf

224 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 21:48 [ komATbeQ ]
>>220
結局のところ、
>結局否定する感想を書いたらここまで叩くのって
といったって>183を「叩いてる」意見なんて>192と>204だけだろ。
あとは多かれ少なかれ諭すような意見か、意見を認めつつ反論している意見だろ。
これで叩かれてるなんて印象を抱くってのは被害妄想じみてるぞ。

225 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 21:50 [ 9ApNjLX6 ]
感想スレ立てようか?
ここは完全に小説のみとして

226 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 21:57 [ B7Y5.GqM ]
>>225
無闇にスレたてるの良くない
それだったら専門サイトでもたてるべき

感想あるのは良いケド…ってそゆ事ですよ

227 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 22:04 [ 9ApNjLX6 ]
なるほど、確かにな。
テンプレサイト…タマには使ってはどうだろう。

漏れもタル戦に感化されて書いてる身だが、画像うp板にうpしようと思ってる。
はっきり言って自分のはあんまりうまい文章ではない。
でもみなに見てもらいたいので、このスレにうpしたことを報告、そして読んでみたい人が見る…
感想はソレにレスつければ良い。


このスレに住まう神たち…

どうでしょう?テンプレサイトにうpの話…



ッテカメンドイヨネ(´・ω・)

228 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 22:05 [ 9ApNjLX6 ]
あー、そしたらこのスレ要らなくなるジャン…アフォか!!!

229 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/10(木) 22:48 [ B7Y5.GqM ]
こうやってマジレスで色々な感想とかが出てくるのも
ここの良い所だからこのままで良いと思う







ッテカメンド… .'∵・(・∀・)=my" ターン

230 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 01:10 [ A5o49Atk ]
でもまあ長い感想や、大量レスになりそうな
議論ネタはまとめサイトのBBSでもいいとおもう。

まああれだ

ヤグタソハアハアってこった。

231 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 08:31 [ QlNB6ql2 ]
「白い心・黒い意志」の1 −男と女−

サイリは、まだ日が昇るには早い時間に目が覚めた。
一夜の宿の小さな部屋。
一つきりの粗末なベッド。
隣には男が寝ている。
彼女の裸の胸に頭をすり寄せるようにして。
ふくらみに触れる髪が少しくすぐったい。
安らかな寝息を立てるその姿は、小さな子供が母親に甘えて眠る様でもある。
それは誰も知らない男の姿。
時には全身を返り血に染めて尚敵を追う戦士の戦いぶりからは想像も付かない。
そっと男の髪に指を滑らせる。見かけによらず柔らかい髪。
野宿が続いたときは砂やホコリにザラついているが、今日は久しぶりに水が使えたから、サラサラと心地良い。
サイリはこうして男の頭を撫でるのが好きだった。胸に抱いた男の髪を撫でるのが。
普段は男が怒るから、二人だけの夜、男が寝入った後にそっと撫でる。
この感触を知っているのはわたしだけ。この胸の暖かさを感じられるのはわたしだけ。
そんなことを考えると彼女はなんだか嬉しい。
「君は俺が守る」
それは男の口癖。
戦士という職が言わせる言葉だとしても、サイリには嬉しい。
「大好きよりックス…。あなたはわたしが守るから…」
そっと囁く。
人がいてはけっして口に出来ない言葉。男が起きていては恥ずかしくて口に出来ない言葉。
聞こえてはいないだろう。
けれど、それでいい。
今はこうして肌を合わせていられるだけで幸せだから…。

それは狩りの後の休憩の時。
「なあ」
「?」
「俺の家、見ないか?」
「へ?」
突然のリックスの言葉に、サイリは間の抜けた返事を返してしまった。
彼は家など建てていないはずだったから。
「あ、いや、べつにどうでもいい事なんだが…」
微妙にサイリから視線をそらすリックス。頬が赤い。
「!、もしかして、あなたの生まれた家?」
「ああ。…いやなら、いいんだ。無理に見てもらうような…」
「見る。見たい!」
リックスの言葉を遮るサイリ。
生まれた家を見るという事に特別な意味が有るのか無いのか。それはわからない。地方や部族で慣習は違うからだ。
しかし、もしかしたらとサイリは思った。もしかしたら、自分が期待しているような「何か」があるのかも、と。
だから約束した。
この仕事が終わったら、リックスの国へ向かうと。彼の家を見に行くと…。

232 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 08:35 [ QlNB6ql2 ]
入れ忘れ… −続く−  です。
ううぅ…ヤグの羽毛で吊ってきます。

233 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 09:57 [ HgPGPTcU ]
そこで −完− とかやられたら暴れる奴続出だなw

234 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 09:59 [ hCydMdW6 ]
>>231
物語の出だしが今までになかったパターンですな。

興味出てきた!
がんがって続き見せてください!(・∀・)

235 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 22:07 [ Z8j2n.cg ]
さがってんじゃん!

236 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 22:21 [ eorS3xns ]
じゃあ、上げとくよう

237 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/11(金) 22:59 [ djZ9pkaQ ]
ウホッ!いい話

238 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/12(土) 09:14 [ AQKx.Ncw ]
週末キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!


期待age

239 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/12(土) 21:23 [ 0WacrHGM ]
ソウマが"若い男"になるくらい時が経ってもなおクリームを探し続ける男...
かなり長期戦の構えですよね。
クリームとトッパの再会とかクリームのこの先とか、気になってねむれないですな

とりあえずage

240 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/13(日) 11:49 [ FWm7DiY. ]
ホスト規制がかかってるそうですので、避難所の避難所の避難所ですが、こちらを
使わせて貰ったらいかがでしょうか?
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/tboard007/tboard.cgi

241 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/13(日) 18:15 [ uM.Ex6dg ]
昨日は神来なかったみたいね…

夜に向けて期待age

242 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 00:46 [ 38ZpaY7A ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十一話 ラテーヌの夜

「だれか…ここから出して…」
薄暗い部屋に、幼女の泣き声が響き渡る。
「やだよぅ…暗いのは怖いよぅ…」

これは…夢…?私がちっちゃい頃の夢?

エッタは夢を見ているにも関わらず、やけに意識がはっきりしている。

ああ、ここは…確か家の倉庫?…お兄ちゃんと私がよく探検をした部屋だ。
でもなんで一人でいるんだろ?
…あ、そっか。きっとまた何かいたずらをして、お仕置きを受けてるのかな。
お兄ちゃんは、”昔からエッタはいたずらばかりしてさ…”ってよく言ってるし。
でも私、なにか悪いことしたかなぁ?思い出せないよ??
あ〜、でも、悪気がなかったから何度もいたずらしたのかなぁ。
覚えてないってのは反省してなかったのかも。


…ドアの錆付いた取っ手が、削れるような音を上げながらゆっくりと回る。
隙間から光が差し込んでいる。
小さなエッタは、それに驚いたのか、部屋の隅にある大きな黒虎の剥製の影に隠れた。
「誰かいるの?」
…ちっちゃい頃のお兄ちゃんだ。こういうのも変だけど、今と違ってすごく可愛い。
小さなオットーはそこに何かの気配を感じ取ったのか、部屋の隅にある黒い何かに目を向けた。
「う、うわぁ!!」
目を凝らして、それが巨大な黒虎と気付くとたちまち悲鳴を上げて…
逃げようとしたのだが、混乱していたようで何故か入り口と反対方向に走り出した。
暗い部屋で方向感覚が狂ったのか、はたまた目を閉じていたのか分からないが、
走る彼の直線上には背丈の数倍の高さを誇る本棚が待ち構えている。
そしてその棚に収納しきれなかったと思われる古書が山積みにされており…。
本棚にぶつかると同時に、上の方の棚からいくつものカビ臭い本が
降り注いできた。

「うぅ…うぅ…うわああぁ…」

余程痛かったのか、それとも単なる泣き虫なのか…ともかくオットーは
大声で泣き始めてしまった。
エッタは、その光景を見て笑いを堪えるのに必死なようだ。

(もう…昔からお兄ちゃんドジなんだから…)

オットーはしばらく泣き続けた後、涙を拭きながら辺りに散らばった本を集めだした。
とりあえず、自分が散らかしたものは片付ける性格のようだ。
5冊目の本を拾い上げた時、オットーの手が止まる。

「…ぱらでぃん…騎士…と姫?…おーきっしゅ…オークの…話…?」

243 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 00:46 [ 38ZpaY7A ]
―― ラテーヌ高原 ――               

「具合はどうだ?」
「あれ…ラキさん、私、どうしちゃったの?」

夜空一杯に星が見える…夜だ。何時の間に眠ってしまったんだろう?
確か、ラテーヌに入ったところで頭が痛くなって…それからの記憶がない。

「まだ起き上がるな、少々熱がある」
「え…じゃあ、また私…」

ふと、横に目をやるとトッパとジルパケルパがエッタを挟むようにして眠っている。

「この二人も看病するといって聞かなかったのだが…
 冒険者といえどまだまだお子様だな、夜更かしには慣れていないようだ」

ラキは二人のタルタルを見て、ふん、と鼻で笑った。

「私…ずっと眠ってたの?」
「どうやら疲労が溜まっていたようだな。砂丘を越えるのは少々厳しかったようだ」
「そう…なんですか。ごめんなさい。迷惑かけちゃった」
「気にするな。仲間だろう?…それよりもな、お前の兄がそれはもう酷く心配していたぞ」
「そうですか…」
「早く元気になって安心させてやるがいい」



キャンプから少し離れた、大地が盛り上がって出来た小さな丘の上、
オットーとレウの姿があった。

「ね、オットー。エッタの事なんだけど」
「…うん」
「前から何かおかしいと思ってたの。なんていうか…その…」
レウはそこまで言って、喋るのを止めた。
そこまで言ったところで、オットーが悲しそうな表情をしているのに気付いたからだ。
「ごめんなさい、変な事言っちゃったね…」
「…ね、レウ。もしもだよ?…もしも、ある日突然、大切な人がいなくなったら…
 どうしたらいいんだろう?」

レウの脳裏に自分を助けてくれたサンドリアの騎士が浮かび上がる。

「そうね…最初から何も無かったみたいに、全部綺麗に忘れられたら…いいよね」
「そうなのかな…そういうもの…なのかな?」


レウは夜空を見上げた。夜空一面に美しい星が輝いている。
そしてレウは星を見ながら考える。これから先私達はどうなってしまうのだろう?と。
サンドリアへ無事に行くことができたとして、それから…それからオットーとエッタは
どうするつもりなのだろうか?
ラキとジルパケルパとは直ぐに別れるかもしれない。
トッパは再びウィンダスを目指すだろう。

私は…何処へ帰ればいいんだろうか。捨てられた私に、帰る家など在りはしない。

「ね、オットー…私ね、聞いて欲しいことがあるの…私の、皆に会うまでの話」


ラテーヌの夜は更けていく。星の下に集う、全ての命をゆっくりと見守りながら。


                                      続く

244 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 00:48 [ fc3dKOS. ]
トッパ    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
パパさん キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!

245 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/04/14(月) 00:50 [ 38ZpaY7A ]
アゲチャタヨ…sage

あ、あとなんか30話に関して色々あったみたいでつが(;´Д⊂
マターリお願いしまつ(;´Д⊂
話そのものは頭の中にできあがってて、どんなに皆さんの期待や予想を
裏切る展開だったとしても路線変更とか、そういうのはありませんでつ(;´Д⊂
そのくらいでなけりゃ本家からここまでずっと続けてませんでつ…(;´Д⊂

246 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 00:56 [ ROKS8I0. ]
パパさんいつもありがとふ、そしてそれでよいと思いますぜ。
漏れは紙芝居を見る子供の如く、わくわくしながら楽しむのみであります。

247 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 01:36 [ 3pjSTH3Y ]
>>246さんと同意見です。それでいいかと思います
いつも楽しみにさせてもらってます。
お疲れ様です^^

248 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 02:15 [ KILEcO/k ]
「白い心・黒い意志」の2 −道程−

このまま旅すれば、あと幾日かのうちにはリックスの町に着く。
そこに家がある。
リックスの生まれた家がある。
あの時は、夢中で答えた。
「見る。見たい!」…と。
けれど今、不安がある。
言葉に出来ず、形にならない不安がある。

きゅと背中から抱きしめると、リックスの身体はほど良くサイリの腕の中に収まった。
「おい…」
身じろぎするリックス。けれど不快そうではない。
もちろん、部屋には二人きり。
「しばらく…このままで…」
リックスの髪に顔を埋めるように、囁くサイリ。
男は答えず、けれど動きもしなかった。
リックスの匂い。
嗅ぎ慣れた髪の匂い。
土と汗の匂いの入り混ざった匂い。
失いたくない匂い。

リックスは己を語らない。
出会う前の過去を、噂以上のそれをサイリは知らない。
でも、リックスはここにいる。
いま自分の腕の中に。
二年前なら噂でしか知らなかった男。
初めてあったときには、恐れさえ感じた男。
それなのに、もう離れることは考えられない男。
サイリが愛する唯一の男。

249 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 05:45 [ Mho1TeGU ]
みなさんおはようございますage
神の方々もご苦労様です。とりあえず・・・




キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノ━━━!!!!

250 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 12:13 [ a4.zC.z2 ]
最近タル戦みるためにシタラバきてまっつ。ということで、


キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!

251 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/04/14(月) 18:51 [ DyE7hqrg ]
第三話 地下からの訪問者


冒険者、と呼ばれる者たちがいる。
ジュノは個人間の取引にも税金がかかるとはいえ、国に税も納めず
国の施設を使用でき、国からある程度の保証や保護を得られる自由職。
どちらかといえば傭兵などに近い存在なのだろうか。
少なくとも居住区には冒険者専用の区画があり、最悪でも
雨露は凌ぐ事ができるし、寒さに震えるような事も無い。
「わたしさえ居なければノースは、なんらかの仕事で街に住むことや
 冒険者として、もっと自由に生きられるのかもしれん、な。」
ウェストは雨の上がった洞穴の外、荷物をまとめながら呟いた。
「そんな理由でどこかへ行っちゃったら、死ぬまで探して、見つけたら
 羽むしってやる。」
大あくびの後、涙目を擦りながらノースが尾羽をくい、と引っ張る。
「それは、困るな。」

いまさら自分が消えたところで彼女が素直に引き下がるとは思っていなかった。
ただ、もし10年前自分が彼女と出会っていなかったら、と思うと
やはり足枷になってしまっている自分の立場を多少は呪わずにはいられない。
(だが)
厚手のチュニックのたたみ方が解らず悪戦苦闘しながら鞄につめる
ノースを見ながら、一つため息をつく。
(足枷以上の何かを彼女にしてやれるというなら、拾った命、悪くは無いか)


ジャグナーからバタリアに程近い街道沿いには、エリアガードの詰め所が
設けられている。現在ジャグナーの管理はウィンダス連邦が担当しており
その詰め所には一人のタルタルが退屈そうに街道を往来する冒険者を眺めている。
検閲などが特にあるわけでもなく、実質素通りに近い状況で、
野営陣のようなまとまった設備も無いため転がり込んでくる冒険者もいない為
せいぜいが道案内程度の役割しかない。
地区境がザルなことは、少なくともウェストとノースにとっては幸いだった。
いくらウィンダスがヤグードと友好条約を表面上結んでいるとは言え、
こんな場所で、しかもエルヴァーンと共にヤグードがいたならば、
それだけで大事になるのは目に見えていたからである。

深い森を抜け、乾いた風が吹き抜ける峡谷を少し進むとバタリアと呼ばれる
丘陵地帯に出た。
夜も更けて、オークたちの夜目が効き出す時間帯に、なれない旅路は危険と
判断した二人は近くにトンネルのようなものを発見し、そこで土煙を含んだ風と、
獣人たちから身を隠す事に決めた。
トンネルを下ると崩れかけた階段がずっと下へ伸びているのが見える。
「陰気くさいね。」
階段の奥をつい、と覗き込みながら、ノースが肩をすくめる。
ランプに火をともし、干し肉とパンだけのサンドイッチでささやかな
夕食を取っていると、足音が先ほどの階段から聞こえてくる。
「…近づいてきているな。それも、もうかなり近い。」
ここへ来る途中にオークやゴブリン、肉食の大虎などを見かけている。
迂闊に逃げ出すのは危険すぎた。
「ど、どうしよう、ウェスト。」
「…どうしたものかな。」
いつでも逃げれるよう外套で身を包みながら、ウェストが呟く。

夜目の効かぬ二人の目の前の闇の中から、その足音は確実に
近付き、接触しようとしていた。

252 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 19:22 [ uSBcYGNU ]
白き探求者age

253 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 20:21 [ Mho1TeGU ]
>>252チミはなにを…言うなら。


ヤグタンキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!



だろ?

254 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/14(月) 20:38 [ WzW3EyYk ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部 9節>
 謁見の間の扉が開き、中に兵士が1名入ってきた。兵士は3人の側によると手にしていた紙をザウコに渡す。
「それがゴブリンズゴブレットにいる長老に訳してもらった物です」
ザウコが広げた紙にはセイルとガライデッドが渡された紙と同じ文が書かれており、その下に訳が書かれていた。
『アメアメマ チダカオリワミロゾムヤオシ リンゼンユテネク マイロノルロネミギヤオノヒ
 我々は   日があと2回昇った時    人間を攻める   闇の王の命じた通り    』
まさにそれは、セイルが口にした言葉の通りだった。ガライデッドは訳が解らないといった表情をし、ザウコを見る。
 ザウコはひとつ息をつき、諸所の説明を始める。
「事の発端は昨日の朝だ。昨日の朝サンドのジュノ大使館から連絡が来て
ゲルスパ野陣営に行っていた冒険者達が、オークの集団を見たそうだ。
本来ならばユグホトや砦にいるはずのオークの姿さえ見たという報告があった」
「どうして、ゲルスパの高ランクの敵が野陣営にまで来ているんだ?そんな話は聞いた事が無いぞ」
セイルがそう言う。セイルの言葉にガライデッドは頷く。
「ああ、確かに。俺も長い事ここの兵士をしているが、そんな報告は初めてだ。
だがな、これと同様の報告がウィン、バスの両国からも伝えられている。
ギデアス、パルブロの方の奥地にいるはずの獣人が、ありえないほどの集団で行動しているとの報告がな」

255 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/14(月) 20:41 [ WzW3EyYk ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部 10節>
 謁見の間の奥にある扉からカムラナート大公が入ってきた。
その場にいた全員はカムラナートに敬礼をする。
 カムラナートは王座にゆったりと座ると、敬礼を解くように言う。
「それでザウコ、各地からの報告と現状を纏めて報告してくれ」
「はい。現在冒険者の協力の下、各地の獣人本拠地に潜入させてリンクパールを設置し
獣人達の会話から情報を得ています。獣人達の会話の内容は
ゴブリンズゴブレットにいる長老に翻訳を依頼しこちらに持ってきています」
ザウコは先程の紙をカムラナートに渡した。カムラナートはそれを一瞥しザウコに返す。
「……闇の王、か。その名を聞くのは久しいな」
カムラナートは空を仰ぐかのように上を見上げ、ポツリと呟いた。
「ええ、ですがそれは20年前に英雄達が倒したはずなのですが……」
今から20年前、種族を問わずただ世界の平和の為に戦い抜いた者達が倒した筈である闇の王。
獣人達を含む、全ての魔物と呼ばれる者達の長である人間の敵。
その名が獣人達の口から出たという事は何を意味するのだろうか。
「セイル、お前は闇の王の城であるズヴァールに行った経験があるはずだ。その時、そこで何を感じた?」
カムラナートがセイルに尋ねる。セイルは少しの間記憶を掘り起こした後、カムラナートにこう答えた。
「私達はズヴァール城の外郭にまでしか行ったことはありませんが、そこには多くの獣人や魔物達がおり
悪しき者のいない城と言い切れない程の悪意が満ちていました」
「……と、なると、獣人達の言葉もあながち嘘ではないか」
カムラナートは手で頬を摩り、何かを考えていた。

256 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/14(月) 20:44 [ WzW3EyYk ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部 11節>
 謁見の間の入り口に当たる扉が開き、1人の兵士が入ってきた。
兵士はカムラナートの姿を見ると慌てて敬礼し、セイル達の側に来た。
「報告します。各地に派遣協力を依頼した冒険者達より、次々に報告が入ってきています」
兵士は机の上に6個のリンクパールを置く。それぞれ色が赤、緑、青、白、黄、黒と違っている。
「各地に置いたパールからの音を、全てこれを通じてここで聞くことができます。
赤はダボイ、緑はオズトロヤ城、青はベドー、白はゲルスパ、黄はギデアス、黒はパルブロです。
また、これらの地に偵察に行っている冒険者からの報告も聞くことができます」
謁見の間の入り口となっている扉が大きな音を立てて開き、1人のヒュームの男が入ってきた。
それは親衛隊長であるウォルフガングであった。ウォルフガングは顔を怒りに紅潮させ
荒々しい足取りでカムラナートの前に立つ。
「大公!なぜ私に指揮を取らせていただけないのです!?」
ウォルフガングはセイルとガライデッドを強く指差す。そして、カムラナートとザウコを交互に見る。
「あんな冒険者風情がどうしてここに来ているのです!
ザウコ!お前もどうしてこんな奴をここに入れたんだ!」
怒りに任せて喚き散らしているとしか思えないウォルフガングに対して
ザウコは嘲笑を軽くしただけで返す。
「親衛隊長殿、我々より彼らの方が戦いのプロであることに気付いておいでではなかったのですか?」
「何だと、冒険者風情が戦いのプロだとは我々親衛隊を侮辱しているのか!」
怒りの収まらないウォルフガングを嗜めたのはカムラナート自身であった。
「まあ落ち着けウォルフ、今ここでその事を争っても仕方の無いことだ」
ウォルフガングはカムラナートの言葉に、怒りをとどめる事しかできなかった。
いくらジュノ軍の最高機関である親衛隊長とはいえ
全軍の指揮権を持っている大公に逆らえるはずがない。
「ウォルフ、お前の怒りも解らなくは無い。だが、冒険者達は今までで獣人や魔物達と戦い続けていた。
第一線の戦場で戦い続ける彼らも戦いのプロである事を認めるべできはないのか?」
カムラナートにそう諭され、ウォルフガングも黙るしかなかった。

257 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/14(月) 20:49 [ WzW3EyYk ]
本当ならジラ前にこれを終えて名無しに戻りたかったのですが
だいぶ中身が長くなり資料収集をしなければならなかったり……
闇の王を倒した時にはおそらく、ヴァナでカムラナートと(略)であったり
クリスタル戦(略)であったりする予感がします。
ですが、一度公開した以上終わりまで載せて行きます

258 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 22:45 [ obLJ4TdI ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第1話


『騎士になりたい』

私はそう思っていた。
自分がおよそ騎士たるに必要な体力を持ち合わせていない、
タルタル族であってもその想いは片時も色あせたことは無い。

白銀の鎧を身にまとい、山のようにそびえ立つその姿。
幅の広い方形の盾は雨のごとく降り注ぐ矢をすべて受け止め、
振るう剣は自ら光を放ち、血しぶきすら輝きに変える。
その力を弱きもののために携え、ヴァナ・ディールの大地をチョコボを駆り疾駆する。
法を守り、人を助け、名誉を決して忘れることの無い【もののふ】。
私は、そんな騎士になりたかった。師父のような騎士に。

私が騎士を志したのは師父の影響だ。
師父と始めて会った日は鮮明に私のまぶたに焼きついており、
今も目を閉じれば思い出すことができる。

259 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 22:46 [ obLJ4TdI ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第2話


───その名を口に事すらはばかられる獣人たちの長、
『闇の王』が封じられたという報が野火のごとくヴァナ・ディールを駆け巡り、
私の生まれたウィンダスの都はようやく平和なときが訪れようとしていた。
私はクリスタル戦争の末期、ウィンダスの地に降りた星の子の一人として生を受けた。
多くの血と魂とが失われたクリスタル戦争ののち、平和を享受することとなった
ウィンダスでは飛躍的に出生率が高まり、私もその中の一人であった。
ウィンダスに生まれてきた子らは星の贈り物である。
まるで天空の星座が降り注ぎ、失われた地上の星が輝くようだ、と言われたそうだ。
それほどまでに『希望』が求められた時代だった。それほどまでに、癒しを求めた時代。

戦後、各国は『コンクエスト政策』を実施し、
そのパワーバランスを取り共存共栄の道を模索することとなった。
獣人の脅威の存在が、奇しくも各国の正規軍による直接対決を阻害し、
『冒険者』と称された各国に認定された戦士たちによる、
共闘の中での勢力拡大を主軸とした代理戦争の形式を生み出したのだ。
冒険者は大陸の各所を闊歩し、獣人と戦いつつ勢力争いをする者たちだった。
彼らの往来が各国の交流を促進したことは疑いようが無い。
飛空艇の存在もそれに拍車をかけた。

ヴァナ・ディールは第二の大航海時代を迎え、
ゆっくりと世界は傷を癒しつつも、人は戦いをやめない。
同盟国でありながら猜疑心にさいなまれた三国。
静かにその勢力を増し、はびこりつつある獣人たち。
大陸をつなぐ楔として影響力を増しつつあるジュノ大公国。
世界は小さな置き火を身のうちに囲いつつ、ゆらゆらと揺れ、
やがて来る炎の嵐を待ち受けていた…。
師父が私の前に現れたのは、そんな時だった。

260 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 22:46 [ obLJ4TdI ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第3話


タルタルの子供たちは幼い頃から魔法の才を示し、その多くが魔道を極める事を志す。
無論、5つの院に籍を置くほどになるのはその中でも一握りだが、
彼らは手を動かすのに等しいほど、たやすく魔法の光を灯すことが出来るのだ。
大人たちは子供たちが街の外へ行く事を禁止していたが、
旺盛な好奇心と覚えたての魔法で子供たちはサルタバルタを大きな遊び場にするのが常であった。
クリスタル戦争の後、大きく生態系を変動させたサルタバルタは
私たちの好奇心を満たすのに十分であった。
見慣れないマンドラゴラと呼ばれる歩く植物を捕らえてみたり、
蜂の巣を遠くから見えない手でつついて逃げてみたり。
見つけたプギルの鱗を川に投げて、跳ねる波紋の数を競ったり。
時にはサルタオレンジの木によじ登り、降りられなくなった仲間の泣き顔に慌てたり。
私もそうした子供たちの一人であった。その日が来るまでは。

どうして自分一人でサルタバルタに遊びに行ったのか、その理由は鮮明ではない。
かすかな記憶では、川で遊ぶのが当時気に入っていた私は
友達に先んじて自分が一番最初に見つけたという、特別な場所が欲しかったような気がする。
子供っぽい独占欲と、せせらぎを跳ねる輝きが、私に川の危険を忘れさせた。
獰猛なプギル。鋭いはさみを持つスニッパー。
そして、川縁に潜み獲物を狙うゴブリン。

261 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 22:46 [ obLJ4TdI ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第4話


さらさらと流れる川音を楽しみながら、私は川縁を歩く。
時折跳ねる水が顔にかかり、心地よい冷たさを感じた。
そっと川面に手を差し伸べる。
日の光が水の冷たさを和らげ、手に優しくなじむ。
私は微笑み、水を両手ですくった。
辺りにはプギルもスニッパーも見当たらない。
すくった水を水面に投げ返し、ぴしゃぴしゃと音を立てる。
自然の奏でる静かなハーモニーを乱す、無邪気な不協和音。
やがて自然はそれすらも自らの音に飲み込んでいく…

ざりっという地をする靴音がたどたどしい協奏曲にピリオドを打った。
犬のような垂れた耳が二、三度跳ねる。自らの存在を誇示しているつもりなのかもしれない。
こもるような唸り声にまじり、ふっふっという呼吸音が繰り返される。
血走る目が私を嘗め回すように見つめ、やがて私の目を捉えた。
猟師が獲物を捕らえた時の目だ。獲物は私。猟師はゴブリン。
私はその射すくめるような目に気圧され、一歩も動けない。
ゴブリンは私を睨みつけたまま、鎖で腰にぶら下げた鉈を取り出した。
じゃらりと音を立てる。嫌だ。この音は嫌だ。

ゴブリンの瞳孔が、きゅっと狭められる。それが合図だった。
私は跳ねるように身を川へと躍らせた。
めちゃくちゃに水をかきながら陸から遠ざかろうとする。
ゴブリンからとにかく遠くへ逃れたい一心だ。
背の低い私にとってはそれは自殺行為であったが、
陸のゴブリンになます切りにされるのと、川で溺れ死ぬのとでは何の違いがあろうか。
どちらも死という意味では代わりが無い。
それに、川はゴブリンとは違って血走った目で睨みつける事は無いのだから。
あっという間に足の着かない場所へと来てしまった私は錯乱状態で川を這い回る。
ゴブリンにとっては膝上でしかない水位だ。
私が立てるより激しい水音が背中に迫り、襟首をむんずと掴まれる。
終わりだ。
おわりだ。
おわり。
オワリ。
痛い?
死ぬ?
死ぬの、私?
嫌だ、痛いのは嫌だ死ぬのも嫌だ嫌だ嫌だ痛い嫌だ怖い怖い怖い痛い

262 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 22:49 [ obLJ4TdI ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第5話


影が下りる。
しかしそれはゴブリンよりなお大きかった。
私に死を与えるゴブリンを覆い尽くす影。
『クエエエ!』
鳥の鳴き声が響き、ゴブリンは操り人形のごとくゆっくりと後ろに振り返り…。
猛禽の足に蹴たぐられ、そのまま川岸まで吹き飛んだ。
私がずぶ濡れの蒼髪をゆっくりと天にめぐらすと、そこには太陽があった。
否、天の輝きを受けて輝くエルヴァーンの盾があった。鎧があった。剣があった。
『ハアッ!』
跨ったチョコボの腹を蹴り、ゴブリンとの距離を一瞬にして詰める。
ゴブリンは輝く剣が振り下ろされようとするのをただ見つめていた。
あのゴブリンは、先ほどの私だ。
『ひっ!』
悲鳴が漏れる。今にも死を迎えようとするゴブリンではなく、私の口から。
エルヴァーンの騎士は私に一瞥をくれ、そしてゴブリンの不意を撃つように盾をうちつけた。
もんどりうって倒れたゴブリンは、ぐったりとなって起き上がってこない。
呆けた表情でゴブリンを見る私の横に、金属音を立ててエルヴァーンがチョコボを降りた。
『大丈夫か、タルタルのお嬢さん。』
(もう大丈夫です)
答えたいのに歯がカタカタとなって合わない。
『あ…あが…』
やがて震えが全身に瘧(おこり)のように広がり、私はまた水面に膝をついた。
騎士は震える私を抱きかかえ、鎧の重さを感じさせない身軽さでチョコボに跨った。

ああ。

私は騎士に、恋をしたのだ。
後に師父と呼ぶ、このサンドリアからの旅人に。
チョコボの騎上で感じる風が、師父の注ぐ優しい眼差しが、私の震えをやがて取り除いた。


─そのうち続く─

ていうか長い(´・ω・`)

263 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/14(月) 22:59 [ 9JpFdaRc ]
>>258
長くてもイイ、面白かった〜
続き楽しみに待ってます。

264 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 09:02 [ FQ.fPgRE ]
>>258
エルナイトのさりげなさ(・∀・)スゴクイイ!
ゾクゾク来た

265 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 13:31 [ ir4G.GUk ]
実際のヴァナでは、タル戦使えません。
が、今日から私・・・


    タ ル 戦 で や り ま す !

266 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 16:21 [ vcsH7av. ]
>>258
つーづき ヽ(゜▽゜*)乂(*゜▽゜)ノ  つーづき

>>265
がんがれ! 
漏れはヒゲヒュムだが、ジョブにかかわらずタルは積極的に誘ってるゾ

267 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 19:10 [ H9MzpNdU ]
とりあえずage

268 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 19:33 [ LWp8BOtk ]
ここの板で癒されているオレ。
神々に官舎。

といっても、FF11は弟がやっていたのを隣で口開けてみていただけのオレ。
その時の感想といえば…「すげーな」…だけ。

しかし…
なぜか心に引っかかるものがあり、検索でこの板と某いい話板を見つけて

「すげーいいな。これ」

なんて考えてもうタ。

んで、今日…仕事帰りクタクタになって車に乗り込み何気なくカーラジオOn。

ちょうどその時、チャゲ&アスカの「男と女」が流れた訳よ。

何気なく聞いていたが…曲と神々の小説がなぜか被ってきた。
なんだか訳分からず涙が出てきた。
前の車にお釜掘りそうだった。

まあ、言いたいことはなんだというと…

いいものはいい!

ってことだ。

ああ、FFヤリてぇ…時間と金があれば…オレも素晴らしい仲間に愛てぇ…

貧乏企業戦死の戯言ですた。
流れつぶしたらすまん。逝ってきます。

269 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 19:33 [ LWp8BOtk ]
ここの板で癒されているオレ。
神々に官舎。

といっても、FF11は弟がやっていたのを隣で口開けてみていただけのオレ。
その時の感想といえば…「すげーな」…だけ。

しかし…
なぜか心に引っかかるものがあり、検索でこの板と某いい話板を見つけて

「すげーいいな。これ」

なんて考えてもうタ。

んで、今日…仕事帰りクタクタになって車に乗り込み何気なくカーラジオOn。

ちょうどその時、チャゲ&アスカの「男と女」が流れた訳よ。

何気なく聞いていたが…曲と神々の小説がなぜか被ってきた。
なんだか訳分からず涙が出てきた。
前の車にお釜掘りそうだった。

まあ、言いたいことはなんだというと…

いいものはいい!

ってことだ。

ああ、FFヤリてぇ…時間と金があれば…オレも素晴らしい仲間に愛てぇ…

貧乏企業戦死の戯言ですた。
流れつぶしたらすまん。逝ってきます。

270 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/15(火) 19:35 [ LWp8BOtk ]
まじですまん。悪気はなかった。
おまけに…
×官舎
○感謝

留置場のトイレに頭突っ込んで逝ってきます

271 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 11:51 [ bqigko8s ]
ごめん、コピペ&無駄な改行を使った荒らしかと思った

272 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 16:32 [ BrwilfQc ]
>>268
17日のジラート発売で新ジョブ始める人が増えるため、
新規参入のチャンスだと言ってみる。

273 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 20:56 [ vuh5hYS6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第6話

師父はクロヴィスと名乗った。
私は初め、師父もコンクエストに従事する冒険者の一人だと思っていたのだが、そうではなかった。
師父は世界を巡り、その秘密を追う旅人…まことの意味での冒険者であった。
目的は星の大樹を初めとしたウィンダスの都での見聞を広める事と、
ホルトト遺跡に代表される奇妙な先史文明の調査である。
我が家は娘の恩人でありウィンダスを根拠地とする必要があった師父を、暖かく迎え入れた。
王国と連邦との間に横たわる古き因縁が、
獣人という共通の敵の前に解かれつつあったことも幸いした。
師父はウィンダスでの日常のほとんどを目の院で過ごし、
その合間にたくさんの話を私にしてくれた。

『私は、世界の謎を追ったエニッド卿、オルデール卿…
 そしてグィンハム・アイアンハートに追いつきたい。
 そして彼をも超えて、ヴァナ・ディールの果ての果てへとたどり着きたいのだ。』

師父の目に少年のような光がともるのは、
決まってグィンハム・アイアンハートの冒険譚を語る時だ。
無論、私もその物語に心を躍らせたものだったが、
私が特に魅せられていたのは師父自身の物語だった。

私がねだるのは、決まって騎士たちの勲(いさおし)であった。
遠く離れたクォン大陸にそびえ立つ石の双騎士に守られた獅子の都。
風光明媚なロンフォールの森での狐狩り。
ラテーヌ高原を疾駆するチョコボの群れを追い、
素手で屈服させることで始めて乗鳥とした騎士の習い。
龍王ランペールの墓に伝わる守護龍の伝説。
サンドリアを包囲したオーク族の只中を、光の矢のごとく貫いた神殿騎士団。
絶望的なバタリア会戦で残存部隊を逃がすために、
死霊の群れの前に立ちはだかった12と1人の騎士の物語。

どれもこれも、私にとっては別次元の遠い遠い世界の物語に過ぎない。
だが、それを体現する騎士が私の目の前で語る物語は真実の光を放ち、
その盾のごとく、まばゆく輝いて見えた。

274 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 20:57 [ vuh5hYS6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第7話

『ねえ、クロヴィス様。私も騎士になりたい!』
そう私が言うと、師父は微笑の中にも哀切のこもった表情でこう言った。

『貴方が大人になったら、騎士を目指すもいいだろう。
 しかし、騎士になる事と騎士である事は全く別の労力を必要とするのだ。
 それだけは覚えておくのだよ。』

私はその言葉の意味は解らなかったが、自分のようなタルタルであっても
騎士になれる…その事だけで興奮したものだ。
騎士になりたい。
平和を守り、名誉ある生き方をしたい。
自らの人生に意味を見出したい。
ただ漫然と星の言葉を待つのではなく、自らの剣で切り開く人生をこの手にしたい。

師父の剣さばきは流麗かつ熾烈で、
私にはそれは敵を倒すための武術ではなく、舞いのように見えた。
ミスラたちが舞う、炎のごとき生命の賛歌ではなく、
命を奪う死の舞いでありながら魂を昇華させる光の剣舞。

275 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 20:58 [ vuh5hYS6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第8話

やがて、師父は私の求めに応じ、剣の扱いを教えてくれる事になった。
この頃から私は師父の事を『クロヴィス様』と呼ぶ事は止め、師父と呼ぶようになった。
両親は魔法の才に恵まれたタルタルが、しかも女だてらに剣を振るうことに眉をひそめてはいたが、
やがて私が肉体の限界に打ちのめされるであろうことを予見し、
幼いうちに挫折を知るのも悪くない…と私と師父の剣の稽古を容認してくれた。
師父が礼節を知る騎士であることから、両親はむしろ騎士たるに必要な礼儀作法を
師父が教え込んでくれる事を期待していたようだ。

そもそも、魔法を志すのであれば剣での挫折など取るに足りないものだ。
思い返せば、両親はことあるごとに『騎士が好き嫌いを言ってはなりません』などと
私が騎士になりたいと思っている事を盾に、いろいろなしつけをしたものであった。
すでに気持ちの上では自分は従騎士だと思っており、
いつか師父とともにサンドリアの城門を目指すのだと無邪気に信じていた。

師父は少し稽古をするたびにすぐ手にマメを作り、
それを潰してしまう私に根気強く指導してくださった。
時にはケアルの呪文で私を癒してくれた師父。
白状すれば、私は自分が少々無茶をしたときに、
師父が苦笑交じりで私を優しく癒してくれるのを期待していたのだ。

276 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 20:58 [ vuh5hYS6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第9話

そんな修行の中で、師父は私に時々、騎士の心得を説いた。
『いいかい、騎士ならば、決して自らが騎士であることを忘れてはならない。
 それを忘れたとき、騎士は騎士でなくなるのだ。』
私は子供に過ぎず、その謎かけを解くことはできなかった。

『師父、騎士が自分が騎士であることを忘れるときとはどんなときなのですか?』
師父はあの謎めいた微笑を浮かべ、こう答えた。

『騎士であるのならば、その時はすぐ解る。
 そして解るのであれば、その騎士は騎士であり続けていると言うことなのだ。
 貴方がまだそれが解らないのはまだ騎士ではないからで、
 それを学ぶのが貴方の今の修行だ。
 問いかけるというその気持ちを忘れないでくれ。』

『騎士であるということは…覚えておかねばならないことが多いのですね。』

『もちろん!口の院に入る試験勉強よりも難しいかもしれないぞ?』

『では、師父は口の院の博士よりも優秀だということになりますね。
 試験問題以上の試練を私にお与えになった。』

師父は珍しく声を上げて笑い、私も笑った。
あの時は全てが輝いていた。師父との日々。
前に進むことで全てをこの手にすることが出来ると思った、あの娘時代。

>268
一緒にやろうyp!
BBS見てると平気で過ぎていく時間を考えて、
1〜2時間はかかっているようならば、
それをFFに突っ込んでも変わらないんじゃないかと。

277 名前: 276 投稿日: 2003/04/16(水) 21:06 [ vuh5hYS6 ]
─そのうち続く─

と入れ忘れてショボーン。

278 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/16(水) 21:13 [ WdvN9/O. ]
キタキタキターーーーーーー!!

279 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/17(木) 11:33 [ Z/IdkzQ. ]
いやもう師父も弟子も両方とも萌え(*´Д`)ハァハァ

280 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/04/17(木) 18:21 [ ay1nSvYM ]
避難所に9〜11話をUPいたしました。あぷるるさんに感謝!

http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/tboard007/tboard.cgi

色んなトラブルもあったみたいですが、変わらず鬼のような作品群が・・・。
・・・ジラート買ってきたのに遊べない!
タルタル戦士読まなきゃ! 新しい作家さんたちもいっぱいだー!

と、言うわけで35日ぶりのネット環境復活!でした〜
んじゃ、読み直してきまする。

281 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/17(木) 19:03 [ LJ.7nH0c ]

        キタ━━━━━━ !!!
        ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ∧_∧
 キタ━━━━━━(゚∀゚ ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             '/ / \ __   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____
            / /  . \   __     ______
        ,.、,,,,/ /、,\  . )..,_       /i
       ;'・д・(ノ,:、,/ /:,.:::: ::`゛:.:゛:`''':,'.´ -‐i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       '、;: ...: ,:. :.:.:.\ \ _;.;;..; :..‐'゛  ̄  ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        `"゛' ''`゛ `'(___)゛`´´    ̄ ̄ ̄

282 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 00:18 [ UrprgVeE ]
>>280 
おかえりなさい!!待ってましたage!

283 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 06:01 [ hIwF5RhA ]
白き探求者いい・・・・何度も涙でちゃったよ(ρ_ ;)
ヒゲヒュムで赤魔導士のジェイクさんがフレとかぶるかぶる
カコイイ

284 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 09:51 [ VGBwYDxE ]
タルナイト良い!泣いちゃったよ!激しく続きキボンヌ!
なんか、今までは物語にエル♂が出てくるとF1かF2のイメージだったのだけれど
タルナイトの師父は何故かF4かF5のイメージが強い……。

なにはともあれグッジョブ!
タル戦、ヤグたん、タルナイトが更新されてるかと思うと夜も眠れん…

ちなみに、細い兄弟が帰ってくるを常に待ち続けているんだ…

285 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 11:39 [ J4b.wq9E ]
白き探求者に激しく感動・・・
続き気長にまってます。

286 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 12:46 [ figCTxxw ]
すいません!
白き探求者の7,8話が見つかりません!
誰か知ってる、もしくは持ってたら、教えてください!
6までは読めたので、中抜けしたくないので9.10.11は止めてレス待ってます!(^-^)/

287 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 15:06 [ J4b.wq9E ]
>>286
280のURL先探してみレ〜

288 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 17:31 [ uXGvws1s ]
即レスさんきゅ!即げっつ!

289 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/04/18(金) 18:26 [ 7NCTTWDg ]
第四話 見抜く者


かつかつかつと短い足音が暗闇から徐々に近寄ってくる。
出口側の壁に身を寄せて逃亡の準備もままならぬまま
二人はその闇を凝視していた。
ノースは手近にあったナイフを、ウェストは爪を、構えぬまでも
攻撃の意思の切っ先を、まだ見ぬモノに向ける。
何十分にも感じる数秒が過ぎ、ランプの明かりにようやく
その意図せぬ訪問者が少しずつ照らされていく。

ノースの腰よりも低く
それでいて眼光の鋭い
細く、湾曲した剣を腰に携え現れたのは


一人のタルタルだった。


「ひょっとして驚かせてしまったかな?旅の人。」
カシャリカシャリと帷子を鳴らして、背負った荷物を降ろした
そのタルタルは、いぶかしげな表情でいまだ緊張の解けない
二人を見ながら「ふ・む」と小さく首をかしげ、
「こんな場所で逢うとはおもわなかったがそれよりも驚くべきは
エルヴァーンと共にいる事は驚愕を通り越して興味すらそそるな」
キャンプを一瞥し、柄に肘をかけながら
「ヤグード族の者よ」
と、言い放った。
「な、んのことだ」
「しらばっくれるな、鳥人よ。わたしが何千回君らの眷属と剣を
交えていると思う?
直感だよ。気配といってもいい。なんにせよ『わかる』のだ。」
正体がばれる事。これはある意味では魔物に襲われる事よりも
避けたかった事態であるが、相手はタルタルとは言え完全武装、
こちらは戦闘経験もろくに無い旅商人である。
いかに逃げるのか、もしくはいかにして口外を封じるか?
二人の脳裏には様々な思考が、混乱と焦燥と共にぐるぐると
目まぐるしく廻っていたが、そのタルタルはキャンプ傍に
腰をおろすとガシャガシャと兜や腰の獲物をおろすと、
くるりと二人のほうを見て言った。
「すまないが、何か食べれるものを売ってもらえないか?」

「え…?」
「ああ、自己紹介がまだだったな、お二人さん。
わたしの名はアスラン−カハラン。」

「侍だ。」

290 名前: ぎゃあああ 投稿日: 2003/04/18(金) 18:28 [ 7NCTTWDg ]
「こんな場所で逢うとはおもわなかったがそれよりも驚くべきは

291 名前: またやった・・・ 投稿日: 2003/04/18(金) 18:29 [ 7NCTTWDg ]
修正です
「こんな場所で逢うとはおもわなかったがそれよりも驚くべきは
↓
「こんな場所で逢うとはおもわなかったがそれよりも…

292 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 19:42 [ FzggiBLE ]
樽侍キタ―――――――――――――




眷属って眷族じゃないかな?

293 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 19:51 [ 7NCTTWDg ]
すびばせん。。。そのとうりです
∧||∧<チェキモレ 大杉

294 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 22:06 [ gOIwXlEU ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第10話

師父と過ごして数年が経った。
師父が騎士であることはその具足や物腰から容易に解ってはいたが、
そもそも『騎士とは何ぞや』ということについて、私はもちろん両親らも疎く、
サンドリアの騎士というだけで記号化し理解していたため、
師父の具体的な氏素性を知ってはいなかった。
しかし、師父の人格は高潔であり(これは私のひいき目のみではないと断言する)、
騎士であるか否かは問題ではなかった。
それが故に師父は私の家族や周辺の者たちに受け入れられていた。

しかし、師父の愁いを帯びた表情、独特の他人を寄せ付けない雰囲気は
陽気なタルタル族の子供たちにはなんとなく居心地の悪いものであり、
終始付きまとっていたのは私ぐらいのものであった。
むしろ、師父は周囲との密接なつながりを持とうとはせず、
またやんわりと人を遠ざける術に長けていた。
本来ならば私も遠ざける対象の一人であったのだろう。
師父との別れに当たって、私は師父の持つ愁いを帯びた表情の意味を知る事となった。

295 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 22:07 [ gOIwXlEU ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第11話


ウィンダスでは長身のエルヴァーンは目立ちやすい。
そのほとんどがサンドリアからやってきた冒険者であった。
冒険者の多くは他人の土地での傍若無人な振る舞いは
土地の者の反感を買うだけである事、
そしてウィンダスとサンドリアの間には少なからぬ因縁があることを理解しており、
『郷に入っては郷に従う』ことを知らぬ者は少なかった。
気さくとまでは行かなくとも、冒険者のエルヴァーンで孤高を保つものは
ごくごく少数で、ウィンダスの民と親しく過ごす事が常であった。

そんな中、白く輝く鎧に身を包んだ孤高のエルヴァーンが城門をくぐったのだ。
師父と同じ鎧に身を包み、師父と同じ盾を掲げ。チョコボの背に揺られたエルヴァーン。
本来臆病であるはずのチョコボは悠々とウィンダスの町を闊歩した。
『エルヴァーンのぐんたいがせめてきた!』
無邪気にはやし立てる子供に、射るような視線を突きつけた
エルヴァーンの面差しは、氷のごとき鋭さを思わせる。
師父と同じ───騎士。
その鎧の放つ輝きは氷の冷たさを痛いほど感じた。
師父の鎧の放つ、陽光の暖かさとは違う。

296 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 22:08 [ gOIwXlEU ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第12話

遠巻きにエルヴァーンを伺う街の住人の間から、
やがてウィンダスの誇る戦闘魔道団の魔戦士が二人現れ、
エルヴァーンの方へと向かっていった。
安堵の息をつく住人もいれば、エルヴァーンの騎士が
魔戦士二人で相対するほどの実力を有すると門番が判断したことに
恐れともつかないたぎりを感じる者も居た。

魔戦士たちはエルヴァーンに相対するや───驚くなかれ、その膝を折ったのだ!
たった3人で【ソロムグの壊走】をなさしめた、ウィンダス最強の戦士たちがである。
あまつさえ、住人の見ているその前で。
もちろん、ウィンダスとサンドリアは交戦状態にあるわけではなく、
礼を尽くす意味もあったのだろうが、魔戦士たちがここまで礼をもって遇する人物が
只者ではないことは誰の目にも明らかであった。

私は直感した。
『このエルヴァーンは私の師父と何か関係がある』と。
うそ寒い風が私の胸の中を通り過ぎるのを確かに感じた。


─そのうち続く─

神々キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
降臨を待つ間に場繋ぎをした甲斐がありますた。・゚・(ノД`)・゚・。

297 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/18(金) 22:33 [ tmmXhttU ]
……もの知らずな漏れは、「膝を折った」という描写で
エルヴァーンにダブルスライディングキックをかますタルタルを
想像してしまいました。
すいませんウェポンバッシュで逝ってきます……

298 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/19(土) 00:19 [ YGjiG3VI ]
>>297
逝ったら続き読めなくなるからヤメとけ・・・

299 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/19(土) 01:34 [ 1kxHa7OI ]
竜よ、吼えよ

―― 東ロンフォール ――

「レディ、ちょっとここで待っててね。すぐに戻ってくるから」

レディの母親は二本足で歩き、空を飛べない。
レディにとって、生まれて初めて見た動くもの、それが母親なのだ。
そして、それはヴァナディールではエルヴァーンと呼ばれる女だった。

「あなたがここに入ってくると、大騒ぎになっちゃうからね」

そうして、石でできた、よくわからない不自然な形をした何かの中へ母親は向かった。
そこには母親と似たような格好をした生き物が二人立っており、
こちらをじろじろと見つめている。
また、その不自然な形をした何かの中からも二本足の生き物が沢山でたりはいったり…
皆、レディを見つめては珍しそうな顔をしている。
何故か頭を撫でていくものがいるが、それが何を意味しているかは分からない。
少なくとも敵意はないようだ。


…しばらく時間が過ぎた。何度も何度も太陽が昇り降りしたのを見た。
だがレディはそこを動くわけにはいかなかった。ここで待つように言われたからだ。
レディは、小さな声で母親を呼んだ。それはとてもとても小さな声で、
まるでトカゲが呻き声をあげているかのようだった。

「おい、この子竜。もう何日もここに座っているな…主人はどうしたのだ?」
「かなりやつれている…このままでは危険だ」
「ああ、だがしかし…竜は主人以外では手に負える代物ではない。
 それほど危険な生物だからな。我々ではどうしようもないのが事実だ」

毎日、レディは母親を待ち続けた。ある日、目が見えなくなった。
次の日には、耳も聞こえなくなった。
だが、それでもレディは母親を呼び続けた。

サンドリアの門の前に、レディの小さな咆哮が響く。
…そして、数日後。
そこには冷たくなった子竜の亡骸があった。

―― メリファト山地 ――

数年後、メリファト山地を跨る巨大な生物の骨のような何かの元に、
一人のエルヴァーンの少女が立っていた。
少女は大きな卵を抱えており、その卵を静かに大きな骨の窪みにそっと置いた。
しばらくすると、その卵にかりかりとひびが入り…その殻をやぶって
中から一匹の子竜が姿を現した。

「まぁ…なんてかわいい子なのかしら!」

少女は腕を組んで、う〜んと考え込んだ。

「そうね…レディ!君の名前はレディだよ!私があなたのお母さん。よろしくね、レディ?」

レディと呼ばれた子竜は大きな産声を上げた。

―― 東ロンフォール ――

「レディ、ちょっとここで待っててね。すぐに戻ってくるから」

レディの母親は二本足で歩き、空を飛べない。
レディにとって、生まれて初めて見た動くもの、それが母親なのだ。
そして、それはヴァナディールではエルヴァーンと呼ばれる女だった。

「あなたがここに入ってくると、大騒ぎになっちゃうからね」

そうして、石でできた、よくわからない不自然な形をした何かの中へ母親は向かった。

しばらく待っていると、何か懐かしい感じがした。
理由は分からないが、この景色や風の匂いがそう思わせたのだ。

「レディ?どこにいるの?」

母親が戻ってきた。レディは羽を広げ、空に舞う。

「これから何処へいこうか?…ね、レディ?あなたは何処へいきたいのかな?」
…ウィンダスにでも行ってみよっか?タルタルって人達がいてね…」

それから長い、長い旅が始まった。そんなある日、母親が呟いた。

「ねぇ…レディ?わたしね、よくわかんないけど、あなたと前に何処かで会ったこと
 あるような気がするんだ。…変だよね、なんでだろ?」

母親の言葉の意味はよく分からないが…レディは精一杯の大きな声で吼えた。
レディは、とてもとても嬉しかった。

                             竜よ、吼えよ ―完―

300 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/19(土) 04:47 [ 4.tnvd7k ]
竜よ、吼えよ・・・こういう話は好きだ。

だが、タイトルを見て燃えよドラゴン風なパロディか?と思ってしまった…

301 名前: 428 投稿日: 2003/04/19(土) 07:11 [ 0jn6WEzA ]
www.geocities.co.jp//Playtown-Domino/9447/top.htm


一応作ってみた…
期待しないで。
あくまで「本倉庫のミラー」だからな…

まだ全然上げてないがな。アヒャ。

302 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/19(土) 20:13 [ bfOb0OQM ]
 ウォルフガングが黙ったのを見た後、カムラナートはセイルの方を向く。
「セイル、お前であれば各国の冒険者を指揮できるな?」
「はい。私以外ではなくガライデッド達の協力もあれば、冒険者を率いる事ができます」
「では、冒険者達の指揮はお前にまかせる。ジュノとして冒険者達に協力する必要がある物事はあるか?」
セイルは机の上にある巨大な世界地図を見てシミュレートを立てる。
「『日が2回昇った時』という言葉をその通りに取れば、獣人の進行は明日の日の出直後からそれ以降という風に考えられます。
昨日の報告という事は、進行の日は1月2日。今から24時間で準備を終えるには、ただ1つ、飛空挺のフリー化です」
セイルは世界地図に指を当て、ジュノを指差す。
「現時点の高速な移動手段は飛空挺かチョコボのみですが
チョコボは獣人達の進行ルートに引っ掛かり、時間がかかるので無理です。
 飛空挺による各国への移動時間は2時間。
これを使えれば物資、人員の輸送は明らかに高速化できます」
セイルは机の上にあったマーカーを配置していく。
「獣人達の進行ルートとして一番考えられるのは、ゲルスパから西ロンフォを経由して南北の西門に向かってくるルート。
ギデアスから西サルタを経由してウィン港とウィン水の区への進行。パルブロから北グスタ経由してバス港へのルート。
 後は予測が難しいですが、地理学と敵の行動予想で、ダボイからジャグナーを経由しバタリアから上層に進行するルート。
ベドーからパシュハウを経由、ロランを通って下層に進行するルート。
オズトロヤからメリファト経由でソロムグを通り港区に進行、のルートという予測が立ちます。

303 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/19(土) 20:15 [ bfOb0OQM ]
 獣人の思考を考えるなら、自分達の本拠地から近い都市を攻め、各本拠地の獣人は20年近く前の復讐としてジュノに進行してくると考えられます」
セイルの説明に、カムラナートだけでなくウォルフガングまでもが納得せざるを得なかった。
「確かにその説明は理に適っている。だが、不測の事態が起こるという可能性は無いのか?」
「はい。必ずしもこの予測が正確だという証拠はどこにもありません。各獣人の本拠地は距離的に3国と遠すぎるという訳ではありませんし
防衛能力の手薄な3国を優先的に狙うという可能性もあります。
 また、地形的な防衛機能を備えているとはいえ、マウラ、セルビナの防衛能力は無に等しいです
 更に言うなれば、これは獣人だけでなく魔物の進行がある可能性も捨て切れません。闇の王に従うのは獣人だけでなく魔物も含まれますから」
確かにセイルの予測は、拠点から近い位置を攻めるという観点からすれば理にかなってはいる。だが、知能を持つ獣人がそのような単純な行動を選択する可能性は100%とは言えず、20年近く前、ジュノに進行し手痛い被害を受けた経験が語り継がれていれば、ジュノを後回しにするかもしれない。
 また獣人だけが相手ではなく魔物達もその時になれば攻めて来るかもしれない。現に20年近く前にはその自体が起こった。

304 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/19(土) 20:24 [ bfOb0OQM ]
 セイルは説明を続ける。
「飛空挺の仕様が全てのランクに特例として許可されれば、ジュノ港に合成職人を配置し
低Lvの者は材料をジュノへ運び、合成品を各国に届ける事ができます。
戦いで最も重要になるのが物資の供給です。
 弓、弾、回復薬、食事。それに加え各装備。それらは戦いの中で消耗が激しい物です。
獣人達が大量に集団で来た場合、それらが尽きる事はこちらの敗北を意味します。
それら物資の高速輸送手段として飛空挺の使用が必要です。
 現在冒険者として登録されている人数は約3000人。獣人に対抗できる戦力を
何らかのジョブでLv40以上という事に限定すると2500人程度でしょうか。
 一方、防衛すべき国の拠点は15箇所。獣人達の拠点に面している国の拠点は11箇所。
 一番防衛に力を置くべきなのはジュノの地上3箇所。次にクフィムとの連絡通路。
マウラ、セルビナの両地。そして各国の獣人拠点に面した国の入り口と、面していない国の入り口になります」
セイルは各国の入り口となる場所にマーカーを配置し終えた。
「獣人の規模は、各拠点で50を超えると思われます。各地に配置する人員の数はこちらの方で調節します。
ジュノ国も含めた各国の軍には、我々と共同で防衛に」
セイルはそう締めくくるとカムラナートの方を向き、カムラナートからの言葉を待つ。
ウォルフガングも何も言わずにただ黙っている。
「……よかろう。セイルお前は冒険者達を、ウォルフは兵を集め用意をさせろ。
必要な物はこちらで用意しよう」
「ありがとうございます」
セイル、ガライデッドは敬礼をした。
 カムラナートは矢継ぎ早に指示を出していく。
「ザウコ、お前は各国の軍と連絡を取り、急いで冒険者達との協力体制を築く準備をしろ」
「わかりました」
ザウコは敬礼を返し、謁見の間を出て行く。
ザウコが出て行くとセイルはウォルフガングの方を向き、ある依頼をする。
「ウォルフ隊長、宮殿の一室をこちらの作戦本部として使わせていただきたい。そちらとの綿密な作戦を練る事ができます」
「……わかった。こっちに来い、ジュノの中央作戦本部を使うといい」
ウォルフガングとセイル、ガライデッドはカムラナートに敬礼し、謁見の間を出て行った。
 謁見の間にいた兵士やウォルフガング達が居なくなると、1人残ったカムラナートは口元に笑みを浮かべる。
「人間どもよ……クリスタルラインの復活…神の扉を開く為、伝説の『真』世界がよみがえる為にも頑張ってくれたまえ……」
カムラナートの口元には、歪んだ喜びと言う感情からくる笑みが浮かんでいた………

305 名前: Seilu 投稿日: 2003/04/19(土) 20:43 [ bfOb0OQM ]
ジラートの発売により、新たな謎、そして幾つかの答えが明かされてきました
ですが、現時点でジラートに出てくる謎や、ジラートにしか関わらない謎を
この話の中で使う気はありません。
あくまで闇の王とセイル達の戦う話とする為、ジラートに関係する話はこれの後とします

ただ、ネタばれ的な部分ですが、一番最後のカムラナートの台詞は
ジラートを購入し、ある場所に行った人しか見られない内容となっています

306 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/19(土) 23:36 [ AN/AE8Uc ]
「白い心・黒い意志」の3 −カルティエラティエ−

その日ハンツは特に用事もなく町をうろついていた。
前の日の夜にちょっとばかり深酒して寝坊したため、仲間達に置いて行かれたのだ。
まあ、あと四・五日はこの町に居るという事だから、別に一日ぐらいどうって事はない。
それよりは、仲間達が戻ってきた時に散々聞かされるだろうリーダーの小言の方が問題だった。
まだ酔いの残る頭で空を仰ぐと、日は十分に高かった。
腹も空いてきてる。
「昼飯でも食ってのんびり待つか…」
近くの飯屋に入ろうとした時。
「こんにちは」
背中から声が掛かった。
知らぬ声だ。
「あン?」
睨み付けるように振り向いても誰もいない。が、視界の下隅に掛かるモノがある。
見下ろすと、タルタルがいた。
「なんだ、てめぇは」
思わず蹴っ飛ばしたくなる衝動に駆られながら、ハンツはタルタルを睨みつけた。
「ボク、カルティエラティエといいます。カルテで結構です。ボクとパーティー組んでもらえませんか」
タルタルはハンツの睨みに臆しもせず、笑みを返してくる。
「パァティー?」
よく見れば、タルタルは鞣し革と甲板でできた鎧を着込み、背中には両手剣を背負っている。
どうやら戦士らしい。
鎧が艶を失ってない所を見ると、まだまだ駆け出しだろう。もしかしたら、昨日今日始めたばかりの新人かもしれない。ということは地元のタルタルか。
タルタルの年齢を外見で見抜くのは難しいが。歳もかなり若い様に思える。
「はい。パーティーは上手な人と組むのが上達の早道になると父に教わりました」
ニコニコと笑むタルタル。
(どうやらコイツもコイツの親も、タルタルが戦士になるってのがどういうコトか知らねぇらしいな)
おもちゃのような鎧や果物ナイフのような剣が実戦でどれだけ役に立つと思っているのだろう。戦士で身を立てるタルタルが居ないではないが、少なくともハンツは彼らの実力を認めてはいない。
現実を知らないタルタルの陽気さに、ハンツはますます蹴り飛ばしたくなった。
しかし。
「白魔導師の方もいます。お礼もします。おねがいできませんか」
お礼の一言に、ピクリと食指が動く。
「金出すってのか」
「はい。誰かに何かをお願いする時には、お礼が大切だと父に教わりました」
タルタルは腰に吊った皮袋を取ると、口を解いてハンツへと見せた。
中にはギッシリと詰まった金貨の輝きがあった。
(バカかコイツは)
思わず呆れるハンツ。
お礼の意味が違う。金を払えばいいってものじゃない。しかも見ず知らずの相手に自分が大金を持っていると教えるとは。
(もし俺が悪いヤツだったらどうするつもりなんだ、コイツは)
無論、ハンツは自分が悪いヤツだと自覚している。
「白もいるんだな」
ハンツは白魔導師の事を白と呼ぶ。彼の仲間達も同じだ。
白魔導師を白と呼ぶのは、戦闘中に長々と職を呼んでいられないため、冒険者の間には定着している。
略称であり、愛称でもあるのだが、ハンツ達の白は少し意味が違った。
戦いに必須といえる白魔導師を、彼らは歩く薬箱程度にしか考えていなかった。彼らの使う白という言葉には、白魔導師に対する尊敬も感謝も含まれてはいない。単なる道具としての呼び名だった。
「はい。父の手配してくれた方が手伝ってくれてます」
ハンツがタルタルの示す方を見ると、やや離れたところでローブ姿の白魔導師が頭を下げた。顔はハッキリとは見えないが、揺れる尻尾が見える。ミスラだ。
どうやらこのタルタルは余程のお坊ちゃんらしい。都度出てくる「父」とやらが全ての膳立てをしてくれているのだろう。
「ようし、ちっとばかり忙しいンだが、特別に組んでやろう」
「ありがとうございます」
余程嬉しかったのだろう、ぴょんぴょん跳びはねながら白魔導師へ両手を振るタルタル。
白魔導師もそっと手を振り返してくる。
(へへへへへ…)
心の中でほくそ笑むハンツ。
白付き金付きの狩り。足手まといのタル戦士付きとはいえ、かなり美味しい仕事になりそうだ。
まともにやっても儲かる。やりようによってはもっと儲かるかも。
儲けを分ければ、リーダーの小言も多少は減るだろう。
跳ね続けるタルタルの腰に吊られた皮袋は、俺の懐に納まるのがふさわしいとハンツは思った。

−続く−…ンです。ごめんなさいm(_ _)m

307 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/20(日) 04:00 [ qPjHfkjI ]
うむ、それで終わってもらっては正直困るw
続きを楽しみに待っているのでがんがってくらはい。

308 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/20(日) 11:14 [ 8kFo1uKY ]
白き探求者ムコウに上がってたのな…気付いてなかった…

>>296
既にあなたも、神の一員なんだyo…

309 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/20(日) 20:45 [ CjMOv/w6 ]
   〃┏━━ 、
      |  ノノソハ)))  / ̄ ̄ ̄ ̄
    Λ_リリ ;´∀`)リ < 期待アゲ♪
   ( ⊂#~ ∞~~#⊃ \____
   ( つ/_∞__|~
   |(__)_)
   (__)_)

310 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/20(日) 23:44 [ AJ37hNUc ]
>>301

グッジョブ!!おつかれ〜!!

…何気に短編ものでイオナズンあるのワロタ

311 名前: あぷるる 投稿日: 2003/04/21(月) 01:11 [ simrerKg ]
作者様お疲れ様です。

ところでヤグタソのタイトルって「北の炎 西の風」であってる?

312 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 04:46 [ tpPaS0TI ]
「白い心・黒い意志」の4 −獲物−

ハンツが昼飯を食うために飯屋へ向かおうとすると、タルタルが今から狩りに行きたいと言い出した。
「前払いしますから」
と差し出した2枚の金貨に、ハンツの空腹はあっさりと消え去った。
一日狩りを続けても、銀貨1枚にもならない事がある。
冒険者は様々な点で優遇されている。しかし、全てがタダになるわけではない。
大きな町ならいざ知らず、小さな町や村では冒険者の全てが寝泊まりできる数のモグハウスは準備されていない。少ないそれらはシグネットの評価の高い冒険者や長逗留の冒険者に優先され、あぶれた者は宿屋に泊まるしかない。無論、そこでもシグネットの割引はある。しかし、ハンツのような狩りや獣人との戦いを生業とする冒険者は、己の血や装具の返り血で部屋を汚す事が多いため割増料金をふっかけられる。
さらに、武器や鎧、装具にかかる金。飯、酒、女を買う金。
金は幾らあっても困る事はない。
渋々承諾したふりをして狩りに出る事にしたのだが、白魔導師が相変わらず離れたところにいる。
「いつも白魔導師の方に頼っては、腕は上がらないと父が言ってました。ですから、必要にな時に来ていただくようにします」
ニコニコと、ハンツの気分の悪くなる笑みと共にさっさと町の出口へと向かうタルタル。
(やっぱり新人か…。どうせ直ぐにケガしてピーピー泣きながら白を呼ぶ事になるのによ)
普通、白魔導師をパーティーから離れさせることはない。
狩りや戦闘で負傷したとき、肉を切られ骨を砕かれた痛みは白魔導師が治療魔法をかけてくれるまで消えない。白魔導師が離れていれば、それだけの間、痛みに苦しまなければならないのだ。
もっとも、裂けた肉、潰れた骨の痛みに耐えられないようでは戦士の素養はない。数え切れない怪我と数え切れない苦痛を乗り越えなければ戦士にはなれない。戦士を目指す多くの者が、その現実に屈する。
何回ぐらいこのタルタルが耐えられるか、仲間達がいれば賭けてるところなのだが。

「さあて」
どっちへ行こうか。思案するハンツ。
自分にとっては楽な獲物で、このタルタルが死なない程度にケガをする獲物がいい。なら、せっかく「父」が用意した白魔導師も適当に活躍するだろう。
と、タルタルがりっくりっくと跳ねるように走っていく。
「狩り場はきちんと調べてくれていますから」
どうせそれも「父」がだろうと、ついていくハンツ。
ふと振り返ると、馬鹿正直に距離を開けてついて来る白魔導師の姿が小さく見える。
(縁だか義理だか金だか知らねえが、ご苦労なこった)
 
町の近場で狩ると思っていたのだが、違っていた。
干し肉を囓りながら二時間ほども移動して辿り着いたのは、少しばかり強めの獣のテリトリーのある、下手をするとクゥダフ辺りと顔を併せかねない場所だった。
とりあえずの見通しはあるから、不意打ちを食らう事はなさそうだが。
「強めの相手と戦う方が、上達が早いと父が言ってました」
この場所を知ってか知らずか、脳天気な笑みを見せるタルタル。
「じゃあ、ボク釣ってきますね」
言うなり駆け出していく。
パーティーで狩りをするとき、囮を仕立てて獲物を誘き寄せる事を「釣り」と言い、その囮役を「釣り役」と呼ぶ。
普通、新人には釣り役をさせない。獲物の強さも見分けられない者に釣りを任せれば、何を釣ってくるか判らないからだ。
「おい…」
止めようとしてやめるハンツ。起伏の向こうへ消えていくタルタルをそのまま見送る。
考えれば、別に問題はない。
ヤバイのを釣ってきたら逃げればいいだけだ。後がどうなろうと知った事じゃない。それ以前に、ハンツでもヤバイ獲物なら、あのタルタルは釣って戻るまでに殺られてしまうだろう。それはそれでかまわない。そこまでが金貨二枚分の仕事だったと言うことだ。
(さあて、なにを釣って来るやら)
タルタルの悲鳴を期待して、ハンツはのんびりと待つ事にした。
しかし、たいして時を掛けず、タルタルは戻ってきた。
「釣ってきましたー!」
嬉しげな声と共に、行く時の倍以上の早さで駆け戻ってくるタルタル。
その背後、駆け下りてくる起伏の向こうから現れたのは、斧を振り上げたクゥダフだった。
「っの糞タル!」
ハンツは本気でタルタルを蹴り殺したくなった。

−続く−

313 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 12:11 [ ZUGqesQM ]
タルタル可愛い・・・

314 名前: sage 投稿日: 2003/04/21(月) 14:01 [ hSyxHtIE ]
細い兄弟は・・・どうなったんだろぉ・・・

315 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 14:10 [ 2x1HI.Ss ]
>>311
あってます。

316 名前: あぷるる 投稿日: 2003/04/21(月) 14:40 [ AnsJLKMA ]
>>315
らじゃ。ってことで追加しときました。

>>301
ついでにリンク貼っときますがよろしい?
とゆーか、あんまりミラーばっか作っても意味ないし、テンプレサイトの管理人
戻ってこなかったらそっちをテンプレにしときますか( ´∀`)

317 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 15:30 [ XpNYTS2k ]
 あの、質問です。
 『空に奏でる君の歌』 の続きと、ミッション部分は
 何処に行けば読めるのでしょうか?

318 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 16:08 [ AnsJLKMA ]
>>317
未完でなおかつサルベージ漏れかと思われ。

319 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 16:15 [ AnsJLKMA ]
あ。3話だけない。誰か保管してる香具師おらんか。

320 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 19:02 [ cb0d1qQs ]
 よくある話。とてもよくある話。
 けれど、誰もが通り過ぎたあの日のお話……。
 笑いながら、今なら振り返ることができるでしょう。
 今なら、なつかしいと、目を細めながら……。



【いのちと、勇気……時に蛮勇】

 鍔鳴りの音。私はふと目を上げる。まばゆい日差しに手を翳しながら、小山のようにそ
びえ立つ影を確認し、小さく息をのんだ。
 私の中にとっさに閃くものがある。
 クゥダフ……。それは駆け出しの冒険者を震え上がらせる獣人。その一族の名だ。

 乾いた大地の上に、亀のような甲羅を持つ戦士が現れる。南グスタベルグの荒野に、彼
は保護色のように馴染んだ威容でもって私たちに立ちはだかっていた。
 油断していた……。魔力の枯渇と暑さに気を取られ、彼らのテリトリーに踏み込んでい
たようだ。
「リンシャ、君はまだ休んでいて」
 振り向かずに、彼はいう。襟足に届く程に伸びた、金色の混じる茶色い髪が、日差しを
受けてきらきらと輝いている。その背は未だ細く、頼りない。目一杯に感情を押し殺した、
しかし語尾がかすれる高い声で、幼馴染みの少年は私の目の前に立った。
 一振りの片手剣と、ようやく手にした丸い木の盾。友人より譲り受けた皮鎧はいまだ、
動きを邪魔するかのようにぎこちない。
「アイク……あなた一人でなんて、無理よ。助けを呼びましょう」
 誰か……! と、声を上げるも、返る声はあらず。私は絶望した。
 目の前には、白の魔導師である私には、三度も剣を交わす事などできぬ敵。
 とても、強い敵。
 それを相手にするのは、まだ血豆を作っては潰しているような、若く経験の無い、駆け
出しの戦士。
 いやな汗がべったりと背中を湿らせている。けれど、今は立ち向かわなくてはいけない。
 私は汗の滲む利き手をローブで拭うと、片手棍を握り直した。
「少しだけ……少しだけ時間を稼いで。私があなたの命を、支えるわ!」

 そう、私は白魔導師。すべての冒険者達の、命を繋ぐ為に、生きる者だから。
 立ち上がる勇気を持つ者を、こうして弱き者を背に負い、果敢に前を向く者を見放す
なんて事は……。

 できやしないわ。

321 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 19:03 [ cb0d1qQs ]
【祈りと、戦いと】

 どれだけの事が、出来るだろう。
 刻一刻と時間は過ぎていく。目の前で、私を支える命は、尽きようとしている。
 とにかく、深呼吸。なけなしの財を崩して優先的に覚えてきた呪文を一つ一つ頭に描き、
それを場に沿うよう構成して。

 まだ一撃、耐えて。
『その歩みを留められよ、畏怖たる者の身はここに立ち尽くさん……』
 麻痺の呪文は、ほんのわずかな時間を私たちに与えた。
 彼は戦士に与えられた力を、解放する。それが長く続かない事を知りつつも、私はその
腕の力が鈍らぬよう、すぐさま癒しの呪文に移る。
『汝にかかる痛痒を速やかに癒さん……っあぅ』
 短くも、魔力の拘束は破られた。私の、彼の、気の逸れた隙を、狙って。今まさに目前
に振り下ろされる剣に、癒しの呪文を受け、幾らかの血の気を取り戻した少年は、身を滑
らせるようにして、クゥダフ族の視線を塞ぎ。
「あんたの相手は俺だろ、間違えるな!」
 紅く染まる大地は、誰の血で、濡れているのだろう。
 ……まだまだ、まだだ。
 気を緩めてはならない。
 涙の滲んだ瞳は、乾いた風にさらされ、すぐに潤いをなくす。
 これは、誰が為の戦いか。

『これは諫めの言葉である……』
 光の呪文は、対抗する者を静かに蝕む。
 魔力は、今すぐにも尽きそうだ。それが生命線であると判っているからこそ、私は忍び
寄る死の予感に、諦めの気持ちを覚える。
 握り締めた棍棒の重さに、へたりこみそうだ。
 何て、何て私は弱い……。

「リンシャ……、いいか……! 俺が倒れたら……」
「アイクッ! 何言っ……」
「走れっ! 君の声に……応える人もいる……からッ……!」
 振り向きざま、額が割れたのか、片頬を血に染めたままに、少年が笑った。
「嫌っ……! 一緒に旅するって、言ったじゃないの……!」

 滅多に、手にすることもない棍棒を、この時ほど頼もしいと思った事はない……。
 突進の勢いで、私はクゥダフの若き戦士に……身に余る重い武器を振り下ろした。

322 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 19:03 [ cb0d1qQs ]
【よくある、話。】

「……ははっ、最初から一緒に戦えば良かったかな」
「そうね……ふふっ……馬鹿みたい」

 断崖に背を預け、肩を並べながら私たちは笑っていた。
 そうなのだ。
 標的が増えれば、負担は減るのは当たり前。そして、屈強の戦士ならまだしも、駆け出
しの私たちには、大して力の差は無い。
 決死の思いで殴りかかった、その一撃が致命傷となり、脅威たる存在は大地に身を沈めた。

「……ありゃぁ、声が聞こえたと思って来たら、おめでと〜」
「無事で良かったね、君達。少々周囲が騒がしかったから一応片付けておいた。余計な世話
でなければ良いが……」
 手を振りながら現れたのは、如何にも旅慣れ、勇ましくも武装した冒険者が数人。
 小柄……というより子供のような、タルタル族、長身で優美な、エルヴァーン族。町でも
見掛けるが、余り交流の無い種族達が当たり前のように顔を並べて、私たちを見下ろして
(あるいは、前の前で顔を覗き込んで)いる。
 どうやら、私たちの騒ぎにクゥダフ達がこぞって集まって来ていたようだ。軽く一振り、
一撃の魔法が、すんなりと強敵を倒す様を見て、ただただ感嘆する他ない。
「す、すみません……お手間掛けまして」
「いいよぅ。まあ、困った時はお互い様だよねっ! もう少し周囲の風景でも楽しめるよう
になってから来なよ。この先の滝なんか、綺麗だからね〜?」
「では、失敬。君達の良き冒険を祈ろう」

「……まだまだ、先は長いね」
「うん……でも、いいね」
 命を賭けた冒険なんて、本来するものじゃないのかも知れない。
 けれど、こうして差し伸べられる手があれば。
「……うん、まだまだ、もっと……」
 強くなって、手を取り合って、もっと先に進もう。




 一緒に空を見上げて。
 あの日を思い出して照れ笑いしたりしながら、のんびり、ゆっくり。
 旅をしましょう。

 ヴァナ・ディールの空が、きっと私たちを見守っているから……。

323 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 20:32 [ /XErO0RU ]
>317
>318
>319
_, ._
( ゚ Д゚)
( つ旦O
と_)_)

_, ._
( ゚ Д゚) ガシャ
( つ O. __
と_)_) (__()、;.o:。
゚*・:.。

覚えててくれたんか…。

ログ出したほうがよいのでしょうか。
続きは、実は旧(?)うp板に置いたんだけど
次見たときには板が飛んでました。
なので、旧うp板が復帰するまで自粛ーのつもりで
フェードアウトしてましたですよ。

324 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 20:33 [ /XErO0RU ]
あーズレテル 最悪やー
板汚し失礼しました。

325 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 23:12 [ 9arPwxV6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第13話

エルヴァーンの騎士が天の塔に入るのを見届けてから、私は家へと走っていった。
胸の鼓動が収まらない。締め付けられるような不安を抑えきれない。
あれは星がお授けになった予兆だったのだと、今は確信している。

師父は家に居た。
普段なら目の院に篭っているはずなのに、師父は剣を手に庭に立っていた。
構えるでもなく、半眼にして、ただ直立していた。
空気が師父と一体になっていた。

風が。

大地が。

陽光が。

小鳥のさえずりが聞こえる。

別の鼓動が柔らかに私の胸の中の不安をそっと押しやり、額の汗がひいていく。

しごく自然な動作で、師父が私にその顔(かんばせ)を巡らせた。
時の始まりからそうすることが決まっていたと思えるほどに、自然に。
その瞳の藍がなんと深いことか。

『師父…。』
私がそう言の葉を口に乗せる。
『もう聞いたよ。エルヴァーンの騎士が現れたそうだな。』
師父も予兆を感じ取ったのだろうか。いつにも増して愁いを帯びた表情。
師父はやってきたエルヴァーンの騎士の風貌を尋ね、
やがて得心したような表情を浮かべた。

『恐らく…彼は、私を追ってきたのだろう。』
『違います!師父とは無関係です!あんな、あんな…!』
私はいやいやをするように身をよじらせた。
鼻の奥からつんとする感覚が上ってくる。
『心配しなくてもいい。彼は追っ手だが、騎士でもある。そして私も騎士だ。』
師父が私の頭をそっと撫でた。剣だこがごつごつとしている。
私は沈黙するしかなかった。
騎士同士の交わりがいかなる結末を迎えるのか、見当がつかない。
しかし、氷と陽光が交わることがあろうか?

326 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 23:14 [ 9arPwxV6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第14話

それきり師父は『追われている』という事について、何も語らなかった。
語ることで私を巻き込みたくなかったのか。
あるいは私にはまだ理解できないと思ったのかもしれない。
いずれにしても、師父は慌しくも旅の準備を始めた。
あまりにも急な別れ。
いつか訪れるとはわかっていたのに。
それがこんなに早く?
いつか、は永遠に来ないと。そう思っていた。思っていたかった。

師父と別れる。そのことを考えるだけで、足元がぐらつくような感覚を覚える。
私はまだ未熟だ。剣も満足に扱えない。
師父無しでは騎士になることなど到底不可能だ。
師父無しで、私はこれから何を道標に進めばいいのか?
私は平原に放り出された子供だ。
またゴブリンに襲われたとき、誰が助けてくれるというのだろう。
もう師父は遠くに行ってしまう。
遠くに。

『私は、世界の謎を追ったエニッド卿、オルデール卿…
 そしてグィンハム・アイアンハートに追いつきたい。
 そして彼をも超えて、ヴァナ・ディールの果ての果てへとたどり着きたいのだ。』

嫌だ!

師父と別れたくない。

彼と離れ離れになりたくない。

胸が引き裂かれるような想い。

もう残りわずかな時しか残されていないのは解っていた。
決して私が師父とともに歩むことが出来ないのも。
私は子供だ。一人で満足に生きていくことなどできやしない。
そして、自分が師父に付いていけば足枷になることが解るほどには大人になっていた。
大人になりたかった。
あの人についていけるように。
あの人の邪魔にならないように。
あの人に認められるように。


───無理だということは、解っていた。

327 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/21(月) 23:14 [ 9arPwxV6 ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第15話

『なぜ、追われているのですか?』
涙声で尋ねてしまい、顔が熱くなるのを感じる。
『お願いします、このまま別れるのなんて…私には…。』
師父は荷造りの手を止め、私に向き直った。
そっと私の涙をその指でぬぐう。それが私の涙をますます溢れさせそうになる。
『昔、騎士である事と騎士になることの違いを話したのを覚えているか?』
私はうなずいた。師父の爪が私の頬に触れる感触。

『教えよう。騎士であることの難しさ。
 私は今もまだ、自分が騎士であるか悩んでいる。
 私は…………友軍を見捨てることを看過したのだ。
 騎士として。騎士団の命令を…守ったのだ。』

錆を含んだ師父の言葉。
そしてこれが、私の騎士としての試しの第一歩であった。


─そのうち続く─


>323
激しく続きキボンヌヽ(`Д´)ノ

328 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/22(火) 01:13 [ dsQIkDOM ]
>>323
おぼえてますとも
まってまっせぇ(・ω・)ノ

329 名前: 空に奏でる君の歌6 投稿日: 2003/04/22(火) 05:31 [ cd09Khok ]


傍らの幼馴染と幼子のようにはしゃいでいたビアナナだったが、
少し離れたところでこちらの様子を見ている人物に気付き、慌てて会釈する。
そして小走りで近づくと、もう一度小さくお辞儀をした。
「あの……いろいろとチリリがご迷惑をおかけしたみたいで、
 すみませんでした。」
「いや、こちらこそ領事館まで案内してもらい、世話になった。感謝する。」
彼のぶっきらぼうな言いまわしは、種族性によるものか本人の性格なのかはわからない。
それに別段、嫌な感じを受けるものでもなかった。
「ふぅん、気取っちゃってまー。
 感謝する!……なーんてさっ。
 さっきはヒトのこと、愚か者とかチビとか言いたい放題だったのにねぇ?」
にやにやとしてチリリが横から茶々を入れる。
無骨なガルカは何も言わずに、彼女のポニーテールを引っ張り上げた。

「バストゥークからいらしたんですか?」
ビアナナが苦笑しながら話題を変える。
ガルカは頷き、ミッションのためでな、と小さく呟いた。
「へぇ、あんたも冒険者なんだ?」
明るく言うチリリに、ガルカはちらりと視線をやる。
「も?」
「そう。あたし達だって冒険者だもの!」
チリリは自慢げに胸を張る。
ガルカは一瞬言葉を失い、しかし堪らず息を吹き出した。
「ぶふっ……ぶはっ、がはははははは!」
思いもよらない相手の大笑いに、チリリは顔を真っ赤に染める。
「失礼ね!何がそんなにおかしいのよ!」
「いや……夢を見るのは悪いことではないがな。」
「夢ですって!?」
不機嫌が高潮に達したチリリは声を荒げる。
ガルカは笑うのを止めると、一転して厳しい表情を浮かべた。
「冒険者は、子供が遊びでなれるような生半可なものではない。」
「遊びっ……!」
「おまえには何も本質がわかっていない。
 冒険者とは、いつでも生と死の狭間にあり、尚且つ、そこで生き抜ける者のことだ。
 さあ、お前の思う冒険者とはどんなものだか言ってみろ。」
「くっ……。」
「子供の夢を潰すのは忍びないが、冒険者気取りでむざむざ命を落とすよりましだ。 
 残念なことに、そういう輩が少なくないのでな。
 ――お前らでは冒険者にはなれん。諦めろ。」
ガルカの声が重く響く。
目の前の人物は決して自分をからかっているのではない。
むしろこの身を案じてからの台詞だと、チリリにもわかっていた。
だが、昨日今日あったばかりの、知り合いでもない相手から言われることが屈辱だった。

330 名前: 空に奏でる君の歌6 投稿日: 2003/04/22(火) 05:33 [ cd09Khok ]

「――はい、そうですか。
 なーんて言うわけないじゃない!
 あんたに言われて辞めるくらいなら、最初から冒険者になってないわよ!」
「ふん。口の減らないガキだな。負けん気だけは一丁前だ。
 ……まぁ、いいだろう。 せいぜい長生きしてみせることだ。」
それだけ言い捨てると、ガルカはチリリに小さな粒を放り投げた。
チリリは為すがままにそれを受け取る。
「なによ、これ。」
「別に縁起物でもなんでもないが……俺が国を出るときにもらったお守りだ。
 それをお前にやろう。一応世話になった礼だ。」
「えっ……あ、ちょっと。」
ガルカはゆっくりと、だが隙のない足取りで歩き出す。
「縁があったらまた会うだろう。
 もちろん、お前たちが生きていればの話だがな。」




彼の後ろ姿が見えなくなっても、チリリはしかめっ面で腕を組んだままだった。
「ふんっ、お説教みたいなことばっか言って。あいつ、ほんとに嫌な奴!」
それまで大人しくしていたビアナナが、漸く口を開く。
「……まぁ、落ち付いてよ。
 口調はきついけど、多分心配して言ってたんだろうし。」
「何よ。あんた、あいつの肩持つってわけ?」
きゃんきゃんと、チリリはビアナナにまであたり出す。
「やつ当たりはよしてってば。
 それより、お守りって一体何もらったの?」
その言葉を聞いて、チリリは手の中に硬く滑らかなものがあるのを思い出す。
ガルカが放った時は銀の粒のように見えたが、いざ広げてみると
それはチリリの掌にすっぽりと収まる大きさの球体だった。
「なんだろ、これ……銀みたいだけど、軽い。」
「丁寧に磨かれてて綺麗ね。光ってる。」
しばし、その美しさに見とれる二人だったが――ふと、ビアナナが疑問を漏らした。

「ね。これって、ひょっとしたら高価なものなんじゃないの?」

「えぇーっ?あいつがそんなのくれると思うぅ?」
寄越した本人の姿を思い出し、忌々しげに否定するチリリ。
しかし手中にある謎の球体は確かに見事だった。
「……。どうしよう。返したほうがいい、かな。」
弱々しくチリリが呟く。
ビアナナも黙ってチリリの顔を見詰めた。
「だけど返すってどうやって?
 あたし、あいつがどこ行ったかなんて知らないよ。」
「そうね……レンタルハウスの前で待っても戻ってくるかわからないし、
 大体どの区のハウスを使ってるかわからないものね。」
途方に暮れ、言葉を無くす二人。
お手上げと肩をすくめて視線を変えた先で

「あああっ!!!」

突然、チリリが大きな声を出した。
「もう!一体何?」
「ビアナナ!あれ、あれっ!」
チリリは高々しく指をさしてみせる。
そこには先程ガルカを連れて来た建物――バストゥーク領事館があった。
「そっか!あそこに行けば何かわかるかもしれない!」
「行こう!!」

331 名前: 空に奏でる君の歌6 投稿日: 2003/04/22(火) 05:34 [ cd09Khok ]

ギギィ、と軋んだ音を立て、大きめに造られた木の扉が開く。
背の高い正面カウンターでは、恰幅のよいヒュームの男が閑そうに肘をついていた。が、
小さな来訪者の姿を見て取ると男は慌てて姿勢を正し、にっこりと笑みを見せる。
「やぁ、いらっしゃい。ここはバストゥーク領事館。
 っと、お嬢さんたちはウィンダスの方かい?
 生憎ここでは君たちのお役に立てる仕事はないんだが……」
「――あの、先程ここに来たガルカの方のことでお伺いしたいんですが。」
気さくに話し掛けるヒュームに、ビアナナが話を切り出した。
「ガルカ……?
 ああ、冒険者が訪ねてきたな。彼に何か御用かい。」
「実はこれを預かったんですけど、やっぱりお返ししたくて。」
少女たちは、灯りを受けて輝く銀の球体をヒュームの前に出して見せる。
「ほぅ。これはまた立派なミスリルだな。」
「ミスリル?」
チリリがその馴染み薄い言葉を聞き返す。
「そう。
 ミスリルとは銀の一種だが、普通の銀みたいに黒ずむことがない。
 そのため指輪なんかの貴金属にも使われているが、それよりも
 剣や鎧の材料として重宝されているな。
 鉄なんかより丈夫で軽い、最高の鉱物だよ。」
「へぇ……。」
ますます、この球体が貴重な物のように感じて、チリリは神妙な顔をする。
そういえばあのガルカはこれをお守りだと言っていた。
鉱物の価値以上に何か特別な思い入れもあったのかもしれない。

「それで、本人がどこにいるかお分かりになりませんか?」
ビアナナの問いに、ヒュームは少し考え込んだ。
「ここで待っててもらえるかい。……ゴールドスカル。ちょっといいかな。」
ヒュームの男は受付の奥へ入っていくと、そこに控えていた誰かと話し出す。
その会話はくぐもって、こちらにはまるで聞こえてこない。
しばらくの間を置き、ヒュームは新たなガルカを連れて受付に姿を現した。
先程聞こえたゴールドスカルというのは、きっと彼のことなのだろう。

「……冒険者に用があるというのは、お前たちか。」
ガルカが無愛想に言う。
「は、はい。そうです。これを預かって……」
ビアナナは少し怖気たように言葉を返す。
ゴールドスカルは少女を一瞥し、何か思案を巡らせたようだったが、
結局「奴の行き先は言えぬ。」とだけ告げた。
「あの、」
「奴はミッションを受けた。それ故、奴のことは何も話せん。」
タルタルの少女たちは困ったように顔を見合わせる。確かに、それが冒険者の掟だ。
「それじゃ、替わりに、これをあの人に返しておいてもらえませんか?」
ビアナナは恐々とミスリル球を差し出す。
しかし、寡黙なガルカはそれをも拒んだ。
「……お前たちが預かったものだ。お前たちが持っていろ。」
これ以上話すことはない。
気配だけでそう言い残し、ゴールドスカルは持ち場へと戻る。
気まずい空気を持て余したヒュームの男だけが、その場に残された。

332 名前: 空に奏でる君の歌6 投稿日: 2003/04/22(火) 05:35 [ cd09Khok ]

「あの、悪く思わないでやってもらえないかな。
 あいつは話すのが苦手なだけで、悪い奴じゃないんだ。」
「それはいいんですけど……これ、どうしよう。」
ビアナナは遣りどころなく残った銀球をチリリに返す。

「それは、やはりお嬢さんたちが持っていてくれないだろうか。」
少しだけ視線を落としたヒュームが、ぽつりと呟いた。
受付の奥で、ガルカが静かに様子を窺っている。
どこかへ思いを馳せるように、ただじっと目を伏せながら。
ヒュームは、今度ははっきりと声に出して言う。
「彼はもう一度ここに来る。
 そうしたら私からお嬢さんのところへ連絡を入れると約束するよ。
 それで勘弁してもらえないかな。」
にっこりと笑うヒュームの前で少女たちは顔を見合わせると、了承したように頷いた。


軋んだ音と共に扉が閉まる。
何時の間にか、背後に潜んでいたガルカの気配も消えていた。
男はもう誰もいない部屋の中で、祈るように両手を組んで頭を垂れる。

――必ず、戻ってくるんだぞ。
どんな些細な理由であれ、お前を待つ者たちがいるのだから。


俺たちだって、お前を待っているのだから。




つづく。

333 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/22(火) 05:54 [ ufsYQ3ws ]
まるで自作自演のような温かい書き込みに
恥も知らずのこのこ出てきてしまいますた。
相変わらず長いだけのお目汚しですいません。
それと、旧うp板が復帰したときに、
マルチポスト呼ばわりでいじめないでね(TДT)がくがく
……ってか文章随分変えちゃったわけだけども。

ミソーン部分のログは新うp板をお借りいたします。
つか、ミソンやってたら見るほどのあれじゃないよごめんねごめんね。

久しぶりの書き込みでちびりそうです。寝ます。ダメだ、仕事だ。
では、皆さんありがとですた。

334 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/22(火) 08:26 [ r58rmgOw ]
>>333
�� d(=´▽`=)

335 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/22(火) 17:57 [ tuPzdThQ ]
落ちすぎage

336 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/23(水) 02:16 [ IPfAyfoA ]
ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ

337 名前: 317 投稿日: 2003/04/23(水) 18:15 [ Ez6jhEEI ]
実はずっと探していたのです、もっと早く聞けば良かった。
続きとミッションのとこ読めて良かった。
『空に奏でる君の歌』作者さん頑張りてね。

338 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 08:43 [ 74tP64GU ]
タル戦・・・

339 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 11:08 [ 0PMTs1pM ]
>>338
ジラート出たばっかなんだしやらせてやれよ(´・ω・`)
でも期待age

340 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/04/24(木) 13:39 [ oVdSBm76 ]
第五話 手紙


「なるほど…にわかには信じがたいが、目にしている以上
 信じざるを得まいな。」
ノースから受け取った干し肉サンドをほおばりながら
小さな侍は目を丸くしながら二人の話に聞き入っていた。

二人は覚悟を決めて、少なくとも自分たちのわかる範囲で
自分たちの事や、いままでの出来事を話した。
アスランは驚きこそすれ、敵意や懐疑の目を向けず、真面目に
二人の話にその大きな耳を傾けていたのも、二人にとっては
運がよかったといえる。

「それにしても、オークどもに襲われたのは災難だったな。
 ジュノに向かっているというのなら、これを持っていくといい。」
アスランはささ、と紙に何か模様のような、見たことの無い文字を
書いて折りたたみ、それと共に白い封筒をノースに差し出した。
「これは、なんですか?」
ノースが怪訝な顔で、その暗号のようなモノを縦にしたり横にしたり
しながら尋ねる。
「もしジュノに行って海神楼という場所に行ったなら、受付のゲビという
 ミスラに、封筒の方を渡すといい。『奥』へ通してもらえるはずだ。
 そうしたらタルタルが一人いる。サッタルマンサルという奴だ。
 今度はそいつに、その、君が逆さまで見ている手紙を渡すといいだろう。」
「は…はい。」
「恐らく君らには、必要となるものかもしれない。特に、そこのウェスト君には。」
そういってアスランはごろりと横になって、暫くすると寝息を立て始めた。
ノースは、彼の意図は全く解らなかった。
こんな夜中に、あんな薄気味悪い場所からひょっこり現れた者を
素直に信用もしづらかったが、それでも、今この状況で敵意の無い存在は
心強く感じた。
そうこうしているうちにうとうととしてきたノースは、いつものように
息づく羽毛にもたれかかって眠りに入る。
ウェストも、けして不安は拭いきれなかった。しかしそのうち、
気疲れと疲労で睡魔に負け、眠りに入った。


翌朝、アスランの姿はもう無かった。
「また会おう」と書かれた簡単な手紙と、おそらく食事の礼金と
思われるギルの袋が置かれていただけだったが、
その金額はサンドイッチひとつではとうてい賄えないほどの
大金だった。
「5000ギルはあるよ?」
ノースが中を見ながら驚きの表情を見せる。
考えて見ればキャンプを襲われたとき、殆どの食料やお金は
オークや、おそらくは野党に荒らされていて回収できなかった二人だ。
無一文に近い状況で街にいっても、宿も取れない。
(それを見越してのこと、か)
ウェストは今、アスランを信用した。
と、いうよりも信用したくなった。
(また、会おう、か)
次会う時が訪れるのかどうか、二人にはわからなかったし
何故彼がこの奇妙な二人組みに肩入れしたのかもわからなかったが、
ウェストを見て尚、敵意を欠片も見せぬ存在がいるという
その事実は、二人の足取りを軽くさせてくれた。

もうジュノは近い。



「…さてどうしたものかな。古墳で拾った鍵で開いた宝箱から
 手に入れた金はあげちまったし、食い物もあまり無いな。」
釣り糸をたらして男が呟く。
「もう、二、三個、サンドイッチをもらっておくべきだったかな」
腹の虫が鳴く。
「…つれんなぁ。」

アスラン-カハラン。
幼い頃遠くで見かけた侍のヤグードに感化され、侍になった男が
ジャグナーで空腹と戦っていた。

341 名前: ■e 投稿日: 2003/04/24(木) 16:36 [ ax/1PblQ ]
あなたをシナリオ部門の総帥にします

342 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 19:23 [ 2BOcN.zw ]
アゲアゲ

343 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 19:23 [ 2BOcN.zw ]
アゲアゲ

344 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 22:00 [ Myv6bHtk ]
>>340
 武士は食わねど高楊枝
 
 >「・・・つれんなぁ」 ←爆笑w

345 名前: 1/5 投稿日: 2003/04/24(木) 23:15 [ d7pJ94Sw ]
これは冒険者の話ではない。

バストゥークがまだ貧しく、今よりもずっと活気に溢れていた頃の話だ。

俺は、ツェールンで働く名も無き鉱山夫だった。
当時の生活と言えば、昼夜ランタンに照らされ、ひたすらつるはしを振り下ろす日々だった。
勿論それは俺に限ったことではない。
ガルカもヒュームも、この国の男は一様に山を掘り続けていた。
幾日も暗い採掘場に篭り、重労働に身体を痛め、全てを投げ出す者もいた。
だが俺たちは、この手に握るつるはしが岩盤の奥に眠る未来を掘り当てるのだと、
そう信じて腕を振り続けた。
今思えば、陳腐で気障な話だ。
しかし、それが恥ずかしいと思わない程にバストゥークは若かった。

週に二度、俺たちは鉱物を市場に卸していた。
その時だけは大手を振って街を歩くことが出来る。
陽光を遺憾なく浴びられるというのは、贅沢なことだ。
緑の少ないこの土地は、例えば木々に囲まれた隣国サンドリアの騎士どもから
すれば、殺風景でつまらないものかもしれぬ。
だが、土も岩も日の光の下ではこんなにも美しい――

「だーれだっ!」

突然、何かがばさりと俺の視界を遮る。頭から麻袋を被せられたのだ。
ぱらぱらと粉状の破片が目や鼻に入り、不快のあまりに俺は袋を剥ぎ取った。
「子供っぽい真似をするな、ジェニ。」
犯人は初めからわかっている。

「ちぇっ、つまんないの。」
とんっ、と背後で音がする。
すぐ傍の塀の上から、ジェニが飛び降りて着いた音だ。
「いたずらの為に、わざわざそんなところへ登るな。」
「はいはい、わかりましたって。もう、バラドは小言ばっかりなんだから。」
いつまでも子供っぽさの抜けない娘だ。
小さく口を尖らせ、拗ねているのがすぐわかる。

346 名前: 2/5 投稿日: 2003/04/24(木) 23:16 [ d7pJ94Sw ]

ジェニは鉱石を買ってくれる得意先の遣いだ。
先程被せられた麻袋は鉱物を入れるためのもの。いわば彼女の買い物袋だ。
「じゃ、またいつもの分だけ入れて持ってくれる?」
「わかった。」
流石に、ジェニの華奢な肩では袋一杯の鉱石を抱えることは出来ない。
ジェニの荷物を運ぶのは、いつの頃からか俺の仕事になっていた。
とはいえ、そう長い距離ではない。
時間にして数分程度、店先から納屋までの付き合いだった。
「ねぇねぇ、バラド。聞いて。」
少し浮かれてジェニが言う。
「あたし、今度ミスリルを触らせてもらえることになったの。」
「ほう。」
思わず、感嘆の声を上げてしまう。
「やっとよ!……ギルドに入って何年になるかしら。
 まだ夢を見てるみたい。さっき親方から聞いたばかりなんだ。」
「ふむ。」
「んもう!ちょっとは喜んでみせてよ。
 折角、一番最初にバラドに教えようと思って黙ってたのに!」
突然不機嫌そうにジェニが頬を膨らませる。
これでも充分感心していたのだが、どうも彼女には通じなかったらしい。
……いや、わかっていてわざと煽ったのだろう。
ジェニは察しのよい娘である。
それ故、口下手な俺とも訳隔てなく接することが出来る。
「……次の卸しの時に、何か持ってきてやる。」
口の中で呟いた言葉だったが、彼女は耳聡くそれを聞き逃さなかった。
「ほんとに!?
 嬉しい!楽しみにしてるね!」
満面の笑みを浮かべるジェニの顔が眩しくて、直視することが出来ない。
俺は気恥ずかしさのあまり、彼女の結髪を引っ張って誤魔化した。

「――で、それがお土産かい。」
休憩場で、茶の用意をしていたアウラが言う。
洒落た花の一つにでもしてやんなよ、と溜め息混じりに首を振っている。
「バラドに色気を求めても無駄だよ、婆ちゃん。」
「そうそう、大体何でこいつだけがジェニと仲良しなのかわかんねえよなぁ。」
仲間達が口々にそう言って、卓上の椀を手に取って座る。
「ミスリル細工を始める祝いに、ミスリルの原石渡しても記念になりゃしねえよ。
 あっという間に溶かされて別のもんになっちまう!」
「……実用的でいいじゃないか。」
何を言っても言い訳にならないことはわかっていたが、とりあえず口を返す。
「それじゃ、プレゼントの意味がねえってんだ。
 挙句にギルドで売られでもしたら、目も当てられたもんじゃねえ。」
「がはははは!そりゃいいや!」
案の定、周囲の爆笑を買って、俺は黙り込む。
「……ごっそさん。」
まだ湯が残っていたが、雑に茶碗を置いて現場に戻ることにした。

347 名前: 3/5 投稿日: 2003/04/24(木) 23:19 [ d7pJ94Sw ]


その頃からか、鉱山は異変が見られるようになっていた。
奴等が、出るようになったのだ。
「バラド!また出やがった!」
仲間の一人が駆け込んでくる。
「二人やられた。命はあるが当分使い物にならんだろう。
 とにかく来てくれ。被害が広まらないうちに仕留めなくちゃならん!」
俺はいつしか傍らに備えるようになった両手剣を取り、仲間の後を追った。

ザシュッ。

血しぶきが飛ぶ。
どす黒い、亀の血だ。

だんだん、亀を殺すことにも慣れてきた。
つるはしを振り下ろすように、無心で剣を振るう自分がいる。

「これで、全部か。」
息も切らすことなく、片は付いた。
次第に鉱山の中に安堵の空気が流れ出す。
誰ともなく俺の腕や肩を叩き、仲間が散り散りに持ち場へと帰っていく。
俺は剣についた汚れを拭うと、息を吐いて座った。
亀どもは、どこから現われるのだろう。
そして、こいつ等は何を求めてここに出るのだろう。

侵略か。

ふと、ジェニの顔が瞼に浮かんで、すぐに消えた。

奴等が街に出るようになったら、どうなるのだろうか。

それ以上、俺は考えるのを止めた。



ジェニとの約束を翌日に迎えたその日、事件は起きた。
第一報がどこから入ったのかはわからない。
だが、既に仲間たちの間はその話題で持ちきりだった。

――調査に出掛けていた語り部が、消えた。

ある者は嘆き、ある者は荒れた。
まるで世界が終わるかのように、俺たちガルカは一瞬で光を失った。
多くの仲間が語り部を探すために国を出ると言う。
俺もその中の一人となることを誓った。
ただ……もう彼女には会えない。それだけが心のどこかに刺を残した。

348 名前: 4/5 投稿日: 2003/04/24(木) 23:20 [ d7pJ94Sw ]

卸しの予定は、もう訪れない。
俺は鉱山夫ではなくなったのだから。
だが、約束だけは果たしたかった。
決まった時間、決まった通りに彫金ギルドの戸を叩く。
飛び出してきたのは、ジェニだった。
「バラド……。」
彼女にいつもの明るさは無い。
理由は、きっと俺にあるのだろう。
俺は黙って懐からミスリルの原石を取り出し、ジェニに差し出した。
「約束のものだ。……最初の彫金には、これを使え。」
「ありが……とう……。」
何かを堪えるように、ジェニが呟く。
そして消え入りそうな声で「いつ、出るの。」と聞いた。
「夜が明けたら、すぐに。」
俺の決心が揺らがないうちに。
――そう。
彼女は小さく言った。



そして、早朝。

使い慣れたつるはしをその場に残し、ずっしりとした剣を背中に担ぐ。
嫌な重さだ。
俺はこれからどれだけ多くのものを殺すのだろう。
あのつるはしは未来を掘った。
この剣は、一体何を与えてくれるのだろう。

ふと弱気な自分に気付いて、首を振る。

ちがう。
俺はこの剣と共に、真実を探すのだ。
そのためにこそ、俺は未来も安らぎも捨てるのだ。
与えられることを望むな。

これから、俺は孤独な旅に出る。
それは決して容易く、愉快なものではない。



朝靄の中、石畳の上を歩く。
いつもと同じ朝靄が、いつもより濃いような気がした。
旅立ちの意識が、そう思わせたのだろうか。
競売場の前を通り、外壁前の広場に差し掛かる。

――ジェニが、立っていた。

349 名前: 5/5 投稿日: 2003/04/24(木) 23:22 [ d7pJ94Sw ]

「お前どうして。」
「これ。バラドに渡そうと思って。」
俺の問いを遮るようにジェニが口を開く。その手には小さな銀の塊が握られていた。
「もらった原石から、これだけミスリルがとれたの。
 まだ指輪なんか作れないから、丸くしただけだけど。」
あげる、と言って、ジェニは俺にそれを投げる。
俺は黙って受け取った。
「すまん……。」
礼を言うべきが、上手く言葉にならない。
「ね。バラドは一人で旅をつもりなの?」
突然、思いもよらぬことを聞かれて、俺は一瞬戸惑った。
「さあ……場合によっては誰かに助力を求めるかもしれんが。」
ふぅん、と返事をするジェニの目は、俺の方ではなく遠く山の方を見ているようだった。

「じゃあさ、冒険者になって仲間が出来たら、ここへ連れてきてよ。」

わざとらしく明るい様子で、ジェニが笑う。
「それで、あたしに紹介してよ。
 バラドの仲間なら、あたしともきっといい友達になれると思うの。
 ……絶対よ。約束なんだから!」
ジェニが小走りに遠ざかる。
「それじゃ、あたし、もう行くから!」
何度も何度も振り返り、ジェニがもう一度大きな声で叫ぶ。
「絶対に連れてきてよね!!」



それが、ジェニを見た最後だった。



戦争の前に彼女は死んだ。
彫金師や鍛冶師に多い肺の病気を、彼女も患ったのだそうだ。
祖国に立ち寄ったときに、アウラから話を聞いた。
老婆は言った。
ジェニは綺麗な姿のまま、神のもとへ旅立ったのだと。
俺は。
俺はどんなに醜く老いようと、少しでも長くジェニに生きていて欲しかった。

グスタベルグの、鉱山夫を奉る小高い丘陵の片隅に、彼女は眠っていると言う。



あれから幾余年の歳月が過ぎた。
俺はまだ、一度もそこへ訪れてはいない。

空に奏でる君の歌・番外 了

350 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 23:32 [ IcsecX76 ]
(つД`)。゜。

感涙age

351 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 23:39 [ XUJ83.rM ]
あーやっちゃったー。
最後5/5 ジェニの台詞
「ね。バラドは一人で旅をするつもりなの?」
に置き換えて読んでくだちい。ぬけてもたー。

>>317
あなたがスレに戻るきっかけをくれました。本当にありがとう。
あなたの期待を裏切らないようにがんがる。

他の皆さんもほんと、ありがと。

352 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/24(木) 23:49 [ CAYm4gK6 ]
空に奏でる君の歌 大好きです。続き読めてうれすぃ(っT
ちなみに、ミッション部分の3話をあちらにうpしたら?と
余計な事書いてしまったのは私です、ごめんなさいm(_ _)m
まさかうpBBSが逝ってしまうなんて思ってなくて(T-T)
番外もよかったです、続き楽しみにしてます。頑張って下さい。

353 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 01:04 [ DeqRRLvg ]
Recollection復活キボンヌ

爺さんの日記を発見できないものか…?

354 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 02:09 [ 4czXzpow ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十二話 暗き未来を目指して

―― ラテーヌ高原 ――

ラテーヌ高原に、金属のぶつかり合う音が響く。
「甘いぞ!もっと遠慮せずにかかってこい!」
ラキとトッパが手合わせをしているのだ。
「ジルパケルパ!何をぼさっとしている。貴様も来い!」
「ええ、二対一だぜ?大丈夫なのかよ?」
「貴様は獣人に正々堂々一騎打ちを申し込むか?ちがうだろう!?
 戦いの基本は集団戦だ、二人で私を倒してみろ!」 
「あ〜!しらねぇぞ!俺はよ!」
ジルパケルパも腰にぶら下げているセスタスを握り締めた。
トッパは全然遠慮などしていない、少々の怪我なら回復魔法がある。
むしろ、大怪我をさせる意気込みで挑んでいるのだが…
「踏み込みが甘い!その程度ではオークにやられるぞ!」
「うおおお!!」
トッパとジルパケルパが同時に飛び掛る。が、トッパの剣はいとも簡単に弾かれ宙を舞う。
ジルパケルパが突きを放つが、そこにはラキの姿はなく、次の瞬間には強烈な
肘鉄を頭の上にお見舞いされた。
トッパが剣を拾い上げ、再び攻撃態勢を取るが、先程まで視界の隅にあったラキの姿がない。
後ろに気配を感じて振り向くと…冷たい光を放つ剣先が眼球の目の前にある。
「終わり、だな」
そう言い放つラキの目は、獲物を狩る猛獣の様な鋭さがある。
一瞬、本気で殺されるんじゃあないかとトッパは思った。
「…おいおい、ラキよう。もう少し手加減してくれってばよぅ」
「そうか?手加減したつもりだが…」
ラキはすぐさまジルパケルパにケアルの詠唱を始めた。
トッパの方は少々の擦り傷だったので舐めてそのままにした。
ラキとジルパケルパを見ていると、本当に仲がいいんだなぁ、と思う。
「大丈夫か?もう痛くないか?」
「おう、大丈夫だ!さ、続きやろうぜ!?ほら、トッパもよ!」
トッパとジルパケルパの稽古はラキの提案によるものだった。
エッタの体調が良好になるまでのしばらくの間、未熟な前衛二人を
鍛える必要があるとラキは考えた。そんなわけで、三人はキャンプから少し離れた場所で
修行に明け暮れていた。

355 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 02:09 [ 4czXzpow ]
エッタ、調子はどうだい?」
「うん、ありがとうお兄ちゃん。もう今すぐにでも出発できるよ」
「駄目だよ。まだ熱が下がりきってないんだから…」
「…ごめんね…私、皆に迷惑ばっかりかけてる」
「そんな事、気にすることないんだよ。今はゆっくりと休んでればいいんだ」
エッタの顔は随分とやつれている。顔色もあまりよくない。
どうやら病はオットーの予想以上の早さでエッタの体を蝕んでいるようだ。
「ね、エッタ。サンドリアに着いたら…どうしよっか?
 ドラキーユ城や大聖堂とかさ、行ってみようよ。ああそうだ、他にも…」
オットーは自身の不安を悟られまいとするのに精一杯だった。
本当は、いつ命の灯火が消えてしまうかも分からない妹を前にして今にも泣き出したいくらいだ。
まだ少年のあどけなさが残る彼にとってエッタの姿を見るのはあまりにも酷である。
「…お兄ちゃん」
「な、なに…?」
オットーはどきりとした。エッタが自分の様子を見て、何か不信感を抱いたのか。
が、次のエッタの言葉は予想外のものだった。
「お兄ちゃんは…小さい頃の事、覚えてる?」
「え…?小さい頃?」
「うん、そうだよ。私たちが今よりもずっと小さい頃の事」
「うう〜んと、そうだなぁ。エッタによく本を読んであげたのは覚えてるよ」
「それよりも前は…?お兄ちゃんが私に本を読んでくれる前は…?」
「絵本を読んであげる前…?」
エッタが何故そのような質問をするのか、オットーには理解できなかった。
ただ、それよりも不可解なのは…エッタの言う昔の思い出が、断片的にしか
思い出せないのである。
「…それがどうかしたの?」
「ううん、変な事聞いちゃってごめんね…」

エッタはその後何も言わなかった。薬が効いてきたのか、そのまま眠りについた。
オットーはエッタの言葉に妙に引っかかるものがあった。
が、しかしそれが何なのかよく分からない。
オットーは思う。
…今はただ、一日でも早くサンドリアに辿り着く事が先決だ。
色々と考えるのはそれからでもいいだろう。
多分、それからは考えることが一杯ありすぎて、とても辛い日々が続くと思うから。

                                         続く

356 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 03:18 [ w0oRf9aY ]
キ・・キタァ―!!!
まっててよかった―!

357 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 03:43 [ 4dy6x/bw ]
>>353
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/tboard007/tboard.cgi

ここ行ってこい。爺さんの日記はここだ(`・ω・´)
漏れもここでの復活待ってるんだよなぁ…Recollection。

まぁ第1話から残さず保存してるんだがな(・∀・)

358 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 11:07 [ xwSfI6V. ]
トットきてたぁぁぁー!
ワショーイ!!

359 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 11:10 [ xwSfI6V. ]
トットってなんだよトットって・・・・シャントット様かよ。
トッパね。すまん、ミス
はぁ・・・吊ってこようっと

360 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 16:36 [ JQVz0B0Q ]
いまさらでつが、タルタル戦士を1話から見てきました。
なんとなくマスターキートンを思い出しました。
伏線の張りかたに関心しきりです・・・

361 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 20:29 [ 1.m4OkJE ]
ttp://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
可能な限り更新してある。途中で力尽きたが。
うp板(避難)にあげてあるものと同一。
樽戦に挿絵いれたら500kオーバーで上げれなくなった。

絵師様降臨きぼん。ついでにage

362 名前: らて 投稿日: 2003/04/25(金) 20:55 [ B2vhJGyE ]
あんなのでよかったらまたがんばります

363 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/25(金) 21:35 [ 7.uc34Ak ]
らて様きたぁぁぁー!
ワショーイ!!

364 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/26(土) 00:10 [ yNWxi2n6 ]
>>361
乙カレー!
挿絵がすごい(・∀・)イイ!!

365 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/26(土) 00:59 [ gwiKVB8o ]
>>357
補完完了であります!

うp避難板お気に入りに登録忘れてたよ…

366 名前: この手で掴むものを夢見て 投稿日: 2003/04/26(土) 17:19 [ bGh8zRmQ ]
 のんびりと、ゆっくりと。
 旅をしたいと思ったの。
 この小さな手で、切り開いていけるものがあるのか。
 試して、みたいと。

「ねェ、ミュゥ。わたしはどこまでいけるかなぁ」
 愛猫の背を撫でながら、ベッドの上で寝返りをうつ。
 小さな屋根裏部屋。お気に入りのサイドデスクの上には端切れのぬいぐるみ。
 湖で拾ったきれいな小石は、誕生日祝いの黄銅の小箱の中にしまってある。
 狭くても、小さくても、居心地のいいわたしだけの空間。
 ずっとずっと、ここで過ごしていくとおもっていた。

「ねェ、わたしは、何を見にいくのかなぁ……」

 そのときは分からなかったの。

 旅をすることは、いろいろなものから、離れることになるってことを……。

367 名前: この手で掴むものを夢見て 投稿日: 2003/04/26(土) 17:20 [ bGh8zRmQ ]
 わたしはララミューティア。ミスラ族としてうまれた。長くて毛並みのいい尻尾と、
ぴんと立った三角の耳が自慢の、そこらじゅうによくいる、ふつうの女の子。
 星の子のうまれる土地、ウィンダス連邦が、わたしの故郷。
 タルタル族のお友達と大して背の変わらなかった頃から、おんなじ背丈の先生に叱られ
て暮らしてきた。
 ごくごく当たり前の生活。水の郷、森の郷。自然に恵まれた、素敵な故郷。
 不満もなく、幸せに、のんびりと暮らしていたっけ。

 旅をするきっかけは、そんな日常の、会話から。

 ある日、お母ちゃんがいったの。
『私たちは、故郷から遠く旅してここに来たのよ。ミスラの本当の故郷は、此処ではない
の』
 ふしぎなくらい、わたしは『本当の故郷』に、あこがれた。

 それから、そんなに時間は必要なかった。わたしは剣を、あるいは弓を持ち草原に向
かった。
 体力がついたら、獣人達を狩った時に拾ったものを競売に出したり、小銭を集めて、鎧や
盾を買い集めた。
 小さいころから、獣人達の目を盗みながら、遊びには出ていたけれど。
 もっともっと、遠くに。
 あこがれの『故郷』に、近付きたくて。

 毎日傷だらけ、泥だらけで走り回った。
 お気に入りの黄銅の小箱は、机の中にしまいこまれたまま、開く事もなくなった。
 埃を被った端切れのぬいぐるみ。
 わたしのいない部屋で、居眠りをする愛猫は、いつしかわたしよりも部屋の主のように
ふるまっていた。

 わたしの日常は、いつのまにか戦いに、染まっていた。

 お母ちゃんや友人達の心配をよそに、私は毎日、日が暮れるまで、街の外に出ては、
戦いにあけくれていた。
 こわい思いも沢山した。あと少しで、本当に死ぬんじゃないかと思った事も何度もある。
 でも、わたしは、少しずつでも前進している、と実感していた。それは、ほんの少しの
自信につながっていた。
 だから、日に日に無口になっていくまわりの人達の、その気持ちを、考えることなんて
……できなかった。

368 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/26(土) 17:24 [ opQno0aI ]
神様達のお出での時にへっぽこ書いてすみません……。
いちおう、ミスラ少女の冒険を少しずつ書いていくつもりですが……。
どの程度のペースかはちょと謎です^^;

ジラ発売でのんびり進行になるかも、ということで多少の燃料投下になればと思います。
もすこしだけ、お付き合いくださいませ……。

369 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/26(土) 18:34 [ BcShtYwI ]
ああああああああああああああああああ
良い話っばっかりだYO!!!
毎日このスレチェックしてます
作者のみなさんいつも読み応えある作品ありがとおおおおおお!

下がってるんで
ageときます!

370 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/26(土) 23:24 [ TBDG39Vs ]
ここ読んでいると自分も何か書きたくなってきます・・・
そこで才能のという壁にぶつかるわけですが

371 名前: 業の物語 「カルマ」 @初投稿 投稿日: 2003/04/27(日) 00:47 [ ftslhlYw ]

私の名はコロナ、冒険者だ。
先日、私はエルシモ島にあるミスラ達の村『カザム』へと行った。
つい最近、エルシモ島とジュノを結ぶ航路の航行が再開され、カザムの村は冒険者で賑わっていた。

殆どの者が、未開の地への好奇心で、新たに開かれたダンジョンへ向かう者達だったが
私は知人の冒険者に頼まれ、村のスケッチをしに来ていた。
ふと、思い立ち私はカザム族長の元を訪ねた。


・ ・ ・ ・ ・ ・

「初めまして、コロナと申します」
「コロナ……貴方の話は、風の噂で聞いている。
 冒険者の傍ら、絵や小説などを書いているそうだな」
「ええ。 今日も、友人に頼まれてエルシモの自然をスケッチしに来ました」
「ふむ…」

族長は少し考える仕草をして、こう私に切り出した。

「冒険者よ、私達カザムのミスラに伝わる、ある物語がある。
 それを貴方に書いて頂けないだろうか?」
「え… 私が、ですか?」
「ああ。 その物語は我らの戒めの物語でもある。
 …物語では無く、現実に起こった出来事なのだが…
 カザムにはそれをしっかりと形に残し後世に伝える必要がある。
 だが、それが出来る者がここには居ない。 そこで、貴方にお願いしたい」
「・・・・・・・」

私は少し悩んだ。
物語には興味が有ったが、戒め・・・?
現実に起こったことだともいう。
私みたいな一介の冒険者が書いて良い物なのだろうか?

「…書くかどうかは物語を聞いてからでもいい。
 なんだか久しぶりにこの話をしたくなったんだ」
「…お聞かせ下さい。 その戒めの物語を」

族長は頷いてから、そっと話し出した。

「それは幾年ほど前の話だろうか…



−−−−−−−−−−−−−−−−
お初です! ずっとROMってましたが、触発されて書いてみました。
皆さんの意見次第で続きは闇に葬ります(´・ω・`)
神多すぎてこんなの恐縮です゚・(ノД`)・゚・
ちなみに、カルマとは業の意。

372 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/04/27(日) 01:07 [ OzDS.pjo ]
神々の間に間に恐縮ですが、思いついたら投稿してみます。
タイトルは「コラル・ソング」
お話の寄せ集めになりそうでつ(゜-゜)
よろしくお願いいたします。

-------------------

「雨の童話」

剣のぶつかり合う硬質な音が、森に響き渡る。
ジ・タの美しく深い針葉樹のこずえを抜けて、
光の針のような雨が休まず降り続いている。

目深にかぶったフードを指先で持ち上げて、
アルルは先ほど火にかけておいた鍋を覗きこんだ。
そして茶葉を入れた湯呑みに熱い湯を注ぎいれ、一息つく。
その様子を見つけ、傍のテントから顔を出したカルニ・コロニも
自分のカップを持ち出していて、アルルに差し出した。

「ボクにもちょうだい。ミルクとお砂糖もあるよ」

小さなふたりはか細い火を囲んで、ちょこんと座った。
剣の音は続いている。

「やってるやってる……」

キャンプの手前、開けていて少し雨の強い岩場で
タルタルのブラン・ダルジャンとエルヴァーンのプラトーが
日課の手合わせをしているのだった。

ブランが小さな体でプラトーを執拗に追い詰める。
だが、プラトーは長剣の先でブラン・ダルジャンの突きをあしらうと
緩くはない風を背にして立つ。

「なんでそういやらしいかね?」

ブランは顔に掛かる雨を拭いながらいまいましそうに
常時風上に立つプラトーに剣で指差した。
プラトーは黒い剣を上段に構え、ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべている。

「たかが遊びに……さぁ!」

ブランは声を荒げると、両の膝当てを不意にむしりとった。

「はっ、兜の次は膝か!」
「重いんだよっ! 次はおまえを脱がしちゃる!」

ブランはプラトーめがけ、とりゃああと切りかかる。

「ぬかせ! 戦闘ごとに鎧を脱いでたら……あれ?」

剣に重みを感じた瞬間、
足もとにいるはずの、ブランが見当たらない。

「はっはっは!」

得意げな笑い声は、プラトーの上方からだった。
長剣を足場に、こずえに駆け上ったのだ。

「やーいうすのろエルヴァーン。ここまで来てみろーい」
「サルか。おまえは!」

そんなふたりを尻目に、のっしのっしと巨体を揺らして、
肌を晒したガルカの戦士がプラトーの傍らに立った。

「ああ、雨は、いい……」

そうつぶやくと、おもむろに背負っていた両手斧を振り上げると
かつーん、こーん。

「クレイン! ば、ばかやろーーー! やめろおおよおおお!」

ブランは今にも切り倒されそうな針葉樹のこずえにひしと抱きつき、
なぜか「蚊トンボ」と呼ばれるクレイン・フライの巨大な斧めがけて
針のような葉をむしりとって投げる、というささやかな抵抗を試みた。

「こんな〜日は〜、オレは〜、木こり〜〜」
「ひええええ」

373 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/04/27(日) 01:08 [ OzDS.pjo ]
アルルとカルニ・コロニはそんな戦士たちの様子を
遠目からにこにこ見守っていた。

「にゃははは、たっのしそうねえー」

火を囲むふたりの肩を、しゃがんでぽんぽんと叩いてきたのは
テセラ・ディアスタシス。

「ブラン・ダルジャンは、ありゃあ騎士にしとくの惜しいやねー」

テセラはミスラのシーフだ。

「本気な時だってむちゃくちゃな戦闘するし、
 だいたいもともと騎士には見えませんし……」

カルニはにっこり笑って答えた。

囲んでいた火が弱まっている。
アルルは片手を湿った薪にかざした。
炎が突然、意思を持ったように膨れ上がり、やがてよい形で落ち着いた。

「ぶわ!」テセラが飛び上がって退く。
「あ、ちょっと強いかな……? 大丈夫です。わたしがやったの」
「あ、ああああ……」

カルニが感心して、アルルを見つめている。

「なんだい、できるんじゃないか、魔導士!」
「はい?」アルルは顔をしかめているテセラに尋ねた。
「いや、この間さ、スティアのオタンコナスに、
 寒いから火をおこして、って頼んだら、あの娘、
 『マナをそんなことに使うなんて聞いたことないですよ?』だって」
「あ、あはははは」
「自分はブレイズ・スパイクであったまりやがってよー?」
「あったまりやがってましたか……」カルニも笑っている。

「火はいいよね。アタシ、こんなふうに火を見てるの、大好きだ」
「ボクもです」
「わたしも……」
「昔、ウィンダスで世話になってたタルタルのばっちゃまから
 火の前でいろんな昔話を聞いたよなー」
「へえ」
「どんなです?」
「いろいろさ。ノーグの海賊に嫁いだ人魚の悲しい話とか、
 世界中を旅して回ったサンドリアの貴族の話とか……」

テセラは黒い鼻を空に向けて、懐かしそうな表情で目を閉じた。

「そうだ。最初に魔法を使ったタルタルの話、してあげるよ」
「最初のタルタル?」
「んとね……小さな種族が始めて魔法らしきものを使ったときの話だよ。
 ちょっと残酷だけどね」

374 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/04/27(日) 01:09 [ OzDS.pjo ]
──昔話はこう語る──

神の扉に到ろうとした、ヴァナ・ディールの古代人。
神さまはそれを怒って、古代人の都を滅ぼしてしまった。
女神アルタナが嘆きの涙をこぼして、
その五つのカケラが、アタシら今ヴァナ・ディールに住む
五つの種族の始まりになった……それは誰でも知ってるよね。

で、お話はそのへんのことさ。
タルタルは北方から、何者かに導かれてミンダルシア南方
今のウィンダスに定住したってことになってるだろ?
そしてそこで、魔法を天から賜った。
魔法の力を得たタルタルは、その時ヴァナ・ディールで
最も強力な力を持つに至った。

それじゃあ、最初の魔法、それはどこから来たの?
天啓を受けたタルタルが始まり、ってことじゃあなくて、
魔法の始まり、最初の最初。

アルタナの涙は、五つの種族になりました。
そのなかでも、最も力弱く、体も小さかったのがタルタル。
タルタルは、そのころまだお互いの言葉も通じなかった
ガルカやヒュームやミスラやエルヴァーンの
格好の餌食だったのでした。

おっと、顔をしかめちゃいけない。
獣の心を持つ時代がアタシたちにだってあった、ってこと、
絶対忘れちゃいけないって、ばっちゃんが言ったよ?

いまでこそ、元気でかわいいタルタルだけど、
そのころは森にいるウサギやなんかと一緒だよ。
いつだって狩られる側。おそろしくて巨大な別の種族が、
腹をすかせて自分らをじっと見てるんだ。

あるとき、子どもを抱えたタルタルが、大きな種族につかまった。
これがどの種族かってことは、ばっちゃまは言わなかった。
大きな種族は、タルタルの女を食べようと、
なまくらな剣で小突き回した。
タルタルの女は子どもを抱えて、一心に逃げた。
でも、歩幅も違うよね。相手の力は本当に強かった。
タルタルの女は動けなくなり、子どもを抱えて震えていた。
そのころ、馬鹿でただ残忍だった大きな種族は、
そんなタルタルの母親の両腕を切り落とした。
母親に抱えられていた小さな子は、母親の体から離れた両腕に抱かれて
地べたで泣いていたって。

タルタルの母親は食べられてしまった。
そして、次は子どもの番。
大きな種族は動かなくなった両腕にくるまった弱々しい赤子に近づいた。
すると、そのとき、どうだ。
切り落とされた二つの腕が、タルタルの子どもを強く抱きしめた。
大きな種族はたまげたね。だって、どんなに知恵が足りなくたって、
切り落とした手が動くはずなんかないって、誰だって知っているからさ。

二つの腕は、まるで生きているみたいに、
そうちょうど、いまアンタたちが魔法を詠むときみたいにさ
子どもを真ん中にして、光を集めたんだって。
そして、子どもを宙に浮かべて、大きな種族から遠く遠く、
ミンダルシア大陸の真ん中まで、子どもをすっ飛ばしたんだってさ。

その光が向かう先を、林や岩場の影から、小さな種族は見ていたんだね。
だからタルタルはみんな、ミンダルシアに向かったのさ。
そこで、天啓を受けるタルタルが出てきて、ウィンダスは魔法の国になる。

……で、ここからは、ばっちゃんの推理だ。
その子ども、名前は「サルタ・バルタ」って言うんじゃないか、って。

面白い話だろ? ま、タルタルじゃないアタシたちにゃ
ちょっとバツが悪いけど。

でも、ばっちゃんがこんな話をしてくれたのはさ。
魔法って、護る力だってことなのかな。
それでさ、敵にしろなんにしろ、誰かを狩る力ってのはさ。
獣の心が、絶対に潜んでるんだよね。どんな大義名分があったってさ。

剣士になりたいって思ってたアタシは、タルタルを食べちゃうような
獣の心が怖くてさ。
でも、うんとこ若いうちに故郷を出ちゃうアタシらミスラには
なかなか護るものって見つからなくってさ。魔法の才もなかったし。
だから、シーフやってんのさ。ずるいんだけど、心に嘘はないんだよ?
……って、アタシの話じゃなくってさあ。

375 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/04/27(日) 01:11 [ OzDS.pjo ]
ジ・タの雨は止まない。
カルニ・コロニは黙って立ち上がり、
向こうの岩場で相変わらず騒いでいる三人の戦士を見やった。
膝をすりむいているプラトーにむかって、小さな声で癒しの魔法を唱える。
プラトーは気づくと、笑って手を振った。

「ばっきゃろー! ケアルすんじゃねえ!」

まだ木の上にいるブラン・ダルジャンがじたじたと飛び上がって怒っている。

「アイツは……獣の心だ」カルニは苦い顔をして、再び火の脇に座りついた。

アルルは揺らぐ火の中に、主のいない腕に抱かれた赤子が
空に虹の光をかけて、懐かしいサルタバルタに降り立つところを見た。

母親の胸のような形をした木々に、赤子が夢中でしがみつき、
本物の腕を探して泣き叫ぶ場面までもを思い浮かべた。

「面白くなかったかい? アルル」

強ばった表情を崩さないアルルを心配してか、テセラが声をかけた。

「昔話さ。難しく考えるでないよ?
 アンタの力は、戦う力だもんねぇ」
「戦って、ボクらを護る力だよ」

カルニがアルルを見つめた。
優しい心遣いがあった。

アルルは冷めてしまった紅茶をすすった。
頭の奥で、いつもの声が聞こえる。

──ここにおいで。世界は、本当に美しい──



コラル・ソング 「雨の童話」 おわり


思いついたらまた続きます・・・長文スマソ。

376 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/27(日) 08:52 [ NvwxSXvw ]
作者さんたち・・・
頼むから途中でやめないでくださいwwwwwwwwwwwww
続きがきになっていつも見てるんですからwwwwwwwwwww
完結させましょうよwwwwwwwwwwwwwwww
応援しますからwwwwwwwwwwwwwwwwwww

377 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/27(日) 12:28 [ WUPTU3mw ]
「名無しの話」の1の1 −弁当−

とあるパーティー。
午前中、また〜りとしたペースだったが良い獲物が狩れ、日も高くなったので昼食を取る事にした。
「にゃんにゃんな〜♪」
パーティーの料理番でもあるミスラシーフが手際よく獲物の肉を切り分けてく。
ガルカ戦士に預けてた皮袋には調理器具一式や調味料も入ってる。
野菜はそこらの食べられる野草だ。
「最近レパートリー増えたにゃ〜。今日はみんなにお披露目にゃ〜」
フリフリと揺れるシッポとお尻。ピンとしたヒゲと耳が彼女の上機嫌を示してる。
他のメンバーも何が出来上がるのかと期待の目で眺めてる…が。
胡座をかいて座るガル戦がなにやら自分の皮袋をごそごそと探ってる。
もちろん、ガルカ用の皮袋だからタルタルの二・三人は入りそうなサイズだ。
「?ガルさん捜し物?」
ヒューム戦士が気付いた。
「んー、弁当がなぁ…見つからんのよぉ」
「「「「「弁当!?」」」」」」
みんなが一斉にガル戦を向く。
「んにゃ〜ガルさん、弁当持ち〜?。アタシの料理はイヤにゃか?」
悲しそうにガル戦を見るミスラ。耳もヒゲもシッポふにゃりと力を無くしてる。
「あー、じゃなくてぇ」
違うという意味で手を振るガル戦。本人はプルプルと振ってるつもりだろうけど、ブンブンと唸りが聞こえる。
「一度みんなにもガルカの郷土料理を食べさせたくてなぁ。もちろんミスラの料理は頂くよぉ。美味しいから大好きだよぉ」
「ほんとかにゃ!だったらガンバルにゃ!味比べだにゃ!」
あっさりと機嫌が直るミスラ。
肉だ野菜だ調味料だと忙しく調理を再開する。
「んー、ないなぁ」
皮袋を探るガル戦の両脇で、タルタルの白と黒がキラキラと大きくままるっこい瞳を輝かせてる。
「おべんとうだって〜」
「ガルさんつくったの〜」
小さい身体で一生懸命背伸びして、皮袋の中を覗こうとするタル白タル黒。
けど、袋の口は二人の頭よりずっと上にあって全然覗けない。
「ガルカの郷土料理って何だっけ?」
となりのエルヴァーン騎士へと聞くヒュム戦。
「さあ?私はエルヴァーンだ」
「そりゃそうだ」
納得して頷くヒュム戦。
「ねぇねぇ、まだー?」
「見つかったー?」
ぴょんぴょんと跳びはねるタル白タル黒。
この二人の興味は完全にガル戦の弁当へ向いてる。
「むー」
腕を組み、頭を捻るガル戦。
「ないのー?」
我慢できなくなったのだろう、タル白がガルカの太腿へと這い上がり、袋を覗こうとする。
「お?」
クリッとガル戦の頭がタル白へ向く。
「え?」
見上げるタル白。
二人の目と目が合う。
ニマア〜。
ガル戦の口の両端が弓の様に吊り上がって笑みを形作る。
それは、夜中に思い出したらトイレに行けなくなりそうな微笑みだった。

−続く−

378 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/27(日) 16:37 [ PhQQLAmY ]
わー、新しい話が沢山あってすげー嬉しいですだ!
みんな続き書いて欲しいだ!ガル戦もニマアっと笑ってるだ、って怖っ!!
人に催促するだけじゃあれなので、自分も場繋ぎ文を晒しますyp。

>>352
あなたは何も悪くないだ。私もうp板が飛ぶとは思ってなかっただ。

379 名前: 空に奏でる君の歌7 投稿日: 2003/04/27(日) 16:37 [ PhQQLAmY ]
「――ヤグード?」
二人の少女は、それぞれ離れたところで同じように声を上げた。



時間は少しだけ遡る。

調べものがあるというビアナナは、図書館へ。
ならば自分は腹ごしらえでも、とチリリは水の区にある馴染みのレストランへ
足を運んだ。
ウィンダスティーにトルティーヤ。
美しい竪琴の音が慎ましやかに流れる中で、チリリはお決まりのメニューを頬張る。
至福の時だ。
懐かしい曲がリフレインし、最初にこの店に訪れた時のことを思い出す。
あれは――初めての夢に破れたときだった。

ドタドタドタ、バタンッ!

回想に耽る間もなく、レストランの扉が乱暴に開いた。
「どうしようどうしようどうしよう」
独り言にしては大きな声で繰り返し、青年はカウンターの前を
せわしなく歩き回っている。
「ランピモンピさん、どうしたにゃーん?」
給仕のミスラが声をかけると、彼は一瞬救いを求めるような視線で見上げる。
が、またすぐにうろうろと歩き出し、ついにはそのまま店の外へと出ていってしまった。
「変なランピモンピさんにゃ。」
「放っておいでよ。どうせまた調理ギルドで失敗でもやらかしたんだろ。」
カウンターの奥から、店主が声を張り上げる。
どうやら心配するほどのことじゃなさそうだ。
「……ごちそーさまっ。」
チリリは軽く礼を言うと、足早にレストランを後にする。
心配なんかしてないよ。
だけど、何がどうしようだって――?

「ああ、どうしよう。どうしたら……」
レストランから程近い橋のほとりで、彼、ランピモンピは途方に暮れていた。
「ちょっと、そこの人!」
チリリが勢いよく平手で青年の背中を叩く。ひゃっ、という悲鳴が彼の口から漏れた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさーい!」
「ちょっとぉ。何謝ってんのさ。
 あたしはただ、あんたの話を聞きに来ただけだってば。」
「……ボクを怒りにきたんじゃないの……?」
「あんた、怒られるようなこと何かしちゃったわけ?
 この冒険者のチリリ様にどーんと話してごらんなさいって。」
チリリが得意げに胸を叩く。
青年は、冒険者?と小さく聞き返すと、突然チリリの両腕を掴んで叫ぶ。
「冒険者さん、お願い!ボクを……ううん、ウィンダスを助けて!」
「はあぁっ!?」

380 名前: 空に奏でる君の歌7 投稿日: 2003/04/27(日) 16:38 [ PhQQLAmY ]


ところ変わって――ここは目の院付属図書館。
正式には、国立魔法知識研究関連図書保管館、云々というそうだが、
ウィンダスで図書館といえば、ここのことでしかない。

ビアナナは、一冊の古めかしい本に読み耽っていた。
チリリが見たら数行で断念するような、難しい記号の並んだ本である。
この席について、まだ30分足らず。
だが、既にビアナナはその分厚い書籍の半分近くまで読み進んでいた。

ずっと気にかかっていることがある。

「……これに似てたかしら……ううん、違う。」
あの時、目にした魔法の残骸。
今でも鮮明に覚えている。
遺跡での魔道球の実験。あれは、一体何の実験だったというのだ。
精霊魔法や暗黒魔法、或いは回復魔法などの白魔法、そして赤魔法。
例えそれが自分の知らない高度な術だとしても、属性位は検討がつく。
しかしあの時、ビアナナにはそれすらわからなかった。
だから、目に焼き付けた。

あれは、何だ。
あの方は、何をしようとしていたのだ。

ビアナナは一心不乱に、頁を捲り続ける。
だが、ここに手掛かりになりそうな知識は、なかった。

「ムム。」
急に背後で誰かが唸り、ビアナナは慌てて振り返る。
「あっ。」
「そこのキミはハイクラスにいた……ビアナナ君ではないかね。」
「……はい。ご無沙汰してます、院長。」
立っていたのは、目の院院長トスカポリカであった。
「冒険者になったというのは、本当のことであったか……。
 キミが、当院ではなく口の院を志願したと聞いたときも驚いたが、
 それも返上して冒険者になったとは、人生わからぬものだのう。」
ビアナナは苦々しく笑い、すみません、と呟いた。
目の院の研究者になりたい。そう思って図書館に通った幼い日々を思い出す。

「冒険者か……そうだ、丁度いい。仕事を受ける気はないかね。」

木造の階段を上りきり、ビアナナはその部屋の前に立つ。
小さく折り畳んだメモを今一度広げて確かめる。名前はオルン、と。
軽く深呼吸して、少女は扉をノックした。
「……はい。おや、君は?」
中からヒュームの男が不審そうに顔を覗かせる。
「オルンさんですか?
 あの、目の院からのお遣いで来ました。……これを。」
ビアナナは男に一通の封を差し出した。貸出し図書の返却催促状である。
目の院と聞いた男は、納得した様子とそして困った表情でそれを受け取った。
「実は……言い出しにくいことなんだが、」
オルンは重い口を開いて言う。
「あの本はもう、私の手元にはないんだ――」

381 名前: 空に奏でる君の歌7 投稿日: 2003/04/27(日) 16:39 [ PhQQLAmY ]



実は、ボク。ヤグードへの献上品のひとつを間違えてしまったんだ。

実は、ヤグードに襲われて逃げたときに、本もなくしてしまったんだ。

飲み物が違うとバレたら、ヤグードは怒って友好条約を破ってしまうかもしれない。

お金を集めて弁償するから、もう少しだけ返却を待ってもらえないだろうか。

え?本をなくしたらどうなるか?国の大事な財産だし、お金なんかじゃすまないよ。

だから、お願い。ヤグード達が気付く前に飲み物を取り替えてきて欲しいの。

そんなことより、早く本を返してもらってね。まさかなくしたわけじゃないよね?




「あぁ、ビアナナ。」
桟橋を歩いてくる幼馴染に気付いて、チリリは力なく手をあげた。
呼ばれた幼馴染も、なんだか疲れた様子で手を振っている。
「チリリ、あのね。私、」
「ビアナナ、あのね。あたし、」

「――ギデアスに行くことになっちゃった。」

少女たちは互いの声に驚いて、顔を見合わせる。
「あんたも?」
「う、うん。チリリもなの?」
二人は大きく息をつく。
「なんだか、厄介なことになっちゃったなあ。」

冒険者となってまだ十日余り。
片や、ウィンダスを危機から救うため。
片や、知識の守り手となって。
新米冒険者二人組は、ヤグード族の治める地ギデアスに踏み入ることとなったのである。




つづく。

382 名前: 業の物語 「カルマ」 投稿日: 2003/04/27(日) 19:48 [ ftslhlYw ]

カザムにディオ・カンバネルという名のミスラが居た。
ディオは村の者から変わり者扱いされていた。
なぜなら、
彼女はミスラの母とエルヴァーンの父を持つハーフだったのだ。
名は確か、母がディオ・コローネル、父はスフォルツァと言った。

異種族のハーフなど、信じられない方も居られるかもしれないが・・・
ヴァナ・ディールの地図を作り上げたグィンハム・アイアンハートもヒュームながらにエルヴァーンの女性と娘をもうけている。
ご存じの方も居るだろう。 グィンハムの足取りが掴めなくなった後、父の偉業を継いだ娘、エニッド・アイアンハートの名を。

…異種族の者と交わる事はミスラの禁忌に触れる。
ディオと彼女の両親も例外では無く、捕らえられカザムから追放されてしまった。
生まれてそう日も経たないディオを連れた二人が身を潜めたのは村から南へ向かった、ユタンガ大森林。
そこは鬱蒼とした深い緑に囲まれた天然の迷路… その上、ここにはありとあらゆるモンスターが息づいている。
常人ならば生きて出ることはもちろん、この深い迷路に迷い込んだら何も起こらないで居るのは奇跡に近い。

だが、コローネルとスフォルツァは違った。
二人は腕の立つ《冒険者》だったのだ。
コローネルのミスラ特有の俊敏さ、エルシモで育った土地勘が三人を迷路の中で迷わずに居させてくれた。
スフォルツァは幼い頃から騎士になるための訓練を受けていて、戦いの技術に長けていた。
二人の才能と技術を合わせれば愛する我が子をここのモンスターから護るのには十分な力がある。
実際、二人はそうしてディオを護っていた。 ……あの出来事が起こるまでは。


今から50年程前、天晶暦863年…


クリスタル戦争の勃発である。
コローネルはウィンダスの、スフォルツァはサンドリアの冒険者及び兵士として各国に登録されていた。
基本的には、冒険者の肩書きで世界中を回っているが。
戦争勃発の色が濃くなった頃、ディオ一家は当時の族長から村に呼び出された。



つづく(かもしれない)

383 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/27(日) 21:19 [ WUPTU3mw ]
「名無しの話」の1の2 −材料−

悪寒を感じた白タルがガル戦の太腿から飛び降りるより早く。
ワシッ!
巨大な手がタル白の頭を鷲掴みにした。
「ピッ」
悲鳴を上げるタル白。
「なんだ、こんなトコに新鮮なのがあったぁ」
「ボクちがう!ボクちがうー!!」
振り解こうとする白タルの耳元に、低い囁きがある。
「大丈夫、一口だけだからぁ」
「ヒキッ」
涙目になりながら、恐る恐る視線を送るタル白。
そこにはガパッと開いた巨大な口があった。タルタルぐらい一飲みにしそうな、鋭い牙の並んだ口が。
「!○▼×□!!」
泣きながらジタバタと短い両手両足を振り回す白タルへゆっくりと口が迫る。
赤い舌がチロチロと、おいでおいでをするように蠢いてる。
「ピーー!」
タル白の恐怖が最高潮に達した時。
ボクン!
鈍い音と共に、ガル戦の手が緩んだ。
ボテッと地面へ落っこちるタル白。
目の前にはエル騎士がいる。
音は、エル騎士が盾の角でガル戦の頭を叩いた音だった。
ちなみに、シールド・バッシュという技だ。
「仲間を食うな」
「ミィィー」
エル騎士の脛にしがみつくタル白。
しかし。
「…旨いのか?」
少し興味を含んだエル騎士の言葉に。
「ピーーーーーー!!!」
タル白は涙の尾を引いて逃げ出した。

−続く−

384 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/27(日) 21:36 [ WUPTU3mw ]
「名無しの話」の1の3 −冗談?−

「…逃げたなぁ…」
「ああ、逃げた」
「……冗談だったのにぃ……」
「ああ、冗談だった」
ギュンギュン小さくなっていくタル白の背中を見送るガル戦とエル騎士。
「おまえらなぁ」
二人の頭をボコンボコンと剣の平で叩くヒュム戦。
「冗談にも程があるぞ!見ろ!」
指し示すヒュム戦。
ガル戦の脇ではもう一人、タル黒が真っ青な顔で硬直してる。
「可哀想に」
抱え寄せるヒュム戦。優しくその頭を撫でてやる。
「連れ戻してこい」
それはエル騎士に向かっての言葉だった。
「私が?」
「おまえが!」
「誰を?」
「タル白を!」
「なぜ?」
「わからんのか!?」
「…」
なにやら考え込むエル騎士。
「おまえ、飯抜き!」
ビシッと指さすヒュム戦。
「……」
悲しそうな顔をするエル騎士。へたりと背中が曲がり耳がたれる。
「さっさと行けー!!」
ヒュム戦に怒鳴られ、エル騎士はようやくタル白の後を追った。

「んー、冗談だったんだがなぁ」
ポリポリと顎を掻くガル戦。
「質が悪過ぎだ!」
「そう?」
小首を傾げてみせるガル戦。
ぜんっぜん可愛くない。
「じゃあ、今度は本当の弁当」
またゴソゴソと皮袋を探るガル戦。
「「…」」
タル黒は怯えたまま。ヒュム戦は疑わしげな目つきをしてる。
「ああ、あったあったぁ。ほらこれ、本当の弁当」
スボリ。
それを皮袋から引っ張り出すガル戦。
とたん。
「フキャッ!」
ばったりと倒れ込むタル黒。
ガル戦が引っ張り出したのは、色を失った肌と力の抜け具合から明らかに死んでるとわかるタルタルだった。。

−続く−

385 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/27(日) 22:56 [ ss3rE9AA ]
「名無しの話」面白い〜
ドライな作風がなかなか良いです。続き楽しみです。

386 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/28(月) 04:15 [ ENLjMRXc ]
「名無しの話」の1の4 −マンドラタン−

「!!」
なんてことしやがる、と怒鳴りつけようとしてヒュム戦は気付いた。
違う。タルタルじゃない。
よく見れば、それはフンニャリと逝ってしまってるマンドラゴラだった。
ご丁寧に、タルタルの服を着せ、帽子を被せてある。
「…」
ヒュム戦はふと思い出すものがあった。
「…昨日古着屋に寄ってたな…」
「なかなかいいだろぉ」
マンドラゴラに着せた服を摘んでみせるガル戦。たしかに、赤白の色の具合が可愛らしいのだけど…。
「さっきの休憩で一人離れてたのは…」
「んー、丁度いいのがいたからチョットこづいて取ってきたぁ」
その後わざわざタルタルの服を着せて持ってきたのか…。
確かにピッタリのサイズだ。
「…で、それを食べるのか…」
「まさか。マンドラゴラは不味いんだぁ」
苦いものを食べたように顔をしかめるガル戦。
「…不味いのか…」
食べたことあるんかー、とツッコミを入れるかどうか迷うヒュム戦。
それを言ってしまうと、ひじょーに嫌な世界を知ることになってしまいそうな気がする。
とりあえず、思考の方向を修正しよう。
「…じゃあ、このためにか?」
ショックで気絶したままのタル黒を指さすヒュム戦。
「んー、ピリッと辛目の冗談のつもりだったんだけどなぁ」
「質が悪過ぎだっちゅーとろーが!」
「んー」
ヒュム戦に怒られ、残念そうに皮袋へマンドラゴラをしまい込むガル戦。
…持って帰るのか…。
もう見て見ぬ振りをするしかないヒュム戦。
ギュムギュムと皮袋の底へマンドラゴラを押し込み、さらにもう一つへ手を伸ばすガル戦。
「ち、ちょと待て」
慌ててそれを止めるヒュム戦。
「ん?」
「それをどーする気だ、それを!」
ヒュム戦が指さしたのは、いましも皮袋にしまい込まれようとするタル黒だった。
「んー…弁当?」

−続く−

387 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/28(月) 06:47 [ BbARTtbc ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 15節>
 セイル、ガライデッドはウォルフガングに案内され宮殿に向かって右側に
位置する指令室に通された。
 既に部屋の中には対獣人戦に向けての設備が整えられており、各所の
詳細な地図が大テーブルの上に置かれていた。
「ここにジュノ国の全軍事が集約されている。また3国との情報もここに集まる
何かあればここで聞くといい。お前達の部屋は隣に用意する、少し待っていてくれ」
ウォルフガングは2人を残し隣の部屋に向かった。残った2人は
入ってきた場所より一段低く作られた指令室で交わされる
会話を耳にしながら軽い相談をする。
「それで、サレイドとジュディを呼ぶか?」
「ああ、あの2人には悪いが事が事だけに呼ばないとどうにもならない」
セイルはリンクシェルを取り出すと、登録してあるシェル名の中から
各集団の団長と副団長のみ登録することの出来るシェル名を打ち込んだ。
少しの間の後、球面状のシェルの表面に10人の名前と所属国籍
それに現在地が表示される。
「サレイドは下層、ジュディはウィンか。ガライデッド、サレイドの方を
呼んでくれ、俺はジュディに連絡をつける」
「わかった」
ガライデッドがシェルを取り出してサレイドに連絡を付けているのを確認し
セイルは一旦静かな部屋の外に出た。

388 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/28(月) 06:51 [ BbARTtbc ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 16節>
 厚い絨毯の敷かれた廊下は、背後の扉から漏れてくる指令室の音と
ル・ルデから微かに聞こえてくる騒ぎ程度で静かだった。
 セイルはシェルに表示されている名前の中からジュディの名前を選択し
tellモードにして応答を待つ。
『セイル、どうしたの?』
シェルからいつも通りのジュディの声が聞こえた。シェルの向こうからは
ウィンでの祭りの様子が聞こえてくる。噴水の音がするので森の区にある
噴水公園の側に居るのだろう。
「ジュディ、突然で悪いが緑龍のメンバーリストを俺の所に送ってくれ
それと急いでジュノに来てくれないか。不味い事が起こった」
『急にどうしたのよ、何かあったの?』
「…獣人に不穏な動きがあるそうだ、下手をすれば明日の朝にも
大規模な戦いが起こる」
『明日って、あなたわかって言ってるの!?どう見積もっても
後12時間で体制を整えないと無理よ』
シェルの向こうから呆れと怒りの入り混じった声が聞こえてくる。
「それはわかっている。だが今更何を言ってもどうにならない
今は急いで体制を整えるのが先だ」
『……わかったわ。私も急ぐから、先にリストを送っておくわね。
それで、私以外はどうしたの?』
「ガライデッドは近くに居る。サレイドは下層にいるから
ガライデッドが呼んでる」
『そう、後の話はそっちについてから頼むわね。大体の編成は
あなた達に任せるわ』
「了解」
向こうが通信を切った事を確認し、セイルはリンクシェルをしまった。

389 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/28(月) 10:15 [ hg3nXhco ]
age

390 名前: 空に奏でる君の歌8 投稿日: 2003/04/28(月) 12:59 [ ITP2DFTY ]

ウィンダスとヤグード族との友好条約。
それを律儀に守っているのは、ウィンダスの民だけである。
一歩ウィンダスから外に出れば、特にこちらが非力な人間だと見れば、
彼等は何のためらいもなく襲ってくる。
そして、そんなことは外へ出る機会のある者は誰でも知っている。
そう。
最早、条約なぞ成立していないのだ。
頑なに条約を固執する我が国の中心部が、
この現実をどう捉えているのかはわからない。

だが既に少女たちは悟っていた。

ひょっとして、天の塔に住まう彼の方は目を瞑っているだけじゃないのかと。

そうでなければ、ウィンダスは余りにも――危険だ。


……しかし、とりあえずは自分たちが危険だった。
そんなヤグード族の集落へ、二人だけで乗り込むこととなったのである。
不安ならば、人を集めればよかった。
が、そこまで時間に猶予はなかった……ない、と思われた。
ビアナナは、魔法詠唱に必要な精神力を切らすことのないよう、
滋養のある薬品をいくつも鞄に詰める。
片や、チリリは剣を磨いていた。
普段使っている短剣だけではなく、少し年季の入った片手剣も備えている。
この剣を持ち歩くのは、どれくらい振りのことだろう。
昔は上手に使いこなすことが出来なかった。
今もそれほど上達したとは思えない。
だが、きっとこの剣を使うことになるだろう。少しでも攻撃力が必要なのだ。

「……そろそろ、行こうか。」

少女たちは立ち上がる。
パムダム海に、朝日が昇った。



サルタバルタの地で、少女たちは早速ヤグードと対峙する。
相手は戦士のようである。なまくらな剣が、ギラリと弧を描いた。

――勝負!

一寸早く、チリリの剣が相手を仕留める。
魔法の援護も必要なかった。

息をつきながら、黒い屍を見やる。嫌な気持ちだ。
いつ、逆の立場になるかもわからない。
相手を殺すことより、今は単純に自分が死ぬことを嫌悪した。

カツリ、と爪先が何かを引っ掛けた。
鈍く光るそれは、貨幣のようにも見える。
先程のヤグードが落としたのだろうか?
チリリは黙ってそれを拾い上げると、手の上で数回もてあそび、
ポケットの中に仕舞った。

391 名前: 空に奏でる君の歌8 投稿日: 2003/04/28(月) 13:00 [ ITP2DFTY ]


「あ……っれぇ?」
気の抜けた声をあげて、少女たちは立ち止まる。
背後を振り返り、頭上を窺った。
やはり、いない。

「ねぇ、ビアナナ。あたし、道間違った?」
思わず不安になって、チリリは相棒に確認する。
彼女は、ただ首を横に振るだけだった。

怪訝そうに、少女たちはまた歩き出す。
まず目指すのは、宝物庫。
うっかり者の調理人の失敗が明るみに出る前に、
それを回収しなくてはならない。
二股に分かれた道を左に進む。
地図によると、どちらの道からでも行けるようだが、
川を横切らない方を彼女たちは採った。
背の低い自分たちに、その川が越えられるかわからなかったからだ。
遠回りになるかもしれないが、彼女たちは無難を選んだ。
――そして今、反対の道で何が起きているかも知らずに、二人は過ぎる。



ぽつり、とそれは一人で立っていた。

ここに着いて、初めて見たそれは何かの見張りのようだった。
倒すべきか。
少女たちは目と目で話し合う。
いや。
もしも見張りだとして、それがその場で倒れていたとしたら、
明らかに彼等は異変を察することだろう。
二人はまたも無難を選んだ。
まずは気付かれないように洞窟へ侵入しよう、と。
結果、それはいとも簡単にやってのけることが出来た。
何故なら、彼が自らその場を離れたのである。
どうやら遠くに興味を引くものがあったらしい。
しかし、彼は何も手にすることなく、再び配置についた。
「……俺もあっちに行きたいギャ。血の匂い、堪らない……。」
彼の呟きは、チリリたちの耳には届かなかった。
少女たちはもう、その場にいなかったのである。

392 名前: 空に奏でる君の歌9 投稿日: 2003/04/28(月) 13:01 [ ITP2DFTY ]
洞窟の中は埃臭く、よどんでいた。
巨大なミミズが突然顔を出し、そして沈む。襲ってくる気配はない。
ここにもやはり、彼等の姿はなかった。
「おかしい、ね。」
恐ろしいくらいに静かだ。
「昼寝でもしてんじゃないの。」
チリリは冗談めかすが、その顔までは楽観に緩むことがなかった。
異常なまでの静けさが、徒に彼女たちの緊張を煽っている。

程なくして、強固な鉄扉の前にぶつかった。
さて、これをいかにして開けようか。
何の気はなく、チリリが扉に手をついた。途端、彼女の体が前のめりに倒れる。
……扉は、開いていた。


「あいたたたたた、ってもう!」
無用心め、と逆に扉をねめつけながら、チリリは立ち上がる。
目の前に、それが居た。
「!」
息を飲んで殺気立つチリリ。ビアナナが今にも詠唱に入ろうとする。が、
「なんだ、お前等。どこから来た。」
意外にも、そのヤグードはこちらに話し掛けてきた。
不審そうに様子を窺っているが、あからさまな敵意は感じさせない。
そして驚いたことに、彼は――本を読んでいた。
「あっ!それ、もしかして!」
思わず、チリリが声をあげる。
みんなの美術。ヤグードの手にある本の背表紙が見えた。
「ん?なんだ。これに興味があるのか?」
彼は突然現われた小さな生き物が、じっと自分の手元を見ていることに気がついた。
「人間どもは、本当に変わったものを記録している。
 見てみろ、これは何の神の図だ?……俺にはとても理解できん。」
文化の違い、種族の違い、生物としての種の違い。
彼に芸術を理解しろと言っても、それは難しいことだろう。
大体、同じ文化を持つチリリにすら、
ヤグードの広げて見せた抽象画は理解出来なかったのだから。
「……うーーーむ……」
タルタルの少女とヤグードは次々と違う絵を広げ、そして唸った。

393 名前: 空に奏でる君の歌9 投稿日: 2003/04/28(月) 13:02 [ ITP2DFTY ]


ビアナナは、呆気にとられていた。
何しに来たんだろ、私。
取り返すはずの本を、敵と味方が仲良く眺めている。
ビアナナは大きく溜め息をついた。
やれやれ。
ふらりと貯蔵庫の奥へと足を伸ばす。
彼等が絵画鑑賞をしている間に、あっさり献上品は見つかった。
何事もなく袋から瓶を取り出し鞄に仕舞う。
こうして、ウィンダスの危機は回避されたのだった。

「……飽きた。」
チリリが口を開く。
「確かに、飽きた。」
ヤグードも賛同する。
「お前、これが欲しいんなら特別に売ってやる。」
「ええー……」
そんなのいらないよ、と言いかけてチリリは危うく思いとどまる。
要るのだ。
「売るって言われてもお金なんかないし、これで勘弁してよ。」
チリリはがさごそとポケットを漁る。
何か平たい塊が指に触れたので、それをヤグードに突き出した。
「銀貨!」
ヤグードが驚嘆の声をあげる。
「それを!それを早く寄越せ!……ほら、これはお前にやる。」
彼は興奮した様子で貨幣を奪い取ると、嬉しそうにギャギャギャと鳴いた。

上機嫌なヤグードをその場に残し、タルタルの少女たちは扉を閉めた。
「一体、何だったのかしら。」
ビアナナはまだ呆れている。
「それより、あれ、銀貨だったんだ。」
チリリは、まるで損でもしたかのように手の中の本を見つめていた。


帰りもまた、ギデアスにヤグードの姿はなかった。


すっきりしない。
ビアナナは慎重を通り越して、だんだん不機嫌になっていた。
相棒が鼻歌まじりに帰途をたどるのも、癪に障る。
絶対に何かあるのだ。罠か、或いは別の何かが。
気になって、辺りを用心深く見返す。

そして、ついに彼女は見付けた。
――点々と続く、赤黒く乾いた血の痕を。

394 名前: 空にほにゃらら↑ 投稿日: 2003/04/28(月) 13:03 [ ITP2DFTY ]
あー忘れたー。
ここまでで、つづく。です。

395 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/28(月) 19:47 [ 4CSJxnw2 ]
らて星のイラストキター

396 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 00:12 [ O2KLuvmY ]
空に奏でる君の歌 大好き^^
自分もウィンダス出身のタル♀使ってるから
話の情景とかものすごく自分と照らし併せてみて楽しめる
ゲームの内容から少し外れた外伝的なお話の人多いけど
こういった、内容をきっちりなぞる話もとてもいい。
公式の小説とかに向いている話だと思います
3話の関連でいろいろあったみたいですけど、
ネタバレが含まれるのは話上仕方無いと思いますので
このままの路線で頑張ってください。応援してます

397 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 04:21 [ ZwSTO7PI ]
「名無しの話」の1の5 −ピリ辛風味−

「やめんかあぁぁー!!」
 スパァン!
 ガル戦の頭を剣の平で思いっ切りひっぱたくヒュム戦。
 ちなみにこれはシールド・バッシュとは言わない。
 ボスッ。
 弾みでタル黒がガル戦の手から皮袋の中へと落っこちる。
「おっと、いかんいかん」
 皮袋の口を閉じるガル戦。
「締めるなー!!」
 パカーン!
 再度ひっぱたくヒュム戦。なにやら、どつき漫才をしてるような気がしてくる。
 直後。
「キャーー!」
 皮袋の中から悲鳴が上がる。
 タル黒が気付いたようだ。
「キャーキャー」
 ガサガサガサ。
 悲鳴と共に皮袋を這い上がったタル黒が飛び出てくる。
「ミーー!!」
 泣きながらヒュム戦にしがみつくタル黒。
「よしよし、怖かったんだね〜」
 抱き上げて頭を撫でてあげるヒュム戦。ギロリとガル戦を睨み付ける。
「んー、ピリ辛風味の冗談…」
 と言いつつ、ガル戦の太いシッポの先端かブルブル揺れてる。なんだか、楽しそうに。
「限度を超えてる!飯抜き!!」
「え゛」
 硬直するガル戦。
 エル騎士といい、ガル戦といい、どうやら剣でひっぱたかれるより飯抜きの方が余程ダメージが大きいようだ。
「こんなに怯えさせてどうする!」
 ミーミーと泣きじゃくるタル黒の背中を、小さな子供をあやすように撫でさするヒュム戦。
「……じゃあ弁当を…」
 皮袋へ手を突っ込むガル戦。
「するなー!」
 ゲミュッ!
 ガル戦の顔面へ踵を蹴り入れるヒュム戦。
 さすがにこれは効いたらしい。
 ガル戦は地響きを立ててダウンした。

−続く−

398 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 05:43 [ ZwSTO7PI ]
「名無しの話」の1の6 −大団円−

「……」
 タル白とエル騎士が戻ってこない。
「いったいどこまで行ったんだ」
 見回すヒュム戦。
「かえってきたぁ」
 背の高いガル戦の方が先に見付けた。
 指さす方向を見ると、確かに、エル騎士が走ってくる。しかも全速力。
 が、タル白の姿は見えない。
 ダダダー。
 そのまま走り抜けて行こうとする勢いのエル騎士を。
 メシッ!
 その長い首に剣の鞘を引っ掛けて止めるヒュム戦。
「ウゲッ」 
 変な声を上げてひっくり返るエル騎士。
「タル白はどうした、タル白は!?」
 鎧を引っ張り上げて揺さぶるヒュム戦。
 しかし、エル戦はピヨピヨとヒヨコを飛ばして白目をむいてる。
「…」
 急所へカウンターで決まったらしい。
「この役立たず!」
 エル騎士を放り出すヒュム戦。
「かえってきたぁ」
 ガル戦が、エル騎士の走ってきたのと同じ方向を指さした。
 目をこらすと、ち〜いさく白タルが見える。
 こちらへ走ってくる。短い手足で必死に走ってくる。土煙を上げて走ってくる。
 近づくにつれ、少しずつその姿が大きくなる。土煙も大きくなる。
 足音も聞こえてくる。地面も揺れる。
 ・・・トトトトドドドドドドドド。
「ドドドド?」
 嫌な予感が、ヒュム戦の胸に湧き上がる。
「ピーーー!」
 タル白が、涙で顔をグシャグシャにして泣いてるのが判るほどに近づいて、ようやくヒュム戦は気付いた。
 その背後に迫る数十頭の羊と、小山の様な大羊に。
 どおりで土煙が大きい。
「んー、歴史級のスーパートレインだなぁ」
 つぶやくガル戦。
 そして。

 ドドドドドドドプチプチプチプチプチッドドドドドドドドドトトト・・・

 後には、無惨に踏み潰された五人の犠牲者が横たわっていた…。ン…五人?

「出来たにゃ〜。お待たせにゃ〜♪」
 嬉しそうに完成した料理から顔を上げるミスラ。
 盛りも飾りも完璧だ。が、返事をする者は…いない。
「?、みんななんで寝てるのにゃ?」
 首を傾げるミスラ。
「!、お腹空きすぎたのにゃ。大丈夫、アタシの料理ですぐに元気になるにゃ!」
 フリフリとシッポを揺らしながら、それぞれの頭元へと出来たての料理を置いていくミスラ。
『……なぁ…』
『ん?』
『猫ってなにかに集中すると他の事が見えなくなるって言うよな…』
『ああ、盲目的集中力とか何とか…』
『やっぱミスラって猫かな…』
『さあ…私はエルヴァーンだ』
『…そりゃそうだ…』
 ヒュム戦は納得して頷いた。死んでるけど…。

−本日の戦績−

 獲物:獣数頭。
 死亡:五名。
 トレインによる巻き添え:確定不能。
 評価:ブッブー

「名無しの話」の1 −完−


今頃気付きました…ミスラにヒゲは無いのに…。
(゚Д゚≡゚Д゚)
だれも気付いてないよネ、ネ!?

399 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 05:54 [ ZwSTO7PI ]
しかし、エル戦は×
しかし、エル騎士は○
ああ…ミスラのヒゲといい、お詫びのしようもない…
履き込んだザブリガの匂いを嗅いで逝ってきます…m(_ _)m

400 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 06:35 [ odrukvNg ]
>>297
面白かった。
キャーっていう白タルと猫にプチモエですた(*´д`)

401 名前: Seilu (NidgyA2s) 投稿日: 2003/04/29(火) 09:37 [ DCH0FE7k ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 17節>
 シェルの通信を切った後、セイルはふと思おう。
 微かに耳に届く人々の騒ぐ声。その人々の喜ぶ声を、新年を祝い楽しむ人々の喜びを
もう少しで止めなければならない。その後に待つのは、今までの戦いの中で最大の
ミッションとなる戦い。
 傷付く者も居る、恐怖に震える物も居るだろう。最悪の場合、死人が出るかもしれない。
 だが彼ら冒険者は逃げることはしないだろう。彼らは国を、そして家族や仲間を守る為に
冒険者になったのだから。
 セイルは廊下の窓ガラスからル・ルデを見下ろす。新年が明けても祭りは続いており
まだル・ルデには大勢の人々の姿があった。
(……サリア………)
セイルはふと、亡くなった妹の名前と姿を思い出す。多くの冒険者達が
仲間や家族を守ろうとして冒険者になった。だが、セイルが冒険者になった切欠は
妹が獣人に殺された事。国を守る為でも誰かを守る為でもなかった。
 冒険者になって2回目の新年を迎えたが、今でもサリアの事をセイルは時々思い出していた。
 自分が冒険者になった理由は誰を守る為でもない、唯の復讐の為
妹が殺された事に対して復讐するという唯の自己満足の域を出ない理由だった。
 所属する多数の冒険者の先頭に立ち、獣人や魔物達と戦ってきたのも
国の為ではなく自分の復讐の為だったと彼は心の中で自分を自嘲した。
(サリア、お前は今の俺を見てどう思う?…今の俺はお前の知っている
俺じゃないだろうな……今の俺は復讐の為だけに動いているかもしれない……
だけど、まだ見守っていてくれ…今の俺には仲間が居る……お前のいる天国に
俺は行けないけど、まだ生きてやるさ……最後まで…最後の最後まであがいてやる
生きるために………)
ゆっくりとセイルは窓ガラスに自分の手を当てた。窓ガラスに映ったセイルの像の手と
セイルの手とが重なる。
「……考え事は終わったのか?」
物思いに耽っていたセイルがハッと気付くと、セイルの正面にあった窓ガラスに
ガライデッドが映っていた。
「ああ、すまない…少し昔の事を思い出していた」
セイルは思いを断ち切る為頭を振る。そして次の時には、その瞳は鋭い光を放っていた。
それは、幾多にも及ぶ冒険者の指揮官としての瞳。
「さて、俺達も準備を始めるか」
セイルとガライデッドは一旦自分のレンタルハウスに戻る為、宮殿の外にへと向かった。

402 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 10:33 [ 0wR.ZgAE ]
下がりすぎage

403 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 12:01 [ yomGcKS. ]
どうしても白の探求者7話〜
が読めないので
もし出来る方居たらここに載せて欲しいんですが
お願いしますm(__)m

404 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 12:43 [ 8IanLc3Q ]
>>297
おもろかったです
しかし本来のガルカの郷土料理が気になって気になって気にjdふぉあh;d;おぁh;あw

こ、今夜眠れるかな

405 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/04/29(火) 18:45 [ JP4X/amQ ]
>>403
ありゃ・・読めませんかぁ。
旧スレ203さんのサイトのミラー(あぷるるさん作成)にあるので、
そっちのほうからいけるかなぁ。

と、言うわけでそのURLを貼り付けさせていただきます。
ミラー『旅は終わらない』byあぷるる氏
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
白き〜の直リンク
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/siro/siro06.html#07
この siro06.htm の06を07〜10まで変えると11話まで見れるかと・・・。

406 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/04/29(火) 21:34 [ JP4X/amQ ]
どうも、上記あぷるる氏のミラーの画像掲示板に白き〜の12話目をUPいたしました。

以下、長くなりますが読んだ感想です。
●タルタル戦士は夢を見る⇒ク、クレイ!(;д;) クレイ――(;つд`)――!
から始まってもう・・・。鳥肌立ちっぱなしでございます。暗黒でもクリーム萌え(←キメセリフ)
●空高く舞え 若き竜達よ⇒セイルかっこええ・・・。激しく続きが気になっております。
ウォルフガングがめちゃめちゃ出てきてるので嬉しい・・・(゛▽`)
●Recollection〜老エルヴァーンの日記〜⇒イイ!回顧録、短い文章の中の
彼の人生に引き込まれあああぁぁ続きキボン〜
●北の炎 西の風⇒あああああ!もう!ヤグたんが!タル侍のアスランさんが!
もう萌え通り越して悶えっぱなしで続きが待ち遠しくて待ち遠しくて・・・(;つд`)
●白い心・黒い意思⇒もうオープニングからドキドキ。なんか大人の冒険者たち。
3話からはなんかすごい続きが気になる展開に!カルテが大好きです。マジで大好きです。
●騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙⇒師父カッコいい・・・!別れのくだりで
ぐっときっぱなしでゴザイマス! この先どうなるのだろう・・ドキドキじゃー
●空に奏でる君の歌⇒続きキタ――(・∀・)――!待ってたに決まってるじゃないですか!
いっつも楽しく読ませてもらっております!チリリもピアナナも萌え(こればっかり)
●業の物語「カルマ」⇒いいなあ!すごい好きだー!続きが激しく気になっております。
カザムの族長はもっと出てくるかなあ・・・

ショート・ストーリー等も非常に楽しく読ませていただいております!
(ちょっと数が多いので全部の感想は割愛させていただきまつ(;つд`)
名無しの話、で大爆笑。これすごい好き。
ここの住人でヨカタYO!

では、またお邪魔しますー。沢山の作家さんたち、続き楽しみに待っております!
頑張ってくださいませ!

407 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 22:44 [ uL.30s0A ]
私の名前はリーシャ、人間の赤魔道士。私は本国からのミッションを請け負ったりや困ってる人々を助ける”冒険者”
と呼ばれる仕事をしている。もちろん私一人ではなく、頼りになる仲間と一緒にだけど。
リーダーであり、頼りになるエルヴァーンの男戦士カーム、寡黙なガルカモンクのダレス、
感情的だが博識のタルタル男ナイトディーンの4人でパーティーを組んで日々獣人との戦闘や人助けに奔走している。

私達がパーティーを組んでもう2年になる。その間、様々な依頼をこなし幾度もの危機を乗り越え3国だけで
なくジュノでもなかなかの知名度を持つようになった。しかし、どれだけ名声やお金を得ようとも、私達は
いつも4人、そして私が持つ古びた杖もずっと同じであった…

ある日、ジュノにてダボイ突入の下準備をしていると一人のうさんくさそうな禿男が近づいてきた。
「よぅ、あんた達の噂は聞いてるぜ。なんでも4人ぽっきりで獣人どもと戦い続けてるらしいじゃないか。」
武器防具の手入れをする手を止め、カームが顔を上げた。
「なんの用だ?」
「いやな、あんた達がこれから先、獣人どもの本拠地で戦い続けるのなら、そんな赤魔道士小娘一人に
背中を任せていてもいいのかな。ましてや小人のナイトなんて体力無いやつがいるんだしよ」
それを聞いたディーンが「なっなんだと!?」と、掴みかかろうし、ダレスがそれを片腕で制止した。私はダレスとカームに目配せし、
ダレスは頷き、カームは無言で相手を見ていた。
「そこで、だ。俺達は白魔法のエキスパートである俺様と、仲間の黒魔道士とナイトの3人のパーティなんだが
合流しないか?そこの小人は可愛そうだが居場所がなくなるけどな。ああ、嬢ちゃんは残ってもいいぜ。
色気の無いパーティはごめんだからな。へへへ」下卑た笑いに本能的に嫌悪感を抱いたが、私はいつものように
リーダーに任せることにした。
「返事を聞きたいか?」
「ああ、お互いにいい話だと思うぜ。どうだね。」
「なら、言ってやろう。消えうせろ、目障りだ。たしかにリーシャは一人で我々3人の補助のするのは大変
だろうと思うが、貴様が小娘というリーシャは我々が背中を預けることが出来る唯一の赤魔道士だ。ディーンにしても、彼のナイト
としての責任感と豊富な知識は我々にとって必要不可欠なものだ。それに我々が背中を預けるに値する白魔道士は…この世でた
だ一人だけだ。」そう言いながら、カームは剣を片手に立ち上がった。ジュノでの抜刀は禁止されているが、自分よりも背の高い
カームに見下ろされ、禿男は明らかに怖気づいていた。
「けっ、そうかい。お高くとまりやがって。せいぜい4人でがんばりな。」
そう捨て台詞を残し、禿男はどこかへ立ち去った。

そう、私達のリーダーはこういう人だからこそ、私達は共に命を賭けることが出来るのだ。ダレスの顔を横目に見ると、それに
気づいた彼が頷くのが見えた。
今でも思い出すことが出来る、新米冒険者だった私と彼らとの出会い、そして…この杖の持ち主のことを…

408 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/29(火) 22:49 [ uL.30s0A ]
このスレを今日はじめて知ったんだけど、触発されて書いてしまった(汗

小説を書く勉強とかしてないので、表現誤字脱字のミスは指摘してください。

あ、もちろん続きます。

409 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 04:21 [ SmAgGJgk ]
「名無しの話」の2の1 −遠距離攻撃−

獣人と一戦交えた後の休憩。
「はあ…」
ペタンと座り込んだタル黒が小さくため息をついた。
「どうかしたの?」
それに気付いて覗き込むヒュム戦。
「まほうがね、もすこしとおくからとどいたらな〜っておもうの。そしたらもっとあぶなくないかなって」
「だよねー」
隣で頷くタル白。
ふたりして、ガル戦を見る。
戦闘中あの巨体で走り回るガル戦に、いったい何度踏みつぶされそうになった事か。
蹴り飛ばされて空を飛んだのだって、一度や二度じゃない。
「難しいね。決まり事だから」
苦笑するヒュム戦。
魔法ごとの到達距離は変える事が出来ない。
「んー、そうでもないなぁ」
聞こえたのだろう。当のガル戦がやってきた。
「あるの?」
「できるの?」
キラキラと大きくままるっこい瞳を輝かせてガル戦を見上げるタル白とタル黒。
「…」
なんか、前にもこんな事があったような気がするヒュム戦。
気のせいだろうか。
最近死亡と復活を繰り返してるので、記憶の混乱があるようだ。
「どうするの、どうするの?」
「おしえて、おしえてー」
背伸びして左右からガル戦の鎧の端を引っ張るタル白タル黒。
「んー、説明はむずかしいなぁ。次でやって見せようかぁ」
「「わーい」」
ぴょんぴょんと跳び上がって喜ぶタル白タル黒。
そのとても可愛らしい様に、
ニマア〜。
ガル戦の口の両端が弓の様に吊り上がって笑みを形作る。
それは、夢に見たらお漏らししそうな微笑みだった。
が、幸か不幸か、キャイキャイと喜び合うタルタル達はそれに気付かなかった。

休憩を終わって移動すると、すぐに獣人を見付けた。
まだ気付かれてない。
「あ、かめー」
「かめかめー」
指さすタル白タル黒。
「んー、じゃあやろうかぁ」
「「うん」」
ドスドスとパーティーの後方へと離れていくガル戦。
りっくりっくと追いかけていくタル白タル黒。
残った前衛職で壁を作りながら、ふとヒュム戦は気付いた。
「ガルさんて魔法使えたっけ?」
(‥?)
(‥?)
(ーー;)
いや〜な予感がした。

−続く−

410 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 05:02 [ SmAgGJgk ]
「名無しの話」の2の2 −撃破!−

ガル戦とタル白タル黒は、パーティーから五〇歩ほども離れて陣取った。
「とおいよー?」
「だいじょうぶ?」
「コントロールには自信があるぅ」
ボキボキと指を鳴らすガル戦。
「んー、じゃあ黒魔法からいこうかぁ」
「せんせいこうげきー」
「おー」
 空へ向けて手を突き上げるタル白タル黒。
「じゃあ、魔法詠唱してぇ」
 タル黒を見下ろすガル戦。
「?」
 自分を指さすタル黒。
「そうだよぉ」
「?ガルさんじゃないの?」
首を傾げながらも攻撃魔法の詠唱を始めるタル黒。
独特の音律で詠唱が進み、完成する寸前!
グワシッ!とガル戦の巨大な手がタル黒の頭を掴む!
「え?」
ズザァ!
土を蹴ってガル戦の片足が高々と跳ね上げられる。
ピシン!
右足と左足が一直線に伸びる。
「スゥナイピングゥ、サンダーー!」
ブゥンッ!!
唸るガル戦の豪腕。
すばらしい投擲フォーム。
「キャーーーー」
ソレは悲鳴を上げながら空を切り、剣を構えたヒュム戦をかすめて、亀の頭に命中した。
ドゴッ!!
響き渡る鈍い音…。
ゆうらりと倒れる亀。
(‥)(‥)(‥)
声もない前衛三人。
が、はっと気付くヒュム戦。
「おのれはー!!」
剣を振り上げ、ガル戦目指してすっ飛んでいく。

「んー、次はエル戦に援護のプロテスだぁ」
「ピー」
グワシッ!
逃げようとするタル白の頭を掴むガル戦。
「しんでる、かめさんしんでるー」
訴えるタル白の言葉も聞いてない。
ガバァ!
土を蹴ってガル戦の片足が高々と跳ね上げられる。
ビシイ!
右足と左足が一直線に伸びる。
「ロォングレンジィ、プロテスーーツゥ!!」
ブゥン!!
再び唸るガル戦の豪腕。
完璧な投擲フォーム。
「ピーーーー」
ソレは悲鳴を上げながら空を切り、走り来るヒュム戦をかすめて、呆然と立つエル騎士の背中に命中した。
ペキッ!!
響き渡る軽い音…。
長身のエル騎士が、くの字に折れて倒れる。
「……」
それを呆然と眺めるミスラシーフ。
やがてペタリと地面へ座り込み、頭を地面に付ける程に身体を折り曲げた。
肩とシッポが小さく震えてる。
「に…にゃ…にゃ…」
嗚咽のような声がする。
あまりの惨劇に泣いてるのか。
いや…。
「にゃ…にゃ…にゃははは、にゃはははは、にゃ〜っはははははははは!」
大声で笑い出すミスラ。
「折れてるにゃ、エル姉が折れてるにゃ、ポッキリにゃははははははは」
どうやらツボに入ったらしい。
タル白と重なって←のようになったエル騎士を前に、腹を押さえて悶え転がるミスラ。
遠くではヒュム戦がガル戦をひっぱたいてる。ひっぱたいてる。お〜もいっきりひっぱたいてる。

『ねー、エルさん』
『ん?』
『ネコってわらうよね』
『笑うなぁ…』
『わらいじょうごかなぁ』
『さあ…私はエルヴァーンだ』
『『…』』
 タル白タル黒はエル騎士の答えに不満そうだった。死んでるけど…。

−本日の戦績−

獲物:亀二体
軽傷:二名(うち一名笑いすぎによる腹部痙攣)
死亡:三名
評価:ブー

「名無しの話」の2 −完−

411 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 05:16 [ SmAgGJgk ]
「名無しの話」の2 −タル白の日記−

 ○月×日 晴れ
 きょうは、タル黒ちゃんはあたまがいたいので、おやすみしました。
 ホクもいたかったけど、白まどうしがいないとみんながこまるので、がんばりました。
 ヒュムさんが、あたまをなでてくれたので、うれしかったです。
 タル黒ちゃんのかわりに、ハゲモンクのおじちゃんがきました。 
 みんなでかめを、かりました。
 とちゅうで、ハゲモンのおじちゃんが、もっとつよいわざがほしいなと、いいました。
 ガルさんが、しってるといいました。
 バゲモンのおじちゃんは、よろこびました。
 ボクは、あわててにげました。
 そして、ハゲがよんかいとびました。
 ボクは、がんばってなおしました。
 でも、さいごのほうは、くびがへんなほうこうにむいてしまいました。
 ハゲはじょうぶでいいと、ガルさんはよろこんでいました。
 ミスラのおねぇちゃんは、ずっとわらいころげていました。
 エルさんとヒュムさんは、なにもいいませんでした。
 みてみぬふりということだそうです。
 きょうは、かめを三びきやっつけました。 
 でも、ひょうかはブーでした。
 あしたは、エルヴァーンのりょうしのおにいちゃんがきてくれます。
 たくさんとんでくれると、うれしいです。
 でも、ボクはとびたくありません。
 ひょうかがピンポーンになりますように。
 めがみさま、よろしくおねがいします。
 おやすみなさい。

412 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 05:36 [ 1paF4SXA ]
>>409-411
ワラタよw
(・∀・)イイッ!! シュールっぷりだなww

413 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 06:17 [ qga1Dgbg ]
>>409-411
激ワラタ
ハゲモンクがだんだん略されてハゲになってるwwww

414 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/04/30(水) 07:13 [ mpq0g//M ]
>>409-411
キタキタァァ―(・∀・)―!!! ハゲがよんかいとびました、でもう我慢できませんでした。
もっとやってー!

415 名前: 業の物語 「カルマ」 投稿日: 2003/04/30(水) 11:13 [ raPk2hFw ]

−カザム村、族長の間−

通された部屋は簡単な木造で、
一番奥に族長が座っており、族長を護る様に四人のミスラが入り口を固めていた。

ディオを抱き抱えたコローネルと剣を腰に携えたままのスフォルツァが一礼した。
戦士の一人がディオを、もう一人の戦士がスフォルツァの剣をこちらに渡すように促した。
二人がそれに従ったのを確かめると、族長は口を開いた。

「カザムの誇った冒険者コローネル、そして招かれる筈の無き者スフォルツァ」
「なっ・・・・その呼び方は酷い! 族長!」
「コローネル、落ち着け。 私は本来この島に居ることすら許される存在ではないのだから。
 エルシモは半鎖国状態で、他種族を拒んでいる。 堪えるんだ」
「にぅ・・・だって、スフォルツァは・・・」
「二人共、ここは族長の間だ。 私語は慎め」

戦士に注意され、やっとコローネルは口を噤んだ。

「もうその出来事は水に流そう。
 私が二人をここに呼んだのは訳があるのだ」
「訳・・・ですか? それは?」
「ウィンダスとサンドリアから使者が来た。
 獣人達が不穏な動きを見せているため、本国に兵士登録している冒険者は国へ戻り戦争の準備をしろということだ。
 コローネルはウィンダスに、スフォルツァはサンドリアに兵士登録しているそうだな?」
「はい。 本国の命とあらば、私もサンドリアに帰らなければなりません。
 ですが……」
「そこの赤子…ディオ・カンバネルと言ったか。 その子が気になるのだろう?」

スフォルツァはその言葉に頷いた。

「心配ない、その子は宿屋の娘が引き取る。
 向こうの手配で4日後には港に飛空挺が来るだろう…… これは任意の命だそう。
 行くか行かないかはあなたたち次第。 4日以内に覚悟を決め、支度を整えておきなさい。
 もし、ここを離れるなら子供との別れも十分に惜しみなさい……」


そう言うと族長は、狩りの時間だ、と行って護衛をしていた4人の戦士と族長は出掛けてしまった。
戦士の腕で眠り出してしまったディオはユタンガに住むマンドラゴラの綿で作られたベッドに寝かされた。
族長は、この間を飛空挺がくるまでの間3人の居住区として貸し出すと言っていた。






こうして、



3人は族長の間に残された。




しばしの沈黙のあと、戸惑いながらコローネルが口を開いた。





「……スフォルツァ……」
「コローネル、何も言うな。 私は騎士になる幼き頃から訓練されて来た。 私を騎士にするのが両親の夢だったんだ…
 だが、私は裏切って冒険者になった。 その上、ミスラであるコローネルと子をもうけた…
 本国のエルヴァーンには理解出来ないのだろうな、私はあの後両親に勘当されたよ」
「スフォルツァ…… スフォルツァは、後悔してないの?」
「私か? 当たり前じゃないか。皆が何を言おうと私がこれでいいと決めた道だからな。
 私は親を裏切り、冒険者として生きている。
 でも、代わりにタブナジアを護衛する義勇兵団に入隊し、非常勤兵士としてサンドリアに認定されている。
 そして今は愛する妻と子が傍に居る。 それだけで私はいい」
「にゃ。 私……みんなを守るために兵士登録したんだ。
 カザムのみんな、ウィンダスで出来た友達、魔法を教えてくれた口の院のたるたるちゃん達…みんな守りたい。
 ただ、今ウィンダスは魔法力が弱まって獣人に押されてる。危険に晒されるかもしれない。
 スフォルツァ、私に何かあったら…」
「馬鹿! 私達は二人とも死んではいけないんだ!」
「!! おぎゃぁ。。。おぎゃぁ。。。」

突然怒鳴ったスフォルツァの声に反応してディオが泣き出してしまった。
コローネルはその声を聴いて気付いた。

(そうだね、私達には守る者が居るんだよね。
 ディオ、ごめんね…ママ、あなたを忘れて死のうとしてた…)


ディオをあやしながらそう思うコローネルの瞳に光るものは何だったか。
確かな事は唯一つ。 コローネルはこの時或る事を強く誓ったということ。



《この子は、私が守る。 そして、冒険者として兵士としてみんなを守る》


スフォルツァの決心も同じだった。


《父として、タブナジアを守りし兵としてヴァナ・ディールを賭けた戦いに身を投じよう》

416 名前: カルマ書いた香具師 投稿日: 2003/04/30(水) 11:31 [ raPk2hFw ]
う〜ん・・・・長い(´・ω・`)
そして、みなさんにとって面白いのだろうか?
今、このまま止めるべきか悩み中(´・ω・`) 
面白くないモノアップしても他の作者さんに迷惑が・・・

あ、ちょっと長いですが感想書かせて下さい!

>>タル戦作者様
ファンです! 弟子にしてください(ぇ
トッパ一行の話と、クリームとクレイの話。 読みながらぼろぼろ泣かせていただきやした!゚・(ノД`)・゚・

>>白き探求者作者様
もう大好きです!
FF始めた頃は「誰も死なせたくない」って純粋に思ってたなぁ。
ヴァナ・ディールの秘密を知りたいっていうのも… コレ読んで思い出しました。
感想もありがとうです(>_<)

>>407
そんなPT入りたいー!
リーダー格好良すぎです。。。。結婚してk(ry
続き期待♪

>>409-411
おもしろいw
タルをからかい続けるガル戦、ぴーぴー泣きながら振り回されるタル’s・・・・
笑い死にさせるきですか(つД`;)

417 名前: 記憶の欠片(始まり) 投稿日: 2003/04/30(水) 12:22 [ JT/3m04M ]

渇いた風と石の国、バストゥーク。人気のない港区の一角で
一人のガルカがフルートを相手に奮闘している。
彼の名はバングズ・ズィクシー。大概「バン」で呼ばれている。
詩人の様だが...イマイチ楽器から正しい音は聞こえてこない。

「音、出るようになった?」
声の方を見上げると、杏色の髪を風に揺らしながらヒュームの
女性がにこやかに手を振っている。
「リコル...やっぱり俺に詩人は向いてないみたいだ」
バンはため息をつきながら、手にしているフルートを見つめた。

リコルは塀から飛び降り、バンの横に並んだ
「楽器の演奏の仕方は教えるられけど...」
リコルはフルートを取り出すと、ゆっくりとかまえた
「.......何かになりたいという気持ちは教えられるものじゃないから」
そして、ウィンダスにいるとどこからか聞こえてくる曲を奏で始めた。
フルートで演奏されるとまた別の風情がある。
......バンはしばらくウィンダスの情景に聞きほれた。


曲が一段落すると、リコルはフルートから顔をあげて唇の形を見せた。
「管楽器は息を吹き込むときの唇の形が正しくないと音が出ないから」
曲に聞きほれていたバンは慌てて、リコルの唇の形を見て真似てみせる。
まったく彼女にはかなわない...出会った時から変わらない。
つい、数ヶ月前のことなのに、...それは、妙に昔のことに感じる。

----つづく----

418 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 12:46 [ fnBj.Sok ]
マジワラタ。頬の筋肉が痛いよw
いや、ここはイイな。触発されてなにか書いてみようかと思っちゃうよ(・∀・)

419 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 14:47 [ pAF8aqWE ]
ハゲがよんかいとびました

腹いてぇ…

420 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 17:01 [ 4cXwWJfQ ]
名無しの話。大好きだーーー!
っていうか、評価ってなんですか。評価って。
擬音がものすごく想像出来ておかしいんですが。ぶっぶー。
あー、笑いの神降臨でたまらない。是非このまま突っ走ってくだちい。

>>396
勿体無いお言葉に嬉し泣きでつ。ほんとにほんとにありがとう。
ただ、ネタバレはやっぱりシビアに配慮といけないでつよね。
今はスレの黙認に甘えているような状態で、反省してます。
ごめんね、皆さん。今後は……もちょっと気をつけます。あうう。

>>白き〜の神
再びお目を汚すこととなりますた。精進しまつよう。

>>416
私もずっと自分の駄文を続けていいのか迷ってたけど
でも、やっぱり書きたいので続けることにしますた。
一緒にがんばりまそ。私、どの話も続き気になるyp

てことで、続きです。↓

421 名前: 空に奏でる君の歌10 投稿日: 2003/04/30(水) 17:02 [ 4cXwWJfQ ]
それは恰好の餌食だった。

そいつの全身から流れる血の匂いが、堪らなく彼の欲求を駆り立てる。
あの肉に刃を立てたら、どれほど気持ちよく割けるのだろう。
この棍を振り下ろしたら、どんな音を立てて骨が砕けるのだろう。
彼はぞくぞくと身を奮わせた。
……獲物だ、俺の獲物だ。
嬉しさと期待をこらえきれず、彼はそれに走り寄る。
刃を剥いた。斬り付けた。
その体から鮮血が噴出し、彼は一層興奮した。
ああ、もっと。もっとそれを見せろ。さあ!

彼は剣を構え、両手を振り上げた、はずだった。
痛い。
イタイイタイイタイイタイイタイ……

ばしゃり、と何かが足元に落ちてくる。

腕だ。俺の腕だ。何故?

それは恰好の餌食のはずだった。
だが、狩られたのは彼のほうだった。
痛い。どうして。
「……雑魚が、調子に乗るな。」
それ以上なく、彼は絶命した。




――やっぱり、これは。
ビアナナはその場に屈み込み、指で地面をなぞった。
突然の彼女の挙動に、チリリも近くまで駆け寄り覗き込む。
「どしたの?」
帰り道は、そちらではない。
チリリは不思議そうに相棒を見る。
「見て、血の痕。」
ビアナナが厳しい顔で振り返った。
「え、うそぉ。」
状況の把握ができないチリリは、とぼけた返事でまた覗き込む。

ビアナナが走り出す。
目の前の角を右に曲がればすぐサルタバルタに出られるのに、
彼女はそのまま真っ直ぐ進んでいく。
「……?」
仕方なく、チリリもその後を追った。
道なりに奥へ入る。
注意深く足元を見れば、確かに小さな染みが続いているようだった。

細い通路が開ける手前でビアナナが止まった。
「そこ、やっぱり通れなさそうー?」
チリリは声を投げる。
こちらは地図に川が記されていたため外した道だった。
ビアナナは立ち止まったまま、答えない。
「ねえ、通れなさ……」
追いついたチリリは、相棒の肩に手を掛け横に並ぶ。
そして、見た。

浅い川の流れる広場が、黒くヤグード達の死体で覆われているのを。

「な、なに、何よこれ!!」
目を皿のようにしてチリリが叫ぶ。
ビアナナは黙ってチリリの手をとると、今来た道を脱兎の如く駆け戻る。
その場から目の離せないチリリは、半ば引きずられるようにして
サルタバルタまで連れ出された。

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……

呼吸は乱れ、動悸が治まらない。
「あ……あれ、今の、何?」
チリリの問いに答える様子もなく、ビアナナはふらりと歩き出すと、
「……うっ……ぷ。」
木陰に隠れて嘔吐した。

422 名前: 空に奏でる君の歌10 投稿日: 2003/04/30(水) 17:02 [ 4cXwWJfQ ]


周囲に気を配りながら二人は岩陰に座る。
チリリは鞄から水筒を出すと、生気の無いビアナナに冷水を汲んで渡す。
「……ありがと。」
「大丈夫?」
「うん……もう平気。びっくりしただけ。ごめん。」
少女は薄く微笑ってみせた。
「……すご……かった、ね。」
チリリは相棒に気を遣い、言葉尻を濁す。相棒は小さく頷いた。
あれは、まるで虐殺だった。
自分たちが迂回している間に、何者かがギデアスに押し入ったのであろうか。
ヤグードたちを、殺すために。
チリリの目に、累累と死屍を連なす祖国の情景が浮かぶ。
見知った者が皆、血を流して死んでいる。家族も友人も――そして、自分も。
「やだっ!!」
恐ろしさに思わず声をあげる。その声にビアナナが振り返った。
「あ、ごめん。……なんでもない。」
「うん……。」
二人は戦争を知らない。
物心がついたときにはもう、ウィンダスは充分に復興していた。
もう平和だったのだ。

――平和?

ヤグード族が大挙して攻めて来ることはないと、今の状況で本当に言える?

「……私ね、前にあの方が呟くの聞いちゃったんだ。」
遠くを見つめて、ビアナナが口を開いた。
彼女の言うあの方とは、口の院の院長のことでしかない。
「ウィンダスは、本当に平和なんだろうか、って。」
……ああ。
チリリは思う。

本当に、ウィンダスは平和なのだろうか?



沈んだ気分のまま、二人はサルタバルタを歩く。
いくら憂いたところで非力な自分たちに為す術は無い。

強くなりたい、とチリリは思った。

具体的に何がとはまだわからない。
だが、強くなりたい。恐怖に流されないように。
立ち向かい、抗えるように、強く。

ビアナナもまた、何かを決意していた。
彼女の瞳に冷静な光が宿っている。

二人の冒険者は今、心の地に大きな碑を立てた――。

423 名前: 空に奏でる君の歌10 投稿日: 2003/04/30(水) 17:04 [ 4cXwWJfQ ]



「……?」
何気なく目をやった岩壁に、黒く影が動くのを少女は見付けた。
もしや、ヤグードが?
息を潜めて、二人は影を追う。しかし、それ以上影は動かない。
いつでも臨戦態勢に入れるよう、少女たちは精神を際立たせた。
詠唱の準備は出来ている。

ガサリ。

チリリは剣の先で、自分と同じ程の背丈をもつ草の茂みを掻き分ける。
気配に気付いた影が殺気の籠った視線でこちらを睨みつけた。
……獣の、目だ。
その、圧倒的に己を凌駕する視線に、チリリの気が一歩退く。
しまった!
その一瞬が隙となって影の動きに遅れをとった。

――やられる。

チリリは覚悟した。が、影はチリリの目の前に大きく立ち塞がると
そのままその場に崩れて落ちる。
どうっ、という音と共に、しぶきが飛んだ。……血だ。
「チリリ、違う!その人っ……!」
ビアナナが叫ぶ。
チリリは目を凝らした。そう、それは人だった。
そしてそれは数日前に関わった、あのガルカだった。
「ちょっと!あんた、大丈夫!?」
剣を放り、チリリはガルカに駆け寄って座り込む。
全身から血を流すその男は、何も応えない。
ビアナナがガルカの手首をとった。……脈は、まだある。
「ケアル!……ケアル!」
チリリは何度も念じながらガルカに手をかざす。
自分の使える回復魔法では焼け石に水を注すようなものだと
わかっていた。それでも、詠唱せずにはいられなかった。
「……駄目。誰か助けを呼びに行ったほうが早いわ。」
ビアナナの提案に、チリリが立ち上がった。
「あたしが行く。
 ビアナナは、敵が襲ってこないように見張ってて!」

少女は走った。
周りの景色など最早目に映らない。
ただ国境のゲートだけを目指して、ひたすら走った。

漸く、門が……見えた。

「お、お願い。怪我人がいるの、手を、貸して!」
息も絶え絶えに、チリリは門番のガードに声をかける。
鎧姿のガードは一歩も動かずに首を振った。
「それは出来ません。僕たちはここを離れるわけにはいかないんだ。
 冷たいようだけど、一人の為に国の守りを手薄にすることは出来ない。」
「そんなっ、死んじゃう!!酷い怪我なの!!」
半狂乱にチリリが叫ぶ。しかし、ガードは目を伏せただけだった。
「もう、いいっ!」
再びチリリは走り出す。
あそこへ行けば……バストゥークの領事館へ行けばきっと助けてくれる。

バタン!

身体ごと建物の扉を押し開ける。
チリリは泣いていた。
「お願い……早く、早くあの人を助けて!!」
その只ならぬ様子に、受付のヒュームが機敏に動く。
甲冑のガルカが奥から飛び出し、サルタバルタへ向けて駆けて行った。
助けて。お願い。
あたしの知ってる人を、誰も殺さないで。



つづく。

424 名前: 餡こ喰う騎士 投稿日: 2003/04/30(水) 18:37 [ MH089vaw ]
−暗中舞踏−

1.出会い

 向こうの方から悲鳴が聞こえてきた。
 どうやら、誰かが獣人に襲われて逃げているらしい。
 追いかけているのはゴブリンと呼ばれる小柄な獣人。追われているのは身に
着けた装備品からすると、白か黒かは分からないが魔導士のようだ。確かに獣
人に追いかけられたら、少々腕が立つ黒魔導士であっても呪文詠唱の時間を稼
げない一人では荷が重い。攻撃の術を持たない白ならばなおのことだ。
 追ってる相手が余程強いモンスターなら手を出すとこちらまで危険だが、あ
の程度のゴブリンを見逃して追われてるのを見殺しにしたら寝付きが悪い。
「ファイア!」
 一瞬、獣人が炎に包まれ火だるまになって転がる。もちろん、この程度の炎
では致命傷にはならないし、これで獣人共がおとなしく引き下がるとも思って
いない。あくまでも追われてる魔導士から注意をこちらに向けるためのものだ。
 よっこらしょ、と持ち出したのは背中に背負った大きな鎌。それを見てゴブ
リンも少し怯んだようだけど、こうなったら相手も引っ込みがつかない。やけ
くそ気味に向かってくるゴブリンの首を一撃ではね、戦闘終了。
 で、振り返って見たら・・・当の魔導士は腰を抜かしてへたり込んでいた。
「大丈夫? 立てる?」
「ひゃ、ひゃ・・・」
「あんまり大丈夫じゃなさそうね」
 何か言おうとしてるようだが、涙と鼻水と汗で大洪水になった顔の筋肉が空回
りするばかりでなかなか言葉にならないらしい。
「だ、大丈夫でしゅっ」
「はいはい。ちょっと落ち着いてからね」
「はい、これ飲んで落ち着いて」
「は、はいっ。あ、ありがとうございましゅっ・・・」
「こんなところを魔導士が一人で出歩くなんて、自殺行為みたいなもんよ? 仲
間とはぐれたの?」
「なっ仲間がまだっ、まだ逃げてる仲間がいるんですっ。たたた助けてっくっく
ださい!」
「!」
 モンスターに襲われたPTが逃げるときにはまず後衛が逃げ、それを確認して
から前衛がモンスターの注意を引きつけつつ逃げるのが原則だ。だから、彼女が
逃げてきた方向からおおよその見当はつく。言葉が終わらない内に彼女の逃げて
きた方向目指して走り出した。目の前の敵を手に負えなくなった前衛が追われて
いるか、最悪彼女以外の後衛が追われている可能性がある。

425 名前: 餡こ喰う騎士 投稿日: 2003/04/30(水) 18:38 [ MH089vaw ]
 程なく3匹のゴブリンを相手にしている戦士を見つけた。
「加勢する! 一端下がれ!」
 だが、彼にその声は届いていない。全身についた傷から流れるおびただしい出
血による意識混濁の中、パーティメンバーを逃すという使命感だけが彼を支えて
いるのだろう。
「ファイア!」
 炎の呪文が獣人の目の前に火柱を上げると同時に、一閃した鎌の一撃が一匹の
ゴブリンの首を飛ばす。
 ゴブリンの攻撃の手が緩んだことで緊張の糸が切れたのか、戦士はその場に倒
れ込んで動かなくなった。
「魔導士! ついてきてるな!? ゴブどもを私に引きつける。すぐにレイズと
ケアル! 使える!?」
「は、はいっ!」

 火柱の閃光から元の暗闇に目が慣れたゴブリン達の目に入ったのは、首のない
仲間の死体とその首を大鎌に突き刺しそれを誇示する、仁王立ちで自分たちを見
つめるヒュームの女。
 何故だ? 何故この女は仲間の首を持っているのだ? そこに倒れている仲間
の首が、そこの女に奪われたのか? ならば取り返さなければならないではない
か!
 単純な思考。彼らの関心は、今まで嬲っていた獲物から仲間の首を持っている
女に変わり、仲間の首を取り戻すべく襲いかかる。

 だが。

 鎌を横なぎに振り切り目の前のゴブリンに致命傷を負わせるとその反動を利用し
て大きく上段にかぶり、一気に振り下ろす。

 月明かりの夜の闇の中、ゆらり、ゆらりと光が舞う。そのたびに鮮血が黒い鎌に
彩りを添えながら。

「パーティは何人だったの?」
「4人! あとナイトと黒魔導士です!」
「あと2人!」

 2人を見つけたのは、その場所からほんの2〜3分の場所だった。そこは闘いの
後の静けさが支配する空間。焦げ臭さと血の臭い。わずかな熱気の痕跡。
 いや、正確には2人の死体を見つけた、と言うべきなのだが。ナイトの装備品は
既に原型を留めていない。一人で敵の攻撃を受け続けたのだろう。それがナイトの
役割だ、と言ってしまえばその通りではある。だが、その結果の残酷さが逆説的に
ではあるが、ナイトという称号を得るための試練の厳しさを物語っているというの
はセンチメンタルにすぎるだろうか。
 そのすぐ近くに黒魔導士が倒れていた。ゴブリンの持つボウガンから打ち出され
たと思われる矢が、彼の片足を貫通している。彼は逃げなかったのではなく、逃げ
られなかったのだ。そして負傷し逃げられなくなった仲間を護るために、ナイトは
この場で戦い続けたのだろう。

 すぐ後を追ってきた白魔導士が蒼白になってその景色を凝視し、そして彼女はその
場に崩れるように倒れ、失神した。

426 名前: 餡こ喰う騎士 投稿日: 2003/04/30(水) 18:41 [ MH089vaw ]
タル戦に触発されて書き出したものの、文才のなさが恨めしい。
前スレで一回アップしかけたものの挫折したのですが、全面的に書き直して
再スタートします。お目汚しご容赦下さい・・・
今度こそ最後まで行くぞ。(つーか、ラストシーンを先に書いてしまったので
そこに行くまでの課程を考えねば・・・)

427 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 20:30 [ ZAu1UgUI ]
>>409-411
さいっこう!!!!!!!!
可笑しすぎるwwwwwww

428 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 21:06 [ fnBj.Sok ]
 黒い・・・所謂流行の鎧に身を包んだ暗黒騎士が巨大な剣を横に一閃。
 群がるオーク達をなぎ払うその技を見るだけで分かる。
 彼ほどのてだれならばこの程度の敵、何の問題もないだろう。例え数がいたとしても、だ。
 
 程なくして「勇敢なオークの戦士達」は撤退を始める。
 仲間達と無礼な侵入者の亡骸を後にして。
 
 「・・・・・ダメだな。」
 オーク達を追いやったものの仲間だろうか。
 緑色の、おおよそ戦場には似つかわしくはない華やかな衣装に身を包んだ青年が
 まだ温かい「侵入者」の体を介抱する。
 すぅっと息を吸い、右手を自身の体と垂直に伸ばしリズムを取る。
 ゆっくりとレクイエム・・・いや子守唄を歌い始めた。

========== 


騎士の様に片手剣を自在に操ることはできないし
戦士や暗黒騎士のマネをしたところであの大きな両手武器をかつげもしない。
モンクみたいに強靭な肉体を持っているわけもなく、シーフの器用さにはいつも舌を巻く。
私の黒魔力で具現化された風は、獣人にとっては心地良いそよ風にしか過ぎず
敵が倒れるまで仲間を癒し続けることもできない。すぐにガス欠だ。
仲間達は・・・・旧友たちは、私の知らない場所で今日も私のいない思い出を作っているんだろう。
私はリリィ。ヒュームの赤魔導士をやってる。

今日も都会の喧騒の中、無駄に青い空を見上げて目の保養・・・・。
正直この無駄な滞在費をどうするか。そんな事を考えなきゃいけなくなって来ている。
ジュノ大公国・・・・クォン大陸とミンダルシア大陸とをつなぐ貿易の、世界の要所。
この大国には、私を誘い探検に行こうとする冒険者はいないようで・・・。
同じくらいの経験を積んでいるだろう者たちが、PTを組み冒険へ。帰還してお互いの無事を喜びまた喧騒の中へ。
こんなやり取りを横目に目の保養、保養・・・。
狭い空は赤みを帯びてきていた。

何故私はここに居る?
物心ついたときには赤魔導師だった。
自然に、何の疑問もなくこの「冒険者」という道に進んでいた。
「冒険者」とは都会のうす汚れた青い空を見張るのが本分か?

・・・帰ろう。帰るんだ。
故郷に帰って畑仕事をして、普通の恋をして優しい人と幸せな家庭を・・・。
そうだ、この平和な世の中に私みたいなものは必要がないんだ。
赤魔導師なんて・・・・必要ないんだ。

そんな事を考えながらレンタルハウスの明かりを消した。

--モヅけると良いな

429 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/04/30(水) 23:37 [ /y/G4zIE ]
>>409-411
激ワラ 笑いすぎて吐きそうに
ってかエルナ女だったのかYO
皆スルーしてるけど、気づかなかったの私だけ?

430 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 00:30 [ ZyvQYtcg ]
>409-411
ツボ入りまくり (藁


>429
安心汁
漏れも気づいてなかったYO

431 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 01:13 [ UN9iPTfs ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十三話 霧のロンフォール

―― 西ロンフォール ――

「こういうときはなぁ、何か影が見えたら、もしもし、って言うんだよ」
「ふ〜ん、そうするとどうなるの?」
「相手が獣人じゃなけりゃあ、返事が帰ってくるだろ?もし相手がオークなら
 もしもしって返事できないからな。どっかで聞いたんだけど、旅人のチエブクロってやつさ」
「…それは確かにいいアイデアだけど…オークだったら逆にこっちの位置を
 知らせるようなものじゃない?」
「う…そういやぁ…そうだ、な…」
トッパとレウはロンフォールの森で二人きりである。何故このようになってしまったか、
それは数時間前に遡る。
テントを張って、薪を集めに出た二人だが、そこで突然の大雨が降り出した。
しばらく雨宿りをしていたのだが、今度は深い霧が森を包んで身動きできなくなったのだ。
「皆、心配してるかしら?」
「うう〜ん、そうだなぁ…。もう随分時間が立ったような気がするなぁ」


時同じく、ラキとジルパケルパも二人きりで森を彷徨っていた。

「全く!…貴様のせいだぞ!」
「そうなのか?」
「そうなのか、じゃないだろう!あれほど大人しくしてろといったのに!」
「だってよう、トッパとレウは二人きりなんだぜ?危ないじゃないか?」
「だからといって、お前まで飛び出してどうなる?二人を見つけられるのか?」
「あ、そうか。ひょっとして俺達も遭難しちゃったのか?」
「…はぁ…全く、貴様と言う奴は…」

ラキは辺りを見回した。これ程までに深い霧が立ち込めるのは珍しい。
数メートル先の視界は真っ白である。この状況でオークに襲われるのは勘弁願いたい。
だが、この辺りのオークならば、ラキにとってはまるで練習相手にもならない強さであり
何一つ問題はないのだが…
「オットーとエッタ、無事だといいがな…」
残された双子の魔道士が心配である。なにしろエッタがあの状況ではまともに
戦えはしないだろう。
「…厄介だな。この霧は…」
ラキは湿った髪をいじりながら呟いた。

432 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 01:13 [ UN9iPTfs ]
取り残されたオットーとエッタはテントの中で仲間の帰還を待っていた。

「お兄ちゃん…皆迷子になっちゃったのかな?」
「そうみたい。この分だと霧が晴れるまで、まだかなり時間があるかな」
「ランプ、消した方がよくない?」
「ああ、そうだった。オークに見つかると危ないね」

オットーがランプの明りを消す。まだ昼間の時間帯のはずだが、曇った天気と霧の
せいでテントの中は暗闇に包まれた。

「お兄ちゃん、なんだかこういうのってワクワクしない?」
エッタは頭から毛布を被っている。何故か先程から嬉しそうである。
対するオットーはといえば、慎重に外の様子を伺っている。
「もうちょっと危機感ってのを持ってくれよ…オークが来たら大変なんだからさ」
「も〜。お兄ちゃんってば、本当に頭が固いっていうか、糞真面目っていうか…」
そう言いつつ、エッタはオットーの背中にしがみ付いた。
「わ…こら、狭いんだから…」
オットーはしゃがんでいたのだが、姿勢を崩してそのまま後ろに転げてしまった。
エッタはすかさずオットーの横に転がり込んで、被っている毛布の半分をオットーの上に広げた。
「うぇ…こら、ふざけてる場合じゃないんだってば…」
「えへへ〜。こうやって一緒に寝るのも久しぶりだよね」

結果的に、二人は一枚の毛布でうずくまって寝る体勢になってしまった。



「…ねぇ、お兄ちゃん」
「…ん?」
「静かだね」
「うん、静かだね…」

この世界には二人しかいないのでは、と思わせるほど辺りは静まり返っている。

「懐かしいな、あの家にいた頃はこうやって一緒にベッドで寝たよね?」
「そうだね…いつも僕のベッドの上に転がり込んでさ…」
「そうそう、結局私が占領しちゃったりして…」
「あの頃と全く変わってないよ、エッタは。第一、部屋にはベッドは一つしかなかったんだよ?」
「うん、そうだね…」

…あれ?何か変だな、とオットーは思った。
何気なく自分の口から出た言葉。部屋にはベッドが一つしかなかった…?
何でだろう?…よくわからない。

エッタの表情は久々に穏やかで、いつも通りの元気そうな妹の顔だ。
だが、次の一言はオットーに大きな衝撃を与えた。

「あのね…私ね、もう…そんなに長くないんだよね」
「エッタ…」
「いいの、私、分かってるから」
「そんなことないよ、サンドリアにはバストゥークよりも腕のいい医者がいるよ…」
「ううん、自分の事は自分が一番よく分かってるつもりだから」
「…」

「…ね、絵本、読んでくれない?」
「騎士と姫とオークのお話?」
「うん、聞かせて?いいでしょ?」
「いいけど…」
「も〜、相変わらず、お兄ちゃんってば騎士に憧れる乙女の心が分からないのね」
「はいはい、そりゃ悪かったね。…じゃあ、読んで上げるからさ」
「やった〜ありがとう、お兄ちゃん」

エッタは起き上がって、荷袋の中から本を取り出した。
その本の表紙には”騎士と姫とオークのお話”と書かれている。

「じゃあ、今から読むよ。いいかい?」
「うん、はやくはやく」

オットーは最初のページを開いた。
そこには、美しいサンドリアの森に囲まれた、大きな城の絵がある。
オットーは静かな声で、やさしく本を読み上げる。

「…サンドリアに、それはそれは美しいお姫様がいました。
 ですが、お姫様はとってもやんちゃで…」
                           
                                        続く

433 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 01:14 [ UN9iPTfs ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十四話 騎士と姫とオークのお話��

434 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/01(木) 01:15 [ UN9iPTfs ]
あ、ミスったでつ…(;´Д⊂
三十四話はもうちょい待ってつかぁさいでつ(;´Д⊂

435 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/01(木) 01:19 [ UN9iPTfs ]
あ、あとらてさん、挿絵ありがとうございまつ(;´Д⊂
ここでいうのもなんでつが、タル戦書く前から4コマみてまつた。
ええ、かなりファンでつ。
本当に感謝してまつ(;´Д⊂

436 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/01(木) 01:31 [ UN9iPTfs ]
あ、それと白き探求者の作者さん、いつの間にかタイトルの絵があると思ったら…
ちと遅くなりましたが、ありがとうございまつ(;´Д⊂
励みになっとりまつ。

437 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 02:20 [ GqonkUOU ]
タル戦キテルヨー。ヒャホーイ
さっき、寝る前に…にカキコしたばかりだけど、読んでから寝よう・・・

438 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 02:29 [ GqonkUOU ]
エッタ。・・・゚(ノд`)゚・・・。

439 名前: 名無し作家 投稿日: 2003/05/01(木) 06:28 [ GUBifAjA ]
流れ星達の詩
序章


 大いなる世界、この世界にどれだけの星が輝いているだろうか。
きっと数え切れないくらいの星達が輝き、お互いその美しさに心奪われているのだ。

ビッツはこの星達のお話が大好きだった。彼はいつもこのお話を思い出しながら星の大樹を見上げていた。
彼はできそこないと呼ばれていた。大いなるウィンダス連邦その魔術院で毎日魔法の勉強だ。
だが、彼はいつになっても薪に火をともす事もできないでいた。
「このやろー、なんでつかないんだよ!しけってんじゃないのか!」
彼は薪をほおり投げる。彼に科せられた宿題はファイアの魔法で薪に火をともす事だった。
だが、彼がいくら呪文を唱えても煙さえ立つ様子は見えない。彼はこの宿題をこなすために納屋の裏で悪戦苦闘していた。
「もう、簡単にあきらめたりしちゃダメでしょ!」
それは納屋の影から彼になげかけられた言葉だ。彼が振り向くと、一人のタルタルの女の子が見える。
彼女の名はアリスと言った。
「なんだよ、アリス。僕はブーメランの練習をしてたのさ。邪魔するなよな」
だが、アリスは慣れているように続ける。
「そうね、じゃあついでに宿題しよっか。確かビッツはファイアの宿題だよね」
「お、おう。しょうがねぇな、つきあってやるよ」
どうやらアリスは彼の扱いにずいぶん慣れているようだ。
彼女も彼と同じく魔術院の学生である。だが彼女はとても優秀な魔道士で一部の精霊魔法すら使いこなすという。
彼女の家はけして裕福ではないが、その魔法の才を買われて、授業料免除の特待生として魔術院に迎えられていた。
「ほら、こうして火の精霊さんに元気をあげるの」
彼女が呪文を唱え始める。すると瞬く間に薪に火がつき、あたたかな光が辺りを照らす。
「そうか、よし!コツさえわかればたいしたことないさ、見てろ」
ビッツは新しい薪を拾い、それに向かって呪文を唱え始める。
「とおおぉぉぉぉぉっ!」
ボンっ!
「お?」
煙がでた。
「きょ、今日はちょっと調子が悪いんだよ」
「そ、そんな事ないよっ。ほらほら今煙でたでしょ。何もでなかったのにくらべれば凄い進歩だよっ!」
ビッツは一瞬馬鹿にされてるのかと思ったが、アリスの目はキラキラ輝いてる。どうやら本気で彼のことを凄いと感じているようだ。
昔からアリスだけはビッツに魔法の才能があると言っていた。それを本気で信じているのは、もちろん彼女だけである。
当の本人ですら、さらさらそんな事思っちゃあいない。
「でも、もう遅くなっちゃったね。また明日続きをやりましょ。今日は煙がでたんだから、明日は成功するよっ。明後日はきっとおっきな火がだせるよっ」
「あぁ、そうだな。でも今日は遅いから帰った方がいいぞ。きっとお袋さん心配してるぞ」
「うん、そうだね。また明日ね」
アリスは弾むような声でうれしそうに帰って行く。ビッツはその後数時間ファイアの特訓をしたが、結局火はおろか煙さえ出る事はなかった。

続く

440 名前: Seilu 投稿日: 2003/05/01(木) 06:56 [ YejS3Znk ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 18節>
 ガライデッドとセイルは宮殿を出る。
「じゃあ俺は先にレンタルハウスの方からリストを持ってくる」
「え?どうしてガライデッドが先なんだ?俺も行くのに」
セイルが疑問の表情を浮かべる。ガライデッドは軽く笑みを浮かべると
セイルの背中を強く叩いた。
「お前、仲間に何も説明せずに行く気か。早く行って来い、どうせサレイドが直ぐに来る」
言いたい事だけ言うと、ガライデッドはさっさと自分だけレンタルハウスのある
エレベータの方に行ってしまった。
 1人残されたセイルは少しの間そこに立っていたが、気を取り直して
先ほどまで居たベンチの方に戻る。
 先程まで彼の居たベンチには、バッツやアキナ達の他にも冒険者達が輪を作って集まり
一緒に新年を祝っていた。
 セイルはその輪から少し離れた所から馬鹿騒ぎをして喜びを表している彼等を見る。
彼等が心の底から笑い、はしゃいでいる様子を見て、彼等に今何が起こっているのか
伝えるのを思いとどまった。
(みんなにはもう少し、もう少しだけ楽しんでいてもらいたい……)
セイルはその輪から背を向け、自分のレンタルハウスから神龍に属する者達の
一覧が書かれている表を取りに戻ろう離れたその時だった。
「待って、セイル」
セイルがその輪から離れ歩き出した時、誰かに呼び止められると同時に腕を強く掴まれた。
 セイルは聞き覚えのあるその声に、振り返らずに声をかける。
「どうした?…シェナ」
セイルの腕を掴んだのはシェナだった。セイルは振り返り、シェナの顔を見る。
いつもは笑みを浮かべている彼女の表情が、今は硬く真剣な表情に変わっていた。
「何があったの?」
彼女は短い問いをセイルにぶつける。そこには言い逃れなど許さないといった
口調と感情が感じ取れた。
「……何でもないさ……俺は自分のレンタルハウスに戻ってる。シェナはどうする?」
軽く、あくまで軽い口調でセイルは答えた。そこには、先程抱いた彼等をまだ
不安にはさせたくないと言う思いがあった。
 だが、2年程度とはいえセイルの側に居たシェナには、セイルの微妙な感情の揺れが分かっていた。
「セイル、あなたは嘘をついてるわ。どうして何もないなら嘘をつくの?」
シェナの真剣な視線がセイルに向けられる。次にセイルが嘘を言えば、確実に彼女はそれを察し、
もしかしたら泣き出すかもしれない。
 セイルは数刻の間頭の中で考えた後彼女の腕を取り、騒ぎの輪から離れた場所まで彼女を連れだす。
「正直に話して、セイルが宮殿に入って行ったのはどうして?あなたが中に入って行く時、
ガライさんの姿もあったわ。私の…いえ、私達の知らないところでなにがあったの?」
シェナの真剣な瞳は、相変わらずセイルに突き刺さるように向けられている。
 セイルは軽く星空を見上げ、自分より頭1つ背の低いシェナに顔を向ける。
「シェナ、これはまだ誰にも言うな。そしてお前にも俺はまだ話したくなかった事だ」

441 名前: 名無し作家 投稿日: 2003/05/01(木) 07:09 [ GUBifAjA ]
流れ星達の詩

第一話 女神の目覚め(前編)

翌日、ビッツは重い足取りで魔術院にむかっていた。
昨日は深夜までファイアの特訓に明け暮れていたのだが、結局一度も成功する事はなかった。
「ふぅ…アリスの奴になんて言おうかなぁ」
このウィンダスで彼ほど魔術の苦手なタルタルはいないだろう。
タルタルは元来魔道に精通した種族である。
それは遠い昔、タルタルの祖先がこの地で魔道の術を発見した時から変わらぬものである。
中にはアリスの様に物心つく頃には、精霊たちと会話ができるほどの者達もいる。
彼は明らかに他のタルタルたちより劣っていた。
そのとき、彼にいくつかの小石が飛んできた。
「いたっ。何だよ。誰だ!?」
「やーい、能無しの出来損ない!一緒に歩く友達もいないのか〜?」
そこには数人のタルタルがいる。彼らも魔術院の学生たちである。ビッツはいじめられっこなのだ。
「何だよ。痛いだろっ!」
怒ったビッツはお返しにと彼らに石を投げ返す。だが…
びゅぅんっ
彼らの唱えたエアロの魔法にビッツの投げた石はいとも容易くはじかれる。
「あ…」
「へへっ。お前にはこんなのも無理なんだろ。親もいないくせに魔術院の金どうしてんだよ。
能無しなんだからもったいないだろ、さっさと止めた方がいいんじゃないのか?」
彼らはクスクスと笑う。そう、ビッツは孤児なのだ。
彼が生まれて間もない頃大きな戦争があり、彼の両親はその戦争に参加し、とうとう帰ってくる事はなかった。
ビッツが住んでいるのは、ウィンダス連邦のはずれにある孤児院だ。
ビッツの両親と魔術院の学長が懇意だった事もあり、魔術院は無償で彼を迎えていた。彼らはそれがくやしいのだ。
魔術院の授業料というものは決して安いものではない。貧しい者はアリスの様に特待生になるより他にないというものだ。
そこで、たいした才能もないのに、授業料を免除されているビッツはやっかみを食らうというわけである。
「あんたたち!何やってるの!」
その時遠くから怒号が飛ぶ。見るとアリスが凄い剣幕でむかってくる。
「やべ、行こうぜ」
「お、おう」
彼らはその姿を見ると一目散に散っていった。
「はぁはぁ、ビッツ。あいつらから何されたの?」
ずいぶん一生懸命に走ってきたのだろう。息が上がっている。
「別に、朝の挨拶してたんだよ」
「朝の挨拶で、エアロなんて使わないでしょ」
「うるさいなぁ、アリスには関係ないだろっ!」
ビッツは早足で魔術院に向かう。
「ねぇ、待ってよ。早いよ。ちょっとあたし…」
アリスは流石に疲れたのだろう。その場にへたりこんでる。それを尻目にビッツは歩を進める。
「くそっ。何だよ僕は」
彼のぼやきは彼女に聞こええる事はなかった。
また彼の憂鬱な一日が始まるのだ。

続く

442 名前: 記憶の欠片(出会い1) 投稿日: 2003/05/01(木) 08:53 [ 3w/TX74Q ]

ガルカ因縁の鉱山、パルブロ。
バンはようやく鉱山内を自由に歩き回れるレベルの冒険者であった。
何度か探検している内に、鉱山内に産卵部屋を発見した。
おそらくクゥダフ達の卵だろうが......推測でしかない。
興味も手伝って、バンは時間に空きができるとパルブロに向かうように
なっていた。

その日もクゥダフ達を少しずつ倒しながら産卵部屋にたどり着いた。
意外にも、そこには先客がいた。
ヒュームの女性...楽器を装備しているところから見ると詩人であろう
バンよりは高ランクの冒険者のようだ。

彼女が振り向いたとき、彼女の腕に抱かれているものにバンは驚いた。
醜悪なクゥダフをそのまま小さくしたものが抱かれている。
間違いなく、クゥダフの子供だ。
孵化したばかりなのであろう...まだ目は開いていない。


種族を問わず女性というものは小さいものに愛情を注ぐ傾向がある。
...と、バンは思っている。彼女の表情からは感情は読み取れないが、
お世辞にもカワイイと言い難い生まれたばかりのクゥダフを抱き上げて
いる行動から見て、小動物を嫌っているようには見えない。


「貴女が抱いている...その......クゥダフの子供を」

バンが彼女に言葉を選びながら声をかけると、言い終るのを待たずに
いきなり、彼女はクゥダフの子供を抱いたまま歌いだした。

443 名前: 記憶の欠片(出会い2) 投稿日: 2003/05/01(木) 08:54 [ 3w/TX74Q ]

明るく伸びやかな彼女の声が鉱山の一室に反響する。
彼女に抱かれているクゥダフの子供が首を振って...そして、目を開けた。
バンは驚いたように一歩下がり、武器に手をかけた。
彼女はクゥダフを抱いたまま、ゆっくりと手を上げバンの動きを制した。

そして、クゥダフの子供の顔がバンによく見えるように向きを変えた。
目を開けたクゥダフの子供は...思ったより愛嬌があった。
黒い瞳をクルクル動かして、周囲を見回している。


バンは武器を装備し、クゥダフから目を離さずに叫んだ。
「それはクゥダフの子供だ、成獣になる前に...」
「駆除する」
彼女の先ほどの歌声からは想像もつかない冷たい声がバンの言葉の後を引き継いだ。

彼女はジタジタ動くクゥダフを、生まれてきたであろう殻に戻すと
楽器を取り出して歌いだした。
静かな調べと歌声にクゥダフの子供は殻の中で首をたれ、目を閉じた。

彼女は歌い終わると、バンを振り返って困ったような表情で
「モンクだよね?仕留めてもらえないかな?.....一撃で」
眠っているクゥダフを指した。

生まれたばかりのクゥダフなら、バンでも一撃で仕留められる...彼女は
そう考えたのだろうか。バンは渾身の一撃をクゥダフの子供に叩きつけた。
卵の殻は割れ、クゥダフの子供は声も上げずにそのまま崩れ....そして、
消えた。

呆然と立ちすくむバンの肩に彼女はそっと手を置いて声をかけた。
「ごめん、嫌な役回り頼んじゃったね。出ようか?」
その声に我に返ったバンは装備を外した...そして駆け出す彼女について、
フラフラと鉱山を後にした。

444 名前: 記憶の欠片(出会い3) 投稿日: 2003/05/01(木) 08:55 [ 3w/TX74Q ]

パルブロ鉱山の外
バンは外の明るさに慣れるため太陽を仰ぎ、大きく深呼吸をした。

「ごめんね、嫌な仕事させちゃって...」
また彼女が謝った。「そんなことは、別に...」と言いかけるバンに
「私の名前はリコル、見ての通り吟遊詩人」と、右手を差し出した。
バンは慌てて、差し出された右手を握り返し、自分の名前を告げる。

「さっき、歌った...あれは?」
バンは歩き出したリコルに聞いた。
「"目覚めの詩"と"眠りの詩"」
リコルは服についた砂を払い落としながら答えた。

状況を見ていれば詩の効果は分からなくもない...だが、その詩を歌った
意図はイマイチつかめない。

普段、あの場所は新しい卵が産卵されると発見した冒険者が孵化する前に
卵を全部潰していくものなの...とリコルは語り始めた。
「獣人でも外がどんなものか見たいのかな...と思ってさ」
ちらりとリコルはバンを見た
「この前...あの卵を撫でている君を見て、ちょっとそう思ったんだ」

「俺!?」

話をきくと、以前リコルが産卵部屋に来たとき
産卵部屋を発見して卵に興味津々のバンを見かけたのだそうだ。
卵を潰さずに、目をキラキラさせて産卵部屋を出て行くバン。
リコルは...卵を潰すのをためらったという。

445 名前: 記憶の欠片(出会い4) 投稿日: 2003/05/01(木) 08:58 [ 3w/TX74Q ]

しょんぼりしているバンにリコルは笑顔でとりなした。
「生まれたばかりのクゥダフなんて、珍しいもの見れたんだから気にしないで
...それに、君ウィンダス出身なんだね、卵を知らなかったのは無理ないよ」

やっと鉱山の中を歩きまわれるようになったバンには、鉱山の中の暗黙の
ルールなど知るはずもなく。ただ見つけた卵に興味を持っただけなのだった。
よくよく考えれば、クゥダフの卵の可能性が高く、孵化する前に潰すのも
また道理にかなっている。

リコルはため息をつきながらつぶやいた。
「でも、やっぱり冒険者のルールは正しかったみたい。
うまれる前の卵の状態の方が......罪悪感をあまり感じないもの」
確かに...今まで獣人を倒すのに罪悪感を持ったことはない
倒すか、倒されるかの関係の中でそんな感情はありえない。


バンは話題を変えた。
「さっきの目覚めの詩...フライパンを耳元で叩かれたみたいだった」
聞いたとたん耳鳴りのような感覚を感じたのだった。
「さっきのは詩だけだったけどね...楽器と演奏するともっと効果があがるの」
リコルは楽器を取り出すと先ほどの目覚めの詩を歌いだした。

そのとたん...

バンの耳の奥から地鳴りのようなものが聞こえ、眼球の奥がチリチリと
焦げ付くような感覚に襲われた。
意識が体の奥の何かに引き込まれていくようだ、思わずバンは膝をついた。

リコルはバンの異常に気づき、演奏を中断した。
バンを覗き込んでリコルは恐る恐る尋ねた。
「...もしかして、記憶の継承者?」

---つづく---
sageミスしました(T-T)名無しさんの話のFanです。
>早くひょうかがピンポーンになりますように。
ピンポーンの話が楽しみです...

446 名前: 名無し作家 投稿日: 2003/05/01(木) 09:49 [ GUBifAjA ]
流れ星達の詩

第二話 女神の目覚め(中篇)

「あれぇ〜、確かこの辺りだと思ったのになぁ」
アリスは自分の家の倉庫で、一生懸命探し物をしていた。
「優秀な黒魔道士の卵、アリスさんがこんな昼間からサボリですか?」
不意に倉庫の入り口から声をかけられる。そこにいるのは今朝方ビッツに石をなげたタルタルだ。
「なによ、ケッタ。あんたには関係ないでしょ」
ケッタと呼ばれたタルタルは馴れ馴れしそうに、入ってくる。
「そんな事言うなって。一人じゃ大変だろ、俺様が手伝ってやるからさ」
「あらそ、じゃあここからハーミットリングを探してよ。何処かにあるはずなの」
「なんだ、優等生はやっぱり違うな。日頃からの精進ってやつかい?」
「別に優等生じゃないわ。それにビッツに上げようと思ってるの。少しは役に立つかもしれないから」
ケッタはその言葉に大きく驚いた。
「な、何言ってんだよ。あいつにそんな物上げたって豚に真珠、ヤグードに書物ってやつだぜ」
「あんたには分かんないのよ。ビッツは絶対にすごい魔道士になるんだから。手伝う気がないんなら帰ってちょうだい」
「へん、そんな馬鹿みたいな事言ってるのはお前くらいなもんだよ。何だよつまんねぇ」
ケッタはあっさりとあしらわれてしまった。アリスは魔術院の人気者だった。
彼のように彼女に少なからず思いをよせるものも少なくはない。彼も魔術院ではかなりの上位に位置している。
しかし、アリスはそんなケッタなど眼中に無く、ビッツのことを心配しているのだ。
ケッタはそれが悔しくて仕方が無かった。
「へへ、見てろ」
ケッタは懐をごそごそとあさると、黒い粉末のようなものを取り出した。ボムの灰である。
すると、彼はそれを倉庫の隅にある荷物の山に、それを仕込んだ。
(あいつの事だから、たいした騒ぎにはならないだろうけど。きっと凄く慌てるぞ。へへっ、見ものだな)

――その日の夕方――

ため息をつきながらビッツが魔術院を後にする。今日も結局上達はみられなかったからだ。
「あら、ビッツちゃん。今帰りかい?」
ビッツに話しかけたのは、アリスのお袋さんである。
「あぁ、僕は優秀だからね。学師達がなかなか帰してくれないのさ」
ビッツは強がって見せた。
「あらぁ、そうらしいねぇ。うちのアリスがいつも言ってるよ。ビッツちゃんの上達はもの凄く早いんだってねぇ」
これにはビッツも苦笑するしかなかった。
その時、ビッツは周りの様子がおかしい事に気づく。
(なんだ、ずいぶん騒がしいな。何かあったのかな…)
前を見ると、向うからケッタが慌てて走ってくるのが見える。
「た、大変だぁ〜〜。大変だよ〜〜。アリスが、アリスのやつが〜」
ケッタはアリスの母親を見つけると、そうわめき散らし、泣きはじめてしまった。
(あれ、あっちはアリスの家だよな。なんであんなに明るく…)
ふと横を見ると、お袋さんは真っ青になっている。
次の瞬間、ビッツは走り出していた。ケッタが何か言ったようだが、そんなものは彼の耳には入らなかった。

続く

447 名前: 北の炎 西の風 投稿日: 2003/05/01(木) 15:56 [ /E7yXgg2 ]
第六話 天晶堂


バタリア側のジュノの大門をくぐったのは、もう日も傾きかけた
頃だったが、交易だけでなく冒険者たちの拠点としても地理的に
利便性にとんだジュノは、相変わらずの喧騒を見せていた。
幾層にも分かれた巨塔のような佇まいを見せるジュノは
他国に比べ入出国の管理がほぼない。

無論大公の住まうル・ルデの庭といわれる巨大空中庭園や、
ジュノの誇る飛空挺があり、魔物の巣窟のクフィム島への洞窟のある港区は
さすがにガードたちの目も厳しいのだが、一般市民や冒険者、
旅人が主に利用する上層や下層と呼ばれる区域は、ほぼザルで
ゴブリンの店があるといわれる下層門にいたってはゴブリンが気軽に
出入りしているほどだ。


「ここからだと、競売所よりちょっと奥だってさ。」

上層区で少し迷いながら螺旋階段を下り、下層の居住区の塔前で
露店を開いている冒険者に道を聞いた二人がゴブリンの店にたどり着いたのは
もう随分夜もふけた頃だった。
不夜城のごとく煌々と明かりの絶えない町並みとは言え、さすがに随分
人通りは減ってきていたが、店の明かりは消えておらず、扉は押すと
簡単に二人を迎え入れた。

夜に冒険者が店を訪ねることなど特に珍しくも無い事で、店員の
ゴブリン達は一瞥した後すぐに仕事を続けた。
会釈しながら二人は乱雑に散らかった店内をかきわけ、
「ここの責任者に会わせて欲しいんだけど。」
ノースが手近なゴブリンに話し掛けると、その若いと思われる
小柄なゴブリンはちょいと首をかしげると、くんくんと鼻を
鳴らして、ウェストを不思議そうな目で見る。
「変っタ匂いの冒険者だナ」
一瞬ノースの顔がこわばる。
「マあ、いいや。マック爺は今出かけテていなイよ。
 いつ戻るかも俺ハ知らなイ。急いでルなら、そっちに
 いった方がイいかもね。」
「どこへ、いけばあえるの?」
若いゴブリンは少し困った風なポーズをとって黙り込んでしまったが
ポリポリと首筋を掻くと、こう言った。

「天晶堂ダよ。行き方までは教えレないけどナ。」

アスランから情報を得ていた二人が天晶堂にたどり着くのに
さほど時間はかからなかった。
言われたとおり封筒をミスラに渡すと、ここのことは口外しないよう
注意こそ受けたが快く奥の扉をかけてもらい、階段を下りると
怪しい雰囲気の、見慣れないものが多々置いて有る、いかにも
「裏の店」といった場所に案内された。
そこで二人が見たものは、屈強なガードマンや、がらの悪そうな
連中に混じって、薄暗い店内でタバコを吹かす、一人のタルタルだった。
「サッタルマンサルさん、ですよね?」
二人はあわててそのタルタルに駆け寄って挨拶もそこそこに
アスランから預かった手紙を手渡した。
「よお、一見サンだな。こんな美人にいきなり手紙をわたされるたあ
 オイラも捨てたもんじゃねえな。」
軽口をたたきながらサッタルマンサルは手紙をみると、
苦笑いをしながら、鼻からタバコの煙を噴き出す。

「…あのオッサンのモノ好きにも困ったもんだ…ちょっと待ってな。」
そういうとサッタルマンサルはカウンターの店員に二言三言話して、
棚の上から細長い大きな木箱をもって来させた。
「アスランのおっさんに頼まれて預かっていたモノだが、あんたらに
 譲るように書いてあったんでな。ま、好きに持っていきな。」
「え?これは…何?」
「五尺七寸直刃…反りにちょいと癖の有る無銘刀だが
 あのおっさんが打ったモノだ。切れ味は保証するぜ。」

箱から現れたのは、150�儖幣紊呂△蹐Δ�という長剣、いや。

長刀だった。

448 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 20:07 [ fY0lmsGg ]
作家増えてきたwww最高だねwwwwwwwwww

449 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/01(木) 22:32 [ sIrusPU2 ]
白い心・黒い意志の作者さんまだこないかなぁ
カルティエラティエの話が気になって・・(ノД`)

450 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 01:48 [ drHVwtmQ ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十四話 騎士と姫とオークのお話��

物語がいよいよ終盤に近づいてきたところで、それまで静かに聴いていたエッタが口を開いた。
「お兄ちゃん、私達、そっくりだよね?」
「…それは…双子だから、当たり前じゃないの?」
「ちがうんだよ。…私、わかっちゃったんだ」
「わかった?…なんのこと?」
「わたしね、お兄ちゃんそっくりにできてるってこと」


―お城では大騒ぎになっています。きっと、森へ遊びに行ってしまったに違いない。
王様はとてもとても心配していました。
そこへ、一人の騎士が名乗りをあげたのです。
「私めが、命に代えても姫をお助けしましょう」
王様は騎士へ一振りの剣を授けました。それは名誉の剣といわれる剣でした。
王様は騎士へ一匹のチョコボを与えました。
そのチョコボは風のように速く、氷のクリスタルの様に青い目をしていました。
騎士はチョコボに跨り森へと向かったのです。

・・・・・

「何を…何を言ってるんだい?エッタ」
「私ね、ずっと暗い部屋で泣いてたの。一人じゃとても寂しいから。
 そうしたらね、お兄ちゃんがあの部屋の扉を開けてくれたの。
 明るい世界へ私を連れ出してくれたんだよ…」
オットーは混乱していた。そうだ、以前から何か引っかかっていた、何かだ。
エッタは紛れもなく、オットーの知らない何かを知っているのだ。


―お姫様はオークから逃げていました。暗い森の中を走り続けていました。
それまで優しかったオークはお姫様を食べようと、斧を持って追いかけてくるのです。
「あきらめなさい、いくら逃げても無駄ですよ。さぁ、おとなしく私の夕食になるのです」
お姫様は走りました。…そして、どうにかオークから姿を隠すことができました。
大きな木の下で休んでいると、一匹の兎がやってきました。
「やぁやぁ、大変そうだね?なんなら君を助けてあげてもいいんだよ?
 その代わり、君の美しい声をもらうけどね?」
「まぁ、あなた、私の声が欲しいの?」
「そうそう、君の美しい声がほしいのさ。早くしないとすぐにオークは君の匂いを
 嗅ぎ分けておっかけてくるよ?」
お姫様は、仕方なく兎に美しい声をあげました。
「ありがとう。ああ、いい声だ。それじゃあ助けてあげるよ。こっちへおいで」

・・・・・

「お兄ちゃん…私ね、ずっと絵本の騎士に憧れていたの。でもね、分かったんだ」
「エッタ…」
「私には生まれた時から、私を守ってくれる騎士がいたんだよ…」


―お姫様は兎の言うとおり、兎の後を追いかけました。
すると、目の前に湖が広がりました。
「ここで体を水に濡らすといいよ。そうすればオークは君の匂いが分からなくなるからね」
お姫様は湖で体を濡らしました。
しかし、なんということでしょうか。折角体を水に濡らしたのに、
お姫様の姿を見つけたオークが追いついてきたのです。
「ああ、大変だ。折角匂いを消したのに、あのオークったらしつこいったらありゃしない。
 仕方ない、もし君が望むなら、もう一度君を助けてあげるよ」
お姫様は頷きました。
「今から僕の魔法で君の姿を見えなくしてあげる。そうすれば、オークは君の事を
 追いかけることができないからね。ただし、この魔法をかけると、君は一生誰からも
 見えなくなってしまうよ?」
お姫様は頷きました。兎はお姫様に魔法を唱えます。すると不思議なことに、
お姫様の姿は透明になり、見えなくなってしまったのです。
「僕にできるのはここまでだ。君がもう何処にいるのかも分からないし、君がどう困ろうが
 関係ないからね、それじゃあ、美しい声をありがとう」
兎はぴょんぴょん、と跳ねて森の奥へと姿を消しました。

451 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 01:51 [ drHVwtmQ ]
「お兄ちゃんはね、きっと寂しかったんだと思う。…私と同じだったんだよ。
 だから、お兄ちゃんと私は引き合ったんじゃないかなぁ…」

オットーの脳裏に昔の記憶が蘇る。
そうだ…あの部屋には僕一人しかいなくて…いつも僕は一人で勉強ばかりしていて…
絵本、そうだ。絵本を読むのが好きだった。唯一許された娯楽だったからだ。
あの時も、書斎の奥の古びた扉を見つけて…そうだ、その中で一冊の本が目に付いて…
それから?それから…?

―騎士は森の湖へと向かいました。そこからお姫様の声が聞こえたような気がしたのです。
しかし、そこにはお姫様の姿は無く…一匹のオークがいました。
「そこのオーク、姫をどうした?」
騎士とオークの戦いが始まりました。その戦いは長く続きました。お互いの力は互角です。
お姫様は声も出せず、姿も、匂いもありません。
その戦いをじっと見つめていることしかできませんでした。
やがて、長い戦いに決着が着きました。最後のその場に立っていたのは、あろうことか
オークだったのです。オークはそのまま暗い森の奥へと去っていきました。
(ああ、なんということでしょう!私のせいで騎士様が死んでしまったわ!)
お姫様は神様に祈りました。
(どうか、お願いです。私からは何をとっても構いません、この方を生き返らせてください)
その様子を見ていた神様はお姫様に言いました。
「そこまで望むなら、願いを叶えてやろう。しかし、死んだ者を蘇らせるにはそれなりの
 代償が必要だ。…お前という存在を世界の全ての人々の記憶から消すことになる。
 お前は姿も見えず、口もきけず、匂いもない、そして誰の記憶からも忘れ去られる」
お姫様はそれでもいい、と心の中で思いました。
騎士は森の中で目を覚ましました。ですが、何か大切な事を忘れているような気がします。
王様も娘の事を忘れてしまいました。兵士も、城下町の人々も、皆お姫様の事を
忘れてしまったのです。
お姫様は、広い世界の中で、一人ぼっちになってしまいました。

・・・・・

「今までありがとう。お兄ちゃん。もうそろそろ私の魔法も終わりみたい。
 …でも、大丈夫。次に目が覚めたら、私の事は覚えていないからね…」
「…エッタ!嫌だ!僕を一人にしないで!僕にはお前が必要なんだ!
 エッタがいないと…僕は…」
「お兄ちゃんはもう一人じゃないよ?…皆がいるじゃない、ね?
 …大好きだよ。私の騎士様…」

それが、最後の一言だった。”エッタ”と名乗った存在は、静かに目を閉じた。
オットーは本を閉じる。もう、その絵本を読んで欲しい、とせがまれる事はないからだ。
「そうだよ…いつもそうなんだ…結局、最後の方になると寝ちゃう癖に…」

452 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 01:52 [ drHVwtmQ ]
・・・・・

「おお〜い!大丈夫か〜!?」

遠くから仲間の声が聞こえる。どうやらトッパのようだ。
テントの外へと出てみると、ここまで旅を続けてきた仲間達の姿がある。

「よかった…無事みたいね、オットー」
「オイラのせいで迷惑かけちゃったみたいだなぁ…悪い…」
「そうだぜ?トッパ。お前、方向音痴なんじゃねえの?」
「ジルパケルパ…貴様が言えた事か?」

ああ…そうだ、僕のかけがえのない仲間達だ。…でも…あれ、おかしいな?

「どうしたの?オットー。まるで一晩中泣いてた見たいな顔して…?」
「え…い、いや…なんでだろう?なんだか…」
「おい、なんだその本?徹夜して読んでたのか?」
「え…?」

オットーは自分の右手を見る。今まで気付かなかったが、右手には一冊の本が
握り締められている。表紙には、”騎士と姫とオークのお話”と書かれている。

「絵本…なのか?…おもしろそうだな?少し見せてくれないか?」
そう言い出したのはラキだった。意外といえば意外である。
ラキはパラパラとページをめくるが…
「なんだ…?何も書いていないぞ…?真っ白だ」
「ほんとう…なんなのこれ?」
「うん…僕にもよくわからないんだけど…なんだろね?これ」
「…まぁいっかぁ、さぁ、皆揃ったことだし、サンドリアへ行こうぜ!」
「そうね…霧のせいでよくわからなかったけど、もうすぐそこみたいね」
 レウが指を差した方向にはドラキーユ城が見える。
「なんだ…すぐそこまで来ていたみたいだな…では、行くとするか」


トッパ一行は長い旅を経て、ついにサンドリアへ到着した。
そのパーティーには、エッタと名乗る黒魔道士の少女の姿は無い。
まるで、泡のように彼等の記憶から消えてしまったのだ。
…いや、そもそも最初からその世界には存在していなかったのかもしれない。
だが、オットーは思う。この美しいサンドリアを、どうしても見せたかった
大切な人がいたような気がする。
しかし、それが誰だか思い出せない。
何も書かれていない、真っ白な絵本を見てオットーは何故か無性に悲しくなった。


                                       続く

453 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 02:06 [ HLfSFYfY ]
悲しすぎる…。・゚・(ノД`)・゚・。

454 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 02:08 [ i6lMrnlc ]
ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!
嘘ーーーーん!!!


          つД`) ウエーン

455 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 02:08 [ CraH//IE ]
いっつも面白い話をどうもありがとうございます。
うぅエッタ・・・
予想を裏切られた結末ですよほんと。見事にほろっと来ました;;
く〜〜。切ない(⊃д`)

456 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 02:09 [ nEvdklHA ]
うは・・・・・・・・・・
言葉がみつかりません・・・・・

457 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 02:09 [ 7n1r8NNo ]
……ぐッ……;;
こ、コレは…………


な、なんてこった……エッタよ……・゚・(つД`)・゚・

458 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 03:18 [ o8fMqQvw ]
う〜ん・・・
今回のは、あまりにも唐突すぎるというか、
下ごしらえが、出来てなさすぎと思いました。
エッタが、どのようにして登場したのか、
どうしてここで消えないといけないか、
この二点をもう少し深く掘り下げてほしかったです。

459 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 05:17 [ DQMSz102 ]
ま た 批 評 家 登 場 か よ ('A`)

パパガンバ!!いつも楽しみにしてます〜

460 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 05:47 [ IKSM9AgI ]
前回と全く同じ口調でワラタ
また水さしてますよ?

>エッタが、どのようにして登場したのか
>どうしてここで消えないといけないか
>をもう少し深く掘り下げてほしかったです

あんたの言う『2点』がこの後で語られる時が『もし』来たら
『わたしの要望も取り入れてくれたんですね、とても嬉しいです』
とでも言ってくれるんだろうか

作者氏が話固まってるって言ってるんだからおとなしく
キタ━━━━━━━━━━━(゚д゚)━━━━━━━━━━━━━!!!
って叫んどけ 今はそれでいい

話完結してから 作者氏も巻き込んでガッツリ話し込もうよ…( ´・ω・`)

461 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 06:44 [ bOsPtIVo ]
>>458
いいからコソーリ氏んでろ(・∀・)

462 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 08:29 [ jufZSoTk ]
オレ的には、アルタナの女神様が天空に招いたのだと勝手に妄想>エッタ

はっ、ここは世界設定を語るスレではない!?

463 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 09:00 [ vGedcIq2 ]
>>458
読み物ってのは、読み手を選ぶものです。

> 今回のは、あまりにも唐突すぎるというか、
> 下ごしらえが、出来てなさすぎと思いました。

いままでも十分な伏線が張られていました。
それに気付いていないだけだと思います…

> エッタが、どのようにして登場したのか、
> どうしてここで消えないといけないか、
> この二点をもう少し深く掘り下げてほしかったです。

今回の34話だけ読んでも、理解できる内容になっています。
前の話も含めると、さらに話の深みが増しますし、
このような構成が出来るあたり、やはり上手いと思いました。

その何も「書かれていない本」がオットーくんの旅の目的になるのだと思う。
女神信仰のサンドリア、魔法書物を秘蔵するウィンダス目の院…
この辺りが絡んでくると面白そう。

464 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 09:28 [ MERRa6Z2 ]
>>463
>その何も「書かれていない本」がオットーくんの旅の目的になるのだと思う。
>女神信仰のサンドリア、魔法書物を秘蔵するウィンダス目の院…
>この辺りが絡んでくると面白そう。

オットーもウィンダス行きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!?
うっわ、なんにせよスゲエ楽しみだハァハァ(*´д`)
いや、その前にサンドリアで何か起こるんだろうかハァハァハァハァ(*゚∀゚)=3

それと>>458
もう一回>>245読んでから体育座りでじっと続きを待つ構えを取れ。
途中で口出しは野暮だよ。

まあとりあえず、改めて>>216禿同って事で早く続き読みたfd;ぁんk;ldfkmsp;あいうjうぇmふぁ

465 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 09:33 [ IoYjsFEk ]
エッター・・・、エッターーーー・・・・!!(つД`)

466 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/02(金) 10:03 [ yXNY9udQ ]
序章──彼の子の名は

まるで、バケツの底でも抜いたかのような豪雨が、降り続いていた。
雷鳴鳴り響くコンシュタット高原。平素であれば、爽やかな風が吹き抜けるのみの初夏の高原で、一行は予想外の足止めを受けていた。

山際、天然の小さな洞穴の中、炎のクリスタルの力を用いて点された焚き火が、数人の男女を照らしていた。
「ったく・・・いつになったら、止みやがるってんだ。忌々しい・・・」
背中に大鎌を背負ったヒュームの青年が、まだ昼間だというのに、暗く染まった空を睨み付ける。
「落ち着け、立っていたところで、この雨がすぐに止むわけはないだろう。──ほら、お茶が入ったぞ」
焚き火の前に屈みこんで、やかんを火にくべていたのは、エルヴァーン族の女性だ。彼女の傍らには、使い込まれた長剣と、外した鎧が立てかけてある。それぞれに刻まれた紋章を見れば、気づくものは多いだろう・・・サンドリア王国は、王立騎士団員の証だ。
女性騎士は、背嚢の中から粗末な真鍮製のカップを人数分──3つ取り出すと、それぞれにやかんを傾けた。と、狭い洞穴に、豊穣な香りが満ちる。彼女の祖国、サンドリア特産の紅茶の香りだ。
カップのひとつを自身の傍らに、もうひとつをヒュームの青年に・・・不機嫌そうな顔はそのままだが、素直に受け取る。
残ったひとつは、同じくヒュームの少女に手渡された。
「ありがと──それにしても、遅いね。ふたりとも」
すっかり体が冷えてしまっていたので、すっぽりと被った毛布から手だけを突き出した姿で、暖かい紅茶をすする。おいし、と小さくつぶやくと、女性騎士は満足げに微笑んだ。
「あぁ・・・薪に使えるものを探す、とか言ってたが、そんなもん、この雨の中で早々見つかるわけはねぇからなあ」
武装を外すことも、座って休むこともせず外を見張っていた暗黒騎士の青年が、やれやれ、といった表情でつぶやく。
「まあ、この辺りの魔物で、あのふたりにとって危険なものなどはそうはいるまいよ。そのうち戻ってくるだろうさ」
女性騎士だけが、落ち着いた様子でカップから立ち上る香りを楽しんでいた。
「なんつうか・・・おまえ見てると、サンドリアの騎士っつーもののイメージが崩れるなぁ。もっとこう、任務命、みたいなもんは無いわけか?
 一応は俺たち、国から受けたミッションの途中なんだぜ?」
青年が、気の抜けたようなあきれたような表情で、女性騎士に言う。
「騎士と一言で言っても、いろいろな奴がいるというわけさ。第一、休むべきときに休めない奴ほど弱い者はいない。突き進むばかりでは、何事もうまくはいかない・・・私がこれまでで、学んだ教訓だよ」
半分真顔、半分笑顔で、女性騎士が青年に諭す。
青年も、そんなもんかね、とあいまいな相槌を返す。彼女の実力を知っているからこそ、反論の言葉も、そうする理由もありはしなかった。
「──あ、戻ってきたよ」
ふたりのやり取りを、黙ってみていた少女が、雨の中近づいてくる、彼女たちの仲間の姿を見つけた。

467 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/02(金) 10:04 [ yXNY9udQ ]
戻ってきたのは、タルタルの男女ふたりだ。
男は赤魔道士、女は黒魔道士。一行のメンバーで、夫婦の誓いを立てているウィンダス所属の冒険者である。
「よう、遅かったな──って、なんだ、そりゃ?」
暗黒騎士が、赤魔導士の抱えた──小柄なタルタルの彼と、さほど変わりもしない程の大きさのおくるみに目を留めた。
「・・・拾ってきちゃった」
赤魔道士が、どこか乾いた声で、アハハハ、と笑う。
焚き火から少し離れたところに、そっと置かれたおくるみの正体は・・・ヒュームの赤子だった。

「なんだこりゃ!? おいっ、どうしたんだよ、こんなもん!?」
暗黒騎士が、一転混乱した声で、わめく。と、つい先ほどまでは寝付いていた赤子が、火がついたように泣き出す。大声で、目覚めてしまったのだ。
「おや、これは可愛らしい客人だ」
脇からひょいっと覗き込んだ騎士が、とぼけた声でいう。
「赤ちゃん・・・なんで?」
同じく顔を出してきた少女、一行の白魔道士が、何がなんだかわからない、といった表情でつぶやく。
「あのね・・・雨ざらしになってて、可哀想だったから、連れて来ちゃったの」
黒魔道士が、言いにくそうに、言った。

話を聞けば──このヴァナ・ディールではよく見られる・・・しかし、悲劇的なことだった。
タルタルふたりが、使えそうな木切れでも・・・と、雨の中を彷徨っていたところ、街道沿いに、壊滅した商隊の残骸があった。
このコンシュタットは、バストゥークからの陸路での通商ルートでもあり、このような商隊もたびたび通行する。
──が、これは同時に、辺りにたむろする獣人の野党団の、格好の餌食でもあるのだ。
現に、以前より商隊が襲撃され、壊滅するといった事件はたびたび発生しており、バストゥーク政府にとっても悩みの種になっているのであるが・・・この隊も、哀れ襲撃の犠牲となったであろうことは、想像に難くなかった。
タルタルふたりは、このまま捨て置くわけにもいくまい、と、打ち捨てられた十を超える亡骸の埋葬を試みたところ──その中の一人、妙齢のヒューム女性の亡骸に、しっかりと抱え込まれたおくるみを見つけたのだった。

「放っておいたら、すぐにこの子も死んじゃうだろうし、そんなこと、できないし・・・どうしよう〜〜」
黒魔道士が、おろおろと涙を流す。
「あー・・・そういうことかよ。くそっ・・・」
暗黒騎士が、苛立たしげに生乾きの髪の毛をかきむしる。その瞳に浮かぶのは、赤子の家族への哀悼と、獣人どもへの怒りの色だ。
普段から粗暴なイメージが強い彼だが、実のところは心優しき正義漢である。
「ともかく──彼らの埋葬は、終わったのか?」
そう聞いたのは、騎士だった。
「ううん。この子を連れてくる方が先だって思ったから、まだ途中」
赤魔道士が答える。
「ならば、もう一度行って、きちんと弔ってやろう。ミルトト、君はここに残って、赤ん坊を見てやっててくれ」
騎士が言うと、黒魔道士──ミルトトはうなづきで答え、まだぐずったままの赤子を抱き上げる。
「まだ獣人が近くにいるかもしれないから、気をつけてね・・・」
「承知した。さあ、クラップ。案内を頼む」
「うん。あっちだよ」
赤魔道士──クラップに導かれ、ミルトトを除いた四人は、惨劇の跡へと向かった。

468 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/02(金) 10:05 [ yXNY9udQ ]
二時間ほども経っただろうか。
焚き火の薪もいよいよ燃え尽きようとしたころ、四人が戻ってきた。
あれほど激しかった豪雨も、しとしとと小雨に変わっていた。
四人の表情は、どれも暗く──疲れきっている。
「・・・どうだった?」
ミルトトの問いに、騎士──シュミルが首を横に振る。
「生き残りはもう、いなかったよ。
 積荷も何も、盗れるものは全て持ち去られていて──その子の身元の証拠になりそうなものも、ない」
「亡骸は、みんな埋めさせてもらったわ。お墓っていうには、寂しいものだけど・・・」
白魔道士──エレシアの顔には、涙の跡が残っていた。
「一個だけ、あったぜ」
暗黒騎士──デュオルが言った。
「え?」
「その子の母親のものさ。死体の脇に落ちてたよ。掌に、握りこんでたみてぇだ」
彼が取り出したのは、翠に透き通った宝石が付いた、ネックレスだった。縦長の石と共に、紋章らしきものが刻まれた銀盤が、鎖につながれている。
「おかあさんの、形見だね・・・」
デュオルからそれを受け取ったミルトトは、そっと赤子の首に鎖をかけてやった。
「あ、止んだよ」
クラップが、洞穴の外を眺めて言う。曇天の隙間から、太陽の光が差し込んでいた。
雨露に濡れた背の低い草むらは、光を受けて黄金色に輝く。
それは、一行にとって皮肉なまでの美しい光景だった。
「行こう」
シュミルが、背嚢を肩にかけ、言う。
「私たちは、今週中にウィンダスまで辿り着かねばならない。そのためには、今日中に、砂丘までは行く必要がある。
 これ以上は、ここに留まるわけには行かない」
「おいおい、この赤ん坊はどうするんだよ。バストゥークまで戻るとは言えねぇが、せめて、あっちに行くキャラバンでも捕まえて、預けたらどうだ?」
「デュオルの言うことも分かる。が、残念だが、その時間はない。そうだな──セルビナの町長にでも預けよう。幸い、私とは機知の仲だ」
「コラ、そいつぁ幾らなんでも、無茶ってもんだろう。こんなちびっこいガキにとっちゃ、砂丘はきつすぎるぜ! それに、そんな無責任なやりかたは、俺は気にいらねぇ!」
「言っただろう、時間がないんだ。
 それに──さっきのおまえの言葉を借りるが、私たちは、国に命ぜられたミッションの最中だ。こんなイレギュラーなどに、予定を左右されるわけにはいかない」
シュミルの表情は、冷徹そのものだ。ほんの数時間前までの、柔和な姿は、そこにはない。そこにいるのは、紛れもない「王国騎士」の顔だった。
「てめぇ・・・この、騎士野郎が!」
自分よりも、頭ひとつ分も背の高い女性騎士のむなぐらに、デュオルが掴みかかる。完全に怒り心頭のようで、その顔は真赤に染まっていた。
「ちょ、ちょっと、止めてよ! 赤ちゃんの前なんだよ!」
クラップが、ふたりの足元で必死になって、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。間に割り込もうとしているようなのだが、まったく届いていない。
「うるせぇ! 黙ってろ、チビ助!」
「・・・お前だって、分かっているのだろう。私たちの任務が、いかに重要なことかは。例え──おまえの言い分が正しかろうと、そうしたかろうと、任務を捨てるわけにはいかないんだ・・・!」
そう吐き捨てるシュミルの顔が、必死に何かを堪えようとしていることに・・・デュオルは、今更ながらに気が付いた。
そして、彼女が自分と同じことを考えていないわけなどはないことに。
常に冷静な彼女だが、常に彼女なりの優しさを持って、人に接していることを、自分は知っていたはずじゃなかったか。

469 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/02(金) 10:06 [ yXNY9udQ ]
「・・・くっ」
手をそっと外し、うつむく。
「・・・すまねぇ」
ただそれだけ、何とか言葉を搾り出す。
「いや、いいんだ・・・。
 お前の実直さがあるからこそ、私は冷静でいられている。お前は、いつでも私の本心を、言ってくれるからな。
 ──大丈夫だ、セルビナの町長は、信用できる男だ。彼に預ければ、間違いはない」
そう言って、シュミルは赤子の頭を撫でてやる。ミルトトに抱かれた赤子は、すやすやと静かな寝息をたてていた。
「・・・あたし、この子をウィンダスまで連れて行く」
唐突な言葉。
先ほどから、ただ押し黙ったままだったミルトトが、きっぱりと言い切る。
「「「・・・なんだって?」」」
シュミル、デュオル、クラップの声がハモった。
「この子は──ウィンダスまで連れてく! 大丈夫、ちゃんとあたしが責任持ってこの子を育てる!」
赤子をぎゅっと抱きしめたミルトトが、彼女にしては極めて珍しいことに、大声を張り上げる。
冗談を言っている顔ではない。本気で、そう言っているのだ。
「ちょ、ちょっとまって、ミルトト。赤ちゃんを育てるって・・・その子は、ヒュームなのよ!?」
エレシアが、慌ててミルトトに詰め寄る。
「ヒュームもタルタルも関係ない! 育てるって言ったら、育てるの!
 ・・・この子、もう家族がいないんだよ? あたし、バストゥークには結構長くいたから、あの国のことは分かってる。
 あの国って、孤児院とかあるにはあるけど・・・よく、誘拐とか、殺人とか、怖い事件がいっぱいあるし、そんなとこに、この子を帰したくない!
 ウィンダスなら、そんな事件はほとんどないし、あたしとクラップだって付いてるんだから、絶対そっちの方がいい!」
「ミルトト・・・」
デュオルとエレシアは、バストゥーク出身の冒険者だ。だからこそ、ミルトトの言葉を否定することはできなかった。
確かに、バストゥークは、若い国であるがゆえに──力ない者たちにとっては、危険な国だった。
若いゆえの熱気は、よい方向にも、悪い方向にも等しく影響を及ぼす。力ある者は、その熱気を受けて、己の活力とするだろう。しかし同時に、強すぎる熱気は、か弱い者たちにとっては、強すぎる劇薬だ。
街の周囲、そして街の中には、そのようなか弱い者たちを傷つけ、利用しようという輩が多数徘徊している。野蛮なゴブリン族の野党、人間族に憎悪を抱くクゥダフ族、そして、何より恐ろしい、人間族そのもの。
親の保護のない子供が生きていくには、つらい世界なのだ。
「・・・気味の気持ちは、よく分かる。だが、それがいったい何を意味するのか、分かっているか?
 ウィンダスは、タルタルとミスラの国だ。ヒュームの同朋がいたとしても、その数は決して多くない。それに──自分とは種族すら違う、親代わり・・・その子が、つらい思いをすることになるのかもしれないんだぞ」
シュミルが、優しい口調で静かに諭す。
「でも──でもね、この子、さっきあたしを見て、笑ったの。
 それでね、あたしの指を加えて、一生懸命吸うの。まるで、おかあさんに甘えるみたいに。
 ──この子をおいて、ウィンダスに帰るなんて、あたしはできない。この子をセルビナに残すっていうなら、あたしも残る」
ミルトトの本気。全員に、ひしひしとそれが伝わってくる。
今の彼女を説き伏せることは、きっとできないのだろう・・・シュミルは、それを感じ取った。

470 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/02(金) 10:08 [ yXNY9udQ ]
「──僕からも、お願いするよ」
クラップは言った。
「僕は、ミルトトのダンナなんだからね。奥さんのワガママを聞いてあげるのは、男のカイショーだもん!
 ・・・シュミル。僕からも、お願いする。この子は、ミルトトと僕とで、立派に育ててみせる。
 この子は今日から、僕たちの子供だよ」
クラップが、力強く宣言する。
普段の、まるで子供のような彼の瞳とは、明らかに輝きが違う。ミルトトの思いを、真正面から受け止めようという、男の顔、というものなのだろう。
熱い眼差しで自分を見つめるふたりを、シュミルはいつもの冷静な表情で見下ろしていた。
一行のリーダーは、自分だ。彼女の決定が、赤子をウィンダスまでの旅に同行させるかどうかを、左右する。
四人は、彼女の言葉を、息を潜めて待った。
「・・・っく、クククク・・・」
シュミルの口から出たのは、笑い声だった。
「ハハハハハハ! これだから、タルタルという連中はは面白い!」
堪えきれなくなったように、心の底から、嬉しそうな笑い声を上げる。
ぎょっとする、タルタルの夫婦に向かって、彼女は語りかける。
「まったく・・・お前たちは、本当に面白いな。
 普段、まるで子供のようなふるまいばかりすると思えば、突然、今みたいに大人になって見せたりと、私には到底理解できん。天真爛漫にして、老獪。だからこそ、お前たちの国は、私たちのよきライバルとなりえているのだろう・・・
 だが、それがいい」
ふたりを、優しい眼差しで見つめる彼女は、何かとても、満足そうな晴れやかな表情に見えた。
「この子のことは、ふたりに任せるよ。しっかりと、面倒を見てやってくれ。
 ──さあ、そうと決まれば話は早い。すぐに出発しよう!」
シュミルの声が、高らかに草原に響き渡る。
五人と、新たな仲間のひとりは、日の光を浴びて黄金になった草原を、砂丘へ向けて歩き出す。
と、そこで、まって、とミルトトがシュミルを呼び止めた。
「この子に──名前をつけてあげて欲しいの、あなたに」
ほう、それは光栄だ、と、シュミルはしばし、考え込む。
そこで、赤子の首にかけられた、実母の形見の宝石に目を留めた。

「エメラルダ、というのは、どうだろう」


ウィンダスで、タルタルの夫婦に育てられた少女──エメラルダが、遥かヴァナ・ディールの大地に歩みだすのは──
これより、15年の月日が流れてからのことである。

続く

471 名前: 翠の(略 @新人 投稿日: 2003/05/02(金) 10:13 [ yXNY9udQ ]
神々に触発されて、めっさ久しぶりに書いてみますた。
なんつうか・・・皆さん、マジデイイ!(゚∀゚)

どれだけのペースでかけるかは分からんが、宜しければ読んでやってくださいませ。
今後は、エメラルダの冒険記が中心になっていく予定でふ。

472 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 10:15 [ IoYjsFEk ]
今読み返して気付いたんだけど、>>243の

>「そうね…最初から何も無かったみたいに、全部綺麗に忘れられたら…いいよね」
>「そうなのかな…そういうもの…なのかな?」

でのレウとオットーの会話がエッタの消えた伏線になってるみたい。
パパさん・・・、あんたすげえyp!!

473 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 11:00 [ dHU2arZA ]
う〜ん、そうなの^^;?
実は私も今回の話は突飛すぎてわかんなかったです;
前回から、エッタが死ぬっていうか、何か別の存在ってのも
わかっていたし、絵本絡みもなるほど〜って思ってたんだけど、
ん〜・・・
ま、好きな作品だから、知りたいってやつなんですよw
批判とかじゃないですよ^^;
もしよかったら、パパさんが次回にでも、ちょこっと説明
してくれたらうれしいな^^

あと、例えここでも有名になればなるほど、
手のひらを返した誉めちぎりな感想だけじゃ無くなると
おもうんですよね。意見いう人も出てくるかもしれないけど、
それに血まなこになって噛みついている人のほうが、
なんだかなぁ〜って思ってしまいます^^;

474 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 11:13 [ Y7hVKP7g ]
>>473
新しい話出てきて流れかけたのを蒸し返す馬鹿もなんだかなぁ〜って思ってしまいます^^;
脊髄反射してる俺もなんだかなぁ〜

>>466
ウホッ! いい話・・・
と思ったら序章かYO! 続き楽しみにしてます

475 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 11:16 [ Y7hVKP7g ]
って、>>458と同じパターンの書き出しでついでにageてるじゃん・・・



ツラレタポ(´・ω・`)

476 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 11:17 [ qTlMpvL6 ]
>>474藻前の低俗で陳腐な反応を
楽しんでるんだよwwwwww

477 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 11:32 [ vGedcIq2 ]
>>473
472氏の
> レウとオットーの会話がエッタの消えた伏線になってるみたい。
は「消えた伏線」ではなく、「消えた時に盛り上げるための伏線」と
受け取って上げた方が良いと思う

> もしよかったら、パパさんが次回にでも、ちょこっと説明
> してくれたらうれしいな^^

物語の解説を作者自身がする…愚の骨頂
パパさんを道化師にするつもりなのですか?
読み手には、読み解く楽しみがあるからこそ面白いのです
そう言う意味では、パパさんの作品の作りは読者を選びます

その場合、読者が読み解いた内容を語れば良いだけの事だと思います

478 名前: 低俗で陳腐な474 投稿日: 2003/05/02(金) 11:51 [ Jk1m5.Vs ]
>>476
うはwwwwwwwwおkkkwwwwwwwwwwwwwww

479 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 12:07 [ hGhTQ0BA ]
物語を読む って事に慣れていない人が多いんだよ、きっと
何かの小説で、狂った登場人物のセリフが滅茶苦茶なのを見て
誤植ですか? ってファンレター送ったやつとかもいたらしい

480 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 12:22 [ v1bfi/0M ]
つか受け流せ。カウンターはイラン。

481 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 12:27 [ Br9IwQ/E ]
あと、擁護レスもやめとけよ
ここって、ぶっちゃけ荒らしが起きてもおかしく
ないような、匿名板だろ?ケチつけるやつに、腹立てる
気持ちもわかるが、そうやって必死に反抗するおまいらも、
見ててキモイぞ?なんか熱狂的な信者みたいだぞ?

482 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 12:37 [ 6O3jG7RY ]
>>481
擁護はしてない様に見えるな
野暮な物を野暮と騒いではいるが

そんな俺も野暮、君も野暮
>>480みたいなのが粋かと

483 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 12:50 [ VDA7VyrA ]
マターリ待とうよ。
意見・感想なんざ人それぞれなんだからさ。

では次のお話どうぞ↓

484 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 13:16 [ rLw0R056 ]
何も書かれていない本、、、

おまいらないか忘れてないか?
ナイトAF3をやったやつならわかるはずだ


あとは、わかるな?







といってみるテスツ(´・ω・`)

485 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 13:24 [ sUth.seQ ]
>>484すまん、ナイトしてないからわからん
おしえて

486 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 13:31 [ 7dY/0Fh. ]
「白い心・黒い意志」の5 −クゥダフ−

そのクゥダフはやばそうに見えた。
だからハンツはごくあっさりと逃げを選択した。
こんなところで命を掛けてもしょうがない。
しかし、彼が踵を返すより、驚くほどの足の速さで駆け戻ったタルタルが
「早くやっつけてー!」
と体当たりのように足にしがみつくのが早かった。
「なにしやがる!」
振り解こうとするうちにもクゥダフは迫ってくる。
「はなれろ!」
ようやく引き剥がしたタルタルを獣人めがけて蹴っ飛ばしてやろうとした時には、それは目の前に迫っていた。
唸りを上げる斧を盾で受け止めるハンツ。
勢いの乗った凄まじい衝撃を踏ん張って堪える。
逆に切り込むハンツの剣をクゥダフは素早く斧で受け止めた。
二度三度と切り結べば、見た目ではない本当の相手の力量が計れる。
案の定、そのクゥダフは楽な相手ではなかった。
斧を使い慣れている。振り戻しが早い。
上から横からと切り込む剣が全て止められる。代わりに襲ってくる重い斧を盾で防ぐ。
切り込む。防ぐ。切り込む。防ぐ。
決定的な一撃を与える隙がない。
パーティーでならば、問題ない相手だろうが、一対一ではつらい。
釣ってきた当のタルタルは、戦う気が無いのか戦い方が判らないのか、背の剣を抜いてはいるもののグルグルとハンツとクゥダフの周囲を走り回っているだけだ。なんの役にも立ってない。
さらに腹立たしい事に、まだ白魔導師が魔法を掛けてこない。いったいどれだけ離れているのか。まさか、戦闘になったのに気付いてないのか。
「くそっ」
(せめて亀野郎が糞タルに注意を向けてくれりゃあ)
隙の突きようもある。
しかし、クゥダフもタルタルを全く気にしていない。相手にならないと考えているようだ。
多少の無茶をしても自力で倒すしかない。
少し距離を取り、息を整え、構え直す。
「うりゃあぁー!」
一気に頭を狙い斬りかかる。
一撃!二撃!三撃!四撃!
息もつがず剣を叩き込む。
単調な攻撃は反撃を受けやすい。が、その隙を与えない程に早く激しく叩き込む。
五撃!六撃!七!八!九!
逆に、同じ攻撃を繰り返す事で防御一方のクゥダフの斧の動きが単調にる。
その隙をつく。
斧を盾で弾き、腹に蹴りを入れる。
蹴り倒す必要はない。体勢を崩せばいい。
脚を切られぬように短く素早く!
わずかに揺らいだ隙をついて、剣を突き出す。
クゥダフの斧が間に合わない。
重くザラリとした手応え。
剣先が、掌分ほどもクゥダフの胸甲へ突き刺さる。
「GHAAー」
叫びと共に振られた斧がハンツの盾を滑り肩甲へ当たる。
ガツンと重い衝撃。
動ぜず、引いた剣をクゥダフの首筋へと叩き付けるハンツ。
斧で防ぐクゥダフ。
しかし、胸の傷のせいだろう、わずかに動きが悪い。斧の角度が合っていない。
弾かれ、軌道を変えた剣が勢いのままにクゥダフの顔面を切り裂く。

487 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 13:36 [ 7dY/0Fh. ]
悲鳴を上げるクゥダフ。
その隙を逃さず、さらに切り込む。
クゥダフの斧が迎え撃つ。
怒りに力みすぎたそれを盾で弾き、剣を繰り出す。
鈍い音と共に、剣がクゥダフの首を捕らえた。
柔らかいような固いような感触。
短く太い首を半分ほども断ち切られ、傷口から噴水のように血を噴きながらクゥダフは倒れた。
「手間かけさせやがって」
首筋へ更なる一撃を加えて止めを刺す。
あとは獣人の身体の一部を持ち帰れば、それが倒した証となり、シグネットの評価が上がる。
一息ついて肩を見るハンツ。
左の肩甲がパックリと裂けている。
剣を納め、盾を下ろし、肩甲を外す。
戦っている最中は忘れていた痛みがどっと襲ってくる。
やはり肩口の肉が裂けていた。
指や腕はなんとか動く。神経はやられてないようだ。
骨にとどくほどではないが出血が多い。腕を伝って指先から流れ落ちる血は容易には止まりそうにない。
「くそっ」
腹立ち紛れに地面を蹴飛ばすハンツ。
白魔導師の防護魔法が掛かっていればいくらかでも防げたはずだ。
(糞ミスラが)
見回すが、まだミスラ白魔導師の姿はない。
それどころか、タルタルの姿もない。
「んだぁ?」
どうやら逃げたようだった。
だとしたら、ミスラ白魔導師も一緒に行ってしまっただろう。
「ンの糞タル!」
町へ戻ったら絶対に探し出して袋詰めにして井戸に放り込んでやる!
半ば本気でそう思う。
しかし、とりあえずは無事に町へ戻ることが先決だ。
あらためて傷を見るハンツ。
やはり出血は多い。
町まで二時間。このままではとても持たないだろう。
白魔導師がいればあっという間に治せる傷なのだが、戦士にはその手段がない。
物入れから傷薬を取り出す。
薬草を練り上げたそれを傷に塗りつけ、包帯で縛り上げる。
今はこれが精一杯だ。
ジワリと血が滲み出てくる。それでも先ほどよりは少ない。なんとかいけそうだ。
運が良ければ途中で他の白魔導師に出会うかも知れない。
ハンツが町へ向けて歩き始めたとき。
タタタタタッ。
憶えのある足音が背後から走ってくる。
振り向く前に、それが横を駆け抜けた。
やはり、あのタルタルだ。
逃げてはいなかったのだ。
じゃあ、いったいどこに。
「てめぇどこ行きやがる!」
ハンツが怒鳴りつけるのと、タルタルが少し離れて立ち止まるのが一緒だった。
そして、息も切れてないタルタルは笑顔と共に言った。
「釣ってきました!」
「!?」
振り返ると、二匹目のクゥダフが目の前に迫っていた。

−続く−

あううう…遅くなり申し訳ありません。
深々とお詫び〜。で、カルテの出番が無くて、さらにお詫び〜m(_ _)m

488 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 14:05 [ 5wFoggPI ]
( ´ー`)oO(もの凄い勢いで神々が…ここは神の庭か?)


今更ですが、
涙たちの物語の涙は女神の涙から生まれた5種族をさしt…(以下省略

489 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 14:40 [ Z.0Rw2Ds ]
自己解説してる作家さんもいるんだなwww

490 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 14:51 [ 5smTEwuk ]
神、キターーーーーーーーーー。
触発されて自分でも書きたくなってきた。

>>485
ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Knight/9303/

ほらよ、ここのクエストでもみてみんしゃい。

491 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 15:30 [ FpVxnXK6 ]
>>484
むしろウィンダスのミッション
「白き書」だと言ってみる。

492 名前: 業の物語 「カルマ」 投稿日: 2003/05/02(金) 15:50 [ GmkwKfzI ]

−4日後−

そう大きくはない村の港に飛空挺がやって来た。
その日の朝、初めてディオが歩いた。
よろめきながら、しかし、しっかりと歩を進めるディオの姿はこれから戦いで自らを血に染める二人に少しの安らぎを与えた。


見送りには族長と、ディオを引き取る宿屋の娘−ヤン−のみが来ていた。
禁忌を犯した者は親族の繋がり、友人の関係すらも絶たれ、尚かつ忌み嫌われる。 禁忌の子も同様。
ディオはこれから茨の道を歩く事になるのであろう… 

「族長・・・・ヤン、ディオをお願いします。 私、守って…帰ってきます」
「戦士としての心、忘れるな。 エルシモで生まれた狩人として戦場に咲くのだ」
「はい」
「ディオは私がしっかり面倒見るから。 まぁ、昔からあんたの乳母もしてたんだ。 心配はいらないよ」
「ヤン、ありがとう。 スフォルツァ、行こう」
「ああ。 族長……禁忌の事、ディオだけでも見逃してはくれまいか?
 コローネルには言わなかったが、私は知っている。 禁忌の子はある程度育つと再び幽閉されるのだろう?」
「ああ。 ディオは禁忌の子、それだけは逃れられぬ真実。 見逃す事は出来ぬ。
 ただ……特例として、あなた達が生きて帰って来たら3人まとめて考えてやろう。 私も族長である前に、生きるミスラだ」
「ありがとう。 絶対に私もコローネルも生きて帰る。
 故郷を、ここを、ディオを守るために」
「そうだな。 あなた達は守るべき者が居るんだったな」


誰が言った言葉だったろうか。

『守るべき者が有る者の方が本当は強い 守りし者を一人にしないため』

今、飛空挺に乗って戦場へと向かっていった二人の冒険者にピッタリの言葉の筈だった。

493 名前: 428あたり 投稿日: 2003/05/02(金) 16:15 [ zgcKgv8Y ]
名前はまだない その2

「よろしく〜^^」
「ミス」
ふぅ・・・。今日もジュノの青い空の平和は保たれている。
いや、今日はちょっと雲が多い。ご機嫌ななめみたい。雨が降らないといいけれど。

「レベル○○のPTですが、白さん黒さんを探していますー。ご連絡下さい。」
必死な声が聞こえてくる。やれやれと、彼女は自分のお仕事に戻る。
見上げた青い空の平和は今日も・・・・・。
フッと、いや正しくはヌッと、彼女の空は暗がりに放り込まれた。
彼女の視界を遮った正体。このヴァナディールの世界に産み落とされた5つの涙のうち
最も巨大な体躯を誇るガルカ族・・・・。その巨大で青白い体だった。

ムッと顔を睨み付けてしまった事を少し後悔した。
ガルカ族はなかなかに気難しい連中だ。
特に、自分たちヒュームに対してはよくない感情を持っている場合が多い。
冒険者のものならそんな感情は持っていないかもしれない。
しかし、ガルカで冒険者と言う事はまた厄介だ。
彼等の持って生まれた強靭な肉体を生かした前衛職。彼等は・・・頭の中も筋肉が詰まっている場合が多い。

・・・・すぐに気付くべきだった。
頭には武器になりそうなほど巨大な髪飾り。
腰にはヒュームが扱う両手斧のソレのようなハンマーをぶら下げ
特注だろう、目いっぱい引き伸ばされたローブを身にまとうその姿は・・・。

「ははは・・・。」
苦笑を漏らしながら、壁にもたれふてくさた腰を下ろしていた私の前に大きな手が差し出された。

「これは失礼を。」
ガルカの白魔導士など珍しい。まるでノートリアスモンスターを見るような目つきでなめるように見てしまっていたのだろう。
差し出された指をぐいっとつかみ起き上がる。

「いえいえ。素敵なお嬢さん。ご一緒にどうですか?」

494 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/02(金) 16:25 [ yXNY9udQ ]
第一章 再開─別離─旅立ち その��

ウィンダス連邦。
ここは、森と水の都である。
ミンダルシア大陸大陸南部、広大なサルタバルタの荒野の中央に位置する都には、多数のタルタルとミスラが共に暮らしている。
都の中央にそびえ立つ、『星の大樹』の恵みを受ける人々は、かつて、世界に一大魔道国家を築き上げた民族とは思えないほどに、穏やかで豊かな心を持ち合わせていた。

ウィンダス水の区、縦横に連なるせせらぎの間を渡す、橋の上。
いつものように、子供たちがはしゃぎ回っている。
「ほーら、ヤ〜グさ〜んこ〜ちら! 早く捕まえてみなよ〜!」
「にゃははは、逃げるにゃみんな。散れ散れ〜」
タルタルの少年、ミスラの少女たちが、「ヤグードとタルタル」に興じている。
「ヤグードとタルタル」とは、数人のうち、ひとりが「ヤグード」になって、他の全員が「タルタル」。ヤグードが、タルタルを追い掛け回して捕まえると、その時点で捕まえられたタルタルがヤグードに、ヤグードはタルタルに戻ることができる。
ちなみに、新たにヤグードになったタルタルは、「十」数えるまでは、その場で待たねばならない。
ウィンダスの子供たちにとっては、とてもポピュラーな遊びだ。
ちなみに、今ヤグードになっているのは、ヒュームの少女だ。
しなやかに伸びた肢体に、肩口で切りそろえられた黒い髪。目鼻立ちのはっきりした、意志の強そうな瞳をしている。
周りの子供たちに比べると、少々年は上のようではあるが、見る限り、一緒になって心から楽しんで・・・
「──え〜い、すばしっこいわね! 大人しく捕まらないと、踏んづけるわよ!!」
・・・本気になっているのは間違いないが、少々頭に血が上っているようだ。
「怖えぇ〜 ねぇちゃん、本物のヤグードみたいだぞ!」
「にゃはは、エメねぇ、ぷっつんにゃ〜」
何分、タルタルは小さくて捕まえづらいし、ミスラも生来すばしっこい。相手が子供とはいえ、ずいぶん分が悪い様子である。
「・・・も〜、キれた。絶対捕まえてやる!」
荒い息をつきつつ、少女が立ち止まると、子供たちに手を向けて、何やらぶつぶつと、言葉を漏らしだす。
「・・の鎖よ・・に絡みつき・・・」
「げげっ」
その意味に気が付いた、タルタルの少年の顔から、さぁっと血の気が引いた」
「ねぇちゃん、それ、反則──」
少年の言葉をさえぎるように・・・
「──縛めよ!」
少女の手から、魔力の光がほとばしり──タルタル少年の足元に絡みついた。
呪縛の黒魔法、バインドである。
「ぐぺっ」
足を取られ、タルタル少年がたまらず転ぶ。と、そこに影が落ち──
少年の頭上に、少女が仁王立ちになっていた。
傾きかけた太陽が、少女の首にかけられたネックレスの先の、翠の石をきらりと反射させる。
「つーかーまーえーた〜」
にやぁり・・・と、なんとも嬉しそうに、微笑・・・いや、嘲笑を浮かべる。
「って〜・・・ って、なんだよ、今の! 完全にズルじゃんか!」
身を起こした少年が、自分の3倍は背の高い少女に文句をぶちまける。
「あ〜ら、魔法がダメなんて、そんな約束あったかしら?」
「約束なんてしてなくたって、ダメなもんはダメに決まってるじゃんか! ねぇちゃんが、魔法で悪さしたって、先生に言いつけるぞ!」
「ほっほっほ、負け犬の遠吠えはみっともないわよ、チルク」
「・・・こんなにむきになるエメねぇの方が、みっともないにゃ」
ミスラの少女が、呆れかえって座った目つきで、つぶやいた。

タルタル夫婦に育てられたヒュームの少女、エメラルダ。今年で15歳。
いつもどおりの、日常の出来事だった。

続く

495 名前: 空に奏でる君の歌11 投稿日: 2003/05/02(金) 17:11 [ VNGrkvCE ]
「だから、一人で行くなと……あれほど念を押したのだ。」
ゴールドスカルは、口惜しげにそう言い捨てた。
彼の前には、至るところに包帯を帯びた満身創痍のガルカが横たわっている。

バストゥーク領事館のある一室に、傷ついた男の為の床が用意される。
医師や白魔道士たちによる集中治療の甲斐あって、辛うじて彼は一命を
取り留めていた。
しかし、まだ意識は戻らない。
身体も精神もよほど疲弊したようだ、と医師は言った。
予断はまだ許さないが、今は存分に眠らせてやるといい。
そう残し、医師は部屋を後にした。

少女たちは、部屋の外で待っていた。
長椅子に腰掛け、うつろに空を見つめている。
両手剣。
刃は綻び、どす黒い汚れはところどころで錆になりかけている。
そんな巨大な剣が、ずっと彼女たちの視界の中にいた。

「もう、とっくに意識はなかったんだって。」
誰にともなく、チリリは声に出して言った。
「帰らなくちゃって気持ちだけで、ギデアスの奥から下りて来たんだって。」
たった一人で、襲い掛かる全てをなぎ倒して。
不意に泣きたい気持ちが溢れてきて、チリリは唇を噛む。
ほんの一瞬すれ違ったくらいの、憎らしい相手だった。
それなのに、何故こんなに悲しい気持ちがするのだろう。
男は言った。
冒険者とは、いつでも生と死の狭間にあり、尚且つそこで生き抜ける者のことだと。
彼はいつもこうして生き延びてきたのだろうか。

カチャリ、と部屋の扉が開いた。

チリリとビアナナは、一斉に音がした方に向く。
部屋の中からは一人の女性が姿を見せた。
そして、女性はタルタル族の少女たちに近づくと、腰をかがめ目線を揃える。

「彼は一命を取り留めました。貴方たちのお陰です。
 バストゥークの民を救って頂き、領事として心から礼を言います。
 本当に……ありがとう。」
バストゥーク領事メレクは膝をついた姿勢のまま、深く頭を下げた。
恐縮した少女たちは慌てて領事に頭を上げるよう願い、そして3人は並んで
長椅子に掛けた。

「ガードが来てくれたら、もっと早く助けられたかもしれないのに……。」
ウィンダスはもっと人に優しい国だと思っていた。
裏切られた気持ちで、チリリは呟く。
いいえ、とメレクが微笑んだ。
「ガードは国の警備が仕事。彼等は忠実に役目を果たしただけ。
 国や組織をまとめる為に規律があるのです。
 人が大勢で暮らしていくには、致し方ないことなのですよ。」
「そんなものなのでしょうか。」
チリリはまだ納得できずにいる。
「……誰もが、貴方の様に自由ではないのですよ、小さな冒険者。」

496 名前: 空に奏でる君の歌11 投稿日: 2003/05/02(金) 17:12 [ VNGrkvCE ]


それから三日が過ぎた。
チリリたちは毎日領事館に足を運んでいだが、
未だ彼が目覚めたという知らせは聞けなかった。

昏々と眠っているガルカの側で、チリリはミスリル球を取り出して眺める。

これが本当にお守りなら、こいつを起こしてくれればいいのに。

他愛のない子供じみた発想で、少女はガルカの手に銀球を乗せた。
直後、思わず目を見張る。
その手が銀球を、握った。
「あ……ビ、ビアナナっ!誰か呼んで、動いたっ!!」



夢を見ていた。
懐かしい人の夢だ。
霧の中、その人が叫ぶ。聞こえない。
「――――!」
……今、何と言った?



うっすらと男は目を開ける。
柔らかい布団、暖かい部屋。ここは、どこだ?
人工の灯りが眩しくて、ガルカは目をしばつかせた。
「気がついたか。」
同胞の低い声が響く。
その声に全てを思い出し、男は上体を飛び起こした。が、
全身が崩れる程に痛み、苦悶の表情で再び背を倒す。
「まだ動くな、心配は要らぬ。ここは領事館だ。
 ……お前は帰ってきたのだ。」
男は横になったまま、自分の手の中に視線を向ける。
いつか捨てやったはずのミスリルが、そこにあった。
「どうしてこれが……。」
どこかから忍び笑いが聞こえた。
部屋の片隅で、小さな少女たちがこちらを見て笑っている。
……お節介な連中だ。
ガルカは息を吐くと、にやりと口元を歪ませた。
「お前等、少し外してくれないか。
 俺はこれからミッションの報告をしなくてはならん。」
その言葉に、チリリたちは黙って部屋を出て行った。

中でどんな話があったのかはわからない。
ゴールドスカルは相変わらず無口だったし、メレク領事も忙しそうに
仕事に戻っていった。

少女たちは、決めたことがある。
「もう入ってもいい?」
扉の隙から顔を覗かせ、チリリは部屋の主の承諾を得る。
「ね。話があるんだけど。」
タルタルの少女たちは顔をほころばせながら、少し言い渋る。
「……何だ。」
「あんた、いっつもこんな風に危ない目にばっか遭ってそうだからさー。」
「だから、何だ。」
「あのね。
 ――あたしたち、あんたの仲間になってあげる!」
突拍子も無い少女の発言に、ガルカは呆然と声をなくす。
「……お前、自分で何を言っているのかわかってるのか……。」
「わかってるわよ!
 あんた勘違いしてるっぽいから言っとくけどね、
 あたしたち、案外役に立つんだよ?……ねぇ、ビアナナ?」
強気に言い張る少女の隣で、その幼馴染が控えめに微笑んだ。
「大体、あたしたちがあんたのこと見つけなかったら、
 あんた死んでたかもしれないんだからね?
 命の恩人を邪険にしたらバチがあたっちゃうんだからー……」

次第に、少女の声が遠くなる。
少し疲れたみたいだ。眠い。

まどろむ中に突然その声が聞こえた。

――仲間が出来たら、絶対に連れてきてよね!

ああ、こいつらならきっと何処までもついてくることだろう。
だからそんな風に催促するな。忘れた訳じゃない……



「……寝ちゃった?」
「みたい。」
少女たちは新しい仲間の寝息を確認すると、起こさないよう
静かに部屋の扉を閉めた。


続く。

497 名前: 空に奏でる〜を書いてる人 投稿日: 2003/05/02(金) 17:22 [ VNGrkvCE ]
スレが盛り上がってますねー。いいことだ。
新しい話が更に増えて嬉しい限りでつ。
そして「釣ってきました!」タルに萌え。
や、実際そんなペースできたら臼なんで参っちゃうけどwwwwwww

ところで、飛ばし気味にスレを汚して参りましたが
そろそろ牛歩になるかもならないかも。じゃまたー。

498 名前: 407 投稿日: 2003/05/02(金) 18:22 [ 4s6MLe2o ]
動き出す刻 (1)

天昌暦915年 世界各地にクリスタル戦争の傷跡が残る時代、各国は疲弊した自国の復旧を急務とし、世界は
急速に平和な時代を取り戻しつつあった。表面上は…

各国の実行力の激減にともない、国、組織、あるいは個人からの依頼をこなし金を稼ぐいわば便利屋的存在、冒険者
と呼ばれる人種が台頭してきた。カーム、ダレス、ディーン、ドクターの4人のパーティももそんな冒険者達の中の1つ
であった。彼らは主に国からの依頼により各地に徘徊する獣人族を追い払うことで報酬を貰う、職業戦闘家であった。

「ふぅ、このロランベリー台地にクゥダフどもがこんなにも進出して来ているとは思ってもいなかったよ。バタリア丘陵にもゴブリンだけじゃなく
オークどもも現われ初めているらしい。」4人の中でもっとも背の低い、タルタル族のディーンが剣ついたクゥダフの血をふき取りながら、
他の仲間に話かけた。現在彼らがいるのはジュノ公国のお膝元、ロランベリー台地。ジュノで消費される食料の大部分をこの地で生産している。その重要な土地に出没している
獣人どもを追い払ってくれと言うのが今回の依頼であった。

「獣人どもは再び戦争を起こすつもりでいるのかもしれんぞ。三国ともにクリスタル戦争の傷跡が完全に消えたわけではない。今は
各国とも自国の復興に大きな力を裂いている。だからこそ、こうやって我々のような冒険者も日々の仕事に困らないで済むわけじゃがな。どっこいしょっと。」
パーティーの中で最年長の白い髭が特徴の人間、通称ドクターが瞑想のため座り込んだ。その時のことだった。遠くに多数の走っている足音らしきものが
聞こえてきた。
「しっ、静かに。何か音が聞こえる…」リーダーであるカームが仲間を制止し、警戒態勢を取りつつあたりに注意を払った。
「おい、あれを見ろ」
ディーンが指差した先には一人の冒険者がクゥダフの群れに襲われていた。比較的高価な金属製の鎧では無く、皮製の鎧を着て一人旅を
しているのは、駆け出しの冒険者か、もしくは魔道士くらいだろう。どちらにせよ、一人でクゥダフの群れをどうにか出来る力は
なさそうだった。

「助けに行くぞ。ディーンは彼の援護に回ってくれ、周りは3人で引き離す」「わかった。」
剣を抜き駆け出し、すれ違いざまに一匹のクゥダフに切りつけ、そのまま冒険者と亀の間に割って入る。そのままクゥダフを切り払いながら、
「そこの人。西の方に、もう少しいけば…クロウラー達の巣があるっ。そこまで逃げ込むタル。あそこはまだ亀どもの縄張り…じゃない。」
「あ、ありがとうございます。おかげで命を…」「しゃべる暇が…あればさっさと走れっ。この数は僕らでもっ、ちと厳しいタル。」
しゃべりながらクゥダフの攻撃を盾で受け、隙を見ては剣を突き刺す。意識してなおしていた口癖を出してしまうほど状況は切羽詰っているらしかった。
「俺達も後に続くっ。走れっ」「は、はいっ」気圧されるように女性は西に向かって走り出した。その間もクゥダフを次々と倒して行くが、倒した
端から増援が来る始末だった。「おい、そろそろ日が落ちる。夜になると我々も危ないぞ。」

499 名前: 403 投稿日: 2003/05/02(金) 18:41 [ tSKk4wY. ]
遅れましたが405の白き探求者作者さん
ありがとうございました
おかげで白き探求者読むことが出来ました
それといつもここ読んでいます
皆さんの書いている物語はとてもおもしろいので
ぜひ書きつづけて欲しいと思います

500 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 19:02 [ TljD3iBM ]
パーパをはじめ作者さんたちあがりたう
漏いらはベットが一つあたりでおあもしやと思ったです
これからも寝物語を待つ誰かのように待つです

501 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 19:08 [ BBQjr5GM ]
どこの出版社でも良いから、本にしてくれ
世に出てしかるべき作品ばかりだよ

(・_・。)(._.。)(・_・。)(._.。) ウンウン

502 名前: 407 投稿日: 2003/05/02(金) 19:51 [ 4s6MLe2o ]
動き出す刻 (2)

「ああ、彼女もそろそろ洞窟にはいれるころだろうし、戦いながら下がろう。こいつら見境なく仲間を呼びやがって…キリが無い。」
「く、そろそろ魔力もやばいぜ」それまで回復魔法に専念していた白髭が苦しそうにうめく。敵の数が多い以上、魔道士である彼は敵と戦いながら
回復魔法を唱える必要があるためだろう。「よし、一気に逃げ出すぞ。1,2,3、ゴーっ。」カームの合図とともにいっせいに敵に背を向け、一目散に
走り出す。しかし、それを見た一匹のクゥダフが呪文を唱え始める。魔法国家ウィンダス出身であるディーンはその魔法が何か即座に理解していた。
そして一人反転すると「させるかぁぁぁっ」と声をはりあげながらクゥダフに盾をぶつけようと突進した。しかし、クゥダフにも知識は
あるのだろうか、無情にも詠唱中のクゥダフとタルの間に割り込んだ別のクゥダフがその甲羅でディーンに激しい一撃を与えた。
「がはっ」詠唱中のクゥダフに意識を集中していたディーンにそれを避ける術は無く、直撃を受け後ろに吹き飛ばされてしまった。「ディーンっ」ドクターが叫んだ。
その時、クゥダフの呪文がドクターの足を縛った。「あ、足が動か無い…」「バインドかっ!」カームの心を絶望が侵食するのを感じていた。
「ど、ドクターなら、すぐに解ける。もう少しの辛抱だ…」ディーンが剣を支えに起き上がろうとするも、すでに体力は尽きかかっていた。弱った獲物から狙うかのごとく、クゥダフはディーン
を照準に定めたようだった。さらに左右の地面がボコボコッと波打ち、地の底から魔物が這い上がって来るのがわかった。「ダレスっ、ディーンを抱えて
洞窟まで走るのじゃっ。カームもワシに構うなっ」「そんなことできるわけがなかろう。我々は仲間だっ!」「馬鹿もんっ、このままだと全員やられちまうのが
オチじゃ。それにワシだってむざむざやられるつもりは無いぞ。30年間盗賊として生き延びる術は身につけているっ。だから早く行くのじゃ。わしもバインドが
解け次第すぐに洞窟に向かう。」ダレスにささえられ、起き上がったディーンが「そ、そんなことできるわけが…」それを遮るように「黙れ小僧っ。早く行けーっ」
ドクターが叫ぶ。「くっ、敵はなるべくこちらに引き付ける。必ず後から来るんだぞ。」そう言いながらカームとディーンを抱えたダレスは洞窟に向かって走りだした。
彼ら冒険者にとって仲間の死は日常的であり、このままでは4人ともやられてしまう…そのことを理解しているカームは非情の決断をくだした。
その後ろを数匹のクゥダフと地面から湧き出た魔物が追うのがドクターには見えた。傷ついた彼らが洞窟に逃げ込む前に追いつかれてしまうのは火を見るよりも
明らかだった。(カーム、ダレス…ディーンのことは頼んだ…罪深い私もとうとう贖罪の時が来たようだな…)足が動か無い状態では敵の攻撃を防ぎきることは
到底不可能であり、ドクターはさながらサンドバックのように左右からクゥダフに殴られ続け、意識がだんだんと朦朧としていくのを感じていた。
「お前達の大嫌いな光を見せてやるっ。アルタナの女神よ我に力をっ」ドクターの叫びとともに白髭を中心にまばゆい光が立ちこめる。それを見て3人を追っていた
魔物達もドクターに向かって殺到した。(すまん、エリナ・・・)「ドクタぁぁぁぁー…おい、ダレス、おろせよ、ドクターが、ドクターがぁぁぁぁ」ディーンは泣きながら
ダレスの腕をほどこうと足掻いたが傷ついたとはいえダレスの腕は力強く、ディーンの力では振りほどくことは出来なかった。

503 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 19:56 [ ZLYStPNE ]
白き探求者は一番新しいのは、どこにありますか?

504 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:14 [ qKuma0I2 ]
誤字みっけたらつっこんで良いんだろうか?
野暮な事のような気もするし

505 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:24 [ Bs19XlDU ]
遅レスだけど・・・
タル戦・・・、やっべマジで泣けた。


エッタ、最後に幸せだったなら漏れはそれで良いでつ・・・゚(ノд`)゚・・・。
パパさんガンバ。

506 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:53 [ hGhTQ0BA ]
>>501
非合法な自費出版と言う手があるが・・・ぶっちゃけ同人誌。
ただ、小説ってジャンルは昔から受け入れられ難い。
特に最近は文章を読まない、読めない人間が増えているから
(マンガですら、セリフ読むのがかったるいってガキもいる)
相当上手いか人気ジャンルでもないと茨の道なんだよね・・・
その点は、人気ゲームのFFなわけだし、作者さんたち上手なんだけどね。
というわけで、個人個人で印刷して製本でもするしかないかね。
アンソロジーの小説版でも出て、作者募集とかするなら別だけど
かと言って、ネタばれ云々とかの制約があるから
ここぐらい自由に書くことは出来ないと思われ

507 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:55 [ nSQfLF0g ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第16話

───あのクリスタル戦争の末期、アルタナ連合軍は
精強な獣人軍との一進一退の攻防を続けていた。
中でも最大の衝突となったのが、後にザルカバール会戦と称された戦いであり、
アルタナ連合軍のこの勝利が、『闇の王』が居を構えるズヴァール城へと
かろうじて軍を進めことを可能にするに至ったのである。
当時、師父はサンドリア王国騎士団に籍を置き、
アルタナ連合軍に士官として従軍していたそうだ。

『…あまりにも。あまりにも激しい戦いだった。
 100人の獣人を倒し、100人の友を失うほどに。
 しかし、誰一人として後退しようとするものは居なかった。
 敵も味方も払った犠牲があまりにも大き過ぎ、
 退くことは一戦の敗北よりも許されがたいことだったのだ。』

そう語る師父の目は遠くを見つめていた。
師父は普段は麻のシャツとゆったりとしたズボンを好んで着ていたが、
私はそのときの師父が輝く鎧に身を包んでいるかのように錯覚した。
まるで私の知らない師父がそこに居た。

『ザルカバールでの戦いの後、アルタナ連合軍は最後の戦いのためにジュノに集結した。
 しかし、それは各国上層部の意向の元、全く秘密裏に行われたのだ。
 その目的は、獣人たちの目をジュノから逸らし、ズヴァール城へと奇襲をかけることにあった。
 各国の負傷者は各々の本国へと送還されたのだが、
 その帰還は常に勝利の凱歌によって彩られ、
 全ての戦いが終わったかのように思わせるほどだった。
 主力部隊の帰還が行われているように見せかけるために…。』

師父の隊は戦場から帰還する部隊の護衛の任務についていた。
負傷者であっても精強な軍隊だと見せかけるために鎧を身につけ、
各地に潜む獣人軍の残党に目を光らせつつ、サンドリアの城門を目指したのだ。
しかし、師父の部隊には、もう一つだけ密命があったのだ。
サンドリアの隣国、タブナジア侯国からの救援要請を握りつぶすという密命が。

508 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:56 [ nSQfLF0g ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第17話

『タブナジア?クリスタル戦争末期に獣人の侵攻を受け、滅亡したと聞いていますが…。』

『そうだ、そのタブナジアだ。同胞である華々たる都、タブナジア。
 私はタブナジアから救援が来ることを知っていた。
 そうとも、タブナジアは獣人たちから狙われていたのだ。
 【タブナジアにアルタナ連合軍は再集結し、ズヴァール城を目指す】という情報が
 獣人軍に流れていたのだからな…。アルタナ連合軍の手によって。』

師父はぎりっと奥歯を噛み締めた。

『ジュノで集結するアルタナ連合軍は、決して獣人軍にその集結を気取られてはならなかった。
 ズヴァールで闇の王を討ち取るためには、その厚い守りを突破せねばならない。
 人類も獣人も疲弊しており、そのまま正面からぶつかったのでは共倒れの危険は非常に高かった。
 激しい戦いの爪あとは大地を蝕み、山を砕き、海を汚した。
 人類はなんとしても勝たねばならなかったのだ。そう、同胞を見捨ててまでも。』

私は語り続ける師父を見て、恐ろしくなってきていた。
私の見知った師父はいつも物静かであり、内に秘めた炎を操る術を心得ていた。
しかし、師父がこのまま語り続ければ師父はその炎に焼かれてしまうのではないだろうか。
ようやく鎮めた闇色の炎を、私が解き放ってしまうのだろうか…。
騎士である師父が、逃げ続けるというおよそ騎士らしくない真似をしてまで鎮めてきた闇を。

『アルタナ連合軍は、獣人軍へのおとりとしてタブナジアを使った。
 タブナジアに獣人軍の本隊を進めさせ、その隙にズヴァールを陥落させる。
 貴方も知っての通り、アルタナ連合軍は闇の王を討ち取った。
 しかし、それは同胞の血で購われたのだ。
 そして、私はタブナジアからやってくるであろう救援要請を握りつぶすべく、
 国境付近で剣を抜くことを命令されたのだよ。
 お前の剣で、同胞を切れと。
 正義を謡うサンドリアの王国騎士の誇りを捨てろと。』

『そんな、まさか…。』
そう言いつつも、私は師父の言葉が真実だと疑ってはいなかった。
むしろ疑うことが出来ればよかったのかもしれない。
しかし、私は真実を知ってしまった。
騎士が騎士である事すら捨てねばならぬほどの戦い。

ああ、師父が語った、騎士たるものの戒めの言葉の意味が、今こそ私には解った。
そして師父の旅の目的も解った。
師父は騎士であり続けるために、旅に出たのだと。

509 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:56 [ nSQfLF0g ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第18話

『私は同胞を切ることは結局なかった。
 タブナジアは圧倒的な獣人の侵攻を受け、
 そもそも組織的な動きなど不可能な状態だったのだ。
 しかし、あの夜のことは忘れることは出来ない。
 タブナジアの方角は夜だというのに赤々と燃え盛り、
 天から流星が行く筋も尾を引いて落ちていった。
 オークどもの半鐘にも似た盾と武器を打ち鳴らす響き。
 そして…身の毛もよだつ、大地の幻獣の咆哮。
 私は恐れた。獣人軍ではない。同胞を裏切るという、罪を背負うことを。
 自らの内の闇を認めることを。人は誰しも闇の部分を持つ。
 夜の闇を恐れるのは、自分自身の奥底のうごめくものを思い出すからだ。』

『戦争が終わって私はすぐに騎士団を辞した。
 私は自分が騎士であることの意味を、一人になることでもう一度確かめたかったのだ。
 しかし、アルタナ連合軍の恥部を知る数少ない人間である私の逐電を、
 騎士団が…いや、神殿が認めるはずも無い。私は追われる身となった。
 未開の地を巡るうちに私はグィンハム・アイアンハートの足跡に触れ、
 冒険者であることに生きがいを見出し始め…そして、貴方に会ったのだ。
 あのサルタバルタの川岸で。』

師父の目がまっすぐに私を見つめていた。澄んだ瞳。
語ることで、その澱みを洗い流して行ったかのようであった。

『すぐにウィンダスを離れるつもりだったのだが…。
 やがて、貴方に騎士の道を説くことで私は自らに問いかけることが出来たのだ。
 騎士であることの意味と、私は騎士であり続けているのかどうか。』

『そんな!師父は騎士でいらっしゃいます。それは私が一番良く存じております!
 私が、師父にどれだけ感謝しているか…。』

『…ありがとう。君のそのまっすぐな瞳に、どれだけ私が救われたことか。
 貴方は私を慕ってくれていたが、私はそんな価値のある人間ではないのだ。
 貴方が前に進もうとする力が私にも力を与えてくれていたのだ。』

そして、お互いの間に長い長い沈黙が訪れた。
何かを言い出せなかったわけではない。沈黙がお互いの想いを語る時間を欲したのだ。
私ごときが師父の支えになっていたと言うのはにわかには信じがたかったが、
それが自惚れであっても甘美な甘さを胸のうちに感じたのは事実だ。

やがて、師父の簡素な旅支度は整った。
人目を引く輝く鎧は厚手の外套で覆い隠す事とし、
夜陰に紛れてウィンダスを脱出する計画を立てた。
現れたサンドリアの騎士が師父を追ってきたのであれば、
当然ウィンダスの警備部隊にも手が回されている可能性がある。
街の中からは、タルタルの子供たちならば誰でも知っている裏道を使えばすぐさま姿を消すことが可能だ。
事が事だけに、サンドリア領事館が師父を相手に大立ち回りが出来る状況にはない事にも期待していた。

─そのうち続く─

510 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 20:58 [ nSQfLF0g ]
>504
自分の場合は誤字脱字や内容の矛盾は指摘してもらえるとうれしいです。
スニッパーは海辺のカニなんだよ、間違えたよウワァァァンヽ(`Д´)ノ

511 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/02(金) 23:22 [ drHVwtmQ ]
二人の初登場の場面から今に至るまで、ちょこちょこ分かりにくい伏線みたいなのはありまつ。
ただ、この話自体、伏線がどうだとか、話の練りこみがどうだとか、
そういうのにこだわって読んでもいいけど、あまり細かいところにつっこみ
出すときりが無いわけで。
まぁ、最後まで読んでみてください(;´Д⊂
いやね、何が言いたいっていうかというと、自分はマターリが好きなので
マターリお願いしまつ。
あんまりこういうレスつけるのも好きじゃないので…(;´Д⊂

512 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/02(金) 23:28 [ drHVwtmQ ]
あ、あと、多分今後も説明不足と思われるシーンがちらほらでまつ。
でもそれは敢えてそうしてる部分もあったりしまつ。今回もそうでつ。
何から何まで懇切丁寧に説明するよりも、その辺は読み手に想像して欲しいなぁ
と思ってるわけで…(;´Д⊂

513 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 23:34 [ rY3xMVuE ]
>>511-512
パパさん
毎度グッジョブです。

よく判りづらかったんだが、ミッションとかのネタに絡んでるのね。
あ〜別キャラで他国ミションやろかナァ……

514 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/02(金) 23:40 [ drHVwtmQ ]
>>513
絡んでませんでつ(;´Д⊂
ネタバレはしない主義でつから(;´Д⊂

515 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/02(金) 23:53 [ 7dY/0Fh. ]
「名無しの話」の3の1 −タル黒がんばる−

朝、集合場所にエルヴァーンの狩人は現れなかった。
「りょうしのおにいちゃんこないねー」
楽しみにしていたのだろう、タル白ががっかりしてる。
なぜかガル戦もがっかりしてる。
一時間待っても来なかった。
これ以上待ってると狩りの時間がドンドン減ってしまう。
どうしようか。
ヒュム戦が考えていると
「あー!」
タル白が声を上げて走り出した。
その先を見ると、見慣れた小さな影が走ってくる。
タル黒だ。
「タル黒ちゃーん」
「白ちゃんいたー」
シッカと抱き合い、喜び合う二人。
ひとしきりキャアキャアと跳ね回ってから、ヒュム戦達の所へと戻ってきた。
「もういいの?」
しゃがみ込んでタル黒に目線を合わせるヒュム戦。
「だいじょうぶだよー」
ニッコリと笑むタル黒。
けどまだ少し顔色が良くないように見える。
亀の頭はかなり固かったようだ。
「本当に?」
「うん」
力強く頷くタル黒。
「黒まどうしいないとみんなこまるでしょ。もういっちゃったかとおもったんだけど、きてみたの」
タル白といい、タル黒といい…。
「いい子だねー」
ワシワシと二人の頭を撫でるヒュム戦。
「…」
無言のまま、エル騎士も加わる。
気持ちよさそうに目を細めるタル白タル黒。
「いい子だぁ」
自分もと伸びてきたガル戦の手を
ビシッ!
ヒュム戦が叩く。
「ガルさんはダメ!」
「え゛」
「にゃははは、ガルさん撫でたらタルの頭もげちゃうにゃー。またお休みになるにゃー」
頭なでなでにミスラも加わる。
「む゛う」
ごつくて巨大な自分の手を見るガル戦。
実際にもげるわけではないけれど、やはり日頃の行いというものがある。
ヒュム戦はチョットした罰のようなつもりだった。

「丁度六人にゃ。もうエルはいらないにゃ」
ミスラの意見に全員が頷き、パーティーは狩り場へと移動した。
やっぱりタル黒は本調子じゃなかった。でも、妙にガル戦がおとなしかったおかげもあって、無難に亀を一匹やっつけた。
その休憩中。
「大丈夫?」
覗き込むヒュム戦に
「だいじょうぶー」
小さい身体でガッツポーズをしてみせるタル黒。
「もう一戦いくよ?」
「うん。がんばる」
元気に頷く。
「じゃあ、釣ってくる」
とヒュム戦が立ち上がったとき。
「やあ、ここにいたんだね」
明るい声でやって来たのは、エルヴァーンの狩人だった。

−続く−

516 名前: 513 投稿日: 2003/05/03(土) 01:21 [ RKuKkD7U ]
おっと。
上のほうのレス見て、「お〜そうなんか〜」と早とちり。

ナニハトモアレ、ガンバッテクダサレ。

517 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 04:15 [ MH9Wl03U ]
パパさん・・・やべーよ
なんつーか、もう匿名板のレヴェルを遥かに超えちゃってる気がしますが
大丈夫?盗作とかされない?
そんないらない心配までしちゃうよ。
代々語り継がれるであろう、マターリ板の伝説を目の当たりにしているような気がします。
というか、おそらくそうなんでしょ
歴史の生き証人になれる自分をラッキーだと思います

もちろん、伝説というのは他の作者さんも含めて、です^^;
全部読んでます。心からありがとう

518 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 05:54 [ FAyxY0q. ]
自分、いろんなモン『読む』の好きなんで
このスレ見つけることができて うれしいです。
みんな大好きですけどやっぱりパパさん、すごいや。
読み手に文章以外の読むところを残してるあたりが・・・。
ま、私がそういう作品が好きだからかな^^;

>>515
亀の頭固かったって・・・あぶなくお茶噴くとこでした。
そのかわり、鼻が痛いんですが。

519 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 12:00 [ DsRhPCiA ]
タル黒やってる自分は別の意味で涙が止まらん…

520 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 14:03 [ Oh6rFbUQ ]
>511-512
いつも楽しく読んでいたんですが、正直
そういうレスをつけるとこは、違うんじゃないかな
って思ってしまいます。
ここは、パパさんの為のスレでは無いと思うんですが?
誰もが閲覧できるし、誰もが書き込めるとこのはずです。

作品に対しては全ていい反応が返ってくる訳じゃないと
思うんですよね。まして、有名になればなるほど。

ファンの方が、そういった書き込みに対して反論する
気持ちは、まだわかります。実際、私もそういったものに
対して「むっ!」って、思ったりしてますし。

パパさん、一つだけ忘れて欲しくないのは、
ここはあなただけのスレじゃないですよ。

敢えてここで言わさせていただきました。
今のままで通していったら、荒らし煽りの標的に
なると思ったので。
(実際、ちょくちょく起きてきたし;;)

521 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 14:56 [ xeVNZWPY ]
>>520
ごめんなさい、これだけ言わせてください。
>>511 をよく読んでみてください。特に最後の一行を。

他にも思うところははあるのですが、それでは堂々巡りだし、
荒れて、作者さんが作品をうpするのをやめてしまうことは、そうそう珍しいことではないので
それだけは、避けたいんです。それは、みんなも同じだと思いますし。
スレ汚し、すみませんでした。

作者さんたち頑張ってください。楽しみにしています^^

522 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 14:58 [ 2rbdZPfY ]
>473の
>もしよかったら、パパさんが次回にでも、ちょこっと説明
してくれたらうれしいな^^

を受けての>511-512だろ?
「自分で補完する気はない、読み手の想像に任せる部分もあるからそれを楽しんでくれ」
と言ってるようにしか見えないんだが…。
ごめん520の言ってることワカンネ(゚Α゚)

つか釣れられた…?ワァンヽ(;´Д`)ノ

523 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 14:59 [ aTm5juDQ ]
>>520
申し訳ないが何を言いたいんだがさっぱりわからん。
パパさんがいつ、このスレを私物化したんだか……。

タル戦の展開に野暮な感想入れる輩がいて
スレが荒れかけたから、止むを得ずパパさん降臨して
理解を求めたんだろ?
もうストーリーは決まってて変えようがないって。

それにageたら、余計荒らしの標的になると思うんだが。

524 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 15:01 [ xeVNZWPY ]
って、もしや釣られたΣ(゚д゚;)

525 名前: 254 投稿日: 2003/05/03(土) 15:03 [ xeVNZWPY ]
私、>521です。。気づくの遅・・・・

526 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 15:04 [ 5xFZp4tg ]
>>520
黙って読んでるだけがそんなに不服か?
喪前の批評を聞くスレでもねぇんだよヴォケ。

まぁとにかく喪前の書き込みが邪魔だと言うコトに気がつけ。
新手のデムパだったらスマソ。






喪前の文体が某作家に似てて気になるけどな。
漏れはそれ読んでないけど(・∀・)ツマンネ

527 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 15:11 [ aTm5juDQ ]
私も釣られたか……。

これだけじゃあれなんで
妄想戦争スレ、従軍書記官殿の復帰により
復活の予感。

こっちに移った人多いんじゃないかと思って書き込んでみた。

あと作者さんたちに……。
感想・反応がなくても、楽しみに読んでる人がたくさんいます。
続き、待ってます

スレ汚し申し訳ない。

528 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 15:54 [ jvKLK7Us ]
パパの取り巻きが、必死に騒ぎちらす
スレは、こちらになっます。

ごめ!!!!ここ、全然見てないけど
思わずつっこみたくなるぐらいの、
おまいらの煽られっぷりに大ウケ。

529 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 16:06 [ v57RDswk ]
無粋な釣り士がPOPしてるね。
同一人物であることは、ほぼ明白だろう。
あえて口にすることを悪と知りつつも一言。

「以後放置で」

530 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 17:04 [ D.2Igafg ]
>喪前の文体が某作家に似てて気になるけどな。

すまん。荒らしに荷担するのは不本意だが、めっちゃ気になる。
ヒントだけでも教えてくれ・・・

531 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 17:52 [ WZMpZUaQ ]
作品に茶々いれるなとか、自分らが泣いた作品か
知らんが、必死すぎだぞ、おまいら。
荒らしている香具師が同一人物とか言ってるが、
俺には擁護している香具師も同一にしか見えん。

後、批判するなとか言ってるなら、感動したとかも
言わないほうがいいんじゃないの?
感想なんて人それぞれだろ?「ああ、そんな捉え方も
あるんだな」で、いいんじゃないの?
>>520の文章で意味不明なとこもあるが、的を得ているとこ
もあると思うぞ?
読み手を選ぶとか偉そうに言うんだったら、選ばれた読み手と
しての、モラルを持て!
今のおまいらは、自分のアイドルをコケにされて
ピーピー騒いでるオタ野郎みたいだ。
著者の方もこういう状況や、作品に対しての意見っぽい
レスが嫌なら自分でHP立てて、掲示板も管理下におけば
いいんじゃないの?
あと、何番か忘れたが事の発端になった、タル戦士の
感想にしても、俺は悪意があったとは感じられないんだが、
荒そうとしているのは、むしろ必死に罵倒擁護してる
おまいらに見えたぞ?そういう時こそ、相手に
「私は〜〜〜〜だと捉えていますよ」
など、おまいらが、感じた感想を教えてやったらいいんじゃ
ないの?そこからまた、楽しい談義になるかもしれんだろ?
そういったレスもあったが、あまりにも

作品に疑問、意見言う香具師=荒らし、煽り

に、しすぎだと思う。パパさんの私物化って
いうより、パパさんの取り巻きのおまいらの
私物化になってきてると思うよ。

敢えてageとく

532 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 18:16 [ SM0TV.9g ]
まああれだ。




まったりいこうや。ヽ(´〜`)ノ

533 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 18:25 [ kIZrZB0k ]
お前らが突き合ってるレスの合間を必死こいて物語探してる俺の気にもなれ
お前らの話なんてどっちでもイイから激しく黙れ! このうすらパーマンヤロー


物語を読みたいだけなのにゅ(´・ω・`)

534 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 18:25 [ kIZrZB0k ]
お前らが突き合ってるレスの合間を必死こいて物語探してる俺の気にもなれ
お前らの話なんてどっちでもイイから激しく黙れ! このうすらパーマンヤロー


物語を読みたいだけなのにゅ(´・ω・`)

535 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 18:39 [ Nv063ewk ]
>>530
やべ、俺わかっちゃったyp!

>>531
批判つーか、まるで先生のように批評しようとしたり、「俺ならもっとうまく書けるぜ」
みたいなにおいを発しつつ意見したりするから噛み付くんでないかなぁ、と思ったり。
批評したり、設定を固めようといろいろ言うのはいいけどさ、文章なんだから
作者の文体の個性を感じたり、行間を読んで想像したりしようよ、まじで。 

まぁ
>作品に疑問、意見言う香具師=荒らし、煽り
>にしすぎだと思う。
ってのは同意。みんな好きで読んでるから気持ちはわかるけどね〜、またーりまたーり

あと、一番言いたいのは・・・・・
 作 者 の 方 々 に 感 謝 を 忘 れ ず に

536 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 18:45 [ 6dAaY9CM ]
釣堀スレはこちらですか?

・・・は置といて、いやもう頼むから流そうよ、みんな
>>530にカチンと来たけど、あんま間違った事言ってねえよ、こいつ

537 名前: Seilu 投稿日: 2003/05/03(土) 18:50 [ Lb/hNlas ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 19節>
 セイルは軽く星空を見上げ、自分より頭1つ背の低いシェナに顔を向ける。
「シェナ、これはまだ誰にも言うな。そしてお前にも俺はまだ話したくなかった事だ」
セイルは顔を動かさずに周りを軽く見回し、自分の小声が届く範囲に
シェナしかいないのを確認して、シェナの耳元に口を寄せる。
「……獣人達が大群で各国に攻めてくる可能性が高い。早くても明日の日の出か
それ以降に来ると予想されている」
セイルの言葉に、シェナが驚きの表情を浮かべてハッと息を飲んだのが感じ取れた。
 セイルがシェナの耳元から口を離すと、シェナは信じられないという表情を浮かべたまま呆然と呟く。
「そんな…嘘でしょ?………」
シェナの言葉にセイルは目を伏せ首を振る。信じられなくとも
獣人が攻めて来るという事実は揺るがしようも無い。
自分自身がその目で見てしまったのだから。獣人達の間で使われる言葉、そしてそれの意味を。
 過去にウィンにいるミスラ族の長であるペリー・バシャイに聞いたことがあった
獣人の使う言語形態は我々と非常によく似ていると言う事を。
 獣人と我々5種族の使う言語の大きな違いは、発音の順が違う事だけだと言う。
つまり、我々が『あいうえお………』という順番の言語を獣人『かみるれの………』
と言う風な言語順なのだという。
 それ以外に獣人と我々の言語の相違と言うものは無く、
あるとすれば獣人の言葉は我々より会話文というよりも単語の発言に近く、
文章が簡潔だという事だけだ。

538 名前: Seilu 投稿日: 2003/05/03(土) 18:53 [ Lb/hNlas ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 20節>
 あの報告が嘘ではないのなら(あれだけの体制を引いて嘘という事はまず無い)
獣人達は確実に攻めてきて、そして各地に多大な人的、物質的被害が出る事は間違いない。
そして多くの者が傷付き人々に悲しみを与える事になる。
 誰もがそれを止めたい、誰もがそんな悲しみを経験したくないと思うだろう。
 だが、誰がそれを止めるのか。自ら犠牲になり、多数の人々の為に命を投げ打つというのか。
 その為に冒険者が居る。彼らは自分の知っている人間、知らない人間に関わり無く
誰かを助けるために、誰かが傷付く事の無いようその身を危険へと晒して行く。
 だが、彼らは自分の身を危険に晒していく事に、何ら不安や不満を抱かない。
それが自分の決めた事の報いだと、結果だと解っているからだ。
 己の身を危険に晒し、自己犠牲の精神で人々の、家族や仲間の安全を守ろうとする。
それが冒険者と呼ばれる者達の真の意味である。
 セイルは先に書いたとおり、それらとは違う獣人や魔物全体に対する復讐という
負の感情で冒険者となった。
 そしてサンドリアに所属する冒険者となり、日に日に冒険者として様々な経験をしていき、
そして多数の冒険者の上にいる。
 なぜ自分が人の上に立つようになったのか、セイルはいまだに理解する事が出来ずに居た。
彼にカリスマ性があったのか、それとも周りが唯単に彼を上にしたのか。
 いずれにせよ、セイルは今3000人近い冒険者と言う若者達の頂点にいる。
その立場は余りに強力すぎるものだった。1国の軍事力を遥かに勝る人員と戦力。
そして余りに集団戦闘に慣れている順応性。各国からしてみれば、
冒険者が国に牙を向くというのは、1国の壊滅と同義なのである。

539 名前: Seilu 投稿日: 2003/05/03(土) 18:55 [ Lb/hNlas ]
訂正
>ミスラ族の長であるペリー・バシャイ
ペリィ・ヴァシャイに訂正します

540 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 19:00 [ Nv063ewk ]
>536
流れから書き込むの遠慮するのもいいけど、訂正くらいしてやれ
>530は・・・>530は・・・(つД`)

541 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 19:06 [ OROiaYlI ]
マジで>530と>535が気になるんですがー。
煽りでもツマンネとか言われるとな。モチベーション落ちるよな。

542 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 19:15 [ Nv063ewk ]
つ、釣られただけで同罪ですか(つД`)気になって探しただけなのに・・
>>526に言えよーーー

(´・ω・`)

543 名前: 541 投稿日: 2003/05/03(土) 19:20 [ Req5UKO2 ]
>>542
お、わりい。脊髄反射しすぎでレス番勘違った。スマヌ。
マジで気が気じゃねーのよ。あーあ。

544 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 19:21 [ NdsHRRaQ ]
マターリしろと言ってるのが解らないのかと小一時間t(ry

545 名前: 某作者 投稿日: 2003/05/03(土) 19:45 [ D.2Igafg ]
>>544
マターリしたいのは山々なんだけど、漏れのことじゃないかと気になって
しゃーないんだよ>>530の件。
書き込むのが怖くて書き込めねーヨ。

546 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 20:06 [ M8Dnvspo ]
ここの文神達に触発されて物語を作ってたんだけど、今帰ってきたら
この荒れ様・・・。
校正して今日中UP目指そうと思ってたけど、明日にします(´・ω・`)

マターリ行こうよ、マターリ。
そしてもっと受け流しスキルあげようよ。
JA絶対回避とか心眼でも可、むっと思うレスでもスルーしる。

それでは、引き続き次の物語をどうぞ。

547 名前: まとめ(縦) 投稿日: 2003/05/03(土) 20:22 [ EZxgVbTI ]
『タル戦』    『Seilu』 『北(略)風』 『名無話』  『騎士手紙』
>>5-6     >>18-20     >>159 >>377 >>258-262
>>28-30    >>68        >>198  >>383-384 >>273-277
>>48-49 >>111       >>251 >>386 >>294-296
>>52 >>149-152 >>289 >>397-398 >>325-327
>>143-144  >>254-257 >>340 >>409-411 >>507-509
>>178-179 >>302-305 >>447 >>515     『白(略)意志』
>>242-243 >>387-388 『カルマ』 『不明』 >>231
>>354-355 >>401 >>371 >>407 >>248
>>431-432 >>440 >>382 >>498 >>306
>>450-452 >>537-539 >>415 >>312
>>492 >>486

途中あまり意味の無い事に気付いて手抜きだけど折角だから…
ズレませんように

548 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 20:23 [ EZxgVbTI ]
ズレまくってる…    吊ってきます

549 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 20:31 [ xeVNZWPY ]
>>584
いやいや、お疲れ様。
ありがとね。

550 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 20:37 [ yfH7boNI ]
作者は書きたいものを書く。
読者は読みたいものを読む。
今までそうだったんじゃないの?

物語というものは読者全てに受け入れられるものじゃないと思うけど。
みんなが良いと思っている物語を読んで、
自分はつまらないと思うことってなかった?
実際私は「ハ○ー・ポッ○ー」ってすごくつまらないと思ったし。

読者全てが自分の作品を良いものだと思うのは
作者の思い上がりだと思いますよ。

読者の皆さんもその回ごとの感想とかは胸に秘めて、
次回の展開とかを予想したほうが楽しいと思いますが如何?

偉そうなこと言いましたが、
私は全ての物語を毎回楽しみに読ませていただいてます。
作者さん達がんばれ!

551 名前: まとめ(横) 投稿日: 2003/05/03(土) 20:51 [ xAMxWzt2 ]
タル戦:>>5-6 >>28-30 >>48-49 >>52 >>143-144 >>178-179
>>242-243 >>354-355 >>432-432 >>450-452
Seilu:>>18-20 >>68 >>111 >>149-152 >>245-247 >>302-305
>>387-388 >>401 >>440 >>537-539
北の炎 西の風:>>159 >>198 >>251 >>289 >>340 >>447
名無しの話:>>377 >>383-384 >>386 >>397-398 >>409-411 >>515
騎士手紙:>>258-262 >>273-277 >>294-296 >>325-327 >>507-509
カルマ:>>371 >>382 >>415 >>492
不明:>>407 >>498
『白(略)意志』:>>231 >>248 >>306 >>312 >>486

こうなりゃ意地だ

552 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 21:02 [ v57RDswk ]
>551
鯖負担になるから、なるべく「>>」は使わないほうがいいのではないか
と思ったり。

553 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 22:24 [ xeVNZWPY ]
>>550
とりあえず。その論議については・・・


――――――――――――――――――終了――――――――――――――――――

554 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/03(土) 23:55 [ cXrShaNQ ]
>>550

>読者全てが自分の作品を良いものだと思うのは
>作者の思い上がりだと思いますよ。

そんなのどの作者も一言も言ってないわけで。そういう発言イクナイ。
確かにこの議論に関しては放置だけど、これだけは言わせて欲しい。

555 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 00:14 [ zmt6MOFw ]
皆、無駄なスレ消費はやめようぜ。

あ、あと感想書く人はageないでsageようね。
煽りか釣りだと思われるだろうから。

てことで次の作者さんどぞー

556 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 01:06 [ LPXPeUKw ]
>554
>確かにこの議論に関しては放置だけど、これだけは言わせて欲しい。
言わせて欲しくても言っちゃいけないわけで・・・。

557 名前: sage 投稿日: 2003/05/04(日) 02:02 [ 1gVlvS9k ]
まぁ、あれだ、最近作品が増えてきたのも
いいが、駄作が増えてきたのも事実。
新規に入る香具師にはいい、足かせになったんじゃ
ないのか。
>>550の意見は、これから作品作ろうとする香具師に
対しての一つの警鐘になったと思うぞ?
旨い作品は期待されるし、応援もされる。
反面、ご意見もあるかもしれんが、胸を張れ!
人気があるからこそだ。

ツマラン作品は誰も感想かかんし、挙げ句の果てには、
書いた香具師が感想聞きたがる。
少し前の方でも書かれていたんだが、
作品書く覚悟して連載物出してるんなら

最 後 ま で 書 い て く だ さ い(涙)

俺はな、俺はな、マイナーっぽい作品が好きなんだyp!
本音はともかくとしてだ、ここにうpする前に、
何話分か貯めてからにしてくれ。それぐらい続いたら
最後まで行きそうだしな。行き当たりばったりでやられても
激しくスレの無駄使いなんでな。

558 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 02:05 [ 1gVlvS9k ]
スマンw
天然でsage入れるとこ間違えた

559 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 02:37 [ KKW5IUyM ]
騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙、毎回萌え萌えですよ〜
ミーハーですみませんが…
騎士っていいですよね。次回も楽しみにしています。

560 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 03:09 [ NvL/0Fak ]
物の見事に作家さんpopしなくなったな(涙)
脅えないで、出てきて〜TT

561 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 03:46 [ XBakYhTo ]
「金策」
第三話 天晶堂の男(@3)

水浸しになった黒こげの死体をにくにくしげに睨付ける。
(台無しにしやがって!!)
そう言うとその男は手に持った大きな杖でその死体を突いた。
(何とか言え!!俺に詫びろ!!このクズ野郎が!!)
当然望まれる答えが返ってくるわけもなく、男は増々憤慨する。
そして再び激しく杖で突きはじめた。まるで気でも狂っているかのように。

Yamyyix-The-FrameEye(炎の目のヤミー)は、その名の通り、大きく開かれた片目が炎のように赤く、
何よりも炎が吹き出しそうなもの凄い形相をしていた。
彼は、同じゴブリン達からも恐れられ、異端視されている。
黒こげの死体は、彼の元雇われていた傭兵であった物ゴブリン。
彼の作戦を先走り、勝手な行動をしたがために魔法で焼かれたのだ。
黒い甲冑を着込んだゴブリンが、ヤミーの様子を後ろから睨んでいる。
彼の名はZeffix(ゼフ)。炎に焼かれたゴブリンの上司だったものだ。
ゼフは怯える残りの部下二人をなだめると、ヤミーに向き直る。
(だがしかし、女がチョコボをおりた絶好のチャンスだったではないか。)
(チャンス?!はっ!!
 …あの女が襲われたと気付いて直ぐにチョコボに乗り込んで逃げたらどうする?
 お前はあり得ないチャンスもチャンスと言うのか?)
(それに奴らは油断していた。実際こちらが手を出すまで気付いていなかった。)
ヤミーはなおも反論するゼフに対し、
その今にも炎が吹き出さんばかりの瞳を向けながら静かにこう言った。
(いいか、よく聞け、俺はお前らの雇い主だ。
 傭兵は、雇い主の言う事を聞くものだ。わかったな?)
(それとも…貴様も俺の魔法で焼かれたいのか?)
ゼフは眉をひそめると(といっても外からは兜のせいで見えないが)、諦めたように言った。
(わかった。俺の雇い主はあんただ。言う事を聞く。)
しかしヤミーはその言葉だけでは気に入らない様子で、ゼフを睨み続ける。
(ふ…ん。まぁいい。奴らは歩いて行った。あれなら追いかけられる。先を進むぞ。)
そしてヤミーはずかずかと前に進みはじめた。
ゼフ達もヤレヤレという様子で後をつける。
そしてエイミー達とヤミー一行の追尾劇ははじまった。

562 名前: 561 投稿日: 2003/05/04(日) 03:59 [ XBakYhTo ]
前うpした物の修正版です。
ゴブの名前の訂正と、最後の数行を削除しました。
あとサブタイトル右が後編〜になっていましたが、予想以上に長くなったので、
前編から@1、@2、@3とします。
しばらくボーッとしていましたが、またムラムラと書きたくなって来たので、
稚拙な文章ですが、また少しづつ書かせて下さい(⊃д⊂)
色々すみません(´・ω・`)

>>560
作者様方は今、書き貯めてるところかと思います。
もし、ツマラナイ理由で書き込むのを留まっているとしても、
私みたいな下手レが書けば、作者様方も続きを書いてくれるでしょう。
ってゆか書いて下さい(⊃д⊂)
ウィンダスで釣りしながらこのスレ読むのが日課なんです(⊃д⊂)

563 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/05/04(日) 04:16 [ mv7m/qeY ]
どうしても間が開いちゃうのですが
>>372-375 の続きに当たります。
お時間がゆるせば、前話にも当たってみてください。
面白い話を書けるよう、がんばります。

------------------------

「贖罪の風」


突然の出来事に、カルニ・コロニは手にしていたカップを落とした。
アルルの目前には、わき腹をかばい地面にうずくまるミスラの姿があった。

「うううう……」
「テセラさん? テセラさん!!」

アルルは訳もわからず、傷ついているテセラを抱き起こしにかかった。
指先があっという間に生あたたかい血で真っ赤に染まった。
それを見て、カルニ・コロニが後ずさる。

──なにが起こった?

キャンプの向こうで戯れに剣を振り回していた戦士たちは
いつの間にかずいぶん場を移しているようだ。
剣のこだまが時折ここまで聞こえてくるものの、
おそらく火のそばの異変には気づくことができない。

「カルニ、テセラさんの傷の手当てを。わたしみなさんを呼んでくるから」
アルルは周囲に気を配りながら、声をひそめてカルニに告げた。
その言葉にカルニ・コロニは自分の仕事を思い出した。
「手当て……? か、かいふく!!」
あたふたと女神の印を結んだ。
そのときだった。

「イライラすんだよ、あんたら……」

ジ・タのそこここにある、光輝を放つ岩場の影から
見慣れぬヒュームの男が現れた。
金の髪、尖った顎と口元を覆う不精髭。
よく鍛えられたその肩にクロスボウを担いでいる。

「追いつ追われつの自覚に欠けてるみたいだからさあ。ええ?」

射られたのだ。あの男に。
「誰?」
アルルは傷ついたテセラをかばいながら、
印を結んだかたちでこわばっているカルニに尋ねた。
「し、知らない。ボク知らない」
カルニは見開いた目を男からそらさず、ぶるぶると首を振った。
そんなカルニにゆっくりと視線を移した男は、
クロスボウの鏃をまっすぐとカルニの黒い瞳に向けた。

「そこの白タル。回復詠んだら首を飛ばすよ?」

カルニの細い喉がごくりと鳴る。

「フランキンセン……ス」

テセラが薄目を開けた。囁くように、きれぎれに、アルルに告げる。
「あの男の矢は、速い。
 お逃げ。……狩られる前、に……」

「けっ。まだ生きてたか」
不敵な笑みを浮かべ、男はひょいとクロスボウを下げた。
「俺の腕も大したことないね、スティア?」
肩越しにそう告げる。

「うふふふ。あんたがそんなだから
 旅のガルカごときに'月'はめちゃくちゃにされちゃったのかなぁ」

岩場の上に素足を放りだして座っている、もうひとりのヒュームがいた。
声で女と知れた。

「ま、所詮、飼われてる犬の噛み合いだもんね」
「犬……?」
「冗談だよ、フランキンセンス。
 あんたは見境なくなりすぎ。それにアレはミスラじゃないか」
「……」

スティアと呼ばれた女は、雨に濡れた黒髪を重そうに束ねながら、
岩の上で笑っていた。
口調も声も表情も、ころころと変化する。
捕らえどころがまるでない女だった。

「テセラぁ、生きてますかあ? あははは。
 そこの白タル。いいからさっさとケアルしな。
 この男は、はなっからタルタルは相手にしてないさ。
 その猫を殺すのはこのあたしなんだからさ」

564 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/05/04(日) 04:17 [ mv7m/qeY ]
カルニ・コロニはおずおずとアルルを見やった。
あのヒュームたち。味方ではあり得ない。
でも、すぐには殺されない──。
確信して、アルルはカルニを励ました。
「大丈夫。あの男がなにかしたら、わたしが矢を焼き落とす」
「う、うん」
「ケアルしたら、すぐにわたしとテセラさんの後ろに隠れて。
 一度テントに逃げて。奥から出て、みなさんを呼んで」
「うん!」

アルルは回復魔法を唱えるカルニをかばうように
小さな体でふたりのヒュームの前に立った。
ふたりはおそろいの、月の腕輪をしている。
カルニの時間を稼ぐのだ。
アルルは勇気を絞って声を出した。

「'月'の方々とお見受けします」

「そうだよ? おひさまチームのお嬢さん。新入りだな?」
男がクロスボウをアルルの鼻先に向けて尋ねる。

「可愛いのにね。おひさまチーム入りとはね。
 キレイな宝石でも盗んだかい?」
女はためらいもなくアルルに近づくと、左手を強引に取り、
そこにある'太陽の腕輪'をまじまじと見つめた。

アルルは手を振り払うとヒュームたちと数歩距離を取り、
反対の手でぎゅっと腕輪を握り締めた。
それから、息をついて話を続けた。声が震える。

「このようなだまし討ちを受ける謂れはありません。
 それに'月'の方々は現在別の貝の方との贖いの最中なのでは?」
「'なのでは?'」
「なのでは? そのハズだったんだけど。あはははは」

ダメだ。話が通じる気がしない。
絶望とも怒りともつかない感情で、アルルは目の前が暗くなるのを感じた。
こういうとき、タルタルの子どもじみた外見はまったく役に立たない。
しかもアルルは、たしかにふたりのヒュームから見れば
まだまだ「お嬢さん」の域を出ない齢だった。

「話したよね。
 この女が、焚き火のやり方も知らないオタンコナスのスティア。
 ヒュームだからね。マナが少なくて辛いんだよね?」

アルルの震える肩を背後からぎゅっと抱いてくれる手があった。
テセラだった。まだ顔は青ざめている。

「大丈夫ですか」
「うん。カルニ・コロニがすっ飛んでった。
 みんなが戻ってくるまえに、アンタら消えな!」

テセラはふたりのヒュームに凄んで見せた。
だが、男はダルそうに舌を鳴らし、女は馴れ馴れしくも膝を折り、
微笑んで挨拶をした。
そのふたりの表情・仕草のどちらも、アルルには度し難いものだった。

565 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/05/04(日) 04:18 [ mv7m/qeY ]
「テセラ。お久しぶりだわ。
 去りたいのは山々……なのだけど、そうは行かなくって。
 実はね。今日は相談があってね……」
芝居のように大げさに、妙なシナをつくって微笑みかけるスティア。
テセラはそんなスティアに渋りきった顔で吐き捨てた。
「相談に来られて、いきなり腹に穴開けられたらたまんないね。
 アンタの言葉に貸す耳も、もう残っちゃないよ」
「そんな大きな耳があるのに、飾りなのですねえ」
スティアは悪びれず、くくくと目を細めた。

「まあ、それはともかく。
 今度こそ、きっちりあなたを狩らないといけない状況になってしまって──」

まるで屋移りの報告かなにかのように、平然とスティアは言葉を続けた。

「死んでほしくって。あなたには」
「だったらさっさととどめを刺したらどう?
 アタシには死ぬ覚悟なんざとうにできてるんだよ!」

テセラの悲痛な叫びを、ヒュームの男が馬鹿笑いでかき消した。
「楽な仕事だなあ、オイ」

「覚悟ができてる……立派だわ。かっこいいわ。
 人殺しが、かっこつけてますよぉ、どう思います?
 隠れてるタルタルのお嬢ちゃん!!」

男の背後に、このならず者の群れにはあまりにも似つかわしくない
若草色の髪をしたタルタルの少女が立ち尽くしていた。
旅慣れない服装と、故郷を遠く離れた疲労感が全身から漂う。
その少女の顔を見た途端、テセラ・ディアスタシスの表情は強ばった。

「あ……んた、は」
「そう、復讐だってさ。アンタが殺したタルタルの婆さんの孫娘──」
 あたしはね、この娘に金貰ってんのさ。正直に教えてあげるよ」
「やめてくださいスティアさん! そんなこと言わないでっ!」

タルタルの少女は両手で顔を覆った。

「はははっ、命のやりとりに、汚い金だけ手放して、
 自分だけ高みの見物とは行かないよ。
 あたしを頼るしかないんだもんねえ」
「そんな、わたしは、あなたが……!」
「そうさ、あたしはテセラが自分の最後の獲物だと決めてるんだ。
 でも、あんたの依頼とあたしの気持ちは無関係だろうが。
 憎いミスラの死に様を見たいなら、あたしから離れるんじゃないよ」

その様子を一部始終、傍から見ていたアルルだった。

懐かしい若草色。
ウィンダスの色、そのもの。
あの、タルタルの少女の名は、たしか──。

──ここにおいで。ここに、おいで。

頭の奥で響く声。
記憶の波が、アルルに押し寄せてくる。
だが、その波にさらわれるより先に、アルルは冷たい声を発した。
まるで、自分を戒めるように。

「──わたしがあなたを倒します」

566 名前: コラル・ソング 投稿日: 2003/05/04(日) 04:20 [ mv7m/qeY ]
意外な言葉とその矛先に、スティアの顔色がちらりと曇った。

「おやあ、おひさまチームの新入りがかい?
 あたしを? 倒す? あんたが?」

「アルル、ダメよ、離れて!」
アルルの肩を引き寄せたテセラの瞳は潤んでいた。

「──アルル? アルルって、どっかで」
フランキンセンスが首をかしげる。
「そういや、聞いたことがあるねえ。
 ……ボンクラウィンダスは貧乏手の院の秘蔵っ子じゃなかったかい?」
「……いや、あんたかい、たった14歳やそこいらで、
 古代魔法をぶっぱなして何人も……」

「アルル……!」

スティアに言葉で弄ばれていたタルタルの少女が
涙に濡れた目を見開いた。

「なーんだ、お嬢ちゃん、知り合いかえ?
 そういや同じくらいの歳だわ。はははは」
「し、知りません……」

少女はアルルからつらそうに目をそらした。
アルルは虚空を見つめて、言葉を継いだ。

「わたしも、その人のことは忘れてしまいました。
 だから、その人がそばにいよういまいが、
 いまテセラさんをこれ以上傷つけたら、容赦しません。
 この場から立ち去ってください」

「くくくく。こりゃ面白い」
フランキンセンスが狂気に満ちた口元を歪めた。
そして少女の両肩をぐいっと押しつかみ、自分の前に据える。
タルタルの少女は「ひっ」と声を上げた。

「アルル。あんたは、何人殺さにゃいかんのかねえー。
 そんなおっそろしい娘に護られちゃって、先が楽しみじゃないか。
 ねえ、テセラ」
「アタシたちに、'先'なんかありゃしないよ。
 消えな、スティア」
「はははは、そうだよねえ、いつ'狩られる側'にカウントされるか
 知れたもんじゃない。先に手を組んで狩っとく必要も考えなけりゃ──」
「……消えろったら!」

あっ、という声がした。そちらを皆が一斉に見やると、
息の上がったカルニ・コロニを前にして、三人の戦士たちが立っていた。
「'月'の? なんだお前ら」
野太い声。ガルカのクレイン・フライが巨大な斧を携えて
ふたりのヒュームを睨んだ。
テセラの顔に安堵の色が浮かんだ。

「う〜〜ん? オイラ、よく状況が飲み込めてないんだが」
兜を小脇に抱えている、この場では四人目のタルタル、
ブラン・ダルジャンが、両肩をフランキンセンスにつかまれている
タルタルの少女に向かって言った。

「キミさあ、どう見てもそのふたりと一緒に行動するの、無理があるよ?
 自分でもそう思ってたところでしょう?
 できればさっさといまの立場から逃げたいって思ってたでしょ?
 そりゃあ僕らは'贖い人'だけど、
 通りすがりのキミに手は出さないし。出せないし」

タルタルの少女は人懐っこいブラン・ダルジャンの言葉に
小さな肩を震わせて、涙をぽろぽろこぼした。
テセラは力なく自分の腕を抱くと、くちびるを噛んで俯いた。

「こっちにおいで。──そんでもって、あんたら、目障りだよ。
 ……まあよく状況が飲み込めてないんだが」
「よくしゃべる豆だな……」
フランキンセンスは歪んだ笑みを浮かべてブラン・ダルジャンをねめつけると
いかにも邪魔者扱いして、タルタルの少女をぐんっと押し投げた。
「食ってみる? 腹ン中で芽を出すがなー」
よろけた少女をいかにも騎士らしく受け止めて、
ブラン・ダルジャンはにやにや笑って舌を出した。

「ま、あんたら全員と殺り合う体力は、こちとら残っちゃいないのよ」
スティアとフランキンセンスは踵を返した。
「というわけで、お嬢ちゃんは届けたわ。
 仇討ちなりなんなり、自分のしたいことは自分でしなさい。
 あんたらおひさまチームも、あたしら殺って
 ポイント稼ぐチャンスかもよ? 狩る?」

スティアの笑い声が森の奥に消えた。

いつのまにか雨は止み、深い海の底のような闇が森を覆った。
風が、すっかり火の落ちてしまった焚き火の炭を
ことんとかすかな音を立てて崩した。


------------

コラル・ソング 「贖罪の風」 おわり

567 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 04:23 [ eL50UiCU ]
やる気キタ――――――――(*゚∀゚)=3
金策ずっと待ってたんですよ、よかったよぅ(つД`)
いろいろゴタゴタしとりますが・・・・とりあえず

おかえりなさい

568 名前: コラル・ソング (;゜ロ゜) 投稿日: 2003/05/04(日) 04:26 [ mv7m/qeY ]
な、なぜか、最初の4行がコピペから漏れました。
脳内補完してくださいヽ(;´д`)ノ

---------

「贖罪の風」



風の音がした。

「痛ぅっ!」

短い叫び声とともに、鮮血が湿った大地に散った。

「え?」

突然の出来事に、カルニ・コロニは手にしていたカップを落とした。
アルルの目前には、わき腹をかばい地面にうずくまるミスラの姿があった。


------

以下 続いて、おわりまつ(;´д⊂)

569 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 06:49 [ WiFMigXo ]
「名無しの話」の3の2 −エルヴァーン−

エル狩人を見たとたん、ガル戦の瞳が輝いた…ように見えた。
「集合場所にいないからさ、探したよ」
さらりと銀灰色の髪を撫でつけるエル狩人
キラリ。
白い歯が意味もなく光る。
「時間は守ってくれないと困るな」
今頃何しに来たと睨むヒュム戦に臆しもせず
「いやあ、ちょっと疲れ気味でね。ほら、僕のように腕のいいハンターってさ、あっちこちのパーティーから引っ張りだこだじゃない?」
肩をすくめて見せるエル狩人。
「それに二時間ぐらいだったらさ、誤差の範囲じゃない?せっかく手伝ってあげるんだからさ、そのぐらいは待つべきだと思うな」
勝手なことを言いながら、ポンポンと馴れ馴れしくヒュム戦の肩を叩く。
「もうアンタいらないにゃ」
ヒュム戦が言うより早く、あっさりと言い切るミスラ。
「タル黒ちゃんが元気になったから、もういらないにゃ。帰ってもいいにゃ」
「ん?ああ、もう六人いるね。でもさ、呼んでおいてそれは無いよね。んーっと…」
パーティーの全員をゆっくりと見回すエル狩人。
「やっぱ、そのタルタルとかさ、いなくてもいいんじゃない?」
にこやかにタル黒を指さす。
「僕がいたらさ、黒なんてどうでもいいと思うんだけどな」
((((むかっ))))
ジロリと睨む八個の瞳を気にもしないエル狩人。
「それにさ、このパーティーでタルタルは白じゃなきゃ意味ないよ。せっかくこれだけの攻撃力があるんだからさ、それを生かす方を考えなきゃ。やっぱタルタルの使い道ってさ、白魔導師こそが本則じゃないかな?」
自分勝手なことを主張するエル狩人。すたすたとタル黒の正面へと歩いていく。
「ね、僕と替わりなよ。その方がみんなのためだよ」
「うん…」
長身のエル狩人に見下ろされ、小さく頷くタル黒。
丸い瞳に大粒の涙が浮かんでる。
「いいかげんにしろ!」
我慢しきれなくなったヒュム戦が剣を抜く。
むろん、斬り殺しちゃる!というわけではない。半殺しにひっぱたいちゃる!つもりだ。
「なぜタル黒が替わる必要がある!」
「おいおい、本気で言ってるのかい?パーティーはさ、六人までが基本だろ?七人じゃ評価が悪くなるじゃないか。役に立たない者を抜くのはさ、当たり前のことを言ってるんだけどなぁ」
平然と答えるエル狩人。
「おのれはぁ」
剣を振りかぶるヒュム戦。
「あー、暴力はいけないな」
知るかー!とヒュム戦が剣の平を叩き込もうとしたとき。
グワシッ。
ガル戦の巨大な手がエル狩人の頭を鷲掴みにした。
「え?」
グイと引っ張り上げると、簡単に爪先立ちになってしまうエル狩人。
クリッ。
捻るようにして自分の方を向かせるガル戦。
「じゃあー、釣りに行こうかぁ」
ニカッ。
ズラリと並んだ鋭い歯を見せて笑う。
間近で見下ろされては、有無を言わせない迫力がある。
「あ、ああ、釣り役は得意だからさ、任せて欲しいな」
引きつった愛想笑いを浮かべるエル狩人。
「けれど、七人じゃ評価が…」
「大丈夫だぁ。秘密の裏技があるぅ」
ズルズルズル。
有無を言わせず、頭を掴んだままエル狩人を引きずるようにして連れて行くガル戦。
(ーー)
五人はそれを無言で見送った。

570 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 06:54 [ WiFMigXo ]
二人の姿が丘の向こうへ消えてしばらくたったころ、ガル戦の叫びが響いた。
「エルヴァーンローーッドッ!」
続く誰かの声。
「ふぎぇー!!」
さらに鈍い音。
メギョッ!ベキャッ!ズキョッ!
「?」
なんだろうね、と顔を見合わせるタル白タル黒。
「…」
微妙な表情のヒュム戦とエル騎士。
「にゃははは」
なんだか楽しそうなミスラ。

しばらく間があって、今度は別な方向からガル戦の叫びが響いた。
「エルヴァーンローーッドッツウッ!」
続く誰かの声。
「おぎょっ!!」
さらに鈍い音。
グキャッ!ゴミュッ!ガショッ!
それを気にもせず、
「ガルさん遅いにゃ〜」
とミスラ。
「だねー」
「ねー」
とタル白タル黒。
「まあ、釣りには時間が掛かる事もあるから」
とヒュム戦。
「うむ」
頷くエル騎士。

さらに間があって、またまた別な方向からガル戦の叫び。
「エルヴァーンローーッドッッッスゥリィッ!」
続く誰かの声。
「んぎょ!!」
そして鈍い音。
ゲシュッ!バギッ!ドチャッ!
ちょっと慣れたので、
「きょうはピンポーンになるかなぁ」
「なるといいねー」
とタル白タル黒。
「ん〜どうだろ」
と首を捻るヒュム戦とエル騎士。
「ま、いんじゃないかにゃ?」
とミスラ。

も一つ間があって、またまたまた別な方向からガル戦の叫び。
「エルヴァーンローーッドォ〜ッファイナルッ!」
ベチッ!ベチッ!ベチッ!ベチッベチッベチッ!
今度は誰かの声はなかった。
音もヘンだった。

しばらくして、最後の声の方向からどっこどっことガル戦が走ってきた。
なにやらボロ屑のようなものを引きずってる。
エル狩人の姿はない。
「んー、釣竿が折れたぁ」
頭をポリポリと掻くガル戦。
「?」
その釣りじゃなかったのにと首を傾げるタル白タル黒。
でも、ほかの者は気にしてない。
「そういうこともあるさ」
とヒュム戦。
「うむ」
とエル騎士。
「弱そうな竿だったからにゃ〜」
とミスラ。
「「「「はははははは」」」」
四人して笑い始める。
「ははははは」
良く判らなかったけれど、タル白タル黒も一緒に笑った。
誰もエル狩人の事は言い出さなかった。

『あのさあ、こういう扱いっていうのは良くないんじゃないかなあ。僕は正直に言っただけなんだからさ。正直者が損をするって言う社会の構造は改善されるべきだよね。それにさ、釣りと釣りをかけるっていう駄洒落みたいなのも良くないよね。スマートさに欠けるって言うか。ねえ、そう思わない?……なんだい、返事も無いんだ。やっぱりアレだね、エルヴァーン以外の種族って言うのは根本的に……ブツブツブツ……』
エル狩人はすこぶる不満だった。死んでるのに…。


ほんじつの、せんせき。
とくべつほうこく、ばいタル黒。

えものは、かめさんが五ひきでした。
でも、一ぴきしかやっつけていません。
かずがちがうよっていうと、ヒュムさんは、いいんだよってわらっていました。
しんだひとは、いませんでした。タル白ちゃんもげんきでした。
でも、ひょうかは、ブーでした。
パーティーいがいのひとを、ぶきにつかってはいけませんと、かかりのおねえさんにおこられました。
せんせきは、むずかしいことがたくさんあるので、よくわかりません。
いじょお。

ついしん。
きょうは、いじわるなエルヴァーンのおにいちゃんがいました。
でも、とちゅうでいなくなりました。
みんながやさしくしてくれたので、とてもうれしかったです。
あしたも、タル白ちゃんとがんばります。

「名無しの話」の3 −完−

571 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 07:01 [ WiFMigXo ]
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい m(_ _)m
全ての種族と職種に悪意はありません。特にエルヴァーンの狩人には何の恨みもありません。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい m(_ _)m
でも二時間アビでもいいから、ガルカ限定で「タルタルを投げる」と「エルヴァーンで殴る」を実装して欲しいという野望は持ってます。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい m(_ _)m

572 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 07:51 [ V1uYFvac ]
((((゚Д゚;))))

573 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 08:04 [ YcE/3CsY ]
※金策

キターヽ(゜▽゜*)乂(*゜▽゜)ノ

※名無しの話
(゜∇^d) グッ!!
今回ばかりはガルカに感謝ですな
PTの評価が『ピンポーン』になる日が来る事を祈りつつ

574 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 11:00 [ OnxPa6k6 ]
名前はまだない その3

==========


都会の喧騒を離れバタリアの起伏の激しい道なき道を進む奇妙な二人組み。
彼等の目的地は一世代前の骨董品エルディーム古墳・・ではなくその先の森林だ。
ジャグナー森林。鬱蒼と茂るジャングルだ。
その奥にはオークと呼称される醜悪な獣人たちの本拠地が構えられ
木漏れ日も届かぬ暗い木々の下には、それら獣人にまじり天然の怪物達が徘徊する。

普通冒険者の編隊と言うものは6人で一つになる。
それぞれが分かれた分野で力を発揮し、一つの敵に対抗する。これがセオリーだった。
しかし、白魔導士といえどガルカの魔導士。
オマケに役立たずの赤魔導師も一緒。こんな奇怪なパーティの誘いを受けるものなどいなかった。

ジャグナーへ行こうといったのは彼-この表現が適切ではないのは分かっているが-だった。
こんな所で狩りをするパーティと言うのはあまりいない。
修行をするにも、獲物を狩るのでも、もっと良い場所が他にいくらでもあるからだ。
せいぜい、先の獣人本拠地ダボイへ行くPTがたまに通るくらいだ。
そもそもこのジャングルにとどまること自体があまり良い気分でもない。
・・・・・・この森林独特の湿気は鎧を着込んだこの体にはこたえる。

さてと・・・と前置きをして。

「この辺りでやろうか。よろしくね。」
彼の言葉は軽い。ガルカと言う種族にしては、だが。きっと若いものなんだろうか。
こくんと頷いて手近な獲物に狙いを定める。

私は彼を見直した。見る目が変わったのだ。
地形の特徴、敵の習性、攻撃方法から弱点から自分の使う呪文のクセまで、彼は全てを把握していた。
そして何よりその体躯から放たれる体術の数々・・・・。
こんなに頼れる仲間を得たのは初めてだった。

一時間ほど経っただろうか。
移動しながら狩りを続け、気付けば小川のある場所へ差し掛かっていた。

「少し休憩を入れようか。釣りでもする?竿が2本あるから貸すよ。」
彼に竿と餌を半分わけてもらい釣り糸を垂らしてみる。

彼は強い。
それは彼がガルカの白魔導師だからだろうか。
違う。
ガルカでも白魔導師だからでもない。彼が強いのは彼が熟達の冒険者だからだ。
自分はどうだ?
ふてくされて、腐って・・・・空の平和を見守るだけ。

・・・・隣で彼が、おー釣れたとかはしゃいでいる。
私のうきは微動だにもしていない。

頭上から降り注がれる陽光が眩しい・・・・くすぐったい。
見つめる水面がきらきら光ってる。

「綺麗・・・。」
口からついこぼれてしまった。
「自然はね・・」
垂らした釣り糸の先を見つめながら彼が続ける。
「本当は、素敵なものばかりなんだよ。」

胸からこみ上げる熱いものを堪えるので精一杯だった。

575 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 11:05 [ OnxPa6k6 ]
名前はまだない その4

=======

釣り糸を垂れる大きい背中と小さい背中。
その背後で物音が。何かの気配を感じる。
ばっと飛び出してきた黒い影。黒虎だ。
この森林に徘徊する天性のハンター。
が、しかし二人にとってはさしたる脅威でもない。
すぐに釣竿を投げ捨て、グッと身構える。
・・・・?
ハンターはこちらに向かってこない。いやそれどころか明後日の方向に走っていく。
恐れをなして逃げたんだろうか。いや、あの走りはむしろ・・・・。

「人だ。追われている!」
そう、見落としていたようだがあの天性のハンターは獲物を追っていたのである。
見落とすのも訳はない。彼の獲物はあの子供のような小さき、そして賢き種族タルタル族だったからだ。
さて、どうしたものかと私の思考が完了するより早く
私の横の大きい彼の手から光の呪文が放たれた。
ディアというスペルの簡単な白魔法だ。簡単故素早く詠唱でき、とっさに敵の注意を引くには役に立つ。
が、黒虎の目には小さき獲物しか映っていないらしい。
「ファイア!」
私が詠唱したわけではない。彼の指示だ。
頭に入りとっさ、動かされるように炎のスペルを詠唱する。
ごぉぉぉっと言う音と共に、私の魔力で具現化された炎が黒虎を包み込む。

狩りの途中に横から炎をお見舞いされたのだ。
ハンター君の胸中はさぞや穏やかではないだろう。仕留めるすんでの獲物をよそに
炎をお見舞いしてくれた無礼者に牙を向ける。
「来るぞ。」
そう言いながら彼は次のスペルの詠唱にかかっている。
うんと頷いた私も剣を抜き突撃する。

突撃しつつも初撃は避けることしか頭になかった。
いくら脅威でないと言えど、あの太い腕から繰り出される一撃、強いあごのその一撃。
細い私の体では一発でも致命傷だろう。
狙い通りその巨体の突進をすらっといなす。
と同時に握った剣を肩口目掛けて力いっぱい滑り込ませた。よし。

さっと距離を取り呪文の詠唱を始める。
迂闊、と目の前の黒い影は思っただろう。
呪文詠唱中の魔導師など無防備なただのヒトだ。

しかしその巨体を動かすよりもはやく金色の鎖がソレを包む。
彼の呪文。対象の体を麻痺させ自由を奪う。パライズだ。
初めての感覚に戸惑っていただろう。その隙に私の呪文は完成していた。
周囲の空気が赤く輝き私の右手を介して剣に伝わる。赤魔導師の得意呪文魔法剣だ。

「うあああああぁ!」

突進。もう目の前のハンターに抗う術は残されていない。
まっすぐ突撃し厚い胸を目掛け剣を突き立てる。
手応えあり。

ずるっと剣を引き抜き、追われていたものは大丈夫だろうかと気を逸らした。
その瞬間に視界の光が遮られる。
甘かった。黒虎はまだ生きていたのだ。
私に飛び掛りその最後の力を込めた渾身の一撃が振り下ろされる。
・・・・・マズイ!

============

どさっと黒い塊が身に降りかかってきた。
痛みはある。が、想像したものではない。

「く、くるし・・・・たす・・・」

どさっと、青白い太い腕が私の上にのしかかった黒い肉の塊を退けてくれた。

「あ・・ありがと」

ニヤッと私にしてみせ、その太い腕の持ち主は小さき獲物の元に向かう。

助かった。助かったのだ。
あの瞬間私に飛び掛らんとする黒虎のさらに上から
彼の巨大なハンマーが虎の脳天を叩き潰したのだ。
そのお陰で私はあの巨体を体で思いっきり受けてしまったのだが・・・。
一撃を貰うよりは当然よかった。
事態を飲み込めてから程なく、追われていた獲物の事を思い出した。
彼の向かった方に小走りで駆けつけると、小さき体がうつぶせに倒れていた。
一撃を背中に貰ったのだろうか、彼が回復魔法をかけている。
大丈夫・・・と言うことか。

ふぅっ。と緊張した肩を下ろした。

576 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 12:57 [ 30qNvebY ]
うはwwwwwwwww
金策やっと3かwwwwwwwwwwww
きたーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwww

577 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 14:05 [ FJYQw3ng ]
皆気付いてスルーしてるのかもしれないけど、
名無しの話の評価の擬音、
あれってときメモのパラメーターアップ(ダウン)の音だよね。ねっ?





アニオタ帰れ!
・・・・そうでつか(´・ω・`)

578 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 19:46 [ QjNT25i. ]
うはwww白ガル最高wwwwwwww


あのお決まりのセリフが出るんだろうかw

579 名前: sage 投稿日: 2003/05/04(日) 19:48 [ E5XSX4/o ]
ガルカ素敵

580 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/04(日) 19:49 [ E5XSX4/o ]
間違え、ごめんなさい

581 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 01:19 [ 3ccmrXys ]
ヽ(´ー`)ノage

582 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 03:39 [ eBRFwmt6 ]
「名無しの話」
最 高 で つ
ヒュム戦もガル戦もミスラもタル白黒コンビもご飯3杯はいけます。

他の作家さんもがんがって。
最後まで話見せてください。気になってもう・・・

583 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 03:40 [ LW3MCgHA ]
明らかに投稿減ってきましたね(T-T)
集え投稿戦士!!
名無し先生の作品が読めるのは涙たちの物語だけ!!

584 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 05:55 [ x.v0kE/s ]
ヤグタソんの話見たいでつ
(@_@;)
ヤグタソ侍になるのかかなり期待してまつ
ヤグ侍age

585 名前: 業の物語 「カルマ」@4話 罪の意識は 投稿日: 2003/05/05(月) 07:19 [ ZqsNeVEs ]
「筈だった・・・・って何があったんですか?」

私は、メモを取る手を止めて今の族長・・ジャコ・ワーコンダロに訊ねた。

「・・・・コローネルとスフォルツァは戦死したんだ。
 コローネルはガルレージュ要塞の前線で隊長を庇って。 スフォルツァはズヴァール城でデーモンにやられた」
「そんなっ・・・・じゃあ、ディオはどうなったのですか?」
「9つの年になった日、彼女一人ユタンガに放り込まれた。
 特例として、カザムとの行き来は許可されたが、実質彼女は見放されたんだ」
「ディオは・・・幼いディオはどうなったのですか?」


・ ・ ・ ・ ・

……親の血がしっかり生きていた子だった。
齢9歳にしてジャングルのモンスターと対等に渡り合って生きていたよ。
マンドラゴラを友達に、ゴブリンをライバルに。 オポオポとよく会話していたそうだ。

……まるでターザンだな。
しかし、困った事が起きた。
緑の豊富なジャングルに、彼女の食料になりそうなモノがひとつもなかったんだ。
食わなければ生きて行けない。


困った彼女が取った行動は『盗み』だった。


 
村へ降りて行って宿屋へ忍び込み、干し肉や串焼きを盗んでジャングルへ戻る。
見つかることもあったが、彼女は誰にも捕まえられなかった。

シーフだった母コローネルの様に風のように素早く、身軽だったからな。
もし捕まったとしても、騎士だった父スフォルツァの残したサーメットナイフを我が腕の様に操る彼女には誰も勝てなかった。
ディオは天才だったんだ。 ……狩りと戦いの。
彼女が村に降りてくるようになってしばらくすると、やはり、族長に彼女のことを訴えてくる者が出てくるようになった。

「族長! あの子を何とかしておくれ!
 ディオのお陰でうちの店は赤字まっしぐらだ!」
「落ち着け、リリ。 あの子も生きていくのに必死なんだ」
「アタシだって生きていくのに必死さ。
 稀に来る冒険者と、狩りに出るミスラに売った食品の稼ぎでやっと食いつないで居るんだよ」
「そうだな……」

切実なリリの顔を見ながら族長は溜め息をついた。
両方、必死。 両方、切実。



族長は一つ後悔していることがあった。
ディオにある事を教えられなかったことだ。
その為に彼女には一つ、欠落している感情がある。

《罪の意識》

これが彼女の心には根付いていない。
だからディオは生きていく上で食に困ったとき、何の躊躇いもなく他人から《盗む》ということを選べた。

ただ、"生きていく為"に必要な事として盗みを繰り返す。
そして、
盗みを邪魔されることは、生きることを邪魔される事。 だから邪魔する者は、斬る。
純真なままただ、自らが抱える空腹を満たすため罪を重ねる。
穢れることを知らない彼女は罪の意識を感じることはない。

族長はそれを知っているからこそ、彼女をどう咎めるかで悩んでいた。
下手なことを言ってしまい、彼女が傷つくのは避けたい。
両親を失い、禁忌の子として一人で生きていく子供の心をこれ以上壊したくはない。

「族長! なにか対策はないかい?
 このままじゃ、私が飢え死にしそうだよ!」
「……よし、ディオを捕まえよう。
 彼女が反省しないようならウガレピに幽閉する」
「ウガレピ……? あのウガレピ寺院かい!?
 そんな! あの子はまだ子供だよ!?
 ……族長、やっぱいい。 今アタシが言った事は無しにしておくれ。
 族長がそんなに冷酷だとは予想外だったよ」

そう言い放ち、リリは族長の間を飛び出した。
ウガレピの恐ろしさ、そこに住む獣人トンベリの手強さは商人であると同時に狩人でもあるリリも身に染みて知っている。
幼い−レベルの低い−子供があんな所に閉じこめられたら死んでしまう。
だから、族長がディオをウガレピに幽閉すると言った途端、彼女は態度を変えたのだ。

族長もそのことを計算した上でリリにそう言った。
ウガレピを出せばリリは諦める。
族長は掟とは逆にディオを守りたいと考えていた。

586 名前: カルマ 投稿日: 2003/05/05(月) 07:21 [ ZqsNeVEs ]
期待されてないのは百も承知で投稿しました。
もう自己満足でつ(つД`;) イヤな方はあぼーんしてください。

今回からサブタイトル付けました。
細々修正した改訂版をあぷるる氏のHPにうpしますた。

587 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 08:04 [ Is26Zpl6 ]
全ての物語を期待しまくりで待ってますがなにか?

588 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 09:19 [ 2Xdxl4Rk ]
>>587
俺もだ。ぜんぶ楽しいと思う

589 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 09:58 [ B14SYnvU ]
>カルマ

自信持て
ふぁいとぉー!!┗(  ̄◇ ̄)乂( ̄皿 ̄ )bいっぷぁーつ!!

>神たちへ
どんな結末でも、それは神々に降りた言霊の導き
漏れは全てを受け入れるよ
だから最後まで書ききってくれ

590 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 10:04 [ DKXLGwsU ]
>>586そういうことは、胸の内にしまっておくべきだと。
なんか同情誘う発言は好きになれん。
私をいじめて下さいっていってるみたいだ

591 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 12:19 [ BmEuNp16 ]
>586
いやいや、物語が盛り上がってくるのを待ってまつ(;´Д`)
ディオたんはSSSサイズエル♀に尻尾をつけた姿に脳内補完ハァハァ
しかしあぷるる氏のほうにうpされたの3が入ってないような…w

592 名前: 空に〜の人 投稿日: 2003/05/05(月) 13:05 [ rEdxGZR. ]
人がリアル旅行に出てれば藻前さん方……ほんとここは海みたいなとこだな。
>>586
てことで、うっかり舟で漕ぎ出しちまった私等は、岸に辿り着くまでがんがるべ。

でも、私は続き書いてないんだけどな。
連休終わったら月次が待ってるからやっぱり当分書けないけどな。これ言い訳。
じゃまた。

593 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 14:03 [ hLk.ZAuY ]
さてさて、冒険者とかけて、大海原を往くと解く。
その心は・・・。

 大 後 悔 時 代

すんません、すんません、すんません。
うpしたいけど、仕事で話書けなくて、
それでもこのスレだけは気になってきてみたら何か書きたかったんですよ〜。

594 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 17:22 [ SpA1JZjM ]
思うんだが、感想その他は別スレにした方がいいんでないかと。
立てていいもんかどうかはちょっと話し合いたいが、雑音が減る方が
読み手書き手ともにありがたい気がするし。

595 名前: Seilu 投稿日: 2003/05/05(月) 20:05 [ RNg74rhI ]
『空高く舞え 若き竜達よ』
<第1部終局 21節>
 セイルはシェナに対して言葉を続ける。
「誰にもこの事を話したくなかったのは、まだ不安にさせる事をしたくなかったからだ。
今はまだ新年を祝い、そして休んでいて欲しかった。もし、今この話が伝わるなら
冒険者だけでなく街の人々も不安になる。そして、冒険者達は戦いの前に十分な休息が
取れなくなる。あいつらにも、残してきた家族や仲間が居るはずだ。シェナだってそうだろ?」
セイルに聞かれてシェナは頷いた。
 シェナはバストゥークに近い大きな街の出身だった。父親はその街の衛兵として働いており、
母親と妹の4人家族というごく普通の家庭だった。父親が衛兵として働いている
姿を見て育ったシェナは、父親のように人の為になりたいと願い冒険者になったのだった。
 そして今、シェナはセイルの話を聞いた時に家族の事を心配した。
セイルが言っているのはそういう事である。
 獣人が進行すると聞いて最初に家族や仲間の事を気にかける冒険者は少なくない。
そしてそれにより精神的な不安が生まれ、十分な休息ができない。
 人としては当然とも言える反応だが、十分な休息が取れていないというのは
戦いにおいて最も危険といえる物である。休息の不足は体力、思考力を低下させ
判断力さえも低下させる。常に体力と精神力を消費し続ける戦闘において、
これは時に命を脅かすまでの致命的な事になりかねない。

596 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/05(月) 22:47 [ pSj25Dl6 ]
まとめサイトに、お絵かき掲示板おいてくださるとありがたいと言ってみるテスツ
荒れちゃうかなぁ・・・

597 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 00:39 [ /u0VCjZI ]
sag

598 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 00:52 [ HJiutwME ]
>>594
昔、別のMMOの小説スレで、同じように感想は別スレ形式になったところがあったんだが
見事に廃れたな・・・。

599 名前: 野を渡る風 投稿日: 2003/05/06(火) 00:53 [ HJiutwME ]
【冒険への誘い:序章】

 思えば、最初のきっかけは天晶堂で見た、一振りの刀だった。
魅入られた、といった方が正解かもしれない。

昨日までの風雨が嘘のように晴れ渡り、穏やかな風が頬を撫でるある春の一日。
わたしは山篭りを一時中断し、
いつものようにジュノへと雑貨や矢の買出しに来ていた。
いつものようにジュノの大通りは、ぶつからずに歩くのが難しいほどの物凄い人ごみだった。
いつもと少し違うのは、両腰に刀剣を佩いた者や今まで見た事もない
珍しい武具を身に帯びた者の姿がちらほらと見受けられることだろうか?

(そう言えば辺境への道が拓けたと言う噂があったけど、その産物かな?)

 わたしは人ごみを避けるように、ふらりとゴブリンの店へと入っていった。
ランプの光に照らされた薄暗い店内に足を踏み入れると、部屋の奥から独特の香りが漂ってくる。
いつ来てもこの匂いには慣れないな〜などと思いつつ、ゴブリンの店員に声をかける。

「こんにちわ〜。いつもの骨矢、10束お願いします。」

すでに顔見知りになりつつある店員さんはちょっと困ったように首を傾げ
「コンニチハ、お嬢。すまんが、骨矢はもう取り扱ってないゴブよ。」

「えぇ〜〜〜〜〜〜〜?!」

 聞けば、どうやらお上から圧力が掛かって、ジュノでの骨矢の販売はできなくなったらしい。
表向きの理由は最近の獣人達の活動の活発化、とりわけ凶暴なモンスターの出現など、
ウィンダスからのキャラバンが襲われる事態が頻発しており、比較的扱い易い骨矢などが
獣人の手に渡って使われるのを防ぐため、輸入制限がかけられたとか…。

(まったく…
 骨矢以上の上級矢になると費用対効果が激しく悪くなるし、矢弾の調達は狩人には死活問題
 だと言うのに、お上は一体何を考えてるのだろうか。
 それにウィンダスからなら、わざわざ陸路を使わなくても――ん?)

「…〜〜〜ぃ」

「お〜い、お嬢。どシタ?」
ふと気が付くと、店員さんが心配そうな雰囲気で顔を覗き込んでいた。

「ごめん、また今度買い物に来るね!」

 相変わらず表情が読めないな〜などと考えつつ、そそくさと店を後にした。
目指すは裏のマーケット、天晶堂。
あそこなら手に入るかもしれない。
とある場所にある、天晶堂への秘密の扉をくぐり――


ばったりと、見飽きるほどに見知った顔に出くわした。

「アル!久しぶりじゃないか、最近顔を見なかったけど、何やってたんだ?」

「…ちょっと山に篭って弓の修練を、ね」
平静を装って、すましてそう答える。

「そうか…お前は昔っから一つの事を始めると周りが見えなくなって、
 寝食を忘れてのめり込むんだから体調には気をつけろよ」

「う……わ、分かってるわよ」
その時、わたしは赤面していたと思う。

 この手の話題になると分が悪い。
これだから過去を知られてる幼馴染とゆーヤツは…。

600 名前: 野を渡る風 投稿日: 2003/05/06(火) 00:54 [ HJiutwME ]
【冒険への誘い:一章】

 わたしは一介のヒュームの戦士、アル。
力では男性や、ましてやエルヴァーン、ガルカにかなう筈もなく、
ミスラ族を習って技の鋭さ、防御力より回避を重視した戦い方を心がけている。
当然、武器は重量任せに叩き斬るようなものではなく、切れ味鋭いサンドリア剣
(いわゆるハンティングソードと言うヤツだ)を愛用している。
武人の嗜みとして、他にも両手剣、槍、弓は一通り使えるように心掛け、
先日まではその一環として、狩人として弓の修行中だったってワケ。

 そして、目の前のコイツはエルヴァーンのヒースクリフ。
…不本意ながら、わたしの幼馴染だ。
普通、エルヴァーンの男の子に将来の夢を聞くと、10人中8人は胸を張ってりっぱな騎士になりたいと
答えるだろうに、コイツと来たら泣き虫で臆病者、騎士になんてなりたくないよ〜と言う変わり者だった。
15の頃には騎士になれと言う親と大喧嘩、そのまま家を飛び出してしまった。
少し前にジュノで再会したワケだけど…天晶堂のメンバーって、騎士とは別の意味で危険が一杯じゃないか?ヲイ。


「でも、会えて丁度よかった。」

「ん?デートのお誘いか?」

…わたしの全霊を乗せた拳が、ヒースの顎を打ち抜いた。
まったく、子供の頃からは考えられない軽さだわ。


 ― 閑話休題 ―


わたしの拳はまともに顎に入ったらしく、今はヒースの部屋で傷の手当ての真っ最中。

「そっか〜〜〜〜、天晶堂でも取り扱ってないのか〜。」
天晶堂ならば!と思ったのに、骨矢は扱っていないらしい。
わたしはがっくりと肩を落とした。とほほ。

「それはそうと、珍しい物が手に入ったんだ。見てみるかい?」
余りに落ち込んでる様子を見かねたのか、こんな風に話題を振ってきた。

ヒースは部屋に置かれたコッファーの中から高級そうな木箱を取り出すと、わたしの目の前であけてみせた。
その中に入っていたのは――

(―!?)
思わず息を飲んだわたしに構わず、ヒースは木箱の中からうやうやしく一振りの剣を取り出し、
わたしに差し出してきた。

「これって…ヤグード族が使ってる剣じゃない! しかもこんな逸品、どこで手に入れたの?!」
そう、ヒースが差し出したのはまごうことなくヤグード族の戦士が使う、細身で片刃の曲刀だった。

ヒースのヤツは質問に答えず、にやりと笑った。
「抜いてみる?」

わたしは一も二もなく頷いた。

(カチャリ…)
 傷めないよう刃を上向きに、そしてゆっくりと鞘から剣を抜き、灯りにかざす。
わたしはそのなめらかな曲線を描く刀身に思わず見入ってしまった。
まるで一目惚れをした乙女のように。

 …勘違いしないで欲しい。
わたしは決して武器フェチと言うわけでもないし、人並み程度には男女の色恋には興味はある。
ただ、その剣はただの『物』とは一線を画していたのだ。
柄は、まるで吸い付くかのように手にしっくりとなじみ、
軽く反りの入った刃は一見すると鈍い光を放ちながらも、光の加減で怪しいまでに鋭い光をギラリと返す。
わたしはそのまま剣に吸い込まれるような錯覚を覚えた。

「どうだい?」
「すごい……」

ヒースの声で我に返ったわたしは、ゆっくりと鞘に剣を戻すと、ヒースに手渡した。

「東方の剣で、刀(かたな)と言うんだ。」
ヒースは受け取った刀を大事そうに木箱に戻しながら説明してくれる。

「コイツ程の業物じゃないけど、数打ち物ならウチでも少数取り扱い始めてるんだぜ。」
「え、ほんと? それってわたしでも買える?」

ずいっと身を乗り出して、子供のように話をせがむ。
ヒースはわたしの反応に、満面の笑みを浮かべた。

「ああ、ほんとほんと。…だけど先見の明のある冒険者達や、
 金に嗅覚の利くヤツら相手に、入荷・即完売!だけどね。」

「う…それって、予約とか出来ないよ…ね?」

「天晶堂は現金一括払いが基本だからなぁ、ましてや根無し草でいつ死ぬかも
 分からない冒険者相手だと絶対ムリだね……。」

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜。」
わたしは再びがっくりと肩を落とした。

「……でも、手に入れる手段がない訳でもないんだぜ?」
「…え?」

「天晶堂の刀だって、初めからそこにあるわけじゃない。
 つまりは、直接仕入れ先の土地に行けば良いのさ。」

「それに、刀の扱いは普通の刀剣と違って特殊なんだ。
 扱いを間違えるとポッキリ逝っちまうだろうけど、
 その土地なら師事する人物にも事欠かないだろうし…。」

じらすような会話にじりじりとしながら問う。
「その場所って……?」

「その場所とは―――。」

601 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/05/06(火) 01:07 [ cvONYWY. ]
ども、まとめサイトの画像UP掲示板に白き〜の13話をUPいたしました。

まとめサイト「旅は終わらない」byあぷるる氏
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/

うん、感想は別スレでなくてもいいんじゃないかなぁ。
作家さんたちは誰も何も気にしてないと思うよ。
いつも通りマッタリいきましょー。

>>596
あ、そうそう、まとめサイトにお絵かき掲示板上がってたYO。

602 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 01:29 [ /u0VCjZI ]
グッジョブあぷるるさん!!!
あああ、絵かきたいけど、明日学校だ・・・。定期も切れてるから朝買わないと・・・
早起きにがて・・・
っく
とりあえず、白き書は読ませていただきます!!!

603 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 01:55 [ dp4Vl4Tw ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十五話 再開、そして、別れ

――南サンドリア・競売前――

「あ、ラキだにゃ〜。いつかえってきたんにゃ?」
「ジャビ?…久しぶりじゃないか!」
ラキが競売場で品定めをしていると、同郷のミスラに声を掛けられた。
「騎士の試練を受けるって飛び出したっきり、連絡がないんだから…心配したにゃあ」
「はは…悪いね、ボクの方も色々あってね」
「皆、ラキが帰ってくるの待ってたにゃ。ささ、早く皆に会いにいくにゃ」
「お、おい、手を引っ張るなってば。わかったよ、逃げやしないから…」

――不死鳥の止まり木――

「なぁ、トッパ。お前達、これからどうすんだ?」
ジルパケルパは武器防具の手入れをしながら、後ろにいる二人に話しかけた。
そこにはトッパとオットーの姿がある。
が、何故か二人ともぼんやりと天井を見つめてベットに寝転んでいる。
「ああ〜。そうだなぁ…。オイラはウィンダスへ行かなきゃいけないんだけどな…」
トッパはそう呟いて、同じく隣のベットに寝転んでいるオットーを見つめた。
「僕は…なんだろう。何をしたらいいか、よくわからないんだよね…」
「…実はオイラもさ、なんか…サンドリアに着いてからおかしいんだよなぁ」
ジルパケルパにはこの二人の言っている事が良く分からなかった。じゃあ、お前らは
何をしにサンドリアへ来たのか?と問い詰めたい衝動に駆られたが…
が、しかし、ジルパケルパにしても何か釈然としないものがあり、口を閉ざした。

「…やべ、そういえば俺、ラキに呼ばれてたんだわ。ちょっといってくらぁ」
先程、武器の新調の為、競売に来いとラキに言われていたのを思い出した。
(遅刻するとうるさいからな…)
そう思いながら、ジルパケルパは急いで宿を出た。

――居住区・レンタルハウズ――

「は〜い!かんぱーい!」
狭いレンタルハウスの部屋に、ミスラが6人。
モーグリは”定員オーバーだクポ!”と叫んでいたが、その意見は軽くスルーされたようだ。
「ね〜。教えてよ。騎士の試練ってどうだった?」
「今まで何処ほっつきあるいてたんだよ。…まさか、男か〜?」
「あ、この服何処に売ってたの?かわいい〜」
次々と来る質問の嵐に、元々あまり喋らないラキは戸惑っていたが、
久々の仲間との再会は彼女に時間を忘れさせた。
そして、相棒との約束もどうやら綺麗さっぱり忘れてしまったようだ。

それから一時間くらい話が続いたところで、ジャビはこう打ち明けた。
「ラキ。私達、ラキが戻ってきたらジュノへ行こうって話し合ってたにゃ。
 勿論、一緒に行くにゃ??」
「え…ジュノへ…?ボクもかい?」
「当たり前だよ、長年付き合ってきた仲じゃないか。お前を置いてジュノへ行けるもんかよ」

…ここに集まる6人のミスラはウィンダスで生まれ、同じ幼少時代を過ごした。
そして、6人は冒険者となり今に至る。
ラキが騎士になりたいと言いだした時は、それは大騒ぎになったものだ。
結局反対を押し切り一人で試練を受け、さらには一度ウィンダスへ戻ると言い出したのには
皆呆れた顔をしたが、ラキはまさか自分を待っていてくれるだろうと思いもしなかった。
「ごめん…今まで随分と長い間、皆を待たせてしまったようだね。
 ボクは自分本位すぎたのかな…」
「何言ってるの?私達、仲間でしょ?…明日出発するからさ、朝になったらチョコボの
 とこで集合だからね」
「あ…でも、しかし…」
「どうしたにゃ?ジュノ、行けないのかにゃ?」

ラキはジルパケルパの事を考えた。ジルパケルパとの旅はサンドリア迄である。
もうサンドリアには到着した。だから、これ以降は付き合う必要はない、が、しかし…

そして、そんな事を考えていると、ジルパケルパとの約束を思い出した。

「ああ、しまった!すまない、実は人と待ち合わせをしていたんだった!」
「え〜。それは大変にゃあ。急いでいくにゃ。相手に悪いにゃ」
「じゃあ、明日の朝な、チョコボの前で待ち合わせだからな!」
ラキは大急ぎで競売場へと走った。

604 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 01:58 [ dp4Vl4Tw ]
――南サンドリア・競売前――

「すまない…随分と待たせてしまった…」
息を切らせて、途切れ途切れにジルパケルパに謝罪する。
「遅かったな〜ラキ。」
「悪い…ついつい話し込んでしまった」
「来てくれたんだから別に謝らなくてもいいぜ?
 それよりも見てくれよ!こいつをどう思う?」

ジルパケルパは得意げな顔で一本の花をラキに差し出した。

「これは…マーガレットか?どうしたんだ?」
「いやぁ、なんていうかさぁ…いつもラキには世話になってるだろ?
 だからお礼っていうか、まぁ、ラキって結構さ、こういうの好きじゃないかなって。
 …あ、ひょっとしてそうでもないのか?」

正直なところ、ラキは綺麗な花が大好きである。いや、花だけではない。かわいい服も
何着か持っているし、口紅だって塗ってみたい。勿論、それを表に出すことはないのだが。
…まさかジルパケルパが自分に花をくれるとは思いもしなかった。
しかし、気持ちとは正反対に強がってしまうのは彼女のいつもの悪い癖だ。

「気持ちは有難いが…その金でもっと強い装備を整えたほうが賢明とは思わないか?」
「…う。…やっぱりそうくるか…」

ジルパケルパはいつになく落ち込んだ表情になる。

「…しかし、折角の異性からの贈り物を断るわけにはいかないからな。
 有難く頂いておこう」
「…ありがとよ。俺がもっと金持ちだったら、ラキが使う剣とか鎧とかで恩返し
 できるんだけどなぁ」

それから二人は競売で装備を競り落として、皆の待つ宿へと帰った。
レウの姿が見当たらなかったが、ラキにはその事を考える余裕はなかった。
明日サンドリアを発つ事をジルパケルパに話そうと思っていたが、どうしても話せない。
ラキは迷っていた。迷う理由なんてないはずなのに、どうしてもジルパケルパの事が
頭から離れない。
(ジルパケルパよ…お前はどう思う?私がいなくなっても一人でも平気か?)

ラキは生まれて初めて眠れない夜を過ごし、そのまま朝を迎えた。

                                          続く

605 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 02:14 [ uxhF7.VI ]
キター

606 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 02:29 [ /u0VCjZI ]
パパさんキターーーーーー!!

607 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 04:12 [ FJ0YAduw ]
あぁ幸せ・・・みなさんの作品楽しみに待ってます(=´∇`=)

608 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 05:24 [ Q05wwa9Q ]
ジェイクさん、赤/忍でつか!
しかも、アラミスレイピア?>細身の剣

609 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 08:56 [ n96pfqA. ]
レウは貴族だったりして・・・と言ってみる。

610 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 09:12 [ CPDCJyoY ]
>>604
>それよりも見てくれよ!こいつをどう思う?

想像しちゃった・・・何か想像しちゃいけない物を想像しちゃった・・・((((;゚Д゚))))

611 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 10:02 [ qDPJhtGQ ]
も、もしやパパさんは…ヤマジュニスト?

612 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 12:46 [ 5kxDnFlk ]
>それよりも見てくれよ!こいつをどう思う?

狙ってるとしか…

613 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/06(火) 15:12 [ rvxZdvMc ]
お休み中はずっとFFやってて書かなかったyp!
というわけで続きですが、タイトルで誤字かましてることに気が付き(;´д⊂)
序章といい、あっちゃこっちゃに誤字ありまくり・・・鬱。
修正して再開しまつ(´・ω・`)

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第一章 再会―別離─旅立ち その��

太陽がサルタバルタの大地に隠れ、日が暮れると共に、街のいたるところに植えられた大きな鈴蘭のような植物に魔法の灯が灯る。
ふんわりとしたこの光に照らされるため、この街の夜は、常に幻想的な雰囲気を併せ持っている。
『うわぁ、門限越えちゃったよ・・・』
同じ私塾に通う子供たちに付き合っていたら、すっかり遅くなってしまった。
最年長として、子供たちの面倒を見るのは半ば自分の役目なのだけれど、時折、自分自身があまりに夢中になってしまい、こうやってずるずると遊んでしまうことがある・・・悪い癖だ。直さなくちゃいけないな、と自身、反省する。
ここウィンダスには、三国に渡って有名な魔法学院が存在するが、そこに通うことのできる子供は、一握りの選び抜かれたエリートだけだ。たいていの子供たちは、個人が経営する私塾に通い。一般教養や初歩的な魔法などを学ぶ。
彼女、エメラルダの両親──タルタルの夫婦、クラップララップとミルトトも、こうした私塾を開いており、エメラルダはその生徒であり、級長的な立場だった。
先ほどの子供たちはみな、その私塾に通う同級生である。
授業が終わった後は、あのようにみなで遊んで午後のときを過ごす──彼女たちの、日課だった。

エメラルダの家は、水の区の中でもだいぶ奥まった──高級住宅街とされている地区の一角にある。何でも彼女の両親は、若いころにかなりの勲功を上げた冒険者であったようで、ウィンダス政府からも、ひとかどの敬意が払われており、この家も、報酬として戴いたものであるという。
エメラルダ自身は、正直なところ両親の過去をあまりよくは知らない。優秀な魔道士であることは分かっているが、冒険者の時代に世界のどこを旅し、どのような冒険をしてきたか──そして、どこでどうして、エメラルダを──ヒュームの子供を、自分たちの子として育てることになったのか。
彼女は、あえてそれを詮索することを避けて来ていた。
両親が彼女に語った数少ない話の中で、物心ついたときから身に付けている、この首に掛けられた緑宝石のネックレスが、彼女の本当の母親のものであるということ。そして、その人がもうこの世にはいない、ということ。知っているのは、せいぜいそれくらいのことだった。

自分の過去が気にならないかと言えば、嘘になる。
とはいえ、自分は気がつけばここウィンダスにいて、ずっとこの国で時を過ごし──両親は、自分を本当の娘のように育ててくれた。
彼女が5歳の時に生まれた、弟のオリンコリンとも、本当の姉弟のように仲良くできているし、今の生活にだって、不満のかけらもない。
あたりまえの幸せを、あたりまえのように享受して、満足している。
──だけど、いっつもどこか、心の片隅が、外へ、外へと引っ張られている。
夜道を歩きながら、エメラルダは毎夜のように頭をよぎる思考に、没頭していた。

614 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/06(火) 15:19 [ rvxZdvMc ]
第一章 再会―別離─旅立ち その��

「ただいまー! ごめん、遅くなっちゃった」
玄関をくぐると、奥の居間から、母親のミルトトがとことこと歩み寄ってきた。
「おかえりなさい・・・だめじゃないの。日が暮れるまでには帰ってくるように、約束してるでしょ?」
そういって、肩を怒らせる母の姿は、自分の腰まですらもない。
「ごめんごめん。明日からは気をつけますって」
苦笑いを浮かべるエメラルダである。
「ほんとにもう・・・口先ばっかりで、ちゃんと反省してるか怪しいもんだわ。
 ──ほら、早くあがりなさい。お客様が来てるから、挨拶してくのよ」
「お客様?」
「そ。エメも、よく知ってる人よ」
そう言って、ミルトトはにっこりと微笑んだ。

居間のテーブルには、父親のクラップララップと、その向かいにもうひとり、長身の女性が座っていた。
余談ではあるが、ウィンダスで使われる家具類は、基本的には各種族が相違なく使える、汎用サイズのものが多い。これは、もともとはタルタルのみの国であったウィンダスが、ミスラを迎え入れて連邦化したことにより変化した風潮であるらしい。
また、客人を迎えることを好む彼らの流儀に、沿うものであったことも言うまでもないことである。
その代わりに、タルタルたちは足の長い椅子や、専用のスツールを好んで用いている。
クラップも同じように、タルタル向けの足の長い椅子に腰掛けていた。
客人の女性が座っているのは、いつもはエメラルダの席と決まっている場所である。普段、汎用サイズの椅子が出してあるのが、その席だけであるからだ。
客人の女性は、エメラルダからは背が向けられた状態でその顔を見ることができなかったが──その後姿と、何より特徴的な長い耳に、見覚えがあった。
「──シュミルおば様?」
エメラルダの問いかけに、長身の女性が振り向いた。
「やあ、エメラルダ。久しぶりだね。・・・すっかり、大人になったなぁ」
そう言って朗らかに微笑んだのは、エルヴァーンの女性騎士で、クラップとミルトトのかつての冒険仲間だった、シュミル・O・エルディンだった。

「ほんっとう、お久しぶりです! うわぁ・・・突然で、びっくりしちゃった。でも、嬉しい!」
色めきたったエメラルダが、とたとたとシュミルに駆け寄る。
「こら、走るんじゃない。行儀が悪いよ」
クラップがたしなめるが、客人があまりに嬉しいのか、聞く耳もたない様子だ。
「だって、ほんとに久しぶりなんだもん。おば様、今日はどうして? いつまでいられるんです? あと──」
シュミルの手を握って、矢継ぎ早に言葉を投げる。
「ははは。3年もたってすっかり大人の外見になってはいるが──中身は、まだまだ昔のままのようだね。まあ、元気なことはいいことだ」
迷惑そうな素振りのかけらも見せず、シュミルが微笑む。
どうやら彼女自身、エメラルダとの再会は、嬉しいもののようである。彼女の長い両耳が、ぴくぴくと上下に揺れている。クラップは、それが彼女の喜びの表現であることを、知っていた。
エメラルダにとっては、シュミルは憧れの存在だった。
昔から、ときおりこうして家を訪れては、世界各地の旅の思い出や、任務の最中での魔物との戦い、出会ったさまざまな個性的な人物の話など、色々な話をしてもらった。彼女が訪れるのは、大抵は王国の任を受けての旅の最中であったのだが、エメラルダが話をせがめば、いやな顔一つせずに、貴重な時間を割いてくれた。
久しぶりに見たシュミルは、小じわこそは多少目立つようになっていたが、それでも未だ、凛々しい美しさを保っていた。若いころから、王国騎士団の一員として鳴らしていた彼女は、剣の技、白魔法の腕前も非常に優れており、同じく赤魔道士として剣技、魔法を学んでいるエメラルダにとっては、父クラップと並んで、師と仰ぐべき人物だった。
「とにかく、手を洗ってきなさい。夕食には、彼女も同席してもらうことになっているから、積もる話はそこで聞こう。オリンがまだ部屋にいるから、一緒に連れてくるように」
クラップが言った。
「はーい。それじゃ、また後で、おば様!」
エメラルダが明るく告げると、シュミルもまた、笑顔でうなづいた。

その日の夕食は、いつになく楽しいものとなった。

615 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/06(火) 15:21 [ rvxZdvMc ]
第一章 再会―別離─旅立ち その��

深夜。
エメラルダとオリンが床についた後。
シュミル、クラップ、ミルトトの三人は、再び居間の席についていた。
「ほんとに突然で驚いたよ。普段なら、ひと月は前に連絡をもらっていたからね」
ウィンダスティーの淹れられたカップを傾けながら、クラップが言った。
「すまないな、急にこちらへ来ることが決まったものでな。前もって、というわけには行かなかったんだ。
 ──それにしても、エメラルダももう成人か。時間が経つのは、早いものだ」
「あたしが、あの子を引き取るって言ってから、もう15年も経つんだもんね・・・
 冒険者を引退して、オリンが生まれて、この塾を開いて・・・ほんと、いろいろあったね」
夜食用のトルティーヤを卓の上に並べながら、ミルトトが懐かしげに目を細める。
15年前のあの洞穴のように、香ばしい茶の香りが、部屋を包んでいる。
「ああ、ほんとうに──いろいろあったな。
 それにしても、あの時はどうなるかと思ったものだが、二人とも立派に「親」をやっているじゃないか」
にやり、とシュミルが笑む。
「そりゃ、僕たちだって、もう立派な「中年」だもの。子供のひとりやふたり、まともに育てられなくちゃ恥ずかしいよ。
 ──ところで、そっちはどうなのさ? 結婚するつもりは、まだないのかい?」
クラップの問いに、少し引きつった苦笑で返す。
「おいおい・・・私はもう、こんなおばさんだぞ? 今から、男を引っ掛けるなんて、柄じゃないだろう。せいぜい、騎士団の小姑くらいにしか思われてないさ。
 気はまだまだ若いつもりだが、新しく入ってくる連中を見てると、年を取ったことを思い知らされるよ」
「もったいないなぁ・・・まだまだ、十分きれいじゃない。それに、若いひとじゃなくったって、年齢の近いおじ様だっているんじゃないの?」
ミルトトが、うりうりと小さな手でシュミルを突っつく。
「いるにはいるが・・・ね。そういう気には、なれんなぁ・・・」
思わず、天を仰ぐ。
同窓の女性騎士たちは、とうの昔に嫁いでしまっているものが大半だ。既に、エメラルダやオリンほどの子を持つものも少なくないが、やはり、自身がそうなるかと考えると、どうにもピンとこないものがある。
結局のところ、ひとりの騎士として、剣を振るっている方が、気楽なのであった。
「デュオルがいれば・・・違ってたのかも、しれないね」
クラップが、ぽつりとつぶやいた。
「あなた──!」
息を飲んで、ミルトトがたしなめる。デュオルの──彼女たちのかつての仲間の、暗黒騎士の名は、長らく彼女たちの中では禁句になっていたのだ。
が、クラップは止めない。
「あいつが生きてれば──いや、君とあいつが、すんなり結ばれることができてれば、あんなことにはならなかったかもしれないね・・・」
先ほどまで呑んでいた、蒸留酒の影響がまだ残っているのか、クラップはそう言いながら、カップに残った茶をぐいっと飲み干した。
聞くシュミルの顔に、さっと影がよぎる。ミルトトは、おろおろとしながらふたりを交互に見つめていた。
「──そうだな。全ては、私の責任だ」
シュミルが、自嘲を込めて言う。
「私が──家の体面など気にせず振舞うことさえ出来れば──未だに、後悔しているよ・・・
 そうすれば、デュオルも、エレシアも──この場に、一緒に居られたのかもしれない」
シュミルの言葉に、クラップがはっとする。
「ご・・・ごめん。キミを責めるつもりはなかったんだ・・・。
 ただ、ここにデュオルがいないのが、寂しくて──」
「いや──わかっているよ。君は、ねちねちと昔のことを持ち出して、いやみを言うような奴じゃない。
 ──それよりも、今日ここを訪れたのは、そのことに関係があってのことなんだ」
「──え?」
怪訝そうな表情を浮かべるふたりを眺めながら、シュミルは長いため息をついた。
そして、硬く閉じた口を強引に開くかのように、渋面を浮かべながら、言った。

「ソロムグに、彼女が──エレシアが現れたという報告が入った。
 ──死霊の軍勢を、引き連れて」
三人の間に、衝撃が走った。

616 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/06(火) 15:25 [ rvxZdvMc ]
第一章 再会―別離─旅立ち その��

「・・・なんだって?」
かすれた声で、クラップが言った。
「言葉どおりだ──8年ぶりに、彼女が姿を見せたんだ。それも・・・闇の軍勢を、従えた形で、だ。
 詳しく話すと、彼女が現れたのは、ソロムグの地下に広がる、ガルレージュ要塞だ」
ガルレージュ要塞──
そこは、かつてクリスタル戦争のときに、アルタナ連合軍、正確には、サンドリア王立騎士団が築き上げた、巨大な地下要塞だ。
ソロムグ原野に陣取っていた獣人軍を、背後から奇襲せしめるために、地下広くに作られた、幾重にも及ぶ魔防門に守られし不沈の要塞──と、なるはずであったのだが、当初のうちは確かに有効な打撃を獣人軍に与えることが出来た要塞も、その秘密の入口が暴き立てられ・・・圧倒的物量の獣人に対し、すべもなく壊滅させられる憂き目となった。
陣取っていた、王立騎士団の精鋭や、アルタナ連合の傭兵たちは、残らず虐殺され、今では、忌まわしき記憶と内部をさまよう浮かばれぬ霊魂に彩られた、人立ち寄らぬ廃墟と化していた。
「一ヶ月前、王立騎士団から選び抜かれた精鋭が、要塞の定期調査隊として派遣された。ほんの、二週間程度で戻る予定だったのだが、連絡がつかなくなったまま、三週間が過ぎた。
 そして、先週、ジュノの大使館より報告が入ったのだ。
 ──要塞地下で、組織化された死霊の一団と交戦、隊員一名を残して、調査隊は壊滅。
 命からがら、ジュノに帰還した生き残りの報告では──死霊の一団の先頭に、ひとりのヒュームの女性がいた、ということだ。
 そして、その写し書きが・・・これだ」
シュミルが、懐から一枚の紙を取り出し、卓の上に広げた。そこに描かれていた女性の顔は──確かに、よく見知った顔だった。
「ああ・・・エレシア・・・」
ミルトトが、それを見、天を仰き嘆いた。
「女神アルタナ様・・・なんで、こんなことに・・・」
「──事体を重く見た騎士団は、正式に調査隊を組織して、要塞を徹底的に調べ上げることを決定した。
 そこで・・・私に、彼女を個人的に知る私に、白羽の矢が立ったのだ。
 私は、ジュノで冒険者を募って、要塞に乗り込もうと思っている。もちろん、騎士団からも、私を含めて騎士が5名ほど派遣されているが、到底数が足らないだろうと判断したからだ」
シュミルは一度、言葉を切ると、すっかり冷めた茶を一口すすった。
クラップとミルトトは、無言だ。ただ何か、石でも飲み込んだかのごとき表情のまま、じっと聞いている。
「──そこで、本題だ。
 ・・・君たちふたりにも、調査隊に参加して欲しいと思っている。
 要塞は、言うに及ばずあまりに危険な場所だ。生半可な力のものでは、軽く返り討ちにされてしまうだろう。腕の立つ冒険者だけが、必要だ。
 ふたりの──力を、貸して欲しい」
カップを置くと、夫婦をまっすぐに見つめた。

617 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/06(火) 15:26 [ rvxZdvMc ]
第一章 再会―別離─旅立ち その��

「──キミは、復讐するつもりなのかい、エレシアに」
クラップが顔を上げ、シュミルの視線を真っ向から見つめ返し、言う。
「エレシアは──嫉妬から、自分の夫だった──そして、キミのかつての恋人だったデュオルを、殺した女だ。
 その彼女に、キミは復讐するつもりなのかい? デュオルの敵討ちとして」
クラップの、かみ締めるような、一言、一言を強くした言葉を、シュミルは沈黙したまま受け止める。
「キミが、ただ復讐心から、エレシアを討とうとしてるなら・・・僕は、僕たちは一緒に行くわけには行かないよ。
 確かに、僕たちにとっても、彼女は大切な友達の仇だ。・・・でも、その彼女自身も、僕たちにとって、大切な友達であることに、今でも変わりはない。
 友達を殺すようなまねは、ふたりの子を持つ親として──できない」
クラップが、そう言いながら隣に座ったミルトトの肩に手を置いた。
ミルトトは、ただ無言のまま、その手に自分の手を重ねる。
「──いや、違うよ」
シュミルは、きっぱりと言い切った。
「彼女に、恨みがないと言えば、それは嘘だ。確かに私は、デュオルを殺した彼女が──憎い。
 だが、先ほども言ったとおり──全ての責は、私にあると思っている。
 エレシアを、闇の道に突き落としたのは・・・私だ。
 私が行くのは、彼女に復讐を果たす為ではない──彼女を、明るい場所に連れ戻す為に、私は行くんだ」
シュミルに浮かぶのは、固い決意を込めた顔だった。
「私は、彼女を光の道に連れ戻す。そして、彼女の罪は、こちらの世界で償わせる。もちろん・・・私の罪も、だ。
 そのために──ふたりに、協力してもらいたい」
シュミルのその言葉に、嘘偽りがないことは、長い付き合いのクラップには、はっきりと受け止めることが出来た。
クラップは、ミルトトを見つめる──そして、ミルトトは彼に、こくん、とうなずいた。
「あなたが決めることなら──」
そしてまた、クラップもうなずき返した。
「わかったよ──行こう。彼女を、連れ戻しに」

そして、三人は街を出た。エメラルダとオリンの、ふたりを残して──

618 名前: 翠の国の翠の少女 投稿日: 2003/05/06(火) 15:28 [ rvxZdvMc ]
第一章 再会―別離─旅立ち その��

朝、目がさめると、両親と客人の姿はなかった。
うろうろと探し回るうちに、一枚の手紙が、食卓の上に置いてあった。
早く用意してあったのだろう、朝食のサンドイッチの脇に添えられていた手紙には、以下のようにあった。


愛するエメラルダ、オリンへ

父さんと母さんは、シュミルと共に、ジュノへ向かうことになった。
急なことで、お前たちにはすまないが、二週間ほどで戻るので、心配はしないように。
塾の生徒たちは、父さんの恩師のコルモル師に任せることにしたので、耳の院を訪ねるように。
エメラルダ、お前は姉さんとして、オリンと生徒たちを見てやっておくれ。
オリン、お前は姉さんの言うことをよく聞いて、いい子にしているように。
落ち着いたら、連絡を送ります。

                              クラップララップ ミルトト



ひと月が経った。
両親からの連絡は、まだない。
少女は旅支度を進めていた。
弟のことは、近所の信頼できる老夫婦に任せた。
少女の胸に宿るのは、両親への思いと、憧れの人への思い。
そして、まだ見ぬ世界への思いだった。
予定より早まってしまったが、こうすることは元より決めていたこと。
最低限の荷物と、憧れの人から譲り受けていた長剣を抱いて、少女は街の門を潜った。

目指すのは、三国の交わる都──ジュノだ。


続く

619 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 17:57 [ n96pfqA. ]
こいつを見てくれよの元ネタがわからんのだが・・・・なんですか?

620 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 18:37 [ E5yLQvfE ]
くそみそ

621 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 18:38 [ RqpHVZts ]
くれぐれも本編とは無関係。

【騎士を目指す数多の同胞に捧げないテクニック】

『う〜ゴブリンゴブリン!』
今、ゴブリンに襲われている私は
ウィンダスに住むごく一般的なタルタルの女の子。
強いて違うところを上げるとすればナイトに興味があるってとこかナー。

そんなわけでゴブの恐怖により、川岸で足腰立たなくなっているのだ。
ふと見ると、チョコボに一人のエルヴァーンが騎乗していた。
ウホッ!いいナイト…。

そう思っていると、突然そのナイトは私の見ている目の前で
ゴブリンにシールドバッシュを仕掛けたのだ…!

バシッ

『やめないか』(ゴブリンに言った台詞)

そういえばこの川はゴブリンの釣り師が立ち寄ることで有名なところだった。
ナイトに弱い私はチョコボに乗せられたまま、ホイホイと家に連れて行っちゃったのだ☆

彼────
ちょっと陰のあるナイトでクロヴィスと名乗った。
指導にもなれているらしく、家に連れて行くなり私は剣を持たされてしまった。

『よかったのか、ホイホイつれてきて。
 俺はタルタルだってかまわないで鍛えちまう首長なんだぜ。』

『こんなこと初めてだけど、いいんです・・・。
 私・・・クロヴィス様みたいなナイト、好きですから・・・。』

『うれしいこと言ってくれるじゃないの!
 それじゃあとことん教え込んでやるからな。』

─続かない─

>559
応援ありがとうございます。
そして馬鹿ですいません||||_| ̄|○|||

>619
世の中には知らなくてもいいことがたくさんあるのです。

622 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 18:47 [ OgZsZbEU ]
>>621
うはwwwwwww
おkwwwwwwww

(゚∀゚)

623 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 22:44 [ fZPAzcqU ]
白き探求者13話拝見しました
で・・・気になったのですが次回14話のタイトルが
「白き探求者」となっておりますが
最終話じゃないよね・゜・(ノД`)・゜・。

624 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/06(火) 22:50 [ 5mN45E82 ]
>>623
いや、きっと今までが序章で15話からが本編なんだよ!

625 名前: カルマ 投稿日: 2003/05/07(水) 02:30 [ /YkXSFZI ]
続きをうpするまえに覗きに来て大反省。
レス下さった皆様、ありがとうごぢゃいます!゚・(ノД`)・゚・

ヴァナとリアルで方向見失い気味でちょっといじけてました。
だからってここで拗ねる事はなかった(´・ω・`)

>>590さん
>なんか同情誘う発言は好きになれん。
>私をいじめて下さいっていってるみたいだ
むぅ・・・・そんなつもりは無かったのですが、そう思えたなら仕方ない。
いぢめて。(マテ

>>591さん
ディオちゃんはMサイズエルに尻尾付けて下さいw
ミスラらしくない背の高さの子です。
あー絵描けたらなぁ。 挿し絵も描きたいなぁ(ノ_・、)

これから続き書きます。
あくまで主人公はディオなのに、脱線しそうな予感w

626 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/07(水) 11:08 [ qIg04iJo ]
ここは最良スレじゃないかと思えてきた

627 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/07(水) 11:33 [ PDqz.diA ]
>>626
極初期から最良スレかと・・・

628 名前: 記憶の欠片(家族会議1) 投稿日: 2003/05/07(水) 12:08 [ XYipIztI ]

バストゥーク居住区...リコルの家:客間
パルブロ鉱山出口でへたりこんでしまったバンをリコルはバスの自宅に
連れ帰った。丁度夕食の時間と重なったこともあり、バンはリコル家の
夕食の席に加わることになった。
リコルの母親の心づくしの夕食は質素ながらもやさしい味で、昼間の疲れが
かなり癒されようだ。

しかし...鉱山からの頭痛はなかなか治まらず、バンは母親に夕食の礼を言い、
レンタルモグハウスに戻って休む...とリコルに伝えた。
リコルは誰かに連絡をとっていてバンの声は届かなかったようだ。さすがに
黙って家から出ることもできず、母親から温かなミルクティーとクッキーを
差し出され...バンは痛む頭をかかえテーブルについていた。


カップの中のミルクティーが半分になり、ぬるくなってしまった頃
リコルが客間に2人の男性を連れて入ってきた。
バンからむかってテーブルの左には、商業区で楽器屋を営んでいるという
リコルの叔父。右側にはリコルとリコルの兄がそれぞれ座った。
叔父と兄は名前を名乗っていたが耳鳴りが酷くてよく聞き取れなかった。
バンはリコルファミリーに囲まれ、ますます居心地が悪い。

重い空気を感じたのかリコルが、ぽつりぽつりと説明を始めた。
やはり頭痛と耳鳴りで聞こえない部分もあったが.....
リコルの一家は代々詩人、もしくは詩人に携わる職業に就いてきたそうだ。
20年前の戦争後、一家は詩人の仕事と並行してとある人物を探しているとのこと
リコル自身はバス近辺で、リコルの兄はジュノ近辺で、そしてリコルの父が
世界中を巡り歩いて探しているとのこと...

と、説明を聞いていると客間の扉が大きく開き、一人の男性が入ってきた。

急いでやってきたのだろう、無造作にのびているひげが汗であごにはりついて
いる...諸国漫遊をしているという、リコルの父だろうか。
その男性は部屋に入ってバンを見つけたとたん、リコルとよく似た眼を
クシャクシャにして笑顔になった。
ガルカであるバンは、年配の(という程の年ではないが)ヒュームから
これほどの好意を表されたことはなく、正直戸惑いを隠せなかった。

629 名前: 記憶の欠片(家族会議2) 投稿日: 2003/05/07(水) 12:08 [ XYipIztI ]

リコルの父親は興奮気味で、バンに会えたことを非常に喜んでいるようだ。
何やら早口でしゃべっている、名前は...ローウェン・ハートと聞こえたか
挨拶をしようと立ち上がるバン...だが、フラフラと座り込んでしまった。

ローウェンは慌ててバンにかけより、リコルに状況を確認した。
「座ったままでいいから、聞いてくれるかぃ?」
外套を脱ぎ、ローウェンは楽器を取り出し、詩を奏で始めた。

昼間、聞いた様な気がする...眠りの詩の方だっただろうか。
リコルより遙かに詩人のレベルが高いことが伺い知れる。
声が..というより音が体に浸み込む様だ。
不思議なことに詩を聞いている内に、頭の奥から聞こえた地鳴りのような
音は消え、頭痛で靄がかかっていた様な感覚は霧が晴れたようにすっきり
している。

驚いて立ち上がるバンに
「娘が中途半端なことをして申し訳ない...私の説明不足でもあるのだが」
ローウェンは改めて挨拶をした。

「話は長くなりそうだ。今夜は休んで...積もる話は明日にしないか?」
ローウェンは脱いだ外套をたたみながら、テーブルについている者達に
提案した。リコルは異議を唱えようと唇を開いたが...バンがほっとした
表情をしていることに気付き、「寝室に案内するわ」とバンに声をかけた。


「今夜はモグハウスに戻って明日再度お邪魔します」と帰宅準備をする
バンに、リコルの母親がにっこり微笑んで
「明日の朝食は蜂蜜たっぷりのパンケーキにしますからね」と言いながら
タオルとシーツを手渡した。
思わずタオルとシーツを受け取ってしまったバンはリコルの後について
寝室に案内され...結局、宿泊することになってしまった。

バンはシーツを広げ、ベッドに倒れ込むとすぐ眠りに落ちた。

---つづく---

630 名前: 空に奏でる君の歌12 投稿日: 2003/05/07(水) 19:17 [ 8Qd86mQc ]
チリリたちが二日ばかり空けてバストゥーク領事館へ顔を出すと、
ガルカの冒険者バラドは既に旅仕度を整えていた。

「バラド、あんた一体何のつもりさ!?」
慌てて問い詰める少女をガルカはちらりと横目で見やる。
「……目上の者には、敬称をつけろ。」
「……バラ、ド、さん。」
男はまだ包帯も取れておらず、とても完治した様子ではない。
それどころか、歩く際にも時折脚を引きずっていた。
「ちょっと、動くのはまだ早いって。」
「これだけ動ければ充分だ。俺には仕事が残っている。」
バラドは少女の意見に一向に耳を貸さない。
「仕事って……どっか行くつもりなの!?」
ごとり、とガルカは荷物の詰まった皮袋を床に置くと、何の表情もなく振り返った。
「バストゥークへ、帰る。」

「そんな!じゃ、あたし達もすぐ準備するから、」
「いらん。」
「えっ……一緒に……」
思いもよらぬ返事に、チリリは語気を落とす。
しかし、バラドは彼女の様子など構うことなく切り捨てた。
「俺はお前等をバストゥークへ連れて行く約束などしておらん。」
チリリはただ、男の顔を見上げることしか出来なかった。

「とにかく、俺は急いで祖国へ戻らねばならんのだ。
 お前等と物見遊山で歩いてる暇はない。」
「……チョコボで行くの?」
バラドはチョコボに乗る資格を有している。そして自分たちには無かった。
「既に手はずは整えてある。領事館から魔道士に連絡をつけた。
 ――デムの岩まで魔法で飛ぶ。」
テレポ、とビアナナがうわ言のように呟いた。
高位白魔道士にしか習得できない移動魔法だ。魔法学校でも見ることはなかった。
「じゃ、あたし達もそれで連れてってよ!」
チリリが必死に声をあげるが、隣で相棒が小さく首を振る。
「……無理よ、私たちはデムのゲートクリスタルを持ってないもの。」

移動魔法といっても、テレポは好きなところへ飛べる魔法ではない。
各地にそびえるゲートポイントにしか移動出来ないのだ。
そして魔法の門をくぐるには、その門にあった鍵――ゲートクリスタルが必要だった。

「それじゃ……それじゃ、一緒に行けないじゃない!」
悲鳴のようにチリリが叫んだ。
この数日ですっかり打ち解けた、とは言わない。
でも、仲間になることを認めてくれたとは思っていた。思い込んでいた。
「だから、お前等を連れて行くと言った覚えはない。
 ……だが、」
バラドは、うな垂れるチリリのポニーテールを軽く引っ張る。

「お前等を迎えにいってやることは出来る。」

チリリは引き上げられながら、へっ?と弱々しい声を出した。
「セルビナまで来い。
 お前等が着く頃には用事も済み、俺もセルビナに向かえるはずだ。
 落ち合うことが出来たら、今度はお前等に付き合おう。」
「あ……う、うん!わかった!」
途端にチリリは瞳を輝かせる。
セルビナ。隣大陸の港町。初めて海を渡る……!
タルタルの少女は胸をときめかせた。見知らぬ世界への期待にその顔も上気する。

「――では、セルビナで。」
「うん!セルビナで!」

魔道士の詠唱と白い光に包まれて、バラドは少女たちの前から消える。
しばしの別れ。しかし、寂しさはない。
仲間が新しい地で自分たちを待っている。

さあ、セルビナへ――!



……つづく。

631 名前: 月間魔法パライズ!編集者A 投稿日: 2003/05/07(水) 19:24 [ 7eT7sHYo ]
初投稿です。ヘタクソな文章ですが、一筆書いてみたくなったもので..
お目汚しすいません。


星の伝承〜失われし魔法〜


ウィンダス連邦

魔法に長ける民タルタルの治める連邦国家である。

魔法と言えば、黒魔法と白魔法に分類される、と言うのは世間一般に知られていることであろう。

だが、この国にはもう一つの魔法があった..その魔法を「召喚」という..

先のクリスタル大戦の時、タルタルの魔道士カラハバルハが、「召喚」を使用し迫り来る獣人を退けたのは、ウィンダスでは有名な話である。

だが、現在は、ウィンダスの最高指導者「星の神子」によって使用、研究の一切が禁じられている。そのため、この魔法は失われつつあった。

唯一、「召喚」を復活させようと動いていた、口の院院長「アジドマルジド」が、神子の咎めをうけ、牢に入れられたのはつい最近のことである。

だが、その魔法を、ひょんな事から会得、使用するに至った魔道士がいた。
これは、その魔道士と仲間たちの物語である。

632 名前: 月間魔法パライズ!編集者A 投稿日: 2003/05/07(水) 19:25 [ 7eT7sHYo ]
第一章:目覚めの時

サルタバルタ。ウィンダスの外に広がる草原である。
そこを歩く、2人のタルタルがいた。
「綺麗な石だな〜。すごい真っ赤だ。」
サルタバルタで拾った赤石を見つめる彼の名はヨロ−モラン。
口の院所属の魔道士である。
魔法学校ハイクラスをトップクラスの成績で卒業。黒、白、両魔法に精通する優秀な魔道士である。ただ、実戦経験は殆ど無い。
「ほんとうに綺麗な石ね。ねぇ、私に頂戴?」
と、横で笑顔で話す。彼女の名はルド−パママ。モランの幼馴染であり、院の同僚でもある。少々抜けているところがあるのが玉に傷。優秀な白魔道士である。
「嫌だ。これは俺が見つけたんだからね。」
と、モランがいう。
「相変わらずケチね」
と、微笑みながらパママがいう。

2人はウィンダスの入り口を目指し、歩いて行く。
しばらくして、モランが、ふと足を止めた。
「どしたの?」
とパママ。
「..何か声がしなかったか?」
とモランが尋ねた。
「いいえ?私には何も聞こえなかったわよ」
と、答えるパママ。
「気のせいか..」
モランはそう呟くと、又歩き始めた。
しかし、暫くして..
「やっぱり何か聞こえる..何処からだ..」
と、いい精神を集中させる。
が、そのままモランはその場に倒れこんでしまった。
「ち、ちょっとモラン!?どうしたのよ!?」
パママが驚いて声をかける..だが一向に起きる気配は無い。
「まってて、誰か呼んでくるわ!!」
そう叫ぶと、パママはウィンダスのゲートに走っていった。

....モラ..モラン..起きるんだ..
かすかに声が聞こえる..
「う..ここは..」
モランは見たことも無い草原に立っていた。サルタバルタにいたはずなのに..
そして、目の前には青く光る不思議な生き物がいた..
その生物の額には、先ほどまで手にしていた赤い石が埋まっている。
「な、なんだお前は」
その生き物がモランに語りかける..

「やぁ、モラン。ボクは、カーバンクル。ヴァナ・ディールの世界に生まれた新しい力の1つ。」

「カー..バンクル..伝説の偉大なる獣..?なぜ..こんなところに.?」

「ボクは輝石となって、幾つもに分かれ、さまざまな獣や人の手を渡り、世界を移り変わる様子をずっと眺めていた。」

「輝石..?さっき拾った..あの赤い石..?」

「そう。 そして、ボクは知ったんだ。キミたち人には、ボクらの力が必要だ。」
「 だから、ボクの力の一部をキミに貸してあげる。ずっとキミの側にいて、
キミを守るために戦おう。」

「なぜ..そんなことを..?」
とモランが問う
「ヴァナ・ディール、それは、キミたちの世界。キミたちは、世界の本当の姿を見なくてはならない。」
「そして、キミには使命を与えよう。遠い辺境の地や、伝説の残る地にいまも眠る、いにしえの生命、獣たちを訪ねるんだ。」
「ボクが橋をかけよう。人と、はるかなる生命の間に……。」
「旅に出るんだ..モラン。君なら真の世界を見ることが出来るはず..」

633 名前: 月間魔法パライズ!編集者A 投稿日: 2003/05/07(水) 19:25 [ 7eT7sHYo ]
...「おぃ、モラン、大丈夫か?」
モランの視界に大きな物体が映る。
「気がついたか..大丈夫のようだな」
そこにいたのはガルカだった。どうやらパママがつれて来たようだ。
彼の名はジョルダン。長期にわたりウィンダスに滞在している冒険者である。
酒場の常連であり、パママ、モランの飲み仲間でもある。
どういう経緯で親しくなったかは、又次の機会に語るとしよう。

「もぅ、脅かさないでよ、いきなり倒れるんだもの。」
とパママがすごい剣幕で怒鳴る。
「道端で寝たら風邪引くじゃない!」
..どうやら論点が違うようだ。
「..そういう問題じゃないだろ」
「まぁ、なんにせよ無事で何よりだな」
とジョルダンがいう。

ふと、モランが口を開く
「夢..だったのか..?」

「どうしたの?怖い夢でも見たの?」
とパママが尋ねる。
「不思議なものを見た..」
そう言って、さっきの出来事を話し始めた。
...
「..ふむ」
「うにゅぅ」
2人ともその話に首をかしげる。
「夢でも見たんだろう」
とジョルダンがいう。
「でも、持っていた赤い石がなくなってるんだぜ?」
とモランがいう。
「大方、倒れた時に落として、兎か何かに持っていかれたんだろう。」
「あまり人に言わない方が良いぞ。頭がおかしくなったんじゃないかと思われるぞ?。」
とジョルダンが言う。
「そう..だな」
「んじゃ一件落着ね」
「モラン、早く帰ってご飯食べよ〜。ジョルダンも一緒に食べよ」
と、パママが笑顔でいう。
「そうだな。」
3人はウィンダスへと歩いていった。
ふと、モランが呟く。
「本当に夢だったのかな..?」



今は誰も知らない。
この事が、3人を長い冒険の旅に誘う事になろうとは....

..続く

634 名前: ナナシ 投稿日: 2003/05/07(水) 23:51 [ e31mGPbo ]
いや・・久々にこのスレ来たんだけどさ・・・・
んでタル戦士読んだんだけどさ・・・





エッタ・・(つД`)



オットー兄貴は名誉の剣をもって氷クリスタル色の眼のチョコボに乗るのかな?
(ところでオットーは赤魔道士だったんでつか?)
マジで面白いので今後も読ませていただきますね

635 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 02:39 [ l83LOiq. ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十六話 一番大好きな君へ


「本当にいっちゃうのかい?」
「…ああ、短い間だったが、楽しかったよ」
「こっちこそ、楽しかったぜ?」
「お前達も気をつけてな。ウィンダスを目指すのだろう?」
まだ太陽が昇り始めたばかりの早朝。トッパ、オットー、ラキの三人は宿の前で
別れの挨拶を交わしていた。
「なぁ…ジルパケルパなんだけどさ…本当にこれでいいのかい?」
トッパの一言に、ラキはあっさりと答えた。
「ああ、奴とはサンドリア迄、という約束だったからな。これ以上は付き合う必要は無い。
 それでは、またいつか何処かで会おう」
ラキはいつもと同じ、冷静な、いや冷たいといっても差し支えは無い程あっさりとしている。
「ラキはさ…もう少し素直に生きた方がいいと思うよ?そういうのってさ、後悔すると思うんだ」
オットーは言い過ぎたか?と思ったが、やはりラキはクールに受け流した。
「ご忠告、感謝するよ…」
ラキはそのまま二人に背を向けて歩き出した。が、数メートル進んだあたりで振り返る。
「そうだ。レウにもよろしく言っておいてくれ…それと」
「それと?」
「あいつは…どこか危なげな感じがする。うまく説明できないのだが。
 …オットー。もし何かあったらレウを助けてやれよ?…あいつ、お前に気があるみたいだ」
「…え?」
「ははっ!女の勘ってやつだ!それじゃあな!」

―― 不死鳥の止まり木 ――

「だから!なんで俺を起こさなかったんだよ!!」
「ラキがさ…そのまま寝かせておけって…」
「あああ!ちっくしょう!なんでだよ!俺はおいてけぼりかよ!!」
ジルパケルパが怒るのも無理は無いと思う。ウィンダスから一緒にここまでやって来て、
そりゃあないだろう、という気持ちは充分理解できる。
「でもよ、こいつばっかりは仕方ないんじゃないのか?ラキだって、
 本当は別れが辛かったはずだぜ?」
「そうだよ…ジルパケルパには別れの挨拶をしたくなかったんだよ。だから起こさないでくれって
 いったと思う」
「だから!だからってなんなんだよ!俺はどうすりゃいいんだ!ああもう!」
ジルパケルパは部屋中で大暴れした挙句…一つの結論に辿り着いた。
「そうだ!今から追っかけりゃあ、まだ間に合う!」
「…ええ!?」

―― 南サンドリア・チョコボ厩舎 ――

「だからぁ!なんで駄目なんだよ!?俺は急いでるんだってば!」
「そんな事言われても…第一、あなたは免許証をもっていないんですよ?
 無理に決まってるじゃないですか」
「じゃ、じゃあその免許とやらをすぐに発行してくれよ。それがあれば乗れるんだろ?」
「…残念ながら、あなたの実力ではチョコボに乗るなんてとてもとても…」

「なんだよ!俺が弱いからってチョコボに乗せないってのか!
 …いつもそうだ!これはこーいうもんだから、こーじゃなくっちゃあ駄目、とか…
 決まり事とか、ルールみたいなのばっかり気にしてさ!
 皆そんなだから、本当に大事な物を大事と思わなくなっちゃうんだよ!」 

ジルパケルパは厩舎で調教師のエルヴァーンに怒鳴り散らしている。
「ちょ、ちょっと。ジルパケルパ。落ち着いて…」
「そうだぜ。ここでつまみ出されたらそれこそお終いだぜ?」
「ぐ…」
そんなやり取りをしていると、奥の扉から一人の老いたエルヴァーンが顔を見せた。
「どうした?…朝っぱらからやかましい…」

―― 西ロンフォール ――

「いいですか?しっかりと捕まってて下さいね。落ちたらタダじゃすまないですから…」
「おう!絶対に落ちないからよ!俺の事は構わず思いっきり飛ばしてくれ!」
「はぁ…無免許タルタルと二人乗りなんて…調教師として最低な行為だわ…
 まったく、あの人ときたらこういう熱血バカに弱いんだから…」
「…どうでもいいが、全部聞こえてるぞ…ねぇちゃん」
「…あら、これは失礼。…いいですか?飛ばしますよ〜」

本来一人乗りのチョコボに、エルヴァーンの調教師とジルパケルパは二人乗りをして
ロンフォールの森を走っていた。勿論、チョコボはガルカ達が乗る体格のチョコボである。
「えぇっと、さっきのミスラさん達は距離的にそろそろラテーヌへ入るくらいかしら?
 目一杯飛ばせばどうにか追いつくと思うんだけど…
 ごめんね、ボコ。後で大好きな野菜を一杯食べさせてあげるから…」
ボコ、と名付けられているチョコボは、独特の甲高い、”クェ〜”という鳴き声を上げて…
ジルパケルパの想像以上の加速を見せた。
「うおおおお!は、はぇぇぇ〜!」 
「グダグダ言わない!急がないと間に合わないんでしょ!?」

636 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 02:43 [ l83LOiq. ]
―― ラテーヌ高原 ――

「どうしたにゃ?なんかさっきからラキってば無口だにゃ?」
「そうね…」
「おいおいどうしたんだ?お前らしくないじゃないか?」
6匹のチョコボの足が止まる。
「そうか?…元々ボクは無口だろ…?いつも通りさ。気にしないでくれ。
 さ、早く行こう。急がないとチョコボ達のご機嫌が斜めになってしまうだろう?」
「う〜ん、なんっかおかしいにゃあ。気になるにゃあ」
「もう、ジャビ、意地悪しないの。ラキの言うとおり、この子達は家に帰りたいって思ったら
 誰かが乗っていようがお構いなしなんだから…さっさといっちゃおう?」
「ラキ…なんかあるにゃね。私にはわかるにゃあ。正直にいうにゃ」
ジャビがじっとラキを見つめる。そうだ。ジャビはいつもボクの事を見ていた。
やっぱり、迷っているのを感づかれちゃったみたいだな…
「実は…」

そうだ、ここは正直に打ち明けるべきだな…

「あ、なんかチョコボくるよ?」
「嘘〜二人乗りしてる〜」
「わ、ほんとだにゃ。なんか危なっかしいにゃあ」

チョコボ…?

ラキは、まさか、と思う。いや、そうであって欲しいと思った。
そして…そいつはラキの名前を呼んだ。

「ラキーーーー!」
「…ジルパケルパ!!」

それはまさしくジルパケルパだ。ジルパケルパはチョコボから飛び降りると、
そのままラキの元へと走ってくる。
ラキもチョコボから降りる。そして、ジルパケルパの正面に立つ。

「…俺は…確かによわっちぃさ…でもな!でもなぁ…!」
「ジルパケルパ…」

ラキは何を言ったらいいのか分からない。

「でもよ…これだけははっきり言っておくかんな!いいか!」
「うん…」
「お、おお、俺は…お前のことが…」
「うん…」
「…っああ!…ええい!言っちゃうぞ!…お前の事が好きだ、大好きだ!
 いつまでも一緒にいたいんだ!…だから、行くな!」

後ろにいるミスラの仲間達から、きゃーきゃーと騒がしい声が聞こえる。

「ラキ!がんばれ〜!」
「ほらほら、ラキはどうなのよ!?」

ラキはすぅっと深呼吸をする。胸がどきどきする。こんな気持ちは初めてだ。

「私…い、いや…ボクは」
「…お、おう」

「ボクも…お前の事が好きだ…!」

・・・・・

「な〜んだ、結局男がいたんじゃな〜い」
「ラキってば、ずるいにゃあ。こんな素敵な彼氏見つけてるんだからにゃあ」
「はは…まぁ、堅物のラキが恋愛とは…おもしろいじゃないか!」

「ごめんよ…やっぱりボクは…」

「いいのいいの。それよりも、仲良くね?お二人さん」
「いつかジュノに着いたら連絡してね?…私達、待ってるからね?」
「あ〜あ。あっちにはいい男、いるかなぁ」


ラキの同郷のミスラ達は、そのままジュノ目指してジャグナーの森へ向かった。
残されたのは、ラキとジルパケルパと、調教師のエルヴァーンとチョコボのボコ。
ラキが乗っていたチョコボは足早にサンドリアへと駆けていった。
チョコボは調教師の命令だけはよく聞くらしく、ボコはその場でじっとしている。


「はぁ〜。全く、おあついことで…。ま、何はともあれよかったですね」
「おう…無茶言って悪かったな」
「…で、帰りはどうするんです?ここから歩きますか?」
「とりあえずサンドリアまで歩くしかないみたいだな」

エルヴァーンの調教師は、空を見上げながら言った。

「いい天気ですね〜。こんないい天気を眺めていると、どこかの誰かさん達が
 チョコボに二人乗りしても見過ごしちゃいそうだわ〜」

「…そうか。そうだな。こんないい天気だと、ついつい夢中になって眺めてしまうな」

ラキはそう言いつつ、ジルパケルパをひょいっとつまんで、ボコに騎乗する。
「って、おお?なにすんだ?」
「それじゃあ、今のうちに…サンドリアへ帰るか!」
「はーい、お元気で〜」
エルヴァーンの調教師は、後ろを向いたまま、二人に手を振った。
「ありがとう…さぁて、いくぞ!しっかり掴まれよ。ジルパケルパ!」


…一番大好きな君へ。ボクはいつも素直になれなくて、いつも後悔ばかりしていた。
多分、これからも素直になれない事が多いかもしれないけれど…
君がボクを必要としてくれるなら。…約束しよう。ボクはいつまでも君と一緒だ。

                                       続く

637 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 03:40 [ x1by11.k ]
面白い、面白いよ・・・いつもいつもありがとう(⊃д`)
あと、ラキ萌え。

638 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 04:12 [ LcrII59. ]
起きててよかった(´д⊂
この2人には悲劇が訪れませんように(-人-)

639 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 05:15 [ j4pkz3O. ]
・゚・(ノД`)・゚・ウエェェェェェン・゚・
よかった〜ょ

640 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 08:38 [ OawEcaaA ]
ヽ(・∀・)人(・∀・)人(・д・)人(・∀・)ノ
今日一日幸せな気分ですごせそうでつ(・ω・)

641 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 09:02 [ ZHAs.nuw ]
チョコボを降ろされるのはそういうわけだったのか・・・納得

642 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 10:01 [ fYJxsmk2 ]
ラキage

643 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/08(木) 10:53 [ raEaFRt2 ]
…いつもそうだ!これはこーいうもんだから、こーじゃなくっちゃあ駄目、
とか…決まり事とか、ルールみたいなのばっかり気にしてさ!
皆そんなだから、本当に大事な物を大事と思わなくなっちゃうんだよ!

このセリフがFFの現状にあてはまって、なんだか切なくなった。

644 名前: 北の炎 西の風 1 投稿日: 2003/05/08(木) 11:10 [ MFL6S7Wg ]
第七話 鍔鳴


ジュノで初めての朝を迎えた。

刀を受け取ったあとすぐにマック爺と呼ばれる老ゴブリンが
奥の扉から姿を現した。
黙ってはいたが、おそらく獣人の嗅覚で、ウェストが少なくとも
人間ではない事を悟ったのだろう。すぐさまゴブリンの店に戻ると
二人に寝泊りのできる場所を用意した。
「いろいろ話すことはあるだろうが、まあ今日はさっさと寝るといい。」
との言葉に甘え、二人は久々に屋内で寝る事が出来た。
湯浴みや食事もとりたかったが、自分で思っている以上に二人は
疲弊していたのだろう。横になるとすぐ寝息を立て始めた。

「おはよう、おふたりさん」
マック爺がコンコンと軽く扉をノックした後、寝室にはいってくる。
「眠れたかい?」
「…おかげさまで。」
ノースはまだ緊張が解けない。ウェストも警戒しているのが判る。
一晩の宿は借りれたとは言え、ジュノにおいての二人の立場はまだ
あまりにも微妙かつ、危険な状態には違いない。
ゴブリン達とてここで他の人間たちと同じ扱いや立場だとも限らないし、
保身のためにこちらをどうにかする事だってありうるからだ。
「アスランの旦那は、バストゥークに属さない数少ない侍でね。
最近じゃカザムへの航空路が復活して、向こうで修業を積んで侍として
帰国する冒険者も少なくは無いけど。」
「わたしたちには読めなかったけど、アスランさんからの手紙に
何か書いてあったの?」
「簡単な事さ。変った二人組がそっちに行ったらよろしく頼む、と、
天晶堂の旦那方とわしらに当てた文面が書かれてただけさ。
アスランの旦那の紹介とあっちゃ無下にはできゃしないよ。」
「…そう…。」

一宿一飯の恩義というにはあまりにも大きな助け舟だった。
幸いにしてアスランは侍ではあるが、同時に腕のいい鍛冶屋でもあった。
こちらのクォンやミンダルシア大陸では殆ど扱われていない金属と
独特の精錬法で作られる武具は、珍品、奇品を扱う天晶堂との関わりも深く、
そういったものの修繕なども手がけている事から随分顔が利くらしい。
ゴブリンの店にもよく出入りし、種族間のトラブルがけして少ないこの店も
アスランの仲裁で幾度となく世話になったという。

645 名前: 北の炎 西の風 2 投稿日: 2003/05/08(木) 11:10 [ MFL6S7Wg ]
-数日後-

「ねえ!ウェスト!似合うかな?」
黒と赤を基調にした一風変った着物を着込んだノースが
ウェストの前でくるくる回る。
ウェストも上着だけでも、ということで同じデザインの服を
大きめに繕ってもらい、軽く羽織っている。
「ギャギャギャ…わたしにハよく解らんが、お前が気に入ったのなら
 そレでいいのではないか?」
「味気ないわね。もうすこしお世辞上手くなった方がいいよ。
そんなんじゃモテないわよ。」
「それハ、失礼しタ。」
二人は天晶堂にとりあえず勤める事になった。
これもアスランの口利きでできたことである。
さすがにウェストは表立って店に出ることは無いが、海路での輸出入の
おおい天晶堂としては、いくら片腕とは言え生来人を凌ぐ腕力のある
獣人の男手は十二分に使いでがあった。

「明後日ノーグという場所へ船が出るらシい。向こうでの仕込みや
移動で3週間ハかかるらしいが、ナ。」
「さみしくなるね。そんなに離れ離れになるのははじめてだよね。」
さっきまではしゃいでいたノースだが、急に沈み込む。
ウェストは肩羽を一本引き抜くとノースの鉢巻に差し込んだ。
「私とて、お前と離れるのハ、好ましくは無い。ダが、別れではないのだ。
確かに長く感ジるだろうが、お前はお前のできることをすべきダ。」
「そうだよね…お世話になってるんだから、お仕事はしなくちゃね。」

「まあ、そういうことだな。」
不意に二人に与えられた部屋の扉が開く。
そこには同じ天晶堂の黒と赤の服に身を包んだ小さな剣士だった。
「アスラン−カハラン!!??」
二人が同時に驚きの声を上げる。
「そう大声をあげんでもよい。今回の船旅にも動向する事になっただけだ。
海の上や向こうとて安全ではないからな。まあ護衛のようなものだ。
それに、今回はわたしにも船に乗る用事があるのをおもいだして、
大慌てでジュノに戻ってきたというわけだ。」
「どういうこと?」
「…剣を譲ったまではよかったのだが、よくよく考えれば、ウェスト君は
武士しての修業はおろか、まっとうな戦闘の訓練もうけてはいまい?」
無言でウェストが頷く。
「素質があるのは身の動きでわかる。3週間あれば基礎くらいは学べよう。」
アスランは1ギル貨幣を投げて、ぴうッと剣で空を斬る。
瞬きする間に、チン、と音を立てて刃が鞘に収まると、貨幣は
まるで二枚になったかのように薄く割けて床で乾いた音を立てる。

「男なら、守るべきものを守れる力を得るべきではないかね?」
「その言葉ヲ、否定するほど腰抜けデは、ナい、つもりだ。」

腰に刀を携えるウェストを、心配そうに、そして同時に、
目玉にハートマークが付いてそうな視線で見つめるノースが
アスランには印象的だったという。

646 名前: 空に奏でる君の歌13 投稿日: 2003/05/08(木) 19:11 [ 2WBy.aMQ ]
明るい歌声が聞こえる。
よく聴くとその歌詞は滅茶苦茶だが、陽気な調子が辺りにこだましている。
周囲の人間が驚いて振り返っても、彼女たちは大声で歌うのを止めない。
それどころか、観客の視線を楽しむように二人は更に歌った。


「……えーーーーーーっとおぉぉ??」
先程からずっとチリリは地図と睨めっこだった。
ここは森の区、ボミンゴ広場の木陰である。
足元の小川が涼しげに流れ、腰掛ける石縁もひんやりとして気持ちがいい。

チリリとビアナナは、ザルクヘイム方面の地図を買いに来ていた。
そう、クォン大陸の海の入り口、セルビナの載った地図だ。
他にもバストゥーク方面や、奮発してサンドリア方面の地図まで購入する。
お陰で懐が多少寂しくなったが、逸る気持ちに比べたら些細な問題だ。
衝動を抑えきれず早速地図を広げ――そしてそのまま現在に至る。

「そんなに同じ所ばかり見てて、楽しい?」
少し呆れた声で言い、ビアナナが笑う。
「楽しいも何も!きちんと行き先把握しとくのは冒険者の常よ!」
そう言うチリリの目線は地図から片時も外れることがない。
はいはい、とビアナナはまた笑った。


 新しい旅に出かけよう 北に東に駆け抜けろ(オー)


「やっぱり、船ね。」
よくわからない独り言と共に、チリリは大きく頷いている。
海路以外にここからセルビナへ行く道はないのだが、彼女には改めて何か
納得いくものがあったようである。


 お船に乗ったらどんぶらこ
 海賊が出たらやっつけろ(エイッ) 大タコが出たら逃げ出そう(キャー)


「ねえ、ビアナナは何かバルクルムについて知ってることはある?」
「うーん……白浜、ってこと位かなぁ。あと、キブブ灯台みたいなのはないみたい。」
「へえ。じゃ、何を頼りに航海してるのかねぇ?」


 風にお砂が吹かれたら 小船のへりに駆けつけろ(ピュー)
 とんぼの王様見つけたら みんなで競争(一等賞〜)


バサリと地図を膝の上に広げ、漸くチリリが顔を上げる。
「……ところでさ。」
「ん?」
「さっきから聞こえるの、これ一体誰の歌?」
「……さあ?」


 さあ 荷物を持ったら出発にゃー!(出発ニャー!)



つづくにゃ。

……閑話休題。伝票が全然集まりまてん。明日締めなのに。がくぶる。

647 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 00:29 [ qBGYsItw ]
今回ウエストのしゃべり方がヤグっぽくなってますね。
最初は違和感あったけど、それもまた(・∀・)イイ!!

648 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 00:36 [ CzE/n4ZY ]
>>621
激しく遅レスだけど、
禿ワロタ!!
>やめないか
最高!

649 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 02:27 [ leM3pcEU ]
ウェストの口調と前回のゴブの口調が似ていることから
あの部分的なカタカナは「獣人用のジュノ訛り」とか適当な
予想をしてみたりしつつ、アスランレギュラーっぽいので
ハアハアなんかもしてる俺がいたり。
>>646の脳が溶けてそうな歌にも萌え。イイネーイイネー(゜∀゜)=зサイコーコノスレ

650 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 04:12 [ eqgk9z.M ]
名前はまだない その5

==========

くそ・・・・。
お前等なんていつかベソかかしてやるつもりだったんだ・・。
騎士団に入って国を守って・・・。
俺だって・・・。俺だ・・って・・・。

「・・・・・!」

「気がついた?気分はどうかしら?」

「・・・背中が。」

「まだ痛むのかしら。もう少しじっとしていた方が良いわね。」

誰だ?
俺の顔を覗き込んでるこの人間の女は・・・。

「違う!そんなことは・・・・ツっ!」
小さい体をバネのようにして跳ね起き、また力なくその場に崩れ落ちる。

「あ。駄目よ。危ないところだったんだから。もう少しじっとしていなさい。」

「・・・あんたが助けてくれたのか?」

「まぁ、そうなるわね。私ともう一人。危ないところだったのよ?」

「・・・・。」

そうだ・・・。
自分はここ、ジャグナー森林を通過中
中ほどまで来たあたりで、黒虎に襲われたんだった・・・。
もし、あのまま助けがなかったら・・・。
情けない・・・。

「悪いけれど、もう少し寝ておいて貰うわよ。」

・・・・・。
目の前のヒュームの唱えたスリプルのスペルが耳に入った。

651 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 04:14 [ eqgk9z.M ]
名前はまだない その6


=========


「・・・う・・ん。」

「お、起きたかな?」

「あぁ・・・・うぁあッ!」

突如目の前に現れた巨体を目にし
小さきゲガ人は飛び起きる。

「ははは。別にとって食おうとしているわけじゃあないよ。」

「ガルカか・・・。すまなかった。アンタも俺を助けてくれたのかい?」

「うん?まぁ、そうなるね。
 その様子を見るともう傷は大丈夫かな。」

巨体の横に立っているヒュームが様子を見てこくんと頷く。

「あぁ。世話になっちまったな。俺はヴァレンタイン。冒険者だ。」

小さき冒険者は名乗りをあげてさっとお辞儀をしてみせた。

姿を見るに戦士か何かだろうか。
その指に自国の冒険者に支給されるリングをはめていない所を見ると
サンドリア辺りのタルタル冒険者といったところか。

「ふむ。で、その冒険者さんがこんなところを歩いてるのは・・・。」

「あぁ、ジュノ大公国を目指していたとこなんだ。」

「・・危うくこのジャングルの肥料になるところだったわね。」

「なんだとっ!?」

まぁまぁ、と大きな手が二人を制す。

「・・・・チッ。」
身構えた小さな腕を下ろす。

「ジュノにたどり着くことは大きな試練さ。
 半ばにして倒れるものも少なくはないよ。」

「・・・で、僕等二人も冒険者なわけだけど。」

見りゃ分かる。といった態度を大きな恩人に見せてやる。

「そろそろ陽も暮れるしね。ジュノに帰ろうかと思ってたんだが。一緒に行くかい?」

見たところ中々経験を積んだ冒険者のようだ。少なくとも自分よりは。
まず、目的地に着くまでにのたれ死ぬ様なことはないだろう。
・・・・先ほどのように。

「・・・そこまで迷惑をかけて良いのか?」

「あぁ、構わないよ。ね?」

ふぅっとため息をついてヒュームの方も納得したようだった。

652 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 04:17 [ eqgk9z.M ]
名前はまだない その7


========

「さぁ。ついたぞ。ようこそ、ジュノへ!」

「おぉ!」

「いやぁ。恩に切るぜ。
 二人とも赤魔導師にガルカの魔導師じゃあ色々大変だろうが
 俺が強くなった頃にはPTに誘ってやるからな!」

・・・大きなお世話だ。

「ははは。楽しみにしてるよ。じゃあ、また会おうね。」

「おう。またな!」

いつのまにかすっかり彼に打ち解けていたようだ。
りっくりっくと音を立て、はしゃぎながら走っていく。子供のようだ。

「うるさい子供だったわね。」

彼はくすくすと笑っている。

「意外と面倒見が良いのね。保父とか向いてるかも。」
皮肉を込めて言ってやった。
ワザワザ半人前の冒険者をジュノまで連れてきて
ご丁寧にバタリアの観光までしてやっていたのだ。

「まぁ、随分と他人に思えなくてね。」

どう見てもまったく別物に見えるが。

「ははは・・。」
この笑い・・・・見透かされているようだ・・・。

「この世の中に当たり前のものなんて何もない。
 ソコにある当然なものであっても
 結果どこかの誰かの、ナニかの力が働いていて成り立っているんだ。
 ・・・・僕の言葉じゃあないけれどね。」

彼が空を見上げて続ける。

「この平和な空もね。
 きっと誰かがこの平和を守るために戦っているんだ。」

「僕はね・・・。
 この世の中の全てを。真実を知りたいんだ。」

空を見上げる彼の目は遠く・・・とても遠くを捉えていた。

「けど、今の僕にはそれができない。
 だけどいつか、必ず、きっと真実を探しに旅に出るつもりなんだ。
 だから、今は彼と同じ。準備期間って奴。」

「その時は・・・・。」
「うん?」

「い、いや・・・。そろそろ陽も暮れるな。」
見上げた空はすっかり赤く染まっていた。

「む、そうだね。じゃあ、今日はもう解散しようか。」
頷き、別れの、再開するための挨拶を交わす。




言えなかった。
確実に私は足手まといに、足かせになる。
そんな事は彼にさせたくはないんだ。

いつか・・・
いつか、私自身に自信が持てる程の力がついたとき。


私も・・・・一緒に。

彼に伝えよう。そう決めた。

========================


その後私は、幾度となく行動を共にするようになり
いつしか彼は、私の隣で一緒に空を見守るようになる。

そう、これが・・・・。これが、彼との出会いだった。

653 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 12:02 [ ox3ZDn/. ]
さがりすぎ

654 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/09(金) 15:46 [ 4UG0fUGk ]
翠の国の翠の少女と天晶堂の幼馴染の話がきになるyp

655 名前: sage 投稿日: 2003/05/10(土) 04:40 [ osrw.8No ]
このスレ最高
個人的にはタル戦愛してる
トッパもっと活躍してほしー
やべー「少年は夢を見る」また読んで泣いてくる

656 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/10(土) 09:14 [ 8eNjPuLY ]
Shantotto教祖(年齢不明)が率いる宗教団体「Shantotto正法」。
「スカラー波」の攻撃を受けていると主張。
白装束集団「口の院研究所」を主宰するShantotto正法が、
演説をしているZayhi-Bauhiさん(40)の演説を五月蝿いなどの理由で
「消滅宣告」したという。(闇のまなざし)
Shantotto代表はミスラを可愛がり、
オニオンズ団隊には“ミスラ車”が存在。
また、タルまでを溺愛し、アフォでドジな赤魔タルを“Hakkuru-Rinkuruちゃん”、
大ヴァカタルを“Kuroido-Moidoちゃん”、
少々暴走気味な黒魔を“Ajido-marujidoちゃん”と命名、
白魔、内藤らに飼育させているとされる。

657 名前: 513 投稿日: 2003/05/10(土) 20:26 [ DDU27T8w ]
( ゜Д゜)ああ〜〜〜〜〜!!!
細い兄弟はどうなってしまうんだYO!
死んじゃうのかYO!
バスの危機は救えんのかYO!
あの後どうなっちゃうんだYO!
(つД`) 頼むYO…作者様……お願いだYO………

……もう…ココには…いないの……か…な

658 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/10(土) 23:20 [ 4u/hNPc. ]
*設定*

ユーマ       ヒュム♂ F8B ツッコミ

レイ・チェルダス  ミスラ♀ F7B 毒舌

シュララ      タル♀  F3B 謎

フォートワース   エル♂  F1B 危険

グランディーク   ガル♂  F3A 爺

ナンジャ・モンジャ タル♂  F7A いじられ


ある食事の風景。

「ご飯できたぞー!」
ユーマは肉の焼き加減を確かめながら、そう叫んだ。
「おいら、お腹へってペコペコだよぉ」
「アタシ魚がいいにゃ」
「自分で取ってこいよ、俺は厚めに切ってくれ」
「大体今日はフォートの飯番だろ、何でお前がやんないんだよ!
 手伝ってくれてありがとな、グラン」
「腹が減っては戦はできぬからな」
シュララがいないことに気づいたが、まぁいつもの事だ。
もう日が暮れるすぐに来るだろう。
俺は肉を切り分けてスープをカップに注いだ。
「ほい、フォートそっちに回してやってくれ」
「あいよ。ナンジャ、腹減ってんだろ先に食えよ」
「わーい、ありがとう」
ナンジャが肉を大口で頬張るのをフォートが不気味な笑顔で見ているのが見えた。
嫌な予感がする。
「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「ど、どうしたにゃ!?」
予感的中…、ナンジャが涙目で口をパクパクさせている。
フォートのポケットからカザムガラシがちょこっと顔をのぞかせている。
俺が皿を渡した瞬間に何かしたのだろう。
流石だ…。
「おい、ユーマ水を頼む」
満面の笑みで水らしきものが入ったグラスを持つフォートを無視しグランは俺に水の催促をした。
賢明な判断だ。
俺ははぁっとため息をついて出納を探す。
「お水どうぞですわ」
どっから現れたのかシュララがナンジャに出納を手渡ようだ。
シュララを少し疑った目で見たが口の中のヒリヒリには我慢できなかったのだろう、ナンジャは出納の水で口いっぱいにした。
「駄目にゃー、ナンジャいっつもそんな手に引っかかってちゃ
 そんなんだから????って言われるにゃー」
「フィルター…」
「ふにゃ」
「おいら何を言われたの!?」
「????」
「繰り返すなー!!」
「ワタクシのお食事はまだですの?」
泣く寸前のナンジャをなだめるグラン、俺から皿を受け取りもくもくと食べるシュララ、魚にかぶりつきながらにゃははと笑うレイ、フォートはまた何かし
でかしそうだ…。
まだまだ夜は長い。


初めて書いてみました。
物語書くのって難しいっすね。

659 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/11(日) 02:03 [ FbkZUwKQ ]
>>658
えと、ごめん。出納=水筒?
そこだけが気になった。
続いてくれ。

660 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/11(日) 05:28 [ Q0aagoAY ]
>>657
同じく・・・・。
細い兄弟はどうなったんだろう(つД`)

661 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/11(日) 08:51 [ ERy1122E ]
>>657
俺もめっちゃ楽しみにしてるよ。細い兄妹〜〜〜・゚・(ノД`)・゚・

662 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/11(日) 13:54 [ DtEPio.o ]
毎日新作が楽しみん

663 名前: 658 投稿日: 2003/05/11(日) 16:22 [ DdzwjUgQ ]
あるPTの場合・・・朝食の風景:前編

このPTの朝は騒がしい。
といっても騒がしくなかった時があったかといえばそれは無いと言える。
「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そんな叫びが聞こえるのも珍しい事ではなかった。


叫び声が上がるのはほんの15分前、朝日の眩しさと朝食の香りに釣られて
メンバーがのそのそ起きてきてから始まる。
「ガハハハ、なんだその顔は、ナンジャ?」
ガルカのグランが豪快に笑うのが聞こえた。
眠い目を擦りながらナンジャは不思議そうな声を上げた。
「ほぇ?」
「レイ、鏡はないか?ナンジャに見せてやれ」

今日の朝食はレイの番だ。
魚の焼ける香りが心地よい。
まぁミスラである彼女は生のまま食べるのだが。
「ちょっと待つにゃ〜、ごはんは炊けたかにゃ〜」
俺はやっと目を開けて起き上がり、レイの代わりに鏡を探してやった。
鏡を持ってるなんて女のようだと言われるかもしれないが、髷を結うのには必需品だ。

鞄の中からすぐに鏡を見つけるとテントから出た。
レイのところへ急ぎ足で向かうグランとそれを青い顔をして必死で追いかけるナンジャが見える。
「おーい、鏡ここにあるぞー」
俺がそう呼びかけると青い顔のままのナンジャがこっちへ向かって走ってきた。
堪えていたのだろう、グランはナンジャに気づかれないように腹を抱えて笑っていた。
なにがそんなに可笑しいのか分からない俺は走り寄って来たナンジャの顔をじっと見つめた。

「ブハァ!!」
「ユーマまで…」
俺は笑いで震える手で肩で息をしているナンジャに鏡を渡した。
爆笑し始めた俺を涙目でチラリと見た後、ナンジャは鏡を覗き込んだ。

間

「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ナンジャの叫び声が響いたのはこの瞬間だった。

664 名前: 658 投稿日: 2003/05/11(日) 16:25 [ DdzwjUgQ ]
朝食の風景:後編1

あー、ナンジャの叫び声が聞こえる。
昨日俺がきっちり描いた繋ぎ眉毛と口髭が原因だろう。
本を読んでやるって言ったら笑顔で頷きやがって、俺がそんな事考えてるとも知らずに…懲りないヤツだ。
俺はムクっと起き上がると脱ぎ捨てたままのタブレットに手を伸ばした。
ふと、昨日ナンジャに読んだ本が目に入った。
ナンジャの落書きされた(俺がしたんだが)顔を思い出して笑ってしまった。

アイツとの出会いは忘れもしないセルビナ。
その頃既にレイと行動していたナンジャ。
俺は始めてみたミスラそして暗黒騎士にも驚いたがそれよりもこんな小さな人間がいるのかと目を見張ったのを覚えている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺が一人でラテーヌのミミズをしばいていると声をかけられた。
バルクルム砂丘で獣人を倒す実践訓練のお誘いだった。
バルクルムは行ったことが無かったし、獣人退治という言葉にも惹かれた。
7日ほど海岸近くでキャンプを張りゴブリンを中心に倒しまくった。
しかし疲労がピークに達した頃、根っからのサド気質か、エルヴァーンの性分か、
注意しても前線で戦おうとする俺にリーダーはとうとうキレだようだ。
せめてもと安全なアウトポストで俺をPTから外し、新しい白魔道士を加えPTは再び戦いへと行ってしまった。
白魔道士が殴るのを良く思わない人がいるのは分かっている。
それに俺の場合、殴るのに夢中でケアルが遅れた時があったりした。
疲れていた事はいい訳にならない。
今まで外されなかった方が運が良かったのだろう。

気分が滅入りそうだ…俺は気分転換も兼ねてセルビナへの冒険を決めた。
さっきのPTのヤツが真っ直ぐ南って教えてくれたっけ…、方位磁石がS字を指す方を見つめ鞄を拾うと歩き出した。

とは言えセルビナには簡単にはつけなかった。
PTならともかく今の俺は獣人の格好の餌食だ。
獣人に見つかったら終わりと思え、自分にそう言い聞かせながら慎重に突き進んだ。
しかし、セルビナにあと少しというところで犬に似た獣人のゴブリンに見つかってしまった。
「くそっ」
このままセルビナまで逃げ込んでも生き延びれるかギリギリのところだ。
セルビナ付近に人がいる事を祈りつつ俺は走るのを止めなかった。
「そこのエルヴァーン止まるにゃー!!」
にゃに反応してつい足を止めてしまった。
追い付いたゴブリンに腰の辺りをナイフで突かれた。
「うぁっ…」
痛みはケアルすれば少しは治まる、まずは体勢を立て直してハンマーを構えた。
「やっと追い付いたにゃ…」
ミスラが息を切らせてそう言った。
いつの間にか大きな鎌を手にしている。
チラリと俺のハンマーを見るとそのミスラは俺に話しかけた。
「一気に片付けるにゃ。アンタ、セラフストライクは打てるかい?」
「お、おぅ」
「アタシが仕掛けるからアンタそのあとぶち込むにゃ」
まだゴブリンは俺の方を攻撃している、ミスラはごぉぉという音と共に
防御力を無視したような構え方で目に見えて分かる程に鎌に力が込めた。
噂に聞いたことがあった、ラストリゾートと言う暗黒騎士の技だ。
攻撃力は凄いが防御力はとても低くなる、諸刃の技。
俺はボコられながらも感心していると、ミスラは黒い気を纏った鎌を振り下ろした。
「ダークハーベスト!!」
気が消えぬうちに俺も片手棍を思い切り振り下ろす。
「セラフストライク!!」
俺の白い気と黒い気が交じり合って新たな気が生まれた。
「ナンジャ!」
ミスラが叫ぶとどこからか、暗雲が立ちこめゴブリンの上にイカズチが落ちた。
黒焦げのゴブリンが叫びも無くぐったりと座り込むと、ミスラが髪を掻き揚げながら俺に言った。
「平気だったかにゃ?]
「あぁ…」
もう俺はこれしか言えなかったといっても過言ではなかった。

空を見ると日がもう沈んでいた。
取りあえずセルビナへというミスラの言葉に同意し、俺たちはその場を後にした。


セルビナの港で俺が疲れを癒そうと座り込んでいると、さっきのミスラが酒を両手に近寄ってきた。
「どう?」
俺の隣に座ったミスラから俺は一本受け取ると喉に酒を流し込んだ。
イケル口だね〜という言葉を聴きながら、聞きたいことがあるのを思い出した。

「そういえばあんた『ナンジャ』という言葉を叫んでいたが、暗黒の魔法か?」
「あぁ、アレはコイツのことだにゃ」

びくっとミスラの脇の辺りで何かが動いた。
俺は咄嗟に身構えてしまった。
ミスラは俺の反応が可笑しくかったのか、少し笑った。
そしてその何かを膝の上に置いた。

665 名前: 658 投稿日: 2003/05/11(日) 16:33 [ DdzwjUgQ ]
「あれ〜、タルタルを見るのは初めてかにゃ〜?」
「あ、あぁ」
俺の顔を見て察したのだろう、ミスラはいたずらっぽく笑った。
サンドリアにもタルタルの冒険者が増えてはいるが俺にはたまたま縁がなかったらしい。
ミスラに脇を抱え上げられたまま、俺の事を怯えた目で見ながら
「ナンジャ・モンジャ」
とタルタルの少年は小さく呟いた。
彼もエルヴァーンを見るのは初めての様子だ。
「ナンジャはコイツの名前だにゃ〜。それからアタシも名乗ってなかったにゃ。
 レイ・チェルダス。ミスラの暗黒騎士だにゃ」
よろしくの意味を込めてミスラが右手を差し出した。

俺はやっとナンジャから目を話し、レイと握手を交わした。
ところで、っとレイが俺の腰の武器を指差して話を続けた。
「そのハンマー、アンタ白魔道士でしょ〜?明日からアタシ達と一緒にPTどうかにゃ?」
「えっ?」

突然の言葉に俺は驚き戸惑った。
ついさっきまで白魔道士をやめようかと考えていたからだ。
俺が白魔道士になったのは蘇生の秘術レイズを覚えたいがためだった。
今は赤魔道士もレイズを覚えられる。
剣も使えるし、前に出たがる俺にはその方が良い選択かもと思っていた。

俺はその旨を二人に伝えたが今まで黙っていたナンジャが口を開いて吐いた言葉は意外なものだった。
「そんなことかぁ」
俺はカッと頭に血が上ってナンジャを睨み付けた。
ナンジャは少しもひるむ事の無く言葉をつむぎ続けた。
「新しい白のスタイルを君が確立すれば言いだけの話だろ?
 合ってないって言って逃げるのかよ」
キッと俺を見るナンジャ。
俺はナンジャに掴みかかろうとした。

「ぴぎゃぁぁぁぁ!」
情けない声を上げるとナンジャはレイの膝から素早く逃げ出した。
俺の伸ばされた手が当ても無くさまよっている。
レイは呆気に取られた顔をしている俺に、どうするにゃ?と苦笑しながら聞いた。
「アタシ達はサンドリアに行きたいんだにゃ。ジョブチェンジするにも
 続けるにもアンタもサンドリア行きだろ?考えといてにゃ」

レイはポンッと俺の肩を叩くと俺が飲み干した酒ビンを拾って立ち上がった。
尻尾を揺らしながら宿屋の方へ消えていく。

「答えは…」
俺も勢い良く立ち上がり、宿屋の方へ向かった。


次の朝、
「フォートワース、白魔道士よろしく」
物凄い怯えているナンジャに、物凄い笑顔で手を差し伸べた。
あはは、手なんか震えちゃってるよ。
黒魔道士です、と差し出した手をしっかり受け止め力強く縦に振ってやった。
身体全体で握手してるみたいだ。

「心機一転いざサンドリアへ〜」
レイが片手を振り上げて出発の合図をして背を向けた瞬間、バレない様に
ナンジャの背中を蹴っ飛ばしてやった。
おお、勢い良く飛んで顔面から地面に突っ伏した。

「ぴぎゃぁぁぁぁ!」
すぐに立ち上がって、レイのそばへ駆け寄る。
アイツ、シーフになったほうがいいんじゃねぇの?
俺は口笛を吹きながら見知らぬ顔をした。


ナンジャの受難はここから始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

随分昔の事を思い出したもんだ。
タブレットに着替え更にこみ上げる笑いを胸の内に押さえ込んだ。
テントのすそを巻くって外に出る、朝日を浴びた。

必死で顔を洗うナンジャの姿と、それを笑ってみている3人が見えた。
俺が作った黒インクだ、そんなに簡単に落ちては楽しくない。
隣のテントからシュララがぼーっと出てきた。
口からはヨダレが垂れている。
たまたまポケットに入っていたハンカチをシュララに投げつけてやった。
そして、3人に声をかける。
「今日の魚はなんだー?」
「しゃけー」
「ご飯はもうそこにおいたからなー」
「フォートォー、あれなんとかしてやれよー」

「フォートのバカァァァァッァ!!」

今日もいい日になりそうだ。


>659
誤字発見ありがとうございます。


細い兄弟への期待を遮るようですんません(;´Д`)

666 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/11(日) 18:09 [ UbLd.brc ]
エルいじめすぎwwwwwwwwwwwwwwww
修正されるねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

667 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/11(日) 19:48 [ lIiRXXQk ]
<俺はやっとナンジャから目を話し、
離し だね。

>>658さん
面白かったです。
その、先も見たいと思いましたよ。

668 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/12(月) 00:38 [ D76JS/eU ]
就寝age

+して神の降臨キボン

669 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/12(月) 22:14 [ Bm4XilJ2 ]
白の探求者13話がみたいでつ。
どこにあるのか、おしえてキボン。

670 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 00:15 [ n0TEa3hE ]
>>669
>>601です

671 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 00:41 [ vFzgZ2q. ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第19話

夜半過ぎ、師父はウィンダスの城門を無事通り抜けた。
あっさりし過ぎるほどにウィンダスの警備兵はチョコボに跨る師父を通し、
私は正直言って、拍子抜けをした。
昨今の冒険者によるコンクエスト政策の推進により、
現在はかつてのように夜間に城門を完全に閉じることはなく、
シグネットの確認により比較的自由に城門を通過することができるが、
師父の推察どおりであれば、城門の警備兵が少々作業を遅らせている間に
サンドリアに所属する騎士が「偶然」城門に通りかかることも可能であったはずだ。

干し肉や果物を中心とした糧食を積んだ師父のチョコボは
力強い足取りで、ゆっくりとウィンダスに別れを告げた。
町から出ることの出来ない私は、師父の無事を確認すると、
師父の荷物を持って、すぐさま子供たちの抜け道を通り抜けて師父を追いかけた。
万が一、師父の装備が没収されてしまう危険性を私は主張し、
町を出ることに難色を示す師父を説き伏せて、私は師父の剣を別の道で運んだのだった。
師父は私が理由をつけて、別れの時を先延ばしにしようとしていたのはお見通しだった。
(子供の浅知恵に付き合ってくださった師父に感謝を。)

やがて私は待ち合わせ場所にした、私たちが初めて出会ったあの川岸のそばにたどり着き、
チョコボに乗ったまま私を待っている師父の下へと駆け寄った。
満月がこうこうとサルタバルタの平原を照らし、私の影を師父の下へと走らせた。
満月のもたらした不思議な高揚が、この時間を永遠であるかのように感じさせる。
しかし、その流れ続ける時の停滞はもろくも崩された。

『…ようやく貴方に追いつくことが出来たな。』
草をかき分ける禽獣の足音が響き、ぬっとでたチョコボの影が私の影を覆い尽くした。
そこには師父の追っ手の騎士が一人、チョコボに乗っていたのだった。
冴え冴えとした夜気をまとったサンドリアの騎士。銀髪が風に揺れる。

672 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 00:42 [ vFzgZ2q. ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第20話

『ベルナール…。君が私を追ってきていたのか…。』
師父はエルヴァーンに向き直った。師父の視線が私に流れる。
私はベルナールと呼ばれた騎士のの影を逃れ、
師父の剣を抱えたまま、転がるように師父の元にたどり着いた。

『クロヴィス殿。私が貴方を追いかけてきた意味はお分かりですね?
 共にサンドリアに参りましょう。これは貴方のためなのです。』

ベルナールは私を気にした風も無く、師父にそう言った。
師父はそれを流すでもなく、まっすぐにエルヴァーンを見据えて答えた。

『お前にも解る筈だ。騎士が騎士であるためには、
 あのタブナジアの惨劇を許してはならないと。
 すくなくとも、あの惨劇に関わった自分を許すためには、まだ時間が足りないのだ。』

その言葉を聴いたベルナールは、はっとして私を見た。
サンドリアの抱える秘中の秘を私のようなタルタルに聞かれたことを気にしてのことだろう。
しかし、私が師父を見上げ不安げな面持ちで事の成り行きを見守っているだけだったことから、
既に私が何もかもを知っている事をうかがい知り、口元に冷笑を浮かべた。

『…貴方は、全てをこの少女に話してしまったのですね。
 惨劇を恥じると言いながらも、その重荷を他国民の、しかも子供に背負わせるとは。
 どうやら、貴方は変わってしまった…。その事を、私も認めざるを得ないのですね。
 かつて私を、部隊の仲間たちをその盾と英知で守ってくださった、騎士クロヴィスはもう居ない。』

673 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 00:42 [ vFzgZ2q. ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第21話


『そんな事はありません!』
反射的に、私の口から否定の言葉が発せられた。
自分でも驚くほどに強く、そしてはっきりと。

『何が解るというのだ、お前に。タルタル風情に。
 騎士の何たるかが、お前に解るというのか?
 引っ込んでいろ。そして梢の家に帰り、全て忘れるのだ。
 それがお前のため…』

『貴方にこそ、何が解る?なるほど、貴方は師父とともに戦ってきたようだ。
 しかし、貴方は師父の盾と英知しか、知りはしないようですね!!
 師父の抱える苦悩、騎士たる為に騎士たるべき生き方をすること。
 それ無くして貴方が騎士であるという事が、私には全く理解できない!』

ベルナールの凍える視線が私を捕らえた。
しかし、私には師父の教えがあった。師父を信じる心があった。師父を、愛する気持ちがあった。
ベルナールは口の端を歪めると、手袋をすっと外し、私に投げつけた。
私の胸の辺りにその手袋は当たり、地面へとぱさりと落ちた。
そして、その手袋を師父の左手が拾い、右手が私を守るように私をさえぎった。

『いいだろう。お前の挑発に乗ってやる。
 彼女は婦人であり、なおかつ私の弟子だ。
 その名誉を守るのは師である私の役目…。
 槍を取るがいい。』

私は知らなかったのだが、騎士が手袋を投げつけるということは、決闘を申し込むことである。
私は自分がとんでもない事をしてしまったのに気がついた。
ベルナールは私を挑発する事で、師父を逃がさないようにしてしまったのだ。
師父が骨の髄まで騎士である事を知っての事だ。

『姑息な手段をとった事は申し訳なく思っています。そちらのご婦人にも謝罪を。
 しかし、こうでもしなくては貴方は千里の道を駆けていき、再び行方をくらませてしまう。
 私が勝ったら、私と共にサンドリアに向かってください。
 貴方が勝てば…。貴方の旅はまだ終わらない。そして、私の旅も。』

師父はチョコボにくくりつけた荷物を落とし、槍と盾を構えた。
同様に、ベルナールも槍と盾を構える。大気が熱をはらむ。
私はもちろん師父の勝利を疑ってはいなかったが、
ベルナールの身のこなしは洗練されており、師父が全く無事である保証は無かった。
大丈夫。
大丈夫。
そう信じていた。私の師父だもの。
私の、大切な。輝く太陽の鎧を身にまとう人。

しかし、夜に太陽が輝くことなどあるのだろうか。
そんな漠とした不安が私の胸に夜気と共に吹き抜けた。

674 名前: ↑ 投稿日: 2003/05/13(火) 00:44 [ vFzgZ2q. ]
─そのうち続く─

また入れ忘れたよウワァァァンヽ(`Д´)ノ
自分も細い兄弟の運命が激しく気になります。

675 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 02:59 [ W3m2UXUA ]
タルタル戦士は夢を見る

第三十七話 幸福の天秤

―― ラテーヌ高原 ――

「どう…?あたしの事、軽蔑する?…汚れた女だと思う…?」
「そんなこと、思わないよ…。レウは、レウじゃないか。僕は…」
「いいのよ。オットー。…お願いだから、何も言わないで…」
「レウ…」
「ごめんなさい…こんなこと話したって、迷惑だよね…」
レウは立ち上がり、そのままテントへと歩いていく。
オットーには、ただ、その後姿を見つめることしかできなかった。
(僕は…何て言ってあげればよかったんだろう…僕は…何も知らない、世間知らずな子供だ)
オットーは一人、自分の不甲斐なさを恨む事しかできなかった。

―― 南サンドリア ――

「ね…私、ちょっと行くところがあるの」
「行くところ…?」
「そう…ひょっとしたら、何日か帰らないかもしれないけど…いい?」
「あ、ああ…僕の方から皆に言っておくよ。でも、何処へ行くかぐらい、教えてくれない?」
「ラテーヌ高原で話したでしょう?…私、家に帰らなきゃ」
「レウ…」
「それじゃ、行くわ。必ず戻ってくるから」
「あ…」

オットーは手を伸ばしたまま、ぽつんとその場に取り残された。
レウは、何か言いたげな表情をしていた。が、彼女の思うところはオットーには理解できなかった。
”僕も一緒に行こうか?”
その一言が言い出せない自分がいた。伸ばした手を見つけたまま、立ちつくしている。

(レウ…君は…)


―― サンドリア・居住区 ――


懐かしい景色。昔、男の子と競争して上って、降りられなくなった木。
いつもザリガニばかり釣っていた池。
それに、見覚えのある友人達の家…
そこには数年前と何一つ変わらぬ街の姿がある。
まるで、あの頃から時間が止まってしまったかのように。
レウは走った。柵を越えて、脇道を通り、秘密の抜け道を走って…
そして…辿り着いた先には懐かしき家があった。
(帰ってきた…私の…)
一歩、また一歩。ゆっくりと歩み寄る。
ドアの横、丁度、レウの膝あたりの高さの位置にペンキで描かれた鳥の絵がある。
そうだ。これは私が描いたものだ。
母は私をさんざん怒鳴り散らし、父は苦笑いしていたが、このまま消すのも勿体無い、
ということでそのままにしていたものだ。
…ゆっくりと、ドアに手を伸ばす。
覚悟を決めて、ニ、三度程ノックする。が、反応はない。
ノブを回してみる。…驚いたことに、鍵は掛かっていない。
レウは意を決して、そのままドアを開き…

676 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 03:04 [ W3m2UXUA ]
「え?レウ?…何?あんた、あの一家の知り合いなのか?
 …まぁ、もうとっくに終わった事だから、別にどうでもいいことなんだけどね。
 そりゃあ、あの頃は大騒ぎになったもんさ、大人しそうな顔してさ、
 敵国のスパイだったとはね。
 …ああ、あの時は大変だったさ。まさかご近所に住んでる仲のいい親子がさ…」

「それから?うーん、あんまり大きな声じゃいえないんだがね。
 あの後、バストゥークの国境付近で夫婦は捕らえられたようだ。
 そんでもって、地下牢でそのまま死んじまったらしいよ?
 …でも、結局、娘のレウって子は見つからなかったようだがね」

「え?家はどこにあるかって?…お前さん、そんな所行って何するつもりだい?
 …はは、別にお前さんをスパイって疑ってるわけじゃないんだよ。
 ああ、あれだ。見えるだろう?あの、先にある、白い壁の家さ。もう誰も住んでないけどね」


トッパ一人を宿に残し、レウを探し続けたオットーだが、彼女が昔住んでいたであろうと思われる
家の前に辿り着いた頃には辺りはもうすっかり暗くなっていた。
オットーは、ノブに手をかける。鍵は掛かっていないようだ。
それは誰も住んでいないから、当然といえば当然なのだが…
レウはここにいるのではないか、いや…ここにいる。根拠の無い確信がオットーにはあった。
ドアをノックする。…返事は当然ない。
「失礼…します」
それでも一応、他人の家だ。

一歩踏み込んだはいいが、暗闇に目が慣れていない。足元に注意しながら奥へ進む。

「レウ…?…僕だ。オットーだ。…いるんだろう?」
ずしゃり、と、奥から物音が聞こえる。
「オットー…」
「レウ…!やっぱりここにいたんだね!…さ、帰ろう!トッパも待ってるよ…」

しかし、レウの反応が無い。暗闇の向こうにレウのシルエットが浮かぶ。
オットーの目がだんだんと慣れてきた。
ぼんやりと、室内が見えてきた。そして…


オットーは見た。壁、家具、床、ありとあらゆる物が破壊されている。
窓ガラスも全て割られており、足元には引き裂かれた絨毯やカーテンの布切れが
ぼろぼろと散らばっている。

…そして、その瓦礫の中に…斧を持って、呆然と立っているレウの姿がある。

「オットー…私ね、聞いて欲しいことがあるの」
「レ、レウ…」
「私ね、馬鹿な話だけどね、…両親に復讐しようと思ってたの」
「復讐って…それは親殺しってこと…?」
「そう…そうね…本気で殺してやるって思ってたわ…」
「それは…」
「でも、違うのよ!家の前に着いたとき、私は…私は…!!
 …ドアを開けたらパパとママがいて…”おかえりなさい”って言って欲しいって!!
 そういう風に思って…でも、誰もいなくて!ずっと待ってても誰も帰ってこなくて!!」
 
がしゃん、と何かが床に落ちる音がする。…レウの手から斧が離れたようだ。

「オットー…あなたは…私と一緒にいてくれるよね?」

レウが一歩一歩、ゆっくりと歩み寄ってくる。

「帰ろう…レウ。君はここにいちゃ駄目だ…」

何故だか分からない、オットーはレウから逃げるように後ずさりをしていた。
しかし、レウの歩み寄りの方が早かった。レウはそのままオットーの正面に立ち、
オットーへ抱きつく。突然の抱擁にオットーは錯乱する。
次の瞬間、彼の体はゆっくりと後ろに傾く。
レウがオットーを床に押し倒したのだ。レウが上となり、二人は馬乗りの格好となった。

「ねぇ…オットー…」
「…レウ…こんな…こんなこと…駄目だ…!」
「私の事嫌い?」
「好きとか嫌いとか…そういう問題じゃないだろ!?」
「…じゃぁ…お願いだから…」
暖かい何かが、オットーの頬に落ちる。…涙だ。レウが泣いている。
「お願いだから…お願い…だから…」

「レウ…」



皆が幸せになる方法って…やっぱり、世の中には存在しないと思う。
神様ってのは結構ケチな奴かもしれない。
誰かが幸せになる一方で、その分、何処かの誰かが不幸になっているんだ。
レウはきっと、誰かが幸せになった分、不幸になってしまったんだ。
だけど、レウ。きっといつか幸せはやってくるよ。だから…だから…


                                   続く

677 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 03:21 [ iM9WV/po ]
うおお、エロティックな展開になってる!
レウどうなんのかなー・・・とりあえず死なないよね_| ̄|○
展開が気になる次第。

てゆーかお話書いて投稿しようと思ったらいつの間にかタル戦が・・・
このタイミングじゃあ出すに出せん_| ̄|○

678 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 06:46 [ S8C0dbtw ]
出しなさいおもいっきり

679 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 07:03 [ 2TycfhsE ]
>>騎士手紙
文章がすごく綺麗…(*´Д`*)
月も太陽の光を反射して輝いているのですだから大丈夫です絶対に…
大丈夫ですよね?(゚Д゚;)

>>タル戦
レウとオットーの話キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
お願いだからレウタソ幸せになって下さい…
最初の騎士といい不幸続きであぁあぁ続きキボン(;´д⊂)

>677
   ○
_| ̄|  うpを…

680 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 11:02 [ M8QbxMyk ]
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!

681 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 12:57 [ rQzO71WM ]
エイミーだってレウの笑顔を望んでいたんだし
レウ幸せになれるよね・・・
目に砂が入っちゃっただけだよね?
(⊃д⊂)

682 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 14:09 [ fmAWzBSY ]
獣使いはいつでものけm(ry

・゚・(ノД`)・゚・

683 名前: 翠の(略 投稿日: 2003/05/13(火) 19:56 [ SbMzDZp2 ]
ども、翠の国の翠の少女の書き手でつ。
いつものスローゥペェースのせいで遅くなりましたが、
第二章完成しますた。
けど…いつもの調子で分割して、11レス分にもなってしまったので、
ここにうpするのは止めときまつ(´・ω・`)
あぷるる様のとこにあげさせていただきますので、ひとつ宜しくです。

684 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 20:17 [ V08d3WLI ]
はじめ「何で斧?」とか思った。

愛用の武器なのよね……一応冒険者だし。

685 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 21:20 [ vFzgZ2q. ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第22話


中天に差し掛かった満月が平原を隅々まで照らしていた。
獣人すらも息を潜め、二人の騎士の戦いに水をさすことは無かった。
チョコボに騎乗し、槍と盾を構えた一対のエルヴァーンたちは
ゆっくりと間合いを取るためにチョコボの首をめぐらせた。
さやさやと流れる川の音が、虫たちの声がやけに大きく耳に響く。
どくん、どくん。どくん、どくん。
私の鼓動がチョコボの歩調に合わせて響く。
4ヤルムはあろうかという騎兵槍の穂先は月光を受けて鈍く輝いていた。
双方の槍とも穂先は丸められており、各々この対決を意識していたようだ。

こうなってみると、あっさりと師父が城門を抜けられた理由が私にもわかってきた。
ウィンダスの街中で騒ぎを起こされるよりは、街の外でエルヴァーン同士が
お互いの問題を解決してくれることを、ウィンダスは望んでいたのだろう。
自分の未熟さ、洞察力の足りなさを意識し恥じ入るばかりであったが、
この時ばかりは自分自身の問題よりも勝負の行方ばかりが気になっていたため、
しばし自分のことについては意識が離れた。

彼らは20ヤルムほど距離を取り、やがて正対した。
お互いに盾を掲げ自らの身分を証した後に、サンドリア式の敬礼を取る。
1秒。
2秒。
そして、3秒。

それが決闘の始まりであった。
大地を駆けるチョコボの足音が波のように広がり、私に迫る。
師父とベルナールは微塵の迷いも感じさせずに正面からぶつかり合った。
金属と金属とがきしみ、悲鳴のような衝突音が響く。闇を切り裂く雷鳴。
火花が飛び散り、二人の間の炎が燃え上がった。
小さき炎の精霊の華が咲き、一瞬で掻き消えた。

チョコボがすれ違い、師父のチョコボが大きく弧を描いて速度を殺し、再び振り返る。
師父の持つ盾の表面には一直線の傷が穿たれていた。
正面からベルナールの突撃を受けることを避け、その穂先を滑らせて致命の一撃をかわす。
言葉で言うのは簡単だが、ずば抜けた見切りの感覚がなければ出来ない達人の技だ。
まして、お互いにチョコボを全速力で走らせているのだから、その衝撃は並大抵のものではない。
ベルナールも同じように振り返ると、同様の傷が盾に刻まれていた。
二人の技量は同等であった。

686 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 21:20 [ vFzgZ2q. ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第23話

『ハアッ!』
師父の口から呼気と共にチョコボを鼓舞する声が出され、二人のチョコボが加速する。
再び激しい金属音が響きわたる。もう川のせせらぎは聞こえない。
お互いの位置を初めと同じくし、相対する二人の騎士。

三度、閃光が交錯する。
普通、騎兵試合というものは次々に槍を使い潰し、
どちらかがチョコボから落ちることをもって勝利を確定させるものである。
騎兵槍はチョコボの速度と体重を乗せた衝撃により破壊力を増しているのだが、
その衝撃を攻撃した側の騎士に伝えることが無いように、
相手にぶつかったら壊れるように出来ている。
つまり、並みの騎士たちの試合ならばもう槍は三本目になっている。
それに、激突の衝撃は生半可に耐え切れるものではなく、
騎乗し続けるためには卓越したチョコボ乗りの技術が必要なのだ。
衝撃音から二人が三度激突しているのは確かである。
お互いの盾に刻まれた三本の筋が事実であることを如実に示していた。

四度目の激突。
鈍い金属音が響いた。
師父の槍がベルナールの盾の真芯を貫いたのだ。
丸められた穂先が盾のわずかな筋目を穿ち、真っ二つにした。
それと同時に師父の槍のトネリコで出来た強靭な柄がぼっきりと折れる。
二人は無言の内にチョコボを降り、折れた槍と割れた盾とを捨てた。

ベルナールの騎兵槍は健在ではあったが、
チョコボの衝突力無しではただの重い棒に過ぎない。
師父が剣を抜いてチョコボでベルナールと対した場合、
師父に盾を犠牲にされた場合、がら空きの胴を狙われることを避けたのだ。

687 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 21:25 [ vFzgZ2q. ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第24話

師父の腰から鋼がこすれる音をたてて剣がささやく。
私の口はからからに渇いていた。ごくり、と飲み込む唾の音。
対するベルナールは、チョコボの鞍から巨大な両手剣を降ろした。
鞘から取り出された大剣は幾重にもくびれ、威容を放っていた。
師父が盾をかざしたところで、そのまま弾き飛ばしそうな業物だ。

『近衛騎士の剣…。出世したな、ベルナール。』
師父の声音は淡々とした中に、ベルナールの成長を喜ぶような響きを含んでいた。
『この剣に相応しい騎士であるよう努めてきた…。貴方に受け切れるか、クロヴィス!』
『受けてみせよう。我が名誉にかけて。』
師父の剣がベルナールの大剣の輝きを受け、更にその光を増した。

ベルナールは剣を高く掲げ、大きく構える。
長身痩躯のエルヴァーンが更にその肢体を伸びやかに活用できる構えだ。
胴体が完全にがら空きの隙だらけの構えだが、
その両腕の膂力が剣に相応しいものであるのならば、
不用意に切りつける愚か者は胴体を傷つけられる前に
落雷のごとく降りてくる斬激に打ちのめされることであろう。

師父は盾を中段に構え、剣をやや下の位置に落とした。
腰を落とし、油断無くベルナールに相対している。
盾は守りというよりは間合いを計るために使い、
落とした位置から上へ跳ね上げる深い一撃を狙ったものである。

ベルナールの体重の乗った一撃をかわせば師父の勝ち。かわせなければ…。
冷たいものが私の背中を一筋通り抜けた。
二の太刀を考えぬベルナールの構えは、必勝を期した捨て身の剣。
おそらくはその身を賭して初めて師父を止められるとベルナールは踏んでいるのだろう。
ベルナールは無傷で勝つことなど考えていないのだ。
しかし、師父はここを軽傷で、できれば無傷で切り抜けなければならない。
ここから先、怪我人がサンドリアの追っ手から逃れつつ旅を続けるなど非現実的だ。

師父が、負ける?
いや、師父は負けないだろう。しかし師父の旅は終わる。

『私は、世界の謎を追ったエニッド卿、オルデール卿…
 そしてグィンハム・アイアンハートに追いつきたい。
 そして彼をも超えて、ヴァナ・ディールの果ての果てへとたどり着きたいのだ。』

師父の夢が終わる。
現実という名の檻が、罪という名の鎖が師父を縛り付けようとする。

──そのうち続く──

>677
迷ったらうpしる!

>679
どうもありがとうございます。
でもよかったのかい、ホイホイそんなレス付けて。
俺はくそみそアレンジだってしちまう頭の悪い作者なんだぜ?

688 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 21:47 [ S21ViEGg ]
翠の国の翠の少女の作者さんお疲れ様です!
今みてきますー!わーいわーい
ジュノを目指した少女がどうなることやら(うずうず

689 名前: 白き探求者・作者 投稿日: 2003/05/13(火) 22:41 [ w14x2pLs ]
レウ・・・悲しい過去も幸せな今をもって乗り越えて欲しいのよ・・・!(;つд`)

あい、やっとメインが50になりました。ホーリー早っ!
そんな感じで(?)白き探求者、14話目を倉庫サイト・画像掲示板にアップいたします。
倉庫サイト『旅は終わらない』 byあぷるる氏
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/

日に日に増えていく物語、ふはは、読みきれん。
毎回楽しみに読んでいます!作者さん達応援してます!

では、またー。

690 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 22:45 [ YdXIh0sE ]
白き探求者 キターーーーーー(・∀・)ーーーーーーー!!

691 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/13(火) 23:06 [ YdXIh0sE ]
連カキで申し訳無いんだが、読んでみての感想言わせてください。

うぁ、まじかよ…ってのが現在の心境ですね。
この先、ルアとファライラがどの様に書かれるのか、とても気になります。


自分も書いてみたい、ってんでネタ構想中です。
ここで公開するかはリア友(FF11知ってる、知らない両方)の反応しだいですが。

692 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:50 [ iM9WV/po ]
おし、勇気を出して投稿してしまおう。こうなったら出したもん勝ちかw
なわけで読んでくれるとこれ幸い。

「合成の話って、無かったよね。・・・あったっけ?」前編(短編)



「これ、開けてみて」
俺は精一杯の勇気を込めてその娘に隠していた小さな箱を渡す。
ただの小さな、小さな輪っかが入っているだけのその箱を。
受け取った彼女はとても嬉しそうで、無邪気で、なにより可愛い。
そして箱を開けた彼女はこう言う。
「うわぁ、綺麗な水色〜。なんて言う宝石なの?」
「アクアマリンって言うんだ。結構削りだすの大変だったんだから、大事にしろよ」
「うん!毎日つけるね。シレ大好き!」

          ――妄想の終わり――

(・・・とかそーゆー事の為に始めたのになあ)
トッテンカッタン
リズムよく、こなれた手つきで亜麻布を織っていく。
トッテンカッタントッテンカッタン
縦に張った糸に対して、器用に交互にジグザグにして横糸を通していく。基本的な織物の作り方だ。
妄想とは程遠く、彼―シレはどういうわけか裁縫職人になっていた。
生まれも育ちもウィンダスである謎のエルヴァーンの青年だ。
15歳で冒険者になり、2年間旅を経験した後にバストゥークの彫金ギルドに加入。
同時に冒険者を廃業する。
しかし、たったの約3ヶ月でギルドをクビになってしまい(ギルドの財政を脅かしたため)
最終的に母国の裁縫ギルドに加入、そして19歳の現在に至る。
裁縫を始めた理由は、昔の経験が生かせるから、女の子に需要があるから(重要)とかそんなものだった。
(それなのに毎日毎日紡いで織って紡いで織って!)
「俺に服を作らせろーーーーーーーーーーー!!」(/shout)
だがしかし、こういった彼の上告はいつもギルドに5人いる上級職人大先生の
『ハイハイ、もちょっと我慢しようね〜』
とかいうふざけた回答によって断固として受け入れられないのだった。
彼はまだ、裁縫針さえ触った事がない。
「あークソー!」
トッテンカッタントッテンカッタン
それでもこのリズムだけは乱れない。・・・少し力が入って機(はた)がミシミシ軋んではいるが。
「おー、ちゃんと仕事やっとるねぇシレっち」
「シレっち言うな!ハゲ!」
彼が振り返ると、ウィンダスの緑と青い空が覗く部屋の窓から、光り輝く禿頭が顔を出していた。
「ハゲぇ言うな〜」
ハゲはシレのセリフを真似して、サラっとその言葉を流してしまった。
彼の名はガッテ。シレの古くからのヒュームの友人であり、共に冒険した仲間でもあった。
シレが冒険者を辞めた時彼も一緒に辞めて、彼が彫金ギルドに入ると言ったときに
ガッテは一人ウィンダスへと帰り調理ギルドに入った。
ハゲなのは生えないのでは無く、髪が料理に入らないように自分で剃ったらしい。
確か昔は生えていたような気がせんでもない。
「んで、なんか用でもあんの?わざわざクソ遠い水の区から徒弟さんがよお」
余所見はしても手だけはずっと動かしたまま不機嫌な口調でシレは言った。
ちなみに彼は職人の中では一番下の見習いである。
「あーもう、冷たいなぁシレ〜。友達だろー俺ら」
「今はなんかムカツクからアッチいけ!」
「そう言わずにさあ、気が立ってるといい仕事も出来んよ〜」
「ウザイ、消えろハゲ!」
 ガコ    ベキィ!
「ぬおあ!」
 すってーん  ガラガラガラ
亜麻布が完成した!!
「いってぇ・・・」
余所見と、怒りのせいで手元が狂い、無駄に有り余った種族特有の怪力のせいで機が壊れてしまった。
「あ〜ららあ」
窓に肘をついてガッテが特に興味もなさげにシレを見下ろして言った。
こう、なにがどうあっても落ち着いているのがガッテの良い所でもあるのだが
こういう状況だといつも、バカにしているように見えて仕方なかった。
(もうなんなんだよ・・・)
怒りは悪いことばかり引き起こす。そんな事、冒険してた時には常識だったはずなのに。

693 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:50 [ iM9WV/po ]
さっきの怒っていた状態とはうってかわり、シレは放心状態になって天井を見上げた。
彫金ギルドの時もこうだった。
来る日も来る日もインゴット、不満ばかりぶつくさ言いながら炉に燃料を放り込んでると
温度を上げすぎて危うくギルドが火事になるところだった。
それでクビ
この機械も、良くは知らないが高そうなものである。
(はぁ、裁縫もダメなのかなぁ・・・)
「俺、クビかなあ・・・どうだと思う?」
「さあ、続ける気は?」
「分からん・・・どうなんだろなー」
ぽけーっと、現実逃避しているように、テンション下がりっぱなしのまま二人は壊れた機を
放ったらかしにしていた。
「あ〜あ。一応報告だけでもしてくるか・・・、壊しちゃったし」
「いてら〜」
ゆっくりと立ち上がり、下級職人以下を指導しているニココという職人がいる方へと歩いていく。
ピョコピョコピョコ
・・・いや、行くまでもなかった。彼女の方からこちらへ来たようである。
「あらららららぁ、壊しちゃったの?シレっち」
(シレっち言うな・・・)
それは心の中にだけ閉まっておくことにした。
タルタルの彼女はぺたぺたと壊れた機を触り(ホントに触るだけ)むーんと考えると
「私には修理不可能なくらい壊れてるねー。さすがエルヴァーン、尊敬しちゃうよ」
しれっと嫌味(少なくともシレにはそう聞こえた)を言い放つ
「・・・」
こう言われると、ごめんなさいの言葉も言うことも出来ず、ただ黙り込んでいるしかなかった。
「まあいいよ。別に壊れたって。モッコリーナ呼んで直させるから」
「え、いいんすか?」
唐突な言葉に驚いて聞き返してしまった。
「たまには木工ギルドにも役立ってもらわないと。アイツらベッドだのなんだので
 素材いーっぱい持ってくくせにこっちにはあんまり何もしてくれないんだから」
ああそうか。と、シレは今更ながら思い出した。
――この世の中には、生産ギルド連盟というものがある。
互いに技術提供、低価格な素材提供、といったようにみんなで助け合おうというものが目的だ。
例えばこの裁縫ギルドは木工ギルドに大量の布製品を卸し、木工職人を養成するかわりに
基本的に木製の機織、糸紡ぎに使う機械、ウィンダス様式であるギルドの建物を建ててもらったりしている。
つまり、領事館にいるかもしれないサンドリアの木工職人を呼べば破格で修理できるわけだ
「でもやっぱり備品壊しちゃったんだからそれなりの罰は与えないとねー。チョット待ってて」
そう言うと彼女は自分の部屋のほうにピョコピョコと走って行った。
「ふう・・・」
と、胸をなでおろした。どうやらクビは免れたらしい。
「良かったなー。クビにならなくてさー。いや、既に首か。アヒャヒャヒャ」
呑気な声でガッテが背中から話しかけてきた。くだらないジョークだなぁと、思った。
「うるさいハゲ」
彼のその言葉に、トゲは生えていなかった。

        →中編へ

694 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:51 [ iM9WV/po ]
「合成の話って、無かったよね。・・・あったっけ?」中編(短編)


『ホラ、今年水不足だったでしょ?だから水道会社が水代上げちゃってさー。サルタバルタの
 綿花農家の人たちがあんまり水引けなくなっちゃってね。綿花の在庫がもう残り少ないの』
なるほど、だから毎日1コしか冒険者用に出回ってなかったわけだ。
しかし、今年が水不足なのは知っていたが、それが綿花の需要に影響を及ぼすなど・・・
彼は全く知りもしなかった。(バカ)
『だからさ、ちょっとタロンギのラッカネンさんの畑まで行って持てるだけ買ってきてー』


と、いうのが彼女の言う罰だった。正直、ただのおつかいである。
ちなみにラッカネンというのは人間にでも獣人でも信用できれば自分の農作物を売ってくれるという
平和的で、善良なゴブリン百姓の事だ。
そんなわけで今彼「ら」はタロンギ大渓谷にいる。
「んー、ダルメルいないねぇ肉取れないねぇ」
ガッテは辺りを見回しながら、のほほんと本日何度目かのセリフを言った。
「だねえ・・・」
と、またシレもさっきと同じ言葉を返した。こちらもポケーっと、空を見上げている。
久しぶりに2人で外の世界を歩いている。
冒険者の頃とは目的こそ違うが、シレはなんだか懐かしい気分でいた。
あの頃もこうやってのほほんと、マウラ目指して道とも言えない道を歩いていたものだ。
「あ、マンドラたんー」
「アッオー」
ガッテが指差した方向からトコトコとマンドラゴラがこちらに駆け寄ってきた。なぜだろう?
「よーしよし。イイコだねー」
近寄ってきたマンドラゴラの頭をガッテがなでなですると、それはピョンピョン飛び跳ねて喜んだ。
「アッオーアッオー」
とてもかわいい・・・でも、何故だろう?
(ハゲだから仲間意識でも働いたのか?いや、もしかしてアイツらはコレがマンドラゴラに見えるのか!?)
「そんじゃあバイバーイ」
シレが、変てこな構想を真剣に考えているうちに、ガッテがそれにペットベータを与えて別れの挨拶をしていた。
「アッオー」
むこうもペットベータ片手にガッテに手を振り、嬉しそうに走っていった。
「なるほど。エサの匂いに釣られたのか」
結論が出た。
「ん。いや、昔マンドラゴラの双葉食ってから無性になつかれるんだ」
「食ったのか!」
覆された。
「うん。マズかったぞー」
(おいおい・・・)
久しぶりにシレはガッテを、酔っ払いのゲロを見るような目で見た。

695 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:52 [ iM9WV/po ]
「おお、シレ、ガッテ。よくキタナ」
日も暮れて結構経ってから、2人はようやく目的地へと辿り着いた。
そんな2人を、ラッカネンは快く彼の家に迎え入れてくれた。
ここは綿花だけでなく、他の野菜も栽培している。というよりむしろそっちがメインなので
調理ギルドの人間は大体彼の顔なじみなのだ。
裁縫ギルドの人間は、シレを含め5人くらいしかここに来た事は無い。
「キョウはもうオソイ。ここでとまっていくといい」
「ありがと、ラッカネン。てまあ、最初からそのつもりだったけどな」
「ハハハ、オオカタそうだろうとオモッタぞ。まあエンリョすることはナイ。そうだ、メシはまだか?」
「あ、まだまだ。コイツ調理師のくせに材料とかなーんにも持って来てなかったからさあ。
 保存食も無くなっちゃって」
と言ってガッテを親指で指す。
「まーいいじゃん。持ってこなくても別に大丈夫だったしー」
全く気兼ねなくガッテは言い放った。
相変わらず適当な奴である。
「そうか、ならキョウのシチューのノコリをあたためて、ツケアワセでもつくるか。
 そこにスワッテマッテロ」
「お、久しぶりだなー。ラッカネンのゴブリンシチュー」
「フ、そうか。ホメテくれてウレシイぞ」
ラッカネンは、いい匂いのする台所へと入っていった。


「ところでシレ、キョウはなんだ、アマか?メンカか?」
「ああ、そうそう。綿花買いに来たんだ。今年はあんまり収穫出来なかったからさ」
美味くて楽しい夕食を終え、シレは用件(不意にも忘れていた)に移った。
「そうか、どれくらいだ?10キロ3000ギルでウッテやれるが」
「んー、そんじゃあ20キロ頂戴」
「ワカッタ。アシタヨウイさせる」
「ありがと」
ラッカネンは椅子から立ち、後ろの棚からペンと羊皮紙を取り出して粗末なメモを書き残して
壁に架けてあるコルク製のボードにピンでとめた。
「そうだフタリトモ、ヒサシブリにミスラのシッポでもするか?モチロンカケありで」
ラッカネンが提案する。
揺らめくランプの炎が、彼のマスクの影を一瞬ニヤリと笑わせた。
『いいねえいいねえ・・・』
知ってか知らずか、2人は同じようにいやらしく笑ってみせた。やる気満々である。
そうやって、平和な時間が1時間ほど流れたその時に、叫び声が響いた。


『ギャーッギャー!』
「な、なんだ!?」
粗末な作りのダイスを振る手を止めて、シレは席を立った。
ただの鳥ではない、この独特の濁りようは・・・
「ヤグードだ、オソワレテイル!」
そう言うが早く、ラッカネンは疾風のように外に出て行った。
「俺たちも、行くぞ!ガッテ」
「おー。久しぶりの本格バトルかなー?」
2人は壁に立てかけてあった武器を右手に引っ掛け、武器も持たない百姓ゴブリンの後を追っていった。



                  →後編へ

696 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:53 [ iM9WV/po ]
「合成の話って、無かったよね・・・あったっけ?」後編(短編)


「んな・・・!」
外に出た瞬間、シレは我が目を疑った。
ヤグードが、血まみれの鳥人が、50メートル程向こうから、死に物狂いでこちらへと走っていた。
・・・数十体ものアンデッドに追われて。
「んー、生態感知でこんなに釣れたんかなー」
パッと見で、幽霊と骨の割合が7:3、骨だけならともかく、今の装備ではとてもじゃないが勝てない。
「これではタスケルまえにコッチがヤラレテシマウぞ!」
圧倒的物量の差に悪態をつき、ラッカネンは地団太を踏んだ。
「くそ・・・」
しかしヤグードの彼は必死に、こちらへと走ってくる。助けを求めて・・・
そんな彼を見捨てる事など出来ようか?いや、自分にはできない。
だがしかし・・・
シレは顔を歪めてうつむいた。
力が足りない。このままではみんなまとめて彼らの集団の仲間入りだ。
トン
突然ガッテが、シレの肩に手を置いた。冒険していた時、余裕があるときの彼の癖だった。
「俺らってさあ、なんで冒険者辞めたんだっけ?」
それは、人間と獣人が殺し合う事に疑問を感じたから。獣人を殺す事なんて出来なかったから。
心の中で、そう思った。
「んでさ。今、目の前で獣人さんが襲われてるよな」
「・・・」
「ところで俺、こんなもの持ってきたんだけど」
目を細めて不適に微笑んで、彼がシレに見せた物は・・・月明かりに輝く聖なる弾丸、『シルバーブレッド』
――破邪の弾丸だった。
「オマエ、んな高いもんを・・・」
いつの間にかシレも、ガッテと同じ顔で微笑んでいた。
血がざわめく、胸が疼く、右腕に力が入る。
勝利への確信、無責任なそれが、心の中に浮かび上がってきた。
「さぁて、行くか相棒!」
「おー」
そのかけ声を合図に、2人は前へと駆け出した。


「骨は俺が全部やるから、幽霊は全部お前がやれ。ガッテ!」
「俺の方が数多いぞこらー」
「気のせいだ!いくぞ!」
柄に添えた左手を強く握り直し、軽くステップを踏む。剣に体重が上手く乗るようにタイミングを合わせて・・・
「うーおらぁ!」
手にした両手剣『ブレイブハート』を力の限り横薙ぎに一閃する。直撃を受けた数体の骨を粉々に粉砕した。
そして横振りの反動で一回転し、余った力に上乗せして、へたり込んでいたヤグードを剣の平らな部分で
後方へ5メートルほど飛ばした。
乱暴だが死ぬよりはマシである。
後ろでうめき声を上げた鳥人を確認すると、シレは近づいて来た骨を軽々と撃退した。
「片っ端から叩き潰してやる!」


「BANG!」
ガッテは丁寧に両手で持った愛銃『マッチロック改俺式』を幽霊の至近距離でぶっぱなした。
銃弾を受けた敵は空中に霧散する。・・・ものの1撃で強敵ゴーストを倒してしまったのだ。
「いいねぇいいねぇ。久々に燃えてきたー」
右からの敵の体当たり攻撃をドッジロールで避け、うつ伏せに滑りながら即座に180度方向転換してロックオン、
「BANG!」
再び彼の銀弾が幽霊を貫く。
横に体を回転させ、見えた的から照準、トリガーを引く。
「BANGBANGBANG!」
寸分狂わない正確な射撃が、少しずつ敵の数を減らしていった。
「あ〜あ、豪勢だねえ。俺」
起き上がって新しい弾薬を詰め直し、ガッテは嬉しい嘆き声を上げた。

697 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:56 [ iM9WV/po ]
ガキン!
真っ直ぐな刃と三日月のように輝く刃がぶつかり合う鋭い音が夜空に響く。
楽な骨は全て粉々にしたが、シレは最後の骨に手間取っていた。
「チッ、コイツだけ別格の強さかよ!」
骨がブキミな笑い声と共に大鎌を振り下ろす。かろうじて後ろに飛んで回避。少し遅れて腕に小さな傷を負う。
重い自分の両手剣に舌打ちしながらも、今度はこちらから必殺の1撃をしかけようとする。
『ブレイブハート』の切っ先が削りとった地面を冷たく凍らせ・・・
「フリーズバイトォ!」
シャキーン
骨が大鎌で受け止めたはずの部分から出現した氷が空間を侵食していって、骨の上半身を覆いつくした。
「やったか!」
そこで油断して手を止めたのがいけなかった。
ケッケッケッケ
不気味な笑い声が聞こえたかと思うと、骨は力任せに体を拘束させていた氷を砕いてしまったのだ。
「んな!」
弾丸のごとく加速された氷が次々とシレに突き刺さる。
「ぐあ・・・」
かろうじて目の部分だけを手で守ると、シレは体中血だらけになり、さっきのように
元気に剣を振るう事はおろか、太腿を貫かれて立ち上がることすらままならなくなった。
ケケケケ・・・
骨がシレに近寄って来、上段に大鎌を構えた。
止めを刺す気だ。
(ああ、もう俺駄目かも・・・)
このまま体を貫かれて、目を大きく開いたまま醜く死ぬ。そんな自分の死に様が目に浮かんだ。
「HOT SHOT!」
不意に飛んできたガッテからの援護射撃が、正確に骨の右肩を粉々にした。
支えを失った大鎌が地面に突き刺さる。
「なにやってんのシレっち。チャンスだぞー」
ガッテの声で呆然としていた自分の精神に鞭を打ち、『ブレイブハート』を杖に立ち上がって
「うおおおおおおおおおおおお!!」
そのまま倒れこむように全力で振り下ろした。
バキバキバキバキ
骨は脳天から真っ二つにされて、荒野の乾いた砂へと崩れ落ちた。
「・・・おわったぁ」
そしてシレも、夜空を仰いで地面にその体を預けた。


翌日、シレが目を覚ますと、彼は自分がウィンダス病院のベッドにいるのを発見した。
ガッテの話によると
あの後、なかなかシレが目を覚まさないのでガッテが近くにいたダルメルを餌付けして
荷物ごとウィンダスまで運んできたらしい。
まあ、もともとガッテのエモノはダルメルだったので、解体して運ぶより効率は良かったのだろう。
一挙両得というやつだ。
だが、退院後(目を覚まして即日)シレがガッテに礼でも言おうかと調理ギルドに足を運んだところ
・・・ガッテがそのダルメルに愛着を持ったらしく
『お兄ちゃん、そいつ殺せない!』
とか訳の分からない電波な事を言っていたので礼を言うのはまたの機会にした。
ちなみにあのヤグードも無事だそうで、ぎこちないながらも何度もお礼を言ってくれたらしい。
とても、とても嬉しい。もっと仲良くなれたらと強く思った。

698 名前: 677 投稿日: 2003/05/13(火) 23:57 [ iM9WV/po ]
「おー、シレっち。お手柄だったみたいだね。さっすが元冒険者ー」
裁縫ギルドに来ると、ニココがシレを出迎えてくれた。
「いや、たいした事してないっすよ。最後は負けたし」
「まーまー、そう照れずにー」
ニハハと笑いながら彼女はオバサンチックに右手を振りながら言った。
「あ、そうそう」
パンッと手を胸の前で叩いた。
「シレっちがねー。逝っちゃってる間に機械直ったよー」
「そっすか・・・」
はあ、と溜息をつく。
また紡いで織ってのルーチンワークが続くかと思うと今更ながら気落ちした。
おつかいばっかりの方が、まだマシな仕事のようにも思えた。
「どしたのー?元気ないねー」
「いや、大丈夫っすよ。でも、今日は疲れたんで明日からってことで・・・」
そう言うと、すぐに後ろを向いてギルドを後にしようとした。
「えー、折角元気の出る事教えてあげようと思ったのに」
妖しく彼女が笑った。その顔は見えなかったが、なんだか、ホントにいい事のような気がした。
電波がそう言っている。
クルっと半回転して元の場所に戻る。
「なんでしょ」
もしかしてもしかすると、アレか?アレ。ずっと待ってた・・・
「でも疲れたんでしょ?明日でもいいよー」
「いや、今教えてくれれば疲れなんて吹き跳ぶかもです」
心臓がバクバクしてきた。こんな心地は生まれて初めてかもしれない。脳の血管も脈動している。
「んじゃ言うよー」
「どぞ」
動悸が、さらに激しく、まるで受験結果を見に行く浪人生のように高鳴る。
そして彼女は口を開いた。
「シレ君。あなたには針を持つ資格が本日から与えられました」
 そう言うと彼女は後ろ手に持っていた木製の箱を前に出して見せた。
流れるように美しい木目で、上品な書体の金文字で『Weaver's Guild』と書かれた
大き目のランチボックスくらいの大きさの、職人専用、素人には持てないウィンダス認定特性裁縫箱。
それが今、自分のものになろうとしている。
「そしてもう一つ、君に徒弟昇格試験を与えます。『裁縫』というものを基礎から応用まで
 バシバシ頭に入れて、バシバシ練習して、再来週までにコットンケープを仕上げてマスターへ
 持って行ってください。合格なら徒弟に認定されます」
「マジっすか!」
「マジっす」
「キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」(/shout)
数ヶ月溜まった彼のフラストレーションの爆発が、森の区だけでなくウィンダス全域へと広がった。
「まだ疲れてる?」
彼女は悪戯っぽく微笑んだ。
「いや、ピンピンっすよ!」
「それじゃあ、現時刻をもってシレっちに素材倉庫の使用を許可します。ついてきてー」
彼女は小さなバスガイドのように、シレを職人以外立ち入り禁止の倉庫へと、案内した。


「あ、コレ、全部俺が作ったものじゃあ・・・」
魔法の光で照らされた、少し暗い倉庫の中に、自分の名前が書いてあるスペースを発見した。
『Sylecchi』・・・と
チョットマテ、というツッコミはまた今度ゆっくりと話そう。
「そうだよ。シレっちがギルドに入ってきてからずーっと作ってきた布や糸をここに貯めてたの。
 君がこの箱を受け取る日までへこたれない事を信じてね」
我が子を見る母親の笑顔のそれのように、彼女は柔らかに笑った。
「俺、てっきり他の人達が使ってたとばっかり・・・」
「服っていうのはね、いや、物を作るって言うのは、1から全部自分で作っていかないと、
 やるぞーって気がでないの。他の誰かが作ったものを使うとなんだか冷たく感じちゃってね。
 いいものが出来ない。
 だからどんなに職人としての格が上がってもみんな、草布でも何でも自分で作ることから始めるの
 これがウィンダスの伝統的な裁縫の基本だよ」
(そうだったのか・・・)
正直、今まで妬んでいた自分が恥ずかしくなった。バカだなあ、と思った。
「だからシレっち、これからも基本を忘れずにガンバってね」
「あい!がんばりやす!」
「いい返事だね。いつかきっと君も人気者だよ!うん」

 1年後、彼は初めて出来た彼女にプレゼントをする
    宝石の指輪ほど高価で綺麗なものではなかったけれど
       彼が精一杯努力して作った、世界に唯一つの物だった。



               【ふぃにっしゅ】


     ああ、なんか途中でダッセンシチャッターヨ。
     全部合成の話にしたかったのにw
                     (  ´  -  `  )ブンショウヘタデゴメンネ

699 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 05:20 [ f4cScjd2 ]
>>騎士手紙
戦闘シーンが迫力あった・・・ロック・ユー思い出しちゃったよ。

700 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 06:14 [ Il3x/4rk ]
>>677

言えることはただ一つ!

面白すぎwww最高傑作だねwwwwwwww

マジで面白かったよ。次の作品が待ち遠しいよ。

>『お兄ちゃん、そいつ殺せない!』
禿ワロタ

701 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 08:14 [ /lERsCcY ]
>>677
いやぁグッジョブ! 面白かった!
朝っぱらから和ませていただきました

>『Sylecchi』・・・と
>チョットマテ、というツッコミはまた今度ゆっくりと話そう。
ツボ入ったよ(藁

702 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 08:45 [ 9FDxQBl6 ]
激しくフィックを思い出したが違うか。
きっと仲良くなれるよ。

ところでヤグたんセリフなかったのね。

703 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 09:10 [ j.upT3WE ]
最近...話を書く人のLvが高いですのぉ......ここを覗くのが日課になってます。
FFやるよりこっち読むほうが面白いよ(涙)

「合成話」所々にチリバメられてるタネにクスリとしてしまいました。
「翠の国〜」待ってました!読みに行きます!

704 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 09:12 [ xmoA.36I ]
白き探求者キター(゚∀゚)!

<< 読後 >>

オオーオオオオー・゜・(ノД`)・゜・。

次回から、ジェイクが「白き探求者」を回想する
新番組『サブリガ忍者赤影』が始まります!!
とかにならないよね?ね?!

705 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 09:13 [ sW2kfRpg ]
>>699
同じく、ロック・ユー思い出したよ。
アレ結構よかったよね。

706 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 09:45 [ 3oTkRYxU ]
>>677
こういう獣人とフレンドリーな話が読んでみたかったんでつ。
しかも漏れは調理60のハゲヒュムなんでもう・・・もう・・・
ウホッ(*`д´*)超いい話!続編とかないの・・か・・な・・

707 名前: 予告編? 投稿日: 2003/05/14(水) 11:52 [ UV3Si.LQ ]
「暗黒騎士の力はね、憎しみの力なのよ」
「ブライアンさんを殺した獣人への憎しみ・・・ですか?」
「・・・違うわね。敵への憎しみというのは、すべての人、獣人にすら共通する感情よ」
「自分自身への憎悪よ。自分を憎み、自分を呪った者が暗黒の力に墜ちて暗黒騎士になる。それが暗黒騎士
 の業であり、力の代償よ」

708 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 20:30 [ 0qKyfWSI ]
>>677
あ〜イイ……獣人スキスキの俺にとって、アンタは神だ。
脱線したっつっても全体的にキリっとまとまってていいな。

709 名前: 野を渡る風・作者 投稿日: 2003/05/14(水) 21:01 [ KFFr1zvQ ]
ごめんなさい。
元々遅筆なのもあるけど、殺人的な忙しさで書くの遅れてます。
しかもこの状態があと一ヶ月は続きそう…。

【冒険への誘い編】
クエストなどは出来る限りネタバレを避けるつもりではありますし、
自分なりの解釈で手を加えたりしますので、クリアの手がかりにはなりません。
ついでに、天晶堂の店員を締め上げたりしても刀の原産地の情報は得られませんので悪しからず。


常連さんの連載、いつも楽しみにしてます。
たまにUPされてたりすると、キターーーーーって感じで。

>>677
結論が出た。
覆された。

会社で噴きそうになったヨ。

710 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/14(水) 21:36 [ rDlc3xR6 ]
ageeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee

ときます

711 名前: 677 投稿日: 2003/05/15(木) 00:26 [ 6gMgQIGs ]
ども
みんなのお褒めの言葉、かなり嬉しいっす。

>>702
ホントごめんなさい。
最初は喋らせたかったけどなんか話入れたら長ったらしくなるかなぁと思ってやめました
文章スキルが全然足りません。スキル上げしてきます。

>>706
続編は・・・短編なんで無いです。申し訳ない

また今度、別物をちびちび書いてUPするかも知れんのでそん時は皆さんヨロシクっす。

712 名前: じゃあ飛空挺の話でも〜1 投稿日: 2003/05/15(木) 02:41 [ KbgRY1yM ]
俺はクォン大陸で右に出るものなし、と謳われる、バストゥークの飛空挺操舵士だ。
――と自分では思っている。あいまいな言い方になるのは俺達には腕を競いあう機会がないのだ。
せいぜい時間に正確であるとか、如何に着水を綺麗に決めるかといったものであり、
最高速を目指したり、他の飛空挺との空戦などやろうものなら、クビになった挙句、
牢屋で一生を過ごすことになりかねない。
・・・とは言ってもこの船に襲い掛かってくるモンスターは存在しないし、
大掛かりな兵装もない、なにより最も肝心なのは飛空挺の詳しいメカニズムが
ごく限られた人間にしか知られていない事だ。俺も上層部へ情報公開の要求をしてはいるが
多分無駄だろう。もしかしたら彼らにも知らされていないのかもしれない。

親の跡を継いで商人になるのを拒み、血の滲む努力の末に辿り着いた大空を飛ぶ資格。
しかし、気が付いてみればパイロットとしてではなく、只の運び屋として商人達の仕事の一角を
担っている自分に嫌気が差す。それでも空にいれば小さなしがらみ全て忘れることが出来た。
「空で死ねればいい。」漠然とそんなことを考えながら今日も舵を握る。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・

「おい、モンスターだ!・・・ドラゴン!?うわ、うわぁ!」
誰かが叫んだのとほぼ同時に衝撃が船を揺らす。耳をつんざく咆哮。甲板に冒険者が飛び出す。
(腕が立つのは10人位?互角・・・いやそれでもこっちが不利かもしれない 戦うのか、それとも
 逃げるのか、どうする、どうすればいい?)思案を巡らせながら、バランスを崩した船を立て直すために
必死で舵を取る。その時だった。
「てぁーーっ!」
真っ先にタルタルの戦士が切りかかっていく、しかし猛り狂うドラゴンの腕にあっさりと振り払われると
壁に叩きつけられ、気を失った。
「・・・・・・・・・・・・・」
両者に一瞬の間、しかしそれに触発された数人がドラゴン目掛けて走り出した。
同時にドラゴンもブレスを吐き出して応戦しようとする。エルヴァーンのナイトであろう男が
一歩前に出て盾でブレスを凌ぐ、その隙に両手武器を持ったガルカとヒュームが両脇から飛び出し、
渾身の力で一撃を繰り出す。魔道士達は初撃にやられた者達の治療と前衛たちの補助をする魔法を放つ。
戦いはほぼ互角だ。しかし、長時間の戦いにこの飛空挺が持つかどうか、いや、確実に決着の前にこの船が
砕け散るだろう。背筋に凍りつくような恐怖を感じる。しかしそれと同時に自身に問い掛ける声。
「何を迷ってる?お前はこんなヒリつくような緊張感が欲しかったんじゃなかったのか?」
答えはまるで最初からそこにあったかのように、
―そうだ、俺はパイロットだからな!冒険者だろうがモンスターだろうが空で好き勝手できると思うなよ!
「おい!その化け物を甲板からどかせるんだ!一瞬でいい、あとは俺がなんとかする!」
言葉にして叫ぶ。冒険者達の目が一瞬こちらに向けられるが次の瞬間、彼らは手はずを整えようと
動き出していた。もう後戻りは出来ない。いいや、かまわないさ、
これは俺の・・・そう、決意表明みたいなものだから。

713 名前: じゃあ飛空挺の話でも〜2 投稿日: 2003/05/15(木) 02:46 [ KbgRY1yM ]
前線で戦っている冒険者の一人が掛け声とともに技を放つ、それを合図に他の前衛も
それぞれの必殺技を叩き込み、魔道士たちは魔法の詠唱を開始する。俺はそれを見ながら手に滲む汗を拭い、
しっかりと舵を握りなおす。事態の切迫とは裏腹に急激に冷めていく頭。
「大丈夫だ、こんなこと頭の中では何回もやってきた。俺の腕を、証明してみせる・・・!」
誰に言うわけでもない呟き、そこには既に他人への思いやり、誰かを救いたいなどという
感情は含まれてはいない。飛空挺を操ることだけに全てをかけるプロフェッショナルな自分。
それに驚くと同時に、俺は、ある種の心地よさを見出してさえいる。

その瞬間、ドラゴンの体が大きな魔力の奔流に飲み込まれ、
その巨体が僅かに船の外へ押し出される。――今だ!
「何かに掴まれ!振り落とされるな!!」
舵に全体重を乗せ、一気に船を旋回させる。無茶な機動にギシギシと悲鳴をあげる飛空挺。
(ちょっと痛いかもしれないけど・・・我慢しろよ相棒・・・!)
急激な方向転換、失速は最小限に抑えた。ドラゴンはまだ満足に体勢を整えきれてはいない。
「よし!今のうちに振り切るぞ!」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・

「ぉぃ・・・おい・・・おいってば!」
隣で大声を出す仲間にようやく気が付く。
「んあ?」
「んあ?じゃねーよ、また下らない妄想に耽ってたのか?飽きないねぇお前も」
「失敬だな君も、非常事態に備えてのシミュレーションをしていると言え」
「わぁったわぁった、んじゃ妄想熱心な所悪いが、もう少しで我が家だ、ボサっとしてるなよ?」
言い返したいことは山ほどあったがとりあえず手元の通信用パールに手を伸ばす。
「飛空挺233号からバストゥーク管制へ、もうすぐアプローチだ よろしく頼む」
「おつかれさまです。こちらバストゥーク管制、了解です」
「ねぇ、これ終わったら羊でご飯でもどうかな?」
「え?・・・もうすぐ朝ですよ、どこのお店も閉まってると思います。」
「え、あ、あれ!?」
辺りを見回してみるとコンシュタットの山間が薄紫色に染まっている。ついでにさっきの仲間が
腹をかかえて爆笑しているのが目に入った。どうやら夜明けが近いみたいだ。
まったく、俺としたことが時を忘れて妄想に耽り過ぎた、不覚である。
「ご、ごめん・・・」
「クスクス・・・まぁ、夜ならかまいませんけど?」
「え?本当!?俺今日非番だからさ!えーと、えーと!」
「ハイ、噴水前でまってますから」
「OッKーッ!」


飛空挺が港に差し掛かり、歓迎の意を示すように跳ね橋が上がる。海面が朝日を跳ね返し輝く様は、
主の帰りを待つ純白のシーツのように美しい。ここに綺麗なダイブを決めればそれはもう最高の気分さ。
俺はもう一度深呼吸をし、ふたたび着水点に目をやる。
「ようしっ、見てろよ!」
とは言ってみてもギャラリーなんてせいぜい早起きの老夫婦と鳥たちくらいのものだ。
それを見て苦笑しながら心の中で思う。

「かまわないさ、たとえ戦いや争いの中にコイツがいなくても、」

飛空挺が中空にゆるやかなラインを描き、海面に独特のシルエットが映し出される。

「俺はきっと、空を裏切ることはないから・・・・・・・」

音を立てて、船腹が海面を撫でる。磯の香りをはらんだしぶきが舞い上がり、
それは朝の光と相まって幻想的な輝きを生み出す。
この光と香りが港に行き渡りれば、すぐに新しい一日の幕開けだ。
今日もバストゥークの朝が、ゆっくりと動き始めた。

714 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 06:19 [ 1FsG0HM6 ]
いいよ〜いいよ〜、こういうの好きだわ

715 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 08:13 [ g7XE3Lnk ]
(・∀・)スゴクイイ!!

716 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 08:27 [ 7sAxeplQ ]
age

717 名前: 記憶の欠片(遅い朝食1) 投稿日: 2003/05/15(木) 12:12 [ c32lYXPY ]

バストゥーク居住区...リコルの家:客用寝室
窓から射す太陽の光でバンは目が覚めた。
光の強さからすると...結構昼に近いのかもしれない。
バンはベットから体を起こすと時計を探して、周囲を見渡した。
昨夜は気づかなかったが寝室の壁にたくさん写真が張られている。

幼い頃のリコル兄妹、家族揃っての演奏会、幸福な家族写真の中で...
色褪せてセピア色になった写真があった、かなり古いものなのだろう。
若かりし頃のローウェンと思われる男性が、たくさんの冒険者と肩を組んで
いる。色あせた写真の中の冒険者達は...強ばった笑顔を向けている。

セピア色の写真の中で、1枚だけとびきり笑顔の写真。
昨夜、客間でバンを見つけたときのローウェンの笑顔がそのままあった。
緊張感が漂う古い写真の中、その写真だけ不思議な程生活感があり、異質だ。
ローウェンと一緒に映っている人物をよく見ようと写真に近づいたとき

窓の外からリコル親子の声が聞こえた。
バンは寝過ごしていることを思いだし、顔を洗って...外に出た。


バンが思っていたより、太陽はかなり高い位置にあった。
渇いた風の中の太陽の光は強く、起き抜けの目に白い石壁が眩しい。
手を目の上にかざし、光を遮りながら家の前の広場を見渡した。
ローウェンは手を挙げてバンに挨拶をした。バンも会釈で返す。

ローウェンとリコルの兄の姿、リコルの笑い声は聞こえるが...姿は
見えない。不思議そうな顔をしているバンの近くでリコルの声が聞こえた。
「ね、見てて」
いきなり、何もないバンの側から色とりどりの音符が現れる。
驚くバンの周囲を音符がぐるぐる回り始めた。
「いい加減にしろよ、バンが驚いてるじゃないか」
リコルの兄(ルカルドというらしい)が諌めた。

「おはよう、単に姿を隠す魔法をかけた状態で詩っているだけだよ」と
ルカルドが説明をしてくれた。
「兄様、タネを明かしちゃつまらないじゃない!」
丁度魔法が切れたのだろう、リコルが姿を現した。

「朝飯にでもするかい?」ローウェンはバンに声をかけた。
「パンケーキの準備してくるから」とリコルは台所に引っ込んだ。
「私達もお茶にしよう」ローウェンはルカルドにも声をかけ、家の中に
入っていった。

718 名前: 記憶の欠片(遅い朝食2) 投稿日: 2003/05/15(木) 12:12 [ c32lYXPY ]

リコルの叔父は店に出ているそうだ。さすがに昼間から店を空ける
訳にもいかないのだろう。母親も店の手伝いをしているとのこと。

ほどなくして、パンケーキとティーポットと人数分のティーカップを
乗せたトレイがテーブルに置かれた。
「ごめん...火が強すぎた」とリコルがしょんぼりしてパンケーキを
バンに差し出した。確かに...かなり香ばしい香りがしている。

ルカルドが「だから母様に焼いておいてもらえって言ったんだ」と呟く。
「だって焼いたもの温め直すと美味しくないじゃない!」とリコル。
「お前が焼くよりは美味しいだろ」ルカルドの指摘は容赦がない。

バンはパンケーキに蜂蜜を塗り、半分に折ってオムレツの様にして口に
放り込んだ。ちょっぴり焦げくさいが...香ばしい香りがたっぷりの蜂蜜
に丁度良い。兄妹にパンケーキの味が悪くないことを報告する。
ローウェンは兄妹喧嘩はいつものこと...とばかり煙草を取り出した。

「父様!煙草は喉に良くないってあれほど」
兄にやりこめられていたリコルはめざとく、父親の煙草を見つけだす。
「母さんと同じこと言うなよ...」とローウェンは自分のティーカップに
お茶を注ぐとカップを持って窓際の椅子に座る。
定位置なのだろう窓際の椅子の側には、灰皿とカップが置ける程の
小さな丸テーブルが添えられていた。
「煙の臭いが着かないように努力しているのに...」と呟きが聞こえる。


ローウェンはバンの食べっぷりを観察しながら、嬉しそうに目を細め
ゆったりと紫煙を燻らせている。バンは最後のパンケーキを口に放り込んだ。
バンがお茶を飲みほし、リコルは皆のティーカップにお茶を注いでまわる。

リコルが席についたのを見て、ローウェンは大きく煙を吐き出した。
「これから昔話を聞いてもらおう...子供達にも詳しく話をしていないから
ちょっと、長くなるかもしれない」

「私は話上手ではないから、たいくつだったら.....寝てていい」
ローウェンはにやりと笑って、煙草の火を消した。

---つづく---

719 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 19:44 [ N436ykg. ]
さがりすぎ

720 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 22:23 [ i0cZVTVM ]
昨日このスレを発見して思わず書いちゃいました
暇つぶしにでもなれば幸いです

721 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 22:26 [ i0cZVTVM ]
吟遊詩人は歌う
10年前の物語を
吟遊詩人は歌う
6人の英雄の歌を

その酒場は喧噪で溢れていた
そこに父親を迎えに来た少年がいた

母親に父を連れ戻せと頼まれた少年は
その酒場に着いたとたんある詩に引き寄せられる

それは吟遊詩人が歌う詩・・・
それは、10年前の物語・・・

722 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/15(木) 22:28 [ i0cZVTVM ]
〜〜〜レイス〜〜〜

霧が立ちこめる夜明けのロンフォールの森
そこを一人のエルヴァーンの青年が歩いていた

ボーンハーネスと呼ばれる鎧を着て
腰には一降りの片手剣
身なりからすれば冒険者だということは誰にでも判る

黙々と歩いていた青年は
ふと足を止める

彼の目線の先には倒れ伏した獣人
オークの姿があった
おそらく冒険者にやられたのであろう
剣による傷が体中にある

近づいて見てみるとオークの死体は一つだけではなかった
中には体中を焼かれ死んでいるオークの死体もある
もしかしたら冒険者は一人ではなかったのかもしれない

モンクの格好をしたオーク
黒魔道士の姿をしたオーク
そして最後にこれと言って特徴のないオークの死体

彼は首を捻る
確かこいつはオーキシュアクスと呼ばれる
斧を持った戦士だったはず

「冒険者が奪っていったのか・・・」
よく見ると何故かオークやゴブリン等
獣人達が持っている人間達の一般通貨
ギルの入った腰袋もなくなっている

「・・・ガッ・・・アァッ」
彼の呟きに反応したのか
モンクの姿をしたオークの死体が動いた
どうやらこいつを倒した冒険者は
息の根を止めずに立ち去ったらしい
最近こういうのが増えている

「まだ生きているとは大した生命力だな」
状況を見ても時間を考えても
このオーク達がついさっき倒されたとは思えない
恐らく先日の夜にでも倒され
今まで苦しみながら生死の境を彷徨っていたのだろう
もっとも、このままでは行き着く先は
決まっているだろうが

「・・グウゥ・・忌々シイアルタナノ手先共メ・・・」
絞り出すようにオークは青年に向けて言う
言葉を操れる獣人は(決して多くはないが)少なくない
このオークも言葉を喋れるようだ
そのまま何とか立ち上がろうとするが
腕が折れている様でそれも出来ずにまた転がった
「コノママデ済ムト思ウナヨ!オ前達ハ必ズ我等ガ殺シテヤル!」
青年に言い放ち、オークは何とか立ち上がろうともがいている

「黙れ」
青年は腰の剣を抜いた
「お前等が俺達を殺す?」
そのまま剣を静かに振り上げ、


「俺がお前等を殺すんだよ」


そのまま剣を一気に振り下ろす

グシュッッ!!
決して気味のいい音とは言えない音が森の中に響く
朝のさえずりを楽しんでいた鳥たちが一斉に飛び立っていった

森の中を奇妙な静寂が包む


暫く青年はオークに剣を突き立てたまま動かなかったが
朝日が完全に昇り
日差しが今度こそ息の絶えたオークの顔を照らすと
ふと我に返り突き立てた剣を抜いた

そのまま剣を腰に戻すと
また黙って歩き始めた


復讐
それが青年の、
レイスの目的だった

                            そのうち続く

723 名前: カルマ 投稿日: 2003/05/16(金) 01:21 [ Mlk1p2xI ]


5th Ice Moon



盗みを働くとき、ディオが必ず考えることがある。
それは、見たことのない両親が遺した品の中にあった絵本で見た言葉だった。


『アルタナ様は、5つの涙を零し、そこから5種の人をお造りになられました。
 そして、生まれた人々にこう言ったのです。

    −あなた達は姿形、能力は違えど平等な存在です。
                こうして、ヴァナ・ディールの大地に息づく者なのだから−    』

(あんなのウソだ。
 だって、私だけ村から追い出されて一人でジャングルに暮らしてる。 あるたな様は詐欺師なんだ……)


干し肉とぼそぼそしたパンを囓りながらディオは夜空を見上げた。
今日は氷曜日の満月。
月が蒼い。

全てが平等だと言うのならこの世界は何故争いが起きているのだろう。
両親はクリスタル戦争と呼ばれる争いで死んだと聞いた。
自分を、カザムを守るためと言い残して戦場に向かったとも…
ふと、泣きそうになっている自分に気付いて否定するかの様に首を横に振った。

どっちにしろ、だ。

今自分は独り。
村では嫌われている。
今まで生きる上で必要なこと(狩りのこと、ジャングルの生き物のこと)を教えてくれた族長は、
それは自分が「禁忌」の子だからと言っていた。
そんなの私には関係ない。 でも、もう村には居られない。

私は生きていくしかない。


粗末な食事を終えると、ディオは残った食料をいつもの場所へ隠しに行った。

ユタンガから僅かばかり、カザムからは遠くはなれたヨアトルジャングルのある場所。
そこは、ディオの一番好きな場所でもあった。 不思議な音を立てて、光り輝く謎の場所。
初めて見つけた時、思わず手をかざしたら不思議な宝石が取れた場所。  ……後に、テレポイントと呼ばれることとなる場所。
その光を囲む様に立っている岩に穴を開けてある。 ここなら、カザムの狩人やライバルのゴブリンに食料を見つけられることは無い。

食料を岩にしまって、ディオはふと、思いついた。
ここなら生い茂る緑も途切れている。
さっきは葉っぱに隠れていた月がちゃんと見えるかもしれない。

思いついたらすぐにやる。 そう呟きながら彼女はオポオポのチリリと岩によじ登った。

「よいしょ・・・・っと。
 ね、チリリ。 今日はお月様キレイじゃない?」
「オポポ!」
「だよねー。 なんかこの光と似た色だよね。
 これ、なんていうのかな……」
「オポポポオポ!」
「やっぱり分かんないよね。 ま、いっか。 今日はねぐらにもどって寝よ♪」
「オポオポ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^
サボってしまったー!(叫
やばいです。 ラストシーンだけもう完成しかけてます。
これから本格的なストーリーです。…ってぉぃ

…
このスレ住人の皆様にお願いがあります。
次話にヒュム♂が出るのですが、名前が思いつかないんですf(-_-;)
日本語っぽくない名前を思いついた方、キャラ名を提供して下さる方募集します゚・(ノД`)・゚・
抽選なので、レス下さい。        (というか、こんなことして良いのか・・・?

724 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 03:09 [ IceOmusc ]
吟遊詩人は歌う
10年前の歌を
吟遊詩人は歌う
6人の英雄の歌を

周りにいた男達から何かを言われた気もするが
少年にはそんなことどうでもよかった

少年は立ちつくしたまま
詩人の歌に聴き惚れる

それは吟遊詩人が歌う詩・・・
それは、10年前の物語・・・

725 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 03:12 [ IceOmusc ]
〜〜〜レミ〜〜〜


「はあ、やっぱり無茶だったかなぁ・・・」
ヒュームの少女はそう呟くと木の陰から顔を出す
そこにはゴブリン達が何かを探しているらしく
うろうろと言ったり来たりしている

「もしこのまま夜になったりしたら・・・」
顔を引っ込めて少女、レミは呟く
今は昼間だから夜行性のゴブリン達の視野はそんなには広くない
しかし夜になればそれは一変し、こんな所に隠れているのなど
すぐに見つかってしまうだろう
恐ろしい映像が少女の頭をよぎり
少女は頭を振ってその考えをかき消した

「このままじゃデオードもそのうち切れちゃう」
やはり単身バルクルム砂丘に挑むのは無理だったのだろうか

レミの頭に遠いバストゥークの光景がよぎる
優しかった両親
仲の良い友達
いつも自分に意地悪をしてきた幼なじみ

レミは11歳の時、冒険者になることを決意した(と言っても3週間前なのだが)
はっきり言って異例の早さである
それから2週間の間はグスタベルグで
地道に冒険をしていた
しかし1週間前「冒険者なんだからもっときちんと冒険をしなきゃ」
などと思ったのがいけなかった
そして冒険の目的を
”遠い北の地、サンドリアに行く”
と、決めてしまったのも良くなかった
バストゥークに、そして自分の家に居ると少し辛い気持ちになっていたのもあるが、
一度決めたら貫き通す性格がここまで裏目に出たのは初めてだった

バルクルムに着いた当所は良かった
暑さはこたえたものの、これといった障害もなく順調に旅をしていられた
グスタベルグで見慣れた、しかし少し違うトカゲ達を見て
環境の違いを実感したりした
途中にある洞窟に”砂コウモリ”と呼ばれる
やたら好戦的なコウモリがいると聞いていたが、
何故かそれもいなかった

しかし持っている真新しい地図を開いて
ラテーヌ高原への道を調べている時に不幸は起こった

目の前を1匹のゴブリンが通り過ぎていった

どうやらこちらには気付いていない模様
あまりの出来事にしばし呆然としていたが
すぐに我に返り気付かれないうちに逃げようとした
だが、慌てていて・・・

転んだ

思いっきり


もちろん気付かれないはずもなく、そのまま命を賭けた追い駆けっこが始まった

10分程全力疾走し、期待を込め後ろを振り向いた
だが、
「増えてる!」
何故か3匹いた

レミは死にものぐるいで走ったが差は縮まらないかわりに開きもしない
そんな時やっとアルタナの女神はレミに微笑んだ

ゴブリン達がレミを見失ったのだ!

昼間でよく目の見えないゴブリン達はレミの臭いで今まで追って来ていた
そしてレミは事前に臭いを消すデオード、という魔法をかけていた
最近覚えたこの魔法は元は野宿で風呂に入れなかった時、
体の臭いを消すために覚えたものだ
というよりそれが正しい使い方だと信じていた(今も信じている)

そして木の陰に身を隠しゴブリンがうろついているため
出るに出られない状況がもう1時間も続き・・・
・・・今に至る

726 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 03:14 [ IceOmusc ]
「お願いだから早くどこかに行って・・・」
今日何度目かの言葉を静かに言った
大きな声で言えないのが情けないが、
言ったらどうなるのかは解っていたので静かに言う

「#$&%¥*!!!」
ゴブリン達が理解不能な大声を出して勢いよく立ち去っていく

「・・・・・・・・・・・・・・え?・・・」
状況が解らずに立ちつくす

しかし、
(もしかしたらこれが最後のチャンスかもしれない!)
その思いがレミの体を動かしていた

木の陰から顔を出す
よし、いない
一気に走り出した
ラテーヌまでの道はもう頭に入っている
このまま真っ直ぐ走っていけば平気なはずだ


ふと、レミの目の端に奇妙なものが映る
そしてそれをきちんと認識した途端レミの背中を冷や汗が伝う
そうだ、どこの世界に勢いよく立ち去ってくれるゴブリンがいる(いるのかもしれないが。世界は広いし)

彼等は新たな獲物を見つけて、
それで走って行ったのだ

ゴブリン達と戦っているのはガルカの・・・
恐らくモンクだろう
百裂拳と呼ばれる筋肉を一時的に活性化させ、乱撃を行うアビリティーを使っている
彼はそれなりに経験を踏んでいるのだろう、
強い

 1匹目のゴブリンが地に沈んだ

しかし同時に3匹の相手は辛いようで
避けきれずに体のあちこちに切り傷がついている



自分は何をしているのだろうか?
自分が連れてきたゴブリンが人を襲っているのに・・・
自分は見ているだけ?
これでは何のための・・・

 何 の た め の 白 魔 道 士 だ !

この状況で癒しの魔法、ケアルを使えばどうなるかは解る
恐らく怒り狂ったゴブリン達は自分を殺しにやって来るだろう

(でも、これが白魔道士の仕事だから・・・)


 2匹目のゴブリンが地に沈んだ
ガルカのモンクは既に傷だらけの状態だ
そして彼が3匹目に向き直ろうとした瞬間

ゴブリンの斧が彼の脇腹に突き刺さる

(!)
それを見たとたんにレミは呪文の詠唱をはじめていた
ゆっくりとガルカのモンクは崩れ落ちる

(間に合え!)

「ケアル�供�!」
彼の体が光に包まれる
脇腹に出来た深い傷が徐々に治っていく
彼もそしてゴブリンもそれを不思議そうな顔で見ていた

唐突にゴブリンがレミの方を向く
その目には明らかな殺意が
どうやら何が起こったのかは理解したらしい
その目を見ながらレミは思う

(私はもう・・・)

ゴブリンがこちらに体ごと向き直る

(逃げない)

ゴブリンがこちらに走り寄ろうとした瞬間・・・
「コンボォォォ!!!」
起き上がったガルカモンクが叫んだ
彼の拳が・・・命中!
次いでまた拳を打ちこむ
そして蹴りを放つ!
合計3発の攻撃を喰らい、

 3匹目のゴブリンが地に沈んだ


その後、モンクの傷を癒して事情を説明した
自分があのゴブリンを連れてきたこと
最初から見ていたが何も出来なかったこと
そして何度も謝った

するとガルカは
「ごめんなさい、よりも、ありがとう、が聞きたいな」
と言った。そして、
「ケアル、ありがとう。助かった」
とも言った
レミは泣きながら何度も”ありがとう”を言った


ガルカは、セルビナに行くとのことでその場で別れた
送っていくと言ってくれたのを断り
いつしか夕暮れになったバルクルムを
一人歩いていった・・・

727 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 03:20 [ IceOmusc ]
あ、そのうち続きます

728 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 03:35 [ J//43/ZQ ]
>723
Σ(・ω・ノ)ノ!

名前…日本語っぽくないって、どんなだろう?
とりあえず3通り

少年=ラテル
青年=アゼル
中年=グレン

729 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 06:14 [ rl3WWx3c ]
>723
空に奏でる〜のタルがオポオポになっている…��(゚Д゚;)

730 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 08:56 [ E9U7lrAw ]
ΘωΘ)ノシ オポオポ!

ヒュム・・・ヒュム
ヨシュア
ナバル
ギルツ
とか、提案してみる。

731 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 10:49 [ TSchWzCM ]
〜〜〜番外編〜〜〜


「どうしたんだ?やけに嬉しそうじゃないか」
セルビナからマウラに向かう船の上で小柄なガルカがもう一人のガルカに話しかけていた
「いや・・・まあな」
モンクの格好をしたガルカがそれに答える
「何だよ、何かあったのか?」
「セルビナに着く前にゴブリン共に絡まれたって言ったよな」
「ああ、血だらけで来たときにはびっくりしたよ。まあ怪我は治ってたけどな」
「その時に助けてもらったヒュームの女の子、まだほんの小さな子供だったんだけどな・・・」
「そんな子供がバルクルムに?冒険者か?」
「ああ、なんでそんなことをやってんのかは知らないが・・・白魔道士だったんだが」
「その子に怪我を治して貰ったのか?」
「ああ、そうだ」
ガルカモンクは頷いた
小柄なガルカも頷いた
「それがそんなに嬉しかった、と。・・・お前ロリコンだったのか・・・」
「いや、違うって」
失笑しながら言う
「じゃあ何だ?」
「怪我を治して貰った後に少しだけ、ホントに少しなんだが話をしたんだ」
小柄なガルカは頷いた
「それがそんなに嬉しかった、と。お前ロリコン決定」
「だから違うって」
「じゃあ何だ?」
「その子と話をしていた時にあることを思い出してな。それが嬉しかった」
「はぁ?」
「お、そろそろマウラに着くようだ。降りる準備をしよう」
「へ?あ、おう」

「マウラに到着しました!!」

「なあ、覚えているか?」
切符を返し、マウラにはいる
「何をだ?」
「かなり昔、まだ俺とお前が組んで間もない頃。
 クウダフ共に囲まれてお互い死にそうになったことがあったよな」
マウラを歩きながら話す
「あったか?そんなこと」
「あったよ。それでお前がアルタナの女神様に助けを、
 女神の祝福って言うんだっけ?貰って二人とも助かった」
「さぁすが俺!」
「でもお前ボコボコ」
「そりゃそうだ。あの技は危険だからな」
「それでクウダフ共を倒した後に俺が言ったんだ、
 
 そんな技を使わせてごめん
 
 て・・・。そしたらお前なんて言ったと思う?」
「覚えてない」
「その時お前はな・・・おっと、すまん」
一人のミスラと肩がぶつかり謝る
「俺がなんて言ったんだ?」
「そうそう、お前がな、言ったんだよ
 
 使わせてごめん、じゃなくて使ってくれてありがとう、だろ

 ってな」
「ほう、そんなことを」
「お前が言ったんだぞ?」
「全く記憶にございません」
「お前らしいよ」
「あ、ちょっと雑貨屋行って来る」
「分かった、ここで待ってるよ」
ガルカ白は走って行く

「ごめんなさいよりありがとう・・・か。言ってから気付いたよ」
空を見る
今日は天気がいい
よく晴れている
視線を戻す
「俺もすっかりお前色だな・・・」

走って行く小柄なガルカを見ながらそう呟いた

                            これはもう続きません

732 名前: 712 投稿日: 2003/05/16(金) 11:33 [ 98GopHuk ]
ども飛空挺の話を書いた712です。レスくれた方、読んでくれた方
ありがとうございます。初めての作品で細かいミスや稚拙なところも多いですが
あえてここでは訂正しません。脳内で補完よろ。

んで、調子にのって2作目です。今回は正統派?の冒険者の話、短編です。

733 名前: じゃあ出来損ないの騎士のはなしでも 投稿日: 2003/05/16(金) 11:35 [ 98GopHuk ]
「ちょっと!あなた、それでもナイトなの!?」
「君は何か勘違いをしている。・・・誰かを・・・」
・・・・・
・・・
・

「まったく!何なのかしらアイツは!命がいくらあっても足りないじゃない!」
サンドリア港の酒場の喧騒、その中に一際大きく響く声でヒュームの女性冒険者が叫ぶ。
なだめるようにヒュームの男、その風体から戦士であることが見て取れる。
「まぁまぁ、落ち着きなよ、一応皆無事で済んだわけだし、彼だって・・・」
「でも!・・・君が助けてくれなかったら、私はもうココにいなかったかもしれないよ!?」
「それはそうかもしれないけど・・・」
その間に入るように一人のミスラが口を挟む。
「でもあの時、彼は私達を守るので精一杯だったにゃ。確かに何を考えてるのか分からない所は
 あるけど、しっかりするべきところはしっかりしてるし、きっと根はいい奴にゃ」
カップを口から離し、同意の意を示すようにタルタルの女性も小さく頷く。
「怖い所もあるけど・・・優しい人だと思います」
それを聞いたヒュームの女性が怒涛のように反論をする。
「はぁ!?あれが優しい?いい奴? 冗っ談じゃないわよー!」
彼女は勢い良く椅子を蹴り上げて立ち上がる。その音と声の凄まじさにその場にいる客全員が凍りつく。
目の前の女性二人が身を寄せあって震えているのを見て初めて我に返ると、コホン、と一つ咳払いをして
「まぁ、いいわ。でもこうやって反省会を開いてるのに早々に席を立っちゃうし、どういうつもりなのかしら
 久しぶりに再開して少しは立派になったと思ったら、」
男がやっとのことで口を開く。
「反省会といっても、いつも彼に文句ぶつけてるだけじゃ・・・」
ぴくっ
「ひっ」
その気配にまたも場が凍りつく、周りの客も皆、こちらを凝視しているようだ。
「さ、さぁーさぁー楽しいお祭りにゃー」
「わわーい、サンドリアティーおかわりいいですかー?」
必死で場を取り持つ二人に免じて、立ち上がろうとテーブルに付いた手を引っ込める。
(ホント、どうしちゃったんだか あの臆病者も、昔はあんなんじゃなかったのにね・・・)
彼女は小さくため息をついた。


月が高く昇った頃、場が盛り上がったのを察したヒュームの男性はこっそりと席を立つ。
酔いが回るほど酒を飲んではいなかったが、それでもロンフォールの香りをはらむ夜風は
いつもと変らず心地よい。しかし、この風に当たることが目的ではない。彼は城門を抜け
東ロンフォールへと出て行った。
森へ出てすぐの川辺に件のナイトの姿が見えた。エルヴァーンの彼は、男が来たことに気が付くと、
それを知らせるように少し振り返り、そしてまた川に映る月に目を向けた。
ヒュームの男から口を開く。
「彼女、少し可哀想じゃないかな」
「・・・・・・・」
「君、ナイトなんだろ?彼女を守るためのさ」

「・・・誰かを守るために騎士の道を選んだ訳ではないさ」

それは以前、彼が彼女に向けて言い放った台詞と同じものだった。

734 名前: じゃあ出来そこないの騎士の話でも 投稿日: 2003/05/16(金) 11:37 [ 98GopHuk ]
彼は続けて言う。
「本当に彼女を守りたいと願うならば、この国に閉じ込めておいて危険な旅に連れ出したりはしない。
幼い頃はそれが一番正しい道だと信じていた。・・・でも彼女はそれを許してはくれなかった。」



「わたしね、大きくなったら冒険者になるんだ。だから君も、わたしをまもってね」
「でも・・・外はあぶないよ。オークやモンスターだってたくさんいるし・・・」
「なによ、意気地なし、 いいわよ、一人でいくわよ!」
「あ、ちょっと待ってよ!」

それはあまりにも幼稚な冒険の始まり。

「はやくっ、にげて!う、うわっ!」
焼けるような体の痛み。そして暖かな癒しの光。
(アルタナさま、どうか、どうか、かれのきずをなおしてあげてください)
幼い彼女の助けを借りて、どうにか城門の近くまで辿り着く。衛兵が駆けつけ彼は一命を取りとめた。
数ヶ月後彼女は彼の家を訪れる。しかし返ってきた答えは、彼は傷が癒えると同時に危険な遠征軍に
自ら志願したという事だけだった。
彼女もまたこの事件をきっかけに白魔道士としての資質に目覚め、数年後には冒険者として旅に出ることになる。



「強くなれれば構わなかった、私が騎士を目指したのも、その手段のうちの一つに過ぎないさ。
 私の資質を活かすには、ナイトという役割が向いていただけのこと。
・・・フフッ、皆にしてみればこんな私は騎士失格なのだろうな。」
自嘲的な笑みを浮かべる彼に男は再び問い掛ける。
「そこまでして強さを欲したのは何故?」
彼は目を瞑り、懐かしい過去を思い出すように故郷の森の空気を深く吸い込む。一瞬の後、そして
「もう、忘れたさ」
その答えを聞いたヒュームは
「・・・そうか、つまらないことを聞いてしまったな、許して欲しい」
「いいさ、それよりアレは君に気があるようだ。君がこれまで彼女を守って来たのだろう、
皆の戦いを見ていれば、どれだけ君たちが深い絆で結ばれているかが良く分かる。」
彼の言葉に無言で頷く。
「・・・だから、これからもいざという時には君が彼女を助けてやって欲しい。私には、その資格が無いようだから。」 
「おいおい、随分と勝手なお願いじゃないかな?」
「でも、君は断らないさ。いや、頼まれるまでもないというのが正しいか。」
互いに笑みを浮かべる二人、そのあいだを森の優しい風が吹き抜ける。
「今日は少し喋り過ぎたようだ、ここにいると感傷的になっていけない、もう宿に戻って寝ることにするよ。」
「ええ、おやすみなさい」
ヒュームの男は、彼が城門の方へ去っていくのを見届けると、交わした数少ない言葉の真意を探し出すように川の流れに目をやる。
しかし、既にそこに月はなく、彼の思いもまた伺い知ることは出来ないように思えた。

735 名前: じゃあ、出来損ないの騎士の話でも 投稿日: 2003/05/16(金) 11:38 [ 98GopHuk ]
「おい、無事か!?」
「ええ、それよりもあの二人は!?」
「さっき安全な所へ避難させた、私達もすぐに撤退しよう」
来た道に背を向け走り出そうとした瞬間、物陰から数体のオークが飛び出してくる。
「くそっ、倒しても倒してもキリがない!」
吐き捨てるように叫ぶと、両手斧を持ち直し向かっていく戦士。
「ハッ!」
ナイトの彼も同じように腰から剣を抜き出すと同時に切りかかっていく。
白魔道士の彼女は絶えず癒しの光を二人に送り続けている。数に差こそあれど実力ではこちらが勝っている。
常に優位に戦いを進め、二人は最後の一体に止めを刺そうとしていた。しかし、さっきまで倒れていたオークが
突然立ち上がると、彼女に向けてその獰猛な槍を振り下ろす。その矛先は必死に避けようとした彼女の左足に突き刺さる。
「くそっ、間に合え!」
事態に気付いた戦士が必死に駆け出す。
「っ、きゃぁあ!」
第二の槍が彼女の胸を貫こうとした瞬間、白い影が躍り出た。ナイトは強引に二人の間に入り込むと、至近距離から剣の柄を、
オークの喉に叩き込む。悶絶しながら後ろへよろける相手に間髪いれずに斬撃を繰り出し、オークは正真正銘、動かなくなった。
「大丈夫か、二人とも!」
戦士が駆けつける。
「私は足をちょっとやられただけ、でも・・・あなた・・・どうして・・・?」
「・・・ッ!」
ナイトは無言で脇腹に刺さった槍を抜くと、その場へ放り投げた。そして呟く。

「私は強くなりたい、ただそれだけだ」

「ふざけないで!答えになってないわよ!」
なおも食い下がる彼女を無視して戦士に告げる。
「・・・彼女を頼む、その足では満足に走れまい」
「ああ、わかった」
戦士は頷く。もしここで異を唱えても彼は決して首を縦には振らないだろう。戦いの場に身を置くものなら
すぐにわかるはずだ。今の彼の覚悟に水をさすことは、誰にも出来ないと。
「ちょ、ちょっと二人とも?あなたはどうするのよ!?」
彼は少し考え、こう言った。
「・・・魔力は残っているか?」
「え?」
「私の魔力も底をつきかけている。もし出来るのなら、癒しの魔法を掛けて欲しい。」
彼女は戦士の肩を借りて立ち上がり、女神に祈りを捧げる。彼の体が淡い光に包まれていく。

「――女神アルタナよ、彼の傷を癒したまえ。」
(アルタナさま、どうか、どうか、かれのきずをなおしてあげてください)

傷が癒えていくのとともに、不意に懐かしい感覚が蘇る。
(・・・ああ、そうか。)
彼は彼女の方を見ずにそっけなく言う。
「礼を言う」
それと――

「 出来損ないの騎士で、済まなかった 」

736 名前: じゃあ出来損ないの騎士の話でも 投稿日: 2003/05/16(金) 11:39 [ 98GopHuk ]
その言葉を最後に彼は駆け出す、希望の無い戦いへ向けて。

「 結局、私にはわからなかったな・・・ 」

追っ手のオーク達に向かって叫ぶ。飛んでくる弓矢を剣で払う。

「 騎士の心得、誰かを守るために戦うということ 」

切り倒したオークの背中を踏み台に跳び、魔法を唱えようとする相手に盾で一撃を喰らわす。

「 今だって、ただ強さだけを追い求めている 」

動きを止めようと纏わりつくオークを力任せに振り払い、聖なる魔法を放つ。

「 それとも誰かを守るためだから強くなれる? 」

ふと思い浮かぶのは、大切な者の顔、そして遠い過去の光。

「 もしかしたら・・・そうかもしれない 」

オーク達が一斉に雄叫びをあげる。周りは既に囲まれ、逃げ場は無い。

「 ふふ、気付くのが遅すぎると笑われるかな 」

数十体のオークが一気になだれ込んでくる。

「 私がここまで強くなれたのは・・・ 」

全身の気を振り絞り、その力を鎧にして立ち向かう。

「 いや、私はまだまだ強くなれる 」

――そう、
「 私には大切な者を守る力が、必要なのだから 」



辺りは既に夜の闇に覆われ、中天には縁の淡い月が浮かんでいる。
静寂が辺りをつつみ、僅かに聞こえるのは、静かな風に揺れる木々のざわめきだけ。
ところどころ欠けた鎧を纏い、刃の零れ落ちた剣を杖にして
彼は今、かつて騎士の力を求めた場所に辿り着いていた。
倒れるようにその場に座ると、空を見上げてこう呟く。

「 古の騎士の魂よ、女神アルタナよ、この愚かな男に教えてくれ・・・
  こんな・・・私にも、真の騎士たる資格が・・・・あるのか・・・どうか。 」

彼は気付いていないのだろう、その心には既に真の騎士の魂が刻み込まれていたことに。


〜おわり〜

737 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 14:49 [ 52pakNxw ]
ageeeeeeeeeeeeeeeeeee

738 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 14:49 [ 52pakNxw ]
間違えた。ageます。いやほんとに。

739 名前: 本能 投稿日: 2003/05/16(金) 17:15 [ Z0rsfq9w ]
 ふかいふかい、闇のなかで。
 唐突に私は、己の血に流れる、衝動を思い出した。

 金色にひかる瞳孔。闇を見通す、獣の瞳。
 ミスラに、残された一握りの野生。それが今、私に息づいていた。
 知らず私は獣の本能を発揮して、息を殺し、気配を殺して……。

 ざわざわと梢が風に揺れる。
 孤独を増すようにひゅうるりと吹きすさぶ風の音。
 風上に立った獣人は、私の匂いを、嗅ぎ取れなくなったようだ。

(いい? ニニ。狩りの基本は、相手に自分の存在を気付かせないこと)

 獲物と狙った筈の私を見失った獣人が、慌てたように周囲を見回す。

(そして、機会を決して、見逃さないこと)

 太い幹に身を預け、私は矢筒より残り少ない矢を取り出した。
 視線は外さない、獲物は私の視界の中に、克明に映ったままだ。

(……そう、よくできたわ、ニニィ。私の可愛い子)

 私は弓を番え、無防備なその背に、射掛ける。
 僅かに鋭い音を立てて、離れる一本の矢。
 私を捜していた筈の獣人は、急所を突き通す矢羽根に、その命を落としていた。



 戦いというものに真っ向から立ち向かったのは、おそらく。
 それが、初めての体験だった。



 ながいながい、夜は明けた。
 初めての、ひとりきりの夜だった。
 日々の狩猟ならば、むしろ、慣れていた。
 しかし、命がけというならば、別だ。

 母は冒険者を廃業し、獲物を狩っては解体し、その肉や骨、毛皮などを業者に卸す、
狩人を生業としていた。
 成長するにつれ、私は遊びの延長として、様々な知識を与えられた。
 手始めは、小さな獲物用に足を引っかける簡単な罠。
 弓の手入れに、丈夫な弦の作り方。ナイフの使い方から、獲物の解体……。
 街でぬくぬくと何不自由なく暮らすよりも、私は母と共にある、狩猟暮らしが好き
だった。
 なぜなら。自然の中にあって、頼りに出来るのは母だけだから。
 甘える事を許される時間は、街の中よりも、むしろそこに多く存在したから。

 ……そういった生い立ちもあり、私は年頃の娘にしては、狩猟の技に長けていた。
無論、それは生活の知恵の範囲であり、まだまだ、熟練と言われるには早い程度だ。

 それでも私は……母の技を受け継ぎ、狩人として生きていく事に、誇りすら感じて
いた。

740 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 17:27 [ mBtlVT5c ]
ナイトの話イイ!
何かとてもよかったでつ

741 名前: 本能 投稿日: 2003/05/16(金) 18:37 [ k49e5LAY ]
【朝靄の中で】

「まあ、まあ。こんな処でそんな軽装で。よく無事だったわね」
「む、美味そうな匂い」
「ボクもおなかすいたタルー」
「あたしもおなかすいたなぁ」
「おいこら、人様の食い物に手を出すなちみっこ共……と、そこの禿」

 何やら騒がしい声が聞こえたかと思うと、下生えを掻き分けて武装した人々がこちら
にやって来る。
 剣を下げる人、棍棒を背負う人、ローブに、鎧に、ゆったりしたチュニック風……
さまざまな格好だ。見れば、大きさもさまざま。

「……え、と……」

 こんな、種族のごった煮になった集団を見るのは、時折街に訪れるサーカス団ぐらいの
珍しい事であり、私はただただ、呆然としていた。

 ぱたぱた、どたどたと、近寄ってくる足音。

 私といえば、緊張の余り忘れていた夜の分も取り返すべく、野ウサギや野草をベースに
した早めの朝食を採ろうとしていたところだ。
 途中、誰が倒したものか分からないが、点々と転がっていた獲物も拾えたので、本日の
狩りはそこそこに、街へ引き返そうかと思っていたのだが……。

 ぐきゅるるるぐるるる〜

 目の前で涎を垂らさんばかりに、私の鍋の中を覗いているタルタル2人と、ちょっぴり
怖げなガルカ。

 その盛大な腹の虫の音に……。

「あ、あの、あたしの作ったのでよければ、食べていくかにゃ……? まだ、手つけて
ないにゃ」

 思わず、鍋の中身を勧めていたのだった……。

742 名前: 本能 投稿日: 2003/05/16(金) 18:40 [ k49e5LAY ]
 ヒュームの男性に盛大に殴られつつも、勢い込んだ三人は自分の食器をザックの中から
つかみ出すと、ぐつぐつと煮えたぎる鍋の中身を流し込んでいく。
 あっという間に、小鍋は空になってしまった。

「だ、駄目じゃないの、この子の朝ご飯がなくなっちゃうわ!」
「おめーら、少しは遠慮しろっての!」

 ヒュームの女性は恐縮そうに頭を下げるし、男性は相変わらずぼこぼこと盛大に仲間達
を殴っている。
 なんとも、騒がしい人達。

「スープの残りにはタルタルライスがいいタル〜」
「お汁がしみこんで美味しいの〜、あ、全然みんなの分たりないね、あたしのお鍋も出す〜」

 小さなザックの中に、食材やら鍋やら、よくも詰まっているものだ。それらを取り出しなが
ら、タルタル達は焚き火に鍋を載せ、残り汁にライスを入れる。

「ん〜、そうだな、全然足りないな、って、そーじゃないだろうお前ら!」
「ご、ごめんなさいね〜、ウチの子達が迷惑かけて……私の食材もあるから、出しましょうね」
「ん、俺もとっときの出す。美味いぞ、ガルカンソーセージ」

 グローブのような大きな手から、渡される特大のソーセージ。
 両手にそれを受けて、私はとりあえずお礼を言う。

「ありがとにゃ……」

 和やかに食事の支度が始まる。

「ほんとにごめんなさいね、せっかくの獲物も、使わせちゃって……」
「あは、いいのにゃ。皮も沢山取れたし、どうせこんなに持って帰るのは難しいから、
ちょうどいいくらいにゃ」
「そうかー? うちの欠食児童どもは全然聞き分け無くてなー、いつも誰かに迷惑掛けて
本当に申し訳ないんだが、そう言って貰えると助かるよ。その代わりって言っちゃ何だけ
ど、街まで護衛くらいはさせてくれな?」
「え、えと……へいきにゃ。ここはあたしの庭みたいなものだし、みなさん旅の途中にゃ
……だから、わざわざ、遠回りしなくても」
「いーのいーの。俺らは生活の役には全然立ってねーし、人の役に立つ事くらいしか出来
ないんだから、少しは構わせれ」

 ぐしゃぐしゃと、乱暴に頭を撫でられる。

「マンドラたんと〜トカゲさんの煮物はじっくり煮込むの〜」
「煮込み過ぎて鍋に穴があかないようにするタル〜」
「おめーら、変なモン入れんなっ!」

 騒がしくて、暖かい、ひとびとに囲まれて。
 私の中の緊張が、とぎれたのだろうか。

「あれ、ミスラのおねーちゃん泣いてる〜」
「どうしたタル〜? ボクらわるい事したタル?」

 たった数時間前の、あの緊張は、何処だ。
 獣人に追われ、死ぬ事を覚悟した、あの時間は。

「あ、あはは……ははははっ! いいにゃ、みんなで食べた方が美味しいにゃ。ちょっと、
怖い事思い出しただけにゃ。ありがとにゃ、タルタルさん」

 私の顔を覗き込む小さな二人を、抱きしめながら。
 こうして生きている事に、ひどくひどく、感謝していた。

743 名前: 本能 投稿日: 2003/05/16(金) 18:46 [ BoOasFcI ]
【自問自答・答えは心の中】

 森の中、私はいつしか独りだった。
 私の前を歩く、しっかりした足取りは、いつのまのか消え失せ。

 気付けば、私は森の中、独りきりで狩猟をする、よくある狩人の姿であった。

 先達としての母は、もういない。
 ある日、彼女はこう言って家を後にした。

「どうしても、狩らねばならない獲物がいるの。私の昔年の願い、それをかなえる為に」

 彼女の何が、そうさせたのだろうか。
 私の教育を終え、そしてまた戦いに舞い戻る。

 それは……獣の血ゆえか、それとも、冒険者の本能か。

 チェストの中に仕舞い込まれていた銃を手に、彼女は私の目の前から姿を……消した。

744 名前: 本能 投稿日: 2003/05/16(金) 18:47 [ BoOasFcI ]
【さあ、旅を始めよう】

 あれから、何年経つだろう。長くも、短くも、感じられる時間。
 久しぶりに誰かと囲んだ焚き火は、余りに、暖かくて。

「あたし……冒険者に、なれるかにゃ」

 私の呟きを、彼らはちゃんと拾って、ちゃんと答えてくれる。

「ん? おお、なれるさ。俺にもなれたしな!」
「ちょっとちょっと、そんな簡単に答えていいの? 考え無しなんだから」
「おねーちゃんがなりたいなら、なるタルよ〜」
「あたしもねー、さいしょはこわかったけど、いまはたのしーのー。でもね、いまもね、
ときどきこわいのー」
「何言ってんのかわかんねーだろ、それじゃ」
「そうねぇ、皆と一緒に旅するのは楽しいし、綺麗なものも素敵なものも見つかるわね。
でも、いつも命がけ、だから怖いわね……そういう事かしら」
「そーそー、そーなのー」

 ひとしきり食事を終えて、焚き火を囲みながら、ぽつぽつと語られる旅人まっさらな
ことば。
 それは私を、旅に導いていくかのように思えた。

「ん、気持ちの問題かもな、何時でもなれるし、如何様にもなる」

 ガルカの言葉は、とくに心に響く。

「始めるのも自分、終えるのも自分だ。始点や終点など、特にない、決まりもない。
ただ目的をどこに定めるのか、それが『旅』を続ける秘訣だ……」
「珍しく饒舌だなー、お前。あ、そーか。ガルカは最後に旅に出るんだよなー」
「そう、俺も、旅に出る。今も旅をしている。それが好いと思うからする、それだけだ」

 旅をする、旅をしている……。

「うん、あたしも、旅をするにゃ。お母さんみたいに、みんなのように、旅をするにゃ」

 わくわくと、胸が躍り出した。
 しばらく消えたままだった、好奇心が騒ぎ出している。
 今にも走り出しそうな、飛び上がりたいような気持ちが、胸の中で育っていく。

「おねーちゃんも旅するタル?」
「いっしょにぼーけんするのー!」
「お、おお? いや、それは構わねーけど、そんな簡単でいいのかとかなんつーか……」
「自分でそそのかしたようなものなのに、今更言っても遅いわよ、馬鹿ねぇ……まあ、
いいわ。それよりも……一緒に、来る?」

 柔らかいその手を差し出して、彼女は私に微笑んだ。タルタル達もはしゃぎ回り、
まとわりついてくる。

「旅をするか、お前も。それも、いいな……」

 のんびりと、世間話のように、独り言のように、つぶやくガルカ。その横で微妙な顔
をしたままの、ヒュームの男性。

「おにーさん、いいのにゃ。決めたのはあたしにゃ。だから、別に誰のせいでもないにゃ!
それよりも、あたしも一緒に行って……いいかにゃ?」

 おそるおそる問う私に、しばし悩んだ様子を見せた彼は、最後にからっとした笑みを
浮かべる。

「よっし、じゃあ、今日から俺らは仲間だ! 俺は戦士のルーカス、一応リーダーだ」
「私は白魔導師のティーアよ。よろしくね」
「ボクは黒魔導師のリュッカ・ノッカ! よろしくタル〜」
「あたしはねー、赤魔導師のミルル・メムムなのー、なかよくするの〜」
「俺はモンクのシザーズクロウ。よい旅になるといいな……」

 皆の挨拶を受けて、私は、胸を張り答える。

「あたしは、ニニ・ニキータ! つよいつよい狩人になるにゃ!」



 さあ、旅を始めよう。
 母も辿った道を少しずつ。やがては、追い抜くくらいに。

 旅を続けよう。
 きっと、その先に、あの時訊けなかった答えも、見つかるだろう。

 私だけの、私なりの、旅を、続けよう……。

745 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 20:42 [ t8rkqQGM ]
見上げれば”あの”蒼穹の月

もうどれぐらいこうしているのだろう。ついさっきのような気もする。
だが、そんな事はどうでもいい。降り注ぐ青い光が教えてくれる。
頭上には”あの”蒼穹の月があるはずだから。

ひゅっと一つ息を吐き出し、黒いクレイモアを力任せに叩きつけた。
それが奴の頭をできそこないのスイカに変えるかと思ったとき、下か
ら跳ね上がってきた馬鹿でかい剣がそれを阻む。青白い火花が飛び散
り、俺と奴の顔を一瞬だけ染め上げた。動きが止まる。それでも俺は
奴の頭を叩き割ろうと力を込める。ギリギリとガルカがたてる歯軋り
のような音が響き渡る。だが、俺の剣はそれ以上動かなかった。

ーこのバカ力のクソ野郎めー

奴の顔を睨み付けた。相変わらず何を考えているのかわからない面だ。
もっともこいつらが何を考えていたところで、俺の知ったことではな
いのだが。赤く昏い炎が奴の双眸に宿っている。敵の全てに対して向
けられる瞳の色。俺に注がれている憎しみの色。俺が奴らに向けてい
る復讐の色。

奴に蹴りを入れて距離を取る。鎧の重さがいやに気に障る。体を疲れ
の黒いもやが覆っているのがわかった。
奴も疲れている。ダメージだって相当なはずだ。だが…
なま暖かい汗が頬を流れていく。俺は唇の端を通り過ぎるそれをなめ
取った。
…鼻につく生臭い鉄の味がする。クソったれなこの世界で、クソった
れな俺が生きている証。腕の痛みも、背中を流れる冷汗の気持ち悪さ
も、目の前の奴をぶち殺す快感に震えているのも、俺が生きている証。
そして気に喰わないが、こいつは強い。とびっきりだ。我知らず、唇
がつり上がるのがわかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

読みづらい…。本来もっと続くんだが…我ながら、イタい文章だな。
お目汚しすまん。

746 名前: 魔法探偵? 投稿日: 2003/05/16(金) 21:18 [ MH0GwAco ]
俺の名はダニング。
バストゥークでなにか問題をかかえていて、しかもふところが寂しいのなら俺をたずねると良いだろう。

俺は42歳で、太りすぎで、向上心も無く、酒を飲み始めるときりがなくなることが多い。
部屋の扉には魔道士という単語も見えるが、覚えてる魔法はほとんど無く、
一人前の魔道士が使う魔法に比べたら、ただの手品にしか見えない。
ほんとは私立探偵だ。鉱山都市バストゥークでいちばん安上がりな魔法探偵だ。

やばい状況に置かれて、ガードの手も借りられないときは、俺のところへ来るといい。
命を狙われていて歩く盾がほしいときもいいだろう。
バストゥークの執政官が話をまともに聞いてくれず、高級な私立探偵の事務所に追い出されたときは、
俺がぴったりだ。
抱えているのがどんな問題だろうと、他に道がなくなり、もっとましな手段をとりたいけど金が無いというときは、
誰もが俺のところへやってくる。
ちゃんと助けられることもある。だめなこともある。
どちらにしても、俺のふところ具合がよくなることは絶対にない。

昔は特別なミッションを行うほどの冒険者だったが、酒でミッションを失敗して、職を失ったのだ。
あれからずいぶんたった。今じゃ俺のことを見て喜ぶやつは、大統領府にはひとりもいない。

ねぐらにしているふた間の住みかは、波止場のそばの、<復讐の短剣>という居酒屋の二階にある。
経営者のグランは、サンドリア出身の中年の男で、かつては同じ冒険者だった。いい戦士だった。俺もそうだ。
何度も肩を並べて戦ったものだが、あのころはふたりともまだまだ若かった。
今の俺は、おそまつな住みかだろうと贅沢をいえる立場ではない。
女とはまるで縁のない生活だが、例外がひとりいる。
下の居酒屋で女給をやっているマドラが、ときどき助手を務めてくれるのだ。
こいつはヒュームとエルヴァーンとミスラの妙な混血で、剣の扱いに長けているため、
グランの居酒屋にたむろするスケベな酔っ払いたちも、
へんなちょっかいを出しては危険だとわきまえている。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちょっと書いてみてわかった。
書くのって大変。
作者さんたちを尊敬します。

途中で挫折しそうだ・・・。

747 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 21:50 [ iHYz6PBM ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第24話


月がゆっくりと中天を抜け、対峙する騎士たちとそれを見守る私の影を長く伸ばした。
チョコボたちは各々の主を見つめ、時折クルクルと喉を鳴らす。
彼らは微動だにしない。

いや、わずかにすり足でその間合いを計っている。
猫科の肉食獣のように、音も立てずにゆっくりと二人は動き、
互いに気を放つことで牽制しあっているのだ。
全身の毛が逆立つような感触。
静寂がピリピリとした緊張感をいや増す。

やがて、緊張感が空気に溶けるほど馴染んでいった。
風の矢が一筋、二筋と流れていく。
まだ動かない。

月光は師父とベルナールの顔(かんばせ)を浮き立たせるように照らす。
エルヴァーンの彫りの深い顔立ちは表情に影を落とし、
二人の射るような視線の輝き以外を晒してはくれなかった。

彼らは永遠にこのままであるかのように見えた。
静寂の申し子である二人の騎士は時の終わりまでこのまま対峙するのだろうか。
そんな夢想すら思い浮かぶほど。
────まるで、一枚の絵画のように。

しかし、その静寂───二人の間の緊張感は引き絞られた弓のようなものであり、
力の天秤をどちらかが傾けた瞬間に全てが決するほどに、ぎりぎりの状態であった。
気がつくと、私の膝はがくがくと笑っていた。
高密度の緊張感に、私の体が耐え切れなくなっていたのだ。
体だけではなく、既に精神も限界に達しようとしていた。
剣を交えることが無くとも、二人のエルヴァーンの間には
激しい気のぶつけあいがあり、それが私の精神にも影響を与えていた。

748 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 21:50 [ iHYz6PBM ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第25話

『勝って!』

搾り出すように叫ぶ私の声が響き、師父の剣が跳ね上げられる。
振り下ろされるベルナールの鉄塊。

『おおおおおおッ!』
ベルナールの喉から気合が迸る。膨れ上がる気が彼の体を一回り大きくに見せた。
防御をかなぐり捨て、狂戦士となった彼の大剣が力場を形成し、師父に襲い掛かる。

師父の持つ五角形の盾が砕け散────らない!?
師父はその盾で身を守ることはせず、右手の剣で真っ向からベルナールの大剣を打ち据えた。
瞳が光を帯びる。
師父の全身から放たれた輝きの奔流が、師父の剣へと集まり────。

澄んだ水晶が砕け散るような高い音が響き、ベルナールの大剣はすっぱりと切り折られた。
師父の剣はまるでナイフがバターを切り裂くように、ベルナールの大剣を二つにしたのだ。
熱なき光の小爆発が大剣の破片を粉々に砕く。
ベルナールの瞳は大きく開かれ、その衝撃の大きさを物語っていた。

そして、次の瞬間。
師父の構えた左手の盾が呆けた表情のベルナールに叩きつけられる。
肺の中の空気を一瞬で押し出されたベルナールは、もんどりうって倒れた。
どうと倒れたまま、ぴくりとも動かない。

師父の剣が鞘鳴りを立てて、師父の腰に納まった。もう震えは感じない。
やがてまことの静寂が訪れた。

749 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 21:51 [ iHYz6PBM ]
【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙】
第26話

師父は気を失っているベルナールの様子をしばし伺い、
命に別状が無いことを確認した後、ベルナールのことを私に任せて旅立つ事とした。
出会った時と変わらずに、颯爽とチョコボに跨る師父。
あの時と同じ胸の高鳴りを、私は感じていた。
あの日、あの時。貴方は私の人生を全て変えてしまった。

どこにでもいるタルタルの少女の、どこにでもある人生。
星を想い、大樹の恵みに感謝し、吹き抜ける風を感じ、
歌い踊り空を見上げ、やがて星の瞬きの欠片へと還る。
私もそうであると思っていたのに。

私が魅せられたのは太陽の輝き。
いつか、いつか。貴方のようになりたいと。

『師父…いつか、私も。必ず騎士になります!』

師父の暖かい輝きと、私の中に宿った小さな輝きへの誓い。

『その誓いを忘れるな。その想いを、忘れるな。
 ────約束しよう。貴方が騎士になったとき、私は地の果てからも馳せよう。
 そのときまでに、私は私の求める答えを必ず手に入れよう。
 この神聖な約束をこのサルタバルタ…貴方たちの言葉で【約束の地】にて、
 私こと騎士クロヴィスは貴方と交わそう。そのときまで────さらばだ。』

そうして師父の駆るチョコボは昇り始めた日の光を受け、
黄色い羽毛を金に染めて走り去っていった。
私は声の限りに師父の名を叫び、その金の輝きが点になり、
涙がにじんで見えなくなるまで手を振り続けた。




やがて太陽の光を感じ、目を覚ましたベルナールと共に私は町へと戻った。
ベルナールはしばらくウィンダスに逗留した後、『報告のため』と言ってサンドリアへと帰っていった。
この時間稼ぎは、彼なりの師父に対する友情なのだろう。

『貴方が騎士になりたいのであれば、サンドリアに来ることだ。
 そして、まずは一角の人間であることを示さねばならない。』

ベルナールは別れ際にそう教えてくれた。
彼の名誉のために付け加えておくと、師父のこともあったのだろうが、
彼は私の最初の印象を良いほうに裏切った紳士であった。
やがて、私はベルナールの言葉を頼りにサンドリアに向かうのだが、それはまたの機会としよう。
騎士を目指す数多の同胞に、私と我が師父クロヴィスとの出会いをもって
私のようなタルタルが、何ゆえ無謀にも騎士を志したのかが参考になれば幸いだ。
そして願わくば、ヴァナ・ディールの大地で轡(くつわ)を並べ、相見えんことを。


【騎士を目指す数多の同胞に捧ぐ手紙:了】

750 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/05/16(金) 21:53 [ iHYz6PBM ]
そして750ゲト

──あとがきじゃないよしなしごと──
『私』は『一角の人間であることを示す』ために、
赤魔道士として修行を積み、サンドリアに渡る事となります。
自分の気が向いて、更にスレが寂れてたら書くこともあるかもしれません。
書いてる最中に、鬼のようなクサさに倒れそうになりました。
元々、チョコボ騎乗戦闘が書きたかっただけなんですがなぜかそんな話に・・・。
システムで再現できない部分もガンガン突っ込んだし。
自分やりすぎwwwwwww神に修正されたいねwwwwww
まとまらないシロモノを読んでくださった方々にお礼を。
自分に書くことを触発してくださった神々にもお礼を。
スレの皆さん、どうもありがとうございました。

↓そんなわけで次の物語キボンヌ。

751 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 21:59 [ PhHKQs8w ]
え?これで終わり・・・?じゃないよね?

752 名前: 751 投稿日: 2003/05/16(金) 22:02 [ cf35OYt6 ]
すまん。これは>>746の「魔法探偵?」に当てたレスです

753 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 22:03 [ t8rkqQGM ]
>騎士手紙を書いた人
BLAVO!
楽しく読ませていただきました。
完結させるってなにはともあれ、凄いことで。
自分の力量のなさをますます思い知り。

お疲れさまでした。

754 名前: カルマ 投稿日: 2003/05/16(金) 23:20 [ Mlk1p2xI ]
>>729
はぅっ( ̄□ ̄;)!!
名前考えながら「なんか聞き覚えのある・・・」と思ったら!
作者さん申し訳ない(つД`;)

オポオポの名前は「リップ」に変更します(つД`;)
脳内補完よろです…゚・(ノД`)・゚・

755 名前: 空に奏でる〜の人 投稿日: 2003/05/16(金) 23:34 [ Dd9T0rTc ]
まずは、騎士手紙の神、お疲れ様ですた。&750おめ。
同世代のタルっこ主人公なので、勝手に親近感もってますた。
品のある文章が独特の空気を醸していてうっとりですた。
神の次回作にも期待してます。『私』の成長の話も素敵だね。
ところで、脳内で『私』はオカッパ頭タルだと思ってましたが、
実のところはどんなでしょう。

>カルマの神
オポオポ!(=´∀`=)b

756 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/16(金) 23:36 [ CfE0Vt8Q ]
>>752
いや そんなことよりもっと重大な問題があるよ、、、
これ「魔法探偵スラクサス」の盗作だし、、、(^^;

757 名前: 蒼き瞳の白き君 投稿日: 2003/05/17(土) 14:00 [ VOwn0SUw ]
ジュノ下層、
吟遊詩人の酒場でリクエストを受けることは
詩人として一人前だと認められることである。
それほどにこの酒場の常連客たちは耳が肥えており
無名の詩人たちが名を上げ、また夢敗れて去っていく場所でもあった。
カウンターの隅でヒュームとゆっくり杯を汲み交わしていたエルヴァーンの青年に声がかかる。
「ミラン、歌を聞かせてくれよ」
ミランと呼ばれた青年が首を傾げて問うような表情を作ると
ヒュームは何も言わずに頷いた。
ミランは優雅な仕草で客に一礼すると竪琴を取り出しゆっくりと歌いだす。

〜〜我が紡ぐ歌の中、かの君は永久に微笑み続けるだろう〜〜

<序章>
穏やかな風が吹き渡り、露を含んだ緑の香りを運んでくる。
先程までの岩ばかりの荒涼とした景色が一転し
緑に覆われた草原が目前に広がる。
所々に顔を覗かせるゴツゴツとした岩山が
今し方抜けてきたタロンギ渓谷と地続きであることを伺わせる。
サルタバルタ―――緑と魔法の国、
幼子ですら魔法を操るタルタル族と俊敏な森の民ミスラの住まう国、
ウィンダス連邦の膝元だ。
「ここまでくれば・・・」
幼さを幾分か面差しに残したエルヴァーンの若者が呟いた。
ジュノからの徒歩の旅でかなり疲れていたが
この草原はウィンダスの幼子たちが親に内緒で遊びくる場所だという。
まだ日も高い、そんなに危険なものは出ないだろう。
そう判断して街に入る前に訪れてみたい場所があるからと
若者はここまで一緒だったキャラバンに別れを告げ、
暖かな日差し溢れる草原を歩み始めた。

758 名前: 蒼き瞳の白き君 投稿日: 2003/05/17(土) 14:01 [ VOwn0SUw ]
若者が気がついた時にはヤグードと呼ばれる鳥の獣人の一撃を受けた後だった。
体力がごっそり減るのが分かる。
若者は護身用の片手剣を抜き放ち、ヤグードの攻撃を受け止めながら
削られた体力を回復するチャンスを計っているが
このヤグードと言う種族はかなり知能が高く、なかなか余裕を与えてはくれない。
とうとう、片膝をついてしまうまで押される。
「今度こそ、だめか・・・」
若者は自重気味につぶやきながら、若者はある白魔導士のことを思った。
約束を果す為に来たのに、会わずに果てるのか。

ガキーン!
冒険者なら聞き覚えのある、敵を我が身に惹きつけるための抜刀音が響き渡り
それに怒り狂ったヤグードが襲い掛かるよりも早く
「とう!」という野太い掛け声とともに両手剣が獲物を袈裟懸けに切り倒した。
「大丈夫でしたか?」
そう声を掛けながら近づいてきたのは、壮年のヒュームだった。
「あ・・・はい」
若者が慌てて立ち上がり礼を言おうとすると
「まぁ、座っていなさい。少し休んだ後で街まで送ってあげよう」
感謝と苦痛で若者が何とも言えない表情をしていることに気付いたのだろう、
「私が癒しの技を心得ていればよかったのだがな」
と少し寂しそうに微笑んで男は若者の横に腰を下ろした。
「癒しの技なら少し使えますから」
若者は竪琴を取り出すと覚えたての癒しの曲を奏でた。
痛みが和らぎ、僅かながらも体力が戻ってくる。
演奏し終わった若者を見る男の瞳には興味の色が揺らいでいた。

「何故エルヴァーンの詩人がこんな場所に?しかも、まだ若いと見受けるが・・・」
若者はまだ駆け出しであること、
詩人になる為の修行中にバルクルムの隠し海岸で瀕死の重傷を負ったこと、
それを通りがかったタルタルの白魔道士が助けてくれたこと、
別れ際、
何もお礼が出来ないとうなだれる自分に
『祝福の歌を結婚式で歌って欲しい』と―――
侍になると遠い異国へと旅立った大切な人から
星振る丘で待っていて欲しいと手紙が来たから
今から帰るのだと本当に幸せそうな笑顔で話す彼女に
必ず詩人になって祝いの歌を贈ると約束したことを話した。
こんな出来事は獣人たちが台頭し3国間での競り合いが続くヴァナ・ディールでは
さして珍しい出来事ではないはずだった。

だが・・・
男は驚いた顔で若者に聞き返してきた。
「その白魔導士の名は?」
「ルナと呼ばれているとだけ。タルタル族には珍しい名前だと思いますが」
「ルナ・・・本名はルナトト。明日、私の花嫁になる女性ですよ」
暗くなり始めた東の空に昇る白い月を眺めながら男はポツリと呟いた。
若者が落ち着いてヒュームの携えている武器を見てみると
それは両手剣ではなく刀と呼ばれる異国の武器であった。
「それではあなたが侍になったという・・・?!」
「ええ、昨晩遅くに戻りました」
そう頷く男の顔に、時折影が見え隠れしていたのは
長旅の疲れが抜けていなかった所為なのだと、若者は解釈した。
「よろしければ彼女との話を聞かせて貰えませんか?
ぜひ、祝いの歌にしてみたいので。
在り来たりの歌よりきっといい歌になると思うのですが・・・」
若者ははっとして口を閉じた。
自分がとても不躾なことを言っていると気付いたからだ。
「いいえ、ルナも喜ぶと思います。こういうのが大好きなんですよ。
私が星降る丘であなたを助けたのもきっと何かの縁でしょう。私の名はグリン。」
そう言うと男――グリンは文字通り降るように輝やく星空の下で語りはじめた。

759 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/17(土) 23:20 [ Ozz8HZhk ]
吟遊詩人は歌う
10年前の歌を
吟遊詩人は歌う
6人の英雄の歌を

いつの間にやら少年の周りには
無骨な男達が集まっていた

騒がしい酒場の中でそこだけが静まりかえっていた
彼等はそろって詩人の歌に聞き惚れている

それは吟遊詩人が歌う詩・・・
それは、10年前の物語・・・

760 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/17(土) 23:22 [ Ozz8HZhk ]
〜〜〜ディオ 第一章〜〜〜


(ねえ、雪って見たことある?)
彼女は俺に言う
(いや、ないよ。そんなこと知ってるだろ?)
俺はそう返す
(だよねぇ、バストゥークには雪なんて降らないもんねぇ)
彼女は嬉しそうに笑って言う
なにが嬉しいのか分からない
俺が返事を迷っていると彼女は今度は楽しそうに笑う
いや”楽しそうに笑う”と言うより”可笑しそうに笑う”だ
俺は今そんなに変な顔をしているのだろうか?
そう思っているとまた笑われた
思ってることがすぐに顔に出るのが俺の悩みだ
小さい頃から彼女とは一緒にいるがいつもこうして笑われている

(知ってる?サンドリアのもっと北の方には雪が降ってるんだって)
しばらく笑った後彼女は言った
(知ってるよ。本で読んだ)
俺が答えると彼女は俺に背を向けて言う
(私、小さい頃から雪を見てみることが夢だったんだ・・・)
(だから冒険者になったのか?)
(ううん、違うよ)
さっぱり分からない
そう思っていると彼女はクスクス笑いだした
なんだよ、別に変な顔はしてないだろ?
いや、してるのかもしれないけど
いや、でもこっちに背を向けているんだから見えないはずだし

(でもまあ確かにそれもあるかな?)
またしばらく笑っていたが急にそう言った
(ねえ・・・ディオ?)
(ん?)
彼女はこっちに向き直る
(いつか、一緒に雪を見に行こうね・・・)



「夢、か・・・」
ディオは呟いてブロンズベッドから身を起こした。
「懐かしい夢だな。確かにあいつはそんなことを言ってた・・・」
ベッドから抜けだし、窓に向かって行く。一気にカーテンを開けると朝の日差しが顔に当たって眩しい。
ディオは空を見上げた。
「もうあれから2年も経つのか・・・」
そう言った後しばらく空を見ていたが、ドアの方から、ゴトッ、という音が聞こえて来ると、
ディオはドアの方に歩いて行った。ドアを開け、横に着いているポストを見る。
ポストの中には4つの小包が入っていた。
(今日は少ないんだな。昨日みたいに装備一式を運ぶはめにならなくて良かった)
そう思いながら4つの小包を開ける。
「土のクリスタルが1ダースに、これはコウモリの牙、が4つと・・・。それと黒虎の牙に骨くずか」
中身を確認するとそれらのアイテムを金庫に入れる。
これがディオの今の仕事だった。
冒険者にはモグハウスが貸し出される。モグハウスには元々金庫が付いていて、
その金庫は冒険をする者にとってはなくてはならない重要な役割を果たしている。
しかし、世の中には自分の金庫だけでは持ちきらない程のアイテムを必要としている冒険者もいる。
彼等はいつも頭を悩ませていた。
金庫を大きくしたりもしたが、それにも限界があった。
「何かもっといい方法はないだろうか・・・」
そして、彼等が考えて、出した結論が
”冒険を止めた冒険者の金庫を借りる”だった。
冒険を止めた冒険者でも冒険者登録解除をしなければいつまででも冒険者として扱われる。
そういった者の使わなくなった金庫を借りて、かわりに謝礼として金を渡す。
その金額は決して多くはないが、食べて行くには何とか足りる額だった。
しかし、金庫を貸すことを承諾した元冒険者はほとんどモグハウスから出ることが出来ない。
昔、この方法が考え出され、しばらくしてこの”金庫貸し”は爆発的に増えたのだが、
それと同じくらいに増えたのが、空き巣、やポストあさり、と呼ばれる者達だった。
普通モグハウスにはモーグリがいる。しかし、冒険を止めた冒険者の所にいつまでもいてくれるほど
彼等も暇ではない。ディオの部屋にも昔はモーグリがいたが、冒険を止めてからしばらくすると、
いつの間にかいなくなっていた。
そんな事は知らずに外に出ていて金庫の中身や、送られてきたポストの中身をごっそり持って行かれた、
という事件がかなりの件数あったらしい。
それからというもの、この仕事には依頼者との一つの決まり事が出来ていた。

”必要以上にモグハウスから出ないこと”

それが彼等との約束事だった。

                          ディオ編第一章終了
                            次は第二章 そのうち続きます

761 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/18(日) 05:13 [ ZRMHA56c ]
とりあえずあげ

762 名前: 戦死38才痛風持ち 投稿日: 2003/05/18(日) 08:04 [ 7BZhMchU ]
神降臨期待age

763 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/18(日) 08:18 [ Vb7JYDJs ]
うぅむ、カルマと混同してまった、、、

764 名前: 760 投稿日: 2003/05/18(日) 14:08 [ HiOKzS56 ]
うわぁ、カルマの作者さんすいません;;
ディオの名前、”ディアス”に変えたいと思います。
脳内変換よろ

765 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/18(日) 14:56 [ NFYUNVFQ ]
>>762
そういえば何気にラグ鯖の人?

766 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/18(日) 21:12 [ 4Zidtids ]
〜〜〜ディアス 第2章〜〜〜


(ねえ、ディアス・・・)
コンシュタット高地で焚き火を囲っていると、
彼女が焚き火の向こう側から俺に話しかけてきた
火にあぶられた羊の肉がいい匂いを辺りに振りまいている
(何?)
彼女を見ると少し俯き加減に、そして遠い目をしている
こんな表情は今まで見たことがない・・・
(雪を見ようって約束・・・覚えてる?)
なんだ?何でそんなことを聞くんだ?
(ああ、覚えてるよ)
そう答えると彼女は俺を見る
(今から雪を見に行けないかなぁ・・・)
今から?
なんでそんなに急に?

(無理だよ・・・
 雪が見れるあたりはモンスターの強さがこことはくらべものにならないって聞いただろ?
 二人で、もっと経験を積んで、ゆっくりと見に行こうって言ったのはそっちだろ?)
俺はそう言った
(うん・・・そうだよね・・・)
彼女はまた俯いてしまう
(ねえ、ディアス?)
彼女が俺の顔を見て聞いてくる


(もし私がいなくなっちゃったら・・・どうする?)


なんでそんな事を聞くんだ?
(そんなこと・・・考えられないよ・・・)
俺がそう答えると彼女は笑ってくれた

(あっ、焼けたみたい!食べよ?)
そう言って彼女は充分過ぎるほどにあぶられた羊の肉を取った
俺も肉を取る
そしてふと気付く
彼女は肉に口をつけずにじっと俺の方を見つめている
なんだ?また俺は妙な表情をしているのか?
そう思っていると彼女は肉を持ったままくすくすと笑い出した
なんだよ、そんなに笑うことないだろ

(ねえ・・・)
いつものようにしばらく笑ったあと、彼女は言った
(なに?)
肉にかじりつきながら言ったのでくぐもった声が出た
彼女はまた笑い出しそうな顔になる
落ち着け・・・
ここでまた妙な事を考えるとまた笑われるぞ

(ありがと・・・)

は?
ありがとう?
なんで?
そう思ってるとまたくすくすと笑い出した
ちくしょう、やられた
そうきたか

またしばらく笑ったあとに彼女は言う
(一緒に雪を、見に行けるといいね・・・)


「夢か・・・」
ディアスはブロンブベッドから起きあがった。

                            そのうち続きます

767 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/18(日) 23:52 [ JX.xnKRo ]
ディアス・・・亡き人みたいでつね;;
続き楽しみにしています

768 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/19(月) 01:24 [ dFgLuLtA ]
タルタル戦士は夢を見る


第三十八話 獣使いの少女にできる事


雨の音が聞こえる。…部屋の中は夜みたいに暗いが、朝を迎えたようだ。
いつのまにか僕は眠ってしまったらしい。
上半身を起こして、室内を見回すがレウの姿が見当たらない。
とりあえず脱ぎ散らかしてある服を身にまとう。

「レウ…」

昨晩の出来事が鮮明に脳裏に浮かぶ。
ああ、僕は結局、レウを欲望の処理道具に使った下劣な大人達と
なんら変わりがないんじゃないか。
…きっと、レウは僕に愛想が尽きてしまったにちがいない。

「僕は…どうしたら…君に何をしてあげればいいんだ…」


―― 南サンドリア ――

「おい、あんた達、頼みがあるんだ!」

サンドリアの競売場の前、冒険者達が多く集うその場で一人の男が叫んでいる。

「息子が森へ遊びに出たまま帰ってこないんだ!オークにさらわれてしまったかも
 しれないんだよ!」

一人の冒険者が男に話しかけた。

「騎士団にはもう話したのか?」
「ああ、勿論話したさ!だけど、どいつもこいつも耳を貸してくれないんだよ…
 あんた達、冒険者なんだろ?息子を助けてくれよ。きっと、ゲルスバに連れ去れたに
 違いないんだ!」
「ゲルスバか…最近、何やらオークどもが集まって悪さをしていると聞いたが…」
「だろ?最近、同じように何人も行方不明になってるって聞いたし…頼むよ、なぁ?」

しかし、冒険者達は足早にその場を立ち去ってしまう。
男は他の冒険者達にも声をかけるが、誰も耳を貸そうとはしない。
近年、サンドリアでは急激にオークの数が増えてきている。
そしてその多くはどうやらゲルスバに集結しているらしい、というのが神殿騎士団の見解である。
そんな状況の中、危険と言われているゲルスバに、果たして本当にいるかどうかも
分からない子供を捜しにいくのはあまりにも無謀な行為だ。
結局、その場にいた冒険者達はいなくなり、男だけが取り残された。

「なんだよ…ちっくしょうが!…お前ら、冒険者なんだろう!?」

一人のエルヴァーンの少女が男に近づく。…レウだ。

「お子さんの名前は…?」
「なに…?」
「だから、お子さんの名前、教えてもらえませんか?」

769 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/19(月) 01:26 [ dFgLuLtA ]
レウは男から話を聞いた。昨日、子供がこっそり森へ遊びに出て行ったかもしれない事。
そして夜になり、まさかと思って森を探し回ると、大事にしていた釣竿が川の側に
落ちていた事。
また、ここ最近、同じように子供が行方不明となっており、数日前にも
子供がオークに連れて行かれる所を助けた冒険者がいる、という事だった。

「アンタ、まさか一人で行くつもりなのか?」

…一人、そうだ。ゲルスバへ行くには一人では危険かもしれない。
噂で聞いていたが、あそこは今やオークの巣窟と化している。しかし…

「多分、どうにかなります。こう見えてもバストゥークから旅をしてきたんです。
 そんなに簡単にはやられませんから…」

私はオットーに酷いことをしてしまった。…もう、彼に会うことはないだろう。
勿論、トッパやラキ、ジルパケルパの前に立つ資格もない。
…自らの手で大切な物を壊してしまった。そうだ。私はまた一人になってしまったんだ。

「必ず助けてあげます。だから、帰ってきたら…”おかえり”って言ってあげてくださいね。
 …それが、家族というものですよね」


昔、レウが騎士に何故自分を助けてくれたのか?と、聞いた事がある。
騎士はしばらく悩んだ後、こう答えた。

「私には幼い頃から苦楽を共にした友がいてね。
 そいつと一緒に、何かをしたかった。何かって聞かれても、
 あの頃は特に考えてなかったのかもしれないがな。
 …とにかく二人とも我武者羅だった。
 正義という安い二文字に踊らされていたのかもしれないな」

レウはその時、きょとんとして騎士の顔を覗くことしか出来なかった。

「はは、すまない。何を言ってるか自分でも良く分からないな。
 そうだな、簡潔に言ってしまうと…
 今でも正義という二文字に踊らされてるという事なんだろう」


レウは思う。
自分には世界を変える力などない。だから、せめて出来ることをしようと思う。
たとえ、一人きりだとしても。

                                     続く

770 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/19(月) 01:29 [ E/sdozEg ]
うほっ、この時間にタル戦くるとは。ラッキー。

しかし最近作品アプしてくれる人が多くていい
なぁ。

771 名前: 戦死37才痛風持ち 投稿日: 2003/05/19(月) 17:39 [ iQURCOWA ]
タル戦キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノ━━━!!!!

age

772 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/19(月) 18:34 [ QHPOQRk6 ]
-銀色 TurnA-01-

ザックスと言う名のガルカが僕の親父。昔パパと呼んで殴られたこともあった。
昔は名の通った戦士だったそうだけど、よくわからない。
僕はと言えば剣も魔法も今ひとつ。情けない息子だと親父は鼻で笑う。

バストゥークは僕の庭。近所の奴らには時々からかわれるけど、根はいい奴ら。
親父の酒を買いに港に行ったりもするし、商業区の学校に行けば友達もいる。
皆と違って僕に取り柄はないけれど、小さい頃から皆一緒だった。

「おい!おい!」親父が僕を呼ぶ時の大きな声が聞こえる。
「何だよ親父。ここにいるって」僕はクリスタルを親指で弾きながら返事をする。
親父は目の前に1本の剣とギルが詰まっているような麻袋をテーブルに置いた。

「ジュノに極上の酒があるらしい。ちょっと行って買って来い」
「は…?ジュノ……?」「そうだ。何年かかっても構わん。買って来い」
親父はいつものように鼻で笑う。

「途中で襲われるかも知れんし、死ぬかも知れん」親父は酒を飲み干して話を続ける。
「ちょ、ちょっと待ってよ!ジュノなんて行ったことないよ!それに学校は?」
「外の世界を見て来い。学校より貴重なことを学べるぞ、劣等生」親父は不敵に笑う。

「途中どこに行こうがお前の自由だ。とにかく酒を買って来い。学校には俺が言っておく」
「そんな…。死んじゃったらどうすんだよ!」「なぁに。食い扶ちが一人減るだけだ」
「ジュノがどこにあるのかだってわからないよ!」「気にするな。そのうち着くさ」

親父、飲みすぎたのかな…。

773 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/19(月) 18:36 [ ABaSf2iQ ]
-銀色 TurnB-01-

南サンドリアで一番大きな宿屋が私の家。冒険者の話相手が私の仕事。
ヒュームもいるしガルカやタルタル。あぁ、タルタルには少し小さい部屋を用意してあるの。
ガルカは寝床はどこでもいいってお客さんが多いかな。ガルカ用の部屋あるけどね。

昔からの友達はもうサンドリアにいないの。皆どこかに行っちゃった。
ロンフォールの森でウサギを追いかけたり、オークに追いかけられたり。
あの頃が一番楽しかったねって、時々サンドリアに戻ってくる友達と話したりするよ。

私?私だって昔は皆と同じ様に冒険もしてた頃あったんだよ。
でも何か疲れちゃって…。今はサンドリアで友達が帰ってくるのを待ってる方が楽しいかな。
お客さんに料理を振る舞って喜んでもらえるのも嬉しいしね。うん、満足してる。

私は仲間の中じゃ小さい方でね。だから逆に誰かを守りたいって気持ちあってさ。
何て言うか…難しいんだけど。今思えば背伸びしてただけだったのかもなぁって。
守ろうとするんだけど、結局守られちゃう…みたいでさ。私の中じゃ悪循環…。

これでもね、サンドリアに戻るって言った時は皆止めてくれたんだよ?
皆は一緒にいようとか言ってくれたりして嬉しかったんだけど、何か自分的にね…。
だからサンドリアに戻る時は皆に家を手伝わなきゃだから、って帰ってきたの。
でも逃げ帰ったと思われたかもなぁ…。

今日は父さんの言いつけで野兎の肉と大羊の肉を取りにきたの。だからちょっと早起き。
あ、そうだ。ミミズから鉱物取ってお小遣いにしようかな。新作のチュニックかわいかったし。
オークも少し退治しようかな。私ってば結構愛国心あったりして。

そうそう、夜明けのロンフォールって綺麗なんだよ。知ってた?

774 名前: あまりに暇なので短編でも 投稿日: 2003/05/19(月) 22:11 [ 8Gteae0U ]
北方の王国サンドリア。人々のたむろする競売の近くに、一人たたずむタルタルが居た。
その日は珍しく雪が降っており、そのタルタルは小さな布きれを纏っていた。
道行く人々は、タルタルの前に置かれている大きな貝殻にギルを入れていった。
勿論、目を背けたり、あからさまに嫌な顔をする人々も居た。
ここサンドリアは、エルヴァーンの国。得体の知れない人間は、迫害されてしまうのである。
そんな中、一人の女が歩いてきた。身なりからして冒険者であろうか。
雪の降る寒い中、女はタルタルに歩み寄り、その手に息を吹きかけ、こすってやった。

「大丈夫?寒くない?」

その女は、バストゥークの冒険者であった。
幼少の頃、両親が鉱山の事故で死亡し、一人辛く生きてきたのである。
その時の記憶が蘇ったのか、はたまた単なる哀れみか、彼女はそのタルタルを宿へ連れて行った。

カウンターのエルヴァーンは、引きつった笑みを見せつつ、代金を提示した。
「お金は、ボクが払います・・・」
タルタルは、小さな声でそう言った。情けを掛けて貰い、宿にまで泊めて貰っては男が廃るとでも思ったのだろうか。
だが、女は何も言わず二人分の料金を支払った。
タルタルは、何も言えずそのまま部屋に連れて行かれた。

「私ね、明日の朝ゲルスバに行って、ミッションをしてこなくちゃ行けないの。」
女は、自分がサンドリアへ来た理由を語り始めた。そして、自分の身の上も同じように。
孤児になってしまったこと。苦労の末ミッションを受けられたこと。
このミッションが終われば、国に帰られること。
その時は、タルタルも一緒に連れて帰ると言うこと・・・

「明日は必ず帰ってくるから、それまで待っててね。」

次の日の朝、女は早くゲルスバへ出かけていった。
タルタルはいつも座っている所へ腰を下ろし、ひたすら女の帰りを待った。
・・・・・・夜が来た。
それでも、女は迎えに来ない。タルタルは、待った。
・・・・・・朝が来た。また夜が来た。それが、三回ほど続いた。
そして、また雪の降るある日・・・
タルタルは、女の付けていたペンダントを持っている男を見つけた。
「お、お兄さん!その・・・ペンダントは!」
「ん?ああ、これか。今日ゲルスバの奥でモンスターを倒したとき、落としたんだ。良い物みたいなんで、持って帰ってきたんだが・・・」

その日から、タルタルは姿を消した。町の人は、それを気に掛けることもなく、毎日の生活にいそしんでいた。
一人のガードが、北の峠へ向かう小さなタルタルを見かけたと言う覚えがあった以外、町に変化はなかった。


東ロンフォールに有る塔で、修道士が修行していた。
ある朝、顔を洗いに川へ出かけると、岩に何かが引っかかっている。
・・・それは小さなタルタルの死骸であった。
この辺りでは、北の氷河から地下水路を伝い、死体が流れてくることも少なくはない。
修道士は、その小さな亡骸を、川の近くの木の下に埋めた。
そこらの枝で作った、簡素な十字架が立てられた。
そして、修道士はまた塔へ戻っていく。何事もなかったかのように。

そう・・・人の死など、町に変化をもたらすほどのことではない。
それは、誰もが理解していることであるし、誰もが認めざるを得ない、真実である。

775 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:41 [ 6hDOXUdk ]
〜〜〜ディアス 第3章〜〜〜


(なんで!なんで黙ってたんだよ!!!)
俺がそう叫ぶと彼女はベッドに横たわりながらニッコリと笑う
もう笑うのだって辛いはずなのに・・・
なんで笑うんだよ・・・

セルビナの熱気が俺の体中を取り巻く
しかし、暑いはずなのに俺の体からは汗は一滴も出てこない



彼女は手を伸ばしてきた
俺はその手を掴む


冷たい・・・


その手は

雪のように白く
雪のように冷たく

そして儚い


(ごめんね・・・)
彼女は笑いながら俺に謝る
(ずっと前から分かってた事なんだ・・・)

頼むからそんな顔をしないでくれ・・・

(昔に比べると随分医療も発達してるし薬も、魔法もどんどん新しいのが出来てるんだけど・・・
 それでも私の体は治らないんだって・・・)

頼むからそんな話をしないでくれ!!

(このこと教えちゃったらディアスはきっと私を病院に縛り付けようとするでしょ?)

当たり前だ!

(でもね、私はディアスと一緒に旅をしていたかった・・・
 少しでもいいからディアスのしたいことを手伝ってあげたかった・・・
 ごめんね、中途半端で・・・
 ごめんね・・・)

(もういいから!!)
彼女は俺を見て笑ってる
(きっと治るから・・・
 医者が頑張って、治療法探してくれてるんだろ?
 今はゆっく、り、休、んで・・・)

声がうまく出ない
なんで俺は泣いてるんだ?
これじゃまるでお別れみたいじゃないか!

(ううん、だめなの・・・
 いくら探しても私の症状に一致する病気も呪いもないんだって・・・
 これは多分私が初めての病気だってお医者様が言ってた)

なんだよ、それ・・・・

(でもさ、私がこの病気にかかって・・・
 それで少しはこの病気の事も分かったから・・・
 これからこの病気にかかった人はきっと助かるよね?)

なんで自分は助からないみたいなこと言うんだよ!!
何かないのか?
なにか・・・

(無理だよ・・・)
俺の表情を読んだのか、彼女が言ってくる
(今までいろんな事を試したけど、全部無理だった・・・)
(諦めるなよ!絶対やってないことがあるから、だから!)

なんで・・・
なんで俺は気付いてやれなかったんだ!
ずっと辛い思いをしてたのに!
どうしてもっと早く気付いてやれなかったんだ!!

776 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:43 [ 4tjJmtjI ]
-銀色 TurnA-02-

「ちょっと!どういうコトよ!」同級生のシータが家に怒鳴り込んできた。
「いや…どうもこうも…ジュノに行くことになって…」
「あんたじゃ死んじゃうって!ザックスおじさんも何考えてんの?」親父はいつものように鼻で笑う。

「こないだバインドかけてグスタに2時間放っといたのは謝ったでしょ?」
「いや…別に怒ってないしジュノとは関係ないってば」
「あんたが教科書読んでる時にブラインとかもしないからさ…」
「ん…。港で釣りしてる時にパライズもできれば…」
「それは私じゃなくてフォゥでしょ!」

「とにかく行ってくるよ、ジュノに」僕はシータの目を見ないでそう言った。
「本当に死ぬよ?」「死にたくはないけど…」僕はできる限り優しい声で返した。
「…いつ行くの?」「明日…かな?いい天気だって聞いたし」
「そっか…。じゃ明日皆で見送りに行くね?」「うん」僕はどうしてもシータの顔を見れなかった。

本日、グスタベルグは晴天なり。晴天だとクゥダフが弱くなったりしないのかな?
友達はジュノに行くことに驚いてたし、先生は先生で僕以上に不安な顔していた。
これからどうなるのか誰にもわからない。僕は皆の前で笑うことしかできなかった。
今なら戻れる。いや、戻れない。そんな葛藤が自分の中で踊る。

「それじゃ、行ってきます」意を決して、僕は皆にそう言って背を向けた。
皆の声援が背中から聞こえる。何だか喉の奥が痛い。泣きそうなのが自分でもわかる。
そんな時、聞き覚えのある大きな声が響いた。

「息子よ!振り返るな!」もう何年も聞いてきた親父の声が背中に刺さる。
「いいな!いつでも胸を張って前を見ろ!」僕は立ち止まらずに全神経を背中に集中させる。
「極上の酒を持って帰ってこい!戻ってくるまで待っててやる」あぁ、きっと鼻で笑ってるんだろうな。

本日、グスタベルグは晴天なり。

777 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:43 [ 6hDOXUdk ]
彼女は・・・笑ったまま・・・俺を見る・・・
(今日はずいぶんと寒いんだね・・・
 これなら、雪、降るかな?)

寒い?

(なに言ってるんだよ?・・・ここはセルビナだぞ?
 夜なら分かるけど・・・
 今は昼だよ・・・
 寒いわけ・・ないだろ・・・)

彼女の手を強く握る


冷たい・・・


ちくしょう!
冷たい!


俺は少し乱暴に彼女の体を起こすと、力いっぱい抱きしめる

何やってんだ俺?
こんな事したらもっと彼女の体は悪くなるかもしれないのに!

(ねえ、ディアス?)
(喋るな!!)
俺は叫ぶ


(私の事、好き?)


なんでそんなこと聞くんだよ!

(私はね・・・ディアスの事、ずっと好きだったよ・・・)

彼女の体が震えている
寒いのか?

・・・いや、



・・・・・・・・泣いてるんだ・・・




(ずっと、ディアスの事、好きだった・・・
 ごめんね・・・こんな事、突然言われても困るよね・・・)

なんで泣くんだよ・・・?
笑えよ!
いつもみたいに笑ってくれよ!

(でも、どうしても、聞いて欲しかった・・・
 ねえ、ディアスは私のこと、好き?)

(好きだよ!俺もずっと好きだった!
 だから!・・・・・・頼むよ・・・・・・)

神様!これが!こんなのが彼女の運命なのか?!
彼女が何をしたんだよ!
頼むから彼女を助けてくれ!


(ありがとう・・・)

悪魔でも、魔王でも闇の王でもなんでもいいから!!
俺の魂でもなんでも持っていけばいい!
彼女を助けてくれよ!


彼女が俺の背中に手を回す



・・・・・・・・・・・・・・・・・たのむから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




(ごめんね・・・)

778 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:45 [ 4tjJmtjI ]
-銀色 TurnB-02-

サンドリアに来たことはある?私は生まれも育ちもサンドリアなんだけど。
何かね、お客さんとかに聞くと堅苦しいイメージあるんだって。
エルヴァーンが多いからかな?何て言うかエルヴァーン至上主義みたいな。わかる?

エルヴァーンってさヒュームとかガルカとか格下に見てるようなイメージあるじゃない?
あれってイメージじゃなくて実際そんなカンジなんだよね。王国兵士とかに多いんだけど。
最近はそんな風潮も減ってはきてるけど、国のイメージって簡単には変わらないよね。

私はそういう種族差別っていうのかな?そういうのには全く興味なくって。
前にも言ったけど、お客さんいっぱい来るのもあるし、話してて楽しいし。
無口なガルカとかが時々話してくれたりとかする話も楽しいよ。

私の両親はどちらもそういう差別には興味ないタイプでね。
サンドリアの商業組合とかまとめてたりするの。それは面倒かなぁって私は思うけど。
もちろんヒュームもエルヴァーンもガルカもタルタルも皆一緒。仲良いみたいだよ。

北サンドリアに国民が通うスクールがあって私も昔は行ってたんだ。もう卒業したけどね。
そのスクールってクラスが種族毎に分かれててさ、私は嫌いだったな…。
私は皆と遊んだりしたかったんだけどね。そういうのもできない雰囲気あったかなぁって。

パーティ実習の時間なんかも同じ種族でパーティ組んだりしてさ。
何て言うか、もうちょっと視野を広げた授業とかして欲しかったかなって。
ん、成績?私は結構優秀な方だったんだよ。魔法はちょっと苦手だったかな?

今日もロンフォールには駆け出しの冒険者がいっぱい。早朝からご苦労様。
時々そんな冒険者にケアルしながら、人の少ない場所でウサギを追いかけたり。

頑張ってね。新米冒険者さん。

779 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:45 [ 6hDOXUdk ]
「ディアスさーん!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ディアスはゆっくりとブロンズベッドから起き上がる。
(これで3日目だ・・・)
「ディアスさーん!手紙だよー!おーい!」
(うるさい・・)
「ディアスさーん、出てこないならこの手紙、捨てちゃいますよー!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ディアスは気だるげにベッドから降り、ドアに向かっていく。
ノブを掴もうとして自分が、強く拳を握りしめていることに気付く。
ゆっくりと手を開いて、2、3回握ったり開いたりを繰り返すと、彼はドアを開けた。
「やあ、ディアスさん。おはよう!」
郵便配達の青年がにこやかに語りかけてくる。
自分はそれに何も返さずに手を広げ、彼に突き出す。
これはいつものやりとりだ。
この後彼は少し溜め息をついた後、ディアスの手に手紙と金の入った袋を渡すはずだった。

「ディアスさん・・・泣いてるのか?」

いつもと違うやりとりに少し戸惑いながらも、
(何を馬鹿なことを・・・)
自分の頬に指を這わせる。
しかしそこには確かに涙の跡が、
そして今も目からは涙が流れているようだ。
「なんでもない・・・」
少し驚きながらも青年に言う。
「目に、ゴミが入っただけだ・・・」
自分で言っておきながら
(説得力がないな)、と思う。
もうちょっと気の利いたいいわけはないか、と考えたが、何も考え付かなかった。
「ディアスさんでも泣くことがあるんだな」
青年は手紙と金の入った袋をディアスに渡すと言った。
「いっつも無表情で何考えてるか分からないから涙なんて流さないって思ってたよ」
ディアスのいいわけは全く効果がなかったようだ。
これ以上この青年と顔を合わせているとあれこれ詮索されそうだった。
「手紙、ありがとう・・・」
素早くそう言ってディアスはドアを閉めた。
「え?!!」
青年は驚き立ちつくす。
「あのディアスさんが・・・」
大きく見開いた目はじっとドアを見つめる。
「ありがとう?」
自分が今いるところが現実か夢かが分からなくなる。
その後彼は動き出せるようになるまでに30分の時間を要した。

780 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:46 [ 4tjJmtjI ]
カブった(´・ω・`)
急いで吊ってきます(つд⊂)

781 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:47 [ 6hDOXUdk ]
「いつもの・・・か」
ドアを閉めた後、ディアスは封筒を開ける。そこには1枚の手紙が入っていた。
目を通そうとすると、手紙に水滴がぽつり、と落ちる。
(まだ泣いているのか・・・)
自分の体なのに自分の思い通りにならない。こんなことは初めてだ。
(やはりあの夢が原因かな)
何故今更あんな夢を見たのか分からない。彼は一時もあの時の事を忘れた事はないし、

(あいつの事だって忘れたことはない)

それなのに彼は夢を見ただけでいつまでも泣いている。
ベッドに転がり仰向けになる。
涙は止まりそうにない。
しばらくそうしていたが、ふと思いだし、手紙を見る。
そこにはただ1行

                乾燥マージョラム2ダース

とだけ書かれていた。
ディアスはそれを見ると起き上がり、着替え始めた。
着替えてる途中も涙は止まることなく流れ続けていたので、
(このまま止まらなかったら困るな)
などと思ったのだが、彼が着替え終わる頃には涙は止まっていた。


いつもの道を、いつものように歩く。

家を出たディアスは錬金ギルドへと向かっていた。彼が金庫を貸している相手から届いた手紙に書いてある、
乾燥マージョラムを買いに行くためだ。

いつもの道を、いつものように歩く。

普段は全く外に出ることを許されない彼のような元冒険者が、
食料の買い出し以外で外に出られる唯一の機会だった。

いつもの道を、いつものように歩く。

買ったアイテムは、いつもジュノへと届けられる。
そこにいる相手が何をしているのかは分からないが、これも彼の仕事のひとつだった。

錬金ギルドの少し手前まで来たとき、いつもと少し違うことに気付いた。
(占い屋・・・か?こんなところに?)
そこには一人の老人がテーブルと水晶玉を出して座っている。
普段はそんなものに振り向きもしないディアスだが、今日は違った。

そう、あの夢を見たから・・・。

782 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:49 [ 6hDOXUdk ]
ゆっくりと、老人の元へ歩いていく。

「いらっしゃい」

ディアスに気付いた老人は笑って彼を迎えた。
「どんな占いでも出来るのか?」
「ええ、もちろんですよ」
「なら占って貰いたいことがある」
「料金は先払いですよ」
「いくらだ?」
「100ギルです」
ディアスは腰袋から100ギル出して老人に渡した。
「さて、何を占いましょうか?」
「俺が今日見た夢について占って欲しい」
「分かりました、それでは・・・」
老人はそう言って水晶玉に両手をかざす。

そして・・・

「おお!そうだ!!この水晶玉を見てくだされ!
 実はこの水晶玉はジュノで作った正真正銘私だけの水晶玉でしてな!」

「そんなことはどうだっていい」

ディアスがそう言うと老人は少ししょんぼりとして頷いた。

「ほう、どうでもいい、と。そうそう、この前ワシは家で入れ歯を無くしましてな・・・」

「そんなことを聞きにきたわけじゃない!」

少しイライラして言う。
しかし、彼自身は気付いていないが、イライラするのでさえ彼にとっては凄く久しぶりな事だった。
「まあまあまあ、落ち着いて年寄りの話につきおうて下され」

そう言って老人は全く関係のない話をしはじめる。
「ばあさんが死んだのはつい去年のことでな・・・」

・・・どうやら、この老人は占いなんて最初っから出来ないらしい。
「ばあさんがいなければ入れ歯を無くしても探してくれる人間は自分しかおらんのですわ・・・」

こうやってえんえんと世間話をして相手を帰らせるつもりなのだろう。
「入れ歯がないとどうにも不便で、何とかならないかって考えたわけですわ」

(こんな相手に捕まるなんて・・・どうかしてるな・・・)
「そこで思い出したわけです・・・昔、そう、ウィンダスで聞いた・・・」

「俺はもう帰らせてもらっ・・・」


「”死者を生き返らせる魔法”を・・・」



(・・・なん・・・だと・・・?)



「その魔法さえ覚える事が出来れば、ばあさんを生き返らせて入れ歯を探させる事も出来るんですが・・・」

(死者を・・・生き返らせる?)
「なんと言ってもワシは黒魔道士でのう・・・」

(あいつを”生き返らせる”ことができる・・・?)

「ワシにはどう転んでも使えないまほ・・・」




「おい!じいさん!!」




ディアスは思いっきり叫んだ。周りにちらほらいた通行人達が驚いてディアスを見るが、
彼にはそんなことはどうだって良かった。
老人も驚いてこっちを見ている。
「今の話・・・本当か?」
「へぇっ!!?」
思いきり声が裏返ってる。だが、彼にはそれもどうだっていいことだった。
「本当に死んだ奴を生き返らせる魔法があるのか?!」
「え?」

「ほんとうに死んだ奴を生き返らせる事が出来るのか?って聞いているんだ!!」

「あ、え?・・ああ、いや、なにぶん昔の事なので詳しくは覚えてないのですが・・・」
「その魔法の名前は?!」
「ええっと・・・レイズ・・・でしたかな・・・?」

「レイズ・・・」
ディアスは呟いた。

(まさかそんな魔法があったなんて!)

「ウィンダスに行けば詳しい事が分かるんだな!」
「え?ええ・・・多分・・・」
ディアスは腰にある袋を取り外し、老人の目の前にどん!と置いた。
老人が驚いた顔をすると、
「情報量だ」
と言い、老人に背を向け、歩きだした。
しばらくすると老人の驚喜の声が聞こえたが、もうどうでも良かった。



彼は早足でモグハウスへと戻っていく。旅の準備が必要だった。

(あの夢を見たのも今日あの手紙が届いたのもあの場所にあの老人がいたのも全部このためだったんだ!)

自然と彼の顔に笑みがもれる。

(ああ、そうだ!神の助けか悪魔の助けかは知らないが乗ってやる!)

早足ではもの足りなくてついに走り出す。

(これが俺の・・・俺の運命というのなら!神よ!悪魔よ!俺はお前達の手のひらで踊ってやるよ!
 ああ!見事に踊りきってやる!)

モグハウス前に戻ってきた。



(待っていろ!絶対にお前を生き返らせてやる!)



                               第3章 終了

783 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:52 [ 6hDOXUdk ]
ごめん、今気付いた
俺が吊ってくるよ・・

長文、駄文すいません

そしてイ�繊�

784 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 00:56 [ 4tjJmtjI ]
>>783
(;´д⊂)ゴメンヨゥ

785 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 01:03 [ uu4CCl3o ]
>>774
・゚・(ノД`)・゚・
今使ってる倉庫たるも、もし解約したらそうなるのかなと妄想してみた。。。
まぁしばらくその心配はないけどな。
もしそうなるとしても、愛着わきすぎて消せないよ…うちの子。

微妙にスレ違った。スマソ

786 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 02:13 [ O0/1Ffmk ]
ディアス・・・頑張れ
そしてモーグリーがもどってきますようにw
冒険始まれば戻ってくるのかな? いや変なこと言って申し訳ない

787 名前: カルマ 投稿日: 2003/05/20(火) 02:38 [ Sg0hqD6M ]
あぅぅぅ…神降臨しすぎでつよ、ここ゚・(ノД`)・゚・
ディアスの話し、続き期待してます!(プレッシャーかけるなよ
名前被ってもキニシナイw

あ、あと前回書き込んだ時の名前募集…
>>730さんのヨシュアがビビッと来たので使わせて頂きます〜
ちなみにヒュム♂の青年です。

>>728さんの名前、惚れたので別のキャラに適用させて頂きます。
お二人とも、ありがとうです。
これから文章校正して書き込みまつ(`・ω・´)

788 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 03:32 [ ki60K.8w ]
みなさんすごいです。うますぎです。
自分のかいたへたくそな話かきこめなくなりました。
これからもがんばって〜w

789 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 04:12 [ OwpPFtcc ]
そう言わないで書き込んでくださいよ〜。
読みたいっすよ〜。

790 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 05:44 [ VAkuxaQI ]
前にあった暗黒騎士の予告編の本編はこないのかな・・
暗黒の話があんまりないんで楽しみにしてたんですけど・・

791 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 12:31 [ N.MN9iv6 ]

ワタシはバス出身の樽モンク。
3人兄弟の一番末っ子で皆はたまにワタシのことを名前じゃなくて
「そうこ」って呼ぶの。どういう意味かよく分からないけどね。
栽培の面倒をみるのと、オニオンマラソンと、石堀がワタシの仕事。

石堀をして荷物がいっぱいになると強い敵にいっぱいケンカ売って
「死にデジョン」っていう奴をするの。
「Lv低いから死んでも痛くない」んだってさ...
でも、やっぱりとってもとっても痛いんだよね。


ある日猫のおねーちゃんが言ったの
「もぅLv4だから死にデジョンできないね」って
そしてフルーツポンチっていう美味しそうな名前の武器をくれた。

この前初めて、鉱山から歩いて帰ってきたの。
鉱山から出たら夜の町の明かりがきれいで...すごく嬉しかった。
毎日歩いてる町なのにね。


今日もフルーツポンチをカチャカチャ鳴らして鉱山に行きます。
ツェールン鉱山に行けってミッションをもらったんだよ!
えへへ、とっても冒険者っぽいでしょ?

----------

ウチの鯖のバス競売履歴で"Etta"の名前を発見
エッタは生きている!.....と喜んでしまいました。
ごめん、ただそれだけが言いたくてヘタレな話書きました。

792 名前: 小ネタ 1 投稿日: 2003/05/20(火) 16:13 [ IaSfAe4I ]
ちっちゃいからって、タルタルのくせに魔法が苦手だからって。
そんなボクだって、だれかを守ることはできる。
そう信じて、ボクは剣を取ったんだ。
非力なのはわかってる。ガルさんやエルさんのマネはできない、そんなことはわかってる。
それでも・・・ボクは・・・・・・

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ボクは、涙で顔をグシャグシャにしながら、必死で逃げていた。
後ろを振り向く余裕はないけれど、確実に追ってきてる足音が聞こえる。
最悪だ・・・
もうちょっとで、マウラの街に着くはずだったのに、あと一歩でゴブリンと鉢合わせしてしまった。
一緒にいたはずの、仲間の姿はない。
襲われたボクを置いて・・・行ってしまったんだ。
ボクがみそっかすなのは、日ごろの雰囲気からよくわかってた。
特に、仕切り屋のヒューム戦士の奴・・・
いつもいつも、散々ボクのことをバカにしていた憎たらしい顔が、浮かんでくる。
だからって、見捨てることはないじゃないか・・・!
悔しくて悔しくて、涙が出てきてたまらなかった。
「だ、だれか助けて・・・!」
走りながら、かすれかけた声で叫ぶけど、誰もいやしない。
頼もしいはずの、腰に吊り下げた剣がたまらなく重たい。
ヒーローになりたかったボク。他の人を助けられる戦士になりたかったボク。
だけど、ボクはここで・・・惨めに死ぬんだ。
「も・・・もうだめ───あうっ」
体力の限界。足がもつれて、ボクは転んだ。
転んだままで振り返ると───目を赤々と光らせた、ゴブリンがいた。
ゴブリンは、その手にもった剣を振り上げ───ボクは、全てが終わった、と悟った。

793 名前: 小ネタ 2 投稿日: 2003/05/20(火) 16:15 [ Efr7KaHI ]
「www神速!!最強!!絶対魔法ホォォォォーーーーーリィィィィィーーーーーー!!!!!!wwww」


突然の絶叫。とたんに、目の前のゴブリンが、白い光をあげて弾けた。
びっくりするボクの視線の先には・・・・・・真っ白な鎧と、無骨な黒光りする両手剣を身につけた、ヒュームが立っていた。

「皆のもの!!www割目せよ!!!www 今から最強の俺様が、この地で狩りを開始する!!!wwww」

周囲一帯に響き渡るような浪々とした声で、彼が再び叫んだ。
唖然とするボク───そして、ふらふらと起き上がって、彼をにらみつけるゴブリン。
ぐるる・・・とうなったゴブリンは、彼に向かって突撃した!
踊りかかるゴブリンを、彼は軽いステップでまったくの動揺を見せずにかわすと、背中の両手剣をゆっくりと引き抜いた。
そして───

「悪しき者よ、土にカエレ!!!wwww 絶対聖剣ハァァァァドスラァァァァァァァッシュ!!!!wwww」

三度絶叫。最上段に構えたその大剣を、一気に振り下ろした!!
あまりに鋭いその一撃を、受け流そうとしたゴブリンは───その剣ごと、脳天から真っ二つに切り裂かれた。


黙ったまま、剣を背中に戻す彼に、ボクはおずおずと話し掛けた。
「あ、あの・・・」
それに気付いた彼が、ボクの方を振り返る。沈みかける夕日を浴びて、彼の金色の髪がきらきらと輝いている。
彼は、ボクに向かってにっこりと微笑みかけると───すっと、握りこんだままの左手を差し出し、その手を開いた。
「?」
いぶかしむボク。そこには、なんだかよくわからない、金属の塊があった。そして。

「獣人貨ウマーww」

それだけを、言った。

・・・なんだか、意味は分からない。けど、ボクは既に、彼の強さにすっかりと魅了されていた。
「あの───助けていただいて、ありがとうございました。・・・お名前は?」

「俺ナイトww サイキョーwジョブww」
爽やかな微笑を浮かべたまま、彼は言った。

794 名前: 小ネタ 3 投稿日: 2003/05/20(火) 16:15 [ Efr7KaHI ]
結局彼が、ボクをマウラまで送り届けてくれることになった。
ちょっと言うことが変わってるけど、いい人だ。
ボクは道すがら、仲間に見捨てられたこと───タルタルで戦士という、自分の立場に悩んでいること───
さまざまな思いのたけを、彼に打ち明けた。
彼は静かに、ときおり「うはwww」との相槌を入れて、ボクの話を聞いてくれた。

程なくして、マウラに辿り着いた。
途中にいた敵は、彼の攻撃魔法(「ホーリー」というらしい」)の前には、相手にならなかった。
彼とすごす時間はとても楽しくて、とても名残惜しかったけれど、マウラの門の前でボクたちは別れることになった。
最後にボクは、彼にこう尋ねた。

「ボクも───あなたみたいな、強いナイトになれますか?」

彼は、再びあの微笑を浮かべると、こう答えてくれた。


「うはwwwwwおkkkkwwwwwwwwwwww」


いつしかボクは、必ずナイトになってみせる。
華麗に両手剣を振り回し、並み居る敵をホーリーで吹き飛ばす、そんなナイトになってみせる。
マウラの港に沈み行く太陽に、そう固く誓った。

〜 Fin 〜

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

うはwwwwスレ違い??wwwww
おkkkkwwwwwww

795 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 16:24 [ ufufoe9s ]
メッチャワラタ

796 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 16:26 [ mHIt9Xa2 ]
漏れ的神。

故にage

797 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 18:29 [ ECYRH0eM ]
超大作が多い中、こういうクスッっとくる短編もいいなぁ (´д`)ノ
 ハードスラッシュ→ゴブリンにミス!
だったら更にワラタ

798 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 19:27 [ SOgbl/9. ]
>790
おまいさんが言ってるのは>707のかな。
俺も待っているのだよ…本編こねぇかな。
…でも、細い兄弟も待ってるんだよ。

799 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 19:44 [ b22Sq08A ]
>三度絶叫。
激しくワラタ

800 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 20:31 [ dcw4MlOY ]
小ネタじゃねーよーこんなの!!
めっちゃ笑った笑った!いやーいいわこういうの大好き!

今後の彼の活躍(もちナイトの方)の活躍も激しく希望!!
なんか各地で伝説作っていそうだ…

801 名前: 戦死37才痛風持ち 投稿日: 2003/05/20(火) 20:38 [ AFcIdESU ]
うはwwwwwwぐっじょぶwwwwwwwwww

802 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 20:53 [ qj4AxdxI ]
〜〜〜番外編 日記〜〜〜


きょうもディアスくんはいえにいなかった。
さいきんいつもいえにいない。
まえはわたしとよくあそんでくれたのに。
よし!あしたはもっとはやくいってディアスくんとあそぼう!


きょう、いつもよりはやくディアスくんにあいにいったら、
「いそがしいから」っていってどこかにいってしまった。
もうディアスくんなんてだいっきらい!


きょうはディアスくんのいえにはいかなかった。
あやまりにくるまでぜったいにゆるさないんだから!


2日間空白


きょうもディアスくんはうちにきてくれなかった。
どうしたのかな?
わたしのこときらいになっちゃったのかな?


1日空白


きょう、ディアスくんのいえにいったら、
ディアスくんはふたりだけのひみつだっていってわたしをひみつきちにつれていってくれた。
ディアスくんはさいきんそこで”ぼうけんしゃ”になるためにしゅぎょうをしてるんだって。
わたしはよるにおとうさんにぼうけんしゃってなに?ってきいたら、
すごくきけんなことをするひとたちなんだって。
おとうさんがわたしに「ぜったいにぼうけんしゃにはならないでくれ」っていってきた。
ディアスくんがそんなのにならないようにせっとくしなきゃ!


おとうさんにだまされた・・・
ディアスくんにはなしをきいたらぼうけんしゃっていうのはゆめときぼうがあふれるしごとなんだって!
よくわからないけど。
うそつきのおとうさんとなんてもうしゃべってあげない!


きょうもディアスくんはしゅぎょうしている。
きのぼうをずっとふってるだけなんだけどこれってなんのいみがあるのかな?
わたしもやってみたい!っていったら「おまえにはむりだよ」っていわれた。
ディアスくんは”ないと”っていうのになりたいんだって。
そのためのしゅぎょうなんだって。


きょうディアスくんはまきものみたいなのをもってきた。
”ないと”はまほうもつかえなきゃいけないからおとうさんにかってもらったんだって。
ずっとそれをよんでたんだけどぜんぜんできないっていってた。
わたしもやってみたい!っていったらこんどはかんたんにかしてくれた。
それでね!
すごいんだよ!
わたしがそのまきものにかいてあるじをよんだらからだからしろいひかりがたくさんでてきたの!
まきものはなくなっちゃったけど・・・
ディアスくんはくやしそうにしてたけど「おまえにはしろまほうのそしつがある」っていってた。
しろまほうってなに?ってきいたら、しろまどうしがつかうまほうなんだって。
しろまどうしってなに?ってきいたら、
あのね!
ぼうけんしゃなんだって!
わたしもぼうけんしゃになりたいっていったらディアスくんは「じゃあふたりでパーティーをくもう」って
いったの。
パーティーってなに?ってきいたら、ずっといっしょにいるなかまなんだって!
それでわたしはしろまどうしでディアスくんはないとをやめてせんしになるんだって。
ないとにもそのうちなるつもりだっていってたけど。
「おれがおまえをまもってやる」っていってくれたの!
あしたからディアスくんといっしょにしゅぎょうするの!
たのしみだな。


きょう、ディアスくん、っていったら「なかまは”くん”なんてつけない。よびすてにしろ」っていわれた。
だからきょうからディアスくんのことは”ディアス”ってよぶことにしたの。
なんか、てれるね!っていったらディアスくんはまっかになってしゅぎょうをはじめた。
しゅぎょうがんばろう!


以下、空白

803 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 20:54 [ qj4AxdxI ]
「そっか・・・日記書いてたっけ・・・」
そう言って、私は日記を閉じた。

あれから10年の時が過ぎた。
あの日荒れ果てたバストゥークもすでにほとんど復興したとは言え、まだ再建されていない家もある。
自分の家もそのうちの一つだった。
「お父さん、お母さん。私は戻ってきました」
私はそう言い部屋の中を見渡す。
ずいぶんと荒れ果ててしまっている。

でも・・・

足元に転がる紙箱を見る。真っ黒に煤で汚れたそれは、
雨風で既に原型が分からないほどによれてしまっている。
「これはお父さんがいつも吸ってた煙草。
 お母さんに止めなさいって言われてもこれだけは止めなかった・・・」
妙なポリシーを持った父だった。
私は顔を上げた。
見ている先には瓦礫の山がある。
「ここは台所・・・お母さんが私の好きなアップルパイの作り方を教えてくれた・・・」
父以外には誰にでも優しい母だった。
横の壁を見る。
「これ、は・・・」
そこにあるのは小さな一枚の風景画だった。
これも雨風にさらされたせいでぼろぼろになってしまっている。
雪の風景が描かれたその絵を自分はとても気に入って、父に絵をくれとせがんだことがあった。
そして父は、「お前が大きくなって嫁に行くときにこの絵をやるよ」と言った。
昔の自分はいまいち満足出来なかったが、なんとか納得した。
毎日のようにこの絵を見つめていた。
様々な思い出が甦り、一つ一つを確かめていく。


しばらくそうしていると、視線のすみに一人の少年がうつった。
彼はゆっくりとこの家に向かって歩いてくる。
私は慌てて近くに転がっていた手鏡を取って顔をうつした。
泣きそうになってる顔なんて見せたくなかった。
自分の顔をよく確かめる。
涙を流した跡はない。顔も別にゆがんでない。よし!大丈夫!
私は、涙も出ないなんてもしかして自分って冷血かな?と心の隅で思いながらに声をかける。
「どうだった!?」
彼は私に気付くと、口を開いた。
「だめだった。俺の家もこの家も、もう新しい家を建てる予定だって」
彼はすまなそうな顔になる。
別に彼が悪いわけじゃないのに。
すぐに感情が顔に出るのが彼の特徴だ。

「どうする?」
私はそう問いかけながらも(きっと冒険者になるって言うんだろうな・・・)と心の中で思う。

「俺は冒険者になる」
 ほら、やっぱり

「戦争はもう終わったけど、まだいろんな事で人々が苦しんでいる」
 私はね、ディアス・・・

「俺はナイトになって人々を護って行きたい・・・」
 私はディアスと一緒に行きたい・・・

「だから・・・」
 だから・・・

「ここでお別れだ・・・」
「私も冒険者になる!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「は?」
「私も冒険者になる!」
ディアスは驚いた顔をする。
「一緒に行こう?」
ディアスは今度は、困ったような、焦ったような、なんとも言えない顔になる。
要するに困って焦ってるんだ。
その顔が面白くて私はつい笑ってしまった。
そうすると、ディアスはそこにさらにすねた顔を足した。
困ったような、焦ったような、すねたような顔になる。
わざわざ足さなくてもいいのに!
私はその顔を見てまた吹き出す。
昔からディアスの顔をみて笑ってるような気がする。
確かに、ディアスの顔は面白いけど、
なんだか、ディアスと一緒にこうしてると・・・


ほっとする・・・

804 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 20:55 [ qj4AxdxI ]
「ねぇ、昔の秘密基地での事、覚えてる?」
しばらく笑ってようやく笑いが収まった。
ディアスはこういう時、いっつも私が笑い終わるまで待っててくれる。
だから話しかけるのはいつも私の仕事。
「いや・・・?」
ディアスは困惑した顔になる。
どうやら本当に覚えていないようだ。
自分はしっかりと覚えているのに・・・
少し、いや、結構ムッとくる。
「なんかね、昔ある人に聞いた話だと、私って白魔道士の素質があるんだって!」
「白魔道士の・・・?」
「そう!だから私も一緒に行くよ!」
ディアスはまた困った顔になる。
この顔も面白い!いや、ここはこらえておこう!
「いや、でも危険だし・・・」
「私も一緒に行くよ!」
「・・・はい・・・」
勝った。
ディアスは押しに弱い。


・・・でも、あの時の約束は忘れてしまっているみたい・・・
ちょっと悲し・・
「じゃあ、俺はナイトを止めて戦士になるよ」



え?

「いや、ナイトの方が護りの力は高いだろうし、いずれナイトにはなるつもりだけど・・・」

もしかして、覚えて・・?

「多分今の俺には戦士で精一杯だと思うんだ」

ううん、やっぱり忘れてるみたい。

でも・・・

「だけど、お前が白魔道士になるって言うなら・・・」

でも!


  「俺がお前を守ってやるよ」

                                  番外編 終了

805 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/20(火) 21:31 [ OwpPFtcc ]

*この物語はフィクションです。FF11内での人物、団体とは一切関係有りません*

=======================

   白狼 −1−


 平和に慣れた者は愚かである。
 平穏しか知らぬ者は愚かである。
 死を恐れぬ者は愚かである。
 命を知らぬ者は愚かである。

 無知なる者は愚かである。

 日常を疎んじ、平和を嫌い、破壊を求めるだろう。

 軽率なる者は愚かである。

 器を知らず、自己に甘え、崩壊を望むだろう。

 愚かなる者は存在が罪である。
 血の祝福無くしてはそれを抑えられない。

 −叛旗の詩人 レヴィンス−



 昼にはまだ早い時間。たまにはのんびりと散歩するのもいいだろうと思い、彼は街の中を目的も無く歩き回っていた。
 彼の名はスライ。ヒュームの冒険者である。
 スライは今、故郷バストゥークにいる。長い間ジュノで冒険者として滞在していた彼は、三日前にここへ帰ってきていたのだ。
 帰郷の理由は特に無い。しいて言うならばジュノの喧騒が嫌になった、くらいか。

 幼馴染達に今までの冒険話を聞かせたり、連れたって無駄に飲み歩いたり、バストゥークに帰ってきてからというもの充実した日々を送っている。
 
 商業区をうろうろとしていたスライは、いつのまにか港区に来ていた。どうも思い出(と言うには余りに日が浅いが)に浸りすぎたらしい。
 こんなとこまで来るつもりはなかったんだが……。
 とは言え来てしまったものはしょうがない。苦笑いを浮かべると、スライは橋の縁に近づきそこから水面を覗き込んだ。

 水面の青に空の青が映える。天気のいい日だからこそだ。
 のんびりと時間が流れるのを感じた。
 ……悪くない、むしろ心地よい。
 何をするでもなく、ただ風情を楽しむ。久しく忘れていた感覚だった。

「スーライっ」
「……んん?」

 まったくの脱力状態であったスライは、不意の呼びかけに驚くでも慌てるでもなく脱力したまま反応した。
 そのままの状態で彼は声のした方へ顔を向ける。商業区に続く門の前にヒュームの女性が立っていた。
 彼女のことはよく知っている。幼い頃からの友人の一人で、良く言えば行動的、悪く言えばおてんばな女の子だ。昔はよく泣かされた。名前はシェリル。こっちに帰ってきてからと言うもの毎日顔を合わせている気がする。昨日も一緒に飲み歩いたっけな。
 シェリルはスライの近くへ歩み寄るとその顔を覗き込んだ。

「何してんの?」
「……お前こそ何してんの?」
「私は、お昼でも食べようかなって」
「ああ、なんだ。もうそんな時間か」
「それで、スライは何してんの?」
「んー、のんびりしてた」

 スライがそう言うと、彼女は無邪気に笑った。

「何それ。おかしい」
「のんびりするのも久しぶりだったからな」
「ふーん。ね、それよりこれからお昼食べに行かない?」
「いいね。この先のレストラン?」
「うん。よし、じゃあ行こう」

 彼女はスライの手を取ると、先を歩いた。引きずられるようにスライもあとを続く。

「……やけにご機嫌だな。なんかあったのか?」
「べーつにー、何もないよ」

 とてもそうは思えない笑顔を見せて、シェリルはそう言った。

806 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/20(火) 21:40 [ cJh0NPRU ]
ディアスの話キターーー
今回は昔話でつね。なんか悲しい物語でつけど
ハッピーエンドを夢見て…w

この話すごく好きです頑張ってくだされー

807 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/21(水) 16:18 [ wCzlpNHw ]
age

808 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/21(水) 19:34 [ 6a7hFKbU ]
〜〜〜すこし手をやすめて〜〜〜


と言っても既に次の話の第1章は書き終わってるわけですが。
しかもこれ書いてる時点で手、やすまってないし。
ディアス編など紹介編(と自分で勝手に言ってる)を書いている作者です。
とりあえずこれまで呼んで下さった方、ありがとうございます。
これからも何とか頑張って書いていきたいなあ、と思ってます。
が、これからはちょっとペースを落とそうかなぁと思います。
さすがに急過ぎた・・・。

さて、
どうしようかなぁとも思いましたが、
これから先、話の中できちんと語る事もないと思うので書いちゃいます。
読みたくないひとはどんどん飛ばしちゃって下さい。

吟遊詩人が歌っているようにこの話は今のヴァナの10年前に始まっています。
そしてバストゥークであったあの日、
恐らくFF11をやってる(やってた)ほぼ全ての人があの日を目撃したかと思いますが、
この話は、あの日から10年後の話です。
ここで「ん?」と思った方がいると思います。
いなかったらそれは自分の文章力のなさのせいです。すいません。
そう
ディアス編は時間的に見ると夢の方が主点です。
つまりディアスくん、一人先走ってます。しかも2年も。しかも何もしてないし。
更にここで「ん?」と思った方もいるかと思います。
この話は現ヴァナディールの10年前の話・・・。
そして”あの日”は20年前・・・(だよね?)。
そう
この2人、PT組んで一緒に旅をした期間は1年に満たないです。
・・・なんか書いてて「こいつら幸薄いなぁ・・・」と。
いや、はい。反省してます。
これからはなるべくいい方向に向かって行かせようと思います。
ついでに、全く関係ないけど、
日記の時点で彼等は6歳です。
2人で旅をしてた時に16歳。ディアス君はすでに18歳になっています。

話の量、というか入れ込み具合で誰が本編で主人公になるかはバレバレかもしれませんが
とりあえずまだ紹介編は続きます。
そして後の本編で彼等はまた来ます。

随分とスペースを使ってしまいましたが、そろそろ話の方に移りたいと思います。
それでは他の作者の皆さん、どうか頑張って下さい!
応援してます!

                      それではハンスル・ホルロ編 どうぞ

本日の独り言・・・
  小ネタ1、2、3・・おもしれぇぇ!!

809 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/21(水) 19:34 [ 6a7hFKbU ]
吟遊詩人は歌う
10年前の歌を
吟遊詩人は歌う
6人の英雄の歌を

その酒場ではすでに客の姿も
まばらになってきている

しかし、詩人の周りにいる者は誰も帰ろうとはしていなかった
彼等はそろって詩人の歌に聞き惚れている

それは吟遊詩人が歌う詩・・・
それは、10年前の物語・・・

810 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/21(水) 19:35 [ 6a7hFKbU ]
〜〜〜ハンスル・ホルロ 第1章〜〜〜


さて諸君!今日の授業を始めよう!
なんだね?君たちその反抗的な目は!
おお?タルタルの私の授業など受けられないとでも言うのかな?
おいおい、舐めて貰っちゃ困るぜ。
いくらタルタルだって・・・そう!いくら体が小さいからって心はこの空のように広いんだ!
なんだい?その目は。
なに?心の広さなんて聞いてない?
失敬な!何だね君は!名を名乗れ!
タイニーマンドラゴラ、と。
君はずいぶんと教師を舐めてかかっているようだね。
そんな君には−50点を差し上げよう!次のテストで100点満点取っても君は50点だ。
そうだ!ついでに居残り教室掃除もプレゼントして上げよう!
どうだい?
嬉しいだろ?
なに?横暴だと?
全く君たちには困ったもんだ!
自分達が特別だと思ってらっしゃる!
いいか?
この世の中には人間なんていくらでもいる!
君たちはそんな中の一握りでしかないんだ!
そう!この世界と比べれば私達はちっぽけな存在だ!
分かるか!?私たちは・・

「あの、何してるんですか・・・?」
「・・・」
「・・・」
二人の間に沈黙が流れる・・・
そして

「あひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

ハンスル・ホルロはその小さい体のどこにそんなエネルギーがあるのか、と言うくらい素早く走っていく。
残されたヒュームの青年はぽかんとした顔でそれをずっと見ていた。

東サルタバルタを300メートルは走っただろうか。ホルロは疲れ果て、ようやく止まった。
「ぜえ、ぜ・・・う!ごほ!ごほ!はあ、はあ・・・ああ〜〜」
そのままその位置で仰向けに倒れ込む。
しばらくは肩で息をしていたが、
「やっぱり無理だよ〜!!」
倒れたまま手足をジタバタさせる。が、どう見ても子供がだだをこねているようにしか見えない。
はたから見ると可愛らしいが、彼は真剣に手足をジタバタさせていた。
「ああ〜!!もう!!僕に魔法学校の教師なんて出来るわけないだろ!!!?」
そう、彼は遊びでマンドラゴラ達に話しかけていたわけではない。
従来の気の弱さを就任するまでになんとかしようと思った上での特訓(少なくとも彼はそう思っている)
なのである。
なにを間違ったのか、先週彼の元に魔法学校からの就任状が届いた。
それによると、ホルロを”特別講師”として迎えたい、というものだった。
ホルロは何かの間違いだ、とその就任状を送り返そうとしたが、母親がそれを許さなかった。
「出来損ないの我が子がようやく手に職を持つチャンスだ!」
そう言って彼を半ば、いや、完全に無理矢理魔法学校の特別講師として就任させたのだ。
彼の就任日は既に明日へと迫っていた。
講師としての仕事の内容は明日聞くことになっている。
だから彼は自分がどんな仕事をするのかまだ知らない。
しかし、彼には魔法学院に就任するにいたって重大な欠点があった。

「・・・・・・・・・・・」
ホルロは手足をジタバタさせるのをやめ、おとなしくなる。
体は寝かせたまま、足を浮かせ、足を体の上まで持ってくる。
そのまま足を思いっきり振り下ろし、体の反動を使い一気に起き上がる。
しばらく地面をじっと見つめていたが、急に落ち込んだ顔になった。

「僕に魔法学院の教師なんて出来るわけないよ・・・」
ホルロは呟く。
「だって僕・・・」
ペタン、と地面に座り込む。
「魔法使えないし・・・」
それが彼、ハンスル・ホルロの欠点だった。

                               ハンスル・ホルロ編第1章 終了

811 名前: Vana'diel short story 投稿日: 2003/05/21(水) 21:13 [ 22xCjhvM ]
1.復讐
「ストォォォン」
バストゥーク鉱山区にか細い声が聞こえる。
ヒュー ゴン
「うお、ノヴィタが生意気に魔法使ってきやがったぜ」
「魔法って言ってもこいつ、ストーンしか使えないけどね」
黒魔道師のヒュームの少年が倒れる。ボロボロになった彼を巨体のガルカが踏みつけた。
「これならジーアンが石つぶて投げたほうが威力あるよ」
「それもそうだな……。スニオ、ノヴィタを立たせろ」
そういうとジーアンは足元にあった手軽な石を拾い上げる。
「ほら、立てよ」
「いっくぞーーーー!!」
投てきのプロ、忍者顔負けの剛速球がノヴィタを襲う。
ガンッ!!!!
「うぐぅ……」
「ストラーイク」
満足そうな顔でジーアンが言う。
「へへ。ちょっとやりすぎちまったか。それじゃあ、オレ様のピーアンで回復してやる」
「えっ!」「えっ!」
「ジ、ジーアン。今日はちょっと日が悪…」
「ぼええぇぇぇぇ!!!!!」
 ………
 ……
 …


「ドライムーーーン!!」
鉱山区一角の民家からノヴィタの声が響く。
「ノヴィタ君。また、ジーアンにいじめられたのかい」
「うぇーん。ドライムーン、ジーアンをやっつけられる魔法教えてよー」
「男の子なんだか、簡単にあきらめちゃダメだよ」
「でぇぇーーもぉぉーー!!」
泣き声が一層大きくなり、ドライムーンは困った表情を浮かべる。
「……しょうがないな。それじゃあ、とっておきの物を教えてあげるよ……」


次の日
「ジーアン!!」
「ん?なんだ、ノヴィタじゃねぇか。またやられに来たのか?」
笑みを浮かべ、これからする事を楽しみにしているようだ。
「それとも昨日のコンサート代を払いにきたのか」
「ふふふ。今日の僕は今までの僕とは違うんだ」
「なぁに言ってやがる。どう違うか見せてもらおうじゃねぇか!!」
と言うと、ジーアンは拳を振り下ろした。
「くらえ、ジーアン!!」









「/blist add <t>」

812 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/22(木) 02:22 [ lnvit3Qo ]

   白狼 −2−


 港区のレストラン。ドアを開け中に入ると、幾人かの客がテーブルに着き昼食をとっている。あまり空腹を感じていなかったスライだが、厨房から流れてくる料理の匂いにつられてか腹の虫が大きめの声をあげる。

「あそこ空いてるよ」

 空席のテーブルを指差してシェリルは言った。
 向かい合ってテーブルに着き、メニューから思い思いの料理を頼む。

「ね、ね、また冒険の話聞かせてよ」
「またかよ。お前も好きだなぁ」
「いいじゃない。聞くくらいしか私にはできないんだから」

 やれやれ、と肩をすくめるとスライはどこから話したものか考え込んだ。それを見たシェリルは自分が聞いた話をひとつずつあげていく。まだ聞かせていない話を思いつくと、スライは間を置いて語りだした。
 熱心に聞くシェリルと、だんだん熱の入ってきたスライ。話は料理が来ても続いた。

 ふと、レストランのドアが開く気配を感じ、スライは何気なくそちらを見やった。一人の男が店内へと入ってくるところだった。黒い甲冑姿。兜の類は着けていない。見覚えのあるその鎧は、ジュノで見かけたことのあるミスリル製の防具であろう。飛空挺でやってきた冒険者だろうか、と観察しているとその男と目があった。

「……スライ?」

 スライが店の入口に顔を向けているのに気付くと、シェリルもまた同じようにそちらに目を向けた。

「あ、ジェッド」
「あ? シェリルか。じゃあそいつは……スライか!」

 甲冑の男――ジェッドは口元を緩め二人のいるテーブルに歩み寄った。

 ジェッド……。

 ジェッドもまたスライの幼馴染の一人だった。帰郷してから顔を合わすのは初めてだったが。
 
「よぉ、スライ。久しぶりだなぁ、いつ帰ってきたんだ?」

 そう言い、ジェッドもテーブルに着く。

「三日前だ……ジェッド、お前はいつ帰ってきたんだ?」
「ああ? おいおい、帰ってきたも何も、俺はずっとバスにいるぞ」

 ジェッドもまたスライと同じく冒険者だ。その冒険者がずっとバストゥークにいると言う。スライはそれがどう言う意味なのかわからなかった。

「スライは知らないの? 銃士隊のこと」
「銃士隊……?」

 シェリルが言うにはこうらしい。
 少し前、バストゥークで新たな銃士隊が結成された。それは既存のバストゥーク銃士隊とは違い、冒険者が独自に結成した非公式のものである。仕事は主に近隣のモンスター討伐。商人、観光者、旅行者の護衛。冒険者だからこそ自由に動ける利点を活かした銃士隊なのだ。その名を『ナイトシェード銃士隊』と言う。
 ジェッドはその銃士隊に所属しているのだ。

「どうだ、俺も出世したもんだろ?」

 冒険者と言う自由人が銃士隊と言う枠にはまる。それを出世と言っていいのだろうか。スライは、しかし肯定の意を表しておいた。

「ところで……お前ら二人だけか?」
「え? うん、そうだけど?」

 それがどうかしたのか、と続くような感じでシェリルは言った。

「……ふーん」
「ジェッドも一緒にどう?」
「……いや、俺はこれから隊長と会わないとダメなんだ」
「あ、そうなんだ」

 ジェッドは席を立つとスライを一瞥すると、「じゃあな」と告げて店を出て行った。
 何か言おうとした雰囲気だった。実際何か言おうとしたんだろう。しかしそれを躊躇った。何故?

「変なの。何しに来たんだろうね?」
「そうだな……」

 ……あいつ、変わったな。
 スライはそう思わざるを得なかった。



 北グスタベルグから天然のゲートをくぐり、一人の男がバストゥーク商業区に入った。黒い外套に身を包み、幽鬼のような歩みで街中を進む。ほとんど気配を感じさせないのか誰もその男に注目しなかった。ただ訪れる風のように、彼はこの街へやって来たのだ。

813 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/22(木) 08:09 [ EH4IwV5U ]
>>811
>>207-209>>212
つーかごめん、あからさま過ぎて笑えないや(´・ω・`)

814 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/22(木) 11:20 [ ZDEh4xks ]
age

815 名前: 暗中舞踏 投稿日: 2003/05/22(木) 16:11 [ 8mu8mKjk ]
2.

 夜の闇の中、夜行性のモンスターが少なくない土地に居続けるのは避けな
ければならない。いや、一人なら何とかなるだろうが、意識のないけが人2
人を抱えていては逃げることもままならない。まして、ついさっきまで戦闘
が行われ血の臭いが充満し、屍肉が飛び散る場所だ。一刻も早く立ち去るべ
きだ。
 先ほど蘇生を受けた戦士は衰弱が酷いものの、立って歩ける状況だったの
は幸いだった。 その場を後にし、獣人や凶暴な肉食トカゲなどのモンスタ
ーが余り寄りつかない場所を選んでキャンプを張ることにした。

 白魔導士は気を失ったまま、まだ目を覚まさない。ここまで自力で歩いて
きた戦士も、横になって寝ている。

 彼女が目を覚ませば、気を失う前に見た景色が夢ではなかったことを告げ
なければならない。今までこういうことが無かったわけではない。だが、初
めてでは無いからといって慣れるものでもない。
「う、うん・・・」
 先に目を覚ましたのは白魔導士だった。
「目が覚めた?」
「あ・・・」
「この場所は安全よ。しばらく横になってなさい」
「・・・ありがとうございます」
「通りがかっただけよ」
「私、ティタって言います。白魔導士です・・・。あの・・・ほかの人たち
は・・・?」
「あなたがレイズをかけた戦士さんは助かったわ。しばらくすれば気づくは
ずよ」
「ブライトさんとラモーヌさんは・・・やっぱり・・・夢じゃ無かったんですね・・・?」
 黙ってうなずく。重苦しい沈黙と嗚咽。
「ブライトさんもラモーヌさんも・・・私が逃げたから・・・私がちゃんと回復をせずに
逃げたから・・・死んじゃったの・・・? 私のせいで・・」
「違う」
「パーティがピンチになったら、白魔導士は最初に何があっても逃げなきゃ
ならないわ。白魔導士が生き残っていれば、助かったメンバーを治療させる
こともできるし運がよければ蘇生させることもできる。だけど、白魔導士が
その場にとどまって一緒にやられてしまったら、誰が残ったメンバーの治療
や蘇生をするの? 白魔導士は一番に逃げないといけないわ。あなたの行動
は正しかったし、そのおかげでそこの戦士さんは助かった。もしあなたが逃
げて私を見つけていなかったら、全滅してたわ」
「だけど・・・」
「・・・そうだ。逃げろと言ったのは俺だ・・・。ティタが気に病むことじ
ゃない」
「目が覚めた? だけど衰弱が酷いわ。しばらくは寝てなさい」
「助けてくれたんだな。話は聞いていたよ。パーティのメンバーの分まで礼
を言う。もう礼を言えないメンバーもいるしな・・・」
 ティタは、マックが目を覚ましたことで張りつめていた緊張の糸が切れた
のだろう。それまで泣き出さずに気丈に振る舞っていたのが嘘のように泣き
崩れた。
やがて限界を超えた疲労と緊張が彼女に眠りを与え、そして朝が来た。

816 名前: 暗中舞踏 投稿日: 2003/05/22(木) 16:14 [ 8mu8mKjk ]
3

 朝。
 悲しいことがあっても、つらいことがあっても、朝日は美しいと思う。そう
感じる心を不条理だと思うことがある。それを不条理と感じること自体が不条
理なのだろう。
 結局、ティタは泣き疲れて寝てしまいかわいい寝息を立てている。
 枯れ木や木の枝を集めて火をおこし、朝食の支度をしているとティタがこち
らにやって来た。
「おはようございます。昨日はお礼も言わずにすいませんでした。助けてくれ
てありがとうございます」
「おはよう。私はクリサンセマム。変な長い名前で言いにくいでしょ? クリ
スでいいわよ」
「はい。じゃ、クリスさん、朝ご飯作るの手伝いますね」
「マックさんの様子はどう?」
「おはよう。俺ならもう大丈夫だ。手伝おう」
「蘇生術で蘇生したばかりなんだから衰弱が酷いはずよ。無理はしないで」
「そうですよ。また後でケアルをかけますから寝ていてください」
「無理はせんよ。戦闘さえしなければ日常生活にはさほど支障はないだろ。
火の支度くらいはできる。薪になるような枝でも拾ってくるよ」
 しばらくすると、そのあたりから枯れた灌木や木の枝を持ったマックが戻っ
てきた。
 サンドリア茶とパン、それに大羊の干し肉を戻したスープの簡単な食事。
 重苦しい空気の中で淡々と目の前の食物を口に運ぶ作業がしばらく続き、目
の前の食物が無くなったところで終わった。皆、口は食物を咀嚼することにの
み使い、会話は皆無。口を開けば、気の重い仕事の話になってしまうから。
 最初に会話のために口を開いたのはマックだった。

「昨日の場所はどのあたりだ?」

 モンスターの徘徊する土地で、仲間の死体を埋葬するのは生き残ったメンバ
ーを危険に晒す行為でしかない。消耗したパーティは、死臭に寄って来たモン
スターを追い払うだけの余力が無いことが殆どだからだ。増して、キャンプ近
くに運ぶのは自殺行為だ。血の臭いと死臭に誘われたモンスター達が、普段は
近寄らないようなキャンプに適した土地(そういう場所故、休息をとるパーテ
ィが他にもいるのだ)にまで近寄って来てしまう。キャンプを張る他のパーテ
ィ達までも危険にさらすことは絶対の禁忌だ。だから、残酷なようだが夜が明
けるまでは死体は放置される。せいぜい、浅い穴を掘って軽く土をかぶせ隠す
程度しかできない。仲間の死体を葬るのは少なくとも朝まで待たなければなら
ない。

 昨日の戦闘が行われていた場所には、既に原型を留めていない死体が散乱し
ていた。やはり、夜の間に夜行性の肉食トカゲ達が食い荒らしたのだろう。い
や、死体だと判断できる程度に残っていたというのは、幸運だと言えるかも知
れない。

「ティタはいい。こちらには来るんじゃない。俺がやる」
 ティタは首を横に振って
「私もやります。やらせてください」
「いや、しかし・・・」
 マックは死体の惨状をティタに見せないように気を遣っていた。
「つらいものを見るけど、いいの?」
「私の仲間です。私の仲間を葬るのは、私がやらなければならないことです」

817 名前: 1/4 投稿日: 2003/05/22(木) 17:31 [ VXkUjHhY ]
『冒険者の憂鬱』


(やれやれ・・・。まったく何をしているんだろうな、私は・・・)

ソロムグ原野の真ん中で、エドワウはヒーリングの暇を持て余していた。
彼は今、高値で取引される「コカトリスの肉」の狩猟していた。
暗黒騎士の彼が狩猟をする時、大きな回復手段がないので、どうしてもヒーリングが長くなる。
回復手段を採るともっと効率は悪くなるだろうからしょうがないのではあるが・・・。

冒険者は冒険だけでは食べていけないのである。
いや、正確には食べていく分には困らないのだが、装備には多額のお金が掛かる。
それが良い装備ならばなおさらだ。自分の生死に関わるシビアな問題なのだが、
冒険で得られる糧だけでは、賄えないのが現実だ。皮肉な話である。

もうそろそろ日も落ちようという時間になっていた。「コカトリスの肉」も1ダースは貯まった。
(そろそろ帰るか。)
そう思い立ち上がったが、視線の先に土煙が舞うのが見えた。
何かがこちらに向かって走ってきているらしい。

(追われているな。1・・・、2匹か)
目を凝らすと人影が見えた。追われているのは中堅冒険者と思われる女ヒュム。戦士のようだ。
敵はゴブリンとクアール。1対1なら問題ではないだろうが、1対2では分が悪い。
女ヒュムもこちらを見つけたのか、こちらの方に向かい走ってくる。
声には出さない(全力疾走しているので出せないのだろう)が明らかに助けを求めている。
放ってもおけない。明日は我が身だ。冒険者の暗黙のルールである。

818 名前: 2/4 投稿日: 2003/05/22(木) 17:32 [ VXkUjHhY ]
女ヒュムが脇を通り過ぎるのを見計らって
「毒よ!」
小さく印を結び魔法を発動させる。暗黒騎士が使える黒魔法では詠唱時間が一番短い。
目標となったゴブリンは、怒りの矛先をエドワウへと向けた。
(よし)
目論見通り1匹を引き離す事に成功した。エドワウは片手剣を抜刀しながら、
注意を女ヒュムに向けた。女ヒュムは少し離れた所でクアールと対峙している。
(好い状況判断だ。あの距離ならすぐに助けに入れる。)
それだけを確認してすぐに目の前の敵に集中を移した。

程なくしてゴブリンは倒れた。当然である。エドワウに取っては練習相手にもならない相手だ。
エドワウは女ヒュムの元へ向かった。状況は芳しくない。女ヒュムは苦戦していた。
こちらの姿を見とめて女ヒュムは救援を求めてきた。
エドワウはすかさず抜刀し、クアールに切りかかる。しかし1,2撃切りつけても
怒りの矛先が女ヒュムから剥がれない。そうこうしている間にも女ヒュムの体力は
限界に近づいていた。

(挑発は使えないが、策はある!)
エドワウは最後の切り札を使用した。エドワウの身体から闘気が立ち昇る。
攻撃力が飛躍的に向上する代りに、防御力が著しく低下する諸刃の技。
それ故に最後の切り札(ラスト・リゾート)と呼ばれる暗黒騎士固有の技だ。

クアールは背後の異変に気付きこちらを向いた。
(まだまだっ!)
女ヒュムは限界だ。もう耐えられないだろう。1撃たりとも与えるわけにはいかない。

ボギューーーーールルル
「暗黒」が開放された。
暗黒騎士が「暗黒」騎士と呼ばれる所以。
負の力を利用し、自らの身を削り敵にダメージを与える業。

振り上げた連邦軍師帯剣が、負の力を帯びクアールに致命的な一撃を加えた。
これで女ヒュムに攻撃が行く事はない。
エドワウは切り札の闘気を静め、負の力も静める。
これ以上自分の身を削る意味はない。戦闘は間もなく終了した。

819 名前: 3/4 投稿日: 2003/05/22(木) 17:33 [ VXkUjHhY ]
「危ない所を助けて頂き、ありがとうございました。」
女ヒュムは丁寧にお辞儀をした。
「いや、明日は我が身さ。礼には及ばんよ。」
そう言ってエドワウはヒーリングを始めた。女ヒュムも倣うようにヒーリングを始めた。
特にエドワウはおしゃべりではなく、また女ヒュムもエドワウがエルヴァーンであるからか、
ヒーリング中は終始無言だった。

静寂を打ち破って唐突に女ヒュムは立ち上がった。まだ体力は完全に回復していないはずである。
「ありがとうございました。私はこれで。」
女ヒュムはさようならの挨拶をして立ち去ろうとした。
「完全に回復してから移動した方がいい。」
エドワウは忠告した。レベル的にまたさっきと同じ状況にはなりかねない。しかし女ヒュムは
「急ぎなんです。すいません。失礼します。またどこかで。」
矢継ぎ早にそう言うと女ヒュムは走り去ってしまった。
(どうせ帰るから一緒に帰ってもよかったのだがな・・・。)
だが行ってしまったものは仕方がない。

日はとっくに落ち、辺りは闇に覆われている。また彼女に会う予感はある。しかもすぐに。
(まぁ、何事も経験か。)
そう思い立ち上がると予感は思った通りすぐに当たった。
女ヒュムがこちらに向かって走ってきたのである。



後ろにワイトを連れて。

820 名前: 4/4 投稿日: 2003/05/22(木) 17:34 [ VXkUjHhY ]
「本当にありがとう。エドワウさんが居なかったら3回は死んでました。」
飛空挺が行き交うここは、ジュノ港である。
結局エドワウは女ヒュムことアイリスと一緒に戻ってきた。
あはは、とアイリスは笑っているが、あまり冗談になっていない。

ワイトを倒してから、少し話をした。エドワウに単純な疑問が浮かんだからである。
「戦士が回復魔法を持たずにうろうろしていた理由」それがエドワウの疑問だった。
アイリスの応えは「広域スキャンが必要だったから」であった。
アイリスはノートリアス・モンスター・ハンターだったのだ。
そして似た境遇の2人は、ヴァナ・ディールの経済状況について愚痴を言い合い、
帰り道すがらすっかり意気投合した。

「そう思うなら人の忠告は素直に聞いた方がいい。」
言いようは相変わらずだが、その表情には苦笑が浮かんでいた。
「そうですね。気をつけます。」
「急ぐんだろ?そろそろ行った方がいい。」
「はい。それではまたどこかで。」
アイリスは丁寧におじぎをした後、モグハウスの方へ走り去っていった。

冒険者は皆同じような憂鬱を抱えてると思うと心が少し軽くなった。
(まっ、私だけの深刻な悩みと言うわけではないのだし、悩んでも仕方ないな。)
と考えるように至ったのだ。

エドワウとアイリスは、アイリスの去り際の言葉通りまた出会う事になる。
そしてそれはまた別の話。

821 名前: 817-820 投稿日: 2003/05/22(木) 17:43 [ VXkUjHhY ]
初投稿です。他作家さんには全然力量が及びませんが、
楽しんで頂けたら幸いです。ちなみにほぼ実話です(笑)

あと誤字・脱字があったらごめんなさい。

822 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/22(木) 19:07 [ L5eGdJNk ]
ボギューーーーールルル

暗黒age

823 名前: 白き探求者 投稿日: 2003/05/22(木) 23:24 [ .4rY5z76 ]
あい、白き探求者15話を保管庫にUPいたしました。
保管庫『旅は終わらない』byあぷるる氏
http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/

作品増えまくっててすげえ! 一つ一つ感想書くと書ききれないから書きません。
みんなあああぁぁ! すげえおもしれえぞおおおおお!!

んじゃ、友達の魔晶石取り手伝ってきます。(BCNMで何故か宝箱が開かなかった作者より)

824 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/23(金) 03:09 [ DMG4F1y. ]
白き探求者さんのお話には負けます(苦笑

いや、もう読むたびおもしれぇぇぇぇ!!って
ちょっと悔しく思ったりしますよ(笑

是非皆さん、それぞれの作品を完結させましょうね。
途中で終わると切ないですから。

では
白狼 −3−
書かせていただきます。

825 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/23(金) 03:09 [ DMG4F1y. ]

   白狼 −3−


 昼食を終えた二人は、商業区の噴水の縁に座り一息ついていた。競売所が近いこともあり、行き交う人の数は多い。
 
「ねぇ、スライ」
「ん……?」
「スライは、どうして冒険者になったの?」
「…………」

 どうして冒険者に。何故だっただろう。
 昔から冒険者はいた。今ほど数は多くなかったが、それでも冒険者はいた。それぞれのスタイルは違ったが、皆一様に自由を愛していたと思う。
 自分も自由を愛したから?
 違う、そうじゃなかった。
 子供の頃、冒険者の姿を見て憧れを抱いていたのを覚えている。それは何故だっただろう。
 人を守りたいのならば騎士になる。世界を見たいのなら観光者で十分だ。金や名誉のためなら他にいくらでも手段がある。
 何故自分は冒険者になった?

「……理由なんてなかったと思う」
「え……?」
「ただなりたくて、それで冒険者になったんだ」

 そう、理由なんてなかった。昔抱いた憧れを無くす事なく持ち続け、そして冒険者になった。

「でも、うん。今は満足してるよ。冒険者になって初めて、俺は冒険者になる目的を見つけたんだ」
「冒険者になる目的?」
「ああ、冒険者になる目的だ。俺は……自分が出来ることを全てしたい」

 人の一生は短い。その中で仕事を見つけ、それに殉じ、子を成し、やがて死んでいく。それが普通の生き方だとしたら、冒険者と言う生き方はその普通を行えない不器用な人間の生き方なのだ。

「……我が侭だね」
「そうだな。我が侭だ」
「いいなぁ……楽しそう」
「そうかな?」
「そうだよ。こっちはなんにもないんだから。楽しいことって言ったら、こうやって遊び歩くくらいしか」
「なんにもないのが一番だ」
「……かもね。でも、私もスライみたいになりたいな。もう、普通はやだよ」

 スライはシェリルに顔を向けた。シェリルはまるで退屈を持て余してる子供のようだった。

「普通が嫌だと思えるのは、自分が普通ってやつの中にいる証拠だよ。……普通に暮らせる証拠だよ」

 それを聞いて、シェリルは小さく頷いた。

「なんか、変な話しちゃったね。ごめんね」
「別にいいんじゃないか? たまには、こう言うのもさ」

 毎回だと息も詰まるけどな。そう付け加えると、スライは小さく笑った。

「じゃあ、俺何か飲み物でも買ってくるわ」
「ごちそうさま」
「誰もおごるなんて言ってないぞ」
「言わなくたって分かるもの」
「……どう言う理屈だ、そりゃ」
「待ってるからね」
「へぃへぃ、分かりましたよ」

 しぶしぶ承諾するとスレイは雑踏の中へ消えていった。



(何故帰ってきた、スライ!)

 商業区の雑踏を掻き分ける様に歩を進める。

(お前がいると、また昔に戻っちまう)

 黒い甲冑に身を包んだ姿は、たとえ人ごみと言えど目立つ。だがそれ以上に目立っていたものがあった。彼の目だ。

(…………いや、考えすぎだ。俺は、昔とは違う)

 ふと立ち止まると、彼は頭を振った。

(あいつは、冒険者だ。ただの冒険者だ。じきバスを離れる。大丈夫だ)

 何をどう間違っても、同じ銃士隊には成り得ない。彼は自分を落ち着けるため、根拠のない確信を手にした。
 どんな者にでも過去はある。当然彼にもあった。その過去が、今また蘇りつつあった。

(俺はいつも影にいた。目の前にあいつがいたからだ。あいつは……いつも中心だった)

 それが彼には許せなかった。どんなに行動を起こそうとも、いつも中心には立てなかった。

 急に辺りが騒がしくなる。そのせいで彼の思考はそこで止まった。
 喧騒は噴水の方で起こっているらしい。正式ではないと言え、仮にも銃士隊に属する者。騒ぎは収めなくてはならない。
 彼は人垣を押し退けて進んだ。

826 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/23(金) 17:45 [ OxWThMcw ]
〜〜〜ハンスル・ホルロ 第2章〜〜〜


「やあ、お早うホルロ君」
魔法学校の院長は、そう言ってホルロを部屋の中に招き入れた。
「し、失礼します・・・」
ホルロは部屋の中に入る。緊張しているのか、顔が真っ青である。
「そう硬くならないでくれ。こっちとしても普段の君のままの方が話しやすい」
「は、はい!」
「急で悪かったね。こちらの都合に君を巻き込む形になってしまった」
「いえ・・・」
院長はじっとホルロを見たが、リラックスさせるのは無理だと悟り早々に話を始める事にした。
「それでは仕事の話をしようか」
「あ、あの!」
「ん?」
「ぼ、ぼくは・・・」
声が裏返っている。
「ぼ、ぼくは本当は違うんだす!!」
(ああ!言ってしまった!これでまた無職に逆戻りだ!)
ホルロは心の中で叫んだ。しかし、やはり自分には人を騙すなんて事は不可能だ、と思う。
院長はホルロにつっこみもせずにまたじっと見つめる。
(ああ、きっと怒られる!なんでもっと早く言わなかったんだって!)

「ふう・・・」

院長は溜め息をついた。ホルロはそれを聞いてびくっとなる。
「まあ、予想はしてたが・・・君は勘違いをしているよ」
「・・・え?・・・」
ホルロは院長を見た。彼は穏やかに笑っている。とても怒っているようには見えない。

「君はこう思っているんじゃないのかな?
 自分の所に間違って就任状が届き、自分はそれに便乗してしまった、とね」

「は、はい・・・」
ホルロは頷いた。
「それは間違っているよ、ホルロ君」
「え?」
「私たちは君だからこそ特別講師の仕事を任せたい。そう思っているんだけどね」
「そんな・・・」
「自分にそんな仕事が出来るはずがない、と?」
「・・・はい・・・」
「ホルロ君。私たちはそうは思わない。君には素晴らしい可能性がある」
「僕には・・・そんなものありません・・・」
ホルロは俯きながら言った。これまでの人生でそんなものがあるなんて思って事は1度もない。
「ふぅーむ・・・」
院長はうなる。
「他の連中は君にやらせればきっと出来るはずだ、と言ってるのだが・・・
 私はいまいち決める事が出来ない。君に無理矢理この仕事をやらせるか、
 それとも我々が諦めるか・・・」
院長はホルロを見る。すっかり縮こまって小さい彼の体はより小さく見える。
「ホルロ君」
「・・はい・・」
「君がどうしても自分には出来ない、と言うのなら私は無理強いはしたくない」
「・・はい・・」
「しかし、すぐに決めつけてしまうのはどうかな、と私は思うのだ。そこでだ」
院長は机の引き出しを開けると中から1枚の魔導書をとりだした。
「君にこの本をジュノ、サンドリア、バストゥークのそれぞれの魔法機関へと届けて欲しい」
「そんな!ぼくには!!」
「すぐに出来ないとか言うな」
「・・・・・」
「ホルロ君。もし君が出来なかったらそれでもいい。
 私たちはそれでも君のことを信じよう。しかしまわりの人間は君を認めないだろう。
 そして何より”君が”君のことを認めないだろう。
 いいかい?これは・・・この魔導書は決してそこら辺に溢れている物ではない。
 というよりこれは今現在この一つしかないのだ。
 これで私たちが君を信じてる、という事を信じて貰えるね?」
「でも・・・そんな大切な物を・・・僕なんかに・・・・・」
ホルロはそう言うが院長は構わず話を続ける。
「そして君がこのミッションをこなすことで君の周りの人物や、
 そう、君自身も君の事を認められるようになるだろう。
 私は君に世界を旅して欲しいと思っている。
 他の連中には怒られるかもしれないが、私は君に世界を知って貰いたい。
 そしてそこで君は自分の可能性を知ることが出来るだろう。
 ホルロ君。このミッション、受けてくれるね?」
「・・・・・・・」
ホルロは黙ったまま何も喋ろうとしない。
やはりどう考えても自分にそんな可能性があるとは思えなかったし、
そんなミッションが出来るとは思えなかった。
「ホルロ君、このミッションを受けてくれるね?」
院長は再び聞き返した。
「・・・・・・少し考えさせて下さい・・・・」
「・・・・・・・・・・いいだろう。だがあまり時間がないんだ。
 そうだな・・・明日までに決められるかい?」
「はい・・・」
そう言ってホルロは早足で部屋を出ていった。

827 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/23(金) 17:46 [ OxWThMcw ]
「やっぱり僕にそんなことが出来るとは思えないよ・・・・・」
夜の東サルタバルタで地面に座りながらホルロは呟いた。
「やっぱり断ろう・・・」
ほんとうは少し期待していた。
自分にも少しは可能性があるんじゃないか、と。
しかし、今までそう思ったことは何度でもあったが、それは全て覆されてきていた。
「だから・・・ん?」
ふと横を見ると何故かマンドラゴラがいる。しかも5匹。
「なんだよお前ら。あっち行けよ」
そう言っても動く気配すらない。
そもそも彼等には言葉は通じるのだろうか?
よくよく見ると彼等は昨日ホルロが教師の真似事をした際に話しかけていた
タイニーマンドラゴラだった。
彼等はそろって両腕(?)を上げたり下げたりしている。
これは彼等が敵対行動をとっているのによく似ているが、しかしどこか違う。
彼等はホルロがそっぽを向くとわざわざ移動して目に入る所まで来た。
「どっかいけって!」
ホルロがそう叫んでも彼等は動こうとしない。
必死に両腕(?)を上げ下げしている。
「なんだよ・・・お前らも僕を馬鹿にしてるのかよ。そうだよな、どうせ僕なんか・・ん?」
(なんか変だ)
ホルロはそう思った。いや、変と言えばこの状況はまさしく変なのだがそういう意味ではなく変だと思う。
「もしかして・・・お前達僕を励ましてくれてるのか?」
そう言うと彼等は両腕(?)のぱたぱた運動を止めた。まるで「そうですよ」と言うかのように。
(なんでこいつらの思ってることが分かるんだ?)
そう思う。
(普通に考えればこんなの励ましてるって思わないじゃないか!)
彼等がホルロを見つめている。



(頑張って、どんなことでも、手伝う・・・)



彼等の思っていることが伝わってくる。
彼等はまた両腕(?)のぱたぱた運動を始めた。
ふいにホルロの頭に”獣使い”という単語がよぎる。
「まさか・・・僕は獣使いの素質があるのか?」
彼等を見るとみんなぱたぱた運動を止め、自分を見ている。
そう、まるで「そうですよ」と言うかのように。
「獣使い・・・」
呟く。
「獣使いか・・・」
ホルロの顔が笑みでいっぱいになる。
「そうだな、やってみよう!」
そう言うと彼等はぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「手伝って・・・くれるか?」
彼等は一斉に鳴いた。
ホルロはこの時初めてマンドラゴラが鳴くことを知った。
「そうだな。できるかどうか分からないけどやってみるか!」
そう言い立ち上がる。
「いまから院長先生の所に行ってくるよ。待っててくれ!」
彼等はまた一斉に鳴く。
ホルロはウィンダスに向かって走っていった。
                
                                  ハンスル・ホルロ編 終了

828 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/23(金) 19:49 [ qQ3q2EX. ]
白狼&ホルロage

829 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 00:44 [ yVsKoOdw ]
〜〜〜番外編 獣使い〜〜〜


その日、俺はタロンギ大峡谷で一人のタルタルに出会った。




「なんだ?絡まれているのか?」
タルタルは走ってこちらの方に向かってくる。そして、その後ろにはマンドラゴラが5匹ついてきている。

「おい!今助けるぞ!」

俺はそう言うと、操っているアクババに命令を出した。(あのマンドラゴラを攻撃しろ)と。
鳥系のこのモンスターは飛んでタルタルの所に行くと、側にいたマンドラゴラを突っつき始めた。

「うわっ!待って!ちょっと待って!こいつらは敵じゃないって!!」

タルタルはそう言ってアクババからマンドラゴラを必死に守っている。
周りのマンドラゴラもきゃーきゃーわめいているが、アクババを攻撃してくる気配はない。
「?」
俺はアクババに(止めろ)と命令すると、タルタルの方へ歩いて行く。
アクババは飛んできて俺の肩に止まった。
「何するんだよ!!ひどいじゃないか!」
タルタルは言う。
「なんだ?絡まれてるんじゃないのか?」
「当たり前だよ!!」
「だってお前・・・お前、もしかして獣使いか?」
俺はそう言ってそのタルタルをじっと見つめた。
「ああ、そうだよ!」
タルタルはそう言って胸を張った。だがどう見てもおかしい。
「そのマンドラゴラ達はお前が操っているのか?」
「操ってるなんて人聞きが悪いな。彼等は自分の意志で僕に付いてきてるんだ」
「なんだと?」
ありえない。
操っているわけではなくモンスターを仲間にする?しかも5匹同時に?

俺はマンドラゴラたちを見た。

うわ!しかもこいつらタイニーマンドラゴラじゃないか!
こいつらを連れてここまで来たのか?!

・・・・ありえない・・・。

「そんな奴らを連れて一体何しに行くんだ?」
「ジュノに行くんだ」
「ジュノへ?」
「うん、仕事である物をウィンダス以外の3国へ届けるんだ。
 だからまずは1番近そうなジュノに行こうと思って」

その判断はどうかと思ったが黙っておく。

「お前は最近冒険者になったばかりか?」
「そんなことないよ。もう半年位経ってる」

半年もかけてようやくここまでかよ。
俺はそう思ってマンドラゴラ達を見た。

「なあ、なんでこんな弱そうな奴らを仲間にしてるんだ?」
「・・よわそうじゃないよ」
「けどなあ・・・これじゃ使い魔にも出来ないじゃんか」
「別にいいよ」
「でもこんな役立たずを連れてっても意味ないだろ?この辺だったらもっとダルメルとかこの・・・」
アクババを指さす。
「アクババとかいるだろ?そんなやつら置いていって他の奴らを使い魔にした方がいいぜ?」
「・・・・役・・立たず・・・?」
「ああ、そうだ。そんなやつら5匹いようがなんの役にも立たない出来損ないだろ。
 どうせ獣使いならもっと役に立つ獣を操れよ」
「出来損ない?」
「どうせこいつらなんてモンスターなんだからよ。使い捨て位が丁度いいんだよ」
「・・・なんであんたは、獣使いになったんだ・・・?」

タルタルが俺に聞いてくる。

830 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 00:45 [ yVsKoOdw ]
「モンスターが嫌いだからだよ!嫌いな奴を自由に操れるなんて気持ちいいじゃんか!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お前もこんな弱いの使ってないでもっと使えるモンスターで旅しろよ。
 お前まで役立たずだと思われるぞ?」

ふと気付くとタルタルは俯いて肩を振るわせている。

なんだ?泣いてるのか?


『こいつらのことを悪く言うなぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!!!!』

突然大声でタルタルが叫んだ。

「な、なんだ?」
「役立たず?!出来損ない?!そんなの言われ慣れてるよ!!」
「はあ?」
「行こう、みんな!」

タルタルはそう言って歩き出した。マンドラゴラ達もタルタルに付いていく。
俺は唖然としていたが、
「おい!」
とタルタルを呼び止めた。
「俺はお前のためを思って言ってやったんだぜ?
 そんなんじゃあパーティーも組めないだろう!」

「パーティー?」

タルタルは振り返り俺を見る。マンドラゴラ達はその周りに集まった。

「そんなの組む必要がどこにあるんだ?」

タルタルは両腕を広げて言った。


「これが僕のパーティーだ」



そう言ってタルタルは去っていった。

                                     番外編 獣使い 終了


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
う〜ん。おかしいなぁ。
あ、作者です。
て言うか俺確かに執筆ペース落とすって言ったよねぇ?

何 で ペ ー ス 上 が っ て ん だ ろ ?

・・・まあいいや。
もう次の話も出来てます。
どうせならこれを明日載せて次のをあさって載せようか、とも思ったんですが、
せっかく書いたので載せちゃいます。

そう言えば、全く関係ないけど、俺が名前を被らせたカルマの作者さんも名前被らせてたんですね。
なんか「流れ的に俺のキャラの名前も誰かかぶらせるかなぁ・・・」と、期待したりしなかったり。

ほんとに全く関係ないのでそろそろ止めときます。

そうそう、次の話で彼が出会う白い生物。
この白い生物の名前を募集しちゃってもよろしいでしょうか?
いや、ちゃんと考えたんだけど全く思いつかなくって・・・
どんなのでもいいんでお願いします。
なお、発表は掲載をもって変えさせていただきます。

                            それでは本編 終わらない冒険を どうぞ!

831 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 00:49 [ yVsKoOdw ]
吟遊詩人は歌う
10年前の歌を
吟遊詩人は歌う
6人の英雄の歌を

ひとりは復讐を誓う暗黒騎士
ひとりは冒険者になったばかりの白魔道士

ひとりは恋人を生き返らせようとする戦士
ひとりは異例の獣使い

そこまで歌った所で吟遊詩人の歌は終わった・・・
吟遊詩人は言う・・・

「この話の続きが知りたければ世界を旅しなさい」と・・・

吟遊詩人は去っていった

少年は冒険者になることを決意し、帰路に着く


酔いつぶれた父親を置いて・・・

832 名前: 終わらない冒険を 投稿日: 2003/05/24(土) 00:52 [ yVsKoOdw ]
〜〜〜旅の再会〜〜〜


ディアスはグスタベルグとバストゥークの境まで来た。
懐かしい、しかしどこか寂しいグスタベルグの風景が目の前にある。
以前はそんな風に思うことはなかった。
そう、彼女がいたからだ。
今は彼女はいない。
しかし・・・

「生き返らせられる・・・」

つい口に出す。
このことを思うといつも顔に笑みが沸いてくる。
いや、それは”笑っている”と言うにはほど遠い、
口の先がわずかに持ち上がるだけのものなのだが、
(顔に感情が出るなんていつぶりだろう・・・)
とディアスは思った。
(もう感情なんてなくなったとばかり思っていたのに・・・)
老人の話を聞き、旅の支度をしている時も笑みが沸いてきていた。
もしかしたら自分に人としての何かが戻りつつあるのかもしれない。
そう思いながら広いグスタベルグの地を見つめる。
(まあいい。まずはウィンダスに行こう)
そしてディアスは一歩を踏み出した・・・

833 名前: 終わらない冒険を 投稿日: 2003/05/24(土) 00:53 [ yVsKoOdw ]
冒険者というのは何も人間だけではない。(この場合の人間はヒューム以外も含む)
きっとゴブリンやクウダフなどの獣人達にも冒険者はいるのだろう。
そう考えると彼等の中にも冒険者がいてもおかしくはない・・・

ディアスがグスタベルグの地を踏んで半日が経った頃ディアスの耳に叫び声が聞こえてきた。
「たぁすけてぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!!」
(なんだ?)
ディアスは辺りを見回す。だが、広大な荒野以外は何も見えない。
「たぁすけてぇぇぇぇーーーー!!!!!!!!!」
また聞こえた。
今度はさっきよりはっきりと聞こえる。
「こっちか!!」
ディアスは声の聞こえた方に走っていく。
そこには1匹のヤングクウダフ。
そして・・・

「モーグリ?!!」

思わず口に出してしまう。
(なぜモーグリがこんな所に?)
思いながらもディアスは剣を抜いた。
「こっちだ!」
そう言ってモーグリを自分の後ろに隠す。
そのまま走ってくるヤングクウダフに渾身の力を込めて一撃を浴びせる。
「ガァッッ!!!」
それに気付いたヤングクウダフは盾で防いだ。
いや

(押し返された?!!!)

体勢が・・・崩れる!

(くそ!甘く見ていた!まさかこんなに体がなまっているなんて!)
そう思いながらもヤングクウダフが剣を振り上げるのを見て剣を戻す。
(だめだ!間に合わない!!)
クウダフが笑みを浮かべ(たように見えた)・・・

『ウォータ!!』

誰かのウォータがクウダフに命中する!
クウダフの体勢も崩れる。
しかし、クウダフの体は持ち上げた剣の重みでのけぞり、
ディアスの体は剣を戻そうとした勢いのまま体を丸める体勢になり、

そのままの体勢で   (いける!)

一気に剣をクウダフの腹に突き刺した。


「グガァァァァァァッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」

これが断末魔の叫びと言うのだろうか?
クウダフが叫び声を上げてゆっくりと倒れていく。
そして、後にはクウダフが倒れたときに立ち上った砂煙とクウダフの死体、
それに肩で息をするディアスとモーグリが残った。

834 名前: 終わらない冒険を 投稿日: 2003/05/24(土) 00:54 [ yVsKoOdw ]
「ウォータ、ありがとう。助かった」
ディアスがそう言い、後ろを振り返ると側にいたモーグリと目があった。
「クポ」
「クポ?」
思わず言い返す。
「クポポ」
「クポポ?」
何故か繰り返す。
「クポクポ」
「クポクポ?」
「クポ〜〜」
(?!
 お、おい。まさか今の、会話として成り立ったわけじゃないよな?
 あっ、こら!なんで赤くなって俯く!
 なんだ?俺はなんて言ったんだ?!)
クウダフの死体を背に、
顔を赤らめて俯くモーグリと、
それを見て焦っている(表情が少し出てる!)男という妙な構図が出来た。

2人(?)はしばらくそうしていたが、先に口を開いたのはモーグリだった。
「クポ〜、助けてくれてありがとうクポ〜」
その言葉でディアスは我に返る。
「あ、ああ・・・。いや、いいんだ。そうだ!さっきの人は?」
「クポ?」
思わずまた言い返しそうになるがぐっとこらえる。
「さっきウォータをかけてくれた人がいただろ?」
そう言うとモーグリは「クポクポ〜」と言って飛び跳ねる。
いや、元々飛んでいるから浮き沈みしている、と言った方が適切だろう。
ディアスはしばらくそれを見ていたが、
その意味を理解してモーグリに聞く。
「もしかして・・・さっきのってお前が?」
「クポ〜!」
・・・肯定の意だろう。
「そ、そうか・・・ありがとう。助かった」
そう言ってディアスはモーグリを見た。
(モーグリって魔法使えたのか?)
と思いながら見てみると、モーグリは片手棍、メーブルワンドを持っている。
「おまえ・・・冒険者か・・・?」
ディアスがそう聞くと、モーグリは頷いた。

                                               そのうち続きます

835 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/24(土) 03:03 [ CBAtHKpw ]
>この白い生物の名前を募集しちゃってもよろしいでしょうか?

てな訳で考えてみました。こんな時間にこんばんは。

1、テス
2、クロム
3、フィー

……あんまり気にしないで下さい(笑

では、今日も『白狼』行きます。

836 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/24(土) 03:04 [ CBAtHKpw ]

   白狼 −4−


 人を掻き分けて進むと、そこにシェリルがいた。

「何だ……?」

 ジェッドは始めその光景を理解できなかった。確かにシェリルはそこにいた。ガルカに背後から剣を突きつけられ、どうしようもない表情で立っている。恐怖と不安と絶望。それら全てを含んだ顔で。

「何だ?」

 もう一度ジェッドは呟いた。何故このような状況にシェリルはいるのか? その疑問が彼の思考能力を止めていた。

「もう一度言おう」

 ガルカが叫ぶ。

「我々はヒュームの道具ではない!」

 人質? そう人質だ。シェリルはそのガルカの人質にされているのだ。
 時折、こう言うガルカはいる。自分達の微妙な立場の改善を望む者だ。ヒュームとガルカの確執は、今なお続いている。しかし、これはやりすぎだ。
 ジェッドは動かなかった。自分の知り合いが、こんな現実離れした(冒険者ではない彼女には尚更だろう)状況に置かれている。非公式とは言え、彼は銃士だ。何とかしなくてはいけない。しかし、そう思っても彼は動かなかった。動けなかったのではない。自らの意志で動かなかったのだ。
 彼の心は震えていた。感動すら覚えていたかもしれない。何に? この状況に。

「シェリル!」

 どこかから声が上がった。騒ぎの中へ男が飛び出してくる。その男は――スライ。

「…………スライ」

 シェリルがか細い声を出す。

「何だ、お前は?」

 ガルカがスライに向かって言う。その目つきは既に正気を無くしていた。

「その子の、友人だ。馬鹿な真似は止めて、その子を、放せ!」
「馬鹿な真似……だと?」

 ガルカの手に力が込もる。切っ先が触れたのか、シェリルが小さくうめいた。

「お前達ヒュームに何が分かる!」

 ガルカは声を荒げた。

「虐げられ続けた我々の何が分かる! 止めろと言ったところで、お前達ヒュームはその考えを改めなかっただろう!?」

 スライは何も言わなかった。言えなかったのだろう。
 さて、そろそろ止めに入らなくては。ジェッドはそう思うと動きにかかった。刹那――

 ガルカの体が後方へ大きく飛ぶ。

 誰もが目を疑った。ガルカの巨体が中を舞い、そして地面に叩きつけられる。カランと乾いた音を立ててガルカの持っていた剣が転がった。
 皆の視線が集中する。いつの間にか現れた一人のヒュームに。彼はシェリルの背後、ガルカがいた場所の少し後に立っていた。黒い外套に身を包んだ男。

「……言い分は分かる」

 その男は言った。

「だが、それがどうした」

837 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 06:34 [ pxsGade6 ]
>>808
>吟遊詩人が歌っているようにこの話は今のヴァナの10年前に始まっています。
そしてバストゥークであったあの日、
恐らくFF11をやってる(やってた)ほぼ全ての人があの日を目撃したかと思いますが、
この話は、あの日から10年後の話です。

あの日ってなに?バスでなんかあったっけ?

838 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 10:07 [ j2FkA3b. ]
「名無しの話し」の4の1 −放物線−

 その日の狩りは順調だった。
 タル白が踏まれたり、タル白が踏まれたり、タル白が踏まれたりしたが……順調だった。
 良さげな獣を数頭狩り、そろそろお昼にしようかというころ、
「んー…」
 ガル戦が何かを見付けた。
「?」
 全員がそちらを見る。……が、よくわからない。
 視線を追えば、遠くの茂みのあたりなのだけど、あまりに遠すぎて何がいるのかわからない。
「なにかいるにゃ?」
 パーティーでは二番目に目のいいミスラでもわからない。
 まあ、もともとの視力の良さと巨体から、歩く肉弾監視塔とも言われるガルカにかなうわけがないのだけど。
「んー、あそこにいるぅ」
 左手でそちら指さしながら、右手を背後へ伸ばすガル戦。
「!」
 それに気付いたヒュム戦の反応は素早かった。
 隣に立つエル騎士の手をつかみ、引き寄せる。
「?」
 何を思ったのか、ポッと頬など染めて見せるエル騎士。
 しかしそのまま突き飛ばすヒュム戦。
 そこには、タル黒がいた。
「お?」
「みぃ?」
 突き飛ばされたはずみでタル黒につまずき、かぶさってしまうエル騎士。
 直後!
 グワシッ!
 ガル戦のごつい手がエル騎士の首根っこを掴む。
「おお?」
 見上げるエル騎士。
 ニカッ!
 見事な牙の並びを見せて笑うガル戦と目が合う。
 ズシャア!
 土を蹴ってガル戦の片足が高々と跳ね上げられる。
 ピシン!
 右足と左足が一直線に伸びる。
「ミィー」
「キャー」
 あの恐怖を思い出し、大慌てで逃げる散るタル白タル黒。
「長距離弾道タルタルゥーのつもりだったけどエルヴァーンミサイルーーーゥッ!」
 ブオン!
 長い台詞と共に唸るガル戦の豪腕。
 フォロースルーも美しい理想的な投擲フォーム。
「おおぉぉーーーー???」
 ヒューーーーーーーーーー…。
 鎧が空気を切る甲高い音とともに斜め上方45度の最適角度で飛んでいくエル騎士。
 なぜか、うんうんと満足そうにうなづいてるヒュム戦。
 やがて、その長身がちいーさく見えるぐらいに上昇したエル騎士は、速度の低下と共に緩やかな放物線を描いて落下を始めた。
 丁度さっきガル戦が見ていた茂みへ向けて。
 そして。
 めしゃ…。
 あまり嬉しくない音がちい〜さく聞こえた。
「んー、当たりだぁ」
 ガル戦には戦果が確認できたらしい。
「ねーねー、なにやっつけたのー?」
「かめー?いぬー?とりー?」
 もう安全だと判ったのだろう、戻ってきたタル白タル黒がガル戦へと聞く。
「んー、見に行くぅ」
 どっこどっこと走り出すガル戦。
「ボクみるー」
「みるー」
 慌ててついていくタル白タル黒。
 ヒュム戦とミスラも後を追った。

 茂みを掻き分けると、エル騎士がいた。
 ちょっと形が変わってしまっていた。
「エルさんいた〜」
 とタル白。
「こわれてる〜」
 とタル黒。 
「にゃははははははは」
 見つけたとたんに笑い出すミスラ。
「ねじれてるにゃ〜。まがってるにゃ〜。おーれてるにゃ〜はははははは」
 腹を抱えて転がり回る。
 人の不幸は蜜の味、と言うけど、ミスラにとっては、エル騎士の不幸はマタタビの味、なのかもしれない。…あ、いや、マタタビは猫か…。…いや、ミスラは猫だし…。…いや、そう決めつけるのも…。いや、しかし。いやいや、しかし。
 閑話休題。
 ねじれて曲がって折れたエル騎士の脇には、呆然と立ちつくすタルタルがいた。
 この辺りでは初めて見るタルタル。装備からすると、竜騎士のようだ。
 竜騎士?
 ヒュム戦は嫌な予感がした。
 見回すと、竜騎士から絶対に離れるはずのない子竜の姿が見えない。
「んー、間違えたかもぉ」
「…」
 恐る恐る、変になったエル騎士をどけるヒュム戦。
(・・)
 あった。いや、いた。
 変になったエル騎士の下敷きになって、変になった子竜がいた。

839 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 10:34 [ j2FkA3b. ]
「名無しの話」の4の2 −竜騎士−

「う゛…」
変になった子竜を見たとたん、声を漏らすタル竜騎。
慌てて子竜を抱き上げるが、ヘンニャリとしたソレは、あきかに逝ってしまってる。
「…」
首がプランプランになってしまった子竜を抱きしめるタル竜騎の大きな瞳に、一気に涙が溢れ出しポロポロとこぼれる。
「ないちゃだめだよー」
「なかないのー」
タル白タル黒が座り込んだタル竜騎の頭を撫でて慰める。
「あのね、ボクね、ここでやすんでたの。でね、ミックンがね、みはっててくれたの」
タル竜騎がヒックヒックとしゃくりながら、話し始めたのは、何故こんな事になったのかという状況説明なのだけど……以外の五人には、聞かなくても、もう判ってたりする。
八つの瞳がジロリとガル戦をにらむ。
「そしたらね、そのひとがね、そらからね、おちてきたの。ドスンてね、おちてきたの…」
変になったエル騎士を指さすタル竜騎。
「んー、コントロールには自信が…」
スパーン!
余計な事を言いかけたガル戦の頭を剣でひっぱたくヒュム戦。
「でね、ミックンがね、ミックンがね……」
ぐっと言葉に詰まるタル竜騎。
わずかにあって、
「うわあぁーーん」
大声で泣き出すタル竜騎。
「ないたらダメなのー」
「なかないでよー」
一生懸命慰めるタル白タル黒。
しかし。
「うわあぁぁーーん」
「う…う…うわーーん」
「ああーん」
つられてタル白タル黒まで泣き出してしまう。
「「「わあぁぁーーーん!!」」」
泣く子と地頭には勝てない、という伝説がある。
「あわわわわ…」
タルタル達の泣き声三重奏の前に、ヒュム戦はどうにも打つ手がない。
ミスラは笑い転げたままだし、ガル戦は…。
「やめんかー!!」
ゴスッ!!
タル竜騎の抱いた子竜を、しゃがみ込んでピロピロやってるガル戦の後頭部へ剣を叩き付けるヒュム戦。
「んなヒマがあったら泣きやませる方法を考えろ!」
睨み付けるヒュム戦へ笑むガル戦。
「んー、かんたん」
ワシッ!
泣いてるタル竜騎の頭を掴むガル戦。
「少しひねれば、すぐに静かになるぅ」
「ち・が・う・だ・ろ!」
パンパンパンパンパン!
上下左右からガル戦の頭をひっぱたくヒュム戦。
「黙らせるンじゃなくて、泣きやませるの!」
少し考えるガル戦。
「んー、じゃあ、代わりの子竜をあげるぅ」
「代わり?」
「!」「!」「!」
疑わしげにするヒュム戦と違い、タルタル達はあっさりと反応した。
いま泣いたカラスがもう笑う、という伝説がある。
「どんなの?」
「かわいい?」
涙をふきながら、興味津々のタル白タル黒。
「いるの?」
抱いた子竜への未練を残しつつも、代わりの子竜への興味も見せるタル竜騎。
すこし赤くなったまーるい瞳がガル戦を見上げる。
「んー、ちょっと待ってぇ」
ガル戦がゴソゴソと皮袋を探り、取り出したのはタルタルほどもある巨大な卵だった。しかも、赤黒斑色の。
「おまえもちょっと待て」
卵をタル竜騎に渡そうとするガル戦を止めるヒュム戦。
「それはなんだ?」
「んー、卵だぁ」
「だから、な・ん・の」
「んー…子竜?」
「はてなマークを付けるなぁ!」
スカーン!
ガル戦の頭をひっぱたくヒュム戦。
弾みでその手から卵が落ちる。
「「「「「あ」」」」」
ドスン。
ゴロゴロゴロ…。
偶然?、タル竜騎の方へと転がる卵。
反射的に受け止める、というより抱き止めるタル竜騎。
しかし。
ブニッ。
勢いを止められず、潰れるタル竜騎。
ゴロブニッゴロブニッゴロブニッ…。
巨大な卵はタル竜騎もろとも転がっていく。
やがて、止まる卵。
同時に。
ピキピキピキ…。
その表面にヒビが入る。
「あ、産まれる」
それに気付いたタル竜騎は慌てて卵の下から這い出ると、ヒビの部分を覗き込んだ。
それは、産まれて最初に見た動くものを親と思いこむ子竜の性質を利用して自分を憶えさせる竜騎士の本能的行動だった。
パキャッ。
卵の殻が弾け飛び、ウニュッと首を突き出したのは

840 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 10:40 [ j2FkA3b. ]
「くろいねー」
「くろー」
真っ黒な竜だった。
バキバキバキ。
たちまちのうちに卵が砕け、その全身が現れる。
バサッ!
漆黒の翼を広げる子竜。
艶のない真っ黒なウロコに覆われたその身体は、どうやってこの卵に収まっていたのかと不思議なほどに大きい。胴だけでタル竜騎の三倍はある。
巨大な牙に曲がった爪。まがまがしいその姿形を、ヒュム戦はどっかで見たような気がした。
けど、思い出せない。
血のように赤く輝く瞳が、じっとタル竜騎を見降ろす。
いまにもタル竜騎が食べられてしまいそうに思えて、剣に手を掛けるヒュム戦。
しかし。
「ミャー」
可愛らしい、まるで子猫のような声を上げて頭をすりつける子竜。
嬉しそうに目を細めてる。
「んわわ」
ゴロリと転がされてしまうタル竜騎。
「ミャーミャー」
「んわわわわわ」
スリスリゴロゴロ、スリスリゴロゴロ。
子竜がすりつけばすりつくほど転がるタル竜騎。立ち上がるひまもない。
なんだか、子竜に遊ばれてるようにも見える。
「あー、ボクもー」
「おもしろいー?」
楽しそうに見えたのだろう、駆け寄っていくタル白タル黒。
「ミャー?」
それに気付く子竜。
クリンと首を向ける。
「ボクもゴロゴロしてー」
子竜へ笑顔で両手を伸ばすタル白。
「……」
少しの見つめ合いの後。
パクンッ。
タル白の頭を一口にしてしまう子竜。
そのままングングと飲み込んでいく。
どうも、タル竜騎以外のタルタルはエサに見えるらしい。
「キャー」
悲鳴を上げて逃げ出すタル黒。
「ミー!ミー!」
半分ぐらい飲み込まれ、ジタバタと暴れてるタル白。
「食うなー!!」
ボゴッ!
子竜の頭をひっぱたくヒュム戦。
スポーン!ボテン。
弾け出るタル白。
キッ。
ヒュム戦を睨み付ける子竜。
その赤い瞳には、一杯に涙がたまってる。
余程痛かったのだろう。
「あ、ごめん。つい…」
ガル戦のつもりで思いっ切りひっぱたいてしまったヒュム戦。
「ミャアアァァーー!!」
ひどいわー、とでも言うようにひときわ大きく鳴く子竜。
ビョーッと涙が吹き出す。
ゴオォォーっとブレスが吐かれる。
そして、その大きな翼を羽ばたかせると、涙の後を引いてあっという間に飛び去って行った。
脚爪に笑顔のタル竜騎を引っ掛けて。
「ごめん…」
瞬く間に小さくなっていくその姿に頭を下げる焦げたヒュム戦。
その隣では、タル白タル黒が子竜の飛び去った方向についてキャイキャイと話してる。
「ねー、あっちってねー」
「うんー」
「だよねー」
「だねー」
もう、ついさっきの恐怖も忘れてる。
「ところで」
くりっとガル戦へ向き直るヒュム戦。この辺の立ち直りは素早い。
「んー?」
「あの卵、どこから持ってきた?」
「んー、前に行ったダンジョンの奥に転がってたぁ。おやつにしようと思ったんだぁ」
「……」
ヒュム戦は何も聞かなかった事にした。

そして、すこし後。

「ちょっとまてー!なんでこんな所にダークドラゴンが来るんだぁー」
「逃げろー」「きゃー」
ズゴゴゴコー!
「むぎゃー!ブレスきたー」
『じゃんぷあたーっく!!』
ズギャッーン!
「いでー、竜騎士まで連れてるぞー!?」
「裏切りものー」
平和?だった町は大混乱になっていた。

『久しぶりなのに…』
『ミュー』
『ヒュム戦は裏切るし…』
『ミュー、ミュミュー!』
『…もういい。どうせ私はエルヴァーンだ…』
『ミュ?』
すねてるエル騎士を一生懸命に子竜が慰めてる。
死んでるけど…。

−本日の戦績−

獲物:獣数頭。
死亡:一名と一匹。
間接的被害:屍累々
評価:ブッブー

その後しばらくダークドラゴンと配下のタルタル竜騎士が各地を賑わし、
「竜騎士は卵を間違えないようにしましょう」
という回覧板が回されるほどの騒ぎとなった。

「んー、やっぱり食べた方がよかったぁ…」

「名無しの話」の4 −完−

841 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 10:51 [ j2FkA3b. ]
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
タル竜騎…語呂悪いです。
どっかのライダーみたいです。
丁度ドラゴンがいたりします。
でもタル竜だと背中に刺青ありそうで…(ーー)

842 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 14:50 [ hlRcwno6 ]
さいっこう!!おもろかったー

843 名前: 練習相手にならない名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 17:43 [ iN9J/MH. ]
ごめん 笑いすぎて腹痛い
「名無しの話」最高です

触発されて書いたけど、途中で詰まった・・・

剣を持つ理由

1.夢を見る者(未知なる世界)
壮大で広く、緑が美しい平原 サルタバルタにある魔導士の国ウインダス

祖国バストゥークでは、そう呼ばれ地位の高い人々のバカンスの場所として
庶民からは、憧れの場所として人気が高い事で知られていた。
私も、子供のような風貌とその愛くるしさで有名なタルタルという種族と
非常に美しいと有名な土地に、憧れと関心を持っていた。
その憧れは、世界のすべてを見て回りたいと思うようになり
世界中を飛び回る冒険者となる夢にと変わっていった。

私は、今念願の冒険者となり憧れていた国ウインダスの門の前まできていた。
そう私は、ついにここまで辿り着いたのだ。

だが、私の心は踊り狂う事無く沈み、放心状態だった。
なぜなら・・・・・

時は、三日ほど前になる。
私たち、二人はバストゥークを出て、港町であるセルビナに向かい、船でマウラを目指した。
途中、何事も無く順調すぎるくらいだった。
事が起こったのは、マウラに着いた直後だった。

2.力を持つ者(マウラ、強者の理論)
3.憧れと現実(変わる世界、その理由)
4.思いと願い・・・その終端(出会い、疑問)
5.戦う理由(孤独な戦い、誓い)
6.冒険者(誰のために剣を持ったのか)
7.エピローグ(新しい冒険者、相反する正義)

844 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 20:27 [ 3D2kKvJ6 ]
>>843
頑張ればおまいさんも神の仲間入りだ。

845 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/24(土) 20:31 [ HzwdIX9w ]
>>839
最高でした。
ワラタよ。w 次回も期待してます。
あと、タルタル可愛い。。。

846 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 09:47 [ zt/dT10U ]
age

847 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 11:58 [ oEtMKidE ]
>>826
今頃気付いたが・・・
>>「ぼ、ぼくは本当は違うんだす!!」
だす・・・ワラタw

848 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 12:52 [ KThZqvu2 ]
>>838
待ってました!
タルどもは可愛いし(ひそかにエル姐さんもw)もう、滅茶苦茶笑いました
やっぱアンタ天才だw

849 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 15:37 [ sCR0BJzQ ]
「エル騎士のは・な・し」

私はエルヴァーン。
神聖なるサンドリア王国に生を受けた者。
誇り高き戦いの一族の名を継ぐ者。
幾多の試練を乗り越え、王立騎師団の一員としての栄誉を拝する者。
白銀の鎧に身を包み、悪しき獣人と戦う者。

なんだけど…。

なんでよ。

なんでヒュム戦より大きいのよ。
なんで首が長いのよ。
なんで誰も名前で呼んでくれないのよ!?

私にも名前はあるのよ。
ちゃーんとした名前があるのよ。
可憐で、清楚で、儚げで。
でも誰も呼んでくれないのよ。

たしかに、剣で亀ぶっ刺してますよ。盾で犬ぶっ叩いてますよ。
壁ですよ。挑発しますよ。釣りだって出来ますよ。

どー見たって可憐で、清楚で、儚げじゃないわよ。

だってエルじゃない?
エルでしょ?
エルなんだもの!

こら、そこのタル白タル黒。
自分が可愛いからって笑うんじゃない。
幼児言葉使えばいいと思いやがって。
たるたる踊ってりゃいいと思いやがって。

私だってなぁ、私だってなぁ、私だってなぁ、
「ねー」とか「うふっ」とか「るん♪」とか言いたいんだぞー!
可愛いお嬢さん言葉使いたいんだぞー!
でもな、たまーーーーにちょろっと使うとな、ヒュム戦が聞くんだ。
わざわざ隣にやってきて聞くんだ。
心配そうに聞くんだ。
そーーっと聞くんだ。
本っっっっ気で聞くんだ。

「アネさん、調子悪い?」

誰が「アネさん」かー!
私はボスか、親分か、極妻か!?
これでも未婚なんだぞー!!
これでも年若い娘さんなんだぞー!!
これでもしょ…エフンゴホン…。

ちくしょー!! 
どうせ私はエルヴァーンだああぁぁぁーー…‥!!!!

「エル騎士のは・な・し」 おわり 

このお話の人物は多分架空です。
お話そのものも創作のはずです。
けど微妙に何かが入り混じってるような気配の頃合いです。
が、気のせいのような気分の雰囲気もあったりしそうです。
なので、あなたのお隣さんとは関連づけない方が良いという判断が下され方向な主張です。
ヴァナ中のエルヴァーンの、「お嬢さん」、石ぶつけないでね。

850 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 17:57 [ 4LIf8BJk ]
首だけにドン・・・
逝ってk(ry

851 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 20:26 [ DxKn0S2M ]
>837
オープニングムービー・・・
とだけ言ってみる

852 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/25(日) 22:01 [ zovUHL66 ]
>849
に激しくうなづいてしまったミスラがここに。
ええ、ミスラです。
エルお姉様ではありません。

でも…でもさ

なんでたま〜に丁寧語使って話してたら
「どしたの?w」
「ネ○マ?w」
とかいうのよそこのLSメン!
私だってたまにはかわいくやりたいわっ
ってかネ○マって何よネ○マって!
ネ○マじゃねえっつってんだろっ!
私だってたまには普通の女の子やりたいわーっ!!

なまじっか白じゃなくてモンク選んだのが間違いだったのかなぁ(´・ω・`)

脱線 糸冬

853 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 00:40 [ TTC9qXfs ]
先週に引き続き、週末最終夜につき神降臨期待age

854 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 04:55 [ 9kRjhA7A ]
>>852
ミスラに男プレイヤーが多いのが原因かとマジレスしてみる。

まあ、なんだ、あれだよ、ほら、俺が言いたい事は
クリームはどうなった?って事だ。

855 名前: 837 投稿日: 2003/05/26(月) 06:25 [ 1dre1VEk ]
>>851
OPムービーはバストゥークでは無いらしいが。


素晴らしい話の、つっこむ必要の無いところに突っかかった俺がDQN

856 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 07:44 [ XL5ZdLOE ]
オープニングムービーって幼少時代のアルドくんが逃げ回ってたやつ?
あれタブナジアだね。

ただの通りすがりだから話の流れは読めてない。
見当違いのこといってたらごめんね。

857 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 14:10 [ Zo1f2GH2 ]
>>826
魔法学校、耳の院の院長ってコルモル博士だよなぁ〜。
随分まともだ…。セーダルゴジャルの時代の話か、そうすると時系列が…

良い話につっこむ漏れもDQNってことで

858 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 14:10 [ Zo1f2GH2 ]
sage忘れスマソ、いや本当に

859 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 15:40 [ AG/Dt8qk ]
終わらない冒険を、の作者です。
えーっと、とりあえずすいません。
さすがに勉強不足過ぎました・・・。
はい、吊ってきます。

860 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/26(月) 19:10 [ 42yhMUyA ]
>>859
あなたは吊らなくていい。

代わりに俺が吊ってくる。

861 名前: 837 投稿日: 2003/05/26(月) 19:19 [ eWjufh4s ]
あんたの話好きだからさ、ついつっこんじゃって…ごめん
ただの傍観者に戻るから安心してくれ
変に勉強とかしないであんたの世界を楽しませてくれyp

ハンスル・ホルロ編が大好きだ〜

862 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 00:41 [ Rzp8kdak ]
いろいろ新規のお話もあるけれど。
それもやっぱり面白いんだけど。
初期の作家さん、続き、待ってます(´・ω・`)

下がりすぎなのでage

863 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 01:22 [ 8TESmJ8o ]
神達に提案というかお願い。
トリップを付けていただけると読みやすいのですが、
駄目でしょうか?

864 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 01:45 [ EZfWp0g6 ]
樽戦といえば、オットーとレウはニャンニャンしちゃったでFA?

865 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 06:04 [ Shl.uI5k ]
そろそろ次スレを考える時期かと思われる。

866 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 06:20 [ .KhoqgnI ]
次スレたてるのは980かな?990でもいいくらいだけど。

スレタイはどうなるんだろ。個人的には変更無しでもいいけど

867 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 06:35 [ 6j1XQrL6 ]
タル戦、分岐、話を膨らませすぎて密度が
薄くなってきたなw作者も結構、後悔してんじゃないのwww?
だんだんツマラン作品になっていってフェードアウトするまえに
スパっとやめちまえw
最初だけ調子のよかったスポーツ選手っぽくて哀れだなwww

868 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 07:07 [ i7CkmIAs ]
おっ、煽り おな強がPOPしてる
経験値100ウマー

哀れなのは自分だって気づけよ。(プッ
何様のつもりだよ。
大体、話を膨らませすぎ?どこがだw
お前の頭が弱いだけだろ。

869 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 07:09 [ 2oudMCx. ]
なんか必ずこういうの出てきますね〜>>867
作者様 こういうのは場所が場所ですから気にしないでくださいね

>>867
無駄だと思うが、自分がつまらないと思ったらみなきゃいいじゃん
わざわざここに書いて何が楽しいの?
ほんと867のことの方が哀れだと思った

って釣られました?(汗)

870 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 07:09 [ 2oudMCx. ]
なんか必ずこういうの出てきますね〜>>867
作者様 こういうのは場所が場所ですから気にしないでくださいね

>>867
無駄だと思うが、自分がつまらないと思ったらみなきゃいいじゃん
わざわざここに書いて何が楽しいの?
ほんと867のことの方が哀れだと思った

って釣られました?(汗)

871 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 07:10 [ 2oudMCx. ]
2重かきこ
すまん

872 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 10:19 [ eYEvJMC. ]
そして過剰反応しちゃうのもいいとこであり悪いとこでもあり
どこを縦読みするのかさがしちゃう俺が1番悪い、と

↓ なにも見えない事にしていつも通りどうぞ。

873 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 11:16 [ 0Xq73.Fo ]
天の塔の噴水で釣りしてたらシルバーリングが釣れた。

あそこは神秘的でお気に入りのスポットでつ。
てことで荒んでる奴等はあそこで小一時間釣りしてきちゃって下さい。

874 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 13:56 [ gv17otWc ]
>>867の言い方は、酷いが俺も最近、それを感じて
いたり^^:絵本の辺りからあんまり感動しなくなった

875 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 14:04 [ uWZtEb7M ]
独り言。特に意味はないよ。気にしないでね

本当にこのスレが好きで、
物語を楽しみにしている人間ならば
決して煽りに反応したりはしないよね。

独り言なのでスルーしてここから再開↓

876 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 15:21 [ Z43a2O8s ]
パママー('▽')!!

877 名前: 876 投稿日: 2003/05/27(火) 15:22 [ Z43a2O8s ]
すまん
素でミスった

878 名前: パママー('▽')!! 投稿日: 2003/05/27(火) 17:34 [ TWRCOpfI ]
「終わらない冒険を」の作者です。
とりあえずホルロ編はそのうち改正しようかな、と思います。(そのうちね)
861さん、俺の作品を楽しいって言ってくれてありがとうございます。
ていうかぶっちゃけ悪い所はどんどんつっこんで欲しいです。
でもここでそれは迷惑かな、どこかいいとこないかなぁ、と。

まあそれはいいとして終わらない冒険を、行きます。

879 名前: 終わらない冒険を 投稿日: 2003/05/27(火) 17:35 [ TWRCOpfI ]
〜〜〜終わらない夢〜〜〜


「ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
ホルロの体から風が起きる。
それはあまりにも強すぎる魔力の奔流。

「馬鹿な?!そいつは魔法は使えないはず!!」
そんなディアスの叫びも、魔力の風が吹き荒れる轟音の前では掻き消されるだけだ。

ホルトト遺跡の中で風は柱や壁にぶつかりながらも一点に集まっていく。
ホルロは両手を下げ、そこに魔力の風を集めながらもディアスを睨む。
その目には涙が流れ続けている。

「お前だけは許さない・・・」

ほぼ全ての魔力が集まって・・・


そして・・・ぴたりと・・・止んだ・・・


それはまさに嵐の前の静けさと言うべき静寂。
数秒、しかし圧倒的な存在力をもった数秒が過ぎ・・・




魔法陣が地面に現れる。




「お前だけは絶対に許さない!!!」
ホルロはディアスを睨めつけて言う。
「殺してやる!!!」

魔法陣から・・・何かが出てくる!!


「召喚魔法?!」


遠くからレミが叫んでいる。
そこからは確かに何かの腕が出て・・・
その腕がぐっと力を込めて魔法陣を掴んだと思うと”それ”はゆっくりと体を押し出してくる。
「そんな!召喚魔法は禁止されているはず!冒険者は誰も知らないはずなのに!何で!?」
レミが叫ぶ。
「そんなことはいい!早くプロテスを!」
ディアスが叱りつけるとレミはハッと我に返ったような顔をすると詠唱を始めた。
レミの顔には明らかな怯えの色がある。
ホルロの召喚にか・・・それとも・・・
そうしているあいだにも”それ”は徐々に体を外へと出していく。



「イフリート・・・」



壁を背に崩れ落ちている人物が言った。
胸からディアスのデモンスライサーを生やし、口からは一筋の血を流したレイスは言う。
「別に・・・ホルロは召喚魔法を誰かに習ったわけじゃない・・・。
 どんな事にも最初にそれをやった奴、始祖とも言うべき者がいる。
 ホルロにはその才能があった。
 ただ、それより先に同じような事をやった奴がいただけのこと・・・」
レイスは苦しげに立ち上がると口元に笑みを浮かべた。
絶対的な勝利を確信した笑みを・・・。
「ぐっ!・・・う・・・」
胸に刺さったデモンスライサーを抜く。
「が・・・は、
 ・・・あれは、確かに召喚魔法だが・・・
 他の・・・誰にも、使えない・・・
 正真正銘”ホルロの”召喚魔法だ」
そう言うとレイスはケアルの詠唱を始めた。


(まだ生きていたのか・・・)


ディアスはそう思った。(確かに殺したと思ったのに)と。

ディアスはレイスに向けていた視線をホルロに戻した。
そこには既に召喚獣の全身が現れている。

その召喚獣”イフリート”はホルロの近くに降り立つと、
体中の炎を撒き散らしながら部屋中に響き渡るような咆吼を上げた。

「殺してやる!!!!!!!!!」
ホルロがディアスに向かって叫ぶ。
その目は憎しみに彩られている。


「俺を殺す?」

ディアスはホルロを見下しながら笑った。
明らかに馬鹿にしたような笑みを。
手に持ったままだったマンドラゴラの死骸を放り投げる。

ディアスの体を白い光が包む。レミがプロテスをかけたようだ。
「上等だ!このクソガキがぁ!!!」
ディアスはプロテスの光が止まないうちから元はレイスの物であるナイトソードを構え、
イフリートに突っ込んでいく・・・

880 名前: 終わらない冒険を 投稿日: 2003/05/27(火) 17:36 [ TWRCOpfI ]
ディアスは飛び起きた。
体中から汗が噴き出てきている。
息が荒い。


「・・・・・・なんだ・・・いまのは・・・」


ディアスはそう呟くのがやっとだった。
体中から出てきた汗のせいで服が濡れ、べっとりと体に張り付いている。
ディアスの目はグスタベルグの大地を見ているが、彼には何も見えていなかった。
ディアスは息を整え(少し冷静になれ)と自分に言い聞かせる。
目を閉じ、呼吸に合わせて数字を数える。


しばらくそうしていてやっと息が落ち着いてきた。
(これは何だ?)
ディアスはそう思う。
(俺は・・・なぜこんな夢を見る?こんな・・・夢を・・・)
いまいち考えがまとまらない。
だが、分かっている事が一つだけあった。
ディアスは空を見る。
「どうやらお前達は俺に何かをさせようとしているらしいな・・・」
空の・・・更に上の方に向かって、
その先にいるであろう相手に向かって言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
分かっていたが、当然答えはない。
ディアスは空を見たまま溜め息をついた。
「まあ、いい・・・。
 俺には命にかえても果たしたい目的がある。
 お前達・・・神か悪魔か、それとももっとひどいものかは知らないが、
俺はお前達に乗ったんだ・・・。
 お前達が俺に何かをさせたいのならそれもいいだろう。
 俺は・・・レイズを手に入れるためなら・・・
 あいつを生き返らせるためなら何でもしてやる」
満天の美しい星空、しかしディアスにはそんなものは透明に見えていた。
彼女がいなければこんなものにはなんの意味もない。
「どんなに傷ついても・・・どれだけ傷つく事になっても、必ず果たしてみせる・・・」
天を仰いだまま言う。


「たとえこの身が闇に堕ちようとも・・・」



「クポ〜・・・」


妙な声が聞こえ、ふと脇を見る。
既に焚き火とは言えないほどに小さくなった火と、側に丸くなって眠るモーグリの姿を見た。
クウダフを倒した後一緒に野宿をする事になり、交代で見張りをたてることになった時、
進んで先にやると申し出てきたモーグリの姿・・・テスと言うらしい・・・がそこにある。
(・・・任せろって言ったのに)
そう思いながらも、眠っていてくれて良かったとも思う。
こんな自分の姿を誰かに見られるのはさすがに嫌だった。
(どうせもうすぐ交代だったんだから眠らせておいてやるか・・・)
そう思い、焚き火に新しい薪をくべた。
焚き火の火は少し大きくなる。

ディアスは身じろぎもせずに焚き火を見つめる。
闇が夜に溢れ、時が止まったかのようなその空間で動くものと言えば、
焚き火と、それによって出来た影くらいだった。
火を見つめるディアスの目からはなんの感情も伺えない。
時間は静かに流れ続ける。
静かに・・・
静かに・・・

881 名前: 終わらない冒険を 投稿日: 2003/05/27(火) 17:37 [ TWRCOpfI ]
朝日が顔を出してきた。辺り一面に明るさが甦る。
静かだったグスタベルグの地に小鳥のざわめきが溢れる。
そのざわめきと朝日を顔に浴びたテスは「クポ〜〜〜」と言いつつ、起き上がってきた。
「クポ?クポ?!クポ??」
周りを突然きょろきょろしはじめる。
「どうした?」
不審なモーグリにディアスは聞く。
「・・・僕寝ちゃってたクポ?」
(ああ、そのことを気にしてるのか)
「気にするな。ちょうどいい時間に俺も起きた」
「クポ・・・」
グル・・・
ディアスは焚き火の火を消す。
「俺はそろそろ行くがお前はどうする?」
「一緒に行くクポ!」
グルル・・
「・・・は?」
「一緒に行くクポ!」
グルルル・
「モーグリ族は受けた恩を忘れないクポ!僕はご主人様と一緒に行って旅のお手伝いをするクポ!」
「いや、でも・・・」
「それにご主人様だけだと何かと危険だクポ!」
グルルルル
「だけど・・・」
「一緒に行くクポ!」
「けど・・・」
「一緒に行くクポ!」
「・・・はい・・・」
ディアスは押しに弱い。

グルルルルル!

(まいったな、誰かとパーティーを組むつもりなんてなかったのに・・・)

グルルルルルル!!

(こいつといると何だかペースが乱されるし・・・)

グルルルルルルル!!!

「・・・・・・・飯にするか・・・」
「クポ〜!!」
ディアスがそう言うとテスは飛び跳ねて喜ぶ。
同時にモーグリの”腹”から鳴っていた音も鳴りやんだ。
(そういえばモーグリってのは神の使いだって噂をどっかで聞いたな・・・)
そう思いテスを見るが、とてもそんな話は信じられない。
テスは飛び跳ねて「ごはん〜ごはん〜」と言っている。
どうやら手伝う気はないらしい。(こいつは本当にモーグリか?)
ディアスは心の中で溜め息をつきながら鞄から黒パンを取り出した。

                                 そのうち 続きます

882 名前: 暗中舞踏 投稿日: 2003/05/27(火) 18:27 [ 3ZygDblE ]
4 intermezzo

 高地独特の静かさの中、淡々と土を掘る音が規則的なリズムを刻んでいる。
 3人とも始終無言のまま。

 埋葬を終えたのは昼前だった。
 何となく訪れた、ぽっかりと空いた時間。
 

「ナイトになったばかりだったんだ」
 誰に説明する様子でもなく、マックが口を開いた。
「小さい頃に両親とバストゥークに移住したらしいが、サンドリアではヒュームってことで随分と差別も受けたらしい。
口癖みたいに言ってたよ。いつかエルヴァーンどもを見返してやるってな。ナイトの試練を受けたのも、エルヴァーン
が大切にしている騎士の誇りとやらに対する復讐の一つだったんだろうな」
 辛うじて獣人の略奪を免れたらしい1対のサークレット。
「これな、ブライトがラモーヌにプレゼントしたんだよ。バストゥークに帰ったら結婚しようってな。普通逆だろ? カッコイイナイト様が魔導士の姫様に求婚するもんだって散々からかってやったよ。本人同士は大まじめだったけどな」
 そう言って、粗末な墓標に2つのサークレットを架けた。
 
 再び訪れた沈黙を破ったのはチョコボの足音だった。

「なんだお前ら、あの生意気なヒュームナイト様のお仲間じゃないか。おや、肝心のナイト様はどうした?」
 振り向けば、チョコボにまたがった数人のサンドリア騎士がこちらに近づいてくる。
「は! ヒュームの分際でナイトの試練を受けた身の程知らずが死んだのか?」
「!」
「大方お前らは尻尾を巻いて逃げたんだろう? はん、石堀りしか能のない卑怯者のヒュームのやりそうなことだな。
図星だろ?」
 一団がどっと笑う。
「・・・・・!!」
 マックが手にした剣に手をかけ詰め寄ろうとするのを押さえ、前に出たのはクリスだった。
「仲間を護って命を落とした者の墓標を前にしてチョコボの上から見下し、その仲間を侮辱するのがサンドリア騎士の作法
なのか? 随分と立派な作法だな」
「君は我々がサンドリアの王立騎士団であると分かっていて侮辱する気かね? 勇敢なお嬢さん」
「侮辱? 事実を述べることを侮辱というのはそのサンドリア王立騎士団の暗号か何かか?」
「君には自殺願望があると見えるな」
 騎士が剣に手をかける。がそれよりも早く。
 大鎌がリーダーと思われる騎士の鼻先に突きつけられていた。騎士の手は、柄を握ったままだ。
「今すぐ立ち去れ。これ以上貴様らの薄汚い足で騎士の眠る墓所を汚すな」
「う・・・」
 短くて長い沈黙。
 くるりとチョコボの向きを変えると、背後でいきり立っている配下達に指示を出し、そのまま去っていった。去り際に一言を残して。


「呪われた剣を振るう闇の住人め・・・貴様ら暗黒騎士の汚れた魂の行き場は地獄にしかないわ」


「呪われた・・・暗黒・・・騎士・・・? クリスさん・・・?」

883 名前: 暗中舞踏 投稿日: 2003/05/27(火) 18:28 [ 3ZygDblE ]
サンドリアの人、ごめん!
おまけに上げちまったYO!

首くくってきまつ・・・きゅっ・・・

884 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 19:04 [ sNgVupGI ]
マジ、最近駄作増えまくってきたなぁ・・・
召還魔法の糞すぎwwwww

885 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 19:48 [ /weKm/3c ]
最近あからさまな煽りが増えたが何故だろう・・・

886 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 19:48 [ XQp5C0ts ]
>>884
禿胴

887 名前: 883他・886 投稿日: 2003/05/27(火) 19:50 [ XQp5C0ts ]
そして、禿胴なので書き込むのはやめる。

888 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 20:08 [ EZfWp0g6 ]
>>874

樽戦は感動ストーリーじゃないっていい加減気付けYP!
釣りなら13点かな。ageてるところが素人だネ☆

889 名前: 誰か 投稿日: 2003/05/27(火) 20:10 [ JtIew.2I ]
>煽り
指摘して、自分が偉くなった気になりたいんだろう。
それに、もし玉石混合でも別にええやん。わしは気にせん。
目を覆わんばかりのゴミ文なんて、別に上がってないしな。
むしろ煽りの文章こそ、このスレッドでは邪魔なゴミ。

さー次の作品は何かな、新作かな、続きかな、わくわく。

890 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 21:11 [ gv17otWc ]
擁護レスの方がはっきりいってキモイな
ご意見、ご感想ってあるだろうが?
つまらん作品につまらんと言うのは勝手だと思う
んだが、どうだ?俺はおもしろいものであろうと、
そうでないものであろうが、感想なんて書かないが
書きたい香具師には書かせてやればいいだろうが。
つまらんとか言われたぐらいで書く気が失せるような
作家は書かんでもいいんだしさ。逆に、多少野次があった
ほうが引き締まると思うんだがな・・・

891 名前: Clowd@F4茶戦士(LJyo9LuU) 投稿日: 2003/05/27(火) 21:20 [ .4ywkEHI ]
駄作じゃねえよwwwwwwwwwwwwww
俺はいつも楽しみに読んでるってwwwwwwwwwww
文句書くならお前らくるなよwwwwwwwwwwwwwww

892 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 21:56 [ fTOs1A3E ]
>>891おまえが、一番煽っているな(藁)
ある意味、一番笑えた作品はお前だwww

893 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 22:16 [ .czoIqeM ]
なんだかんだいってもタル戦更新されたら読んじゃうんだろ

894 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 22:24 [ f9GRPsu. ]
まぁ、実際問題、同好会の集まりだがな。
ホメ殺し過ぎな感想は書かないほうがいいと
思うぞ。小説コミケの域でも中の下だわな。
ぶっちゃけ、本に出せるというかオマケ程度
(電撃の4コマレベル)で、名無しの作品ぐらいじゃない?
>>888は、何を根拠にそんなこと言ってるんだか(呆)
批判、意見いうやつに、にわか批評家になるなとか言うが、
腐れファンのほうが実はその傾向があるのが、本人達が自覚
できていないのが、痛い。
最近、書きはじめた香具師は、マジ、少しは頭ひねれ。
素人の作品を素人がパクッてるほどの御粗末な作品。
てめぇのオナニー文章出して自己満足しすぎ。
素人によくあることなんだが、自分のお気に入りの
フレーズの為だけに、作品にしようとしやがる。
言い替えるのなら、それさえあれば、他はどうでも
いいような展開にしてもいいと思っている。
だから、肝心なとこも活かし切れぬまま、流れてしまう。
タル戦は5話ぐらいまでは、抜群なセンスだったよ。
素人の域を凌駕していたといっても過言じゃないな。
会社の昼飯時に同僚と話題にもなったさ。まぁ、本人は
好きでやってるんだろうから、どうでもいだろうがな。
自己満なオナニー文章で満足なら、好きなように
書けばいいだろうし、にわか作家であれ、他人から一人でも
多く「よかった」「早く続きみたい」「泣けた」
って、言葉聞きたいならもう一度、自分の作品見直せや?
例えこんな糞板にでも、作品を投稿するのはさ、
やっぱ、そういう声、求めているからだろ?
別に悪いことじゃないさ。自分の本業の合間にできる
趣味で他人の心を動かせるってのは立派なことだしな。

895 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 22:38 [ sWum67Fw ]
>>873
サンドの水晶バスミッション受けたけど、
釣りスキルが足りてない俺でも
マターリできますか?


嗚呼、もうだめぽ。
マジデ。

……ハア、また折れたよ……


マジデカンベンデスヨ ・゚・(つД`)・゚・

896 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 22:45 [ q0YSQwqA ]
>>894
長すぎ。
マジ、少しは頭ひねれ。

897 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 22:53 [ a14BEzyM ]
驚異的な長さだな

898 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 23:08 [ M/xUvwl2 ]
ここの香具師はどうして必死にsageたがるの?
あと、批判に批判で返している香具師は駄作作家さん
達ですか?

899 名前: 873 投稿日: 2003/05/27(火) 23:14 [ wJVf/wBE ]
>>894
解った。俺は作者じゃないけど頭捻ってくるからお前は首捻れ。
>>895
大丈夫。俺釣りスキル4だから。

900 名前: 騎士手紙を書いた人 投稿日: 2003/05/27(火) 23:18 [ oGMgZQIU ]
モノは言い様なんだよなー。
『作家、もっとがんがれ!もっと面白いものを!』
と言ってるだけなのに、なんで煽りっぽくなっちゃうのかな。
批判するのはその分期待してるからかな。
少なくとも目を通してるからこその批判だよね。
何にしても、とりあえず書いた一人として『がんがろう』と思った。

>753
>755
遅レスですがどうもありがとうございました。
楽しんでいただけたようでしたら嬉しいです。
タル弟子=タル女F5(青い方)
師父=エル男F3(黒い方)
ベルナール=エル男F5(白い方)
の、イメージでした。

901 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 23:18 [ i7CkmIAs ]
>>895
それやらなくてもいいのにwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
もしくわ買えwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

902 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/27(火) 23:20 [ pBXkI5kU ]
とりあえず、煽るなら煽るで別スレ立ててくれないか?
駄作って言われてる作品を楽しく読んでる俺たちが馬鹿でも何でもいいからサ
作家サンが作品出しにくくなるようなこと言わんで欲しい
>>894
小説は自己満足から始まりますが何か?

釣りか・・・俺も必死だなwww

903 名前: Clowd@F4茶戦士(LJyo9LuU) 投稿日: 2003/05/28(水) 00:00 [ /m24Fqb. ]
いやいや俺様タル戦が書き込まれるまえからこのスレみてるしwwwwww
煽りじゃねえよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwいやまじでwwww
文句ダラダラたれるならまじ来るなよwwwwwwwwwwwwww
全ての作品の続きを待ってる俺様からしてみればwwwww
w w w 大 w w w 迷 w w w w 惑 w w  w w w
もうカエレ!wwwwwwwwって感じだなwwwwwwwwwww

904 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:06 [ ERcfT/.2 ]
>>900
自分で自分のことを、作家とはねぇ・・・
まずは書き手の勘違いから修正していかないとなw

905 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:09 [ 0FcBcSsQ ]
極めて具体的な指摘もあって、その心当たりもあるわけで。
駄作と仰るならもう打ち切りましょう。
それでいいでしょ? 満足?>894

906 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:11 [ oAqoqxaU ]
>>903明らかに藻前は煽りだな
>>902糞お前のそういう言葉が煽りって言うんだよな。
自己マンコで始まってもいいが、そのままで終わって
しまうのは批判されても仕方ないだろう?糞お前の
書いたレスがますます作家さんにプレッシャー与えたなw

907 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:15 [ 1zBRzbXY ]
批判批評を自分の作品も発表せずに書き込んでいる方々は
一度、2ch内(FF11以外)の有志の作品書き込みで成り立っているスレを覗いてきてごらん。

***作品発表しないで批評家気取り=最低の荒らし***

って、認識だから。
実社会でも、実績もない個人が翌日から批評家になれないのと一緒。

それが理解出来ない方はお引取り下さい。
ここは自身から望まない限り、目にすることも無い場所(スレ)だって事を理解しましょうね。

908 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:22 [ GRTrwZDQ ]
>>905
最後の一言が余分なのでは?正直、>>894の言う通り
あなたのような擁護レスが書き手の一人としては
大変、迷惑なのですが・・・批判は書いた人に言ったので
あって、ここを読んでいる人に言ってるのではありません。
もし、あなたを含むここを楽しみにしている人が、私の
駄作を含め、書き手を応援して下さるなら、そこの分別を
わきまえてもらえたら幸いです
>>894仰る通り、ただ書くだけでいいなら、ここで発表する
ことなどしませんでした。やっぱり一人でもいいから
感動させれたら、、、、その気持ちがあってこそ、
ここで書いています。また、暇な時があれば、今回の
ような具体的なアドバイスをよろしくお願いします

909 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:22 [ 5PViLTfo ]
>>901
!
やらなくてイイのかYO。R2のダボイみたいなもんか。

てか売ってんのかよ。
オーキシュアクス以下の扱いじゃないか。

910 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:31 [ 1zBRzbXY ]
>>908
>>905は読者の擁護ではなくて、作者の意思表明じゃないの?

911 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:32 [ My172YdY ]
>>909
うんwwwwwwww

がんがれ(つд`)

912 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:38 [ wTzO1CI2 ]
藻前らもちつけ!!
タル戦をはじめとする、神々の物語を楽しみにしているのは
煽りしか書けないアフォどもの数より、ずっと多いだろw
引きこもりアフォ共のカキコにいちいちレスつけんなyp!!(漏れもなw
受け流しスキル低すぎwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
修正汁

913 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 00:42 [ 9QrECELo ]
>>894が書いていることに反論ないなぁ。
ここ、たまにしか見ないけど、これから投稿する
人は一回、目通しておいてもいいんじゃないの?
ただ文章書くのが好きなだけならここにアップする
必要なんかない訳だしさ。
俺的には>>907みたいな香具師がどうにかして黙るという
ことを学んでほしい^^;何かあればすぐ、2chだのって・・・
批評家って決めつけているのはアンタでしょうが・・・
もっと大きい簡単な例えで言うならTVであれ、映画であれ、
実際の本であれ、それを評価するのは視聴者、入場者、読み手
なんですよw>>908さんが言うように、あなたのような人が
書き手につまらぬ不快感を与えているようでたまりません

914 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 01:03 [ rBbsSX.M ]
>>907
>ここは自身から望まない限り、目にすることも無い場所(スレ)だって事を理解しましょうね。
ならパスワードでもかけたら?

915 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 01:07 [ X1MrKOMY ]
ネット初心者が絡んでるみたいだから教えとくが
批判が増えればそのスレは消え、話の続きは読めなくなる
これは事実

>>894=>>908=>>913

916 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 01:11 [ h729/Fag ]
・・・まだお取り込み中ですか?

917 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 01:13 [ YuguLVxk ]
いや、あのさ・・・
リーダーとしてはレス数増えてれば小説更新されたかな、と
期待するわけで・・・

何が言いたいかというとだな、

擁 護 批 判 と も に 邪 魔

です。
作品読ませてくださぁい。

918 名前: (;´Д⊂ 投稿日: 2003/05/28(水) 01:33 [ fpy7R.VE ]
>>905さん、打ち切りなんてやめてくださいです…。

久々に来てみるとエライことになってまつね(;´Д⊂
皆さん、マターリいきましょう(;´Д⊂
タル戦は自分でも至らぬ点ばかりと思ってますし、だからといって煽られてうP中断なんて
こたぁないです。
ここまで来るとなんとしても最後までやったる、という感じでつ(´・ω・`)
それに、こっからさらにダラダラしたツマラン展開になってくるので…あらかじめ宣言しときまつ(;´Д⊂
最近LV上げに夢中なので、うPが前よりも遅くなってるなぁと思う、今日この頃でつ(;´Д⊂
皆さん、もっと気楽に、のんびり、マターリいきましょう。

919 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 01:43 [ 2Km60n4M ]
>>907=>>915

920 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 01:52 [ h2iZAPmk ]
物語書きの人は、文才の無い私にとっては神。
いつも新しい物語をありがとう。
物語を完成させるもさせないも、神しだいだけど、
私いつでも続き待ってますので・・・

921 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/28(水) 03:37 [ AFMPhsIY ]
心眼

とりあえず、また書いて出しに来ます。
1回書き始めたら最後まで書かないと、無責任だしね。

922 名前: 白狼 投稿日: 2003/05/28(水) 03:48 [ AFMPhsIY ]
うわ、煽りみてぇだ。
えーと、失敬。

みんなも何か物語書いてここに出してみようよ。
書いてると、楽しいよ。ホントw

923 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 04:04 [ npRBhLXA ]
ものすごいスレが伸びてるから、
新作きたかと思ったら、こんなことに。。。
新スレは、もう2つに分けた方が良いですね。
アップ用のスレには、レスは"キター"のみでお願いします。
長文批評も入ったりで、読みにくくてしょうがない。

924 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 04:24 [ QjrMlAzM ]
だーから感想意見その他は別に書く場所つくって、
ここは小説のみ書く場所にしたほうがいいっていったのに・・・
絶対こうなるんだから。
あと大暴れしてる君ら全員。
なんかいろいろ主張しあってるけど、無駄だよ。
だって全員間違ってないし、正しくもないもん。
結論なんかでるわけない。

925 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 04:25 [ QjrMlAzM ]
全部読んでからレスしてたら同じ意見かぶっちゃてたね。
すまん>>923。でもやっぱりそれが一番だよね。

926 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 05:06 [ v/48z6m. ]
>>894

だが、一面の真理をついてはいる。
何かひとつの話に限る話ではないが作品は読めてこそ作品足り得る。
読めぬ作品など完結してない駄作に劣るということだ。

このスレにきている作者、住人がなにを望むのかは知らないが
始めにこのスレに来た気持ちを思い出せ

「文章を、話を読みたい(書きたい)」

これに尽きるのではないだろうか。
まあ、感想はこのスレで問題ないが
批判なら別のスレを立ててください。
スレ違いですから。

927 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 06:31 [ fFaQdr.Q ]
作品うpないまま40もレス増えてるじゃないか!
次スレ分けるか、スレタイ変えるかとか
漏れが帰るまでに決めとけよ!

次スレは980が立てて、後はキッチリ埋めとけ!
人任せでスマンが、決めとかないと作者さんも困るし。頼むぞ

928 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 06:37 [ W5R1DRg2 ]
>>926感想ってのは全て、相手の気持ちいいこと
言うのだけが感想じゃないとおもうんだが?
>>894よりも、それに噛みつかずにいられない
926をはじめとする、狂犬馬鹿こそ消えて欲しい。
ここで物語を書きたい、その感想(批判も含む)を
書きたいってのは、本人の自由だろうが???
批判なら別スレ立てろとかって、勘違いしすぎ!
ここは、そういうのもアリなとこなんじゃねぇの?
なんか、今まで黙って相手してなかった俺らにしてみたら、
自分の脳内ルールおしつけるなら、自分でHPでも作れと
言いたい。批判が嫌なら書くな、読むなでいだろう?
白き探求者みたいに、自分で解決できる方法を取りも
しないでわめくなよな。

929 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 06:49 [ kaB20duc ]
>>924
仮におまえの言ってることが実現したとして、
守られる保証ってどこにあるのか、小一時間問い詰めたい。
ご意見ってやつと、ご感想ってやつは二つセットだろう?
ご意見言ってる奴は作家さんに言ってるのなら、
ご感想軍団は、それに負けないぐらい作家さんを応援すれば
いいだろうが!!それとも、あれか、ここの作家が批判に
噛みついているの?もし、そんな作家さんがいるのなら、
その人はここに作品発表しないでいいんじゃないの?
しつこいようだが、万人が自分にとって気持ちのいい感想を
くれるとこじゃないってとこ、認識仕直そうよ〜
今のままじゃどっちが荒らしているのかわかんないyp

930 名前: 「あぼーん推奨」 投稿日: 2003/05/28(水) 06:54 [ EsvcXEkU ]
>917
禿堂。

おまいら好きに煽り合ってて良いから、名前欄に統一した文字列入れてくれんか?
まぁ、漏れの名前欄はあくまで例だが。
スレッド読みこんで同時にキーワードであぼーんしときゃ作品投下の有無が分かりやすいしな。

931 名前: Clowd@神殿騎士団(LJyo9LuU) 投稿日: 2003/05/28(水) 08:03 [ 5gnujkGA ]
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 糸冬 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓





↓次の作品どうぞwwwwwwwwwwww

932 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 08:08 [ Lk623BfE ]
このスレは終わらせて、次に仕切り直した方がよくないか?

この批評スレと作品スレと分けるという話も出てるし。

933 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 08:24 [ Z0ldAcS. ]
糞ども^^;

934 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 09:30 [ Wz/AIFeY ]
空気を読めん馬鹿が多くて辟易しますね。
広場で草野球をしている人たちに、(プロ野球との比較で)下手くそだ目障りだ
と声をかけることは実にかっこわるいと思うんですけどね。
金を取ってプレイを見せてるプロ野球と、自分がプレイするのが目的の草野球、
見る人に求められるものは全く別のものだと思うんですがね。

935 名前: 873 投稿日: 2003/05/28(水) 09:55 [ 49YohALc ]
オイ!オマエラ!!!




















釣りしようぜ。

936 名前: Clowd@神殿騎士団(LJyo9LuU) 投稿日: 2003/05/28(水) 11:32 [ 5gnujkGA ]
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 その話は糸冬www 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓





↓次の作品どうぞwwwwwwwwwwww

937 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 11:44 [ Lk623BfE ]
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 このスレは糸冬www 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓





↓次のスレどうぞwwwwwwwwwwww

938 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 11:51 [ 4l3akl0w ]
>>937
>>950までためで

939 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 12:41 [ ayf2lcHs ]
──┐
    |
    |,,∧ …誰もいない
    |Д゚,,彡  ヴァルタンするなら
    |と彡     今のうち…
    |'"J
──┘

   ∧,,∧   フォッフォフォ-
 (V)ミ,,,゚Д゚.彡(V)  フォッフォフォ-
   ミ to 彡ヘ   フォッフォフォッフォフォ !!
   <"""

        ∧,,∧
      (V)ミ.゚Д゚,,,彡(V)  フォッフォッフォッフォ
       ヘミto 彡     フォッフォフォ-
         """>   フォッフォフォッフォフォ !!

   ∧,,∧   ヴィーム
 (V)ミ,,,゚Д゚.彡
   ミ to 彡(<  ⊂二二二⊃ >>950
    |"""|

940 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 12:44 [ ayf2lcHs ]
マターリしたか?

   〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒( ・∀・)   フンフー
     `ヽ_つ ⊂ノ      フンフー

941 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 12:47 [ NEH2By7g ]
次スレなろうが、どんどん、ツマラン作品は
けなしていくんで、よろしくね♪

942 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 12:50 [ /HfaKqtA ]
同じく^^
馬鹿が多いこのスレ煽るの楽しいしwwwwww

943 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 12:59 [ ayf2lcHs ]
「心得」
美女と野獣(上)

俺はバストゥークに向け、チョコボを走らせていた。
コンシュタットの風車が立ち並ぶ光景等を横目にしながら、
やがて北グスタベルグへと入っていった。
ここには、バストゥーク一の観光名所と言われる大きな滝と、切り立った深い谷がある。
俺は、既に何度も目にしたその壮大な光景に目を奪われることも無く、釣り橋を渡り崖を越えようとした。
その時であった。
なにやら争いの音と声が滝の方から聞こえてくるではないか。
好奇心からか、それとも別の何かか、ともかく、俺は音のする方向へとチョコボを走らせた。
やがて見えてきたのは、ハンマーを振りかざしたクゥダフと、剣を持ったクゥダウ。
少し離れた所に杖を持ったクゥダフ。そして、髭を蓄えたヒュームの男であった。

944 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 13:13 [ 7TBs1Gzw ]
>>941-942
とりあえずSeiluつぶしよろ
小説なんだか台本なんだか訳わかんないし^^;

945 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 13:20 [ NGrtfGiU ]
>>944に激しく同意。

946 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 13:33 [ Wz/AIFeY ]
おい、調子に乗りすぎるなよ。
少々の否定的意見ならば表現が酷くともそれなりの意見として受け入れられるが、
>>944のそれは、批評の域を超えてるぞ。行き過ぎだ。

947 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 14:04 [ lKGzcT7w ]
>>944
二行目同意
判りやすいジサクジエンが多いな、っと

そろそろ950

948 名前: チキンレース 投稿日: 2003/05/28(水) 14:58 [ .j7xwcMc ]
>>946
簡潔で良い感想だと思った俺はDQN?
まあ潰しってのはどうかと思う、つーか潰しって何する気なんだろう(藁

949 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 15:03 [ OmIMlhAI ]
30分で3回以上更新ボタン押して「レスないかなー」って
確認してる香具師はDQN!!!

お前だよお前!wwwww
仕事しろよ!wwwwwwwwえっ、窓際?ごめんよ〜wwww

950 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 15:47 [ cSL8/maM ]
950突破したので次スレたてるか?

951 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 15:55 [ lRGoIbfo ]
タル戦士の続き読みたい;;

952 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 17:28 [ ayf2lcHs ]
>>950
ヨロwwwwwwwwwwwwwwwww

「心得」
美女と野獣(中)

「待て!」
俺は慌ててチョコボから飛び降り、剣を抜き放ち叫んだ。
「くるなっ!大丈夫、予定通りだっ!!」
思いがけない言葉に俺の動きは止まる。
我ながらきっと間抜けな顔をしていただろう。
男はクゥダフのハンマーを片手斧で受け流すと、剣を持ったクゥダフを盾で押し返す。
そして男は一歩下がると、今度は横殴りのハンマーを叩き落し、
同時に休みなく襲いくるクゥダフの剣の斬撃を盾で受け止める。
男の両手は、まるでそれぞれが別の生き物のように動き、クゥダフ達の攻撃をあしらっていく。
−いや、あしらっているというよりは、まるで−そう、獲物を捕らえる蛇のようだ。
……俺は男が笑みを浮かべているのを見てゾっとした。

男は楽しんでいた。

クゥダフ達は男の笑みに比例するように、顔色が赤くなっていく。
俺はこの時はじめて、クゥダフも怒りで顔を赤くすることを知った。

突然、剣を持ったクゥダフが、険悪な表情をより一層険悪にすると、それまで男に向けていた剣を引き、男の……斜め後ろの辺り
−丁度俺からは岩陰になっていて見えないが−に向かって踏み込んだ。

すると、それまで笑みを浮かべ、余裕の表情を見せていた男の表情が一変し、クゥダフ達以上に険悪になる。
「この糞亀野郎!てめぇ×○△□△××○ー!!」
男はとんでもない言葉をクゥダフにぶつけると、体ごとクゥダフに体当たりした。
よろめくクゥダフと男。
すかさずもう一人のクゥダフがハンマーを繰り出す。
それを間一髪で避ける。
なんとか男は体勢を整えたが、それまで沈黙を保っていた、杖のクゥダフが呪文の詠唱を開始した。

953 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 18:40 [ PE8cu3zk ]
「心得」
美女と野獣(下)

「まずい!」
俺は剣を再び構えると、そのクゥダフに向かって走ろうとした。
しかし次の瞬間、呪文を唱えていたクゥダフの頭に、男の持っていた斧が突き刺さっていた。
仰け反り、倒れるクゥダフ。
「手を出すな!予定通りだっ!」
−武器を投げたのか?!−
俺は再び驚愕した。

武器を失った男は、クゥダフ達の攻撃にジリジリと押されて行く。
一太刀も負っていないのが奇跡と言えるような体捌きだ。
俺はもう限界だと思い、三度目に剣を構える。
「邪魔するな!予定通りだと言ってるだろう!」
男はこんな最中、逐一俺の行動を察知していたのだろうか、構えた途端にまたこれだ。
−勝手にくたばりやがれ!−
俺は剣を鞘に収めた。

男は腰に手を当てると、そこに差してあったナイフを抜き放ち、構える。
途端に振りかざされるハンマー。
そして突き出される剣。
男は半身捻りながらハンマーの直撃を盾で防ぎ、紙一重で剣を避ける。
そのままの勢いで剣のクゥダフの懐に飛び込んだ。
クゥダフの喉元に深々と突き刺さるナイフ。
崩れ落ちるクゥダフ。
男は見事に二匹目を仕留めることが出来た。

しかし、相手にしているクゥダフはもう一体居る。
男が体ごと飛び込んだ隙を、見逃すはずも無かった。
ハンマーが男の脇腹に強くめり込む。
男がうめき、崩れる。
更にクゥダフが男にチャージすると、男はよろめき、崖へと転落してしまった。

「くそっくそっくそっ!」
俺は自分の愚かさに毒づきながら、剣を抜き、クゥダフへと走る。
クゥダフはこちらへ向き直り、呪文を詠唱しはじめた。

その隙を狙っていたのだろうか、落ちたはずの男の上半身が、クゥダフの下に現れたのだ。
男はクゥダフの足首を掴み、ナイフを一閃させる。
うめき、よろめくクゥダフ。
男は甲羅と足に手をかけると、クゥダフを引きずり込むように崖下へと倒れる。
クゥダフも当然踏ん張ろうと足掻くが、足の腱を切られては踏ん張ること等できるはずもない。

そして谷に轟音が響き渡った。

しばしの反響音に耳をいため、塞ぎ込んでいると、クゥダフと男が落ちた辺りから、声が聞こえてくる。
「……ちょっと予定外だったな。すまない。手を貸してはくれないだろうか?」
そこから生えているかのようにある、男の手。
俺は、呆れつつ、まぁ、仕方が無いと崖下を覗き込んだ。
−暫く肉料理は食べれないな……。
崖下に出来上がっていたクゥダフのシチューを見て、思わず顔をそむける。
すると、あるものが目に飛び込んできた。
それを目にした俺は、自分の頭が痛くなるのをヒシヒシと感じた。
「あんた…ひょっとしてコイツの為に戦っていたのか?」
腕を伸ばす。
男はにやりと笑って俺の腕を掴み、こう答える。
「予定通りだ。」

それは一輪の野生の花。
不毛の地である、グスタベルグには貴重な自然である。
それには、丁度クゥダフぐらいの足跡がついていた。
だが、踏みつけられていた花は、まだしっかりと茎を立たせ、自分の存在を主張しているかのように天に向かって伸びていた。

ー俺はこの男の事が好きになれそうだ。

何とか這い上がった男は、地面にへたりこみ、肩で息をしていた。
俺は、何かとても可笑しくなり、笑い声を上げてしまう。
その笑い声に答えるかのように、男も笑い声を上げはじめる。
俺は男の肩を叩き、男も俺の肩を叩く。
暫く二人でヘラヘラと笑いあう。
そして訪れる沈黙。

俺は立ち上がり、男の投げた斧を拾おうと、クゥダフの死体へと歩く。
突き刺さった斧は、柄の部分まで食い込んでいた。
何て馬鹿力だ……。
思わずしばらくの間しげしげと眺めた。


「レッドテラピンのスープが食べたくなるな。」

声に振り返る。
崖下を覗いている男が居た。

ー前言撤回。

954 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 18:42 [ PE8cu3zk ]
追記

リアルヴァナではリンク狩りは止めましょうね(^-^)

955 名前: 873 投稿日: 2003/05/28(水) 18:45 [ fYtwGJek ]
>>950
続きヨロwwwwwwwww

ここはマターリ板だよ?解ってるのか?
てことで、マターリヨロwwwwwwwww

956 名前: 873 投稿日: 2003/05/28(水) 18:50 [ fYtwGJek ]
ごめん・・・950じゃなくて953だった・・・

釣って来る。

957 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 19:18 [ Y3H9S1DM ]
>>946
Seilu君のお話は私もおもしろくないや^^
なんていうか水野(ロードス)の文を思いっきり下手にした感じ。

958 名前: 943=952=953=954 投稿日: 2003/05/28(水) 19:35 [ PE8cu3zk ]
>>873=955=956
もももももももももおももももももも漏れでつか?
十分マターリなつもりでつが(´・ω・`)

続きは上の「心得」の話でつか?
一応これでこの話はおしまいでつ
次は騎士の話になるかもしれまつぇん
他の作品とかぶる内容にはならないように……

959 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 20:04 [ RQxEQIyI ]
>>950
次スレまだ?

ごめwwwwww漏れもSeiluイラネwwwwwww

960 名前: 873 投稿日: 2003/05/28(水) 20:14 [ YskEHjWE ]
>>958
すまん。解りにくかったね。

「ここはマターリ板だよ?解ってるのか?
てことで、マターリヨロwwwwwwwww 」
↑はここで荒んでる奴等へのレスっス。

Seiluを書いてる人は初心者ですよ?(多分)
プロと一緒にしてる時点で間違いだって事に気付け。

961 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 20:35 [ gkxYSr1g ]
漏れもseilu要らないかな。
詰め込みすぎというか、読みづらい…うん。
もちっと改行を工夫してくれると嬉しい。
台本っぽいっていう意見に賛成

962 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 20:38 [ n4w8tmbQ ]
>>526
これ書いたの漏れ(・∀・)

>>944
2行目同意

あとは脳内保管よろヽ(´▽`)ノ

963 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/28(水) 22:28 [ 18NLm4w. ]
『ドラゴン☆キッチン』

第一回
始まりの依頼―序章―


生々しく肉が削ぎ落ちる音が聞こえる。

流れゆく血。
血が霧となり辺りを紅く染めていく。

周りに響く大勢の断末魔が断末魔に聞こえない。剣と剣が擦れ合う音。数秒毎の生死の命運。

恐らく、この戦場にいる誰もが殺意を抱きながら剣を握っている。
一人。また一人と地面へ吸い込まれるが如く力尽き、倒れていく。

そして、また一人。
今度は自分の仲間である。

長年、共に戦いぬいた戦友である。
幼少の頃より共にいた親友である。

彼の身体は次第にその身体に纏っている防具の様に冷めていく。

(ヒュー・・・ヒュー・・・)
乾いた息遣いが嫌な程に耳に入る。その男の間近な死を伝える。

「・・・」
涙が頬を通り抜ける。息が詰まり、言葉を発せない。
(……………)
彼が小声で話す。何を言っているのか分からなかった。

彼は最後にこう告げた。
「うはぁー・・・おけー・・・?w」



「・・・ご主人様、大丈夫クポ?」

ゆっくりと目を覚ます。
自分の顔の近くにある白い生物の顔。

「えぇい!この畜生めが!どけぇい!」
(パコンッ!)
「モギュッ!」
素早く飛び起き、白い生物の頭めがけて勢い良く蹴を飛ばす。
気持ちの良い程に、その蹴は最大の威力を発揮出来る位置に繰り出せた。
世に言う、クリティカルヒットである。白い生物は頭を壁にめり込ませ、痙攣している。

「ふむ、朝から調子の良い事は大変結構だよ。体調管理が出来ている証拠だ。」

ドアの方から一人の女性がよってくる。
「おはよう。ハイムソン・J・シュバルッツァー君?」

「チ、勝手に人の部屋に入ってくるなんざ良い御身分でゴザイマスね。何か用でもぉ?」
皮肉タップリに言ってやる。これが毎朝の習慣でもあるのだ。

「ふ、君は上司に対する態度がなっていないね・・・まぁ、それはさておき。新しい依頼だ。」

彼女の名はチェルコフ・アンマン。俺の所属するLS・Dragon Kitchenのリーダーである。
このLSは何でも屋みたいなもので依頼を受ければ、新しい薬の実演販売から
各合成ギルドからの材料調達依頼、未開の地の調査、魔王討伐まで幅広く請け負ったりしている。
(魔王は大抵、依頼の地では多少強いくらいのモンスターであったりはするが)
彼女はLS内ではリーダーではなく、所長と呼ばれ、依頼を請け負っては俺も含めたLSメンバー
『仕事人』達に依頼を回す。不運なことに所長とは俺だけが同じモグハウスに住んでおり、
他のメンバーの様に電報ではなく、手渡しでやってくるのだ。非常に迷惑このうえない事である。

「クポゥ!所長さぁん!ハイムソンがまたイジメたクポよ!」
(ったく、この女の匂いは病み付きになるクポゥ。グフフフフ)
異常なほどに、この白い生物、モーグリは所長の胸に頭を押しつけ怯えた素振りをする。
「おぉ、よしよし。可哀相に。この男の使い魔になったことが運の尽きだね。」

「それより、依頼って何なんだよ?こんな朝早くから持ってくるという事は遠出なのか?」

「うむ。まさしくその通りだよ。ハイムソン・J・シュバルッツァー君。その代わり、大変珍しい物を見てこれるだろうね」
「ほぅ、珍しいもの・・・ねぇ。なんだよ?勿体ぶらずに言ってくれ。」
「うむ。実はサンドリアの方より依頼が有ってな、飛竜の卵を見つけてきてほしいのだそうだ」

「はぁ?飛竜の卵ぉ?」

964 名前: 873 投稿日: 2003/05/28(水) 23:03 [ MfJMOKlY ]
モーグリ・・・意外と腹黒いな・・・

965 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 00:32 [ sSWZv/F2 ]
モーグリよ一つ頼みがあるんだが聞いてくれないか?




漏れにもハァハァさせろ(*´д`)

966 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 01:44 [ P1JHWgQc ]
むしろを折れを(;´д`)ハァハァしてくれ

967 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 03:33 [ s4RNa0Fc ]
要る、要らないとかいう事はどうでもいい。
作品を読めるかどうか、が重要だ。

968 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 06:51 [ vQWQjxqg ]
ざっと見返したけど、批判的な感想でると荒れてるね
だいたいは作品うpで キター とかだけっぽい
批判的な意見も擁護するのもいいけどさ
ここでやられるとなんか違う気がする。
最近さ、ここ雰囲気悪いよ。やっぱり感想スレあった方がいいかも。

969 名前: 950 投稿日: 2003/05/29(木) 08:21 [ PBzoClZI ]
とりあえず次スレ
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=5091&KEY=1054164056

970 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 09:31 [ PBzoClZI ]
>「クポゥ!所長さぁん!ハイムソンがまたイジメたクポよ!」
「クポゥ!所長さぁん!ハイジンがまたイジメたクポよ!」
と読んでしまった・・・

971 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 09:35 [ .Zo1uZL6 ]
>>960
このスレにプロなんざ居ない、
物を書くのが好きな奴と、物を読むのが好きな奴がいるだけだ。

972 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 10:14 [ 0AazyDOU ]
>>971
今いるのは無意味に煽るヤシだけだよ

973 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 10:25 [ B1nlPW6I ]
批評する・されるは全然おkだと思いまつ。
結果、つまらんと言われても(´・ω・`)とはなるけど、それも貴重なご意見。
ただ、否定するだけのレスじゃなくて、どこが悪いかとか、この辺りに改善点があるとか
指摘してくれるような、評価としてのレスだと嬉しいな、とか思ってみたり。
言ってくれると、「なるほど」と思って、次に書く物につなげられますので。

かく言う漏れは、既に忘れ去られてそうな 翠の(略 あーんど 小ネタの作者でつ。
沈みゆくスレ末端で、コソーリ進捗情報書き逃げ・・・
現在、第三章書き途中(;´д⊂)
書き上がったらあぷるる様のところにうpするので、生暖かく見守ってくだつぁい(;´д⊂

974 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 10:56 [ Po0W0/3. ]
エル♀F4赤髪で獣使いやってま〜す
タル戦さいこうで〜っす
応援してま〜す

975 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 13:20 [ fuVl9u9. ]
話題になっていたので今まで読んでなかったseiluさんを2話だけ読む
改行を増やして読みやすくしてみてはどうだろう?>seiluさん

白き〜とか、樽戦とか、ナナシさんとかの話は見つけたら読むけど、
新規の作品はほとんど読まないんだな
あぷるるさんのところにアップされてるの読んで、「これイイ!」って
チェックし始めることが多々ある。翠〜とか流れ星〜とか

まぁ...なんだ
感想があってこそ(俺の場合はあぷるるさんのチョイスなんだが)、
読まなかったものがとても良い作品だった...と気づくこともあるので
ここに感想が入っていても良いと思う。
作品や感想に対して"議論"するのは別のところでやって欲しいがな

作者の方々、作品は新しい方にお願いします。

976 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 15:51 [ /JAUxw2Q ]
新スレも立ったし、
もうこちらのスレに作品を貼る方もいないと思うので、
このスレの残りは議論にあてるのは如何か。
1000取り合戦よりは有意義だと思うが。

という訳で、自分の考えを述べる。

まず、肯定的感想も、否定的感想も、書くのは自由と思う。
が、具体的理由を挙げずに個人的な感情でけなしたり、
あまつさえ、書くのをやめろなどと言うのは、
単なる荒らしと思う。

貴兄らが書くのをやめろ、とレスするのを止める手段が
基本的に無いのと同様に、
作品を貼るのを止める権利もまた無い。
いやなら飛ばして見てろ。

特定の人物を擁護するのはともかく、否定的意見を書いた人間を
攻撃するのも良いとは思わない。
貴方に相手の人間性を否定する権利はあるのか?
むかついたらこの文を10回心の中で音読しろ。

「荒らし、煽りには完全無視がもっとも効果的です。反応しないようにしましょう」

長いので続く

977 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 15:52 [ /JAUxw2Q ]
続き

seilu氏は名指しで批判されているが、
944、945などは気にしないで欲しいと思います。
ロードス云々という書き込みもありましたが、
金もらって本書いてる人と比較してだめだというのは、
上のほうにあった草野球に等しい話でしょう。

作品を拝見しましたが、確かに個人的にはやや言い方が回りくどいかと思います。
上の方が言われているように、見やすいように行間を空けたり、効果的な改行を
心がけては如何でしょう?

あと、若干説明的な言い回しが多いので、文をぶつ切りにせず、
次の文に繋げても良いかと。
文章をお借りすると、

セイル達がいるのはジュノの一番上にあるル・ルデの庭。セイル達はそこ
のサンドリア大使館の上に位置するベンチに座っていた。
 モグハウスのそばには調理ギルド所属の職人がいて、ジュースとパイ系、
肉の焼き物系、魚や野菜の焼き物系、スープ系に分かれて、調理をしてはそ
の場にいる人々に販売していく。

を、
セイル達はル・ルデの庭、サンドリア大使館の上のベンチに座っていた。

モグハウスのそばでは調理ギルドの職人が、ジュースとパイ系、
肉系、魚や野菜系、スープ系などに分かれて、
自慢の料理を人々に販売していく。

などのようにしてみては如何でしょうか。
差し出がましいようで申し訳ありませんが。
説明も大事ですが、ここはFF関連の板です。
ある程度の予備知識は読み手に求めても良いでしょう。
この場合は「庭はジュノの一番上にある」ということは、
言わずとも解るでしょ?ということです。

どうしても入れたければ、

セイル達はル・ルデの庭、サンドリア大使館の上のベンチに座っていた。
ジュノの一番上にあるここは、見晴らしも良く、気持ちのいい場所だ。

見渡すと、モグハウスのそばでは調理ギルドの職人が、ジュースとパイ系、
肉系、魚や野菜系、スープ系などに分かれて、自慢の料理を
良い匂いにつられて寄って来た人々に、次々に販売していく。

などのように、読み手のイメージを喚起する言い回しも効果的かと思います。
(タル戦や名無しの話はそのあたりが見事、と個人的には感じています)

荒らしを見て、「そんならやめた」と思わず、
軽い気持ちでどんどん書いて頂けると嬉しいです。
貴方の書いたものを読んでいる方もきっといるはずです。

もう一回だけ続く

978 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 15:53 [ /JAUxw2Q ]
続き

意見、感想は別スレにしろという案だが、
個人的には賛成できない。

感想だけがズラズラと書いてあるスレを、誰が読みたがるのか?
作品を貼った当人がそれを見て意欲を燃やしたり、反省することも
あるだろうが、レスをつける義務は無いし。
単なる個人の満足のためだけに、スレを一つ使うのは感心しない。

今までこのスレをずっと見てきたが、
個々人の感想がもとで、議論に発展することは、
そう無いように記憶している(荒らしに対する過剰反応除く)。

あと、作品の合間に感想があると、インターバルにもなると思う。
作品を貼る方々がトリップ付なら何とかなるかもしれないが、
強制するものでもあるまい。

最後に…
作品を貼るのも、見るのも自由!止める権利は誰にも無い!
どんどん作品を貼って欲しい!
どんどん(荒らしでない)意見を貼って欲しい!

あと、「作家」という表現に食いつく人がいるが、
単 な る 符 丁 だ

国語辞典によると…とか言いたい人は、
したらばや、にちゃんで「神!!」とか言ってる人に
いちいち突っ込みに行ってください。
そして二度と帰って来ないで下さい。

長文失礼しました。

979 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 16:08 [ k.A6PAIQ ]
一通り目を通して、書いてあったレス番確認したが・・・
やっぱり>>944の二行目は同意、文章の改善が必要かと思われ

ついでに>>976-978の内容にも同意。

980 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 17:09 [ A2GlmdcM ]
うわぁい、こういう建設的な議論スキスキ。
てなわけで、漏れがその昔、小説とかごりごり書きまくってた頃にやった、
文章力向上のための練習法をちと書いてみる。

ドラマでも映画でもアニメでも、なんでもいいから自分の好みの、感情移入
できる映像作品を、脳みそに焼きつくまで繰り返して見る。
で、そのイメージを基に、内容を文章化(ノベライズ)します。
その時に、キャラクターの身動きの一つ一つやその場面でそのキャラクター
が感じただろう心理描写(自分が、映像を見てイメージしたもの)を、
微に入り細に入り、表現してみる。ここではもう、ちょっとくどいんじゃないか、
ってくらいに。
で、その後、少し時間を置いてから自分で読み返してみて、さすがにくど過ぎるだろう、
って部分をちょっと簡略化して、とりあえず納得いくまで修正する。
出来上がったものを、元にした作品を知ってる人に読んでもらって、おkが出たら完了。
とまあ、こんなことをやってみたことがありますた。

ちょと続く

981 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 17:09 [ 9Z0J5jBE ]
と言うか、テンプレが無いのが不思議。

基本的にこのスレは、
書くのが好きな人が作品を書いてアップし、
読むのが好きな人がそれに目を通しす…
元々、読み手・書き手の両側が共存するオナニースレだと思う。

オナニーに対して、感想は要らないのではないでしょうか?
書き手が感想を求めたいなら、一言「感想求む」と書けば良いし、
好きな書き物があるなら、個人的に(自HP等で)応援すれば良いと思う。
他人のオナニーに口出しなんかせず、
気持ち良くフィニッシュできる環境が一番なのではないかな?と思う。

982 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 17:10 [ A2GlmdcM ]
続いた

やっぱり、面白いか面白くないかを左右するのって、読んだ人がその情景をイメージ
できるかどうかだと思う。
そういう意味で、 [ /JAUxw2Q ]さんのレスには激しく同意。
面白い作品は、感情移入して、登場人物と同じ視点に立って楽しむことが出来ると思う。
たとえば、キャラクターの行動について、書いてみるとするならば、

○○は、足元に落ちていた小石をなんとなく拾い上げてみた。

っていうのを、

○○は、ふと足元に落ちている小石に目を留めた。
腰を折り、その小石に向かって手を伸ばしてみる。
別に何という理由はないが、手に取ってその感触を確かめてみた。

と書くと、読む側にしてみれば、その姿をイメージしやすいし、イメージできるってことは、
そのキャラクターに感情移入しやすいってことだと思う。
要するに、キャラが1動作するまでの、心理的流れとか、その動きそのものの流れを書くことが
出来ればいい。

・・・偉そうに書いてみたけど、最近久しぶりに小説書いてると、あまりの文章力の低下に
泣けてくる今日この頃(;´д⊂)
はい、自分自身も、初心に返って精進しまつ(´・ω・`)

983 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 17:11 [ 9Z0J5jBE ]
>>980
正直、割り込みすまんかった…

984 名前: 980 投稿日: 2003/05/29(木) 17:28 [ A2GlmdcM ]
>>983

うはwwwwwwおkkkwwwwwwwwww

985 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 18:29 [ xG6nA/9w ]
>>981
俺は別に感想書いてもいいと思うけどな〜。
その感想によって作者も文章直したり上達したりして行くんだろうしさ。
作品を書くのも、それを読むのも、それについて議論するのも有りだと思う。
じゃないと流石にこのスレも廃れると思うんだよね。

まあ結局俺が何を言いたいのかって言うと
「マターリ行こうぜ」ってことだ。

986 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/29(木) 18:43 [ iq.oiNS2 ]
それだ!
台本っぽいって感じたのはやたら説明が多いからか…
今まで気付かなかった漏れがDQN。
>>976-968の言う通り、予備知識はあるという前提で書いてもらったほうが嬉しいかも。
一応『FF』マターリ板だしね。

987 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/30(金) 00:02 [ k4mZGGpc ]
正直、作者さんへの感想も書きたいし、
書いたときはなんか感想も欲しい…と思うけど。
時々現れる煽りっぽい、もしくはそう取られかねない
直接的過ぎるレスのおかげで感想書きにくいよママン つдT)

特に、何で感想に対して感想を言ってるのかと小一時間(略)。
擁護ウザーとか勘弁してください、マジで。
マターリに加えてスルーを激しく激しくキボンヌ。

自分に筆力があれば、荒れ始めたところに
20レスぐらいの作品を一気に投下して
糞レスを流すとかやれるんだけどなー。
そういう気持ちで作品をうpしちゃダメですかそうですか(´・ω・`)

988 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/30(金) 00:37 [ wXgE4./c ]
ageとくね

989 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/30(金) 07:06 [ xT9Omm6U ]
ぶっちゃけ漏れは読んでない。

小説のせるのは個人の自由。
読まないのも自由。
載せないのも自由。

各自、自由に汁。

990 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/30(金) 07:15 [ Ouoy9gxQ ]
Seilu叩きに関しては、彼がコテハンでやってるのも一因かもしれない
初期はともかくとして、中期から後期はキャラ名の多用を減らしているし
書き込み全部1つに纏めると、意外と物語がハッキリ見えてくる
あの書き方は結構な量の文章を最初から最後まで書く人の書き方に近い
一部分だけ取り上げると分からないけど、全体を読むと分かってくるような感じ

まあ、彼自身が何を考えてるかは分からないけど
知らない人間が見ても大よそ分かるように考えて書いているんじゃないだろうか

991 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/30(金) 10:58 [ BFp/3.jk ]
まぁ、まずスペルからしてヤバ(ry

992 名前: あぷるる 投稿日: 2003/05/31(土) 00:49 [ GPtn4ibI ]
ここに書き込むのもどーかと思ったけどね。
小分けに投稿する場合の宿命だよ。
まとめて読んでみると結構すっきりするよ。
サイトに乗っけるまで良さはわからなかった。

993 名前: あぷるる 投稿日: 2003/05/31(土) 01:04 [ GPtn4ibI ]
あー。それと旧スレだから書いておく。
タル戦、名無しの作者とseiluの作者は別人だ。
書き手に手法があるのは当然。
前者が二次創作物での基本通り書いてるのと同じように、後者はある意味
一般でもわかるような表現をとってるに過ぎない。
批判するなら、作品の中身について触れた方がいいと思うが。
引用するが、
小説のせるのは個人の自由。
読まないのも自由。
載せないのも自由。

994 名前: 戦死38才痛風持ち 投稿日: 2003/05/31(土) 08:06 [ LvTZQgBM ]
更新乙

995 名前: あぷるる 投稿日: 2003/05/31(土) 10:02 [ GPtn4ibI ]
ごめん。酔っ払ったまま書いちゃった。
朝読み返してかなりショボーンな気分。
マターリいこうよ。

996 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/31(土) 10:24 [ ME0gYKj6 ]
そうそう、関係ないですけど、既成の作品を否定することで、
製作者より自分は優秀な人間だと錯覚する人ってよくいますよね。
そういう人に限って、常に否定ありきの感想文を書いて辛口レビュー
だとか言ってるんですよ。
やってることは重箱の隅をつついてるだけなのに。
そういう人たちって、それで何かやった気分になるんでしょうね。

997 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/31(土) 17:42 [ ImvU42IE ]
このままマッタリと1000を迎えよう。

998 名前: 戦死38才痛風持ち 投稿日: 2003/05/31(土) 18:01 [ LvTZQgBM ]
埋めてみる。

999 名前: 戦死38才痛風持ち 投稿日: 2003/05/31(土) 18:01 [ LvTZQgBM ]
埋めるだけ。

1000 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/05/31(土) 18:05 [ PNgmcneM ]
頂きます。

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